(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101243
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 5/02 20060101AFI20220629BHJP
B65B 43/10 20060101ALI20220629BHJP
B65B 43/18 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B65B5/02
B65B43/10
B65B43/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215700
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100157325
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 太一
(72)【発明者】
【氏名】大道 亮太
【テーマコード(参考)】
3E003
3E030
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003BA01
3E003BA07
3E003BD04
3E003BE02
3E003CB05
3E003DA07
3E030AA02
3E030BA02
3E030BB02
3E030DA02
3E030EA01
3E030EB02
3E030GA01
3E030GA05
(57)【要約】
【課題】製函・包装工程の製造ライン内の機械設備の密度を低減し、設備メンテナンス時の作業性を向上する。
【解決手段】搬送路41に沿って、製函ユニット30と、製品充填ユニット50と、封函ユニット70と、搬出ユニット80とを、当該順に備え、製函ユニット30は第1のワークヘッド31と搬送路41より上方に設置された第1のロボットアーム33と、製品充填ユニット50は第2のワークヘッド51と搬送路41より上方に設置された第2のロボットアーム53と、封函ユニット70は第3のワークヘッド71と搬送路41より上方に設置された第3のロボットアーム73と、搬出ユニット80は第4のワークヘッド81と搬送路41より上方に設置された第4のロボットアーム83を、それぞれ有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路と、
前記搬送路上を移動可能な可動手段と、
前記搬送路に沿って、
ブランクシートから半函カートンを成型して可動手段に載設する製函ユニットと、
前記半函カートンに製品を充填する製品充填ユニットと、
前記半函カートンを封函して製品を内包したカートンを形成する封函ユニットと、
前記カートンを前記可動手段から搬出する搬出ユニットとを、当該順に備え、
前記製函ユニットは、第1のワークヘッドと、前記第1のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第1のロボットアームと、
前記製品充填ユニットは、第2のワークヘッドと、前記第2のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第2のロボットアームと、
前記封函ユニットは、第3のワークヘッドと、前記第3のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第3のロボットアームと、
前記搬出ユニットは、第4のワークヘッドと、前記第4のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第4のロボットアームと、
を、それぞれ有する
包装装置。
【請求項2】
前記製函ユニットは、前記第1のロボットアームを移動することにより、前記第1のワークヘッドにより前記ブランクシートを折り曲げて半函カートンを成型し、
前記製品充填ユニットは、前記第2のロボットアームを移動することにより、前記第2のワークヘッドにより前記可動手段に載設された半函カートンに製品を充填し、
前記封函ユニットは、前記第3のワークヘッドにより前記製品が載設された半函カートンの蓋を封函して製品を内包したカートンを形成し、
前記搬出ユニットは、前記第4のロボットアームを移動することにより、前記第4のワークヘッドにより前記可動手段に載設された前記カートンを前記可動手段から搬出する
請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
さらに、前記ブランクシートを供給する供給ユニットを備え、
前記供給ユニットは、第5のワークヘッドと、前記第5のワークヘッドを支持し、前記搬送路より上方に設置された第5のロボットアームを備え、前記第5のワークヘッドによりシートスタックからブランクシートを取り出して前記製函ユニットに供給する
請求項1又は2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記第1のワークヘッドは、前記ブランクシートを折り曲げるマンドレルを有し、
前記第2のワークヘッドは、前記半函カートンに製品を吸着して充填する製品吸着ヘッドを有し、
前記第3のワークヘッドは、半函カートンの蓋に当接して封函する押し板を有し、
前記第4のワークヘッドは、前記カートンを吸着して搬出するカートン吸着ヘッドを有し、
前記第5のワークヘッドは、前記ブランクカートンを吸着して前記シートスタックから取り出すシート吸着ヘッドを有する
請求項3に記載の包装装置。
【請求項5】
前記第1のワークヘッドは、前記マンドレルの前記ブランクシートにおける平面方向の縦又は横方向における間隔を可変自在とする保持機構を有する
請求項4に記載の包装装置。
【請求項6】
前記押し板は一対の可動部材を含み、
前記第3のワークヘッドは、前記ブランクシートにおける平面方向の縦又は横方向における前記部材間の間隔を可変自在とする支持機構を有する
請求項4に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品の包装するための包装装置に関し、特に、ブランクシートから半函カートンを製函して製品を充填したのち封函する動作を行う包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製品の包装するための製造ラインにおいて、ラップラウンド型カートンのブランクシートから半函カートンを製函して製品を詰め込んだのち封函するという製函・包装工程が導入されており、例えば、特許文献1、2には、この工程に用いる包装装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-96482号公報
【特許文献2】特開平9-314700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~2に記載された従来の包装装置では、ブランクシート取り出し、製函、製品充填、封函、カートン搬出といった各工程の作業に、X-YテーブルやX-Y-Zステージ等、直線的な動作が主体の設備機構が用いられていたことから、機構が複雑であるとともに、製造ラインの搬送路周辺に機械設備が密集して視認性が悪く、設備メンテナンス時の作業性が悪いといった課題があった。
【0005】
また、カートンのサイズ変更や機種変更(型替え)等の変更時に、変更に適合するように工程設備を置換える設備交換や、工程設備の大きさを変更する設備調整が発生し、型変更時の作業負担が大きく、生産効率が低いという課題があった。
【0006】
