(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101441
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】動脈硬化計測装置、動脈硬化計測プログラム、及び、動脈硬化計測装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/02 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A61B5/02 A
A61B5/02 310A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123374
(22)【出願日】2021-07-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】P 2020215545
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515045662
【氏名又は名称】メディカルフォトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100126147
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 成年
(72)【発明者】
【氏名】飯永 一也
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AC28
4C017BC11
4C017BC16
4C017BC20
4C017BD06
4C017FF05
(57)【要約】
【課題】 動脈硬化や動脈瘤の検査をすることが可能な装置を提供する。
【解決手段】 被検体へ光を照射する照射部と、被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する受光部と、受光強度の時間変化による波形を微分して微分波形を算出し、微分波形に周期的なピークがない場合には、健常者と判定し、微分波形に周期的な下向きのピークがある場合には、頸動脈肥厚と判定し、微分波形に周期的な上向きのピークがある場合には、動脈瘤と判定する制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体へ光を照射する照射部と、
前記被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する受光部と、
前記受光強度の時間変化による波形を微分して微分値を算出し、
所定の分析区間における前記微分値の平均値と標準偏差を算出し、
前記微分値の平均値から前記標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する前記微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定し、
前記微分値の平均値に前記標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する前記微分値がある場合には、動脈瘤と判定する、
制御部と、
を有する動脈硬化計測装置。
【請求項2】
前記所定倍は、2.6倍である、請求項1に記載の動脈硬化計測装置。
【請求項3】
前記所定の周期は、0.5~2.0Hzである、請求項1または2に記載の動脈硬化計測装置。
【請求項4】
コンピュータに、
被検体へ光を照射する処理と、
前記被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する処理と、
前記受光強度の時間変化による波形を微分して微分値を算出する処理と、
所定の分析区間における前記微分値の平均値と標準偏差を算出する処理と、
前記微分値の平均値から前記標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する前記微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定する処理と、
前記微分値の平均値に前記標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する前記微分値がある場合には、動脈瘤と判定する処理と、
を実行させる動脈硬化計測プログラム。
【請求項5】
被検体へ光を照射し、
前記被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出し、
前記受光強度の時間変化による波形を微分して微分値を算出し、
所定の分析区間における前記微分値の平均値と標準偏差を算出し、
前記微分値の平均値から前記標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する前記微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定し、
前記微分値の平均値に前記標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する前記微分値がある場合には、動脈瘤と判定する、
動脈硬化計測装置の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、動脈硬化計測装置、動脈硬化計測プログラム、及び、動脈硬化計測装置の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の血流データに基づく動脈硬化診断方法は、流速や血圧などといった、絶対値としての計測データが必要であった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絶対値計測は、測定結果の信頼性を得るためには重要な情報であるが、一方で、非侵襲的に計測する場合において、超音波を用いるなどの計測湯法の限定や、装置の高額化が課題となるケースも多くみられる。
【0005】
また、動脈硬化などの血管の性状をPWVなどが用いられる。これは、脈波伝搬速度から動脈の硬さを計測するものである。この脈波伝搬速度計測では、詳細な波形解析や絶対値としての計測値を用いることで、その診断制度を高めてきた。
【0006】
