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▶ コリア アドバンスド インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101433
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】移動拡張型陰圧病棟モジュール
(51)【国際特許分類】
   A61G 10/02 20060101AFI20220629BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20220629BHJP
   E04H 3/08 20060101ALI20220629BHJP
   E04H 15/20 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
A61G10/02 M
F24F7/06 B
E04H3/08 C
E04H15/20 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096989
(22)【出願日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0182911
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】515162224
【氏名又は名称】コリア アドバンスド インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナム,テク-ジン
(72)【発明者】
【氏名】ペ,サンミン
(72)【発明者】
【氏名】ジヨン,ユンウー
(72)【発明者】
【氏名】ペ,チォンシク
(72)【発明者】
【氏名】イ,テシク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンソ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,キョンウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジウン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジヨン
【テーマコード(参考)】
2E141
3L058
4C341
【Fターム(参考)】
2E141BB01
2E141CC01
2E141GG04
3L058BE08
4C341JJ01
4C341KK05
4C341KL02
4C341KL04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動拡張型陰圧病棟モジュールに係り、より詳細には、陽圧又は陰圧施設が構築されるうえ、移動及び拡張が可能であり、様々なモジュール組み合わせによって多目的に活用することができる陰圧病棟モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールは、二重膜からなり、内部に所定の空間を形成するための複数のエアビーム11が設置された一つ以上のエアテントと、前記一つ以上のエアテント10の側面に形成された連結部を介してエアテント10を互いに連結するように設置され、前記エアテント10の内部を陰圧に維持させるための陰圧フレームと、前記エアテント10の側面に形成された連通部とモジュール連結部を介して互いに連結される機能パネル30と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重膜からなり、内部に所定の空間を形成するための複数のエアビームが設置された一つ以上のエアテントと、
前記一つ以上のエアテントの側面に形成された連結部を介してエアテントを互いに連結するように設置され、前記エアテントの内部を陰圧に維持させるための陰圧フレームと、
前記エアテントの側面に形成された連通部とモジュール連結部を介して互いに連結される機能パネルと、を含む、陰圧病棟モジュール。
【請求項2】
前記陰圧フレームは、
前記一つ以上のエアテントを出入りするために連通している空間が形成された出入部と、
上部の一側に位置して外気を吸入する給気部、及び給気部を介して吸入された空気がフィルタリングされて前記エアテントの上部に向かって供給するダクト部を含む給気モジュールと、
前記エアテントの内部空気を吸入して浄化フィルターを通過させることにより外部へ排出させる排気モジュールと、
前記給気モジュール又は前記排気モジュールを制御する制御モジュールと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の陰圧病棟モジュール。
【請求項3】
前記制御モジュールは、
前記エアビームの圧力を維持するためのエアポンプ、及び
エアテントの内部温度を調節するための温度調節装置をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の陰圧病棟モジュール。
【請求項4】