本開示は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ブランクシートから半函カートンを製函して製品を充填したのち封函する製函・包装工程において、製造ラインに機械設備の密集を回避して設備を簡素化し、設備メンテナンス時の作業性を向上可能な包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様である包装装置は、搬送路と、前記搬送路に沿って、ブランクシートから半函カートンを成型して搬送路に載設する製函ユニットと、前記半函カートンに製品を充填する製品充填ユニットと、前記半函カートンを封函して製品を内包したカートンを形成する封函ユニットと、前記カートンを前記搬送路から搬出する搬出ユニットとを、当該順に備え、前記製函ユニットは第1のワークヘッドと、前記第1のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第1のロボットアームと、前記製品充填ユニットは第2のワークヘッドと、前記第2のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第2のロボットアームと、前記封函ユニットは第3のワークヘッドと、前記第3のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第3のロボットアームと、前記搬出ユニットは第4のワークヘッドと、前記第4のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第4のロボットアームと、を、それぞれ有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る包装装置によれば、ブランクシートから半函カートンを製函して製品を充填したのち封函する製函・包装工程において、製造ライン内の機械設備の密度を低減し、設備メンテナンス時の作業性を向上可能な包装装置を提供できる。
【0009】
また、従来必要であった機種変更時の工程設備を置換や調整作業を削減して生産効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)は、実施の形態に係る包装装置1に供給されるラップラウンドカートンの平面図、(b)は、半函カートンの斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る包装装置1の構成を示す斜視図である。
【
図4】包装装置1における、製造動作の一態様を示す工程図である。
【
図5】(a)は、供給ユニット10、製函ユニット30の構成を示す正面図で、(b)は平面図である。
【
図6】製函ユニット30による半函カートンの形成動作を示す斜視図である。
【
図7】(a)は、製函ユニット30におけるマンドレル31、及び保持機構32の構成を示す右側面図、(b)は、平面図である。
【
図8】(a)(b)は、製品充填ユニット50による製品充填動作を説明するための模式正面図である。
【
図9】(a)~(c)は、糊付けユニット60による糊付け動作を説明するための模式正面である。
【
図10】(a)は、封函ユニット70による封函動作を説明するための模式正面図、(b)は左側面図である。
【
図11】(a)は、封函ユニット70による封函動作を説明するための模式正面図、(b)は左側面図である。
【
図12】(a)(b)は、封函ユニット70による型変更動作を説明するための模式正面図である。
【
図13】(a)(b)は、搬出ユニット80によるカートン搬出動作を説明するための模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本開示における実施の形態に係る包装装置は、搬送路と、前記搬送路上を移動可能な可動手段と、前記搬送路に沿って、ブランクシートから半函カートンを成型して可動手段に載設する製函ユニットと、前記半函カートンに製品を充填する製品充填ユニットと、前記半函カートンを封函して製品を内包したカートンを形成する封函ユニットと、前記カートンを前記可動手段から搬出する搬出ユニットとを、当該順に備え、前記製函ユニットは、第1のワークヘッドと、前記第1のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第1のロボットアームと、前記製品充填ユニットは、第2のワークヘッドと、前記第2のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第2のロボットアームと、前記封函ユニットは、第3のワークヘッドと、前記第3のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第3のロボットアームと、前記搬出ユニットは、第4のワークヘッドと、前記第4のワークヘッドを支持する、前記搬送路より上方に設置された第4のロボットアームと、を、それぞれ有することを特徴とする。
【0012】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記製函ユニットは、前記第1のロボットアームを移動することにより、前記第1のワークヘッドにより前記ブランクシートを折り曲げて半函カートンを成型し、前記製品充填ユニットは、前記第2のロボットアームを移動することにより、前記第2のワークヘッドにより前記可動手段に載設された半函カートンに製品を充填し、前記封函ユニットは、前記第3のワークヘッドにより前記製品が載設された半函カートンの蓋を封函して製品を内包したカートンを形成し、前記搬出ユニットは、前記第4のロボットアームを移動することにより、前記第4のワークヘッドにより前記可動手段に載設された前記カートンを前記可動手段から搬出する構成としてもよい。
【0013】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、さらに、前記ブランクシートを供給する供給ユニットを備え、前記供給ユニットは、第5のワークヘッドと、前記第5のワークヘッドを支持し、前記搬送路より上方に設置された第5のロボットアームを備え、前記第5のワークヘッドによりシートスタックからブランクシートを取り出して前記製函ユニットに供給する構成としてもよい。
【0014】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記第1のワークヘッドは、前記ブランクシートを折り曲げるマンドレルを有し、前記第2のワークヘッドは、前記半函カートンに製品を吸着して充填する製品吸着ヘッドを有し、前記第3のワークヘッドは、半函カートンの蓋に当接して封函する押し板を有し、前記第4のワークヘッドは、前記カートンを吸着して搬出するカートン吸着ヘッドを有し、前記第5のワークヘッドは、前記ブランクカートンを吸着して前記シートスタックから取り出すシート吸着ヘッドを有する構成としてもよい。
【0015】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記第1のワークヘッドは、前記マンドレルの前記ブランクシートにおける平面方向の縦又は横方向における間隔を可変自在とする保持機構を有する構成としてもよい。
【0016】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記押し板は一対の可動部材からなり、前記第3のワークヘッドは、前記ブランクシートにおける平面方向の縦又は横方向における前記部材間の間隔を可変自在とする支持機構を有する構成としてもよい。
【0017】
≪実施の形態≫
実施の形態に係る包装装置1の構成について図面を用いて説明する。ここで、本明細書では、各図におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ、幅方向、奥行方向、高さ方向とする場合があり、高さ方向の正方向を「上」方向、負方向を「下」方向とする場合がある。また、包装装置1を構成するユニットの正面方向はユニットごとに定まり、ユニット間で相違する場合がある。
【0018】
また、各図面における部材の縮尺は必ずしも実際のものと同じであるとは限らない。また、本明細書において、数値範囲を示す際に用いる符号「~」は、その両端の数値を含む。また、本実施形態で記載している、材料、数値等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。また、本開示の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施形態との構成の一部同士の組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
【0019】
<ブランクシート、半函カートンの構成>
本開示の一実施の形態に係る包装装置1に供給されるブランクシート100、及びブランクシート100から製函される半函カートン100Aの構成について説明する。
【0020】
図1(a)は、実施の形態に係る包装装置1に供給されるラップラウンド型カートンの平面図である。
【0021】
ブランクシート100は、ラップラウンドと呼ばれるシート状に展開されたボール紙、段ボールからなるカートンのブランクシートであり、折り曲げ線によって立体を構成する複数の面に分割されている。
