(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101443
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】蚊よけ組成物及びその調製方法と使用方法
(51)【国際特許分類】
A01N 65/36 20090101AFI20220629BHJP
A01P 17/00 20060101ALI20220629BHJP
A01N 65/08 20090101ALI20220629BHJP
A01N 65/22 20090101ALI20220629BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
A01N65/36
A01P17/00
A01N65/08
A01N65/22
A01N25/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130082
(22)【出願日】2021-08-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-09
(31)【優先権主張番号】202011555427.X
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521349381
【氏名又は名称】楽比(広州)健康産業有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】521400729
【氏名又は名称】広東楽比健康産業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】李易春
(72)【発明者】
【氏名】楊静妍
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AC06
4H011BA05
4H011BB22
4H011DA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】蚊よけ組成物、ならびにその調製方法及び使用方法を提供する。
【解決手段】蚊よけ組成物は、以下の構成要素及びその質量分率を有する。複合植物油7-10分、紫根エキス3-5分、ミツバハマゴウ果実エキス1-3分、徐放性製剤1-2分、乳化剤2-4分、安定剤0.1-0.3分、水165-182分。
【効果】蚊よけ組成物は、ディートや、メトセリンなどの化学成分が含まれていなく、エッセンシャルオイルを加えているため、高安全性、無刺激性であり、アレルギーなどの副作用がなく、安全温和で蚊を駆除することが期待され、長期使用に適する。また、前記蚊よけ組成物は、蚊を駆除する効果が明らかであるとともに、効果の持続時間が長く、しかも蚊に刺された後かゆみ止め効果は明らかである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蚊よけ組成物であって、それは、以下の構成要素及びその質量分率を有することを特徴とする蚊よけ組成物。
複合植物油7-10分、紫根エキス3-5分、ミツバハマゴウ果実エキス1-3分、徐放性製剤1-2分、乳化剤2-4分、安定剤0.1-0.3分、水165-182分。
【請求項2】
以下の構成要素及びその質量分率を有することを特徴とする請求項1に記載の蚊よけ組成物。
複合植物油9分、紫根エキス4分、ミツバハマゴウ果実エキス2分、徐放性製剤1.5分、乳化剤3分、安定剤0.2分、水175分。
【請求項3】
前記複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比4-6:3-5に基づいて構成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物。
【請求項4】
前記紫根エキスの調製方法は以下の通りであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物。
紫根を微塵に砕いて、50-80メッシュを透過させて、紫根粗粉が得られるステップ(1)と、
ステップ(1)で得た紫根粗粉を冷凍し、冷凍温度は0-4℃、冷凍時間は4-6時間、冷凍後の紫根粗粉が得られるステップ(2)と、
ステップ(2)で得た冷凍後の紫根粗粉を、100-150メッシュを透過させて、紫根微細粉末が得られるステップ(3)と、