前記機能パネルは、内部空間が開放されて通路が形成されたフレームと、内部空間が閉鎖された壁状のパネルとに区分され、
前記フレームは、自動ドアが設置された自動ドアフレームと、他のエアテントへ移動するための連結通路として機能する通路フレームとからなり、
前記パネルは、壁パネル、ブラインドが設置された窓パネル、医療設備を提供するための医療設備パネル、洗面のための洗面パネル、非接触式で診療するために透明ガラスにグローブが設置され、ものをやりとりするためのグローブ及びパスボックスパネル、及び冷房機又は暖房機が設置された冷暖房パネルからなることを特徴とする、請求項1に記載の陰圧病棟モジュール。
【請求項5】
二重膜からなる前記エアテントの天井部は、多数の微細穿孔が形成され、前記ダクト部から供給される外気が天井部の穿孔を介してエアテントの内部に流入することを特徴とする、請求項1に記載の陰圧病棟モジュール。
【請求項6】
前記連通部は、一つ以上からなり、前記モジュール連結部を介して機能パネルが連通部に対して着脱されることを特徴とする、請求項1に記載の陰圧病棟モジュール。
【請求項7】
前記エアテントの上部または下部の内側面の周りに沿って延設され、
前記エアテントの側面に結合設置される複数の機能パネルを互いに連結するための連結バーをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の陰圧病棟モジュール。
【請求項8】
前記連結バーは、前記エアテントの内部コーナーに設置されるジョイントによって互いに組み立てられ、
前記連結バーの内部には、電線連結のための電線挿入溝が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の陰圧病棟モジュール。
【請求項9】
前記連結バーの内部で長さ方向に沿って延設されるLEDをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の陰圧病棟モジュール。
【請求項10】
前記機能パネルの縁部に隣接して設けられ且つ内側面を一部貫通するように形成される複数の引込溝を含み、
前記連結バーは、前記引込溝に対応する位置に形成され且つ前記引込溝に挿着される固定突起をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の陰圧病棟モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動拡張型陰圧病棟モジュールに係り、より詳細には、陽圧又は陰圧施設が構築されるうえ、移動及び拡張が可能であり、様々なモジュール組み合わせによって多目的に活用することができる陰圧病棟モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で別に表示されない限り、このセクションで説明される内容は、この出願の請求項に対する従来技術ではなく、このセクションに含まれるとしても従来技術と認められるわけではない。
【0003】
最近、現代人の生活が豊かになるにつれて、健康や衛生に対する認識も高まった。しかし、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)、2015年に流行した中東呼吸器症候群(MERS)という感染症を経験しながら防疫の重要性が高まったにも拘らず、最近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という感染症により、韓国だけでなく、世界中の人々がウイルスや新種の病気に対する危険性を認知し、克服するために苦労している。これらの感染症の拡散が続き、感染症から誰も安全ではないという認識が大きくなり、マスク着用などの日常防疫を始め、建物やその他の施設への殺菌処理が定期的に行われている。
これらのウイルスによる感染症は、呼吸器を介して感染されるが、感染速度がかなり速く、何処で誰から感染されたかについての感染経路を追跡することが容易ではないため、感染された人々に対する即時隔離が必要である。特に、感染症確定者が診療を受けに訪ねた場合或いは入院した場合には、病室内で周辺の医療スタッフや病院内の他の患者または外部の訪問者に感染させることにより2次感染を起こすおそれがあり、感染症確定者は、病室内部の空気が外部へ排出されないようにするために陰圧病棟の内部に入院して治療を受けるべきである。
前記陰圧病棟は、病棟内の気圧を大気圧よりも低く維持させて病棟内の空気や飛沫などに含まれているウイルスが外部へ排出されないように遮断し、前記陰圧病棟内の空気は、フィルター(一般的には、HEPAフィルターを使用する)などを含む排気施設を経てフィルタリングされた空気が外部へ排出されるようにする病棟を意味する。このような陰圧病棟は、大きく陰圧を維持することができる空調施設と、空気が外部から内部へのみ移動するので病室内の汚染度が高くなるおそれがあり、これを防止するための換気システムとから構成される。前記空調施設は、吸気ファン、排気ファン、及び圧力を調節するための圧力維持ユニットなどで構成され、吸気ファンと排気ファンでのファン速度などを制御して病室の内部を陰圧にすることができる。