【0022】
具体的には、
図1(a)に示すように、ブランクシート100は、基底面部101、前壁部102、後壁部103、蓋部104を主要部分として構成され、基底面部101、前壁部102、後壁部103、蓋部104には、それぞれ、左側壁を構成する左方フラップ105L~108L、右側壁を構成する右方フラップ105R~108Rが折り曲げ線を挟んで連設されている。また、蓋部104には、製函後において前壁部102の外面に重なり糊しろとなる前方フラップ109が折り曲げ線を挟んで連設されている。
【0023】
図1(b)は、ブランクシート100から製函された半函カートン100Aの斜視図である。
図1(b)に示すように、半函カートン100Aは、ブランクシート100の前壁部102、後壁部103、左方フラップ105L~107L、右方フラップ105R~107Rを、それぞれの根本の曲げ線で上方に折り曲げて、基底面部101を底面として成形した蓋付半函カートンである。ブランクシート100の基底面部101が製函における基準面となる。また、左方フラップ106L、107Lは105Lの内方に、右方フラップ106R、107Rは105Rの内側に入り込んで製函される。
【0024】
この半函カートン100Aに、製品を充填し、前方フラップ109の内面と前壁部102の外面とを接着して封函することにより、製品を内包したカートン100Bが形成される。
【0025】
<包装装置1の構成について>
包装装置1の構成について図面を用いて説明する。
図2は、実施の形態に係る包装装置1の構成を示す斜視図、
図3は、平面図である。
【0026】
(全体構成)
包装装置1は、搬送手段40に沿って構成された製函、製品充填、封函、搬出の工程動作を行い、製品PRが包装されたカートン100Bを搬出する製造ラインである。
【0027】
包装装置1は、
図2、3に示すように、搬送路41と複数の可動手段42を有する搬送手段40を備え、搬送路41上の位置SP1にブランクシート100から半函カートン100Aを成型して搬送手段40に載設する製函ユニット30、位置SP2に半函カートン100Aに製品PRを充填する製品充填ユニット50、位置SP3に、半函カートン100Aの所定部分に糊付けを行う糊付けユニット60、位置SP4-5に半函カートン100Aを封函して製品を内包したカートン100Bを形成する封函ユニット70、位置SP6にカートン100Bを搬送手段40から搬出する搬出ユニット80を備えている。
【0028】
さらに、包装装置1は、製函ユニット30の前段に、複数のブランクシート100が平積されたシートスタック100xからブランクシート100を取り出す供給ユニット10、ブランクシートの平面方向における位置及び/又は角度を補正する補正ユニット20を備えている。
【0029】
さらに、これらを制御する制御部90を備え、供給ユニット10、補正ユニット20、製函ユニット30、搬送手段40、製品充填ユニット50、糊付けユニット60、封函ユニット70は、制御部90によってそれぞれが連関して動作するように制御されている。
【0030】
係る構成を備えたことにより、包装装置1では、製函ユニット30において供給されるシートスタック100xから半函カートン100Aを製函し、半函カートン100Aを搬送手段40により搬送し、製品充填ユニット50において半函カートン100Aに製品PRを充填し、封函ユニット70において半函カートン100Aを封函し、搬出ユニット80において製品PRを内包したカートン100Bを搬送手段40外に搬出する動作を行うことができる。
【0031】
なお、本実施の形態では、製函対象となるブランクシート100として、半函カートン100Aを製函するためのラップラウンド形状のカートンのブランクシートを例に、包装装置1の態様について説明する。しかしながら、ブランクシート100は、ラップラウンド型以外に、例えば、ストレート型等、他の形状であってもよい。
【0032】
(各ユニットの構成及び動作)
以下、包装装置1における各ユニットの構成と、各ユニットにおいて行われる動作について説明する。
【0033】
図4は、包装装置1における包装動作の態様を示す工程図である。
図5(a)は、供給ユニット10、製函ユニット30の構成及び動作を示す正面図で、(b)は平面図である。
【0034】
[供給ユニット10]
供給ユニット10は、複数のブランクシート100が平積されたシートスタック100xから、ブランクシート100を単票ごとに取り出して、補正ユニット20に供給する機構ユニットである。したがって、ブランクシート100の平面方向は、
図5(a)(b)におけるX-Y平面と平行な方向となる。
【0035】
図5(a)(b)に示すように、供給ユニット10は、シート吸着ヘッド11、昇降アーム12、水平可動アーム13、ガイドレール14を有する。
【0036】
このうち、シート吸着ヘッド11、昇降アーム12は、第5のワークヘッドを構成し、水平可動アーム13、ガイドレール14は、第5のロボットアームを構成する。
【0037】
シート吸着ヘッド11は、Y方向に複数配されており、それぞれは下方を向いたヘッド面に吸気孔を有する。吸気孔は、図示しない真空ポンプ等に接続されている。シート吸着ヘッド11のヘッド面をシートスタック100xの上側の表面に接触させた状態で吸気孔に負圧を付勢することによって、単票のブランクシート100を吸着保持することができる。
【0038】
昇降アーム12は、シート吸着ヘッド11に接続され、シート吸着ヘッド11を上下方向に昇降可能に構成されたアーム部材である。
【0039】
水平可動アーム13は、複数の昇降アーム12を支持し、昇降アーム12を、ガイドレール14に沿ってX方向に移動可能に構成された搬送手段である。
【0040】
ガイドレール14は、水平可動アーム13の移動を案内するレール機構である。
【0041】
水平可動アーム13は、例えば、駆動用モータ等の駆動手段を含み、制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動され、シート吸着ヘッド11のX方向の位置をガイドレール14に沿って変更することができる。
【0042】
この供給ユニット10の動作では、先ず、シートスタック100xからブランクシート100を取り出して供給する動作が行われる(ステップS1)。
【0043】
具体的には、供給ユニット10は、シート吸着ヘッド11のヘッド面をシートスタック100xの上表面に接触させた状態で吸気孔21aに負圧F1を付勢することによって、単票のブランクシート100を吸着保持する。そして、ブランクシート100をシート吸着ヘッド11に吸着した状態で、昇降アーム12を引き上げて、シートスタック100xの最上面のブランクシート100を引き上げ、水平可動アーム13をガイドレール14に沿ってX方向に移動させることで、ブランクシート100を、補正ユニット20の位置まで搬送する(M1)。その後、昇降アーム12を下降させ、ブランクシート100を補正ユニット20の基盤21上に載設して負圧を解除することで、ブランクシート100を補正ユニット20の基盤21上に載設する。
【0044】
[補正ユニット20]
補正ユニット20は、供給されたブランクシート100のX-Y面方向における位置及び/又は角度を補正して、ブランクシート100の平面方向における位置及び角度を、基準範囲内に収めるための機構である。
【0045】
図5(a)(b)に示すように、補正ユニット20は、基盤21、支柱22、回転機構23、スライド機構24、撮像手段25、光源26、吸引機構27を有する。
【0046】
基盤21は、供給ユニット10によって供給されたブランクシート100が載設される支持台であって、上側の表面にY方向に列設された複数の吸気孔を有する。
【0047】
吸気孔は、例えば、真空ポンプ等に接続された吸引機構27に接続されている。ブランクシート100が基盤21に載設された状態で、吸引機構27により吸気孔に負圧を付勢することによって、ブランクシート100を基盤21の上面に吸着して保持することができる。
【0048】
支柱22は、基盤21を支持する構造部材である。
【0049】
回転機構23は、支柱22を支持しXーY面内で基準回転軸を中心として回転可能に構成された回転運動機構である。
【0050】
スライド機構24は、回転機構23を支持し、Y方向(奥行き方向)に移動可能に構成された直性運動機構である。
【0051】