ステップ(3)で得た紫根微細粉末を容器に入れて、上記紫根微細粉末の質量の8-15倍の体積分率が95%となるエタノール水溶液を加え、超音波抽出し、超音波のパワーは100-200Wであり、超音波の時間は7-12minであり、ろ過し、ろ過液をエタノール臭が解消されるまでに減圧し濃縮することで、紫根エキスが得られるステップ(4)。
【請求項5】
前記徐放性製剤は、ナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比1-2:5-7:12-15に基づいて構成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物。
【請求項6】
前記ナノアタパルジャイトの粒度は10-30 nmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物。
【請求項7】
前記ナノアタパルジャイトの粒度は20 nmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物。
【請求項8】
前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比2-3:5-8に基づいて構成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物。
【請求項9】
蚊よけ組成物の調製方法であって、そのステップは以下の通りであることを特徴とする請求項1-8のいずれかに記載の蚊よけ組成物の調製方法。
複合植物油と乳化剤を混合し、均一にかき混ぜて、混合物Aが得られるステップ1と、
安定剤に水を加え、完全に溶解するまでかき混ぜて、徐放性製剤を加え、均一にかき混ぜて、混合物Bが得られるステップ2と、
200 r/minの撹拌速度において、S1で得た混合物AをS2で得た混合物Bに加え、30 minかき混ぜて、紫根エキスとミツバハマゴウ果実エキスを加え、引き続き30 minかき混ぜることで得られるステップ3。
【請求項10】
蚊よけ組成物の使用方法であって、前記請求項1-8のいずれかに記載の蚊よけ組成物を蚊よけ及び/又はかゆみ止め効果の有する蚊よけ用品の調製に用いることを特徴とする蚊よけ組成物の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蚊よけの技術分野に関わり、具体的は、蚊よけ組成物及びその調製方法と使用方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
蚊は、マラリアや、黄熱、デング熱、西部ウマ脳炎、日本脳炎及びウエストナイル熱のような複数の蚊媒介感染症を媒介し、人間の健康に悪影響を及ぼす。現在世界では、約3500種以上の蚊及びその他の亜種が存在し、その中で、ヤブカ属と、イエカ属及びハマダラカ属が最もよく見られた蚊であり、人々は相応な蚊よけ用品を絶えずに研究開発している。蚊取線香は、一番古い天然薬によって蚊を駆除する方法である。中国の南宋時期に、漢方薬で調製した虫よけ香が研究されてきた。今の蚊取線香に有効成分のピレスロイドが含まれ、蚊を駆除する効果がある。蚊取線香に火をつけた後、蚊取線香に含まれるピレスロイドは煙に従って揮発し、室内の空気中に撒き散らされ、蚊の神経を麻痺させることで、蚊が落下して死亡したり、ばらばらに逃げたりして、蚊を駆除することができる。電子蚊取り線香は、蚊よけ効果もよく、通常6-8時間保持できる。電子蚊取り線香の蚊よけ原理は、除虫菊等を蚊取り線香に取り込み、加熱し蒸発することである。液体式蚊取り線香は、毛細管現象に基づき、加熱し続けることで殺虫剤物質を放出する。しかし、電子蚊取り線香であっても、液体式蚊取り線香であっても、人体に有害な有機化合物が含まれ、密閉した部屋で使用すると、有害反応が起こる恐れがある。防虫剤の主な成分はディートであり、その原理は、薬物を直接蚊の触覚器官と化学受容器に作用することで、蚊を駆除する。また、蚊に刺されたら、市場に販売されている既存虫よけ製品はかゆみ止めに効果が悪い。
【0003】
現在、市場で販売されている製品に、殆どディートや、メトセリンなどの化学成分が含まれるため、長期使用すると、ある程度で、人体の健康に悪影響を及ぼし、また、既存の天然植物で調製した製品は蚊の駆除持続時間が短く、かゆみ止めに効果が悪く、機能が単一であるという課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、蚊よけ組成物及びその調製方法と使用方法を提供することにある。本発明で提供する蚊よけ組成物に、ディートや、メトセリンなどの化学成分が含まれていなく、エッセンシャルオイルを加えているため、高安全性、無刺激性、アレルギーなどの副作用がなく、安全温和で蚊を駆除することが期待され、長期使用に適する。また、本発明で提供する蚊よけ組成物は、蚊を駆除する効果が明らかであるとともに、効果の持続時間が長く、しかも蚊に刺された後かゆみ止め効果は明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
