(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101413
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】楕円形の本体側面に縁部を設け、中央に仕切板を設置し、立てて置いた飲料缶を逆U字形に導くことにより1缶ずつ順番に取り出せるようにしたことを特徴とする飲料缶の保持・取り出し器具。
(51)【国際特許分類】
F25D 25/02 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
F25D25/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020220066
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】519378399
【氏名又は名称】橋本 昌明
(72)【発明者】
【氏名】橋本 昌明
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、片手による一連の動作で1缶ずつの補充や取り出しがスムーズに出来、しかも炭酸飲料などの飲料缶にも殆ど振動を与えず、また使う人の利き手の左右にも影響されず、更に冷蔵庫などの保存器具内スペースの無駄を極力省くことが可能で、異なる容量の飲料缶を混在させても使用可能な、飲料缶の保持・取り出し器具を提供する。
【解決手段】側面に縁2のある半楕円形の本体ベース部1の中央に仕切板3を設け、本体ベース部底部分の接地側に滑り止め脚を設置することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
楕円形の本体側面に縁部を設け、中央に仕切板を設置し、本体底面の接地部分に滑り止め脚を付属させ、立てて置いた飲料缶を逆U字形に導くことにより1缶ずつ順番に取り出せるようにしたことを特徴とする飲料缶の保持・取り出し器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立てた状態の飲料缶を、上から見て「逆U字形」に連続して並べられるようにし、飲料缶を片手で1缶ずつ補充すると同時に1缶ずつ取り出せる、飲料缶の保持・取り出し器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、缶ビールや炭酸飲料・清涼飲料水などに用いられる飲料缶の保持・取り出し器具は、冷蔵庫内の棚板などに置き、飲料缶を横置きにして3缶ほど並べ、棚の奥方向から手前方向へつけられた若干の傾斜を転がって、飲料缶が手前に出てくるようにしたトレー状のものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許庁ホームページより検索したが、先行技術としては見つけることができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、次のような問題点があった。
(イ)飲料缶を横置きに並べ、手前の缶を取り出すと奥隣にあった缶が傾斜に沿って手前 に転がってくる構造のため、その振動刺激により炭酸飲料缶の場合には開けたとき に内容物が吹き出す可能性が増大していた。
(ロ)飲料缶の補充は常に保持・取り出し器具の一番奥へ入れる必要があり、そのために 横向きの飲料缶を掴んだ手を保存器具(例えば冷蔵庫)内の奥の方へ入れるため、 缶が並んだ状態の上に空間が必要だった。その空間の無駄により立てて置けば6缶 ほど入るスペースに、半分の3缶しか置けない状況だった。
(ハ)3缶しか置けないと、冷えるまで時間がかかる飲料缶のストック能力としては若干 不足と言わざるを得ない。
(ニ)飲料缶は内容量によって数多くのサイズがあり、頻繁に使用される種類は250・ 350・500ミリリットルの3種類程度だが、これらの缶は高さが異なるため缶 を横置きにすると異なるサイズの缶を混在させる事ができなかった。例えば器具の 横幅を350ミリリットルの缶サイズに合わせると250ミリリットルには余り、 500ミリリットルの缶には不足である。
(ホ)横幅を500ミリリットルサイズに合わせると、普段250や350ミリリットル しか飲まない人にとってこのサイズは無駄に大きすぎることになる。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
側面に縁(2)のある半楕円形の本体ベース部(1)の中央に仕切板(3)を設け、本体ベース部底部分の接地側に滑り止め脚(4)を設置する。
本発明は、以上を特徴とする飲料缶の保持・取り出し器具である。
【発明の効果】
【0006】
(イ)側面に縁(へり)があり、更に中央部には仕切板がある。その間に飲料缶を立てた 状態で順番に入れていくことで、横置きでは3本しか置けないスペースに5缶を置 くことが出来る。(敢えて6缶にはしないで5缶に止めておく)
(ロ)補充のため1缶を奥方向へ押し込んだ時に、先に保持・取り出し器具内に置かれて いた缶が順番に押され逆U字形の形状により反転し「先頭の」1缶が手前に出て来 るが、手前に1缶分のスペースを常に空けておくことにより、保持・取り出し器具 が置かれた場所(例えば冷蔵庫内の棚板など)からその缶が落ちることはない。
(ハ)そのため、缶の補充と取り出しが一連の動作で可能となり、片手で用を足せる。
(ニ)5缶が繋がって置かれさえすれば1缶空けるスペースの左右は問わないため、置か れる場所(冷蔵庫内の棚板など)や使用する人の利き手には全く影響されない。
(ホ)プラスチックなどの一体成型も可能な形状なので、製造コストが安価である。
(ヘ)底(設置部分)にゴムなど摩擦の大きな素材による滑り止めをつけているため、缶 の補充時に本体が滑ってズレたり動いてしまうことを防ぐことが出来る。
(ト)飲料缶を立てて収納するため、容量の異なる缶も、直径が同じであれば自由に混在 させる事が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
側面に縁(2)のある半楕円形のベース部(1)の中央に仕切板(3)を設け、ベース部底部分の接地側に滑り止め脚(4)を設置する。
本発明は以上のような構造である。
本発明を使用するときはまず冷蔵庫などの保存器具内の棚板に設置する。その上で飲料缶を仕切板の左右どちらか一方から5缶を次々に押し込んでいく。入れた方の反対側から最初に入れた缶が出てきて、残ったスペースが1缶分になった時点で缶の押し込みを止める。これでストックは一旦終了である。缶が充分冷えてから、1缶を取り出そうとするときに予め保存してある常温の飲料缶を1缶出してきて、先に押し込んだ方の缶を常温の缶で1缶分を押し込む。すると反対側の空きスペースに、充分に冷えた缶が押されて出てくる。その缶を取り出して、補充と取り出しの一連の作業が終了する。以降、缶の取り出しと補充は1缶ずつ繰り返していけば、常に冷えたものを確実に取り出せる。長く冷蔵庫の片隅に忘れ去られて鮮度が落ちたビールが延々と取り残されることもなくなる。
縁と仕切に挟まれた部分が右・左に出現するが、例えば右側から飲料缶を1缶ずつ次々に奥方向へ押し込んでいくと奥のU字形により缶は反転し、左側から手前方向に出てくる。手前の1缶分のスペースを空けた状態でフルストック状態とするのは、片手での一連の動作で補充と取り出しを済ませるためである。右から押し込むか左から押し込むかは自由なので利き手の違いによる使いづらさもない。缶を立ててストックするため冷蔵庫内などの限られたスペースを無駄なく使える。ゴムなどの滑り止めがついているので、缶を押し込んだ時に本体自体が滑ってズレたりする事もないので補充・取り出し作業は快適である。
【符号の説明】
【0009】
1 本体ベース部
2 縁
3 仕切板
4 滑り止め脚