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特開2022-101414映像表示装置固定器具及び遠隔地乾杯カウンターシステム
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  • 特開-映像表示装置固定器具及び遠隔地乾杯カウンターシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101414
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】映像表示装置固定器具及び遠隔地乾杯カウンターシステム
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/22 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A47G19/22 S
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020220068
(22)【出願日】2020-12-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】510286433
【氏名又は名称】株式会社ネットアプリ
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】西田 誠
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB10
3B001CC40
3B001DA01
3B001DA02
3B001DB20
(57)【要約】
【課題】 本発明は飲料用グラスの側面に配置される映像表示装置を固定するための固定機構の着脱を容易に行うこと事が可能な飲料用グラス用の映像表示装置固定器具及び遠隔地乾杯カウンターシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の映像表示装置固定器具は上部開口を有する有底の筒状体であり水平方向に湾曲している飲料用グラスの側面又は側面近傍に映像表示装置を固定する映像表示装置固定器具であり、前記映像表示装置を挿入するポケット機構と、前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第1コの字フレームと、前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第2コの字フレームと、前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を変更する距離調整機構とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体であり水平方向に湾曲している飲料用グラスの側面又は側面近傍に映像表示装置を固定する映像表示装置固定器具であり、
前記映像表示装置を挿入するポケット機構と、
前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第1コの字フレームと、
前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第2コの字フレームと、
前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を変更する距離調整機構と
を備え、
前記ポケット機構は透明な誘電体から成り、
前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームは前記ポケット機構の上部近傍に位置しており、
前記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームを前記上部開口の端部に挿入後に前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレーム間の距離を長くすることにより前記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームが前記飲料用グラスの内壁面に加える圧力を増加させることを特徴とする映像表示装置固定器具。
【請求項2】
前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームが柔軟性を有する層に覆われていることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置固定器具。
【請求項3】
前記映像表示装置と前記飲料用グラスの間に前記映像表示装置の画像の縦横比を変更するフレネルレンズパターンがエンボス加工されているフレネルレンズ層を備え、
前記フレネルレンズ層が前記飲料用グラス内部の飲料により生じる前記画像の水平方向の拡大を相殺することを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の映像表示装置固定器具。
【請求項4】
前記距離調整機構として前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を調整するスライド機構を前記ポケット機構に備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の映像表示装置固定器具。
【請求項5】
請求項4に記載の映像表示装置固定器具と、
前記飲料用グラスと、
携帯型通信装置と、
外部のサーバーコンピュータと、
ユーザー操作検知部と
を備え、
前記映像表示装置が前記携帯型通信装置の一部であり、
前記ユーザー操作検知部は前記携帯型通信装置の加速度センサー又はカメラセンサーの出力データに基づいてユーザーが前記飲料用グラスを移動、傾斜又は他物体へ衝突させたことを検知し、出力信号を前記外部のサーバーコンピュータに送信し、
前記外部のサーバーコンピュータは前記出力信号を受信し、その受信回数をカウントして乾杯操作累計数として記録し、ユーザーが前記乾杯操作累計数を閲覧出来ることを特徴とする遠隔地乾杯カウンターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置固定器具とそれを用いた遠隔地乾杯カウンターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を入れる機能以外に様々な機能を持ったグラスが開発されている。
