IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シチズン千葉精密株式会社の特許一覧 ▶ シチズンホールディングス株式会社の特許一覧

特開2022-101121回転子、ブラシレスモータ、回転子の製造方法
<>
  • 特開-回転子、ブラシレスモータ、回転子の製造方法 図1
  • 特開-回転子、ブラシレスモータ、回転子の製造方法 図2
  • 特開-回転子、ブラシレスモータ、回転子の製造方法 図3
  • 特開-回転子、ブラシレスモータ、回転子の製造方法 図4
  • 特開-回転子、ブラシレスモータ、回転子の製造方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101121
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】回転子、ブラシレスモータ、回転子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20220101AFI20220629BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
H02K1/27 501C
H02K1/27 501G
H02K1/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215519
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】507216098
【氏名又は名称】シチズン千葉精密株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】苅谷 岳広
(72)【発明者】
【氏名】清宮 共弘
(72)【発明者】
【氏名】土井 誠
(72)【発明者】
【氏名】片岡 克元
(72)【発明者】
【氏名】竹中 照人
【テーマコード(参考)】
5H601
5H622
【Fターム(参考)】
5H601AA01
5H601AA02
5H601CC01
5H601CC15
5H601CC20
5H601CC25
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD23
5H601DD42
5H601DD47
5H601KK03
5H601KK13
5H601KK21
5H622CA01
5H622CA07
5H622PP01
5H622PP05
5H622PP11
5H622PP19
(57)【要約】
【課題】振動を抑制することができる回転子等を提供する。
【解決手段】所定の中心線を中心として回転可能な回転子10であって、円柱状のマグネット12と、マグネット12の外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケース13と、第1円柱状部71と第1円筒状部72とを有する第1回転軸70と、を備え、第1回転軸70の第1円筒状部72は、マグネットケース13における中心線方向の端部に形成された第1凹部911の外周面を覆っている回転子である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の中心線を中心として回転可能な回転子であって、
柱状のマグネットと、
前記マグネットの外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケースと、
軸部と筒状部とを有する回転軸と、
を備え、
前記回転軸の前記筒状部は、前記マグネットケースにおける前記中心線方向の端部の外周面を覆っている
回転子。
【請求項2】
前記マグネットケースは、前記マグネットに圧入されるとともに、前記中心線方向の端部の外周面に、中央部の外周面よりも前記中心線側に凹んだ凹部を有し、
前記回転軸の前記筒状部が前記凹部に圧入されている
請求項1に記載の回転子。
【請求項3】
前記マグネットケースの前記凹部の外周面と、前記回転軸の前記筒状部の内周面とが接着されている
請求項2に記載の回転子。
【請求項4】
前記マグネットにおける前記中心線方向の端面と、当該端面と対向する前記回転軸における前記中心線方向の端面とが接合されていない
請求項1~3の何れか一つに記載の回転子。
【請求項5】
前記マグネットケースは、前記マグネットの外周面の一部を覆うケース筒状部と、前記マグネットにおける前記中心線方向の端面を覆う覆い部とを有する
請求項1~4の何れか一つに記載の回転子。
【請求項6】
前記覆い部は、貫通孔を有する
請求項5に記載の回転子。
【請求項7】
固定子と、
当該固定子の内側に回転可能に設けられた請求項1~6の何れか一つに記載の回転子と、
を備えたブラシレスモータ。
【請求項8】
所定の中心線を中心として回転可能な回転子の製造方法であって、
柱状のマグネットに、当該マグネットの外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケースを圧入する工程と、
前記マグネットケースにおける前記中心線方向の端部の外周面に切削加工を施して中央部の外周面から前記中心線側に凹んだ凹部を形成する工程と、
前記マグネットケースと、軸部と筒状部とを有する回転軸とを、相対的に前記中心線方向に移動させて、前記マグネットケースの前記凹部と前記回転軸の前記筒状部とを圧入する工程と、
を有する回転子の製造方法。
【請求項9】
前記マグネットケースが前記マグネットに圧入された状態で、前記マグネットにおける前記中心線方向の一方側の端面及び前記マグネットケースにおける前記中心線方向の一方側の端面に同時に切削加工を施す工程を有する
