(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101406
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215937
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】長堀 宗永
(72)【発明者】
【氏名】若林 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】白井 剛
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142DA08
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA16
3E142GA20
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】
表示システムにおいて、表示端末の消費電力を抑え、効果的に利用する。
【解決手段】
商品情報を電子的に表示する複数の表示端末と、前記表示端末の表示を管理する管理装置を備えた表示システムであって、前記表示端末は、商品情報を表示する表示部と、前記表示部の表示が更新されたことを報知する報知部を有し、前記管理装置は、前記表示端末に対して前記表示部に表示するべき商品情報及び前記商品情報に基づいて前記表示部の表示の変更を指示する表示変更指示信号を送信するとともに、前記報知部による前記報知を指示する報知指示信号を同一の通信にて送信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報を電子的に表示する複数の表示端末と、前記表示端末の表示を管理する管理装置を備えた表示システムであって、
前記表示端末は、商品情報を表示する表示部と、前記表示部の表示が変更されたことを報知する報知部を有し、
前記管理装置は、前記表示端末に対して前記表示部に表示するべき商品情報及び前記商品情報に基づいて前記表示部の表示の変更を指示する表示変更指示信号を送信するとともに、前記報知部による前記報知を指示する報知指示信号を同一の通信にて送信する表示システム。
【請求項2】
前記表示端末は、前記表示情報及び前記表示変更指示信号を受信することで前記表示部の表示を変更した後、所定時間後に前記報知部による報知を行う請求項1に記載された表示システム。
【請求項3】
前記報知部は、LEDライトであり、報知はLEDライトの発光によって行われる請求項1または請求項2に記載された表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示端末と管理装置を備えた表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗において、商品価格等の商品情報を表示する電子棚札等の表示端末を利用した表示システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子棚札等の表示端末は、管理装置からのデータ送信によって表示内容の変更ができるが、表示内容の変更のために複数回の通信が必要となることがあるために、電子棚札の電力が消費され、電子棚札の電池の寿命を縮めることがあった。
【0005】
一実施形態は、電子棚札等の表示端末を利用した表示システムにおいて、表示端末をより効果的に利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、商品情報を電子的に表示する複数の表示端末と、前記表示端末の表示を管理する管理装置を備えた表示システムであって、前記表示端末は、商品情報を表示する表示部と、前記表示部の表示が変更されたことを報知する報知部を有し、前記管理装置は、前記表示端末に対して前記表示部に表示するべき商品情報及び前記商品情報に基づいて前記表示部の表示の変更を指示する表示変更指示信号を送信するとともに、前記報知部による前記報知を指示する報知指示信号を同一の通信にて送信する表示システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態の電子棚札(表示端末)の図であり、(a)は電子棚札を店舗の陳列棚に配置した状態を示す図の一例であり、(b)は電子棚札の正面図の一例である。