しかしながら、このように高精度な性能を追求することにより、一般家庭でも安価かつ簡便に使える装置ではなくなってしまったのも事実である。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされた発明であって、絶対値計測を用いずとも、動脈硬化や動脈瘤の検査を可能とする装置、プログラム、及び、装置の作動方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の動脈硬化計測装置は、被検体へ光を照射する照射部と、被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する受光部と、受光強度の時間変化による波形を微分して微分値を算出し、微分値の平均値と標準偏差を算出し、微分値の平均値から標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定し、微分値の平均値に標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、動脈瘤と判定する制御部と、を有する。
【0009】
本発明の動脈硬化計測プログラムは、コンピュータに、被検体へ光を照射する処理と、被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する処理と、受光強度の時間変化による波形を微分して微分値を算出する処理と、微分値の平均値と標準偏差を算出する処理と、微分値の平均値から標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定する処理と、微分値の平均値に標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、動脈瘤と判定する処理とを実行させる。
【0010】
本発明の動脈硬化計測装置の作動方法は、被検体へ光を照射し、被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出し、受光強度の時間変化による波形を微分して微分値を算出し、微分値の平均値と標準偏差を算出し、微分値の平均値から標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定し、微分値の平均値に標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、動脈瘤と判定する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図6】頸動脈肥厚がある場合の受光強度の時間変化の図
【
図7】頸動脈肥厚がある場合の波形を微分処理した図
【
図10】実施形態の動脈硬化計測装置の作動方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に実施形態を図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、実施形態の動脈硬化計測装置1の構成例を概略的に示す図である。
図1に示すように動脈硬化計測装置1は、照射部2、受光部3、及び、制御部4を有する。また、照射部2による生体(被検体)上の照射位置を照射位置21とし、受光部3による生体上の受光位置を受光位置31とする。
【0014】
照射部2は照射光を生体に照射する。照射部2は、制御部4により、照射する光の波長や照射強度が制御されてもよい。実施形態では、照射部2はLED(Light Emitting Diode)(810nm)である。
【0015】
実施形態の照射部2は、光の連続的な照射や光のパルス状の照射等の光を照射する時間の長さを任意に調整することができる。
【0016】
照射部2は、波長が固定された光源を用いてもよい。照射部2は、波長が異なる複数の光源あるいは複数の波長の光を混合したものであってもよい。照射部2は、例えば、蛍光灯、LED、レーザー、白熱灯、HID、ハロゲンランプ等である。照射部2の照度は、制御部4により制御されてもよい。
【0017】
実施形態の受光部3は、受光位置31において生体内から生体外に放出される光を受光して、光強度を検出する。実施形態の受光部3は、フォトダイオードである。受光部3は、フォトダイオードに限られず、CCDやCMOSでもよい。受光部3は、波長を可入射波長に設定し、その波長を受光できるものでもよい。実施形態では、受光部3にフォトダイオードを用い、サンプリングレートは2msに設定した。
【0018】
次に、動脈硬化計測装置1の制御系の構成について説明する。
図2は実施形態の動脈硬化計測装置1のブロック図である。システムバス142を介して、CPU(Central Processing Unit)141、ROM(Read Only Memory)143、RAM(Random Access Memory)144、記憶部145、外部I/F(Interface)146、照射部2、及び、受光部3が接続される。CPU141とROM143とRAM144とで制御部4を構成する。
【0019】
ROM143は、CPU141により実行されるプログラムや閾値を予め記憶する。
【0020】
RAM144は、CPU141が実行するプログラムを展開するエリアと、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリア等を有する。
【0021】
記憶部145は、処理に必要なデータを記憶する。記憶部145は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などである。
【0022】
外部I/F146は、例えばクライアント端末(PC)などの外部装置と通信するためのインターフェースである。外部I/F146は、外部装置とデータ通信を行うインターフェースであれば良く、たとえば、外部装置にローカルに接続する機器(USBメモリ等)であっても良いし、ネットワークを介して通信するためのネットワークインターフェースであっても良い。
【0023】
以上のような構成を備える動脈硬化計測装置1において、予め設定されているプログラムに基づいて、動脈硬化計測装置1は動脈硬化計測ジョブを実行する。
【0024】
図3は、健常者1名、頸動脈肥厚が確認された人1名、及び、動脈瘤が疑われる人1名の計3症例の受光強度の時間変化の測定結果である。
図3のAは健常者の測定結果の波形を示し、Bは、動脈瘤が疑われる人の測定結果の波形を示し、Cは、頸動脈肥厚がある人の測定結果の波形を示す。
【0025】
3症例の受光強度の時間変化を測定した結果、全症例とも、約1秒に1回の受光強度の拍動が確認できる。このときの受光強度は、受光により得られた電圧値である。血管の深さや太さにより値は大きく異なるため、受光強度の絶対値比較で、健常者か動脈硬化による頸動脈肥厚もしくは動脈瘤かの判断は難しいことがわかる。なお、ここで言う電圧値は厳格なmv単位ではないので、a.u.単位で表記した。
【0026】
ただし、受光強度の時間変化による波形を拡大することで、受光強度の時間変化による波形の特徴が確認できる。
【0027】
制御部4は、受光強度の時間変化による波形を微分し、微分波形を算出する。
【0028】
図4は、健常者の場合の受光強度の時間変化による波形(
図3のA)を拡大した図である。図に示すように、健常者の場合には、立ち上がりが強く表れ(