ところが、前述した陰圧病棟は、設置及び運営に要する費用が相当であり、数多くの感染症確定者を収容することができるスペースを持つ陰圧病棟を常に備えていることが現実的には不可能であるため、大型病院でさえ陰圧病棟の設置を嫌っている。最近では、病室自体を陰圧病室に変える方式や、移動式モジュールを持つ陰圧病棟を設置して患者を管理する方式も多く活用されているが、病室自体を陰圧病棟に作るためには、新たにシステムを構築するか或いは病室を改造しなければならないので、時空間的制約が非常に大きいという欠点があり、移動式モジュールを持つ陰圧病棟の場合にも、病室と前室の両方に空気浄化のための換気システムを構築しなければならないので、コスト的負担は依然として存在する。それだけでなく、病室や前室に特定の機器を設置するために、或いは、非接触式診療のためにガラス壁を介して医師が患者の状態を確認する際に物理的な接触を遮断することができる構成や、トイレやその他の場所へ移動するための連結通路などの構成を設置するためには、これをすべて個別に設置しなければならないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1646524号公報(2016年8月8日公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、病室内の陽圧または陰圧形成のための陰圧フレームとエアテントを介して移動及び拡張が可能でありながら、様々なモジュールを組み合わせて多目的に活用することができる陰圧病棟モジュールを提供することを目的とする。
また、上述したような技術的課題に限定されず、以下の説明から別の技術的課題が導き出される可能性もあるのは自明である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールは、二重膜からなり、内部に所定の空間を形成するための複数のエアビームが設置された一つ以上のエアテントと、前記一つ以上のエアテントの側面に形成された連結部を介してエアテントを互いに連結するように設置され、前記エアテントの内部を陰圧に維持させるための陰圧フレームと、前記エアテントの側面に形成された連通部とモジュール連結部を介して互いに連結される機能パネルと、を含む。
本発明の好適な特徴によれば、前記陰圧フレームは、前記一つ以上のエアテントを出入りするために連通している空間が形成された出入部と、上部の一側に位置して外気を吸入する給気部、及び給気部を介して吸入された空気がフィルタリングされて前記エアテントの上部に向かって供給するダクト部を含む給気モジュールと、前記エアテントの内部空気を吸入して浄化フィルターを通過させることにより外部へ排出させる排気モジュールと、前記給気モジュール又は排気モジュールを制御する制御モジュールと、を含むことを特徴とする。
本発明の好適な特徴によれば、前記制御モジュールは、前記エアビームの圧力を維持するためのエアポンプ、及びエアテントの内部温度を調節するための温度調節装置をさらに含むことを特徴とする。
本発明の好適な特徴によれば、前記機能パネルは、内部空間が開放されて通路が形成されたフレームと、内部空間が閉鎖された壁状のパネルとに区分され、前記フレームは、自動ドアが設置された自動ドアフレームと、他のエアテントへ移動するための連結通路として機能する通路フレームとからなり、前記パネルは、壁パネル、ブラインドが設置された窓パネル、医療設備提供のための医療設備パネル、洗面のための洗面パネル、非接触式で診療するために透明ガラスにグローブが設置され、ものをやりとりするためのグローブ及びパスボックスパネル、及び冷房機又は暖房機が設置された冷暖房パネルからなることを特徴とする。
本発明の好適な特徴によれば、二重膜からなる前記エアテントの天井部は、多数の微細穿孔が形成され、前記ダクト部から供給される外気が天井部の穿孔を介してエアテントの内部に流入することを特徴とする。
本発明の好適な特徴によれば、前記連通部は、一つ以上からなり、前記モジュール連結部を介して機能パネルが連通部に対して着脱されることを特徴とする。
本発明の好適な特徴によれば、前記エアテントの上部または下部の内側面の周りに沿って延設され、前記エアテントの側面に結合設置される複数の機能パネルを互いに連結するための連結バーをさらに含むことを特徴とする。
本発明の好適な特徴によれば、前記連結バーは、前記エアテントの内部コーナーに設置されるジョイントによって互いに組み立てられ、前記連結バーの内部には、電線連結のための電線挿入溝が形成されることを特徴とする。
本発明の好適な特徴によれば、前記連結バーの内部で長さ方向に沿って延設されるLEDをさらに含むことを特徴とする。
本発明の好適な特徴によれば、前記機能パネルの縁部に隣接して設けられ且つ内側面を一部貫通するように形成される複数の引込溝を含み、前記連結バーは、前記引込溝に対応する位置に形成され且つ前記引込溝に挿着される固定突起をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エアテントからなる陰圧病棟を介してエアビームでエアテント内部の圧力及び形態を維持しながら、エアビームの中の空気を抜いて容易に移動及び保管することができるという利点がある。
