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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101275
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】効果装置取り付けプレート
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/32 20060101AFI20220629BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20220629BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20220629BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20220629BHJP
   G10H 1/34 20060101ALN20220629BHJP
【FI】
G10H1/32 Z
H05K5/00
H05K5/03 A
H05K5/02 B
G10H1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215750
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】福田 康宏
(72)【発明者】
【氏名】和田 紀彦
【テーマコード(参考)】
4E360
5D478
【Fターム(参考)】
4E360AC14
4E360AD06
4E360AD12
4E360BA04
4E360BB16
4E360BB22
4E360BD05
4E360EA21
4E360EC12
4E360EC14
4E360ED02
4E360ED04
4E360ED17
4E360GA02
4E360GA12
4E360GA14
4E360GA46
4E360GB99
4E360GC03
4E360GC04
4E360GC08
5D478JJ00
(57)【要約】
【課題】配線に対する作業を可能としつつ、持ち運び時には配線を保護することができる効果装置取り付けプレートを提供すること。
【解決手段】プレート100の背面側が背面ケース200により覆われ、プレート100と背面ケース200との間に形成される空間に配線(図示せず)を収納できる。よって、プレート100及び背面ケース200をエフェクトペダルとして使用する際や持ち運ぶ際に、配線に外力が作用することを抑制できる。よって、配線(ジャック)がエフェクタEから抜けることや、配線が無理に折り曲げられて断線することを抑制できる。一方、締結ねじB3を取り外すことで、プレート100から背面ケース200を取り外し、プレート100の背面側を開放することができる。よって、エフェクタEへの配線の接続・解除作業や、演奏前の配線の確認作業など、配線に対する作業を容易に行うことができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
効果装置が取り付けられる被取付面から前記被取付面の反対側の背面までの間に貫通孔が貫通して形成される被取付部材と、
前記被取付部材の背面側を覆い、前記被取付部材の背面との間に空間を形成した状態で前記被取付部材に取り付けられる背面側部材と、
前記空間における作業を可能とするための第1の手段と、を備えることを特徴とする効果装置取り付けプレート。
【請求項2】
前記被取付部材から前記背面側部材を取り外し可能とする構成により前記第1の手段が構成されることを特徴とする請求項1記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項3】
前記背面側部材は、前記被取付部材側が開放された箱状に形成され、
前記背面側部材の前記被取付部材と反対側となる背面側を床に置いた状態では、前記被取付部材の被取付面が床に対して傾斜されると共に、前記被取付部材の被取付面の少なくとも一部が前記背面側部材よりも上方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項4】
前記被取付部材の被取付面側を覆い、前記被取付部材の被取付面との間に空間を形成した状態で前記背面側部材または前記被取付部材に取り付けられるカバー部材を備え、前記カバー部材が前記背面側部材または前記被取付部材から取り外し可能とされることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項5】
前記カバー部材は、そのカバー部材の一側に回転可能に取り付けられる車輪と、前記カバー部材の一側の反対側となる他側に取り付けられる第1のハンドルと、を備えることを特徴とする請求項4記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項6】
前記背面側部材または前記被取付部材に前記カバー部材が取り付けられ、前記背面側部材の一側および前記カバー部材の一側が床に置かれた状態では、前記カバー部材が下側に向けられると共に前記背面側部材が上側に向けられる傾斜した姿勢とされることを特徴とする請求項4又は5に記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項7】
前記カバー部材は、そのカバー部材の一側に回転可能に取り付けられる車輪を備え、
前記背面側部材は、その背面側部材の一側に取り付けられる脚部を備え、
前記背面側部材または前記被取付部材に前記カバー部材が取り付けられ、前記背面側部材の脚部および前記カバー部材の車輪が床に置かれた状態では、前記カバー部材が下側に向けられると共に前記背面側部材が上側に向けられる傾斜した姿勢とされることを特徴とする請求項6記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項8】
前記背面側部材は、樹脂材料からなり前記被取付部材側が開放する箱状に形成される外装部材と、金属材料からなり前記外装部材に固定されるフレームとを備え、
前記被取付部材は、前記背面側部材のフレームに取り付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項9】
連結部材を備え、
前記被取付部材は、前記被取付面が形成される被取付本体部と、その被取付本体部の外縁に沿って形成される被取付側壁と、を備え、前記被取付側壁が前記背面側部材のフレームに取り付けられ、
前記連結部材は、前記背面側部材の正面と前記被取付本体部の背面との対向間を連結することを特徴とする請求項8記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項10】
前記背面側部材は、その背面から突出して形成される突出部を備え、