回転機構23、スライド機構24は、例えば、モータ、リニアモータ等の駆動手段を含み、制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動され、基盤21のZ方向に平行な軸を中心に回転させて、回転機構23は基盤21のX-Y面内の角度を調整し、スライド機構24は基盤21のY方向の位置を可逆的に変更することができる。
【0052】
撮像手段25は、Y方向に複数配され、基盤21に載設されたブランクシート100のY方向の外形部分の画像を撮像するための、例えば、CCDカメラ等の画像取得手段である。
【0053】
光源26は、Z方向に基盤21を挟んで撮像手段25と対向して配された、例えば、白色LED等の照明光源である。
【0054】
補正ユニット20では、撮像手段25により取得されたブランクシート100の画像に基づき、画像内のブランクシート100の平面方向における位置及び角度を補正する動作を行う(ステップS2)。
【0055】
具体的には、補正ユニット20は、ブランクシート100が基盤21に載設された状態で、吸引機構27により吸気孔に負圧F2を付勢することによって、ブランクシート100を基盤21の上面に吸着して保持する。そして、補正ユニット20は、撮像手段25により、基盤21上のブランクシート100のY方向の外形部分近傍の測定対象部分を含む画像を、光源26からの透過光によって撮像し、画像内のブランクシート100の測定対象部分の平面方向における位置及び角度を画像に基づき計測し、正規位置及び角度に戻すための、X、Y方向及び、X-Y面内の角度の補正量を算出する。そして、スライド機構24は、基盤21のY方向の位置を補正し、回転機構23は、基盤21のX-Y面方向における角度を補正する。
【0056】
[製函ユニット30]
製函ユニット30は、ブランクシート100を補正ユニット20から取り出して、ブランクシート100の基底面部を囲む、複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100Aを成型し、製函された半函カートン100Aを搬送手段40の可動手段42に移載する機構ユニットである。
【0057】
図5(a)(b)に示すように、マンドレル31、吸着部311、保持機構32、ロボットハンド38、ロボットアーム33、支持ガイド部材34、37、ローラ35、折り曲げ板36を有する。
【0058】
このうち、マンドレル31、吸着部311、保持機構32は、第1のワークヘッドを構成し、ロボットアーム33は、第1のロボットアームを構成する。
【0059】
マンドレル31は、ブランクシート100の基底面部を押圧して基底面部101を囲む、複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100Aを成型するための雄型として機能する型部材であるとともに、下端に吸着部311を備えブランクシート100を上方から吸着保持する機能を有する。マンドレル31は、X、Y方向にそれぞれ、2個ずつ配され、合計4個のマンドレル31は、平面方向に内装された保持機構32によって保持される。
【0060】
吸着部311は、下面に吸気孔を有する。吸気孔は、図示しない真空ポンプ等に接続されている。吸着部311の下面を基盤21に載設されたブランクシート100の上面に接触させた状態で吸気孔に負圧を付勢することによって、ブランクシート100を吸着保持することができる。
【0061】
ロボットハンド38は、ロボットアーム33の先端に接続され、ロボットアーム33によって空間移動するアクチュエータ手段であり、第1のワークヘッドとして、保持機構32、マンドレル31、吸着部311を保持する。
【0062】
ロボットアーム33は、例えば、設備の天井等に設置されたロボット本体部などから延伸する、いわゆる、搬送路41より上方に設置されており、ロボットアーム33自身よりも上方に位置する部材から吊り下げられた天吊りロボットアームである。ロボットアーム33は、ロボットハンド38を介して保持機構32に接続され、例えば、マンドレル31を保持してXZ方向からなる2次元空間の中で所定の位置に移送可能な3軸の天吊り型垂直多関節ロボットアーム機構を用いることができる。ロボットアーム33は、駆動手段(例えば、モータ)を含み、制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動され、吸着部311のXYZ方向の位置を変更することができる。
【0063】
一対の支持ガイド部材34は、ブランクシート100を半函カートン100Aに製函する際にブランクシート100のX方向の両端が載設される支持台であり、X-Z面内で回動することにより製函時にブランクシート100の成形を容易にする機能を有する。
【0064】
同様に、一対の支持ガイド部材37は、製函する際にブランクシート100のY方向の両端が載設される支持台であり、Y-Z面内で回動することにより製函時にブランクシート100の成形を容易にする機能を有する。
【0065】
折り曲げ板36は、X方向にマンドレル31を挟んで一対が配されており、ブランクシート100を折り曲げて半函カートン100Aを成型するための雌型として機能する型部材であり、支持ガイド部材34、37の下方であって、平面視したとき4個のマンドレル31の外方に位置する。
【0066】
ローラ35は、支持ガイド部材34、37の下方、かつ折り曲げ板36の上方に位置し、製函時にブランクシート100を折り曲げ板36の内側に導くための回転ローラ機構である。
【0067】
製函ユニット30では、ブランクシート100を半函カートン100Aに製函する動作が行われる(ステップS3)。
【0068】
具体的には、製函ユニット30は、ロボットアーム33により4個のマンドレル31が、補正ユニット20の基盤21上に載設されたブランクシート100の基底面部101のコーナ部分に位置する状態を形成し、吸着部311の下面をブランクシート100の上面に接触させて吸気孔21aに負圧F3を付勢することによって、ブランクシート100を吸着保持する。
【0069】
次に、ブランクシート100を引き上げ、ロボットアーム33をX方向に移動することにより(M2)、ブランクシート100の両端が一対の支持ガイド部材34(37)にまたがる位置まで搬送して、ブランクシート100を一対の支持ガイド部材34(37)に載設する。この搬送の際に、製函ユニット30は、Y方向の位置、およびX-Y面方向における角度が、補正ユニット20により補正されたブランクシート100を、その補正されたY方向の位置およびX-Y面方向における角度を維持した状態で、補正ユニット20から製函ユニット30へのX方向の搬送を行う。そしてそのX方向の搬送の際に、製函ユニット30は、撮像手段25により取得されたブランクシート100の画像に基づき算出された、X方向補正値に基づいて、製函ユニット30までのブランクシート100のX方向の搬送距離を補正する。
【0070】
以上により、ブランクシート100は、撮像手段25により取得された画像に基づき算出された、X方向補正値、Y方向補正値、X-Y面方向角度補正値、により位置および角度が補正された状態で製函ユニット30への搬送が完了する。
【0071】
そして、ロボットアーム33を下降させて(M3)、マンドレル31を雄型としてブランクシート100の基底面部101は搬送路40の上面に到達するまで下方に押し込むことにより、基底面部101の周りの複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100Aを成型する。
【0072】
図6は、製函ユニット30による半函カートンの形成動作を示す斜視図である。
図6に示すように、4個のマンドレル31は、ブランクシート100の基底面部のコーナ部分に位置するように、X、Y方向のピッチが設定されており、マンドレル31を雄型としてブランクシート100の基底面部101を一対の折り曲げ板36の間に押し込むことにより、基底面部101の周りの複数の壁相当部分102、103、105L、105Rを折り曲げて半函カートン100Aを成型し、半函カートン100Aを搬送路40の位置SP1に停止している可動手段42に載置する。
【0073】
さらに、ブランクシート100から成形された半函カートン100Aを搬送路41上の可動手段42に載設した状態で負圧F3を解除し、ロボットアーム33を上昇させてマンドレル31を引き上げて、半函カートン100Aを可動手段42に留置し、搬送手段40によって半函カートン100AをY方向に移送して次工程に搬出する(T1)。