また、本発明によれば、エアテントの側面に様々な機能パネルを着脱方式で結合することができるため、必要な機能パネルを設置して使用することができるという利点がある。
また、本発明によれば、一つの陰圧フレームを中心に両側に設置されたエアテント構造によって、エアテントに外気を供給し、エアテントの内部空気を浄化させて外部へ排出させることができ、両側のエアテントの圧力を個別に調節することができ、陰圧フレームの内部に設置された給気モジュール及び排気モジュールのファン作動を調節してエアテント内の陽圧/陰圧を調節することができるという利点がある。
本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールの分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールにおける陰圧フレームの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールにおける陰圧フレームの詳細図である。
図5】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールにおける、エアテント内の空気流れを示す状態図である。
図6】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールにおいて、陰圧フレームまたは機能パネルがモジュール連結部を介してエアテントに連結される詳細図である。
図7】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールにおいて、連結バーによって機能パネルが固定される状態を示す詳細図である。
図8】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールにおいて、連結バーによって機能パネルが固定される状態を示す詳細図である。
図9】本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールにおいて、連結バーに設置されたLEDが作動するエアテントの内部構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、好適な実施形態に係る陰圧病棟モジュールの構成、動作及び作用効果について説明する。ちなみに、以下の図面において、各構成要素は、利便性及び明確性のために省略されているか或いは概略的に図示されており、各構成要素の大きさは、実際のサイズを反映するのではない。また、明細書全体にわたって、同一の参照符号は同一の構成要素を指し示し、個別図面における同一の構成に対する図面符号は省略する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る陰圧病棟モジュールは、二重膜からなり、内部に所定の空間を形成するための複数のエアビーム11が設置された一つ以上のエアテント10と、前記一つ以上のエアテント10の側面に形成された連結部13を介してエアテント10を互いに連結するように設置され、前記エアテント10の内部を陰圧に維持させるための陰圧フレーム20と、前記エアテント10の側面に形成された連通部15とモジュール連結部40を介して互いに連結される機能パネル30と、を含む。
【0011】
前記陰圧病棟モジュールは、基本的に、内部に患者や医師が位置することができるように所定の空間を形成するエアテント10、陰圧形成のための陰圧フレーム20、及び機能パネル30の3つの構成要素からなる。より詳細には、前記エアテント10は、六面体のように、患者が居住及び活動することができるように所定の空間が形成されるために、複数のエアビーム11がテントの内部で外側フレームとして作用する。つまり、前記エアビーム11がエアテント10の全体外観を形成するようにするために一定の間隔で配列され、前記エアビーム11を包みながらエアテントが設置できる。前記エアテント10は、内皮と外皮の二重膜で構成でき、テント素材に限定されるものではなく、エアマットに使用される素材、すなわち空気注入口を介して空気が注入されて形作られるエアマット素材などでも構成できる。一側面には、陰圧フレーム20が連結できるように空間が形成される連結部13、別の側面には、機能パネル30が連結できるように空間が形成される連通部15をそれぞれ含むことができる。前記連結部13または連通部15は、人が出入りできる程度の幅と高さを持つように形成されることが好ましく、開放された空間の外側縁に沿って陰圧フレーム20または機能パネル30と連結されるためのモジュール連結部40が形成できる。前記モジュール連結部40は、マジックテープやジッパー、磁石、クリップ方式などのように簡単に着脱可能な構造で形成できる。本発明ではマジックテープ方式を取るが、これに限定されるものではない。上述したマジックテープ方式のモジュール連結部40を介して互いに連結される陰圧フレーム20、機能パネル30及びエアテント10は、一つのモジュールとして作用して容易に設置及び移動が可能となる。
