(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101489
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】回転ベゼルを備える時計
(51)【国際特許分類】
G04B 19/28 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
G04B19/28 B
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021198348
(22)【出願日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】20217190.6
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504341564
【氏名又は名称】モントレー ブレゲ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ストランツル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回転ベゼルを備えた時計に関し、回転ベゼルと回転ベゼルを支持する外装部品との間の磁気デバイスとを共に備える時計を提供する。
【解決手段】時計は、回転ベゼルと、回転ベゼルが保持するZ1個の磁石22の第1のセット、ミドルケースが保持するZ2個の磁石24の第2のセットで構成される。磁石の第1及び第2のセットはそれぞれ、磁気相互作用を間に有するように円形に配設され、磁気相互作用は、この回転ベゼルをN個の安定角度位置のうちのいずれの1つから回転駆動したときに、角度ピッチの少なくとも一部にわたって、回転ベゼル上に抵抗磁気トルクを発生させる。個数Z1、Z2は1より大きくNより小さい。Z1個の磁石及びZ2個の磁石は、抵抗磁気トルクが回転ベゼルの安定角度位置に応じた変動を有するように、角度に関して分散される。有利にはこの変動は周期的である。好ましくは、上記変動は、実質的に2つの非ゼロ値の間で発生する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計であって、
前記時計は回転ベゼルを備え、前記回転ベゼルは、前記時計の外装部品上に設置され、ユーザが回転作動させることができ、また前記回転ベゼルはN個の所与の安定角度位置を有し、Nは2より大きな整数であり、前記安定角度位置は、360°をNで除算したものに等しい角度ピッチ(α)(α=360°/N)を間に有し、
前記時計は更に、前記回転ベゼルによって固定されて保持された第1の極性部品の第1のセットと、前記外装部品によって固定されて保持された第2の極性部品の第2のセットとからなる、磁気デバイスを備え、
前記第1の極性部品の前記第1のセット、及び前記第2の極性部品の前記第2のセットはそれぞれ、前記第1の極性部品が前記第2の極性部品との磁気相互作用を有するよう、円形に配設され、前記磁気相互作用は、前記回転ベゼルが、前記N個の安定角度位置のうちのいずれの1つから、次の前記安定角度位置へと、少なくともある1つの所与の方向に回転駆動される際に、前記角度ピッチの少なくとも一部にわたって、前記回転ベゼルに対して抵抗磁気トルクを発生させ、
前記第1のセット内の前記第1の極性部品の個数Z1が1より大きくかつNより小さく(1<Z1<N)、前記第2のセット内の前記第2の極性部品の個数Z2もまた1より大きくかつNより小さい(1<Z2<N)こと;及び
Z1個の前記第1の極性部品の前記第1のセットが、N個の第1の角度位置の間に分散され、前記第1の角度位置は前記回転ベゼルに関連付けられ、前記角度ピッチを間に有し、前記第1の角度位置1個あたり最大1個の前記第1の極性部品が存在し、またZ2個の前記第2の極性部品の前記第2のセットが、N個の第2の角度位置の間に分散され、前記第2の角度位置は前記外装部品に関連付けられ、前記角度ピッチを間に有し、前記第2の角度位置1個あたり最大1個の前記第2の極性部品が存在し、これにより、前記抵抗磁気トルクが、前記回転ベゼルの前記所与の回転方向に少なくとも従って、前記N個の安定角度位置のうちの前記回転ベゼルの1つの前記安定角度位置に応じた変動を有すること
を特徴とする、時計。
【請求項2】
前記第1の極性部品は磁気的に類似しており、また前記第2の極性部品は磁気的に類似していること;並びに
前記個数Z1、Z2の選択、並びにZ1個の前記第1の極性部品の前記第1のセットの、N個の前記第1の角度位置の間での前記分散、及びZ2個の前記第2の極性部品の前記第2のセットの、N個の前記第2の角度位置の間での前記分散は、前記抵抗磁気トルクの前記変動が周期的になるように実行されること
を特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項3】
