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  • 特開-建具 図1
  • 特開-建具 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101401
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/52 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
E06B9/52 A
E06B9/52 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215931
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】金森 英晃
(72)【発明者】
【氏名】西田 健
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 夏依
(57)【要約】      (修正有)
【課題】強度や防火性能を劣化させることなく、機能建具を備えた建具を提供する。
【解決手段】建物開口部に固定される窓枠1と、窓枠1の内周に配置される障子2、3と、障子2、3の室内側に配置される機能建具6と、補助柱7を備え、補助柱7は、窓枠1に配置される障子2、3の閉鎖時に開口部の幅方向の中間に位置する竪骨23又は方立の室内側に位置し、建物開口部の上下の見込面に固定されており、建物開口部の竪見込面aと補助柱7の見込面7aの間に機能建具6が配置され、補助柱7と竪骨23又は方立との間が気密されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に固定される窓枠と、窓枠の内周に配置される障子と、障子の室内側に配置される機能建具と、補助柱を備え、
補助柱は、窓枠に配置される障子の閉鎖時に開口部の幅方向の中間に位置する竪骨又は方立の室内側に位置し、建物開口部の上下の見込面に固定されており、
建物開口部の竪見込面と補助柱の見込面の間に機能建具が配置され、
補助柱と竪骨又は方立との間が気密されている建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に配置され、網戸等の機能建具を有する建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、片引き窓の開口部に網戸等の機能建具を取り付けた建具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-19624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたサッシにおいては、片引き窓に機能建具を取り付けるに際して、片引き窓自体にビス止め等の加工を施す必要があり、片引き窓自体の強度や防火性能を劣化させる可能性があった。
【0005】
本発明は、強度や防火性能を劣化させることなく、機能建具を備えた建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の建具は、建物開口部に固定される窓枠と、窓枠の内周に配置される障子と、障子の室内側に配置される機能建具と、補助柱を備え、補助柱は、窓枠に配置される障子の閉鎖時に開口部の幅方向の中間に位置する竪骨又は方立の室内側に位置し、建物開口部の上下の見込面に固定されており、建物開口部の竪見込面と補助柱の見込面の間に機能建具が配置され、補助柱と竪骨又は方立との間が気密されている建具である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態の建具によれば、強度や防火性能を劣化させることなく、機能建具を備えた建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る建具の内観図である。
図2】一実施形態に係る建具の竪断面図である。
図3】一実施形態に係る建具の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態の建具について、建物開口部の内周に取付けられる枠体1に対して、室内側の障子2を固定し、室外側の障子3を摺動自在に配置してなる外動片引き窓の例を用いて、図面を参考にして説明する。
【0010】