蚊よけ組成物であって、それは、以下の構成要素及びその質量分率を有する。
【0006】
複合植物油7-10分、紫根エキス3-5分、ミツバハマゴウ果実エキス1-3分、徐放性製剤1-2分、乳化剤2-4分、安定剤0.1-0.3分、水165-182分。
【0007】
さらに、前記蚊よけ組成物は、以下の構成要素及びその質量分率を有する。
【0008】
複合植物油9分、紫根エキス4分、ミツバハマゴウ果実エキス2分、徐放性製剤1.5分、乳化剤3分、安定剤0.2分、水175分。
【0009】
さらに、前記複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比4-6:3-5に基づいて構成されたものである。
【0010】
さらに、前記複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比5:4に基づいて構成されたものである。
【0011】
さらに、前記紫根エキスの調製方法は以下の通りである。
【0012】
紫根を微塵に砕いて、50-80メッシュを透過させて、紫根粗粉が得られる。
【0013】
ステップ(1)で得た紫根粗粉を冷凍し、冷凍温度は0-4℃、冷凍時間は4-6時間、冷凍後の紫根粗粉が得られる。
【0014】
ステップ(2)で得た冷凍後の紫根粗粉を、100-150メッシュを透過させて、紫根微細粉末が得られる。
【0015】
ステップ(3)で得た紫根微細粉末を容器に入れて、上記紫根微細粉末の質量の8-15倍の体積分率が95%となるエタノール水溶液を加え、超音波抽出し、超音波のパワーは100-200Wであり、超音波の時間は7-12minであり、ろ過し、ろ過液をエタノール臭が解消されるまでに減圧し濃縮することで、紫根エキスが得られる。
【0016】
さらに、前記徐放性製剤は、ナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比1-2:5-7:12-15に基づいて構成されたものである。
【0017】
さらに、前記徐放性製剤は、ナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比2:6:13に基づいて構成されたものである。
【0018】
さらに、前記ナノアタパルジャイトの粒度は10-30 nmである。
【0019】
さらに、前記ナノアタパルジャイトの粒度は20 nmである。
【0020】
さらに、前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比2-3:5-8に基づいて構成されたものである。
【0021】
さらに、前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比3:7に基づいて構成されたものである。
【0022】
本発明のもう一つの目的は、前記蚊よけ組成物の調製方法を提供することにあり、ステップは以下の通りである。
【0023】
S1、複合植物油と乳化剤を混合し、均一にかき混ぜて、混合物Aが得られる。
【0024】
S2、安定剤に水を加え、完全に溶解するまでかき混ぜて、徐放性製剤を加え、均一にかき混ぜて、混合物Bが得られる。
【0025】
S3、200 r/minの撹拌速度において、S1で得た混合物AをS2で得た混合物Bに加え、30 minかき混ぜて、紫根エキスとミツバハマゴウ果実エキスを加え、引き続き30 minかき混ぜることで得られる。
【0026】
本発明のさらなる目的は、前記蚊よけ組成物は蚊よけ及び/又はかゆみ止め効果の有する蚊よけ用品の調製に用いることを提供することにある。
【0027】