前記突出部が前記連結部材に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項9記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項11】
前記背面側部材は、その背面に取り付けられる支持部材を備え、
前記被取付部材の前記被取付側壁は、前記支持部材に対応する位置において、前記背面側部材の正面に取り付けられ、
前記支持部材の前記背面側部材の背面からの突出高さが、前記突出部の前記背面側部材の背面からの突出高さよりも大きくされることを特徴とする請求項10記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項12】
前記被取付部材は、前記被取付面が形成される被取付本体部と、その被取付本体部の外縁に沿って形成される被取付側壁と、を備え、
前記外装部材は、正面が前記被取付本体部の背面に対向する外装本体部と、その外装本体部の外縁に沿って形成される外装側壁と、を備え、
前記フレームは、前記外装側壁の内面に取り付けられ周方向に連続して形成される枠フレームを備え、
前記枠フレームの内面または前記被取付側壁の外面には、樹脂材料から構成される緩衝部材が取り付けられていることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の効果装置取り付けプレート。
【請求項13】
前記被取付部材は、前記被取付面が形成される被取付本体部と、その被取付本体部の外縁に沿って形成される被取付側壁と、を備え、
前記被取付側壁が前記背面側部材の正面側に締結ねじにより締結されることを特徴とする請求項1から12のいずれかに規制の効果装置取り付けプレート。
【請求項14】
効果装置が取り付けられる被取付面を有する被取付部材と、
前記被取付部材の前記被取付面の反対側を覆う状態で前記被取付部材に取り付けられる背面側部材と、
前記被取付部材の被取付面側を覆う状態で前記背面側部材に取り付けられるカバー部材と、を備えることを特徴とする効果装置取り付けプレート。
【請求項15】
前記カバー部材は、そのカバー部材の一側に回転可能に取り付けられる車輪と、前記カバー部材の一側の反対側となる他側に取り付けられる第1のハンドルと、を備えることを特徴とする請求項14記載の効果装置取り付けプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効果装置取り付けプレートに関し、特に、配線に対する作業を可能としつつ、持ち運び時に配線を保護することができる効果装置取り付けプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のエフェクタ(効果装置)を取り付けることができるペダルボードが知られている。例えば、特許文献1には、エフェクタが取り付けられる被取付面12を有する被取付部材(第1部材30及び第2部材32の間を複数の横部材34で連結して構成される部材)と、その被取付部材の被取付面12と反対側の面から突出される支持フレーム42とを備え、床44に置かれた際に、支持フレーム42の突出高さの分、床44との間に空間が形成されるペダルボードが記載されている。
【0003】
このペダルボードによれば、被取付面12に開口18が形成されるので、エフェクタの配線を開口18から背面側へ通して上記空間に収納することができる。これにより、被取付面12上が配線により乱雑な状態となることを抑制できる。よって、被取付面12上における外観を向上できると共に配線が演奏時の邪魔になることを抑制できる。また、ペダルボードを裏返すことで、配線に対する作業を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6459023号明細書(例えば、図7,13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ペダルボードは、楽器を接続すれば直ぐに演奏ができるように、複数のエフェクタが取り付けられ配線が接続された状態で持ち運ばれることが一般的である。しかしながら、上述した従来のペダルボードでは、背面側の配線がむき出しとされているため、ペダルボードをケースへ収納する際やケースから取り出す際に、配線に外力が作用して、エフェクタとの接続が外れることや、配線が折り曲げられて断線することがあった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、配線に対する作業を可能としつつ、持ち運び時には配線を保護することができる効果装置取り付けプレートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明の効果装置取り付けプレートは、効果装置が取り付けられる被取付面から前記被取付面の反対側の背面までの間に貫通孔が貫通して形成される被取付部材と、前記被取付部材の背面側を覆い、前記被取付部材の背面との間に空間を形成した状態で前記被取付部材に取り付けられる背面側部材と、前記空間における作業を可能とするための第1の手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は、一実施形態におけるエフェクタケースの正面斜視図であり、(b)は、エフェクタケースの背面斜視図である。
図2】エフェクタケースの分解正面斜視図である。
図3】(a)は、プレートの正面図であり、(b)は、プレートの背面図である。
図4】背面ケースの正面図である。
図5】背面ケースの分解正面斜視図である。
図6】プレート及び背面ケースの断面図である。
図7】プレート及び背面ケースの断面図である。
図8】(a)及び(b)は、エフェクタケースの断面模式図である。
図9】(a)及び(b)は、第1の変形例におけるエフェクタケースの断面図である。
図10】(a)及び(b)は、第2の変形例におけるエフェクタケースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、エフェクタケース1の全体構成について説明する。図1(a)は、一実施形態におけるエフェクタケース1の正面斜視図であり、図1(b)は、エフェクタケース1の背面斜視図である。図2は、エフェクタケース1の分解正面斜視図である。
【0010】
なお、図1及び図2の矢印F方向、矢印B方向、矢印U方向、矢印D方向、矢印L方向、矢印R方向を向く側の面を、エフェクタケース1(プレート100、背面ケース200及び正面ケース300)の正面、背面、上側面、下側面、左側面、右側面と定義する。図3以降においても同様とする。
【0011】
図1及び図2に示すように、エフェクタケース1は、エフェクタ(効果装置、図示せず)が取り付けられる被取付面111を有するプレート100と、そのプレート100の背面側に取り付けられる背面ケース200と、その背面ケース200の正面側に取り付けられる正面ケース300とを備え、背面ケース200及び正面ケース300により直方体形状に形成される。