請求項8に記載の回転子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転子、ブラシレスモータ、回転子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、界磁鉄心に巻装したコイルに電流を流すと永久磁石からなるロータが回転するブラシレスモータにおいて、一端面に回転軸を突設した保持体が円柱状のロータの両端面に一体に取り付けられた構成が記載されている。そして、保持体は、円柱状のロータと共にスリーブに挿入した保持体の端面にスリーブの両端部をそれぞれかしめ付けることにより、ロータの両端面に一体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62-119182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転軸、マグネット、マグネットの外周面を覆うマグネットケース等の回転子を構成する部品間の寸法のバラツキや組立誤差が大きくなった場合には、回転子の振れやアンバランス量が大きくなり、振動が大きくなるおそれがある。回転子を組み立てた直後は、振れやアンバランス量が小さかったとしても、特に回転子が高速回転させられると、回転子が回転するにつれて部品の変形、破損、位置ずれ等が生じて、振動が大きくなるおそれがある。
本発明は、振動を抑制することができる回転子等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的のもと完成させた本発明は、所定の中心線を中心として回転可能な回転子であって、柱状のマグネットと、前記マグネットの外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケースと、軸部と筒状部とを有する回転軸と、を備え、前記回転軸の前記筒状部は、前記マグネットケースにおける前記中心線方向の端部の外周面を覆っている回転子である。
ここで、前記マグネットケースは、前記マグネットに圧入されるとともに、前記中心線方向の端部の外周面に、中央部の外周面よりも前記中心線側に凹んだ凹部を有し、前記回転軸の前記筒状部が前記凹部に圧入されていても良い。
また、前記マグネットケースの前記凹部の外周面と、前記回転軸の前記筒状部の内周面とが接着されていても良い。
また、前記マグネットにおける前記中心線方向の端面と、当該端面と対向する前記回転軸における前記中心線方向の端面とが接合されていなくても良い。
また、前記マグネットケースは、前記マグネットの外周面の一部を覆うケース筒状部と、前記マグネットにおける前記中心線方向の端面を覆う覆い部とを有していても良い。
また、前記覆い部は、貫通孔を有しても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、固定子と、当該固定子の内側に回転可能に設けられた前記回転子と、を備えたブラシレスモータである。
また、他の観点から捉えると、本発明は、所定の中心線を中心として回転可能な回転子の製造方法であって、柱状のマグネットに、当該マグネットの外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケースを圧入する工程と、前記マグネットケースにおける前記中心線方向の端部の外周面に切削加工を施して中央部の外周面から前記中心線側に凹んだ凹部を形成する工程と、前記マグネットケースと、軸部と筒状部とを有する回転軸とを、相対的に前記中心線方向に移動させて、前記マグネットケースの前記凹部と前記回転軸の前記筒状部とを圧入する工程と、を有する回転子の製造方法である。
ここで、前記マグネットケースが前記マグネットに圧入された状態で、前記マグネットにおける前記中心線方向の一方側の端面及び前記マグネットケースにおける前記中心線方向の一方側の端面に同時に切削加工を施す工程を有しても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、振動を抑制することができる回転子等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係るブラシレスモータの断面の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る回転子を構成する部品の一例を示す斜視図である。
図3】第1の実施形態に係る回転子の製造方法の一例を示す図である。
図4】第2の実施形態に係るブラシレスモータの断面の一例を示す図である。
図5】第2の実施形態に係る回転子の製造方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るブラシレスモータ1の断面の一例を示す図である。
図2は、第1の実施形態に係る回転子10を構成する部品の一例を示す斜視図である。
本実施の形態に係るブラシレスモータ1は、回転子10と、固定子20と、固定子20を収容するハウジング30とを備えている。
【0009】
回転子10は、回転軸11と、円柱状のマグネット12と、マグネット12の外周面を覆う円筒状のマグネットケース13とを有している。マグネットケース13は、マグネット12に圧入され、回転軸11は、マグネットケース13に圧入されている。以下では、回転軸11の中心線方向を、単に「軸方向」と称する場合もある。また、軸方向において、図1の左側を「一方側」、図1の右側を「他方側」と称する場合もある。
回転子10については、後で詳述する。
【0010】
固定子20は、円筒状のコイル21と、コイル21を保持する円筒状のスタック22と、スタック22における他方側の端面に設けられた中継基板23と、中継基板23に接続されたリード線24とを有している。