図4のピーク前波形の傾きB)、ピークトップに到達し(
図4のA)、その後、ややなだらかに値が減少する(
図4のピーク後波形の傾きC)という受光強度の時間変化を示す波形となる。
【0029】
制御部4は、受光強度の時間変化の微分波形に、所定周期のピークがない場合には、健常者(頸動脈肥厚や動脈瘤ではない)と判定する。
【0030】
図5は、健常者の場合(
図3のA)の波形を微分処理した微分波形を示す。
図5に示すように、健常者の微分波形に0.5~2.0Hzの周期のピークは確認できない。脈拍に基づく計測原理であることから、ピークの周期は被検体の脈の周期と関連性がある。制御部4は、FFT解析、ウェーブレット変換、Stockwell変換などを用いてピークの周期を取得する。
【0031】
図6は、頸動脈肥厚がある場合の受光強度の時間変化による波形(
図3のC)を拡大した図である。
【0032】
図に示すように、頸動脈肥厚がある場合には、立ち上がりが緩やかになる傾向を示す(
図6のピーク前波形の傾きB)。これは動脈が固くなることで、肥大しにくくなることで、立ち上がりが遅くなり、ピークトップ(
図6のA)が波形の中央付近にシフトしたと考えられる。その後、急に値が減少する(
図6のピーク後波形の傾きC)という受光強度の時間変化を示す波形となる。
【0033】
これらを特徴づけるため、受光強度の時間変化による波形の微分を行うと、
図7のように特異的なピークが得られ、定性的な判断が可能となる。
【0034】
制御部4は、受光強度の時間変化の微分波形に所定周期の下向き(波形微分値のマイナス方向)のピークがある場合には、頸動脈肥厚と判定する。
【0035】
図7は、頸動脈肥厚がある場合(
図3のC)の波形を微分処理した微分波形を示す。頸動脈肥厚がある場合の波形を微分した微分波形には、
図6中の急に値が減少するピーク後波形の傾きC部に相当する部分に、周期的な下向き(マイナス方向)のピークが確認できる(
図7中のA)。概ね1秒に1回すなわち拍動1回につき1個のシグナルが得られる。ただし、計測時にノイズがあると2個以上出てくることがあるので、複数個の形状から推測することも必要となる場合もある。
【0036】
制御部4は、1秒以上(
図7では3秒)の微分波形の区間(
図7中の分析区間)において、受光強度の時間変化の測定値の微分値の平均値と標準偏差σを算出する。制御部4は、受光強度の時間変化の微分値の平均値から、2.6σ(図中の-2.6SD)を引いた値以下の数値を有し、かつ、FFT解析により検出された0.5~2.0Hzの周期(の間隔)で、微分値が存在するか否かを検知する(
図7中のA)。
【0037】
制御部4は、上記条件に当てはまる微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定する。
【0038】
図8は、動脈瘤がある場合の受光強度の時間変化による波形(
図3のB)を拡大した図である。図に示すように、動脈瘤が存在すると、
図8のAのようなピークトップを持つ波形が得られる。そして、ピークの立ち上がり(ピーク前波形の傾きB)と、ピークが下がる部分(ピーク後波形の傾きC)の傾きを比較すると、ピーク後波形の傾きCの傾きが急になることで、ピークトップAの位置が、ピークの中央より後ろにずれる傾向がある。動脈瘤が存在すると、血流の乱れと思われる二峰性のピーク(
図8の二峰ピークD)がみられる。また
図8のEのような肩を持ったピーク(図中の肩有ピーク)が得られることも確認できる。
【0039】
これらを特徴づけるため、受光強度の時間変化による波形の微分を行うと、
図9のように特異的なピークが得られ、定性的な判断が可能となる。
【0040】
制御部4は、受光強度の時間変化の微分波形に周期的な上向き(波形微分値のプラス方向)のピークがある場合には、動脈瘤と判定する。
【0041】
図9は、動脈瘤がある場合(
図3のB)の波形を微分処理した微分波形を示す。動脈瘤がある場合の受光強度の時間変化を微分した微分波形には、
図8のピーク前波形の傾きB部に相当する部分に、周期的な上向き(プラス方向)のピークが現れる(
図9のA)。
【0042】
制御部4は、1秒以上(
図9では3秒)の微分波形の区間(
図9中の分析区間)において、受光強度の時間変化の測定値の微分値の平均値と標準偏差σを算出する。制御部4は、受光強度の時間変化の微分値の平均値に2.6σ(図中の線B)を加えた値以上の数値を有し、かつ、FFT解析により検出された0.5~2.0Hzの周期(の間隔)で、微分値が存在するか否かを検知する(
図9中のA)。
【0043】
制御部4は、上記条件に当てはまる微分値の存在を検知した場合には、動脈瘤と判定する。
【0044】
なお、実施形態では、照射部と受光部と制御部を一体の装置として構成したが、これに限られず、例えば、照射部として、携帯端末(スマートフォン、タブレット、モバイルPC)などのユーザ装置に備わる光源を使用し、受光部として携帯端末(スマートフォン、タブレット、モバイルPC)などのユーザ装置に備わるセンサ(CMOS等)を使用し、制御部をユーザ装置とネットワーク接続したサーバー装置等に設置してもよい。
【0045】
実施形態の動脈硬化計測装置は、被検体へ、光を照射する照射部と、被検体から放出される受光強度を検出する受光部を有するユーザ装置に、通信可能に接続する。動脈硬化計測装置は、ユーザ装置から送信された受光強度から被検体内の動脈硬化(動脈瘤、頸動脈肥厚)を上記処理で判定する制御部を有する。
【0046】
次に、実施形態の動脈硬化計測装置の作動方法について説明する。
図10は、実施形態の動脈硬化計測装置の作動方法(動脈硬化計測処理)のフローチャートである。
【0047】
実施形態の動脈硬化計測装置の作動方法は、上記構成を有する照射部2により、被検体へ光を照射する(STEP101)。受光部3が、被検体から放出される受光強度を検出する(STEP102)。制御部4は、受光強度の時間変化による波形を微分して微分値を算出する(STEP103)。制御部4は、微分値の平均値と標準偏差を算出する(STEP104)。制御部4は、微分値の平均値から標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する前微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定する(STEP105)。制御部4は、微分値の平均値に標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、動脈瘤と判定する(STEP106)。
【0048】
次に、実施形態の動脈硬化計測プログラムについて説明する。なお、当該プログラムは記憶媒体に格納されてもよい。
【0049】