【
図2】一実施形態の表示システムの全体構成図の一例である。
【
図3】(a)は一実施形態の表示システムの管理装置の構成図の一例であり、(a)は一実施形態の表示システムの電子棚札の構成図の一例である。
【
図4】一実施形態の表示システムで使用されるデータの一例である。
【
図5】一実施形態の表示システムで実行される処理のフローの一例である。
【
図6】一実施形態の表示システムで実行される処理のフローの一例である。
【
図7】一実施形態の表示システムで実行される処理のフローの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
-表示システムの構成-
表示システムの一実施形態について、電子棚札を用いた電子棚札システムを用いて、図面を参考に説明する。
電子棚札3は、
図1(a)に示すように、スーパーマーケット等の店舗において、陳列された商品の近くに配置されて販売価格等の商品情報を電子的に表示する表示端末であり、表示する情報量や配置スペースに応じてサイズや表示能力等性能の異なる複数種類の電子棚札が適宜配置される。
【0009】
本実施形態の電子棚札システムは、
図2に示すように、管理装置1と、無線送受信装置(トランシーバー)2と、複数の電子棚札3と、携帯端末4を有していており、各装置がネットワーク5を介して接続し、各装置間でデータ通信を行うように構成されている。なお、ネットワーク5は有線、無線の何れであっても良い。
無線送受信装置2は、複数台設置しても良く、また、複数台の携帯端末4が接続されてもよい。さらに、電子棚札システムは、ネットワーク5に店舗のストアコントローラ等が接続されていてもよく、インターネット等を介して本部に設置された上位装置に接続されていてもよい。
【0010】
本実施形態の管理装置1は、電子棚札システム全体を制御するコンピュータであって、電子棚札の表示を管理する。
例えば、管理装置1は、各装置等との間のデータ通信や、電子棚札3、携帯端末4等で用いられる各種データの管理等を行う。
管理装置1は、送受信装置(トランシーバー)2を介して各種データを電子棚札3に送信し、電子棚札3からの情報を受信する。
【0011】
図3(a)は、本実施形態の管理装置1の構成の一例である。
管理装置1は、制御部101と、表示部102と、操作部103と、通信部104と、記憶部105とを有している。
制御部101は、管理装置1の処理動作全体を制御する。表示部102は、各種データを表示する液晶表示器等の表示装置を有する。操作部103は、キーボードやマウス等の入力装置を有する。通信部104は、無線送受信装置2を介して電子棚札3等と通信を行う。記憶部105は、制御部101で動作するためのプログラム等を記憶したり、プログラムの記憶及びソフトウエアが動作するために必要なワーク記憶エリアとして使用されたりする。また、記憶部105は、電子棚札3等で用いられるデータを記憶する。
【0012】
本実施形態の無線送受信装置2は、店内に配置された管理装置1、電子棚札3及び携帯端末4等とデータ通信を行う。すなわち、管理装置1が送信した情報を受信して電子棚札3等に送信したり、電子棚札3等から送信された情報を受信して管理装置1に送信したりする。
【0013】
本実施形態の電子棚札3は、
図1(b)に示すように、電子棚札本体300の表面に配置された液晶パネル等の表示部302と、LEDライト(以下、「LED」という。)等の報知部303を有しており、電子棚札本体300の一部に電子棚札の棚札識別情報がバーコード310として表示されている。なお、電子棚札3の棚札識別情報は、電子棚札本体300の表面にバーコード310が印刷されたシールを貼付することによって表示されていてもよいが、表示部302にバーコード310として表示してもよい。また、電子棚札3は、電子棚札3に対して何らの指示を行う操作ボタンを有していてもよい。
【0014】
図3(b)は、本実施形態の電子棚札3の構成の一例である。
電子棚札3は、制御部301と、表示部302と、報知部303と、通信部304と、記憶部305と、電源部306と、計時部307等を有している。
【0015】
制御部301は、電子棚札3の処理動作全体を制御する。表示部302は、商品情報等を表示する。報知部303は、例えばLEDを有し、利用者に表示部302に表示される表示内容が変更されたことなどを報知する。通信部304は、無線送受信装置2を介して管理装置1との通信を行う。記憶部305は、管理装置1から送信された棚札情報等を記憶する。電源部306は、各部に電源を供給する。計時部307は、現在時刻、経過時間を計時する。