【0011】
ハウジング30は、回転軸11の軸方向の両端部が開口した円筒状のケース31と、ケース31における一方側の開口を覆う第1プレート32と、ケース31における他方側の開口を覆う第2プレート33とを有している。また、ハウジング30は、第1プレート32に保持されて、回転軸11の一方側の端部を回転可能に支持する第1軸受34と、回転軸11の他方側の端部を回転可能に支持する第2軸受35とを備えている。
第1プレート32、第2プレート33は、それぞれ、内側に、第1軸受34、第2軸受35を保持するとともに、ケース31の内部に嵌め込まれた、略円筒状の部材である。第1軸受34及び第2軸受35は、ボールベアリングであることを例示することができる。
【0012】
また、ブラシレスモータ1は、第2軸受35よりも他方側に設けられて、回転子10の回転角度を検出する検出装置50と、検出装置50を覆う有底円筒状のカバー60とを備えている。
検出装置50は、磁気センサ51と、磁気センサ51が実装されたセンサ基板52と、磁気センサ51に相対するように設けられたセンサ用のマグネット53を有するマグネットユニット54とを有している。
【0013】
(回転子10)
回転軸11は、マグネットケース13における一方側の端部に圧入された第1回転軸70と、マグネットケース13における他方側の端部に圧入された第2回転軸80とを有している。
第1回転軸70は、一方側に設けられた円柱状の第1円柱状部71と、第1円柱状部71よりも他方側に設けられた円筒状の第1円筒状部72とを有している。また、第1回転軸70は、第1円柱状部71と第1円筒状部72とを接続する第1接続部73を有している。
第2回転軸80は、他方側に設けられた円柱状の第2円柱状部81と、第2円柱状部81よりも一方側に設けられた円筒状の第2円筒状部82とを有している。また、第2回転軸80は、第2円柱状部81と第2円筒状部82とを接続する第2接続部83を有している。
【0014】
マグネットケース13には、軸方向における一方側の端部である第1端部91に、中央部93の中央外周面931から凹んだ第1凹部911が形成されている。また、マグネットケース13には、軸方向における他方側の端部である第2端部92に、中央部93の中央外周面931から凹んだ第2凹部921が形成されている。
マグネットケース13は、円筒状の素材に対して、旋盤を用いて、第1凹部911及び第2凹部921が切削加工されることにより成形される。
【0015】
第1凹部911の第1外周面913は軸方向に平行な面であり、第1外周面913の径は、中央部93の中央外周面931の径よりも小さい。また、第2凹部921の第2外周面923は軸方向に平行な面であり、第2外周面923の径は、中央部93の中央外周面931の径よりも小さい。第1凹部911の第1外周面913の径と第2凹部921の第2外周面923の径は、同一であることを例示することができる。
【0016】
第1回転軸70の第1円柱状部71の外周面の径は、マグネットケース13の第1凹部911の第1外周面913の径よりも小さい。また、第1回転軸70の第1円筒状部72の第1内周面721の径は、第1円筒状部72がマグネットケース13に圧入される前は、マグネットケース13の第1凹部911の第1外周面913の径よりも僅かに小さい。そして、第1円筒状部72はマグネットケース13にしまりばめで嵌め合わせられている。ただし、第1円筒状部72はマグネットケース13に中間ばめで嵌め合わせられていても良い。そして、第1回転軸70は、第1円筒状部72が、マグネットケース13の第1凹部911の第1外周面913の一部を覆うとともに、第1接続部73の第1端面731が、マグネット12の第1端面122及びマグネットケース13における一方側の端面に接触するように、マグネットケース13に組み付けられている。そして、第1回転軸70の第1接続部73の第1端面731は、マグネット12の第1端面122及びマグネットケース13における一方側の端面に接着、粘着、溶接等により接合されていない。
【0017】
第1回転軸70とマグネットケース13とが組み付けられる際、マグネットケース13の第1凹部911の第1外周面913上に接着剤が塗布された状態で、軸方向に、第1回転軸70とマグネットケース13とが相対的に移動させられる。例えば、第1回転軸70が、マグネットケース13に対して、軸方向の一方側から他方側に移動させられる。そして、接着剤は、第1回転軸70の第1円筒状部72の第1内周面721とマグネットケース13の第1凹部911の第1外周面913との間に介在し、第1回転軸70とマグネットケース13とを接着する。また、接着剤の一部は、第1回転軸70とマグネットケース13とが相対的に移動させられるのに伴って、軸方向の一方側から他方側に移動し、第1円筒状部72の先端部と、中央部93における一方側の端部との間の隙間に移動する。この隙間に移動した接着剤は、必要に応じて、例えば拭き取られることで除去される。
【0018】
第2回転軸80の第2円柱状部81の外周面の径は、マグネットケース13の第2凹部921の第2外周面923の径よりも小さい。また、第2回転軸80の第2円筒状部82の第2内周面821の径は、第2円筒状部82がマグネットケース13に圧入される前は、マグネットケース13の第2凹部921の第2外周面923の径よりも僅かに小さい。そして、第2円筒状部82はマグネットケース13にしまりばめで嵌め合わせられている。ただし、第2円筒状部82はマグネットケース13に中間ばめで嵌め合わせられていても良い。そして、第2回転軸80は、第2円筒状部82が、マグネットケース13の第2凹部921の第2外周面923の一部を覆うように、マグネットケース13に組み付けられている。そして、第2回転軸80の第2接続部83の第2端面831及びマグネットケース13における他方側の端面は、マグネット12の第2端面123及びマグネットケース13における他方側の端面に接着、粘着、溶接等により接合されていない。
