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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101242
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】製函装置
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/07 20170101AFI20220629BHJP
   B31B 50/30 20170101ALI20220629BHJP
【FI】
B31B50/07
B31B50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215699
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100157325
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 太一
(72)【発明者】
【氏名】大道 亮太
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA10
3E075AA23
3E075BA07
3E075BB08
3E075CA01
3E075DA23
3E075DA32
3E075DC04
3E075DC15
3E075DC45
3E075FA13
3E075GA03
(57)【要約】
【課題】ラップラウンド型のブランクシート100を用いて半函カートン100´を製函する際に、供給されるブランクシートの位置精度を向上する。
【解決手段】ブランクシート100を単票ごとに供給する供給ユニット10と、ブランクシートの平面方向における位置及び/又は角度を調整することで補正する補正ユニット20と、ブランクシートの基底面部を囲む、複数の壁相当部分を折り曲げて半函カートンを成型する製函ユニット30とを備え、補正ユニット20は、ブランクシートの基底面部内の基準シート領域を保持する保持手段21と、ブランクシートの基準シート領域21aに近接した2以上の第2のシート領域110L、Rの平面方向における位置を測定する計測手段25、26と、測定結果に基づき保持手段を移動させてブランクシートの位置及び/又は角度を調整することで補正する補正手段23、24と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップラウンド型のブランクシートの基底面部を囲む複数の壁相当部分を折り曲げて半函カートンを成型する製函装置であって、
ラップラウンド型のブランクシートを単票ごとに供給する供給ユニットと、
供給された前記ブランクシートの平面方向における位置及び/又は角度を調整することで補正する補正ユニットと、
調整された前記ブランクシートの基底面部を囲む、複数の壁相当部分を折り曲げて半函カートンを成型する製函ユニットと、
を備え、
前記補正ユニットは、
前記ブランクシートの前記基底面部内に位置する基準シート領域を保持する保持手段と、
保持された前記ブランクシートの前記基準シート領域に近接した2以上の測定対象部分の前記平面方向における位置を測定する計測手段と、
測定結果に基づき前記保持手段を移動させて前記ブランクシートの前記位置及び/又は角度を調整することで補正する補正手段と、
を有する
製函装置。
【請求項2】
前記基準シート領域と前記測定対象部分は、前記ブランクシートの平面方向における幅方向又は奥行方向における位置が略同一である
請求項1に記載の製函装置。
【請求項3】
前記計測手段は、
前記ブランクシートの平面方向における画像を撮像する撮像手段と、
撮像された前記画像における前記測定対象部分の位置を算出し、正規位置及び角度に戻すための補正値を算出する算出手段と、
を有する
請求項1又は2に記載の製函装置。
【請求項4】
前記補正ユニットにおいて平面方向における位置及び/又は角度が調整された前記ブランクシートを前記製函ユニットに搬送する搬送手段を備え、
前記ブランクシートの、搬送する方向に対する位置の補正は、
前記搬送手段の、前記ブランクシートを前記製函ユニットに搬送する際の搬送距離を調整することで補正する、
請求項1から3の何れか1項に記載の製函装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製函装置に関し、特に、ブランクシートを用いて半函カートンを製函する製函装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製品の包装するための製造ラインにおいて、ラップラウンド型カートンのブランクシートから半函カートンを製函して製品を詰め込んだのち封函するという製函・包装工程が導入されており、例えば、特許文献1、2には、この工程に用いる製函装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-96482号公報
【特許文献2】特開平9-314700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載された従来の製函装置では、シートマガジン内に積層されたブランクシートの外形部分を、ガイド機構により機械的に位置規制することによって、ブランクシートの位置精度を確保する構造であることから、製函ユニットに供給されるブランクシートの位置ばらつき大きいという課題があった。
【0005】
特に、近年の大型化・高精度化の趨勢により、カートンの大型化に伴いブランクシートの面積が大きい場合や、ブランクシートの反りやうねりが大きい条件では、製函ユニットに供給される際にブランクシートの位置のばらつきの縮減が難しく、カートンの成型精度が低下し、成型不良によるロスコストが生じることがあった。
【0006】