【0012】
次に、前記一つ以上のエアテント10の側面に形成された連結部13を介してエアテント10を互いに連結するように設置され、前記エアテント10の内部を陰圧に維持させるための陰圧フレーム20を含むことができる。前記陰圧フレーム20を中心に両側にエアテント10の連結部13と連結されてエアテント20を互いに連結することができ、陰圧病棟の場合は、1つは病室テントとして、もう一つは前室テントとして使用することができる。ここで、前記エアテント10と陰圧フレーム20とは、モジュール連結部40を介して互いに連結できる。
また、本発明の好適な特徴によれば、前記陰圧フレーム20は、前記一つ以上のエアテント10を出入りするために連通している空間が形成された出入部21と、上部の一側に位置して外気を吸入する給気部231、及び給気部231を介して吸入された空気がフィルタリングされて前記エアテント10の上部に向かって供給するダクト部233を含む給気モジュール23と、前記エアテント10の内部空気を吸入して浄化フィルターを通過させて外部へ排出させる排気モジュール25と、前記給気モジュール23または排気モジュール25を制御する制御モジュール27と、を含むことを特徴とする。
より詳細には、前記陰圧フレーム20を介して2つの陰圧テント10が互いに連結でき、前記陰圧フレーム20の中央に所定の幅と高さを持つように形成された出入部21が前室テントから病室テントへ移動するための移動通路の役割を果たす。次に、前記陰圧フレーム20の一側に形成され、吸入ファンを介して外気を吸入し、ダクト部233を介してエアテント10の上部に向かって供給する給気モジュール23を含むことができる。前記給気モジュール23の上部には外気を吸入するための給気部231が形成され、前記給気部231にはフィルターが設置され、給気モジュール23に設置された吸入ファンを介して外気を浄化させて吸入する。次に、給気モジュール23を介してフィルタリングされた空気は、給気モジュール23の両側に形成されたダクト部233を介してエアテント10の天井に向かって外気を供給することができる。前記ダクト部233を介して供給された空気は、エアテント10の上部に形成された微細穿孔を介して天井からテントの下部に向かって伝達できる。前記給気モジュール23に設置された吸入ファンの作動速度などを制御して、エアテント10の内部に供給される空気の量を調節することができるため、前記給モジュール23は陽圧機として機能することができる。
【0013】
本発明の好適な特徴によれば、二重膜からなる前記エアテント10の天井部17は、多数の微細穿孔が形成され、前記ダクト部233から供給される外気が天井部17の穿孔を介してエアテント10の内部に流入することを特徴とする。
前記エアテント10の天井部17の微細穿孔は、天井部17の全体にわたって形成されており、前記ダクト部233を介してエアテント10の上部に供給された空気は、直ちにエアテント10の内部に供給されず、天井部17に沿って流動しながら微細穿孔を介してエアテント10に全体的に供給され得る。また、前記エアテント10は、内皮と外皮の二重膜からなるが、エアテント10の内部に形成された天井部17によって、実質的には三重膜で構成され、エアテント10の内部からウイルスなどが外部へ流出するのを最大限防止し、内部温度を一定に維持させるのに容易であるという利点がある。
また、前記エアテント10の内部空気を吸入して浄化フィルターを通過させて外部へ排出させる排気モジュール25をさらに含むことができる。前記排気モジュール25に含まれている吸入ファンを介してエアテント10の内部空気を吸入して浄化フィルター、好ましくはHEPAフィルターを通過させることにより、浄化された空気を外部へ排出させる。前記排気モジュール25は、陰圧フレーム20の下部に二つ以上並べて配置できる。一つの排気モジュール25は、一側に連結されたエアテント10(ここでは、病室テント)の空気を吸入することができ、もう一つの排気モジュール25は、他側に連結されたエアテント10(ここでは、前室テント)の空気を吸入して外部へ排出させることができる。前記排気モジュール25に設置された吸入ファンの作動速度などを制御して、エアテント10から外部へ排出される空気の量を調節することができるため、前記排気モジュール25は陰圧機として機能することができる。
【0014】
また、前記給気モジュール23と排気モジュール25を制御することが可能な制御モジュール27を含むことができる。前記制御モジュール27は、給気モジュール23と排気モジュール25の作動を制御して、エアテント10の内部状態を陰圧に制御することができ、これを確認することができるようにするモニター部29を含むことができる。前記モニター部29は、前記陰圧フレーム20の両側に形成され、病室と前室で陰圧状態を確認することができ、必要に応じて陰圧状態を制御することもできる。
本発明の好適な特徴によれば、前記制御モジュール27は、前記エアビーム11の圧力を維持するためのエアポンプ、及びエアテント10の内部温度を調節するための温度調節装置をさらに含むことを特徴とする。