【0019】
第2回転軸80とマグネットケース13とが組み付けられる際、マグネットケース13の第2凹部921の第2外周面923上に接着剤が塗布された状態で、軸方向に、第2回転軸80とマグネットケース13とが相対的に移動させられる。例えば、第2回転軸80が、マグネットケース13に対して、軸方向の他方側から一方側に移動させられる。そして、接着剤は、第2回転軸80の第2円筒状部82の第2内周面821とマグネットケース13の第2凹部921の第2外周面923との間に介在し、第2回転軸80とマグネットケース13とを接着する。また、接着剤の一部は、第2回転軸80とマグネットケース13とが相対的に移動させられるのに伴って、軸方向の他方側から一方側に移動し、第2円筒状部82の先端部と、中央部93における他方側の端部との間の隙間に移動する。この隙間に移動した接着剤は、必要に応じて、例えば拭き取られることで除去される。
【0020】
以上のように構成されたブラシレスモータ1は、固定子20と、固定子20の内側に回転可能に設けられた回転子10とを備える。そして、回転子10は、円柱状のマグネット12と、マグネット12の外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケース13と、軸部(例えば第1円柱状部71)と、マグネットケース13の外周面の一部を覆う円筒状の円筒状部(例えば第1円筒状部72)とを有する回転軸11とを備える。そして、マグネットケース13は、マグネット12に圧入されるとともに、マグネット12の中心線方向の端部に中央部よりも中心線側に凹んだ凹部(例えば第1凹部911)を有し、回転軸11の円筒状部(例えば第1円筒状部72)がマグネットケース13の凹部(例えば第1凹部911)に圧入されている。このように、マグネットケース13は、マグネット12に圧入され、回転軸11は、マグネットケース13の凹部(例えば第1凹部911)に圧入されているので、部品間の寸法のバラツキや組立誤差が小さくなり、回転軸11の中心線(回転軸心)とマグネット12の中心線(回転軸心)とが一致し易くなる。その結果、ブラシレスモータ1によれば、回転子10の振れやアンバランス量が小さくなるので、振動を抑制することができる。また、例えば、軸方向の端部に凹部が形成されていないマグネットケースに回転軸11の円筒状部(例えば第1円筒状部72)が嵌め込まれている構成と比較して、マグネット12の外周面121と、固定子20のコイル21との間のエアギャップを小さくすることができる。その結果、エアギャップの磁束密度を大きくすることができるので、ブラシレスモータ1の回転性能を向上させることができる。また、ブラシレスモータ1によれば、マグネットケース13がマグネット12の外周面の少なくとも一部を覆うので、回転子10が高速回転させられたとしてもマグネット12が損傷することを抑制できるとともに、マグネット12にニッケルメッキ等の表面処理を施さなくても錆が発生することを抑制できる。また、回転軸11の円筒状部(例えば第1円筒状部72)がマグネットケース13における軸方向の端部の外周面(例えば第1外周面913)を覆っているので、回転子10が高速回転させられたとしてもマグネットケース13における軸方向の端部(例えば第1端部91)が変形等して振動が発生することを抑制できる。また、マグネット12における軸方向の端面(例えば第1端面122)と、この端面と対向する回転軸11における軸方向の端面(例えば第1端面731)とが接合されていないので、これらの端面が互いに接合されている場合と比較して、回転軸11の中心線に対するマグネット12の中心線の傾きを抑制することができる。
【0021】
そして、第1の実施形態に係るブラシレスモータ1においては、マグネットケース13の凹部(例えば第1凹部911)の外周面(例えば第1外周面913)と、回転軸11の円筒状部(例えば第1円筒状部72)の内周面(例えば第1内周面721)とが接着されている。このように、マグネットケース13と回転軸11とが接着されていることで、マグネットケース13と回転軸11とが一体として回転し易くなる。また、マグネットケース13と回転軸11とを接着剤を用いて接着することで、簡易にマグネットケース13と回転軸11とを一体にすることができる。
なお、マグネットケース13と回転軸11とを接合する手法は、接着に限定されない。例えば、マグネットケース13と回転軸11とを粘着しても良い。また、マグネットケース13と回転軸11とを溶接しても良い。
【0022】
また、第1の実施形態に係るブラシレスモータ1においては、マグネットケース13は、円筒状であり、中心線方向の端部に凹部(例えば第1凹部911)を有している。これにより、回転軸11とマグネットケース13とを容易に圧入することができる。
なお、マグネットケース13の中央部93の中央外周面931の外径と、回転軸11の第1円筒状部72及び第2円筒状部82の外周面の径とは、同一であると良い。これにより、例えば、マグネットケース13の中央部93の中央外周面931の径よりも回転軸11の第1円筒状部72及び第2円筒状部82の外周面の径の方が大きい場合と比較して、マグネット12と、固定子20のコイル21との間のエアギャップを小さくすることができる。その結果、エアギャップの磁束密度を大きくすることができるので、ブラシレスモータ1の回転性能を向上させることができる。