本開示は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ラップラウンド型のブランクシートを用いて半函カートンを製函する工程において、製函ユニットへ供給されるブランクシートの位置精度を高めることにより、カートンの成型精度を向上して、成型不良の低減が可能な製函装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様である製函装置は、ラップラウンド型のブランクシートの基底面部を囲む複数の壁相当部分を折り曲げて半函カートンを成型する製函装置であって、ラップラウンド型のブランクシートを単票ごとに供給する供給ユニットと、供給されたブランクシートの平面方向における位置及び/又は角度を調整することで補正する補正ユニットと、調整されたブランクシートの基底面部を囲む、複数の壁相当部分を折り曲げて半函カートンを成型する製函ユニットと、を備え、補正ユニットは、ブランクシートの基底面部内に位置する基準シート領域を保持する保持手段と、保持されたブランクシートの基準シート領域に近接した2以上の測定対象部分の平面方向における位置を測定する計測手段と、測定結果に基づき保持手段を移動させてブランクシートの位置及び/又は角度を調整することで補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る製函装置によれば、ラップラウンド型のブランクシートを用いて半函カートンを製函する工程において、製函ユニットに供給されるブランクシートの位置精度を高めることにより、カートンの成型精度を向上して、成型不良の低減が可能な製函装置を提供できる。
【0009】
また、従来必要であった機種変更時のシートマガジン内の位置決め機構の調整作業を削減して、生産効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(a)は、実施の形態に係る製函装置1に供給されるラップラウンドカートンの平面図、(b)は、半函カートンの斜視図である。
図2】実施の形態に係る製函装置1の構成を示す正面図である。
図3】製函装置1の構成を示す平面図である。
図4】補正ユニット20の構成を示す斜視図である。
図5】(a)は、補正ユニット20に保持されたブランクカートンの態様を示す平面図、(b)は、製函ユニット30による半函カートンの形成動作を示す斜視図である。
図6】(a)は、製函ユニット30におけるマンドレル31、及びマンドレル保持機構32の構成を示す右側面図、(b)は、平面図である。
図7】製函装置1における、製函動作の一態様を示す工程図である。
図8】(a)~(c)は、製函装置1の動作を説明するための模式正面図である。
図9】(a)(b)は、製函装置1の動作を説明するための模式正面図である。
図10】(a)(b)は、製函装置1の動作を説明するための模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本開示における実施の形態に係る製函装置は、ラップラウンド型のブランクシートの基底面部を囲む複数の壁相当部分を折り曲げて半函カートンを成型する製函装置であって、ラップラウンド型のブランクシートを単票ごとに供給する供給ユニットと、供給されたブランクシートの平面方向における位置及び/又は角度を調整することで補正する補正ユニットと、調整されたブランクシートの基底面部を囲む、複数の壁相当部分を折り曲げて半函カートンを成型する製函ユニットとを備え、補正ユニットは、ブランクシートの基底面部内に位置する基準シート領域を保持する保持手段と、保持されたブランクシートの基準シート領域に近接した2以上の測定対象部分の平面方向における位置を測定する計測手段と、測定結果に基づき保持手段を移動させてブランクシートの位置及び/又は角度を調整することで補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、基準シート領域と測定対象部分は、ブランクシートの平面方向における幅方向又は奥行方向における位置が略同一である構成としてもよい。
【0013】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において前記計測手段は、前記ブランクシートの平面方向における画像を撮像する撮像手段と、撮像された前記画像における前記測定対象部分の位置を算出し、前記補正手段は、正規位置及び角度に戻すための補正値を算出する算出手段と、を有する構成としてもよい。
【0014】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記補正ユニットにおいて平面方向における位置及び/又は角度が調整された前記ブランクシートを前記製函ユニットに搬送する搬送手段を備え、前記ブランクシートの、搬送する方向に対する位置の補正は、前記搬送手段の、前記ブランクシートを前記製函ユニットに搬送する際の搬送距離を調整することで補正する構成としてもよい。
【0015】
≪実施の形態≫
実施の形態に係る製函装置1の構成について図面を用いて説明する。ここで、本明細書では、各図におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ、幅方向、奥行方向、高さ方向とする場合があり、高さ方向の正方向を「上」方向、負方向を「下」方向とする場合がある。また、各図面における部材の縮尺は必ずしも実際のものと同じであるとは限らない。また、本明細書において、数値範囲を示す際に用いる符号「~」は、その両端の数値を含む。また、本実施形態で記載している、材料、数値等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。また、本開示の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施形態との構成の一部同士の組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
【0016】
<ブランクシート、半函カートンの構成>
本開示の一実施の形態に係る製函装置1に供給されるブランクシート100、及びブランクシート100から製函される半函カートン100´の構成について説明する。
【0017】
図1(a)は、実施の形態に係る製函装置1に供給されるラップラウンド型カートンの平面図である。
【0018】