【0016】
本実施形態の携帯端末4は、例えば、顧客が自ら所有し、店舗において購入する商品の登録処理を行うことのできるアプリが導入されたスマホや、店舗に配置された専用の携帯登録装置である。その他、店員が携帯し、商品の在庫管理等に使用する専用の端末でもよい。
【0017】
-電子棚札システムで用いられるデータ-
本実施形態の電子棚札システムでは、例えば、商品情報、棚札情報、店員情報等のデータが使用され、それらのデータが商品マスタ、棚札マスタ、店員マスタ、報知形態テーブル等のファイルとして記憶されている。
【0018】
商品情報は、各商品に対してユニークに割り当てられた商品識別情報に対して、商品名、販売価格等の情報が関連付けられた情報であり、
図4(a)に示すように、商品マスタとして記憶されている。
【0019】
商品識別情報は、識別コードであり、例えば、JANコードやPLU(Price Look Up)コードなどとすることができる。商品情報は、商品名、販売価格等の情報のほかにも生産地や生産者等の商品に関連する情報を含んでいてもよい。
【0020】
棚札情報は、各電子棚札3に対してユニークに割り当てられた棚札識別情報に対して、商品識別情報、レイアウト情報、店員識別情報,LED種別等の情報が関連付けられた情報であり、
図4(b)に示すように、棚札マスタとして記憶されている。
【0021】
電子棚札3は、自らの棚札識別情報に関連付けられた商品識別情報の商品情報を表示部302に表示する。
【0022】
レイアウト情報は、電子棚札3の表示部302に表示される情報の表示レイアウトに関する情報である。利用者は、管理装置1において、電子棚札3の表示部302に表示される商品情報の表示レイアウトを作成し、管理装置1に記憶することができる。
管理装置1は、レイアウト情報を電子棚札3に送信し、電子棚札3は受信したレイアウト情報を記憶して、レイアウト情報に基づいて商品情報等を表示部302に表示する。
【0023】
店員識別情報は、店員に対してユニークに割り当てられた識別コードであり、棚札識別情報に店員識別情報を関連付けることで、電子棚札3を担当する店員を設定することができる。
【0024】
なお、電子棚札3と店員識別情報との関連付けは、例えば特定の商品部門に属する商品の電子棚札3について特定の店員識別情報を関連付けたり、特売品等のイベント商品に対して特定の店員識別情報を関連付けたりするなどして設定してもよいが、どのように関連付けするかは何ら限定されない。
【0025】
LED種別は、電子棚札3のLED(報知部)303の種類を示す情報である。
電子棚札3は、形状、寸法の異なる複数種類の電子棚札が存在し、電子棚札によって表示部302で表示できる情報量やLED303で発光可能な色の種類等に違いがある。LED種別は、主に、電子棚札3のLED(報知部)303の発光可能な色の種類など能力の違いによって設定された種別である。
なお、LED種別の情報を棚札識別情報の一部に含ませることで、LED種別を省略することもできる。
【0026】
店員情報は、各店員(利用者)に対して割り当てられた店員識別情報に対して、扱者ランク、報知種別が関連付けられた情報であり、
図4(c)に示すように、店員マスタとして記憶されている。
扱者ランクは、当該店員のランクを示す情報であり、例えばランクの高い店員に対しては、商品情報の修正の権限が与えられるなど、扱える情報処理の範囲が異なる。
【0027】
報知種別は、電子棚札3のLED303による報知の種類を設定したデータであり、各店員に対して異なる報知種別が設定されている。電子棚札3のLED303は、報知種別に応じてLED303の発光形態を変更する。
【0028】
なお、発光形態とは、LEDをどのように発光させるかを設定した情報であって、発光形態によってLEDを区別することができる。
例えば、発光形態は、LEDの発光色によって設定することができる。また、発光色、点灯(点滅)パターン及び発光色と点灯パターンとの組合せによって設定することで、多色の発光ができないLEDを有する電子棚札3に対しても設定することができる。