【0023】
また、第1軸受34及び第2軸受35にて回転可能に支持される、回転軸11の第1回転軸70の第1円柱状部71及び第2回転軸80の第2円柱状部81は、円柱状部に限定されない。例えば、第1円柱状部71及び第2円柱状部81は、円筒状であっても良い。
【0024】
図3は、第1の実施形態に係る回転子10の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図3(a)に示すように、円柱状であるマグネット12の外周面121上に接着剤を塗布し、マグネット12と円筒状であるマグネットケース13の素材とを、しまりばめで嵌め合わせる(圧入する)。
次に、図3(b)に示すように、円筒状であるマグネットケース13の素材に対して、旋盤を用いて切削加工することにより、第1凹部911及び第2凹部921を成形する。また、旋盤を用いて、マグネット12の第1端面122及び第2端面123を切削加工するとともに、マグネットケース13における一方側の端面及び他方側の端面を、それぞれ、マグネット12の第1端面122及び第2端面123を切削加工するのと同時に、切削加工する。これにより、マグネット12及びマグネットケース13における軸方向の両端面が精度良く平坦化される。
【0025】
次に、図3(c)に示すように、マグネットケース13の第1凹部911の第1外周面913上に接着剤を塗布し、第1凹部911に、第1回転軸70の第1円筒状部72を、しまりばめで嵌め合わせる(圧入する)。これにより、マグネットケース13と第1回転軸70とが接着剤にて接着される。また、マグネットケース13の第2凹部921の第2外周面923上に接着剤を塗布し、第2凹部921に、第2回転軸80の第2円筒状部82を、しまりばめで嵌め合わせる(圧入する)。これにより、マグネットケース13と第2回転軸80とが接着剤にて接着される。
【0026】
上述したように、回転子10の製造方法は、円柱状のマグネット12に、マグネット12の外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケース13を圧入する工程と、マグネットケース13における中心線方向の端部に切削加工を施して中央部93の外周面(例えば中央外周面931)から凹んだ凹部(例えば第1凹部911)を形成する工程とを有する。また、回転子10の製造方法は、マグネットケース13と、軸部(例えば第1円柱状部71)と円筒状の円筒状部(例えば第1円筒状部72)とを有する回転軸11とを、相対的に中心線方向に移動させて、マグネットケース13の凹部(例えば第1凹部911)と回転軸11の円筒状部(例えば第1円筒状部72)とを圧入する工程を有する。
【0027】
このように、マグネットケース13を、マグネット12に圧入し、回転軸11を、マグネットケース13の凹部(例えば第1凹部911)に圧入しているので、部品間の寸法のバラツキや組立誤差を小さくすることができ、回転軸11の中心線(回転軸心)とマグネット12の中心線(回転軸心)とを一致し易くすることができる。その結果、ブラシレスモータ1によれば、回転子10の振れやアンバランス量が小さくなるので、振動を抑制することができる。
【0028】
なお、第1回転軸70には、第1接続部73の第1端面731の中央部に、第1端面731から凹んだ中央凹部733が形成されている。中央凹部733は、旋盤を用いてマグネット12の第1端面122が切削加工されることに起因して生じるおそれがある、第1端面122の中央部から軸方向に突出した凸部が、第1端面731に接触することを抑制するために成形されている。同様に、第2回転軸80には、第2接続部83の第2端面831の中央部に、第2端面831から凹んだ中央凹部833が形成されている。
【0029】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態に係るブラシレスモータ2の断面の一例を示す図である。
第2の実施形態に係るブラシレスモータ2は、第1の実施形態に係るブラシレスモータ1に対して、回転子10に相当する回転子210が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。第1の実施形態と第2の実施形態とで、同じ形状及び機能を有するものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0030】
第2の実施形態に係る回転子210は、回転軸11と、マグネット12と、マグネット12の外周面121の一部、第1端面122及び第2端面123を覆うマグネットケース213とを有している。
【0031】
マグネットケース213は、マグネット12における一方側の端部に圧入された第1ケース230と、マグネット12における他方側の端部に圧入された第2ケース240とを有している。第1回転軸70は、第1ケース230に圧入され、第2回転軸80は、第2ケース240に圧入されている。
【0032】
第1ケース230は、円筒状の第1円筒状部231と、第1円筒状部231における一方側の開口部を覆う第1覆い部232とを有している。第1ケース230には、軸方向における一方側の端部に、他方側の外周面233から凹んだ第1凹部234が形成されている。
第1ケース230は、有底円筒状の素材に対して、旋盤を用いて、第1凹部234及び第1覆い部232における一方側の面が切削加工されることにより成形される。
【0033】
第2ケース240は、円筒状の第2円筒状部241と、第2円筒状部241における他方側の開口部を覆う第2覆い部242とを有している。第2ケース240には、軸方向における他方側の端部に、一方側の外周面243から凹んだ第2凹部244が形成されている。