【0074】
(保持機構32の詳細)
図7(a)は、製函ユニット30におけるマンドレル31、及び保持機構32の構成を示す右側面図、(b)は、平面図である。
【0075】
保持機構32は、軸端がマンドレル31の孔に挿通されてマンドレル31を保持するシャフト325と、軸中央部分においてシャフト325を支持する可動軸受け321と、可動軸受け321の孔に挿通されて可動軸受け321を軸方向において挿抜自在に支持する連結シャフト324と、連結シャフト324を孔に挿通させて保持する支柱322を有する。保持機構32は、例えば、駆動用モータ等の駆動手段を含み、制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動され、可動軸受け321のX方向の位置と、シャフト325のY方向の位置をそれぞれ変更することができる。
【0076】
例えば、
図7(a)(b)に示すように、可動軸受け321を連結シャフト324に沿って外方にスライドするとともに、X方向の内方に位置するマンドレル31を外方に移動させることができる。
【0077】
さらに、可動軸受け321に挿通されたシャフト325をマンドレル31が外方にスライドすることにより、Y方向の内方に位置するマンドレル31を外方に移動させることができる。
【0078】
すなわち、保持機構32によって、4個のマンドレル31は、X、Y方向それぞれの距離を変更することができる。
【0079】
これにより、例えば、小型のブランクシートの基底面部100Sのコーナ部に適合するマンドレル31を、大型のブランクシートの基底面部100Lのコーナ部に適合するマンドレル31´に変換することができる。
【0080】
その結果、包装装置1によれば、製函対象のブランクシートを、異なるサイズのものに変更する場合に、保持機構32を駆動させて縦又は奥行方向の一対のマンドレル31の間隔を独立に変更して、4個のマンドレル31の間隔を任意の値に変更するだけで、任意のサイズのブランクシートに容易に適合させることができる。
【0081】
そのため、従来必要であった、製函ユニット30における複数のマンドレル31をサイズ変更後の製函対象のブランクシートに適合したマンドレル31に交換する等の型変更の作業を削減し、サイズの異なるカートンの製函を容易に切り替え可能な包装装置を提供することができる。
【0082】
また、型変更後に、サイズ変更に伴うマンドレル31の位置調整を簡素化することもできる。
【0083】
[搬送手段40]
搬送手段40は、半函カートン100A及びカートン100Bを搬送する、リニア搬送方式により物品を搬送するリニア搬送と呼ばれる方式のコンベアが用いられる。搬送手段40には、搬送路41上の位置SP1、SP2、SP3、SP4-5、SP6に、製函ユニット30、製品充填ユニット50、糊付けユニット60、封函ユニット70、搬出ユニット80が配されている。
【0084】
搬送手段40は、
図2、3に示すように、搬送路41と複数の可動手段42を有する。
【0085】
搬送路41は、リニアモータの固定子から構成されるループ状の循環路である。
【0086】
可動手段42は、半函カートン100Aやカートン100Bを可動手段上に保持して搬送するためのキャリア手段であり、搬送路41上を移動可能なリニアモータの可動子により構成される。制御部90から発せられる制御信号に基づき、複数の可動手段42の搬送がそれぞれ独立に制御される。
【0087】
搬送手段40は、制御部90からの指示に基づき、包装装置1における、
図4に示す包装動作の各工程、すなわち、製函工程(ステップS3)、製品充填工程(ステップS4)、糊付け工程(ステップS5)、封函工程(ステップS6)、カートン搬出工程(ステップS7)において、可動手段42を搬送路41における位置SP1、SP2、SP3、SP4及びSP5、SP6に停止させる。さらに、工程の進行に伴って、各可動手段42が位置SP1、SP2、SP3、SP4及びSP5、SP6を移動するように、可動手段42の位置を制御する。
【0088】
[製品充填ユニット50]
製品充填ユニット50は、製品PRを搬入コンベアICから取り出して半函カートン100Aに充填する機構ユニットである。
図8(a)(b)は、製品充填ユニット50の構成及び動作を説明するための模式正面図である。
【0089】
図8(a)(b)に示すように、製品充填ユニット50は、製品吸着ヘッド51、ロボットハンド52、ロボットアーム53、ロボット本体部54を有する。
【0090】
このうち、製品吸着ヘッド51は、第2のワークヘッドを構成し、ロボットアーム53は、第2のロボットアームを構成する。
【0091】
製品吸着ヘッド51は、下面側に吸着部511を備え、製品PRを上方から吸着保持する機能を有する。
【0092】
吸着部511は、下面に複数の吸気孔511aを有する。吸気孔は、図示しない真空ポンプ等に接続されている。吸着部511の下面を搬入コンベアICに載設された製品PRの上面に接触させた状態で吸気孔に負圧を付勢することによって、製品PRを吸着保持することができる。複数の吸気孔511aは、複数の製品PRそれぞれの位置に対応して配されており、吸着部511は複数の製品PRを同時に吸着保持することができる。
【0093】
ロボットハンド52は、ロボットアーム53の先端に接続され、ロボットアーム33によってXYZ方向に空間移動するアクチュエータ手段であり、第2のワークヘッドとして、製品吸着ヘッド51を保持する。
【0094】
ロボットアーム53は、例えば、設備の天井等に設置されたロボット本体部54などから延伸する、いわゆる、搬送路41より上方に設置されており、ロボットアーム53自身よりも上方に位置する部材から吊り下げられた天吊りロボットアームである。ロボットアーム53は、ロボットハンド52を介して製品吸着ヘッド51を回動自在に支持し、例えば、吸着部511を下方に向けた状態でヘッド51を保持してXYZ方向からなる3次元空間の中で所定の位置に移送可能なパラレルリンク型のロボットアーム機構を用いることができる。ロボットアーム53は、駆動手段(例えば、モータ)を含み、制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動され、吸着部511のXYZ方向の位置を変更することができる。
【0095】
搬入コンベアICは、製品PRを工程に搬入するための搬送手段であり、搬入コンベアICは、
図2、3、8(a)に示すように、製品PRが分離した状態で搬送する上流コンベアIC1と、製品PRを複数、集積した後にまとめて後段に搬送する下流側コンベアIC2と、から構成される。上流コンベアIC1、下流側コンベアIC2は、モータの回転によりベルトが伝達されるものであってもよく、リニアモータにより駆動されるものでもよい。
【0096】
この製品充填ユニット50の動作では、複数の製品PRを搬入コンベアICから一括して(まとめて)取り出して半函カートン100Aに充填する動作が行われる(ステップS4)。
【0097】
具体的には、上流コンベアIC1は、製品PRが分離した状態で下流側コンベアIC2に搬送する(T21)。下流側コンベアIC2は、上流コンベアIC1から供給される製品PRが上設されたストッパSTによって堰き止めることで、所定数、集積し、所定数の製品PRが集積されると、これらをまとめて搬送する(T22)。
【0098】
製品充填ユニット50は、搬送路41の位置SP2に半函カートン100Aが載設された可動手段42が停止している状態において、
図8(a)に示すように、吸着部511の下面を下流側コンベアIC2によってまとめて搬送される複数の製品PRの上面に接触させた状態で、複数の製品PRそれぞれの位置に対応して配された吸気孔511aに負圧F4を付勢することによって、複数の製品PRそれぞれをまとめて吸着保持して下流側コンベアIC2から引き上げる。
【0099】
そして、
図8(b)に示すように、複数の製品PRを製品吸着ヘッド51に吸着した状態でロボットアーム53を移動させて(M3)、製品PRを搬送路41の位置SP2に停止している可動手段42上の半函カートン100Aに移動させて負圧を解除することで、複数の製品PRを半函カートン100Aに移載する。
【0100】
[糊付けユニット60]
糊付けユニット60は、半函カートン100Aの前方フラップ109の内面に糊付して前方フラップを折り曲げる機構ユニットである。
図9(a)~(c)は、糊付けユニット60の構成及び動作を説明するための模式正面図である。