店員は、電子棚札3のLED303の発光形態を確認することで、電子棚札3が自分の担当の電子棚札3であるか否かを判断することができる。
【0029】
報知形態テーブルは、
図4(d)に示すように、LED種別に対して報知種別ごとの発光形態を設定したテーブルである。
例えば、LED種別「L01」のLED303を備える電子棚札3に対して、報知種別「A01」が設定された店員識別情報「S01」が紐付けられた場合には、発光形態は「青色点灯」と設定することができる。電子棚札3は、LED303を青色点灯することで、当該電子棚札3が店員S01の担当であることを報知する。
【0030】
以上、本実施形態の電子棚札システムで用いられるデータの一例について説明したが、電子棚札システムで用いられるデータやマスタ構成は、限定されるものではない。
例えば、棚札マスタの棚札識別情報に商品識別情報を関連付けることなく、電子棚札の棚札識別情報と商品の商品識別情報を関連付けて記憶した紐づけテーブルを棚札マスタとは別に備えるなどしてもよい。
【0031】
-店舗における電子棚札の利用-
スーパーマーケット等の店舗において、
図1(a)に示すように、店舗の陳列棚に陳列された商品の近くに電子棚札3が配置されており、電子棚札3の表示部302には商品の情報(商品名、価格等)が表示されている。
【0032】
顧客は、電子棚札3の表示部302に表示された商品情報を確認し、商品を買い物カゴに入れたり、携帯端末4に導入された買い物アプリによって電子棚札3に表示されたバーコードを読み取ることで商品登録をしたりして、買い物を行うことができる。
【0033】
店舗の担当者は、管理装置1によって商品情報、棚札情報(レイアウト情報)を作成、修正して各電子棚札3に送信することで、各電子棚札3の表示部302の表示を変更することができるので、紙等による棚札の作成、差し替え作業などをすることなく、陳列棚の棚札に正しい商品情報を表示することができる。
【0034】
-電子棚札の表示変更処理-
スーパーマーケット等の店舗において、陳列される商品は変更され、特に、生鮮食料品等の食料品は日々変更されており、店員は、商品の変更にあわせて電子棚札3の表示を変更する必要がある。
【0035】
例えば、店員は、管理装置1において、変更した商品について商品マスタの商品情報の新規登録、変更及び削除を行ったり、棚札識別情報に関連付けられている商品識別情報を変更したりすることで、電子棚札3の表示部302に表示される商品情報を変更する。また、棚札マスタのレイアウト情報の新規登録、変更及び削除を行うことで電子棚札3の表示部302の表示形態を変更する。
【0036】
そして、店員は、管理装置1において、変更した商品情報及び表示部の変更を指示する表示変更指示信号を対象となる電子棚札3に送信することで、電子棚札3は表示部302に表示される表示内容を変更する。
これら電子棚札3の表示部302に表示される表示内容の変更は、情報量が多く、通信に時間がかかることから、買い物客が存在しない時間帯に行われることが好ましく、一般的には、夜間に行われる。
【0037】
そして、店員は、朝開店前に、電子棚札3の表示部302に表示された商品情報を確認し、正しく変更されていることを確認する必要がある。
【0038】
例えば、朝開店前に、管理端末1は、表示部302に表示される表示内容が変更された電子棚札3に対してLED303を発光させる報知指示信号を送信する。
報知指示信号を受信した電子棚札3はLED303を発光させて、自らが表示部302を確認するべき電子棚札3であることを報知する。
【0039】
店員は、LED303が発光している電子棚札3の表示部302を確認することで、短い時間で変更の確認をすることができる。
【0040】
ここで、電子棚札3の表示部302の表示の変更は、買い物客が存在しない夜間に行われ、電子棚札3の表示部302に表示された情報の確認は朝開店前に行われることから、管理装置1から電子棚札3に対する信号の通信は、商品情報等及び表示変更指示信号を送信する夜のタイミングと、報知指示信号を送信する朝のタイミングの2度の通信が必要となる。
【0041】
しかし、データ通信には電力の消費が伴い、回数が増えることは小型の装置である電子棚札3にとって電源部306の寿命を縮めることになる。
そこで、本実施形態の電子棚札システムは、できるだけ通信回数を減らすことで電子棚札(表示端末)の電源部306の消耗を抑制している。
【0042】