ブランクシート100は、ボール紙、段ボールから撃ち抜かれラップラウンド形状のカートンのブランクシートであり、折り曲げ線によって立体を構成する複数の面に分割されている。
【0019】
具体的には、図1(a)に示すように、ブランクシート100は、基底面部101、前壁部102、後壁部103、蓋部104を主要部分として構成され、基底面部101、前壁部102、後壁部103、蓋部104には、それぞれ、左側壁を構成する左方フラップ105L~108L、右側壁を構成する右方フラップ105R~108Rが折り曲げ線を挟んで連設されている。また、蓋部104には、製函後において前壁部102の外面に重なり糊しろとなる前方フラップ109が折り曲げ線を挟んで連設されている。
【0020】
図1(b)は、ブランクシート100から製函された半函カートン100´の斜視図である。図1(b)に示すように、半函カートン100´は、ブランクシート100の前壁部102、後壁部103、左方フラップ105L~107L、右方フラップ105R~107Rを、それぞれの根本の曲げ線で上方に折り曲げて、基底面部101を底面として成形した蓋付半函カートンである。ブランクシート100の基底面部101が製函における基準面となる。また、左方フラップ106L、107Lは105Lの内方に、右方フラップ106R、107Rは105Rの内側に入り込んで製函される。
【0021】
<製函装置1の構成について>
製函装置1の構成について図面を用いて説明する。図2は、実施の形態に係る製函装置1の構成を示す正面図、図3は平面図である。
【0022】
(全体構成)
製函装置1は、複数のブランクシート100が平積されたシートスタック100x、ブランクシート100を供給する供給ユニット10、ブランクシートの平面方向における位置及び/又は角度を補正する補正ユニット20、ブランクシート100から半函カートン100´を成型する製函ユニット30、半函カートン100´を搬出する搬送路40とを備える。供給ユニット10、補正ユニット20、製函ユニット30、搬送路40は、これらを制御する制御部50によって、それぞれが連関して動作するように制御されている。
【0023】
また、本実施の形態では、製函対象となるブランクシート100として、半函カートン100´を製函するためのラップラウンド形状のカートンのブランクシートを例に、製函装置1の態様について説明する。しかしながら、ブランクシート100は、ラップラウンド型以外に、例えば、ストレート型等、他の形状であってもよい。
【0024】
(各部構成)
以下、製函装置1における、各部の構成について、説明する。
【0025】
[供給ユニット10]
供給ユニット10は、複数のブランクシート100が平積されたシートスタック100xから、ブランクシート100を単票ごとに取り出して、補正ユニット20に供給する機構ユニットである。したがって、ブランクシート100の平面方向は、図2、3におけるX-Y平面と平行な方向となる。
【0026】
図2、3に示すように、供給ユニット10は、吸着ヘッド11、昇降アーム12、水平可動アーム13、ガイドレール14を有する。
【0027】
吸着ヘッド11は、Y方向に複数配されており、それぞれは下方を向いたヘッド面に吸気孔を有する。吸気孔は、図示しない真空ポンプ等に接続されている。吸着ヘッド11のヘッド面をシートスタック100xの上側の表面に接触させた状態で吸気孔に負圧を付勢することによって、単票のブランクシート100を吸着保持することができる。
【0028】
昇降アーム12は、吸着ヘッド11それぞれに接続され、吸着ヘッド11を上下方向に昇降可能に構成されたアーム部材である。
【0029】
水平可動アーム13は、複数の昇降アーム12を支持し、ガイドレール14に沿ってX方向に移動可能に構成された搬送手段である。水平可動アーム13は、例えば、駆動用モータ等のアクチュエータ手段を含み、制御部50から発せられる制御信号に基づき駆動され、吸着ヘッド11のX方向の位置を変更することができる。
【0030】
ガイドレール14は、水平可動アーム13の移動を案内するレール機構である。
【0031】
この供給ユニット10によれば、ブランクシート100を吸着ヘッド11に吸着した状態で、昇降アーム12を引き上げることにより、シートスタック100xの最上面のブランクシート100を引き上げ、水平可動アーム13をガイドレール14に沿ってX方向に移動することにより、ブランクシート100を、補正ユニット20まで搬送する。さらに、昇降アーム12を下降させて、ブランクシート100を補正ユニット20の基盤21上に載設して負圧を解除することにより、ブランクシート100を補正ユニット20の基盤21上に載設することができる。
【0032】
[補正ユニット20]
補正ユニット20は、供給されたブランクシート100のX-Y面方向における位置及び/又は角度を補正して、ブランクシート100の平面方向における位置及び角度を、基準範囲内に収めるための機構である。
【0033】
図4は、補正ユニット20の構成を示す斜視図である。図2、3、4に示すように、補正ユニット20は、基盤21、支柱22、回転機構23、スライド機構24、撮像手段25、光源26、吸引機構27を有する。
【0034】
基盤21は、供給ユニット10によって供給されたブランクシート100が載設される支持台であって、上側の表面にY方向に列設された複数の吸気孔21aを有する。あるいは、基盤21上の吸気孔21aと異なるX方向の位置に吸気孔21bを有していてもよい。
【0035】
吸気孔21a、21bは、例えば、真空ポンプ等に接続された吸引機構27に接続されている。ブランクシート100が基盤21に載設された状態で、吸引機構27により吸気孔21a、21bに負圧を付勢することによって、ブランクシート100を基盤21の上面に吸着して保持することができる。吸気孔21a、21bが吸着するブランクシート100の基準シート領域111(図5(a)参照)については、後述する。
【0036】
なお、本明細書では、基盤21、吸引機構27が保持手段を構成する。
【0037】
支柱22は、基盤21を支持する構造部材である。
【0038】