前記抵抗磁気トルクの周期的な前記変動は、前記角度ピッチの個数である整数Kに等しい角度周期を有し、前記整数Kは1より大きく、前記整数Nを前記個数Kで除算した結果が正の整数Mに等しくなるように選択されることを特徴とする、請求項2に記載の時計。
【請求項4】
前記個数Z1、Z2の選択、並びにZ1個の前記第1の極性部品の前記第1のセットの前記分散、及びZ2個の前記第2の極性部品の前記第2のセットの前記分散は、前記抵抗磁気トルクの前記変動が、少なくとも前記回転ベゼルの前記所与の回転方向に関して、略2つの異なる非ゼロ値を有するように実行されることを特徴とする、請求項3に記載の時計。
【請求項5】
前記2つの個数Z1、Z2のうちの一方はMに等しく、M個の対応する前記極性部品(24)は、前記角度周期(β)を間に有したまま規則的に分散され、
前記2つの個数Z1、Z2のうちのもう一方はM+[K-1]・Yに等しく、ここでYは、Mより小さな正の整数であり、
M個の対応する前記極性部品(22)のサブセットは、前記角度周期を間に有するM個の角度位置の第1の組(S0)のそれぞれに配置され、
[K-1]・Y個の残りの対応する前記極性部品は、前記角度周期を間に有するM個の角度位置のK-1個の他の組のそれぞれに、各前記組がY個の前記極性部品を備えるように分散され、ここで前記K-1個の他の組及び前記第1の組はそれぞれ、2つの隣接する前記組に対して前記角度ピッチ(α)だけ角度に関してオフセットされる
ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の時計。
【請求項6】
前記個数Mは偶数であり、前記個数YはM/2に等しく、前記他のK-1個の組それぞれに配置されるY個の前記極性部品は好ましくは、前記角度周期の2倍(2・β)に等しい間隔を間に有して、規則的に分散されることを特徴とする、請求項5に記載の時計。
【請求項7】
前記個数Nは60に等しく(N=60)、前記個数Kは5に等しい(K=5)ことを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載の時計。
【請求項8】
前記個数Nは60個に等しく(N=60)、前記個数Kは5に等しい(K=5)こと;並びに
2つの前記個数Z1、Z2のうちの一方は、2・M、即ち24に等しく、24個の対応する前記極性部品(24)は、前記角度周期(β)を間に有する12個の角度位置の第1の組(S5)及び第2の組(S6)それぞれに配置され、前記第1の組及び前記第2の組は前記角度ピッチ(α)だけオフセットされており、その一方で、2つの前記個数Z1、Z2のうちのもう一方は、3・M、即ち36以上であり、12個の対応する前記極性部品(22)の3つのサブセットそれぞれは、間に前記角度周期を有する12個の角度位置の第3の組(S0)、第4の組(S1)、第5の組(S3)それぞれに配置され、前記第3の組及び前記第4の組は前記角度ピッチ(α)だけオフセットされ、前記第5の組は、前記第3の組及び前記第4の組それぞれに対して、2つの前記角度ピッチ(2・α)だけオフセットされ、前記第5の組に隣接する第6の組(S2)及び第7の組(S4)は、それぞれ同一個数Wの前記極性部品を備え、前記個数Wは前記個数Mより小さく、即ち12未満であること
を特徴とする、請求項3又は4に記載の時計。
【請求項9】
前記個数Nは60個に等しく(N=60)、前記個数Kは5に等しい(K=5)こと;並びに
2つの前記個数Z1、Z2のうちの一方は、2・M、即ち24に等しく、24個の対応する前記極性部品は、前記角度周期(β)を間に有する12個の角度位置の第1の組及び第2の組それぞれに配置され、前記第1の組及び前記第2の組は2つの前記角度ピッチ(2・α)だけオフセットされており、その一方で、2つの前記個数Z1、Z2のうちのもう一方は、3・M、即ち36以上であり、12個の対応する前記極性部品の3つのサブセットそれぞれは、間に前記角度周期を有する12個の角度位置の第3の組、第4の組、第5の組それぞれに配置され、前記第3の組、前記第4の組、及び前記第5の組は、前記角度ピッチ(α)だけ間がオフセットされ、前記第5の組及び前記第3の組に隣接して前記第5の組と前記第3の組との間に配置される第6の組及び第7の組はそれぞれ同一個数Wの前記極性部品を備え、前記個数Wは前記個数Mより小さく、即ち12未満であること
を特徴とする、請求項3又は4に記載の時計。
【請求項10】
前記個数Wはゼロに等しいことを特徴とする、請求項8又は9に記載の時計。
【請求項11】
前記第1の極性部品の前記第1のセット、及び前記第2の極性部品の前記第2のセットは、前記第1のセットと前記第2のセットとの間に磁気引力を発生させる材料から形成されること;並びに
前記回転ベゼルのN個の前記安定角度位置はそれぞれ、前記第2の極性部品にそれぞれ対面するような前記第1の極性部品の位置決めによって画定されること