本実施形態の電子棚札の表示変更処理の一例について、
図5に示すフローを参考に説明する。
(表示変更指示信号及び報知指示信号の送信)
管理装置1は、店員が棚札情報を修正して変更指示を行うことによって、電子棚札3に表示する修正された棚札情報(商品情報)及び表示変更指示信号を変更の対象となる電子棚札3に送信する。同時に、管理装置1は、LED303による報知(発光)を指示する報知指示信号を送信する(ステップS101)。
【0043】
なお、管理装置1は、修正された棚札情報(商品情報)、表示変更指示信号等の送信を表示変更の対象となる電子棚札3のすべてに一斉に実行してもよいが、電子棚札3をいくつかのグループに分けてグループごとに実行してもよい。
【0044】
(表示内容変更)
電子棚札3は、棚札情報及び表示変更指示信号を受信すると(ステップS301)、受信した棚札情報に基づいて記憶部305に記憶している棚札情報を新たな棚札情報に変更し、変更した棚札情報に基づいて表示部302の表示内容を変更する(ステップS302)。
【0045】
(計時)
また、電子棚札3は、報知指示信号を受信すると、現在時刻が開店前の所定時刻となるまで計時する(ステップS303)。
【0046】
(報知処理)
電子棚札3は、現在時刻が開店前の所定時刻となると、LEDを点灯させるなど報知部303による報知処理を実行する(ステップS304)。
店員は、LED303が点灯している電子棚札3の表示部302を確認することで、表示する表示内容が変更された電子棚札3の表示部302を確認することができる。
【0047】
なお、電子棚札3の表示内容の確認は、電子棚札3及び変更された表示内容が印刷されたリストを見ながら、店員が目視で行うことができる。
目視で表示内容の変更を確認した店員は、携帯する携帯端末4によって電子棚札3の表示部302に表示された商品情報(商品識別情報のバーコード等)または棚札識別情報を読み取ることによって、もしくは、電子棚札3の操作ボタンを操作することで、電子棚札3はLEDの点灯による報知処理を完了して通常状態に移行して、LEDを通常状態の白色で点灯するか消灯してもよい。
【0048】
(表示変更完了信号及び報知完了信号の送信)
報知処理を実行(完了)した電子棚札3は、管理装置1に対して表示変更完了信号及び報知完了信号を送信し(ステップS305)、管理装置1が表示変更完了信号及び報知完了信号を受信して(ステップS102)、処理を完了する。表示変更完了信号とは、電子棚札3の表示内容が新たな棚札情報に基づいて変更されたことを通知する信号であり、報知完了信号とは、報知部303による報知を実行したことを通知する信号である。
【0049】
なお、店員が携帯する携帯端末4によってLED303が点灯している電子棚札3の表示部302に表示された商品情報(商品識別情報のバーコード等)もしくは棚札識別情報を読み取ることによって、携帯端末4が管理装置1に対して報知完了信号を送信してもよい。
【0050】
また、上記電子棚札の表示変更処理のフローにおいて、表示内容の変更(ステップS302)は、計時処理(ステップS303)の後で変更確認処理(ステップS304)の前に実行してもよい。
すなわち、電子棚札3は、表示変更指示信号及び報知指示信号を受信した後に、計時を開始して、開店前の所定時刻になった時に表示部302の表示の変更を行い、続けてLED303を発光するようにしてもよい。
【0051】
また、管理装置1は、電子棚札3から表示変更完了信号及び報知完了信号が受信されない場合に、当該電子棚札3を管理装置1の液晶画面等の表示部102に一覧表示するなどして、店員に電子棚札3の確認を促してもよい。
以上、電子棚札の表示変更処理の一例について説明した。
【0052】
以上のように、本実施形態の電子棚札システムは、商品情報が変更された電子棚札3のLEDを点灯させることで、店員は情報が変更された電子棚札3を容易に見つけることができ、効率的に電子棚札3の更新状態を確認することができる。
【0053】
また、管理装置1からの商品情報及び表示変更指示信号の送信と、報知指示信号の送信を同一の通信によって実行することで、管理装置1と電子棚札3との通信回数を少なく抑えることができ、電子棚札3のおける電力の消耗を抑制することができる。
【0054】