例えば特許文献1には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、飲料用グラス内部に配置された反射鏡とを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
特許文献2には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と断面が平凸レンズの形状の飲料用グラスを備えており、飲料用グラス内部の飲料をレンズ代わりにして映像表示装置の映像を拡大するグラスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6488049号
【特許文献2】特許第6679076号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1~2は飲料用グラスの側面に配置される映像表示装置を固定するための固定機構の着脱を容易に行うことが不可能である。
【0005】
本発明は上記問題を鑑み、飲料用グラスの側面に配置される映像表示装置を固定するための固定機構の着脱を容易に行うこと事が可能な飲料用グラス用の映像表示装置固定器具を提供することを課題とする。
また、その映像表示装置固定器具を用いた遠隔地乾杯カウンターシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の映像表示装置固定器具は、上部開口を有する有底の筒状体であり水平方向に湾曲している飲料用グラスの側面又は側面近傍に映像表示装置を固定する映像表示装置固定器具であり、前記映像表示装置を挿入するポケット機構と、前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第1コの字フレームと、前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第2コの字フレームと、前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を変更する距離調整機構とを備え、前記ポケット機構は透明な誘電体から成り、前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームは前記ポケット機構の上部近傍に位置しており、前記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームを前記上部開口の端部に挿入後に前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレーム間の距離を長くすることにより前記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームが前記飲料用グラスの内壁面に加える圧力を増加させることを特徴とする。
また、前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームが柔軟性を有する層に覆われていることを特徴とする。
また、前記映像表示装置と前記飲料用グラスの間に前記映像表示装置の画像の縦横比を変更するフレネルレンズパターンがエンボス加工されているフレネルレンズ層を備え、
前記フレネルレンズ層が前記飲料用グラス内部の飲料により生じる前記画像の水平方向の拡大を相殺することを特徴とする。
また、前記距離調整機構として前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を調整するスライド機構を前記ポケット機構に備えることを特徴とする。
本発明の遠隔地乾杯カウンターシステムは、上記映像表示装置固定器具と、上記飲料用グラスと、携帯型通信装置と、外部のサーバーコンピュータと、ユーザー操作検知部とを備え、前記映像表示装置が前記携帯型通信装置の一部であり、前記ユーザー操作検知部は前記携帯型通信装置の加速度センサー又はカメラセンサーの出力データに基づいてユーザーが前記飲料用グラスを移動、傾斜又は他物体へ衝突させたことを検知し、出力信号を前記外部のサーバーコンピュータに送信し、前記外部のサーバーコンピュータは前記出力信号を受信し、その受信回数をカウントして乾杯操作累計数として記録し、ユーザーが前記乾杯操作累計数を閲覧出来ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の映像表示装置固定器具は、第1コの字フレームと第2コの字フレームとを備えており、飲料用グラスの上部開口の端部にそのコの字フレームを挿入することによりポケット機構を飲料用グラスに固定する事が出来る。
本発明の映像表示装置固定器具は第1コの字フレームと第2コの字フレームの間の距離を変更する距離調整機構を備えており、その距離調整機構を以って第1コの字フレームと記第2コの字フレーム間の距離を長くすることにより記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームが飲料用グラスの内壁面に加える圧力が増加する方式のためどのような径のサイズの飲料用グラスに取り付ける事が可能である。また、映像表示装置固定器具と飲料用グラスの水平方向の相対位置が変わる事がないように強固にロック(又は固定)可能である。
本発明の映像表示装置固定器具は第1コの字フレームと第2コの字フレームの間の距離を変更する距離調整機構を備えており、その距離調整機構を以って第1コの字フレームと記第2コの字フレーム間の距離を長くすることによりユーザーが飲料用グラス内の飲料を飲む際のスペースを確保出来る。
本発明の映像表示装置固定器具で用いられるポケット機構は電波を通す誘電体から成るためポケット機構に挿入中の映像表示装置が携帯電話やスマートフォン等の携帯型通信装置の場合でもその携帯型通信装置の電波を妨げる事は無い。
本発明の映像表示装置固定器具は飲料用グラスの上部開口の端部に第1コの字フレームと第2コの字フレームを挿入するだけでなく、第1コの字フレーム及び第2コの字フレームが飲料用グラスの内壁面に水平方向のる圧力を加え続ける方式のため飲料用グラスを逆さまにしない限りポケット機構が飲料用グラスから脱落することは無い。そのため飲料用グラスを乾杯動作等で傾けた際も映像表示装置が飲料用グラスから脱落する事は無い。