【0101】
図9(a)~(c)に示すように、糊付けユニット60は、折り曲げ板63、64、フレーム62、支柱61を有する。
【0102】
フレーム63は、支柱61に固定され、折り曲げ板63、64の空間内の位置を規定し、これらを保持する。
【0103】
折り曲げ板63は、水平方向(Y方向)に移動可能に構成されている。先端部63aに前方フラップ109と同幅に構成され、先端部63aの近傍には糊PEが供給される孔を有している。折り曲げ板63は、先端部63aを半函カートン100Aの前方フラップ109根本の折り曲げ線に当接させて前方フラップ109の折り曲げを補助するとともに、先端部63aを半函カートン100Aの前方フラップ109の内面にも当接させて、前方フラップ109の内面に糊PEを塗布する機能を有する。
【0104】
折り曲げ板64は、フレーム63の先端部62aにおいて、先端部64aに前方フラップ109と同幅の傾斜押圧面部を有し、X-Z面内の斜め方向(
図9(b)における右上~左下方向)に移動可能に保持されている。先端部64aを半函カートン100Aの前方フラップ109の外面に当接することにより、前方フラップ109を根本の折り曲げ線の部分から内方に折り曲げる機能を有する。
【0105】
折り曲げ板63、64は、駆動手段(例えば、モータ)を含み、制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動される。
【0106】
この糊付けユニット60では、半函カートン100Aの前方フラップ109の内面に糊付して前方フラップを折り曲げる動作が行われる(ステップS5)。
【0107】
具体的には、先ず、
図9(a)に示すように、搬送路41の位置SP3に製品PRを内包するカートン100Bが載設された可動手段42が停止した状態において、折り曲げ板63及び折り曲げ板64は、半函カートン100Aの前方フラップ109から離間した位置に静止している。
【0108】
次に、
図9(b)に示すように、折り曲げ板63は、
図9(b)紙面右方に延伸することにより(M4)、先端部63aを半函カートン100Aの前方フラップ109根本の折り曲げ線に当接させるとともに、先端部63aの近傍を半函カートン100Aの前方フラップ109の内面に当接させて、前方フラップ109の内面に糊PEを塗布する。
【0109】
同時に、折り曲げ板64は、
図9(b)における左下方向に移動可能に延伸することにより(M5)、先端部64aを半函カートン100Aの前方フラップ109の外面に当接することにより、折り曲げ板63との間に前方フラップ109を挟んで、前方フラップ109を根本の折り曲げ線の部分から内方に折り曲げる。
【0110】
さらに、
図9(c)に示すように、折り曲げ板63を
図9(c)紙面左方に、折り曲げ板64を
図9(c)の右上方向に退避させることにより(M6、7)、半函カートン100Aの前方フラップ109から離間させる。
【0111】
以上の動作により、半函カートン100Aには、前方フラップ109が内面に糊PEが付着して内方に折り曲げられた状態が形成される。
【0112】
[封函ユニット70]
封函ユニット70は、半函カートン100Aの蓋部104を封函して製品を内包したカートン100Bを形成する機構ユニットである。
図10(a)、
図11(a)は、封函ユニット70の構成及び動作を示す正面図で、
図10(b)、
図11(b)は平面図である。
【0113】
封函ユニット70は、ヘッド71、ロボットハンド72、ロボットアーム73、ロボット本体部74を有する。
【0114】
このうち、ヘッド71は、第3のワークヘッドを構成し、ロボットアーム73は、第3のロボットアームを構成する。
【0115】
ヘッド71は、ヘッド71の下面から下方に延伸した板状の押し板711を備え、半函カートン100Aの蓋部104の外面を上方から押圧して蓋部104を閉じて、半函カートン100Aを封函するワークヘッドとして機能する。
【0116】
図10(a)、
図11(a)に示すように、ヘッド71には、押し板711Cは半函カートン100Aの蓋部104を押圧するように位置規制された押し板711Cが設けられている。さらに、押し板711Cの搬送手段40の搬送方向の両側に半函カートン100Aの蓋部108L、108Rを押圧するように位置規制された押し板711L、711Rを備えていてもよい。
【0117】
このように、本例では、1つの半函カートン100Aに対し、搬送手段40の搬送方向に3本の押し板711L、711C、711R(まとめて「押し板711」と記す場合がある)が設けられている。
【0118】
また、本例では、ヘッド71は、同時に2個の半函カートン100Aを封函できるよう、搬送手段40の搬送方向において、押し板711L、711C、711Rのセットが2組設けられている。
【0119】
ロボットハンド72は、ロボットアーム73の先端に接続され、ロボットアーム73によってXZ方向に2次元空間内を移動するアクチュエータ手段であり、第3のワークヘッドとして、ヘッド71を保持する。
【0120】
ロボットアーム73は、例えば、設備の天井等に設置されたロボット本体部74などから延伸する、いわゆる、搬送路41より上方に設置されており、ロボットアーム73自身よりも上方に位置する部材から吊り下げられた天吊りロボットアームである。ロボットアーム73は、ロボットハンド72を介してヘッド71を回動自在に支持し、例えば、押し板711を下方に向けた状態でヘッド71を保持してXZ方向からなる2次元空間の中で所定の位置に移送可能なパラレルリンク型のロボットアーム機構を用いることができる。また、ロボットアーム73は、駆動手段(例えば、モータ)を含み、制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動され、押し板711のXYZ方向の位置を変更することができる。
【0121】
この封函ユニット70の動作では、半函カートン100Aの蓋部104を封函して製品を内包したカートン100Bを形成する動作が行われる(ステップS6)。
【0122】
封函ユニット70の動作は、搬送路41の位置SP4に製品PRを内包する半函カートン100Aが載設された先行の可動手段42が停止し、位置SP5に製品PRを内包する別の半函カートン100Aが載設された後行の可動手段42が停止した状態において行われる。
【0123】
先ず、
図10(a)(b)に示すように、封函ユニット70では、初期状態においてヘッド71はホームポジションに静止しており、押し板711は半函カートン100Aの前方フラップ109から離間している。
【0124】
次に、
図11(a)(b)に示すように、封函ユニット70は、ロボットアーム73を可動してヘッド71を
図11(a)(b)における紙面右下方向に移動させて(M8)、押し板711Cが半函カートン100Aの蓋部104の外面を上方から押圧して蓋部104を閉じる動作を行う。
【0125】
このとき、押し板711Cの先端部711bにより半函カートン100Aの前方フラップ109の外面を上方から押圧して、糊PEが塗布された前方フラップ109の内面を前壁部102の外面に押し付ける動作が行われる。
【0126】
同時に、封函ユニット70は、押し板711L、711Rが、先端部711aにより半函カートン100Aの蓋部108L、108Rの外面を上方から押圧して蓋部108L、108Rを閉じる動作を行う。
【0127】
以上の動作により、半函カートン100Aの蓋部104、108L、108Rを根本から折り曲げるとともに、前方フラップ109の内面と前壁部102の外面とを接着する封函動作を行うことができ、製品を内包したカートン100Bが形成される。
【0128】
(ヘッド71の押し板部材可動機構について)
ヘッド71は、搬送方向の間隔を異ならせることが可能な一対の可動部材711L、711Rと、支持機構712を内装し、半函カートン100Aの大きさに応じて可動押し板711L、711Rの間隔を調整可能に構成してもよい。
【0129】
押し板部材可動機構は制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動され、ヘッド71は内装する支持機構712によって、操作入力に基づいて可動部材711L、711Rの搬送手段40の搬送方向の間隔を簡易に変更することができる。
【0130】
図12(a)(b)は、封函ユニット70による型変更動作を説明するための模式正面図である。
【0131】
例えば、