前記制御モジュール27内には、エアテント10の枠組みを形成するエアビーム11に空気を注入し、その圧力を維持するためのエアポンプを含むことができる。例えば、最初のエアテントを設置する場合、エアポンプを介してエアビーム11に空気を注入してエアテント10の骨組みを作った後、エアテント10を設置して病室を作り、未使用の際にはエアビーム11の空気を抜いて体積を最小化させて保管及び移動を容易にすることができる。また、前記エアテント10の内部温度を調節するための温度調節装置が設置されるが、コンデンサ、ヒーター及び電熱交換モジュールなどで構成された温度調節装置を介してエアテント10の内部温度を調節することができ、これも前記制御モジュール27によって制御され、エアテント10の内部に位置したユーザーによってモニター部29を介して制御することもできる。
また、前記給気モジュール23を介してエアテント10の内部へ供給する空気の量は、排気モジュール25を介して外部へ排出される空気の量よりも常に少なく維持されなければならず、これは、制御モジュール27を介して常に制御される。例えば、前記排気モジュール25でエアテント10の内部空気を吸入して外部へ排出させる空気の量を減らし、給気モジュール23で吸入する空気の量を増やすと、陰圧ではなく、陽圧状態に変えることができる。それにより、複数のエアテント10、及びこれらを互いに連結する陰圧フレーム20によって陰圧病棟を実現することができるとともに陽圧室としても活用することができるという利点がある。
【0015】
本発明の好適な特徴によれば、前記機能パネルは、内部空間が開放されて通路が形成されたフレームと、内部空間が閉鎖された壁状のパネルとに区分され、前記フレームは、自動ドアが設置された自動ドアフレーム、及び他のエアテントへ移動するための連結通路として機能する通路フレームから構成され、前記パネルは、壁パネル、ブラインドが設置された窓パネル、医療設備を提供するための医療設備パネル、洗面のための洗面パネル、非接触式で診療するために透明ガラスにグローブが設置され、ものをやりとりするためのグローブ及びパスボックスパネル、冷房機又は暖房機が設置された冷暖房パネルから構成されることを特徴とする。
【0016】
本発明の好適な特徴によれば、前記連通部15は、一つ以上からなり、前記モジュール連結部40を介して機能パネル30が連通部15に対して着脱されることを特徴とする。
前記機能パネル30の場合、エアテント10とその他の施設とを連結させるための通路として機能するが、薄い厚さの板状からなることができる。前記機能パネル30の外側部に沿ってモジュール連結部40が形成でき、前記モジュール連結部40とエアテント10の連通部15の縁部に形成されたモジュール連結部40とが相互結合しながら、機能パネル30がエアテント10に対して容易に着脱できる。また、前記機能パネル30は、連結バー60を介してエアテント10の連通部15に連結されて構造を補強する。ここで、前記連結バー60は、電線と照明が設置され、エアテント10の内部を照らすことができる。前記機能パネル30は、内部が空いている通路になることもでき、医療設備やその他の便宜施設を提供するための連結装置として機能することもできる。それに対する一実施形態として、前記機能パネル30は、自動ドアや引き戸、ブラインドなどが設置された窓、冷房機や暖房機が設置されたパネル、エアや酸素、バキュームなどを供給するための連結部が設置された医療設備パネル、医師が患者を非接触式で診療するために、患者の状態を確認することができる透明ガラスが設置され、その中央にグローブが形成されたグローブパネル、洗面施設が備えられた洗面パネルなどで構成できる。ここで、前記洗面パネルは、簡易トイレのように患者が簡単に洗面及びシャワーすることができる所定の空間が形成されたトイレ機能パネルでも構成できる。このようにさまざまな機能パネル30がエアテント10の連通部15を介して結合されるので、ユーザーの必要に応じて、必要な機能パネル30を設置、使用することができる。
【0017】
本発明の好適な特徴によれば、前記エアテント10の上部または下部の内側面の周りに沿って延設され、前記エアテント10の側面に結合設置される複数の機能パネル30を互いに連結するための連結バー60をさらに含むことを特徴とする。
前記連結バー50は、エアテント10の内側面の周りに沿って形成されるフレームであって、複数の機能パネル30が結合した状態で、マジックテープのみでは結合力が足りなくて容易に破れたり離脱したりするおそれがあるので、これを防止するための追加固定手段である。前記エアテント10の連通部15に機能パネル30が全て結合した状態で、複数の機能パネル30が連結バー50によって全て連結されるようにすることにより、機能パネル30同士の固定及びそれによるエアテント10との固定力を増加させることができる。
それだけでなく、前記連結バー50は、ユーティリティラインや照明などとしてさらに活用することもできる。
それに対する一実施形態として、本発明の好適な特徴によれば、前記連結バー50の内部で長さ方向に沿って延設されるLED57をさらに含むことを特徴とする。