本発明の映像表示装置固定器具は映像表示装置と飲料用グラスの間に映像表示装置の画像の縦横比を変更するフレネルレンズパターンがエンボス加工されているフレネルレンズ層を備え、そのフレネルレンズ層が飲料用グラス内部の飲料により生じる前記画像の水平方向の拡大を相殺するため飲料用グラス内の飲料のレンズ効果をキャンセル出来る(ユーザーが飲料用グラス内の飲料越しに映像表示装置の画像を視認した場合もその画像が水平方向に拡大して歪むことは無い)。
本発明の映像表示装置固定器具を用いれば様々な形状の飲料用グラスで遠隔地乾杯回数を集計して表示する遠隔地乾杯カウンターシステムを構築出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態の映像表示装置固定器具を示す斜視図(a)と上方断面図(b)
図2】映像表示装置固定器具に映像表示面を飲料用グラス外側方向の状態セットした例を示す斜視図(a)と上方断面図(b)
図3】フレネルレンズ層無しの例を示す斜視図(a)及びフレネルレンズ層有りの例を示す斜視図(b)
図4】フレネルレンズ層有りの例を示す断面図
図5】遠隔地乾杯カウンターシステムの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[映像表示装置固定器具の第1の実施の形態]
以下、本発明の映像表示装置固定器具の第1の実施の形態を図面を用いて示す。
図1(a)に示すように、本実施の形態の映像表示装置固定器具1は映像表示装置80を挿入して固定するためのポケット機構2、飲料用グラス10の上部開口11の端部を挿入するためのコの字の形状の第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4、第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4との間の距離を調整する距離調整機構から概略構成される。
ポケット機構2は飲料用グラス10の側面又は側面近傍に映像表示装置80を支持又は固定しておくための部材である。ポケット機構2は透明な材料から成るため図1(a)や図1(b)に示すように飲料用グラス10側面に配置された映像表示装置80の画像82(或いは映像)が飲料用グラス10の内部の飲料Lへ投影されるのを妨げないためこれによりユーザーUは飲料用グラス10越しに画像82を視認出来る(なお、図1の破線の矢印は説明のために映像表示装置80の画像82の投影光の光路Wのイメージを表現したものである)。なお、本実施の形態では飲料用グラス10は全て透明な材質からなる通常のグラス(例えば透明ガラス製のコップやビールジョッキ等)を想定している。図1(a)に示すようにポケット機構2内部の映像表示装置80の映像表示面81が飲料用グラス10の内部側(あるいは飲料L側)に向いている場合でも図2(a)に示すように飲料用グラス10の外側に向いている場合でもユーザーUは映像表示装置の画像82を視認出来る(つまりポケット機構2を透明する事により映像表示装置80のリバーシブル固定が可能になる)。ポケット機構2は電波を通す誘電体から成るためポケット機構2の中の映像表示装置80が携帯電話やスマートフォン等の携帯型通信装置100の一部の場合でもその携帯型通信装置100の電波が妨げられる事は無い。ポケット機構2の材質としては透明なガラスやアクリル樹脂等が挙げられる(ガラスは電波を良く通す誘電体の一つ)。
第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4はポケット機構2の上部近傍に位置しており、図1(a)のように飲料用グラス10の上部開口11の端部に第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4を上からに挿入することにより飲料用グラス10の側面にポケット機構2が固定される。ポケット機構2の上部近傍に第1コの字フレーム3及び第2コの字フレーム4が位置しているためポケット機構2と映像表示装置80の重量により第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4は常に下方向の力が働くためポケット機構2と飲料用グラス10の固定強度は自然に増す。コの字フレーム3の材質としては透明なガラスやアクリル樹脂等が挙げられる。なお、第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4により飲料用グラス10の表面が傷付くことを防ぐために図1(a)と図1(b)のように第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4を柔軟性を有する層6で覆っても良い。
距離調整機構5は第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4との間の距離dを変化又は調整するための機構である。距離調整機構5としてはレール機構やスライド機構、ネジを用いた既知のアジャスター機構等が考えられる。距離調整機構5により第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4との間の距離dを変化させることが出来るため、様々な径のサイズの飲料用グラス10にポケット機構2(つまり映像表示装置固定器具1)をセット出来る。図1(b)のように距離調整機構5により距離dを長くすることにより第1コの字フレーム3及び第2コの字フレーム4が飲料用グラス10の内壁面に加える圧力F(又はテンション)を増加させることが可能である。つまり距離調整機構5により距離dを調整することによりどのような径のサイズを持つ飲料用グラス10の内壁面にも第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4による(水平方向の)圧力Fを加え続けることが出来るため、どのような径のサイズを持つ飲料用グラス10の場合でもポケット機構2(つまり映像表示装置固定器具1)と飲料用グラス10の水平方向の相対位置を完全にロック(固定)することが可能になる。