本発明は、複合植物油、紫根エキス、ミツバハマゴウ果実エキス、徐放性製剤、乳化剤などから構成された蚊よけ組成物であり、ディートや、メトセリンなどの化学成分が含まれていなく、高安全性、無刺激性、アレルギーなどの副作用がなく、安全温和で蚊を駆除することが期待され、長期使用に適する。また、かゆみを素早く止める効果もある。本発明では、ナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が一定の質量比に基づいて構成された徐放性製剤によって、複合植物油の揮発速度を制御し、製品の蚊よけ効果をより長く効かせる。本発明では、まず紫根を紫根粗粉に砕いてから、紫根粗粉を冷凍し、また冷凍後の紫根粗粉を紫根微細粉末に砕ける工程により、超音波抽出過程における活性成分が効率的に溶出できるようになり、調製した紫根エキスのかゆみ止め、腫れ解消効果を向上させる。
【0028】
本発明では、紫根は、ムラサキ科の軟紫草又はオノスマの根である。
【発明の効果】
【0029】
従来の技術と比べて、本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0030】
本発明で調製した蚊よけ組成物によって、皮膚吸収される有害物質を効果的に抑え、虫に刺された後素早くかゆみを止める効果がある。
【0031】
本発明で提供する蚊よけ組成物に、ディートや、メトセリンなど化学成分が含まれていなく、高安全性、無刺激性、アレルギーなどの副作用がなく、安全温和で蚊を駆除することが期待され、長期使用に適する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
これから、具体的な実施形態を合わせて、本発明について詳しく説明するが、これは本発明に対する制限ではなく、当業者は本発明の精神に基づいて様々な修正または改良を行うことができるが、本発明の精神を逸脱しない限り、本発明の範囲内にある。
【0033】
本発明において使用される原料は、特に説明がない場合、すべて市販されている製品である。例えば、カラパグアイアネンシス種子油は、広州市辰諾生物科技有限公司から購入し、製品名称は、Jarxotic(TM) AN20カラパグアイアネンシス種子油であり、メーカー名称は、アメリカJARCHEMである。ベルガモット果実油は、深セン市鼎誠植物香料有限公司から購入し、製品番号はDC-23である。ミツバハマゴウ果実エキスは、西安澳瑞特生物科技有限公司から購入した。PEG-40水添ヒマシ油は、広州市優宝化工有限公司から購入し、製品番号はCO40である。ポリビニルアルコールは、広州市華力森貿易有限公司から購入し、製品番号はPVA420Hである。キトサンオリゴ糖は、陝西省緑莱生物科技有限公司から購入し、製品番号はLL732である。アルキルポリグルコシドは、広州日油科技有限公司から購入し、型番はAPG08-14である。セテアリルグルコシドは北京百奥莱博科技有限公司から購入し、製品番号はY 15177である。カルボマー940は広州博峰化学工科技有限公司から購入し、型番は940である。
【0034】
(実施形態1)蚊よけ組成物
【0035】
前記蚊よけ組成物は、以下の構成要素及びその質量分率を有する。
【0036】
複合植物油7分、紫根エキス3分、ミツバハマゴウ果実エキス1分、徐放性製剤1分、乳化剤2分、安定剤0.1分、水165分。前記複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比4:5に基づいて構成されたものである。前記徐放性製剤は、粒度が10 nmであるナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比1:7:15に基づいて構成されたものであり、前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比2:8に基づいて構成されたものである。前記安定剤は、カルボマー940である。
【0037】
前記紫根エキスの調製方法は以下の通りである。
【0038】
(1)紫根を微塵に砕いて、50メッシュを透過させて、紫根粗粉が得られる。
【0039】
(2)ステップ(1)で得た紫根粗粉を冷凍し、冷凍温度は0℃、冷凍時間は4時間、冷凍後の紫根粗粉が得られる。
【0040】
(3)ステップ(2)で得た冷凍後の紫根粗粉を、100メッシュを透過させて、紫根微細粉末が得られる。
【0041】
(4)ステップ(3)で得た紫根微細粉末を容器に入れて、上記紫根微細粉末の質量の8倍の体積分率が95%となるエタノール水溶液を加え、超音波抽出し、超音波のパワーは100Wであり、超音波の時間は7minであり、ろ過し、ろ過液をエタノール臭が解消されるまでに減圧し濃縮することで、紫根エキスが得られる。
【0042】
前記蚊よけ組成物の調製方法について、ステップは以下の通りである。
【0043】