また、上記の電子棚札の表示変更処理においては、管理装置1と電子端末3との通信を夜間に行い、電子棚札3において計時処理が行われ、開店前の所定時刻になった時に表示部302の表示の変更を行ったり、LED303の発光を実行したりしているが、管理装置1と電子端末3との通信を開店前の所定時刻に行うようにしてもよい。
【0055】
例えば、管理装置1は、夜間の間に変更された商品情報を含む棚札情報を、開店前の所定時刻に表示変更指示信号及び報知指示信号とともに電子棚札3に送信するようにしてもよい。
【0056】
具体的には、管理装置1において、23時00分にある商品の販売価格が100円から120円に変更するように指示がされ、翌日02時00分に上位装置から他のある商品の内容量を120gから135gに変更するように指示がされた場合などに、変更指示があったすべての情報を開店前の所定時刻(07時00分)に表示変更指示信号及び報知指示信号とともに送信するようにしてもよい。
【0057】
また、管理装置1において、23時00分にある商品について、販売価格が100円から120円(特売戻しデータ)に変更され、その後(23時30分)に同じ商品について販売価格が120円から90円(特売開始データ)に変更するように指示がされた場合などには、ある商品について販売価格を100円から90円に変更する情報を開店前の所定時刻(07時00分)に変更表示変更指示信号及び報知指示信号とともに送信するようにしてもよい。
【0058】
以上のように、夜間に行われた複数の商品情報の変更指示を、所定時刻に纏めて同一の通信によって送信することで、変更漏れ等もなく効率的に変更処理を行うことができる。
なお、本発明でいう同一の通信とは、一度の送信ボタンの操作や終了操作などをトリガーとして実行される一連の送信操作であればよい。
【0059】
-店員(利用者)ごとに報知形態を異ならせる処理-
陳列商品が多い大型スーパーなどの店舗や商品の入れ替え時など、一度に大量の商品の情報が変更された場合には、棚札情報の変更作業や確認作業を一人の店員で行うことができず、複数の店員によって分担して行う必要がある。
そのような場合、各店員は、LED303が点灯している電子棚札3のうち、自分が担当する電子棚札3の表示部302を確認することとなるが、変更されたすべての電子棚札3のLEDが同じように点灯しているのでは、自分が確認するべき電子棚札3が一目でわからず、変更の確認作業が煩雑になる可能性がある。
【0060】
本実施形態の電子棚札システムは、店員と電子棚札を関連付け(紐付け)て、電子棚札3のLED303を店員(利用者)ごとに異なる形態で発光させることによって、各店員は自分が確認するべき電子棚札3をすばやく認識することができる。
本実施形態の電子棚札システムにおける利用者ごとに発光形態を異ならせるための処理のフローの一例について、
図6を参考に説明する。なお、本処理フローは、上記
図5に示す電子棚札の表示変更処理のフローにおける「表示変更指示信号及び報知指示信号の送信(ステップS101)」において実行される。
【0061】
(店員識別情報、LED種別の抽出)
管理装置1は、報知指示を行うに際して、
図4(b)に示す棚札マスタを参照して、変更の対象となる電子棚札3の棚札識別情報に関連付けられている店員識別情報及びLED種別を抽出する(ステップS1011)。
【0062】
(報知種別の抽出)
店員識別情報を抽出した管理装置1は、
図4(c)に示す店員マスタを参照して、店員識別情報に関連付けられている報知種別を抽出する(ステップS1012)。
【0063】
(発光形態の設定)
報知種別を抽出した管理装置1は、抽出したLED種別と報知種別から、
図4(d)に示す報知形態テーブルに基づいて、各電子棚札3のLED303に対して発光形態を設定する(ステップS1013)。
例えば、
図4(b)に示す棚札マスタの棚札識別情報「T03200098」の電子棚札3が変更の対象となる電子棚札3である場合には、LED種別「L02」と店員識別情報「S01」から店員マスタによって抽出される報知種別「A01」に基づいて、発光形態として「赤色点灯」が設定される。
【0064】
(報知形態及び報知指示信号の送信)
管理装置1は、設定した発光形態及び報知指示信号を対象となる電子棚札3に送信する(ステップS1014)。
管理装置1から送信された発光形態及び報知指示信号を受信した電子棚札3は、受信した発光形態に基づいてLED303を発光する。
【0065】