なお、本発明の映像表示装置固定器具1は図1(a)又は図1(b)のように上部開口11を有する有底の筒状体であり水平方向に湾曲している飲料用グラス10(つまり通常のコップやジョッキの形状のグラス)に取り付けることを想定している。
【0010】
本発明の映像表示装置固定器具1は図1(a)のように第1コの字フレーム3と第2コの字フレーム4との間の距離dを変化させることができるため第1コの字フレーム3又は第2コの字フレーム4により映像表示装置80の画像83が(ユーザーU側から見て)隠れてしまう事を防げる。
本発明の映像表示装置固定器具1は図2(a)のように映像表示装置80をその映像表示面81を飲料用グラス10の外側に向けた状態でポケット機構2にセットしている場合、図2(b)のように距離調整機構5により距離dを増加させることによりユーザーUが映像表示装置固定器具1側からでも飲料用グラス10内の飲料Lを飲めるスペースを確保する事が可能である(具体的には距離調整機構5を用いてユーザーUの口部が上部開口11に挿入可能な程度に距離dを増加させれば良い)。
【0011】
[映像表示装置固定器具の第2の実施の形態]
以下、本発明の映像表示装置固定器具の第2の実施の形態を図面を用いて示すが、上記第1の実施の形態の映像表示装置固定器具1と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態の映像表示装置固定器具1では、図3(b)のように映像表示装置80と飲料用グラス10の間に映像表示装置80の画像82の縦横比を変更するフレネルレンズパターンがエンボス加工されているフレネルレンズ層20を備える。
市販の通常のコップやグラス或いはジョッキと同じく飲料用グラス10は図3(a)のように水平方向に湾曲しており(つまり水平方向に有限の曲率半径Rを持っており)、更に水の光の屈折率は約1.333であり空気の光の屈折率に比して大きいため、飲料用グラス10内の飲料Lを透過した映像表示装置80の画像82の透過像83は図3(a)のように水平方向に拡大して歪んでしまう(つまり飲料Lのレンズ効果により画像82が水平方向に拡大されてしまう)。
図3(a)のように透過像83が水平方向に拡大されて歪むのを防ぐには図3(b)のように縦方向に拡大する(又は横方向に縮小する)つまり画像の縦横比を変更できるレンズを用いて飲料Lにより生じる前記画像の水平方向の拡大を相殺(又はキャンセル)すれば良い。具体的な方法としては図3(b)又は図4のように映像表示装置80と飲料用グラス10の間のいずれかの位置に画像の縦横比を変更できるレンズパターンをエンボス加工又は彫刻したフレネルレンズ層20を配置すれば良い。なお、本実施の形態の映像表示装置固定器具1に用いるフレネルレンズ又はフレネルレンズ層20は必ず画像の縦横比を変更できるフレネルレンズパターンがエンボス加工されてなければならない。何故ならば画像の縦横比を変更しないで拡大する通常のフレネルレンズの場合は飲料Lのレンズ効果により画像82が水平方向に拡大する歪みを相殺(キャンセル)出来ないからである。
なお、フレネルレンズについて補足しておくとフレネルレンズとは同心円等のレンズパターンを透明物体の表面にエンボス加工することによりその透明物体そのものをレンズ化した物である(フレネルレンズの詳細についてはレンズや光学の専門書を参照されたい)。フレネルレンズのメリットは通常の凸レンズに比して薄型化と軽量化が可能である点である。本発明の映像表示装置固定器具1ではフレネルレンズ層(フレネルレンズ層を備えたシートでも可)を用いることにより映像表示装置固定器具1の軽量化と薄型化を図っている。フレネルレンズ層20は厚さを持つ通常の凸レンズと違うため図4のようにポケット機構2の表面か内部に埋め込むことが可能であるため映像表示装置固定器具1又はポケット機構2を極限まで薄型化出来る。
【0012】
[遠隔地乾杯カウンターシステムの実施の形態]
以下、本発明の遠隔地乾杯カウンターシステムの実施の形態について説明する。上記各実施の形態の映像表示装置固定器具と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
携帯電話やスマートフォン等の携帯型通信装置の殆どの機種は加速度センサーやカメラセンサーを内蔵している。加速度センサーは同センサーが内蔵されている物体の加速度に基づいて、物体の移動量、傾斜量、他物体への衝突の有無を取得出来る。カメラセンサーも画像解析により物体の移動量、傾斜量、他物体への衝突の有無を取得出来る。そこで本実施の形態の遠隔地乾杯カウンターシステムでは図5に示すように本発明の映像表示装置固定器具1と飲料用グラス10と映像表示装置80を内蔵した携帯型通信装置100と外部のサーバーコンピュータ200とユーザー操作検知部102とを備える。
携帯型通信装置100のセンサー101(加速度センサーやカメラセンサー等)からの信号を元に飲料用グラス10に対するユーザー操作(他の飲料用グラス300への衝突や傾斜操作等)をユーザー操作検知部102にて検知して遠隔地のサーバーコンピュータ200等に送信する。図5に示すように、遠隔地のサーバーコンピュータ200が受信回数をカウントしてそれを乾杯操作累計数として記録して、閲覧や公開出来るようにする事により遠隔地乾杯カウンターシステムを得ることができる。
なお、ユーザー操作検知部102は映像表示装置固定器具1に取り付けられた専用ICチップ内部に実装しても良いし、外部のサーバーコンピュータや携帯型通信装置100に実装しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、飲料用グラスへの着脱が容易な映像表示装置固定器具であるため飲料用グラスに映像表示装置を挿入するためのポケット機構が有る状態と無い状態の2つの状態をユーザーは状況に応じて素早く切り替えられる。また、飲料用グラスと映像表示装置が水平方向に完全にロック又は固定出来る。更にグラス内部の飲料のレンズ効果による画像の水平方向の拡大を相殺できる以上より本発明は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0014】
L 飲料(液体)
U ユーザー
W 光路(画像の投影光の光路)
F 圧力
d 距離
1 映像表示装置固定器具
2 ポケット機構
3 第1コの字フレーム
4 第2コの字フレーム
5 距離調整機構
6 柔軟性を有する層