回転機構23は、支柱22を支持しXーY面内で基準回転軸を中心として回転可能に構成された回転運動機構である。回転機構23は、例えば、モータ等のアクチュエータ手段を含み、制御部50から発せられる制御信号に基づき駆動され、基盤21のZ方向に平行な軸を中心に回転させて、基盤21のX-Y面内の角度を調整することができる。
【0039】
スライド機構24は、回転機構23を支持し、Y方向(奥行き方向)に移動可能に構成された直性運動機構である。スライド機構24は、例えば、モータ、リニアモータ等のアクチュエータ手段を含み、制御部50から発せられる制御信号に基づき駆動され、基盤21のY方向の位置を可逆的に変更することができる。
【0040】
なお、本明細書では、回転機構23、スライド機構24、及び後述する製函ユニット30のロボットアーム33が、ブランクシート100のX-Y面方向における位置及び/又は角度の補正手段を構成する。
【0041】
撮像手段25は、Y方向に複数配され、基盤21に載設されたブランクシート100のY方向の外形部分の画像を撮像するための画像取得手段である。撮像手段25には、例えば、鏡筒に光学レンズを備えたCCDカメラを用いてもよい。
【0042】
光源26は、Z方向に基盤21を挟んで撮像手段25と対向して配された照明光源である。光源26は、例えば、白色LEDや有機ELからなる面光源を用いてもよい。
【0043】
本例では、図4に示すように、撮像手段25は、基盤21のX-Y面方向の外方における、基盤21の下方に上方に向けて配され、基盤21上のブランクシート100のY方向の外形部分に位置する測定対象部分MPを含むシート領域110L、110R(図5(a)参照)を、光源26からの透過光によって撮像できるように構成されている。
【0044】
製函装置1では、撮像手段25により取得されたブランクシート100のY方向の外形部分を含むシート領域110L、110Rの画像に基づき、画像内のブランクシート100の測定対象部分MPの平面方向における位置及び角度を検出し、これらを補正する。
【0045】
具体的には、Y方向に複数配された撮像手段25により取得されたブランクシート100のY方向の外形部分を含むシート領域110L、110Rの画像が制御部50に出力され、制御部50は取得した画像に基づきブランクシート100の計測対象部分MPのX-Y面方向における位置及び角度を計測し、正規位置及び角度に戻すための、補正すべきX方向の距離(X方向補正値)、補正すべきY方向の距離(Y方向補正値)、補正すべき回転角度(角度補正値)を算出する。画像を用いて位置及び角度を検出することで、製函対象のブランクシートを異なるサイズのものに変更する場合にも、制御部50における測定対象部分MPの正規位置及び角度の設定値を変更するだけで、任意のサイズのブランクシートに容易に適合させることが可能となる。
【0046】
このとき、X方向補正値は、例えば、シート領域110L、110R、それぞれの測定対象部分MPにおけるX方向補正値の平均値としてもよく、Y方向補正値は、シート領域110L、110R、それぞれの測定対象部分MPにおけるY方向補正値の平均値としてもよい。
【0047】
また、角度補正値は、例えば、シート領域110L、110R、それぞれの測定対象部分MPにおけるY方向補正値の差分と、X方向補正値の差分との比に基づき算出される角度してもよい。
【0048】
そして、制御部50は、Y方向補正値に基づく制御信号をスライド機構24に出力し、スライド機構24は基盤21のY方向の位置を補正することで、基盤21の吸気孔21a、21bにより吸着されたブランクシート100のY方向の位置が補正される。
【0049】
また、制御部50は、角度補正値に基づく制御信号を回転機構23に出力し、回転機構23は基盤21のX-Y面方向における角度を補正することで、基盤21の吸気孔21a、21bにより吸着されたブランクシート100のX-Y面方向における角度が補正される。
【0050】
なお、ブランクシート100のX方向の位置の補正は、基盤21のX方向の位置を補正することによっては行わない。すなわち、制御部50は、X方向補正値に基づく制御信号を製函ユニット30に出力し、製函ユニット30のロボットアーム33が、補正ユニット20から製函ユニット30までブランクシート100をX方向に移載・搬送する際に、その移載・搬送する距離を補正することで、移載・搬送を兼ねてブランクシート100のX方向の位置を補正する。
【0051】
(ブランクシート100における測定対象部分MPの位置について)
次に、ブランクシート100の測定対象部分の位置の詳細について、図面を用いて説明する。
【0052】
図5(a)は、補正ユニット20に保持されたブランクカートンの態様を示す平面図である。図5(a)に示すように、製函ユニット30では、製函時にXーY面に2×2のマトリック状に配された4個のマンドレル31がブランクシート100の基底面部のコーナ部分に位置するように、マンドレル31間のX、Y方向のピッチがそれぞれ設定されている。製函ユニット30では、マンドレル31を雄型としてブランクシート100の基底面部101を押し込むことにより、基底面部101の周りの複数の壁相当部分、すなわち、前壁部102、後壁部103、左方フラップ105L(左側壁)、右方フラップ105R(右側壁)を折り曲げて半函カートン100´が成形される。したがって、ブランクシート100の基底面部101が製函時の基準面(以後、「製函基準面」と記す場合がある)となる。
【0053】
補正ユニット20は、上述のとおり、ブランクシート100を基盤21に設けられた吸気孔21aの負圧によって基盤21の上面に吸着して保持する。このとき、基盤21の吸気孔21aがブランクシート100の基底面部101内に位置する状態でブランクシート100を保持する。この基底面部101内に位置する吸気孔21aの範囲を基準シート領域111とする。
【0054】
本例では、図5(a)に示すように、基準シート領域111は基底面部101内においてY方向に複数、列設された構成を採る。あるいは、基盤21に予備的に吸気孔21aとは異なる吸気孔21bを設けて、基底面部101外のシート領域112を吸着する構成としてもよい。
【0055】