前記陰圧フレーム20と機能パネル30が全て結合したエアテント10の内部は、別途の照明がなければ暗い空間を形成するが、前記連結バー50の内部にはLED57が設置されて病室や前室の内部に採光効果を与えることができ、上部に設置された連結バー50と下部に設置された連結バー50の照明の色温度を異ならせることにより(例えば、上部連結バー50は青色系、下部連結バー50は暖色系のLED57を設置して、朝には起床を助けるための青色系の上部LED57を作動させ、夜には熟眠を助けるための暖色系の下部LED57を作動させる方式など)、内部患者の心理の安定に役立つことができる。また、前記連結バー50に設置されたLEDの作動や色温度は、陰圧フレーム20の制御モジュール27によって制御でき、必要に応じて、病室や前室の内部でもLEDの作動などを制御することもてきる。上述のように連結バー50が機能パネル30間の相互連結による固定力を増大させるだけでなく、連結バー50の内部に設置されたLED57による照明効果を同時に提供することができる。
【0018】
また、本発明の好適な特徴によれば、前記連結バー50は、前記エアテント10の内部コーナーに設置されるジョイント53によって互いに組み立てられ、前記連結バー50の内部に電線連結のための電線挿入溝55が形成されることを特徴とする。
前記連結バー50は、一方向に延設される一つのシャフト形状を有することができ、このように形成された連結バー50がエアテント10内の各面に接して延設される。このとき、各面に設置された連結バー50を互いに連結するために、エアテント10の内部コーナーに設置されるジョイント53をさらに含むこともできる。前記ジョイント53は、L字形などをしており、エアテント10の内部コーナーに設置された状態で両方の方向から挿入される連結バー50をボルトナット組立てや嵌合方式などによって結合する。
前記連結バー50は、陰圧フレーム20と接触する部分で一部開口し、陰圧フレーム20に設置された電源を病室又は前室の内部に伝達することもできる。前記連結バー50は、エアテント10の内部の周りに沿って延設されるが、前記陰圧フレーム20から電線が連結バー50の内部で電線を連結するために形成された電線挿入溝55を介して延設され、電源供給が必要な位置まで続くようにすることにより、陰圧フレーム20から病室内の電源供給が行われる位置まですっきり電線処理しながら電源供給が可能となる。このように延長される電線は、電源供給が必要な機能パネル30、例えば透明状態と不透明状態を制御することができる窓パネルなどの機能パネル30に電源を供給することにより、ユーザーの選択に応じて窓を不透明状態に制御することもできる。
本発明の好適な特徴によれば、前記機能パネル30の縁部に隣接して設けられ且つ内側面を一部貫通するように形成される複数の引込溝31を含み、前記連結バー50は、前記引込溝31に対応する位置に形成され、前記引込溝31に挿着される固定突起51をさらに含むことを特徴とする。
前記引込溝31と固定突起51は、エアテント10の内側面に沿って形成される連結バー50と機能パネル30間の固定力を増加させるための構成であって、前記機能パネル30の縁部に隣接して設けられ且つ内側面に沿って一定の深さ貫通した引込溝31が形成できる。好ましくは、前記機能パネル30の上部左右側、下部左右側に形成でき、前記連結バー50の外側面には、引込溝31に対応する位置で引込溝31に挿入されるように突起形状からなる固定突起51が形成できる。それにより、前記機能パネル30がエアテント10に結合した状態で、連結バー50の固定突起51が機能パネル30の引込溝31に嵌め込まれて追加の固定力を与えることができる。
【0019】
以上、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明したが、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる様々な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。したがって、上述した実施形態は、あらゆる面で例示的なもので、限定的なものではないと理解されるべきであり、本発明の範囲は、詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出されるすべての変更又は変形形態が本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0020】
10 エアテント
11 エアビーム
13 連結部
15 連通部
17 天井部
20 陰圧フレーム
21 出入部
23 給気モジュール
231 給気部
233 ダクト部
25 排気モジュール
27 制御モジュール
29 モニター部
30 機能パネル
31 引込溝
40 モジュール連結部
50 連結バー
51 固定突起
53 ジョイント
55 電線挿入溝
57 LED
図1
図2
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図9