【0012】
エフェクタケース1は、後述するように、背面ケース200に正面ケース300を取り付けることで、エフェクタEを収納した状態で持ち運び可能なケースとして使用可能とされ(図8参照)、正面ケース300を背面ケース200から取り外した状態では、背面ケース200及びプレート100がペダルボードとして使用可能とされる(図6及び図7参照)。
【0013】
正面ケース300は、直方体の背面側が開放した箱状に形成されるケース体310と、そのケース体310の左側面および右側面にそれぞれ取り付けられる固定具320と、ケース体310の正面および上側面の稜線部分に格納される伸縮ハンドル330と、ケース体310の上側面および右側面にそれぞれ取り付けられる上ハンドル340及び横ハンドル350と、ケース体310の正面および下側面の稜線部分に回転可能に取り付けられる車輪360と、右側面に取り付けられる脚部材370とを備える。
【0014】
固定具320は、固定位置または解除位置に操作可能に構成され、背面ケース200の右側面に取り付けられる係合金具260に係合可能とされる。固定位置に操作された固定具320が係合金具260と係合されることで、正面ケース300が背面ケース200に固定され、固定具320が解除位置に操作されることで、係合金具260との係合が解除され、正面ケース300が背面ケース200から取り外し可能とされる。
【0015】
伸縮ハンドル330は、伸縮ロッド(図示せず)に連結され、その伸縮ロッドの伸縮により上下方向(矢印U-D方向)に移動可能とされる(伸長状態は図示せず)。上ハンドル340及び横ハンドル350は、背面側(背面ケース200側、矢印B方向側)の縁部に回転可能(起立および倒伏可能)に取り付けられる。
【0016】
車輪360の回転軸は、その軸方向がケース体310の左右方向(矢印L-R方向)に沿い、車輪3は、ケース体310の正面および下側面よりも突出する大きさ(外径)に形成される(図8(a)参照)。脚部材370は、ケース体310の下側面からの高さ寸法が固定具320の高さ寸法よりも大きな寸法に設定され、固定具320が床FLに当たらない(接しない)ように形成される(図8(b)参照)。
【0017】
次いで、図3を参照して、プレート100について説明する。図3(a)は、プレート100の正面図であり、図3(b)は、プレート100の背面図である。
【0018】
図3に示すように、プレート100は、正面視(矢印B方向視)長方形状に形成される本体部110と、その本体部110の4辺(外縁)に沿って形成される側壁121~123とを備え、金属材料からなる板を折り曲げて形成される。また、プレート100には、本体部110の背面に締結ねじB2により連結部材130が複数個所(本実施形態では2か所)に締結固定される。
【0019】
なお、本実施形態では、プレート100がアルミ合金から形成され、連結部材130が炭素鋼から形成される。但し、これらをそれぞれ他の金属材料(例えば、アルミ合金、ステンレス鋼、炭素鋼)からプレート100及び連結部材130を形成しても良い。
【0020】
本体部110は、エフェクタEが取り付けられる被取付面111が正面(図3紙面手前側の面)に形成される部位であり、板厚方向(正面から背面までの間)に貫通して形成される複数の貫通孔112を備える。
【0021】
貫通孔112は、配線(エフェクタE同士を接続する配線や電源供給用の配線)が通過可能な大きさの長穴形状に形成され、その長径方向を上下方向(矢印U-D方向)に沿わせた姿勢で左右方向(矢印L-R方向)に所定間隔を隔てて並ぶ複数を一組として、3組が上下方向(矢印U-D方向)に並んで形成される。なお、貫通孔112の形状や個数、形成位置は任意である。
【0022】
側壁121は、本体部110の一対の短辺のそれぞれに沿って形成される部位であり、本体部110の短辺の外縁から背面側(図3(a)紙面奥側)へ延びる立壁部121aと、その立壁部121aの先端側を内側(本体部110の背面に対向する側)へ折り返して形成される折返し部121bとを備える。
【0023】
側壁122は、本体部110の一対の長辺の内の一方(矢印R方向側の辺)に沿って形成される部位であり、側壁123は、本体部110の一対の長辺の内の他方(矢印L方向側の辺)に沿って形成される部位である。側壁122,123は、本体部110の長辺の外縁から背面側(図3(a)紙面奥側)へ延びる立壁部122a,123aと、その立壁部122a,123aの先端側を内側(本体部110の背面に対向する側)へ折り返して形成される折返し部122b,123bとを備える。
【0024】
立壁部123aの高さ寸法(図3(a)紙面垂直方向の寸法)は、立壁部122aの高さ寸法よりも高くされる。これにより、後述するように、プレート100が背面ケース200に取り付けられた状態では、本体部110(被取付面111)が側壁122側から側壁123側へ向けて上昇傾斜される(図6及び図7参照)。
【0025】
折返し部122b,123bは、それぞれ折返し部121bの背面(図3(b)紙面手前側の面)に折り重ねられ、重ねられた部分が締結ねじB1により締結固定される。これにより、折返し部121b~123b同士が連結され、互いが支え合うことで、プレート100全体としての剛性が向上される。
【0026】
なお、折返し部122b,123bには、めねじ122b1,123b1がそれぞれ2か所(合計4か所)に形成される。後述するように、めねじ122b1,123b1に締結ねじB3が締結されることで、プレート100が背面ケース200に締結固定される(図7参照)。
【0027】
連結部材130は、本体部110の背面に締結ねじB2により締結固定される被締結部131と、その被締結部131の縁部から背面側(図3(a)紙面奥側)へ延びる立壁部132と、その立壁部132の先端側を折り返して形成される折返し部133とを備え(図6及び図7参照)、プレート100が背面ケース200に取り付けられた状態では、折返し部133の背面が背面ケース200(本体部211)の正面に接する。
【0028】
なお、連結部材130の折返し部133は、背面ケース200(本体部211)の正面であって、後述する第1突出部211aに対応する位置(背面視(矢印F方向視)で重なる位置)に接する。この場合、折返し部133の幅寸法(矢印L-R方向の寸法)は、背面ケース200(本体部211)の第1突出部211aの幅寸法(矢印L-R方向の寸法)よりも大きくされる(図6及び図7参照)。即ち、折返し部133は、第1突出部211aを幅方向に跨いだ状態で、本体部211の正面に接する。これにより、エフェクタEの操作時(踏み込み時)の外力で本体部211が変形されることを抑制しやすくできる。
【0029】