S1、複合植物油と乳化剤をかき混ぜて、均一にかき混ぜて、混合物Aが得られる。
【0044】
S2、安定剤に水を加え、完全に溶解するまでかき混ぜて、徐放性製剤を加え、均一にかき混ぜて、混合物Bが得られる。
【0045】
S3、200 r/minの撹拌速度において、S1で得た混合物AをS2で得た混合物Bに加え、30 minかき混ぜて、紫根エキスとミツバハマゴウ果実エキスを加え、引き続き30 minかき混ぜることで得られる。
【0046】
(実施形態2)蚊よけ組成物
【0047】
前記蚊よけ組成物は、以下の構成要素及びその質量分率を有する。
【0048】
複合植物油10分、紫根エキス5分、ミツバハマゴウ果実エキス3分、徐放性製剤2分、乳化剤4分、安定剤0.3分、水182分。前記複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比6:3に基づいて構成されたものである。前記徐放性製剤は、粒度が30 nmであるナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比2:5:12に基づいて構成されたものであり、前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比3:5に基づいて構成されたものである。前記安定剤は、カルボマー940である。
【0049】
前記紫根エキスの調製方法は以下の通りである。
【0050】
(1)紫根を微塵に砕いて、80メッシュを透過させて、紫根粗粉が得られる。
【0051】
(2)ステップ(1)で得た紫根粗粉を冷凍し、冷凍温度は4℃、冷凍時間は6時間、冷凍後の紫根粗粉が得られる。
【0052】
(3)ステップ(2)で得た冷凍後の紫根粗粉を、150メッシュを透過させて、紫根微細粉末が得られる。
【0053】
(4)ステップ(3)で得た紫根微細粉末を容器に入れて、上記紫根微細粉末の質量の15倍の体積分率が95%となるエタノール水溶液を加え、超音波抽出し、超音波のパワーは200Wであり、超音波の時間は12minであり、ろ過し、ろ過液をエタノール臭が解消されるまでに減圧し濃縮することで、紫根エキスが得られる。
【0054】
前記蚊よけ組成物の調製方法について、実施形態1と似ている。
【0055】
(実施形態3)蚊よけ組成物
【0056】
前記蚊よけ組成物は、以下の構成要素及びその質量分率を有する。
【0057】
複合植物油9分、紫根エキス4分、ミツバハマゴウ果実エキス2分、徐放性製剤1.5分、乳化剤3分、安定剤0.2分、水175分。前記複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比5:4に基づいて構成されたものである。前記徐放性製剤は、粒度が20 nmであるナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比2:6:13に基づいて構成されたものであり、前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比3:7に基づいて構成されたものである。前記安定剤は、カルボマー940である。
【0058】
前記紫根エキスの調製方法は以下の通りである。
【0059】
(1)紫根を微塵に砕いて、60メッシュを透過させて、紫根粗粉が得られる。
【0060】
(2)ステップ(1)で得た紫根粗粉を冷凍し、冷凍温度は2℃、冷凍時間は5時間、冷凍後の紫根粗粉が得られる。
【0061】
(3)ステップ(2)で得た冷凍後の紫根粗粉を、120メッシュを透過させて、紫根微細粉末が得られる。
【0062】
(4)ステップ(3)で得た紫根微細粉末を容器に入れて、上記紫根微細粉末の質量の9倍の体積分率が95%となるエタノール水溶液を加え、超音波抽出し、超音波のパワーは120Wであり、超音波の時間は9minであり、ろ過し、ろ過液をエタノール臭が解消されるまでに減圧し濃縮することで、紫根エキスが得られる。
【0063】
前記蚊よけ組成物の調製方法は、実施形態1と似ている。
【0064】
(比較形態1)蚊よけ組成物
【0065】
前記蚊よけ組成物は、以下の構成要素及びその質量分率を有する。
【0066】