10 飲料用グラス
11 上部開口
20 フレネルレンズ層
80 映像表示装置
81 映像表示面
82 画像
83 透過像
100 携帯型通信装置
101 センサー(加速度センサー、カメラセンサー)
102 ユーザー操作検知部
200 サーバーコンピュータ
300 他の飲料用グラス
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体であり水平方向に湾曲している飲料用グラスの側面又は側面近傍に映像表示装置を固定する映像表示装置固定器具であり、
前記映像表示装置を挿入するポケット機構と、
前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第1コの字フレームと、
前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第2コの字フレームと、
前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を変更する距離調整機構と
前記映像表示装置と前記飲料用グラスの間に前記映像表示装置の画像の縦横比を変更するフレネルレンズパターンがエンボス加工されているフレネルレンズ層とを備え、
前記ポケット機構は透明な誘電体から成り、
前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームは前記ポケット機構の上部近傍に位置しており、
前記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームを前記上部開口の端部に挿入後に前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレーム間の距離を長くすることにより前記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームが前記飲料用グラスの内壁面に加える圧力を増加させ
前記フレネルレンズ層が前記飲料用グラス内部の飲料により生じる前記画像の水平方向の拡大を相殺することを特徴とする映像表示装置固定器具。
【請求項2】
前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームが柔軟性を有する層に覆われていることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置固定器具。
【請求項3】
前記距離調整機構として前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を調整するスライド機構を前記ポケット機構に備えることを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の映像表示装置固定器具。
【請求項4】
請求項3に記載の映像表示装置固定器具と、
前記飲料用グラスと、
携帯型通信装置と、
外部のサーバーコンピュータと、
ユーザー操作検知部とを備え、
前記映像表示装置が前記携帯型通信装置の一部であり、
前記ユーザー操作検知部は前記携帯型通信装置の加速度センサー又はカメラセンサーの出力データに基づいてユーザーが前記飲料用グラスを移動、傾斜又は他物体へ衝突させたことを検知し、出力信号を前記外部のサーバーコンピュータに送信し、
前記外部のサーバーコンピュータは前記出力信号を受信し、その受信回数をカウントして乾杯操作累計数として記録し、ユーザーが前記乾杯操作累計数を閲覧出来ることを特徴とする遠隔地乾杯カウンターシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の映像表示装置固定器具は、上部開口を有する有底の筒状体であり水平方向に湾曲している飲料用グラスの側面又は側面近傍に映像表示装置を固定する映像表示装置固定器具であり、前記映像表示装置を挿入するポケット機構と、前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第1コの字フレームと、前記上部開口の端部と接合するコの字の形状の第2コの字フレームと、前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を変更する距離調整機構と、前記映像表示装置と前記飲料用グラスの間に前記映像表示装置の画像の縦横比を変更するフレネルレンズパターンがエンボス加工されているフレネルレンズ層とを備え、前記ポケット機構は透明な誘電体から成り、前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームは前記ポケット機構の上部近傍に位置しており、前記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームを前記上部開口の端部に挿入後に前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレーム間の距離を長くすることにより前記第1コの字フレーム及び前記第2コの字フレームが前記飲料用グラスの内壁面に加える圧力を増加させ、前記フレネルレンズ層が前記飲料用グラス内部の飲料により生じる前記画像の水平方向の拡大を相殺することを特徴とする。
また、前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームが柔軟性を有する層に覆われていることを特徴とする。
また、前記距離調整機構として前記第1コの字フレームと前記第2コの字フレームとの間の距離を調整するスライド機構を前記ポケット機構に備えることを特徴とする。
本発明の遠隔地乾杯カウンターシステムは、上記映像表示装置固定器具と、上記飲料用グラスと、携帯型通信装置と、外部のサーバーコンピュータと、ユーザー操作検知部とを備え、前記映像表示装置が前記携帯型通信装置の一部であり、前記ユーザー操作検知部は前記携帯型通信装置の加速度センサー又はカメラセンサーの出力データに基づいてユーザーが前記飲料用グラスを移動、傾斜又は他物体へ衝突させたことを検知し、出力信号を前記外部のサーバーコンピュータに送信し、前記外部のサーバーコンピュータは前記出力信号を受信し、その受信回数をカウントして乾杯操作累計数として記録し、ユーザーが前記乾杯操作累計数を閲覧出来ることを特徴とする。