連結部材130の取り付け位置は、本体部110の長辺に沿う方向(矢印U-D方向)を三等分した位置であって、本体部110の短辺に沿う方向(矢印L-R方向)の略中央となる位置に設定される。これにより、本体部110の外縁から略等距離だけ離れた位置に連結部材130がそれぞれ位置されるので、エフェクタEの操作時(踏み込み時)の外力を、より少ない数の連結部材130によって効果的に支えることができる。その結果、製品コストを低減しつつ、本体部110の撓み(プレート100の破損)を抑制できる。
【0030】
次いで、図4及び図5を参照して、背面ケース200について説明する。図4は、背面ケース200の正面図であり、図5は、背面ケース200の分解正面斜視図である。なお、図4では、プレート100に背面ケース200が取り付けられた状態に対応する位置に連結部材130が図示される。
【0031】
図4及び図5に示すように、背面ケース200は、直方体の正面側が開放した箱状に形成される外装部材210と、その外装部材210の内面に取り付けられるフレーム220と、フレーム220の内面に取り付けられる複数の緩衝部材230と、外装部材210の外側に取り付けられる複数の脚部材240及び支持部材250と、を備える。
【0032】
外装部材210は、正面視(矢印B方向視)長方形状に形成される本体部211と、その本体部211の4辺(外縁)に沿って形成される側壁212,213と、を備え、樹脂材料から射出成型により形成される。なお、本実施形態では、外装部材210がポリカーボネート(PC)から形成される。但し、他の樹脂材料(例えば、ABS樹脂)や金属材料(例えば、アルミ合金)から外装部材210を形成しても良い。
【0033】
本体部211には、背面から突出される第1突出部211a、第2突出部211b及び第3突出部211cと(図1(b)、図6及び図7参照)、板厚方向(正面から背面までの間)に貫通される挿通孔211dとが形成される。
【0034】
第1突出部211a、第2突出部211b及び第3突出部211cは、本体部211と一体に形成され(図6及び図7参照)、背面視(矢印F方向視)において、本体部211の長辺に沿って直線状に延び、本体部211の短辺に沿う方向(矢印L-R方向)に所定間隔(略等間隔)を隔てて並ぶ態様で形成される(図1(b)参照)。
【0035】
第1突出部211aは、連結部材130(折返し部133)が接する位置に形成され、第2突出部211bは、第1突出部211aの左右両側(矢印L方向側およびR方向側)に複数条(本実施形態では左右それぞれ3条)が形成され、第3突出部211cは、本体部211の一対の長辺の外縁にそれぞれ接する位置に形成される。また、第1突出部211a及び第3突出部211cは、第2突出部211bに対して、本体部211の背面から突出する高さ寸法が大きくされる(図6及び図7参照)。
【0036】
挿通孔211dは、背面ケース200にプレート100を取り付ける(締結固定)するための締結ねじB3が挿通される孔であり(図7参照)、プレート100(側壁122,123)のめねじ122b1,123b1に対応する4か所に形成される。
【0037】
フレーム220は、外装部材210を補強すると共にプレート100を取り付ける際の台座を形成する部材であり、正面視(矢印B方向視)長方形の筒状に形成され、外装部材210の側壁212,213の内面に取り付けられる枠フレーム221と、その枠フレーム221の内面に取り付けられる複数(本実施形態では6個)の台座フレーム222とを備え、それぞれ金属材料から形成される。
【0038】
なお、本実施形態では、枠フレーム221がアルミ合金から、台座フレーム222が炭素鋼から、それぞれ形成される。但し、他の金属材料(例えば、枠フレーム221を炭素鋼やステンレス鋼、台座フレーム222をアルミ合金やステンレス鋼)から形成しても良い。
【0039】
台座フレーム222は、枠フレーム221の長辺(矢印U-D方向に沿う部位)の内面に取り付けられる基部222aと、基部222aから枠フレーム221の内側へ延びる台座部222bとを備え、フレーム220が外装部材210に取り付けられた状態では、台座部222bが外装部材210(本体部211)の正面に位置される。即ち、プレート100の側壁122,123(折返し部122b,123b)を載せるための面(台座)が台座部222bにより形成される。
【0040】
緩衝部材230は、樹脂材料から形成される部材であり、枠フレーム221の短辺の内面および長辺の内面のそれぞれに複数(本実施形態では各辺に2個、合計8個)が配設される。なお、本実施形態では、緩衝部材230がABS樹脂から形成される。但し、他の樹脂材料(例えば、ポリカーボネート(PC))やゴム材料から緩衝部材230を形成しても良い。
【0041】
緩衝部材230は、台座フレーム222の基部222aよりも枠フレーム221の内面から突出されており(図7参照)、これにより、後述するように、プレート100(側壁121~123)の外面が枠フレーム221又は台座フレーム222(基部222a)の内面に当たる(接する)ことで損傷することが抑制される。
【0042】
台座フレーム222及び緩衝部材230には、めねじ(図示せず)が形成されており、外装部材210(側壁212,213)の外面から挿通された締結ねじB4が、台座フレーム222又は緩衝部材230の各めねじに締結されることで(図1図6及び図7参照)、フレーム220及び緩衝部材230が外装部材210(側壁212,213)の内面に締結固定される。
【0043】
脚部材240は、外装部材210(側壁212,213)の外面(左側面および下側面のそれぞれ)に取り付けられ、支持部材250は、外装部材210(本体部211)の外面(背面)に取り付けられる。なお、支持部材250は、台座フレーム222の台座部222bと正面視(矢印F-B方向視)で重なる位置に取り付けられ、その台座フレーム222の台座部222bに締結ねじB5により締結固定される(図6参照)。
【0044】
次いで、図6及び図7を参照して、正面ケース300を取り外した状態のエフェクタケース1(即ち、ペダルボードとして使用可能に形成されるプレート100及び背面ケース200)について説明する。
【0045】
図6及び図7は、プレート100及び背面ケース200の断面図であり、図6は、図4のVI-VI線における断面図に、図7は、図4のVII-VII線における断面図に、それぞれ対応する。なお、図6及び図7では、エフェクタEが二点鎖線により模式的に図示される一方、エフェクタEに接続される配線の図示が省略される。また、図6及び図7では、エフェクタケース1が床FLに置かれた状態が図示される。図8においても同様である。
【0046】
図6及び図7に示すように、エフェクタケース1によれば、正面ケース300を取り外すことで、プレート100及び背面ケース200をペダルボードとして使用することができる。
【0047】
この場合、プレート100の背面側は、背面ケース200により覆われ、これらプレート100と背面ケース200との間に空間が形成される。これにより、配線を貫通孔112から本体部110の背面側へ通して収納空間に収納できる。その結果、被取付面111上が配線により乱雑な状態となることを抑制できる。よって、外観を向上できると共に、配線が演奏時の邪魔になることを抑制できる。