第2ケース240は、有底円筒状の素材に対して、旋盤を用いて、第2凹部244及び第2覆い部242における他方側の面が切削加工されることにより成形される。
【0034】
第1凹部234の第1外周面235は軸方向に平行な面であり、第1外周面235の径は、第1円筒状部231における第1凹部234よりも他方側の外周面の径よりも小さい。また、第2凹部244の第2外周面245は軸方向に平行な面であり、第2外周面245の径は、第2円筒状部241における第2凹部244よりも一方側の外周面の径よりも小さい。第1凹部234の第1外周面235の径と第2凹部244の第2外周面245の径は、同一であることを例示することができる。
【0035】
第1回転軸70の第1円柱状部71の外周面の径は、第1ケース230の第1凹部234の第1外周面235の径よりも小さい。また、第1回転軸70の第1円筒状部72の第1内周面721の径は、第1円筒状部72が第1ケース230に圧入される前は、第1ケース230の第1凹部234の第1外周面235の径よりも僅かに小さい。そして、第1円筒状部72は第1ケース230にしまりばめで嵌め合わせられている。ただし、第1円筒状部72は第1ケース230に中間ばめで嵌め合わせられていても良い。そして、第1回転軸70は、第1円筒状部72が、第1ケース230の第1凹部234の第1外周面235の一部を覆うとともに、第1接続部73の第1端面731が、第1ケース230の第1覆い部232における一方側の端面に接触するように、第1ケース230に組み付けられている。そして、第1回転軸70の第1接続部73の第1端面731は、第1ケース230の第1覆い部232における一方側の端面に接着、粘着、溶接等により接合されていない。
【0036】
第1回転軸70と第1ケース230とが組み付けられる際、第1ケース230の第1凹部234の第1外周面235上に接着剤が塗布された状態で、軸方向に、第1回転軸70と第1ケース230とが相対的に移動させられる。例えば、第1回転軸70が、第1ケース230に対して、軸方向の一方側から他方側に移動させられる。そして、接着剤は、第1回転軸70の第1円筒状部72の第1内周面721と第1ケース230の第1凹部234の第1外周面235との間に介在し、第1回転軸70と第1ケース230とを接着する。また、接着剤の一部は、第1回転軸70と第1ケース230とが相対的に移動させられるのに伴って、軸方向の一方側から他方側に移動し、第1円筒状部72の先端部と、第1ケース230の第1凹部234における他方側の端部との間の隙間に移動する。この隙間に移動した接着剤は、必要に応じて、例えば拭き取られることで除去される。
【0037】
第2回転軸80の第2円柱状部81の外周面の径は、第2ケース240の第2凹部244の第2外周面245の径よりも小さい。また、第2回転軸80の第2円筒状部82の第2内周面821の径は、第2円筒状部82が第2ケース240に圧入される前は、第2ケース240の第2凹部244の第2外周面245の径よりも僅かに小さい。そして、第2円筒状部82は第2ケース240にしまりばめで嵌め合わせられている。ただし、第2円筒状部82は第2ケース240に中間ばめで嵌め合わせられていても良い。そして、第2回転軸80は、第2円筒状部82が、第2ケース240の第2凹部244の第2外周面245の一部を覆うとともに、第2接続部83の第2端面831が、第2ケース240の第2覆い部242における他方側の端面に接触するように、第2ケース240に組み付けられている。そして、第2回転軸80の第2接続部83の第2端面831は、第2ケース240の第2覆い部242における他方側の端面に接着、粘着、溶接等により接合されていない。
【0038】
第2回転軸80と第2ケース240とが組み付けられる際、第2ケース240の第2凹部244の第2外周面245上に接着剤が塗布された状態で、軸方向に、第2回転軸80と第2ケース240とが相対的に移動させられる。例えば、第2回転軸80が、第2ケース240に対して、軸方向の他方側から一方側に移動させられる。そして、接着剤は、第2回転軸80の第2円筒状部82の第2内周面821と第2ケース240の第2凹部244の第2外周面245との間に介在し、第2回転軸80と第2ケース240とを接着する。また、接着剤の一部は、第2回転軸80と第2ケース240とが相対的に移動させられるのに伴って、軸方向の他方側から一方側に移動し、第2円筒状部82の先端部と、第2ケース240の第2凹部244における一方側の端部との間の隙間に移動する。この隙間に移動した接着剤は、必要に応じて、例えば拭き取られることで除去される。
【0039】
以上のように構成されたブラシレスモータ2は、固定子20と、固定子20の内側に回転可能に設けられた回転子210とを備える。そして、回転子210は、円柱状のマグネット12と、マグネット12の外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケース213と、軸部(例えば第1円柱状部71)と、マグネットケース213の外周面の一部を覆う円筒状の円筒状部(例えば第1円筒状部72)とを有する回転軸11とを備える。そして、マグネットケース213は、マグネット12に圧入されるとともに、マグネット12の中心線方向の端部に中央部よりも中心線側に凹んだ凹部(例えば第1凹部234)を有し、回転軸11の円筒状部(例えば第1円筒状部72)がマグネットケース213の凹部(例えば第1凹部234)に圧入されている。