吸気孔21aによりブランクシート100が保持される基準シート領域111は、補正ユニット20によってブランクシート100の位置及び/又は角度を補正するときの動作点となる。また、基準シート領域111は、製函ユニット30にブランクシート100を搬送するときの動作点となる。そのため、基準シート領域111は、ブランクシート100における製函基準面である基底面部101内に位置することが望ましい。
【0056】
補正ユニット20の撮像手段25は、基盤21に載設されたブランクシート100のY方向の外形部分における、基準シート領域111の何れかに近接した測定対象部分MPの平面方向における位置を測定する。
【0057】
本例では、図5(a)に示すように、測定対象部分MPとして、基底面部101の4隅の位置から選択されるX方向の位置が等価な2点であって、基準シート領域111の何れかに近接し、ブランクシート100の外形基準による透過光による位置測定に適した左方フラップ105Lと107Lの間の切り込み(エッジ)の谷間の点を選択する。
【0058】
ここで、「近接している」とは、基準シート領域と測定対象部分MPとの、ブランクシート100の平面方向における幅方向(X方向)又は奥行方向(Y方向)における位置が略同一であることを指し、例えば、幅方向(X方向)又は奥行方向(Y方向)における両者の間隔が、基底面部101の幅方向(X方向)又は奥行方向(Y方向)における幅の1/3以下であることを指す。
【0059】
基底面部101内に位置する吸気孔21aの範囲である基準シート領域111と測定対象部分MPとを上記のように近接させることにより、ブランクシート100の位置や角度の補正や、製函ユニット30への搬送におけるブランクシート100の反りやうねりの影響を軽減して、製函ユニット30に供給されるブランクシート100の位置精度を向上することができる。その結果、カートンの成型精度を向上して、成型不良を低減することができる。
【0060】
[製函ユニット30]
製函ユニット30は、平面方向における位置及び角度が正規の範囲に調整されたブランクシート100を補正ユニット20から取り出して、ブランクシート100の基底面部を囲む、複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100´を成型する製函機構である。
【0061】
図2、3に示すように、マンドレル31、吸着部311、マンドレル保持機構32、ロボットハンド38、ロボットアーム33、支持ガイド部材34、37、ローラ35、折り曲げ板36を有する。
【0062】
マンドレル31は、ブランクシート100の基底面部を押圧して基底面部101を囲む、複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100´を成型するための雄型として機能する型部材であるとともに、下端に吸着部311を備えブランクシート100を上方から吸着保持する機能を有する。マンドレル31は、X、Y方向にそれぞれ、2個ずつ配され、合計4個のマンドレル31は、平面方向に内装されたマンドレル保持機構32によって保持される。
【0063】
吸着部311は、下面に吸気孔を有する。吸気孔は、図示しない真空ポンプ等に接続されている。吸着部311の下面を基盤21に載設されたブランクシート100の上面に接触させた状態で吸気孔に負圧を付勢することによって、ブランクシート100を吸着保持することができる。
【0064】
ロボットハンド38は、ロボットアーム33の先端に接続され、ロボットアーム33によって空間移動するアクチュエータ手段であり、第1のワークヘッドとして、保持機構32、マンドレル31、吸着部311を保持する。
【0065】
ロボットアーム33は、例えば、天井に設置されたロボット本体部等、上方から懸架された、いわゆる天吊りされたロボットアームである。ロボットアーム33は、ロボットハンド38を介してマンドレル保持機構32に接続され、マンドレル31を保持してXYZ方向からなる3次元空間の中で所定の位置に移送可能な3軸のロボットアーム機構である。ロボットアーム33は、アクチュエータ手段(駆動用モータ)を含み、制御部50から発せられる制御信号に基づき駆動され、吸着部311のXYZ方向の位置を変更することができる。
【0066】
ここで、プランクシート100を製函ユニット30において精度良く半函カートン100´状態に成型するために、前述したように、供給ユニット10から補正ユニット20に供給されたブランクシート100は、補正ユニット20において、X-Y面方向における角度、および、Y方向の位置が補正された状態となっている。このように補正された状態のブラックシート100をロボットアーム33によって製函ユニット30へ移載する際に、制御部50から出力されたX方向補正値に基づく制御信号に基づき、移載搬送(すなわちX方向)の距離を補正することで、ブランクシート100は、移送搬送されると同時にX方向の位置補正が行われる。すなわち以上により、供給ユニット10から供給されるブランクシート100は、X方向の位置、Y方向の位置、X-Y面方向における角度、のそれぞれが補正された状態、すなわち位置精度良く製函ユニット30に載置されることになる。その結果、半函カートン100´状態に精度良く成型することが可能となる。
【0067】
また、一対の支持ガイド部材34は、ブランクシート100を半函カートン100´に製函する際にブランクシート100のX方向の両端が載設される支持台であり、X-Z面内で回動することにより製函時にブランクシート100の成形を容易にする機能を有する。
【0068】
同様に、一対の支持ガイド部材37は、製函する際にブランクシート100のY方向の両端が載設される支持台であり、Y-Z面内で回動することにより製函時にブランクシート100の成形を容易にする機能を有する。
【0069】
折り曲げ板36は、X方向にマンドレル31を挟んで一対が配されており、ブランクシート100を折り曲げて半函カートン100´を成型するための雌型として機能する型部材であり、支持ガイド部材34、37の下方であって、平面視したとき4個のマンドレル31の外方に位置する。
【0070】
ローラ35は、支持ガイド部材34、37の下方、かつ折り曲げ板36の上方に位置し、製函時にブランクシート100を折り曲げ板36の内側に導くための回転ローラ機構である。