図12(a)に示すように、制御信号を変えるだけで、小サイズの半函カートン100Aに適合させて一対の可動部材711L、711Rの間隔W1を縮小したり、大サイズの半函カートン100Aに適合させて一対の可動部材711L、711Rの間隔W2を拡大することが可能となる。
【0132】
その結果、包装装置1によれば、製函対象のブランクシートを、異なるサイズのものに変更する場合に、支持機構712を駆動させて一対の可動部材711L、711Rの間隔を変更するだけで、任意のサイズのブランクシートに容易に適合させることができる。
【0133】
そのため、従来必要であった、封函ユニット70における一対の可動部材711L、711Rをサイズ変更後の製函対象のブランクシートに適合したものに交換する等の型変更の作業を削減し、サイズの異なるカートンの製函を容易に切り替え可能な包装装置を提供することができる。
【0134】
また、型変更後に、サイズ変更に伴う可動押し板711L、711Rの位置調整を簡素化できる。
【0135】
[搬出ユニット80]
搬出ユニット80は、製品PRを内包するカートン100Bを搬送手段40から搬出コンベアOCに搬出する機構ユニットである。
図13(a)(b)は、搬出ユニット80の構成及び動作を説明するための模式正面図である。
【0136】
図13(a)(b)に示すように、搬出ユニット80は、カートン吸着ヘッド81、ロボットハンド82、ロボットアーム83、ロボット本体部84を有する。
【0137】
このうち、カートン吸着ヘッド81は、第4のワークヘッドを構成し、ロボットアーム83は、第4のロボットアームを構成する。
【0138】
カートン吸着ヘッド81は、下面側に吸着部811を備え、製品PRを内包したカートン100Bを上方から吸着保持する機能を有する。
【0139】
吸着部811は、下面に吸気孔を有する。吸気孔は、図示しない真空ポンプ等に接続されている。吸着部811の下面を可動手段42に載設されたカートン100Bの上面に接触させた状態で吸気孔に負圧を付勢することによって、カートン100Bを吸着保持することができる。
【0140】
ロボットハンド82は、ロボットアーム83の先端に接続され、ロボットアーム83によってYZ方向に2次元空間内を移動するアクチュエータ手段であり、第4のワークヘッドとしてカートン吸着ヘッド81を保持する。
【0141】
ロボットアーム83は、例えば、設備の天井等に設置されたロボット本体部84などから延伸する、いわゆる、搬送路41より上方に設置されており、ロボットアーム83自身よりも上方に位置する部材から吊り下げられた天吊りロボットアームである。ロボットアーム83は、ロボットハンド82を介してカートン吸着ヘッド81を回動自在に支持し、例えば、吸着部811を下方に向けた状態でカートン吸着ヘッド81を保持してYZ方向からなる2次元空間の中で所定の位置に移送可能な3軸の天吊り型垂直多関節ロボットアーム機構を用いることができる。ロボットアーム83は、駆動手段(例えば、モータ)を含み、制御部90から発せられる制御信号に基づき駆動され、吸着部811のXYZ方向の位置を変更することができる。
【0142】
搬出コンベアOCは、カートン100Bを工程から搬出するための搬送手段であり、モータの回転によりベルトが伝達されるものであってもよく、リニアモータにより駆動されるものでもよい。
【0143】
この搬出ユニット80の動作では、搬送手段40からカートン100Bを取り出して搬出する動作が行われる(ステップS7)。
【0144】
具体的には、搬送路41の位置SP6に製品PRを内包するカートン100Bが載設された可動手段42が停止している状態において、
図13(a)に示すように、搬出ユニット80は、カートン吸着ヘッド81の吸着部811をカートン100Bの上表面に接触させて吸気孔に負圧F5を付勢することによって、カートン100Bを吸着保持する。
【0145】
そして、
図13(b)に示すように、カートン100Bをカートン吸着ヘッド81に吸着した状態でロボットアーム83を移動させて(M9)、カートン100Bを補正ユニット20の搬出コンベアOC上に移動させて負圧を解除し、カートン100Bを搬出コンベアOCに載設し、搬出コンベアOCによりカートン100Bを搬出する(T6)。
【0146】
[制御部90]
制御部90は、供給ユニット10、補正ユニット20、製函ユニット30、搬送路40、製品充填ユニット5、糊付けユニット60、及び封函ユニット70に接続され、制御信号を出力して、搬送路41上の可動手段42の移動、及び各ユニットの動作を制御する。
【0147】
制御部90は、例えば、一般的なCPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)と、これらで実行されるプログラムを備えるコンピュータとして実現される。制御部90は、記憶装置等から包装装置1にかかる制御プログラムをRAMに読みだして実行することにより、包装装置1を構成する各ユニットそれぞれが連関して動作するように方変更時のこれらを制御して、包装装置1の機能を実現する。
【0148】
以上の構成を備えた包装装置1によれば、シートスタック100xからブランクシート100を取り出して補正ユニット20に供給し、ブランクシート100の平面方向における位置及び/又は角度を補正し、半函カートン100Aに製函し、半函カートン100Aを搬送路40に沿って搬送する。さらに、半函カートン100Aに製品PRを充填し、半函カートン100Aの蓋を封函し、搬出ユニット80において製品PRを内包したカートン100Bを搬送手段40外に搬出する動作を行う。
【0149】
<まとめ>
以上、説明したように、実施の形態に係る包装装置1は、搬送路41と、搬送路41上を移動可能な可動手段42と、搬送路41に沿って、ブランクシート100から半函カートン100Aを成型して可動手段42に載設する製函ユニット30と、半函カートン100Aに製品PRを充填する製品充填ユニット50と、半函カートン100Aを封函して製品PRを内包したカートン100Bを形成する封函ユニット70と、カートン100Bを可動手段42から搬出する搬出ユニット80とを、当該順に備え、製函ユニット30は第1のワークヘッド31と、第1のワークヘッド31を支持する、搬送路41より上方に設置された第1のロボットアーム33と、製品充填ユニット50は第2のワークヘッド51と、第2のワークヘッド51を支持する、搬送路41より上方に設置された第2のロボットアーム53と、封函ユニット70は第3のワークヘッド71と第3のワークヘッド71を支持する、搬送路41より上方に設置された第3のロボットアーム73と、搬出ユニット80は第4のワークヘッド81と第4のワークヘッド81を支持する、搬送路41より上方に設置された第4のロボットアーム83を、それぞれ有することを特徴とする。
【0150】
係る構成により、包装装置1によれば、ブランクシート100から半函カートン100Aを製函して製品PRを充填したのち封函する製函・包装工程において、製造ラインの機械設備の密集を回避して、製造ラインの搬送路周辺の機械設備の密度を低減することができる。これにより、設備メンテナンス時の作業性を向上可能な包装装置を提供できる。
【0151】
また、包装装置1によれば、従来必要であった機種変更時の工程設備を置換えや調整作業を削減して生産効率を向上できる。
【0152】
具体的には、従来の包装装置において、各工程の作業に、X-YテーブルやX-Y-Zステージ等、直線的な動作が主体の設備機構が用いられていたために生じていた課題を抑制できる。
【0153】
すなわち、各ユニットの設備の機構が複雑であるとともに、製造ラインの搬送路周辺に機械設備が密集して視認性が悪く、設備メンテナンス時の作業性が悪いといった課題の低減を図ることができる。
【0154】
また、カートン100Bのサイズ変更や機種変更時等の型変更時に、サイズ変更に適合するように工程設備を置換える設備交換や、工程設備の大きさを変更する設備調整が発生し、型変更時の作業負担が大きく、生産効率が低いという課題を低減できる。