【0048】
また、プレート100と背面ケース200との間の空間は、背面ケース200の側壁212,213により周囲が取り囲まれるので、内部の配線が外部から視認されることを抑制できる。特に、プレート100にも4辺に側壁121~123がそれぞれ形成されているので、プレート100の被取付面111の外縁と背面ケース200の側壁212,213との間の隙間から配線が視認されることを抑制できる。よって、外観を向上できる。
【0049】
また、エフェクタE及び配線が取り付けられた状態のままであっても、背面ケース200によって配線を保護した状態で、プレート100及び背面ケース200を持ち運ぶことができる。よって、持ち運ぶ際に、配線に外力が作用することを抑制でき、これにより、配線(ジャック)に外力が作用して抜けることや、配線が無理に折り曲げられて断線することを抑制できる。即ち、背面ケース200を取り付けた状態のままペダルボードとして使用できるだけでなく、ペダルボードとして使用した後はそのペダルボードとして使用した状態のままで持ち運びを行うことができる。
【0050】
一方で、プレート100と背面ケース200との間の空間に配線が収納されていても、締結ねじB3を取り外すことで、プレート100から背面ケース200を取り外し、プレート100の背面側(プレート100と背面ケース200との間の空間)を開放することができる。これにより、例えば、エフェクタEへの配線の接続・解除作業や、演奏前の配線の確認作業など、配線に対する作業(プレート100と背面ケース200との間の空間における作業)を容易に行うことができる。
【0051】
背面ケース200(本体部211)は、プレート100(本体部110)よりも大きな外形とされ、この背面ケース200によりプレート100の背面側の全体を覆うので、プレート100から背面ケース200を取り外すことで、プレート100の背面側を最大に開放することができる。よって、プレート100と背面ケース200との間の空間における作業(配線に対する作業)を行うための作業スペースを大きく確保でき、作業性を向上できる。
【0052】
ここで、例えば、連結部材130が背面ケース200の外装部材210(本体部211)に締結固定されていると、プレート100から背面ケース200を取り外す際に、プレート100の背面側に取り廻されている配線が、背面ケース200に締結固定されている連結部材130に絡まって引っ張られる虞がある。これに対し、連結部材130は、プレート100の本体部110に締結固定されているので、プレート100から背面ケース200を取り外す際に、配線が連結部材130に絡まって引っ張られることを回避できる。
【0053】
背面ケース200の背面側(支持部材250)を床FLに置いた状態では、プレート100の被取付面111が側壁122側から側壁123側へ向けて上昇傾斜される。よって、この上昇傾斜の分、エフェクタEの操作部分を演奏者側へ向けることができるので、プレート100及び背面ケース200をペダルボードとして使用する場合の操作性を向上できる。
【0054】
この場合、プレート100の被取付面111は、背面ケース200の側壁(側壁212,213、枠フレーム221)よりも上方(床FLと反対側、矢印F方向側))に位置される。これにより、エフェクタEを操作する際に背面ケース200の側壁が邪魔となることを抑制できる。
【0055】
ここで、背面ケース200の側壁(側壁212,213、枠フレーム221)の高さ寸法H1(背面ケース200の背面側(支持部材250)を床FLに置いた状態での床FLからの矢印F-D方向の寸法、図6参照)は、本実施形態では略5cmとされる。これにより、被取付面111の演奏者に最も近い側の縁部(本実施形態では最も下方となる領域)に取り付けられたエフェクタEの操作を、踵を床FLに置いた状態を保持したまま足で行うことができるので、背面ケース200の強度とエフェクタEの操作性との両立を図ることができる。なお、高さ寸法H1は、エフェクタEの操作性の観点では、低いほど良いが、エフェクタEの操作性(踵を床FLに置いた状態での操作)と、背面ケース200の強度およびプレート100(本体部110)の背面側の空間(配線を収納する空間)の確保とを両立する観点からは、略4cmから略6cmの範囲に設定されることが好ましい。
【0056】
なお、プレート100の被取付面111は、演奏者に最も近い側の縁部(本実施形態では最も下方となる領域)における高さ寸法H2(背面ケース200の背面側(支持部材250)を床FLに置いた状態での床FLからの矢印F-D方向の寸法、図6参照)が、背面ケース200の側壁の高さ寸法H1よりも小さくされる(H2<H1)。これにより、プレート100の被取付面111の一部(側壁122側の一部)は、背面ケース200の側壁よりも下方(床FL側、矢印B方向側)に位置するが、被取付面111の演奏者に最も近い側の縁部にエフェクタEが取り付けられた場合でも、そのエフェクタEの操作部分が背面ケース200の側壁よりも上方に位置され、且つ、上記した踵を床FLに置いた状態での操作が可能となるように、被取付面111の高さ寸法H2が設定される。本実施形態では、高さ寸法H2が略4.5cmとされる。
【0057】
背面ケース200は、上述したように、直方体の正面側が開放された箱状に樹脂材料から形成される外装部材210と、金属材料からなるフレーム220とを備え、プレート100(側壁122,123)は、背面ケース200のフレーム220(台座フレーム222の台座部222b)に取り付けられる。これにより、エフェクタEの操作時(踏み込み時)の外力により外装部材210が破損することを抑制できる。
【0058】
特に、台座フレーム222の台座部222bの背面側(正面視(矢印F-B方向視)で重なる位置)には、上述したように、支持部材250が取り付けられ、外装部材210(本体部211)は、台座部222bと支持部材250との間に挟まれているので、エフェクタEの操作時(踏み込み時)の外力により外装部材210が曲げられて破損することを抑制しやすくできる。
【0059】
このように、背面ケース200は、樹脂材料からなる外装部材210により外形全体を形成し、プレート100の背面側を覆う役割と外観(質感)の向上とを可能としつつ、要部のみを金属材料からなるフレーム220により形成して、強度(耐久性)を確保する。これにより、樹脂材料または金属材料の一方のみで背面ケース200を形成する場合と比較して、製品コストの低減および軽量化と強度(耐久性)の確保との両立を図ることができる。
【0060】