【0071】
ブランクシート100を吸着部311に吸着した状態で、ロボットアーム33を引き上げることにより、基盤21に載設されたブランクシート100を引き上げ、ロボットアーム33をX方向に移動することにより、ブランクシート100の両端が一対の支持ガイド部材34、37にまたがる位置まで搬送して、ブランクシート100を一対の支持ガイド部材34、37に載設する。
【0072】
さらに、ロボットアーム33を下降させて、マンドレル31を雄型としてブランクシート100の基底面部101は搬送路40の上面に到達するまで下方に押し込むことにより、基底面部101の周りの複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100´を成型することができる。
【0073】
図5(b)は、製函ユニット30による半函カートンの形成動作を示す斜視図である。図5(b)に示すように、4個のマンドレル31は、ブランクシート100の基底面部のコーナ部分に位置するように、X、Y方向のピッチが設定されており、マンドレル31を雄型としてブランクシート100の基底面部101を一対の折り曲げ板36の間に押し込むことにより、基底面部101の周りの複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100´を成型する。
【0074】
成形された半函カートン100´を搬送路40に載設して負圧を解除し、ロボットアーム33を上昇させてマンドレル31を引き上げることにより、半函カートン100´は搬送路40上に留置され、Y方向に搬出される。
【0075】
(マンドレル保持機構32の詳細)
図6(a)は、製函ユニット30におけるマンドレル31、及びマンドレル保持機構32の構成を示す右側面図、(b)は、平面図である。
【0076】
マンドレル保持機構32は、軸端がマンドレル31の孔に挿通されてマンドレル31を保持するシャフト325と、軸中央部分においてシャフト325を支持する可動軸受け321と、可動軸受け321の孔に挿通されて可動軸受け321を軸方向において挿抜自在に支持する連結シャフト324と、連結シャフト324を孔に挿通させて保持する支柱322を有する。マンドレル保持機構32は、例えば、駆動用モータアクチュエータ手段を含み、制御部50から発せられる制御信号に基づき駆動され、可動軸受け321のX方向の位置と、シャフト325のY方向の位置をそれぞれ変更することができる。
【0077】
例えば、図6(a)(b)に示すように、可動軸受け321を連結シャフト324に沿って外方にスライドするとともに、X方向の内方に位置するマンドレル31を外方に移動させることができる。
【0078】
さらに、可動軸受け321に挿通されたシャフト325をマンドレル31が外方にスライドすることにより、Y方向の内方に位置するマンドレル31を外方に移動させることができる。
【0079】
すなわち、マンドレル保持機構32によって、4個のマンドレル31は、X、Y方向それぞれの距離を変更することができる。
【0080】
これにより、例えば、小型のブランクシートの基底面部100Sのコーナ部に適合するマンドレル31を、大型のブランクシートの基底面部100Lのコーナ部に適合するマンドレル31´に仮想的に変換することができる。
【0081】
その結果、製函装置1によれば、製函対象のブランクシートを、異なるサイズのものに変更する場合に、マンドレル保持機構32を駆動させて縦又は奥行方向の一対のマンドレル31の間隔を独立に変更して、4個のマンドレル31の間隔を任意の値に変更するだけで、任意のサイズのブランクシートに容易に適合させることができる。
【0082】
そのため、従来必要であった、製函ユニット30における複数のマンドレル31をサイズ変更後の製函対象のブランクシートに適合したマンドレル31に交換する等の型変更の作業を削減し、サイズの異なるカートンの製函を容易に切り替え可能な製函装置を提供することができる。
【0083】
また、型変更後に、サイズ変更に伴うマンドレル31の位置調整を簡素化できる。
【0084】
[搬送路40、制御部50]
搬送路40は、半函カートン100を搬送する搬送装置である。搬送路40には、リニアモータを用い経路上の複数の可動モジュールそれぞれの搬送を独立に制御することができる、いわゆるリニア搬送と呼ばれる方式のコンベアを用いてもよい。あるいは、搬送ベルトによって、上設された物品が搬送されるコンベア機構を用いてもよい。
【0085】
制御部50は、供給ユニット10、補正ユニット20、製函ユニット30、搬送路40に電気的に接続され、制御信号を出力して各ユニットの動作を制御する。
【0086】
また、制御部50は、上述のとおり、撮像されたブランクシート100のY方向の外形部分を含むシート領域110L、110Rの画像に基づき測定対象部分MPの位置を算出し、これらを正規位置及び角度に戻すための補正値を算出する算出手段として機能する。
【0087】
制御部50は、例えば、一般的なCPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)と、これらで実行されるプログラムを備えるコンピュータとして実現される。制御部50は、記憶装置等から製函装置1にかかる制御プログラムをRAMに読みだして実行することにより、製函装置1を構成する各ユニットそれぞれが連関して動作するように制御これらを制御して、製函装置1の機能を実現する。
【0088】
以上の構成を備えた製函装置1によれば、供給ユニット10によりシートスタック100xからブランクシート100を取り出して補正ユニット20に供給し、補正ユニット20によりブランクシート100の平面方向における位置及び/又は角度を補正し、製函ユニット30により半函カートン100´に製函し、半函カートン100´を搬送路40に沿って搬送する。
【0089】
<製函装置1の動作について>
次に、本実施形態の製函装置1において行われる、製函動作について説明する。
【0090】
図7は、製函装置1における、製函動作の一態様を示す工程図である。図8~10は、製函装置1の動作を説明するための模式正面図である。