【0155】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、製函ユニット30は、第1のロボットアーム33を移動することにより、第1のワークヘッド31によりブランクシート100を折り曲げて半函カートン100Aを成型し、製品充填ユニット50は、第2のロボットアーム53を移動することにより、第2のワークヘッド51により可動手段42に載設された半函カートン100Aに製品を充填し、封函ユニット70は、第3のワークヘッド71により製品PRが載設された半函カートン100Aの蓋部104を封函して製品PRを内包したカートン100Bを形成し、搬出ユニット80は、第4のロボットアーム83を移動することにより、第4のワークヘッド81により可動手段42に載設されたカートン100Bを可動手段42から搬出する構成としてもよい。
【0156】
係る構成により、供給ユニット10、製函ユニット30、製品充填ユニット50,封函ユニット70、搬出ユニット80を構成して、ブランクシート100から半函カートン100Aの製函、製品PRの充填、封函、カートン100Bの搬出からなる一連の工程動作を行う製造ラインの機械設備の密度を低減できる。
【0157】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、さらに、ブランクシート100を供給する供給ユニット10を備え、供給ユニット10は、第5のワークヘッド11と、第5のワークヘッド11を支持し、搬送路41より上方に設置された第5のロボットアーム13を備え、第5のワークヘッド11によりシートスタック100xからブランクシート100を取り出して製函ユニット30に供給する構成としてもよい。
【0158】
係る構成により、複数のブランクシート100が平積されたシートスタック100xから、ブランクシート100を単票ごとに取り出して、補正ユニット20に供給する供給ユニット10を実現できる。
【0159】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、第1のワークヘッド31は、ブランクシート100を折り曲げるマンドレル31を有し、第2のワークヘッド51は、半函カートン100Aに製品PRを吸着して充填する製品吸着ヘッド51を有し、第3のワークヘッド71は、半函カートン100Aの蓋部104に当接して封函する押し板711を有し、第4のワークヘッド81は、カートン100Bを吸着して搬出するカートン吸着ヘッド81を有し、第5のワークヘッド11は、ブランクカートン100を吸着してシートスタック100xから取り出すシート吸着ヘッド11を有する構成としてもよい。
【0160】
係る構成により、第1~第5のワークヘッド31、51、71、81、11を構成して、ブランクシート100取り出し、半函カートン100Aの製函、製品PRの充填、封函、カートン100Bの搬出からなる一連の工程動作を行う包装装置1を実現できる。
【0161】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、第1のワークヘッド31は、マンドレル31のブランクシート100におけるX-Y面方向の縦又は横方向における間隔を異ならせることができる保持機構32を有する構成としてもよい。
【0162】
係る構成により、従来必要であった、製函ユニット30における複数のマンドレル31をサイズ変更後の製函対象のブランクシートに適合したマンドレル31に交換する等の型変更の作業を削減し、サイズの異なるカートンの製函を容易に切り替え可能な製函装置を提供することができる。また、型変更後に、サイズ変更に伴うマンドレル31の位置調整を簡素化できる。
【0163】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、押し板711は一対の可動部材711L、711Rを含み、第3のワークヘッド71は、ブランクシート100におけるX-Y面方向の縦又は横方向における部材711L、711R間の間隔を異ならせることができる支持機構712を有する構成としてもよい。
【0164】
係る構成により、従来必要であった、封函ユニット70における一対の可動部材711L、711Rをサイズ変更後の製函対象のブランクシートに適合したものに交換する等の型変更の作業を削減し、サイズの異なるカートンの製函を容易に切り替え可能な包装装置を提供することができる。また、型変更後に、サイズ変更に伴う可動押し板711L、711Rの位置調整を簡素化できる。
【0165】
≪変形例≫
実施の形態に係る包装装置を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として変形例を説明する。
(1)上記実施の形態では、製品充填ユニット50と封函ユニット70の間に、半函カートン100Aの前方フラップ109の内面に糊付して前方フラップを折り曲げる糊付けユニット60を設けた構成とした。
【0166】
しかしながら、半函カートン100Aに糊付け工程の順序は適宜、変更してもよい。例えば、半函カートン100Aの所定部分に糊付けを行う糊付けユニット60は適宜、製函ユニット30と製品充填ユニット50との間に設けてもよく、製函ユニット30や封函ユニット70において半函カートン100Aの所定部分に糊付け動作を行う構成としてもよい。
(2)上記実施の形態では、供給ユニット10と製函ユニット30との間に、ブランクシートの平面方向における位置及び/又は角度を補正する補正ユニット20を設けた構成とした。
【0167】
しかしながら、補正ユニット20は、カートンの大型化に伴いブランクシートの面積が大きい場合や、ブランクシートの反りやうねりが大きい条件において、製函ユニットに供給される際にブランクシートの位置のばらつきを縮減でき、カートンの成型精度の向上を図ることができるユニットである。そのため、補正ユニット20は、ブランクシート100のサイズや形状に応じて、補正ユニット20は適宜、省略してもよい。
【0168】
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていないものについては、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
【0169】
また、上記の方法が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記方法の一部が、他の方法と同時(並列)に実行されてもよい。
【0170】
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0171】
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本開示の一態様に係る包装装置は、製造ライン等において、製品、部品、工作物、包装、各種容器等の物品を搬送する包装装置に利用可能である。また、各種物流等において、包装された荷物や梱包物を搬送する包装装置としても好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0173】
1 包装装置
10 供給ユニット
11 シート吸着ヘッド(第5のワークヘッド)
12 昇降アーム(第5のワークヘッド)
13 水平可動アーム(第5のロボットアーム)
14 ガイドレール(第5のロボットアーム)
20 補正ユニット
21 基盤
22 支持部材
23 回転機構
24 可動機構
25 撮像手段
26 光源
27 吸引機構
30 製函ユニット
31 マンドレル(第1のワークヘッド)
311 吸着部(第1のワークヘッド)
32 保持機構(第1のワークヘッド)
321 可動軸受け
322 支柱
324 連結シャフト
325 シャフト
33 ロボットアーム(第1のロボットアーム)
34、37 支持ガイド部材
35 ローラ
36 折り曲げ板
38 ロボットハンド
40 搬送手段
41 搬送路
42 可動手段
50 製品充填ユニット
51 製品吸着ヘッド(第2のワークヘッド)
511 吸着部(第2のワークヘッド)
52 ロボットハンド
53 ロボットアーム(第2のロボットアーム)
54 ロボット本体部
60 糊付けユニット
61 支柱
62 フレーム
63 折り曲げ板
64 折り曲げ板
70 封函ユニット
71 ヘッド(第3のワークヘッド)
711 押し板(第3のワークヘッド)
712 支持機構(第3のワークヘッド)
72 ロボットハンド
73 ロボットアーム(第3のロボットアーム)
74 ロボット本体部
80 製品搬出ユニット
81 カートン吸着ヘッド(第4のワークヘッド)
811 吸着部(第4のワークヘッド)
82 ロボットハンド
83 ロボットアーム(第4のロボットアーム)
84 ロボット本体部
90 制御部
100 ブランクシート
100x シートスタック
100A 半函カートン
100B カートン