店員に自分の発光種別を理解させておき、電子棚札3の種類ごとに自分の担当する電子棚札3のLED303がどのように発光するかを認識させておくことによって、LED303の発光形態によって自分の担当する電子棚札3を見つけることができる。
以上、利用者ごとに発光形態を異ならせるための処理のフローの一例について説明した。
【0066】
以上のように、本実施形態の電子棚札システムは、各電子棚札3に対して店員が関連付けられており、店員毎に報知種別が設定されているので、LED303の発光形態を見ることで電子棚札3が自分の担当する電子棚札3であるか否かを一目で認識することができ、電子棚札3の表示部302の変更確認作業をスムーズに進めることができる。
【0067】
また、電子棚札3には、多色発光ができるLEDを備える比較的大型のものや、単色発光しかできないLEDを備える比較的小型のものなど、さまざまな種類が存在するが、電子棚札3のLEDの性能によって発光形態を変更することで、種々の電子棚札3に対応することができる。
【0068】
なお、報知種別とLEDの発光形態との関係を電子棚札3の記憶部305に記憶しておいてもよく、管理装置1が送信した報知種別に応じて電子棚札3がLEDの発光形態を決定して発光するようにしてもよい。
【0069】
-他の実施形態の電子棚札システム-
電子棚札3に関連付けられる利用者は、店員に限られず、買い物をする顧客に対して電子棚札3を関連付けてもよい。
例えば、店舗において、顧客が自ら所有する携帯端末4で買い物アプリを立ち上げて購入希望の商品を検索した際に、検索した商品の電子棚札3に顧客が所有するスマホ等の携帯端末4を関連付け(紐付け)して、当該商品の電子棚札3のLED303を発光させることで、顧客に対して購入希望の商品の陳列位置を案内するようにしてもよい。
【0070】
本実施形態の電子棚札システムにおける商品案内処理の一例について、
図7に示すフローを示しながら説明する。
【0071】
(携帯端末による商品検索指示)
顧客がスマホの買い物アプリを操作して購入希望等の商品を検索することで、携帯端末4は、管理装置1に商品検索指示を通知する(ステップS401)。
例えば、顧客が携帯端末4の画面に一覧表示された商品の中から購入希望の商品を選択して送信キーを操作することで、携帯端末4は、選択された商品の商品識別情報を管理装置1に送信する。
【0072】
(棚札識別信号の抽出)
管理装置1は、携帯端末4が送信した商品検索指示を受け付けると(ステップS501)、
図4(b)に示す棚札マスタに基づいて商品識別情報が関連付けられた電子棚札3の棚札識別情報及び該棚札識別情報に関連付けられたLED種別を抽出する(ステップS502)。
【0073】
(案内形態の設定)
棚札識別情報及びLED種別を抽出した管理装置1は、LED種別に基づいてLED303の発光形態を設定する(ステップS503)。
なお、管理装置1は、対象となる電子棚札3のLED303が実行可能であればどのような発光形態を設定してもよいが、他の電子棚札3のLED303で実行されていない発光形態を設定することが好ましい。
【0074】
(商品案内指示)
発光形態を設定した管理装置1は、対象となる電子棚札3に発光形態および案内指示信号を送信すると共に、携帯端末4に対して対象となる電子棚札3の画像データを送信する(ステップS504)。案内指示信号とは、電子棚札3に対して、LED303を発光させて顧客に対する案内を指示する信号である。
なお、携帯端末4に送信される電子棚札3の画像データは、LED303が設定された発光形態で発光している画像であることが好ましい。また、携帯端末4に送信されるデータは、電子棚札の画像データでなくてもよく、例えば商品が陳列された位置を示すマップなど何らかの情報であってもよい。
【0075】
(電子棚札の商品案内実行)
電子棚札3は、管理装置1が送信した発光形態および案内指示信号を受信すると(ステップS601)、受信した発光形態に基づいてLED303を発光させる(ステップS602)。
【0076】
(携帯端末の棚札画像の表示)
一方、携帯端末4は、管理装置1が送信した電子棚札3の画像データを受信すると(ステップS402)、携帯端末4の表示画面上に実際の電子棚札3と同様にLEDを発光させた電子棚札3を表示する(ステップS403)。
顧客は、携帯端末4の表示画面に表示された電子棚札3と同じようにLEDを発光させている電子棚札3を探すことで、目的の商品を探すことができる。