実施形態の動脈硬化計測プログラムは、装置のコンピュータに、被検体へ光を照射する処理と、被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する処理と、受光強度の時間変化による波形を微分して微分値を算出する処理と、微分値の平均値と標準偏差を算出する処理と、微分値の平均値から標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定する処理と、微分値の平均値に標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する微分値がある場合には、動脈瘤と判定する処理とを実行させる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、光学的手法を用い、絶対値計測を用いずとも、動脈硬化や動脈瘤の検査をすることができる。
【0051】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1:動脈硬化計測装置
2:照射部
3:受光部
4:制御部
【手続補正書】
【提出日】2021-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体へ光を照射する照射部と、
前記被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する受光部と、
前記受光強度の時間変化による波形を微分して微分波形を算出し、
所定の分析区間における前記微分波形の波形微分値の平均値と標準偏差を算出し、
前記波形微分値の平均値から前記標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する前記波形微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定し、
前記波形微分値の平均値に前記標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する前記波形微分値がある場合には、動脈瘤と判定する、
制御部と、
を有する動脈硬化計測装置。
【請求項2】
前記所定倍は、2.6倍である、請求項1に記載の動脈硬化計測装置。
【請求項3】
前記所定の周期は、0.5~2.0Hzである、請求項1または2に記載の動脈硬化計測装置。
【請求項4】
コンピュータに、
被検体へ光を照射する処理と、
前記被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する処理と、
前記受光強度の時間変化による波形を微分して微分波形を算出する処理と、
所定の分析区間における前記微分波形の波形微分値の平均値と標準偏差を算出する処理と、
前記波形微分値の平均値から前記標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する前記波形微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定する処理と、
前記波形微分値の平均値に前記標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する前記波形微分値がある場合には、動脈瘤と判定する処理と、
を実行させる動脈硬化計測プログラム。
【請求項5】
被検体へ光を照射し、
前記被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出し、
前記受光強度の時間変化による波形を微分して微分波形を算出し、
所定の分析区間における前記微分波形の波形微分値の平均値と標準偏差を算出し、
前記波形微分値の平均値から前記標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する前記波形微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定し、
前記波形微分値の平均値に前記標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する前記波形微分値がある場合には、動脈瘤と判定する、
動脈硬化計測装置の作動方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の動脈硬化計測装置は、被検体へ光を照射する照射部と、被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する受光部と、受光強度の時間変化による波形を微分して微分波形を算出し、所定の分析区間における微分波形の波形微分値の平均値と標準偏差を算出し、波形微分値の平均値から標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する波形微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定し、波形微分値の平均値に標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する波形微分値がある場合には、動脈瘤と判定する制御部と、を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の動脈硬化計測プログラムは、コンピュータに、被検体へ光を照射する処理と、被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出する処理と、受光強度の時間変化による波形を微分して微分波形を算出する処理と、所定の分析区間における微分波形の波形微分値の平均値と標準偏差を算出する処理と、波形微分値の平均値から標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する波形微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定する処理と、波形微分値の平均値に標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する波形微分値がある場合には、動脈瘤と判定する処理とを実行させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の動脈硬化計測装置の作動方法は、被検体へ光を照射し、被検体から放出された光を受光して、受光強度を検出し、受光強度の時間変化による波形を微分して微分波形を算出し、所定の分析区間における微分波形の波形微分値の平均値と標準偏差を算出し、波形微分値の平均値から標準偏差の所定倍を引いた値以下であり、所定の周期で存在する波形微分値がある場合には、頸動脈肥厚と判定し、波形微分値の平均値に標準偏差の所定倍を加えた値以上であり、所定の周期で存在する波形微分値がある場合には、動脈瘤と判定する。