このように、マグネットケース213は、マグネット12に圧入され、回転軸11は、マグネットケース213の凹部(例えば第1凹部234)に圧入されているので、部品間の寸法のバラツキや組立誤差が小さくなり、回転軸11の中心線(回転軸心)とマグネット12の中心線(回転軸心)とが一致し易くなる。その結果、ブラシレスモータ2によれば、回転子10の振れやアンバランス量が小さくなるので、振動を抑制することができる。また、例えば、軸方向の端部に凹部が形成されていないマグネットケースに回転軸11の円筒状部(例えば第1円筒状部72)が嵌め込まれている構成と比較して、マグネット12の外周面と、固定子20のコイル21との間のエアギャップを小さくすることができる。その結果、エアギャップの磁束密度を大きくすることができるので、ブラシレスモータ2の回転性能を向上させることができる。また、ブラシレスモータ2によれば、マグネットケース213がマグネット12の外周面の少なくとも一部を覆うので、回転子210が高速回転させられたとしてもマグネット12が損傷することを抑制できるとともに、マグネット12にニッケルメッキ等の表面処理を施さなくても錆が発生することを抑制できる。また、マグネットケース213がマグネット12における軸方向における端面(例えば第1端面122)を覆っているので、回転軸11(例えば第1回転軸70)とマグネット12との接続部分の剛性や機械的強度を高めることができる。また、回転軸11の円筒状部(例えば第1円筒状部72)がマグネットケース213における軸方向の端部の外周面(例えば第1外周面235)を覆っているので、回転子210が高速回転させられたとしてもマグネットケース213が変形等して振動が発生することを抑制できる。また、マグネットケース213における軸方向の端面(例えば第1覆い部232における一方側の端面)と、この端面と対向する回転軸11における軸方向の端面(例えば第1端面731)とが接合されていないので、これらの端面が互いに接合されている場合と比較して、回転軸11の中心線に対するマグネット12の中心線の傾きを抑制することができる。
【0040】
そして、マグネットケース213は、マグネット12の外周面の一部を覆う円筒状のケース円筒状部(例えば第1円筒状部231)と、マグネット12の中心線方向の端面(例えば第1端面122)を覆う覆い部(例えば第1覆い部232)とを有し、ケース円筒状部(例えば第1円筒状部231)における覆い部(例えば第1覆い部232)側の部位に凹部(例えば第1凹部234)を有している。これにより、回転軸11とマグネットケース213とを容易に圧入することができる。
【0041】
図5は、第2の実施形態に係る回転子210の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図5(a)に示すように、円柱状であるマグネット12の外周面121上に接着剤を塗布し、マグネット12と、第1ケース230の素材及び第2ケース240の素材とを、しまりばめで嵌め合わせる(圧入する)。
なお、この際、有底円筒状の第1ケース230及び第2ケース240の内側に溜まった空気が、第1ケース230及び第2ケース240の内側にマグネット12を圧入することを妨げる場合には、第1ケース230の第1覆い部232及び第2ケース240の第2覆い部242に、第1ケース230及び第2ケース240の内側から空気を抜くための貫通孔を形成しておいても良い。この貫通孔は、マグネット12の中心線を中心とする円形の貫通孔であることを例示することができる。
【0042】
次に、図5(b)に示すように、第1ケース230の素材に対して、旋盤を用いて切削加工することにより、第1凹部234を成形する。また、旋盤を用いて切削加工することにより、第1ケース230の第1覆い部232における一方側の面を成形する。また、第2ケース240の素材に対して、旋盤を用いて切削加工することにより、第2凹部244を成形する。また、旋盤を用いて切削加工することにより、第2ケース240の第2覆い部242における他方側の面を成形する。
【0043】
次に、図5(c)に示すように、第1ケース230の第1凹部234の第1外周面235上に接着剤を塗布し、第1凹部234に、第1回転軸70の第1円筒状部72を、しまりばめで嵌め合わせる(圧入する)。これにより、第1ケース230と第1回転軸70とが接着剤にて接着される。また、第2ケース240の第2凹部244の第2外周面245上に接着剤を塗布し、第2凹部244に、第2回転軸80の第2円筒状部82を、しまりばめで嵌め合わせる(圧入する)。これにより、第2ケース240と第2回転軸80とが接着剤にて接着される。
【0044】
上述したように、回転子210の製造方法は、円柱状のマグネット12に、マグネット12の外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケース213を圧入する工程と、マグネットケース213における中心線方向の端部に切削加工を施して中央部の外周面(例えば他方側の外周面233)から凹んだ凹部(例えば第1凹部234)を形成する工程とを有する。また、回転子210の製造方法は、マグネットケース213と、軸部(例えば第1円柱状部71)と円筒状の円筒状部(例えば第1円筒状部72)とを有する回転軸11とを、相対的に中心線方向に移動させて、凹部(例えば第1凹部234)と円筒状部(例えば第1円筒状部72)とを圧入する工程を有する。
【0045】
このように、マグネットケース213を、マグネット12に圧入し、回転軸11を、マグネットケース213の凹部(例えば第1凹部234)に圧入しているので、部品間の寸法のバラツキや組立誤差を小さくすることができ、回転軸11の中心線(回転軸心)とマグネット12の中心線(回転軸心)とを一致し易くすることができる。その結果、ブラシレスモータ2によれば、回転子10の振れやアンバランス量が小さくなるので、振動を抑制することができる。