複合植物油9分、紫根エキス4分、ミツバハマゴウ果実エキス2分、徐放性製剤1.5分、乳化剤3分、安定剤0.2分、水175分。前記複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比5:4に基づいて構成されたものである。前記徐放性製剤は、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比6:13に基づいて構成されたものであり、前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比3:7に基づいて構成されたものである。前記安定剤は、カルボマー940である。
【0067】
前記紫根エキスの調製方法は、実施形態3と似ている。
【0068】
前記蚊よけ組成物の調製方法は、実施形態1と似ている。
【0069】
実施形態3と違うところは、前記徐放性製剤は、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比6:13に基づいて構成されたものである。
【0070】
(比較形態2)蚊よけ組成物
【0071】
前記蚊よけ組成物は、以下の構成要素及びその質量分率を有する。
【0072】
複合植物油9分、紫根エキス4分、ミツバハマゴウ果実エキス2分、徐放性製剤1.5分、乳化剤3分、安定剤0.2分、水175分。前記複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比5:4に基づいて構成されたものである。前記徐放性製剤は、粒度が20nmとなるナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比2:6:13に基づいて構成されたものである。前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比3:7に基づいて構成されたものである。前記安定剤は、カルボマー940である。
【0073】
前記紫根エキスの調製方法は、以下の通りである。
【0074】
(1)紫根を微塵に砕いて、120メッシュを透過させて、紫根微細粉末が得られる。
【0075】
(2)ステップ(1)で得た紫根微細粉末を容器に入れて、上記紫根微細粉末の質量の9倍の体積分率が95%となるエタノール水溶液を加え、超音波抽出し、超音波のパワーは120Wであり、超音波の時間は9minであり、ろ過し、ろ過液をエタノール臭が解消されるまでに減圧し濃縮することで、紫根エキスが得られる。
【0076】
前記蚊よけ組成物の調製方法は、実施形態1と似ている。
【0077】
(実験形態1)品質検査
【0078】
1、実験材料は、実施形態1と、実施形態2と、実施形態3で調製した蚊よけ組成物である。
【0079】
2、実験方法は、NY/T 761-2008の第二部分を参照し、第二法における関連検査方法に基づき、得られた製品の各検査項目について検査する。
【0080】
3、実験結果は表1に示す。
【0081】
品質検査結果
【0082】
【0083】
表1に示すように、本発明で調製した蚊避け組成物に、シペルメトリンとβ-シペルメトリン、シハロトリンとλ-シハロトリンなどの化学成分が何れも検出されておらず、本発明の蚊避け組成物は、高安全性を有する。
【0084】
(実験形態2)蚊よけ効果の実験
【0085】
1、実験材料は、実施形態3、比較形態1で調製した蚊よけ組成物である。
【0086】
2、実験方法は、GB/T 13917.9-2009「農薬登録用殺虫剤室内薬効試験及び評価」の第九部分の防虫剤に関わる規定を参照し、虫よけ効果の実験を行う。実験に用いられる蚊の種はヒトスジシマカで、羽化後3日間~5日間血を吸わない雌の蚊である。
【0087】
3、実験結果は表2に示す、評価参考は表3に示す。
【0088】
蚊よけ効果の実験結果
【0089】
【0090】
評価参考
【0091】
【0092】
表2と表3に示すように、本発明の実施形態3で調製した蚊よけ組成物は、ヒトスジシマカに対する駆除効果は明らかであり、本発明の蚊よけ組成物は、試験者に対する有効保護時間は8.5 hとなり、検出レベルはAレベルとなる。上記の通り、本発明の蚊よけ組成物は、長時間で効率的に虫を駆除することができる。
【0093】
(実験形態3)かゆみ止め、腫れ解消効果の実験
【0094】
1、実験材料は、実施形態3、比較形態2で調製した蚊よけ組成物である。
【0095】
2、実験方法は、ボランティア40人を選んで、その中の男性20人、女性20人、ボランティアはグリーンベルトの周りに座り込み、蚊に刺されることで腕に腫れやかゆみが起ったボランティアを選択し、腕の上に二箇所以上の赤い腫れがあり、しかも赤い腫れが比較的に明らかとなった(赤い腫れの直径は1.5 cm以上)ボランティアを選択し、かゆみ止め、腫れ解消効果について評価する。一箇所に、本発明の実施形態3で調製した蚊よけ組成物を塗布し、もう一箇所に、比較形態2で調製した蚊よけ組成物を塗布する。ボランティアはかゆみ止めの発効時間、かゆみ止めの有効持続時間及び腫れ解消効果について採点する。