【0091】
製函装置1の動作では、先ず、ブランクシート100を供給する工程動作が行われる(ステップS1)。
【0092】
ブランクシート100の供給工程では、先ず、供給ユニット10は、吸着ヘッド11のヘッド面をシートスタック100xの上表面に接触させた状態で吸気孔21aに負圧F1を付勢することによって、単票のブランクシート100を吸着保持する(図8(a))。
【0093】
次に、供給ユニット10は、ブランクシート100を吸着ヘッド11に吸着した状態で、昇降アーム12を引き上げて、シートスタック100xの最上面のブランクシート100を引き上げて、水平可動アーム13をガイドレール14に沿ってX方向に移動して、ブランクシート100を、補正ユニット20の位置まで搬送する(M1:図8(b))。
【0094】
さらに、昇降アーム12を下降させて、ブランクシート100を補正ユニット20の基盤21上に載設して負圧を解除して、ブランクシート100を補正ユニット20の基盤21上に搬送する(図8(b))。
【0095】
次に、ブランクシート100の位置、角度を補正する工程動作が行われる(ステップS2、図8(c))。
【0096】
位置、角度を補正する工程では、補正ユニット20は、ブランクシート100が基盤21に載設された状態で、吸引機構27により吸気孔21aに負圧F2(図8(c))を付勢することによって、ブランクシート100を基盤21の上面に吸着して保持する。
【0097】
次に、補正ユニット20は、撮像手段25により、基盤21に載設されたブランクシート100のY方向の外形部分近傍の測定対象部分MPを含むシート領域110L、110Rを、光源26からの透過光によって撮像し、この画像に基づき、画像内のブランクシート100の測定対象部分MPの平面方向における位置及び角度を計測し、正規位置及び角度に戻すための、X、Y方向及び、X-Y面内の角度の補正値を算出する。そして、スライド機構24は基盤21のY方向の位置を補正し(A2)、回転機構23は基盤21のX-Y面方向における角度を補正する(A1)。
【0098】
次に、ブランクシート100を半函カートン100´に製函する工程動作が行われる(ステップS3)。
【0099】
製函工程では、製函ユニット30は、ロボットアーム33により4個のマンドレル31が、補正ユニット20の基盤21上に載設されたブランクシート100の基底面部101のコーナ部分に位置するように移送する(M2:図9(a))。そして、吸着部311の下面をブランクシート100の上面に接触させた状態で吸気孔21aに負圧F3(図9(a))を付勢することによって、ブランクシート100を吸着保持する(図9(a))。
【0100】
次に、ブランクシート100を吸着部311に吸着した状態で、基盤21に載設されたブランクシート100を引き上げ、ロボットアーム33をX方向に移動することにより(M3:図9(b))、ブランクシート100の両端が一対の支持ガイド部材34(37)にまたがる位置まで搬送して、ブランクシート100を一対の支持ガイド部材34(37)に載設する(図9(b))。この搬送の際に、製函ユニット30は、撮像手段25により取得されたブランクシート100の画像に基づき算出された、測定対象部分MPのX方向補正値に基づいて、製函ユニット30までのブランクシート100のX方向の搬送距離を補正する。
【0101】
次に、ロボットアーム33を下降させて(M4:図10(a))、マンドレル31を雄型としてブランクシート100の基底面部101は搬送路40の上面に到達するまで下方に押し込むことにより、基底面部101の周りの複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100´を成型する。
【0102】
次に、ブランクシート100から成形された半函カートン100´を搬送路40に載設した状態で負圧F3を解除し、ロボットアーム33を上昇させてマンドレル31を引き上げて(M5:図10(b))、半函カートン100´を搬送路40に留置する(図10(b))。
【0103】
最後に、半函カートンの搬出工程(ステップS4)では、搬送路40によって半函カートン100´をY方向に移送して次工程に搬出する(M6:図10(b))。
【0104】
以上の工程により、製函装置1では、シートスタック100xからブランクシート100を供給し、ブランクシート100の平面方向における位置及び/又は角度を補正し、半函カートン100´に製函して搬送路40に沿って搬送する製函動作が行われる。
【0105】
<まとめ>
以上、説明したように、実施の形態に係る製函装置1は、ラップラウンド型のブランクシート100の基底面部101を囲む複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100´を成型する製函装置1であって、ラップラウンド型のブランクシート100を単票ごとに供給する供給ユニット10と、供給されたブランクシート100の平面方向における位置及び/又は角度を調整することで補正する補正ユニット20と、調整されたブランクシート100の基底面部101を囲む、複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100´を成型する製函ユニット30と、を備え、補正ユニット20は、ブランクシート100の基底面部101内に位置する基準シート領域111を保持する保持手段21、27と、保持されたブランクシート100の基準シート領域111に近接した2以上の測定対象部分MPの平面方向における位置を測定する計測手段25、50と、測定結果に基づき保持手段21、27を移動させてブランクシートの位置及び/又は角度を調整することで補正する補正手段23、24、30と、を有することを特徴とする。
【0106】
係る構成により、ラップラウンド型のブランクシート100を用いて半函カートン100´を製函する際に、供給されるブランクシート100の位置精度を高めることができる。
【0107】
特に、近年の大型化・高精度化の趨勢に対応することができ、カートンの大型化に伴いブランクシートの面積が大きい場合や、ブランクシートの反りやうねりが大きい条件では、製函ユニットに供給される際にブランクシートの位置のばらつきを縮減でき、カートンの成型精度を向上して、成型不良の低減が可能な製函装置を提供することができる。