背面ケース200は、金属材料からなり周方向に連続する筒状の枠フレーム221が外装部材210の側壁212,213の内面に取り付けられることで、樹脂材料からなる外装部材210の剛性が効果的に高められている。一方で、このように、金属材料からなる枠フレーム221が側壁212,213の内面に取り付けられていると、背面ケース200に対してプレート100を取り付け又は取り外す際に、プレート100(側壁121~123)の外面が枠フレーム221の内面に当たり(接して)、両者が損傷する虞がある。
【0061】
これに対し、枠フレーム221の内面には、上述したように、緩衝部材230が取り付けられているので、プレート100(側壁121~123)の外面が枠フレーム221又は台座フレーム222(基部222a)の内面に当たる(接する)ことを抑制して、損傷を抑制できる。
【0062】
ここで、プレート100の背面ケース200への取り付けは、例えば、プレート100の側壁122,123の立壁部122a,123aに締結ねじB3を締結する形態も考えられるが、この場合には、エフェクタEの操作時(踏み込み時)の外力によって締結ねじB3がせん断力を受けて破損しやすくなる。これに対し、プレート100の側壁122,123には、折返し部122b,123bが形成され、この折返し部122b,123bが背面ケース200(台座フレーム222の台座部222b)の正面側に締結ねじB3により締結固定される。これにより、締結ねじB3がせん断力を受けることを抑制して、その破損を抑制できる。
【0063】
プレート100(本体部110)の背面と背面ケース200(本体部211)の正面との対向間には、上述したように、連結部材130が取り付けられている。これにより、エフェクタEの操作時(踏み込み時)にプレート100(本体部110)が受ける外力を連結部材130により支え、プレート100の変形(特に、本体部110の撓み)を抑制できる。その結果、プレート100の破損を抑制できる。
【0064】
背面ケース200の本体部211には、第1突出部211a、第2突出部211b及び第3突出部211cが形成され、剛性が高くされる。これにより、連結部材130を介してエフェクタEの操作時(踏み込み時)の外力を支える場合に、本体部211が破損することを抑制できる。特に、本体部211の連結部材130(折返し部133)が接する部分には、上述したように、突出高さが高く(即ち、剛性が高く)された第1突出部211aが形成されているので、本体部211の破損を抑制しやすくできる。
【0065】
この場合、支持部材250の本体部211の背面からの突出高さ(矢印F-B方向の寸法)は、第1突出部211aの本体部211の背面からの突出高さよりも大きくされる。そのため、背面ケース200の背面側(支持部材250)を床FLに置いた状態では、床FLと第1突出部211aとの間に寸法h1だけ隙間(間隔)が形成される。
【0066】
これにより、エフェクタEが通常の力(所定値よりも小さい力)で操作(踏み込み)される場合には、床FLと第1突出部211aとの間に隙間が形成された状態で支える一方、エフェクタEが所定値を超える比較的大きな力で操作(踏み込み)される場合には、第1突出部211aを床FLに当て、床FLも利用して外力を支える態様を形成できる。即ち、第1突出部211aを補助的に機能させることができるので、外装部材210(第1突出部211a)の外面が汚れることや傷付くことを抑制できる。
【0067】
なお、第2突出部211bの本体部211の背面からの突出高さ(矢印F-B方向の寸法)は、第1突出部211aが床FLに当たっても、第2突出部211bが床FLに当たらない寸法に設定される。これにより、外装部材210(本体部211)の外面において、汚れたり傷付く領域を最小限に抑制できる。
【0068】
次いで、図8を参照して、背面ケース200に正面ケース300を取り付けた状態のエフェクタケース1(エフェクタEを収納した状態で持ち運び可能なケース)について説明する。
【0069】
図8(a)及び図8(b)は、エフェクタケース1の断面模式図であり、図8(a)は、図4のVIIIa-VIIIa線における断面図に、図8(b)7は、図4のVIIIb-VIIIb線における断面図に、それぞれ対応する。
【0070】
図8(a)及び図8(b)に示すように、エフェクタケース1によれば、正面ケース300を取り付けるだけで、ペダルボード(プレート100及び背面ケース200)を持ち運び可能な状態とできる。また、持ち運んだ先では、正面ケース300を取り外すだけで、プレート100及び背面ケース200をペダルボードとして使用可能な状態とできる(図6及び図7参照)。
【0071】
即ち、従来のペダルボードでは、ケースや袋に入れて持ち運ぶ必要があり、この場合には、ケースや袋を開ける作業、ペダルボードをケースや袋の中に収納する作業、ケースや袋を閉じる作業がそれぞれ必要となる。更に、持ち運んだ先では、ケースや袋を開ける作業、ペダルボードをケースや袋の中から取り出す作業がそれぞれ必要となる。これに対し、エフェクタケース1によれば、上記作業を行う必要がない。よって、使用者の手間を低減できる。
【0072】
また、正面ケース300を取り付けた状態では、プレート100の正面側(被取付面111)も正面ケース300により覆われ、エフェクタEや配線が露出されない。即ち、被取付面111に取り付けられるエフェクタEや配線を正面ケース300で保護できる。よって、持ち運ぶ際に、エフェクタEの脱落や位置ずれ、操作子(設定つまみ)の設定値の変化、配線(ジャック)の抜け、配線の断線などが発生することを抑制できる。
【0073】
図8(a)に示すように、エフェクタケース1には、伸縮ハンドル330、上ハンドル340及び車輪360を備えるので、伸縮ハンドル330又は上ハンドル340を持って引っ張ることで、車輪360を回転させ、容易に持ち運ぶことができる。また、図8(b)に示すように、右側面(矢印R方向側の面)には、横ハンドル350が取り付けられるので、横ハンドル350によりエフェクタケース1を持ち上げて運ぶこともできる。
【0074】
この場合、これら伸縮ハンドル330、上ハンドル340、横ハンドル350及び車輪360は、正面ケース300に取り付けられているので、これらを正面ケース300と共に背面ケース200から取り外すことができる。よって、プレート100及び背面ケース200をペダルボードとして使用する際に、各ハンドル330~350や車輪360が演奏の邪魔になることや外観を悪化させることを回避できる。
【0075】
図8(a)に示すように、車輪360は、正面ケース300の正面(矢印F方向の面)及び下側面(矢印D方向の面)の稜線部分に取り付けられているので、車輪360を床FLで回転させる際には、脚部材240が床FLから持ち上げられ、プレート100の被取付面111が下側(矢印D方向側)を向く傾斜姿勢とできる。
【0076】
これにより、エフェクタEが面ファスナを使用して被取付面111に取り付けられている場合には、エフェクタEを被取付面111に対してぶら下がり姿勢(エフェクタEと被取付面111との間に隙間が形成される状態)とできる。その結果、エフェクタEと被取付面111との間の接触を抑制して、持ち運び時に異音が発生することや、エフェクタEや被取付面111に傷が付くことを抑制できる。