本実施形態の建具は、図1に示すように、アルミ合金等の金属材料により形成される上枠11、下枠12及び左、右竪枠13,14を四周に組んでなる枠体1と、アルミ合金等の金属材料により形成される上框21、下框22及び左、右竪框23,24を四周に組んで内周にパネル体を嵌め込んでなり内観で枠体1の右側に固定される内障子2と、アルミ合金等の金属材料により形成される上框31、下框32及び左、右竪框33,34を四周に組んで内周にパネル体を嵌め込んでなり枠体1の内周に摺動自在に配置される外障子3を備えている。
【0011】
-枠体-
枠体1を構成する上枠11は、図2に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁11aと、見込壁11aの室内側端に連続し見付け方向に延びる室内側壁11bと、見込壁11aの室外側端に連続し見付け方向に延びる室外側壁11cと、見込壁11aの内周面の見込み方向中央付近から下方に延びる中央壁11dと、見込壁11aの内周面で中央壁11dと室外側壁11cの間の位置から下方に延びる外上レール11eを有している。
【0012】
上枠11は、室内側壁11b及び中央壁11dの下方の室外側面にそれぞれ気密材が配置されており、内障子2の上框21の室内側面及び外障子3の上框31の室内側面に当接または近接して、それぞれ気密ラインを形成している。
【0013】
枠体1を構成する下枠12は、図2に示すように、建物開口部の内周面に配置される底壁12aと、底壁12aの室内側に立設される中空形状の室内側立設部12bと、室内側立設部12bの室内側端から上方に延びる室内側壁12cと、底壁12aの室外側端から上方に延びる室外側壁12dと、室内側立設部12bの室外側内周面から上方に延びる内下レール12eと、室内側立設部12bの室外側から室外方向に延びる気密材保持片12fと、底壁12aの室外側内周面から上方に延びる外下レール12gを有している。
【0014】
下枠12は、室内側壁12cの上方の室外側面及び気密材保持片12fの室外側端にそれぞれ気密材が配置されており、内障子2の下框22の室内側面に当接または近接して、それぞれ気密ラインを形成している。
【0015】
枠体1を構成する左竪枠13は、図3に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁13aと、見込壁13aの室内側端に連続して見付け方向に延びる室内側壁13bと、見込壁13aの室外側端に連続して見付け方向に延びる室外側壁13cと、見込壁13aの内周面の見込み方向中央付近から内周方向に延びる中央壁13dと、見込壁13aの内周面の中央壁13dと室外側壁13cの間の位置から内周方向に延びる引寄片13eを有している。
【0016】
左竪枠13は、中央壁13dの室外側面に気密材s13が配置されており、外障子3の閉鎖時に気密材s13が左竪框33の室内側面に当接して気密ラインを形成している。
【0017】
枠体1を構成する右竪枠14は、図3に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁14aと、見込壁14aの室内側端に連続して見付け方向に延びる室内側壁14bと、見込壁14aの室外側端に連続して見付け方向に延びる室外側壁14cと、見込壁14aの内周面の見込み方向中央付近から内周方向に延びる中央壁14dと、見込壁14aの内周面の室内側壁14bと中央壁14dの間の位置から内周方向に延びる引寄片14eを有している。
【0018】
右竪枠14は、室内側壁14bの室外側面に気密材s14が配置されており、気密材s14が内障子2の右竪框24の室内側面に当接して気密ラインを形成している。
【0019】
-内障子-
内障子2を構成する上框21は、図2に示すように、中空部を有し上枠11の見込壁11aと対向する上框本体部21aと、上框本体部21aの室内側から下方に伸びる見付壁部21bと、見付壁部21bの下端から室内側に延びる見込壁部21cと、見込壁部21cの室内側端から下方に延びる室内側壁21dと、上框本体部21aの内周面(下面)に取付けられる押縁21eを有している。
上框21は、室内側壁21dと押縁21eの間にガラス間口21gが形成されている。
【0020】