【0096】
3、実験結果:評価基準は表4に示す、実験結果は表5に示す。
【0097】
評価基準
【0098】
【0099】
かゆみ止め、腫れ解消効果の実験結果
【0100】
【0101】
表5に示すように、本発明の実施形態3で調製した蚊よけ組成物のかゆみ止めの発効時間、かゆみ止めの有効持続時間、及び腫れ解消効果の評価が高く、本発明の蚊よけ組成物は素早くかゆみ止め効果を発揮できるとともに、優れた腫れ解消効果を有することを表す。比較形態2と比べると、本発明の蚊よけ組成物は、かゆみ止め効果や、腫れ解消効果がより優れている。また、ボランティアのフィードバックにより、本発明の蚊よけ組成物は温和で、無刺激性である。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蚊よけ組成物であって、それは、以下の構成要素及びその質量分率を有し、下記の複合植物油は、カラパグアイアネンシス種子油とベルガモット果実油が質量比4-6:3-5に基づいて構成されたものであることを特徴とする蚊よけ組成物。
複合植物油7-10分、紫根エキス3-5分、ミツバハマゴウ果実エキス1-3分、徐放性製剤1-2分、乳化剤2-4分、安定剤0.1-0.3分、水165-182分。
【請求項2】
以下の構成要素及びその質量分率を有することを特徴とする請求項1に記載の蚊よけ組成物。
複合植物油9分、紫根エキス4分、ミツバハマゴウ果実エキス2分、徐放性製剤1.5分、乳化剤3分、安定剤0.2分、水175分。
【請求項3】
前記徐放性製剤は、ナノアタパルジャイトと、ポリビニルアルコール及びキトサンオリゴ糖が質量比1-2:5-7:12-15に基づいて構成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物。
【請求項4】
前記ナノアタパルジャイトの粒度は10-30 nmであることを特徴とする請求項3に記載の蚊よけ組成物。
【請求項5】
前記ナノアタパルジャイトの粒度は20 nmであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の蚊よけ組成物。
【請求項6】
前記乳化剤は、アルキルポリグルコシドとセテアリルグルコシドが質量比2-3:5-8に基づいて構成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の蚊よけ組成物に用いられる前記紫根エキスの調整方法であって、当該紫根エキスの調整方法は、以下の通りであることを特徴とする紫根エキスの調整方法。
紫根を微塵に砕いて、50-80メッシュを透過させて、紫根粗粉が得られるステップ(1)と、
ステップ(1)で得た紫根粗粉を冷凍し、冷凍温度は0-4℃、冷凍時間は4-6時間、冷凍後の紫根粗粉が得られるステップ(2)と、
ステップ(2)で得た冷凍後の紫根粗粉を、100-150メッシュを透過させて、紫根微細粉末が得られるステップ(3)と、
ステップ(3)で得た紫根微細粉末を容器に入れて、上記紫根微細粉末の質量の8-15倍の体積分率が95%となるエタノール水溶液を加え、超音波抽出し、超音波のパワーは100-200Wであり、超音波の時間は7-12minであり、ろ過し、ろ過液をエタノール臭が解消されるまでに減圧し濃縮することで、紫根エキスが得られるステップ(4)。
【請求項8】
蚊よけ組成物の調製方法であって、そのステップは以下の通りであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の蚊よけ組成物の調製方法。
複合植物油と乳化剤を混合し、均一にかき混ぜて、混合物Aが得られるステップ1と、
安定剤に水を加え、完全に溶解するまでかき混ぜて、徐放性製剤を加え、均一にかき混ぜて、混合物Bが得られるステップ2と、
200 r/minの撹拌速度において、S1で得た混合物AをS2で得た混合物Bに加え、30 minかき混ぜて、紫根エキスとミツバハマゴウ果実エキスを加え、引き続き30 minかき混ぜることで得られるステップ3。
【請求項9】
蚊よけ組成物の使用方法であって、前記請求項1~6のいずれかに記載の蚊よけ組成物を蚊よけ及び/又はかゆみ止め効果の有する蚊よけ用品の調製に用いることを特徴とする蚊よけ組成物の使用方法。