【0077】
なお、面ファスナは、エフェクタE又は被取付面111の一方に貼付された基材にフック状の係合部(雄部)が、エフェクタE又は被取付面111の他方に貼付された基材にループ状の被係合部(雌部)が、それぞれ形成され、係合部と被係合部とが係合可能とされる。
【0078】
エフェクタケース1は、車輪360が下側面(ケース体310(図1及び図2参照)の下側面)から突出する高さ寸法が、脚部材240が下側面(外装部材210(図4及び図5参照)の下側面)から突出する高さ寸法よりも小さくされる。即ち、床FLが矢印F-B及び矢印L-Rに平行な面とされる場合には、車輪360と床FLとの間に寸法h2だけ隙間(間隔)が形成される。
【0079】
ここで、エフェクタケース1は、プレート100の被取付面111が、正面ケース300の正面(車輪360)側よりも背面ケース200の背面(脚部材240)側に偏って位置される。そのため、プレート100(被取付面111)にエフェクタEが取り付けられると、そのエフェクタEの重さの分、エフェクタケース1全体の重心が背面ケース200側に偏心しやすくなる。
【0080】
これに対し、エフェクタケース1によれば、脚部材240及び車輪360が床FLに置かれた状態では、上述した寸法h2の分、正面ケース300の正面が下側(矢印D方向側)に向けられると共に、背面ケース200の背面が上側(矢印U方向側)に向けられる傾斜した姿勢とされる。これにより、重心の偏心を相殺して、エフェクタケース1の自立姿勢を安定させることができる。
【0081】
図8(b)に示すように、横ハンドル350は、正面ケース300(ケース体310(図1及び図2参照))の右側面において、背面側(背面ケース200側、矢印B方向側)の縁部に取り付けられる。よって、プレート100の被取付面111の上側、即ち、エフェクタケース1全体の重心に近い位置(又は、重心の真上)に横ハンドル350を位置させられるので、横ハンドル350によりエフェクタケース1を持ち上げて運ぶ際に、エフェクタケース1が傾斜されることを抑制できる。
【0082】
なお、図8(b)の状態においても、エフェクタEの重さの分、エフェクタケース1全体の重心が背面ケース200側に偏心しやすくなる。よって、脚部材370がエフェクタケース1の左側面(矢印L方向側の面、ケース体310(図1及び図2参照)の左側面)から突出する高さ寸法を、脚部材240がエフェクタケース1の左側面(矢印L方向側の面、外装部材210(図4及び図5参照)の左側面)から突出する高さ寸法よりも小さくしても良い。これにより、上述した場合(図8(a)参照)と同様に、エフェクタケース1の自立傾斜を傾斜させて安定させることができる。
【0083】
以上、上記実施形態に基づき説明をしたが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0084】
上記実施形態では、プレート100と背面ケース200との間の空間における作業(配線に対する作業)を行う際に、プレート100を背面ケース200から取り外す構成を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。プレート100を背面ケース200に取り付けた状態のままで、プレート100と背面ケース200との間の空間における作業(配線に対する作業)を行えるように構成しても良い。この構成の一例を変形例として図9及び図10を参照して説明する。なお、上記実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0085】
図9(a)及び図9(b)は、第1の変形例におけるエフェクタケース2001の断面図であり、図4のVII-VII線における断面図に対応する。また、図9では、正面ケース300が取り外された状態が図示される。図10も同様である。
【0086】
図9(a)及び図9(b)に示すように、エフェクタケース2001は、プレート100を背面ケース200に回転可能に軸支する一対の回転軸S1を備える。回転軸S1は、その軸方向がプレート100及び背面ケース200の上下方向(矢印U-D方向)に沿い、プレート100の一対の側壁121(立壁部121a)における側壁122(立壁部122a)側かつ本体部110側となる部位のそれぞれを背面ケース200の枠フレーム221に回転可能に軸支する。
【0087】
よって、締結ねじB3を取り外すことで、プレート100を背面ケース200に対して回転軸S1を回転中心として回転させることができる。即ち、背面ケース200の背面側(支持部材250)が床FLに置かれた状態で、プレート100を起立させ(図10(b)参照)、プレート100の背面側(被取付面111の反対側)を開放させることができる。その結果、プレート100と背面ケース200との間の空間における作業(配線に対する作業)を容易に行うことができる。
【0088】
なお、エフェクタケース2001において、プレート100を背面ケース200に締結固定する複数(4個)の締結ねじB3の内、回転軸S1に近い側(矢印R方向側)の複数(2個)の締結ねじB3を省略しても良い。この場合には、回転軸S1による軸支の分、背面ケース200に対するプレート100の取り付け強度を確保できる一方、締結ねじB3の数が少なくなる分、プレート100の背面側を開放させる作業の作業性を向上できる。
【0089】
図10(a)及び図10(b)は、第2の変形例におけるエフェクタケース3001の断面図であり、図4のVI-VI線における断面図に対応する。
【0090】
図10(a)及び図10(b)に示すように、エフェクタケース3001は、外装部材210の本体部211の一部(以下「分離部3211」と称す)が分離可能に形成される。複数(6個)の台座フレーム222(台座部222b)のそれぞれには、めねじ3222b1が形成されると共に、分離部3211は、背面視(矢印F方向視)において台座部222bのめねじ3222b1と重なる外形を有する略長方形状に形成され、分離部3211の外縁側が台座部222bのめねじ3222b1に締結ねじB6により締結固定される。
【0091】
よって、締結ねじB6を取り外すことで、分離部3211を取り外して、プレート100の背面側(被取付面111の反対側の面)の内、分離部3211により覆われていた領域を開放させることができる(図10(b)参照)。その結果、プレート100と背面ケース200との間の空間における作業(配線に対する作業)を容易に行うことができる。
【0092】
特に、エフェクタケース3001によれば、背面ケース200に正面ケース300が取り付けられた状態であっても、プレート100と背面ケース200との間の空間における作業(配線に対する作業)を行うことができる。
【0093】