内障子2を構成する下框22は、図2に示すように、中空部を有する下框本体部22aと、下框本体部22aの室内側から上方に伸びる室内側壁22bと、下框本体部22aの室外側から上方に伸びる室外側壁22cと、下框本体部22aの室内側下面から下方に延びる載置片22dと、下框本体部22aの室内寄りの下面で載置片22dよりも室外側の位置から下方に延びる仕切片22eと、下框本体部22aの見込み方向で中央付近の下面から下方に延びる取付片22fを有している。
下框22は、室内側壁22bと室外側壁22cの間にガラス間口22gが形成されている。
【0021】
内障子2を構成する左竪框(召合框)23は、図3に示すように、内下レール12eの上方に位置する断面略矩形の室外側中空部231aと、室外側中空部231aの室内側に連設される断面略L字型の室内側中空部231bを有する左竪框本体部23aと、左竪框本体部23aの室内側から内周方向に延びる室内側壁23bと、左竪框本体部231の内周面に取付けられる押縁23cを有している。
【0022】
左竪框23は、室内側壁23bと押縁23cの間にガラス間口23gが形成されている。
左竪框23は、室外側面に煙返し片及び気密材s23が配置されており、気密材s23が外障子3の右竪框34の室内側面に当接して気密ラインを形成している。
【0023】
内障子2を構成する右竪框24は、図3に示すように、見込壁24aと、見込壁24aの室内側から内周方向に延びる室内側壁24bと、見込壁24aの内周面に取付けられる押縁24cと、見込壁24aの外周側に連続する戸先溝部24dを有している。
右竪框24は、室内側壁24bと押縁24cの間にガラス間口24gが形成されている。
【0024】
そして、内障子2は、上框21が上枠11の室内側壁11bと中央壁11dとの間に配置され、載置片22dが下枠12の室内側壁12cの気密材保持部12hの上面に載置され、下框22の取付片22fが下枠12の内下レール12eに固定されることで、枠体1に対して固定されている。
【0025】
-外障子-
外障子3を構成する上框31は、図2に示すように、中空部を有する上框本体部31aと、上框本体部31aの室内側端から下方に延びる室内側壁31bと、上框本体部31aの室外側面から室外側に延びる見込壁部31cと、見込壁部31cの室外側端から下方に延びる室外側壁31dと、上框本体部31aの外周側(上方)に形成されるレール受溝31eを有している。
上框31は、室内側壁31bと室外側壁31dの間にガラス間口31gが形成されている。
【0026】
外障子3を構成する下框32は、図2に示すように、中空部を有する下框本体部32aと、下框本体部32aの室内側から上方に伸びる室内側壁32bと、下框本体部32aの室外側から上方に伸びる室外側壁32cと、下框本体部32aの下方に連続するレール案内部32dを有している。
【0027】
下框32は、室内側壁32bと室外側壁32cの間にガラス間口32gが形成されており、下框本体部32aからレール案内部32dにかけて戸車93が配置されている。
【0028】
外障子3を構成する左竪框(戸先框)33は、図3に示すように、室内外面に手掛け用の凹部が形成された中空部を有する左竪框本体部33aと、左竪框本体部33aの室内側から内周方向に延びる室内側壁33bと、左竪框本体部33aの室外側から室外方向に延びる見込壁部33cと、見込壁部33cの室外側端から内周方向に延びる室外側壁33dと、左竪框本体部33aの外周に連続する戸先溝部33eを有している。
左竪框33は、室内側壁33bと室外側壁33dの間にガラス間口33gが形成されている。
【0029】
外障子3を構成する右竪框(召合框)34は、図3に示すように、中空部を有する右竪框本体部34aと、右竪框本体部34aの室内側から内周方向に延びる室内側壁34bと、右竪框本体部34aの室外側内周端から室外側に延びる見込壁部34cと、見込壁部34cの室外側端から内周方向に延びる室外側壁34dを有している。
右竪框34は、室内側壁34bと室外側壁34dの間にガラス間口34gが形成されている。
【0030】
-機能建具の取付け―
本実施形態の建具は、内観で窓枠1の右側に内障子2が固定されており、内障子2の室外側に外障子3を摺動自在に配置することで、建物開口部の左側を開閉自在とし、換気を行うことができる。
そして、本実施形態の建具は、建物開口部の左側の室内側にアコーデオン網戸等の機能建具が取付けられている。
【0031】
具体的には、本実施形態の建具は、建物開口部の見付け幅方向の中間に位置する内障子2の左竪框(召合框)23の室内側に、左竪框23と同程度の見付け幅を有する補助柱7が固定されており、建物開口部の左側の竪見込面aと補助柱7の見込面7aとの間にアコーデオン網戸6(機能建具)が取り付けられている。