【0046】
なお、本発明において、回転子の形状は、回転子10及び回転子210の形状に限定されず、その他の形状であっても良い。
【符号の説明】
【0047】
1,2…ブラシレスモータ、10,210…回転子、11…回転軸、12…マグネット、13,213…マグネットケース、20…固定子、21…コイル、30…ハウジング、50…検出装置、71…第1円柱状部、72,231…第1円筒状部、81…第2円柱状部、82,241…第2円筒状部、230…第1ケース、232…第1覆い部、234,911…第1凹部、235,913…第1外周面、240…第2ケース、242…第2覆い部、244,921…第2凹部、245,923…第2外周面
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の中心線を中心として回転可能な回転子であって、
柱状のマグネットと、
前記マグネットの外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケースと、
軸部と筒状部とを有する回転軸と、
を備え、
前記回転軸の前記筒状部は、前記マグネットケースにおける前記中心線方向の端部の外周面を覆っている
回転子。
【請求項2】
前記マグネットケースは、前記マグネットに圧入されるとともに、前記中心線方向の端部の外周面に、中央部の外周面よりも前記中心線側に凹んだ凹部を有し、
前記回転軸の前記筒状部が前記凹部に圧入されている
請求項1に記載の回転子。
【請求項3】
前記マグネットケースの前記端部の外周面と、前記回転軸の前記筒状部の内周面とが接合されていて、且つ、前記マグネットケースの前記端部に覆われた前記マグネットにおける前記中心線方向の端面と、当該端面と対向する前記回転軸における前記中心線方向の端面とが接合されていない
請求項に記載の回転子。
【請求項4】
前記マグネットケースは、前記マグネットにおける前記中心線方向の端部の外周面を覆うケース筒状部と、前記マグネットの前記端部における前記中心線方向の端面を覆う覆い部とを有し、
前記マグネットケースの前記ケース筒状部の外周面と、前記回転軸の前記筒状部の内周面とが接合されていて、且つ、前記マグネットケースの前記覆い部における前記中心線方向の端面と、当該端面と対向する前記回転軸における前記中心線方向の端面とが接合されていない
請求項1に記載の回転子。
【請求項5】
前記覆い部は、貫通孔を有する
請求項に記載の回転子。
【請求項6】
固定子と、
当該固定子の内側に回転可能に設けられた請求項1~の何れか一つに記載の回転子と、を備えたブラシレスモータ。
【請求項7】
所定の中心線を中心として回転可能な回転子の製造方法であって、
柱状のマグネットに、当該マグネットの外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケースを圧入する工程と、
前記マグネットケースにおける前記中心線方向の端部の外周面に切削加工を施して中央部の外周面から前記中心線側に凹んだ凹部を形成する工程と、
前記マグネットケースと、軸部と筒状部とを有する回転軸とを、相対的に前記中心線方向に移動させて、前記マグネットケースの前記凹部と前記回転軸の前記筒状部とを圧入する工程と、
を有する回転子の製造方法。
【請求項8】
前記マグネットケースが前記マグネットに圧入された状態で、前記中心線方向の一方側と他方側のうち互いに同じ側の前記マグネットの端面及び前記マグネットケースの端面に同時に切削加工を施す工程を有する
請求項に記載の回転子の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の中心線を中心として回転可能な回転子であって、
柱状のマグネットと、
前記マグネットの外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケースと、
軸部と筒状部とを有する回転軸と、
を備え、
前記回転軸の前記筒状部は、前記マグネットケースにおける前記中心線方向の端部の外周面を覆っており、
前記マグネットケースは、前記マグネットにおける前記中心線方向の端部の外周面を覆うケース筒状部と、前記マグネットの前記端部における前記中心線方向の端面を覆う覆い部とを有し、
前記マグネットケースの前記ケース筒状部の外周面と、前記回転軸の前記筒状部の内周面とが接合されていて、且つ、前記マグネットケースの前記覆い部における前記中心線方向の端面と、当該端面と対向する前記回転軸における前記中心線方向の端面とが接合されていない
回転子。
【請求項2】
前記覆い部は、貫通孔を有する
請求項に記載の回転子。
【請求項3】
固定子と、
当該固定子の内側に回転可能に設けられた請求項1又は2に記載の回転子と、を備えたブラシレスモータ。
【請求項4】
所定の中心線を中心として回転可能な回転子の製造方法であって、
柱状のマグネットに、当該マグネットの外周面の少なくとも一部を覆うマグネットケースを圧入する工程と、
前記マグネットケースにおける前記中心線方向の端部の外周面に切削加工を施して中央部の外周面から前記中心線側に凹んだ凹部を形成する工程と、
前記マグネットケースが前記マグネットに圧入された状態で、前記中心線方向の一方側と他方側のうち互いに同じ側の前記マグネットの端面及び前記マグネットケースの端面に同時に切削加工を施す工程と、
前記マグネットケースと、軸部と筒状部とを有する回転軸とを、相対的に前記中心線方向に移動させて、前記マグネットケースの前記凹部と前記回転軸の前記筒状部とを圧入する工程と、
を有する回転子の製造方法。