【0077】
(案内完了信号の送信)
電子棚札3は、LED303を発光させた後所定時間経過することで、管理装置1に案内完了信号を送信して処理を終了する(ステップS603)。
なお、商品を探した顧客が携帯端末4によって電子棚札3の表示部302に表示された商品情報(バーコード等)を読み取ることで、携帯端末4が案内完了信号を管理装置1に送信してもよい。
【0078】
なお、上記商品案内処理においては、LEDの発光形態を設定することなく、一様にLEDを発光させるようにしてもよい。
以上、電子棚札システムにおける商品案内処理のフローの一例について説明した。
【0079】
-実施形態の電子棚札システムの効果-
以上のように、本実施形態の電子棚札システムは、商品情報が変更された電子棚札3のLEDを点灯させることで、店員は情報が変更された電子棚札3を容易に見つけることができ、効率的に電子棚札3の更新状態を確認することができる。
【0080】
また、管理装置1からの商品情報及び表示変更指示信号の送信と、報知指示信号の送信を一回の通信によって実行することで、管理装置1と電子棚札3との通信回数を少なく抑えることができ、電子棚札3のおける電力の消耗を抑制することができる。
【0081】
また、実施形態の電子棚札システムは、電子棚札3の発光形態を店員(利用者)毎に異ならせることによって、店員は、自分が担当する電子棚札3を一目で確認することができるので、表示部302の確認をスムーズに行うことができる。
【0082】
また、顧客が探している商品の電子棚札3のLED303を点灯させることで、探している商品を見つけやすく、買い物をスムーズに行うことができる。特に、顧客の携帯端末4に探している商品の電子棚札3の画像を表示することで、さらにスムーズに探している商品を見つけることができる。
【0083】
なお、上記の棚札システムが実行する処理は、ネットワークによって接続されるどの装置によって行われてもよく、電子棚札は、管理装置1から送信される画像情報を表示画面に表示する端末として、システムを構築してもよい
【0084】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【0085】
-総括-
本発明は、複数の表示端末と管理装置を備えた表示システムに関する。
従来、スーパーマーケット等の店舗において、商品価格等の商品情報を表示する電子棚札等の表示端末を利用した表示システムが知られている。
電子棚札等の表示端末は、管理装置からのデータ送信によって表示内容の変更ができるが、表示内容の変更のために複数回の通信が必要となることがあるために、電子棚札の電力が消費され、電子棚札の電池の寿命を縮めることがあった。
一実施形態は、電子棚札等の表示端末を利用した表示システムにおいて、表示端末をより効果的に利用することを目的とする。
【0086】
そして、上記目的を達成するための実施形態の一つは、商品情報を電子的に表示する複数の表示端末と、前記表示端末の表示を管理する管理装置を備えた表示システムであって、前記表示端末は、商品情報を表示する表示部と、前記表示部の表示が変更されたことを報知する報知部を有し、前記管理装置は、前記表示端末に対して前記表示部に表示するべき商品情報及び前記商品情報に基づいて前記表示部の表示の変更を指示する表示変更指示信号を送信するとともに、前記報知部による前記報知を指示する報知指示信号を同一の通信にて送信する表示システムである。
【0087】
また、上記目的を達成するための実施形態の一つは、さらに、前記表示端末は、前記表示情報及び前記表示変更指示信号を受信することで前記表示部の表示を変更した後、所定時間後に前記報知部による報知を行う表示システムである。
【0088】
また、上記目的を達成するための実施形態の一つは、さらに、前記報知部は、LEDライトであり、報知はLEDライトの発光によって行われる表示システムである。
【符号の説明】
【0089】
1 :管理装置
101 :制御部
102 :表示部
103 :操作部
104 :通信部
105 :記憶部
2 :無線送受信装置
3 :電子棚札
300 :電子棚札本体
301 :制御部
302 :表示部
303 :報知部(LED)
304 :通信部
305 :記憶部
306 :電源部
307 :計時部
310 :バーコード
4 :携帯端末