【0108】
また、従来必要であった機種変更(型替え)時のシートマガジン内の位置決め機構の調整作業を削減して、生産効率を向上できる。
【0109】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、基準シート領域111と測定対象部分MPは、ブランクシート100の平面方向における幅方向(X方向)又は奥行方向(Y方向)における位置が略同一である構成としてもよい。
【0110】
係る構成により、基準シート領域111と測定対象部分MPとを近接させることにより、ブランクシート100の位置や角度の補正や、製函ユニット30への搬送におけるブランクシート100の反りやうねりの影響を軽減して、製函ユニット30に供給されるブランクシート100の位置精度を向上することができる。
【0111】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、計測手段25、50は、ブランクシート100の平面方向における画像を撮像する撮像手段25と、撮像された画像における測定対象部分MPの位置を算出し、正規位置及び角度に戻すための補正値を算出する算出手段50と、を有する構成としてもよい。
【0112】
係る構成により、撮像手段25により取得されたブランクシート100のY方向の外形部分を含むシート領域110L、110Rの画像に基づき、画像内のブランクシート100の測定対象部分MPの平面方向における位置及び角度を検出し、これらを正規位置及び角度に戻す補正を行うことができる。
【0113】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、補正ユニット20において平面方向における位置及び/又は角度が調整されたブランクシート100を製函ユニット30に搬送する搬送手段を備え、ブランクシート100の、搬送する方向に対する位置の補正は、搬送手段の、ブランクシート100を製函ユニット30に搬送する際の搬送距離を調整することで補正する構成としてもよい。
【0114】
係る構成により、供給ユニット10から供給されるブランクシート100は、Y方向の位置、X-Y面方向における角度に加えて、X方向の位置が補正された状態で製函ユニット30に載置され、精度良く半函カートン100´を成型することができる。
【0115】
≪変形例≫
実施の形態に係る製函装置を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として変形例を説明する。
【0116】
上記実施の形態では、ブランクシート100を供給する供給ユニット10と、ブランクシート100の平面方向における位置及び/又は角度を調整する補正ユニット20と、調整されたブランクシート100から半函カートン100´を成型する製函ユニット30を備えた製函装置1とする構成とした。
【0117】
しかしながら、本発明は、ブランクシート100の位置及び/又は角度を調整する補正ユニット20を備え、ブランクシート100から半函カートン100´を成型する製函ユニット30にシートを供給するシート供給装置として実現してもよい。
【0118】
この場合、補正ユニット20は、実施の形態と同様に、ブランクシート100の基底面部101内に位置する基準シート領域111を保持する保持手段と21、保持されたブランクシート100の基準シート領域111に近接した2以上の測定対象部分MPのX-Y面方向における位置を測定する計測手段25、50と、測定結果に基づき保持手段21を移動させてブランクシート100の位置及び/又は角度を補正する補正手段23、24とを有することにより実現される。
【0119】
係る構成により、実施の形態と同様に、製函ユニット30に供給されるブランクシート100の位置精度を高めることにより、半函カートン100´の成型精度を向上することが可能となる。また、機種変更時のシートマガジン内の位置決め機構の調整作業を削減して、生産効率を向上できる。
【0120】
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていないものについては、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
【0121】
また、上記の方法が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記方法の一部が、他の方法と同時(並列)に実行されてもよい。
【0122】
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0123】
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本開示の一態様に係る製函装置は、製造ライン等において、製品、部品、工作物、包装、各種容器等の物品を搬送する製函装置に利用可能である。また、各種物流等において、包装された荷物や梱包物を搬送する製函装置としても好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 製函装置
10 供給ユニット
11 吸着ヘッド
12 昇降アーム
13 水平可動アーム
14 ガイドレール
20 補正ユニット
21 基盤(保持手段)
22 支持部材(補正手段)
23 回転機構(補正手段)
24 可動機構(補正手段)
25 撮像手段(計測手段)
26 光源
27 吸引機構(保持手段)
30 製函ユニット
31 マンドレル
311 吸着部
32 マンドレル支持機構
321 可動軸受け
322 支柱
324 連結シャフト
325 シャフト
33 ロボットアーム
34、37 支持ガイド部材
35 ローラ
36 折り曲げ板
38 ロボットハンド
40 搬送路
50 制御部(算出手段)
100 ブランクシート
100´ 半函カートン
100x シートスタック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10