【0032】
補助柱7は、アルミ製で断面略矩形の中空長尺部材であり、補助柱7の上端が建物開口部の上方の見込面に上受け金具72を介して固定されるとともに、補助柱7の下端が建物開口部の下方の見込面に下受け金具73を介して固定されており、内障子2の左竪框(竪骨)23の室内側において、建物開口部の上下見込面間に固定されている。
【0033】
補助柱7を建物開口部の上下見込面間に固定する際しては、補助柱7の室外側面の上方部分および下方部分に上受け金具72及び下受け金具73が通過可能な切欠きを形成しておき、上受け金具72及び下受け金具73が固定された建物開口部の上下見込面間に室内側からスライドさせて上受け金具72及び下受け金具73を切欠きを通して補助柱7の内部に配置したのち、補助柱7の左右の見込面と上受け金具72及び下受け金具73の見込片をビス等の固定手段によって固定すればよい。
なお、補助柱7の室外側面の上方部分だけに切欠きを形成し、補助柱7の下方部分を下受け金具73にかぶせながら補助柱7の上方を室外側に傾動させて上受け金具72を補助柱7の切欠きを通して補助柱7の内部に配置したのち、補助柱7の左右の見込面と上受け金具72及び下受け金具73の見込片をビス等の固定手段によって固定してもよく、補助柱7の固定方法は限定されない。
【0034】
建物開口部の上下見込面間に固定された補助柱7と枠体1に固定された内障子2の左竪框23は、間に緩衝材8を挟んだ状態で隣接しており、緩衝材8によって補助柱7と左竪框23の間は気密され、虫等が侵入することを防止している。
【0035】
機能建具は、左右の竪枠63,64と、左右の竪枠63,64間に配置される網戸本体(機能部材)65を有しており、左の竪枠63が建物開口部の竪見込面aにビス等の固定手段によって固定されると共に、右の竪枠64が補助柱7の見込面7aに固定されることで建物開口部の左側の室内側に取付けられ、網戸本体65を伸縮することで網戸を収納もしくは張設することができる。
【0036】
補助柱7の室外側面7bには、アルミ合金等の金属材料からなり、見付部71a及び左右の見込部71b,71cを有する断面略U字状の振れ止め部材71が固定されており、振れ止め部材71の左右の見込部71b,71cによって内障子2の左竪框23を緩衝材82,83を介して挟み込んでいる。
【0037】
-本実施形態の建具の効果-
建物開口部に配置された建具の室内側で、建物開口部の上下内周面に直接補助柱を固定して、補助柱と建物開口部の内周面との間にアコーデオン網戸の竪枠を取り付けているので、建具に対して穴あけ等の加工をすることなく機能建具を取り付けることができ、穴あけ加工などによる強度の低下や防火性能の低下を防止することができる。
【0038】
そして、建物開口部の上下内周面に直接固定された補助柱7に振れ止め部材71を取り付けて建具の(左)竪框23を挟み込むことで、補助柱7と左竪框23を連携させることができるので、左竪框23と補助柱7とのずれを防止し、特に、枠体1に内障子2を固定して形成した外動片引き窓においては、内障子2を枠体1の固定部のがたつきやネジのゆるみを補助柱7によって抑制することができ、内障子2の固定を安定させることができる。
【0039】
なお、本実施形態の建具においては、機能建具の一例として、左右の竪枠63,64の間に伸縮開閉自在な網戸(機能部材)を配置してなるアコーデオン網戸を例示しているが、機能建具は、手すり等アコーデオン網戸に限定されるものではない。
【0040】
また、本発明が適用される建具は、外動片引き窓に限定されず、例えば、開口部の半分に開き窓が配置された建具や方立を挟んで左右に開口部を有する連窓でもよく、窓の種類は限定されない。そして、補助柱の室外側に配置される竪材についても、内障子の竪框に限定されるものではなく、その他の竪骨や方立等でもよい。
その他、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0041】
7 :補助柱
7a :見込面
7b :室外側面
8 :緩衝材
23 :右竪框(竪骨)
6 :アコーデオン網戸(機能建具)
63 :左右竪枠
63 :竪枠
64 :竪枠
65 :網戸本体(機能部材)
71 :振れ止め部材
72 :上受け金具
73 :下受け金具
82 :緩衝材
83 :緩衝材
a :建物開口部の竪見込面

図1
図2
図3