なお、エフェクタケース3001において、分離部3211の一辺を台座フレーム222の台座部222bにヒンジ(蝶番)を介して連結し、ヒンジの軸を回転軸として分離部3211が開閉される構成としても良い。
【0094】
上記実施形態では、エフェクタ(効果装置)が取り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。エフェクタに加え、他の装置を取り付ける構成としても良い。
【0095】
上記実施形態では、その詳細な説明を省略したが、正面ケース300のケース体310は、深さ寸法(矢印F-B方向の寸法)が異なる(大きくされる)点を除き、背面ケース200と実質的に同一の構成とされる。即ち、正面ケース300のケース体310は、直方体の背面側が開放された箱状に樹脂材料から形成される外装部材(背面ケース200の外装部材210に対応)と、その外装部材の内面に取り付けられ金属材料から形成されるフレーム(背面ケース200の枠フレーム221に対応)とを備える。
【0096】
上記実施形態では、正面ケース300を背面ケース200に取り付ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。正面ケース300をプレート100に取り付ける構成としても良い。
【0097】
上記実施形態では、背面視(矢印F方向視)において、第1突出部211aと連結部材130(第1突出部211a)とが重なる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。背面視(矢印F方向視)において、第1突出部211aと連結部材130(第1突出部211a)とが重ならない構成としても良い。
【0098】
上記実施形態では、第1突出部211a、第2突出部211b及び第3突出部211cが外装部材210(本体部211)に一体に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1突出部211a、第2突出部211b及び第3突出部211cの少なくとも一部を別部材から形成し、本体部211に締結ねじにより締結固定する構成としても良い。特に、第1突出部211aは、床FLに当たることに伴い損傷や汚れが発生する。そのため、第1突出部211aについては、別部材として、取り替えが可能となることが特に有効となる。
【0099】
上記実施形態において、締結ねじB1,B2,B4,5に代えて、リベットを採用しても良い。
【0100】
上記実施形態において、車輪360と床FLとの間に寸法h2だけ隙間(間隔)が形成される場合を説明したが(図8(a)参照)、必ずしもこれに限られるものではない。車輪360と床FLとの間に隙間(間隔)が形成されないように、脚部材240及び車輪360の大きさを設定しても良い。
【0101】
上記実施形態では、プレート100の被取付面111の一部(側壁122側の一部)が背面ケース200の側壁よりも下方(床FL側、矢印B方向側)に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。プレート100の被取付面111の全部が背面ケース200の側壁よりも上方に位置するものであっても良い。
【0102】
即ち、プレート100の被取付面111の演奏者に最も近い側の縁部における高さ寸法H2を、背面ケース200の側壁(側壁212,213、枠フレーム221)の高さ寸法H1よりも大きくしても良い(H1<H2、図6参照)。この場合、高さ寸法H2は、略5cmに設定されることが好ましい。上記した踵を置いた状態でのエフェクタEの操作を可能とできるからである。なお、高さ寸法H2は、エフェクタEの操作性の観点では、低いほど良いが、エフェクタEの操作性(踵を床FLに置いた状態での操作)と、プレート100(本体部110)の背面側の空間(配線を収納する空間)の確保とを両立する観点からは、略4cmから略6cmの範囲に設定されることが好ましい。
【0103】
上記実施形態では、背面ケース200の背面側(支持部材250)を床FLに置いた状態で、プレート100の被取付面111が側壁122側から側壁123側へ向けて上昇傾斜される場合を説明したが、必ずしもこれに限られない。プレート100の被取付面111が床FLと平行とされる構成でも良い。
【0104】
上記実施形態では、脚部材240,370及び車輪360を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。脚部材240,370及び車輪360を省略しても良い。
【0105】
また、車輪360を省略し、脚部材240と正面ケース300(ケース体310)の下側面)とが床FLに接するようにしても良い。この場合には、上記実施形態の場合と同様に(図8(a)参照)、エフェクタケース1の自立姿勢を安定させることができる。
【0106】
また、車輪360に代えて、脚部材370を正面ケース300(ケース体310)の下側面(矢印D方向側の面)に取り付けても良い。この場合には、脚部材370が正面ケース300の下側面から突出する高さ寸法を、脚部材240が背面ケース200の下側面から突出する高さ寸法よりも小さくすることが好ましい。これにより、上記実施形態の場合と同様に(図8(a)参照)、エフェクタケース1の自立姿勢を安定させることができる。
【0107】
上記実施形態では、枠フレーム221の内面に緩衝部材230を取り付ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。プレート100の側壁121~123の外面に緩衝部材230を取り付ける構成でも良い。この構成でも、プレート100(側壁121~123)の外面が枠フレーム221又は台座フレーム222(基部222a)の内面に接触して損傷することを抑制できる。
【符号の説明】
【0108】
1,2001,3001 エフェクタケース(効果装置取り付けプレート)
100 プレート(被取付部材)
110 本体部(被取付本体部)
111 被取付面
112 貫通孔
121,122,123 側壁(被取付側壁)
122b1,123b1 めねじ(第1の手段、被取付部材から背面側部材を取り外し可能とする構成)
130 連結部材
200 背面ケース(背面側部材)
210 外装部材
211 本体部(外装本体部)
3211 分離部(第1の手段)
211a 第1突出部(突出部)
212,213 側壁(外装側壁)
220 フレーム
221 枠フレーム
3222b1 めねじ(第1の手段)
230 緩衝部材
240 脚部材
250 支持部材
300 正面ケース(カバー部材)
340 上ハンドル(第1のハンドル)
360 車輪
B3 締結ねじ(第1の手段、第1の手段、被取付部材から背面側部材を取り外し可能とする構成)
B6 締結ねじ(第1の手段)
S1 回転軸(第1の手段)
E エフェクタ(効果装置)
FL 床
図1
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