を特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の時計。
【請求項12】
前記第1の極性部品の前記第1のセット、及び前記第2の極性部品の前記第2のセットは、いずれも永久磁石で形成されることを特徴とする、請求項11に記載の時計。
【請求項13】
前記第1の極性部品の前記第1のセット、及び前記第2の極性部品の前記第2のセットのうちの一方のセットは、永久磁石で形成され、もう一方のセットは強磁性材料製の部品で形成されることを特徴とする、請求項11に記載の時計。
【請求項14】
前記第1の極性部品の前記第1のセット、及び前記第2の極性部品の前記第2のセットは、前記第1のセットと前記第2のセットとの間に磁気反発力を発生させる永久磁石で形成されること;並びに
N個の前記安定角度位置はそれぞれ、N個の前記第1の角度位置の位置決めによって画定され、前記N個の第1の角度位置が、N個の前記第2の角度位置に対して、前記角度ピッチの略半分(α/2)に等しい角度オフセットを有すること
を特徴とする、請求項3又は4に記載の時計。
【請求項15】
2つの前記個数Z1、Z2のうちの一方はMに等しく、M個の対応する前記磁石は、前記角度周期(β)に等しい角距離を間に有して規則的に分散され、その一方で、2つの前記個数Z1、Z2のうちのもう一方は、2・M+[K-2]・Yに等しく、ここでYはMより小さな正の整数であり、
それぞれM個の対応する前記磁石の第1のサブセット及び第2のサブセットが、M個の角度位置の2つの組にそれぞれ配置され、前記2つの組は、前記角度ピッチ(α)だけ間がオフセットされ、またそれぞれ、前記角度位置間に前記角度周期を有し、残りの[K-2]・Y個の対応する前記磁石は、前記角度周期を間に有するM個の角度位置の他のK-2個の組に、各前記組がY個の前記磁石を備えるように分散され、前記K-2個の他の組と、前記2つの組とはそれぞれ、前記角度ピッチ(α)だけ間がオフセットされる
ことを特徴とする、請求項14に記載の時計。
【請求項16】
前記個数Mは偶数であり、前記個数YはM/2に等しく、前記K-2個の他の組それぞれに配置されたY個の前記磁石は、前記角度周期の2倍(2・β)の角距離を間に有して規則的に分散されることを特徴とする、請求項15に記載の時計。
【請求項17】
前記個数Nは60に等しく(N=60)、前記個数Kは5に等しい(K=5)ことを特徴とする、請求項14~16のいずれか1項に記載の時計。
【請求項18】
前記第1の極性部品の前記第1のセット、及び前記第2の極性部品の前記第2のセットはそれぞれ、半径方向の磁力が全体として略ゼロになるように、2つの同心円に従って配設されることを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に回転ベゼルを備えた時計の、時計学の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1からは、互いに対面して円形に配設された2列の磁石によってその安定角度位置が画定される回転ベゼルを備えた時計が公知であり、これら2列の磁石はそれぞれ、上記回転ベゼル、及び上記回転ベゼルを支持するミドルケースに固定されている。60分に対応する60個の異なる位置での回転ベゼルの位置決めを可能とする、60個の安定角度位置を得るためには、1つの選択肢では60個の磁石が2列、即ち120個の磁石が設けられ、また別の選択肢では、ある安定角度位置から次の安定角度位置に移動する際の抵抗応力を低減するために、60個の磁石の第1の列と、それより少ない数の磁石の第2の列とが設けられる。この実施形態は、特に上述の最初の選択肢において、多数の磁石を必要とする。そして、全ての安定角度位置が同様のものであり、即ちある安定角度位置から次の安定角度位置への移動に関する抵抗応力は、全ての安定角度位置について同一である。回転ベゼルを作動させるユーザが印加しなければならないトルクにおいて、特に5分の倍数に対応する複数の位置をマークするための区別が存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記背景技術に記載されている欠点を克服することであり、特に、回転ベゼルを、上記ベゼルとこの回転ベゼルを支持する外装部品との間の磁気デバイスと共に備える、時計を提案することであり、上記磁気デバイスは、抵抗磁気トルクが、安定角度位置に応じた変動、即ち提供される複数の安定角度位置のための少なくとも2つのレベル/2つの異なる値を示すように、配設される。更に本発明は、それほど複雑でなく、また比較的安価でコンパクトであり、また回転ベゼルを備えた腕時計のための従来の寸法のケース内で容易に実現できる磁気デバイスによって、上記目的を達成することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は、回転ベゼルを備える時計に関し、上記回転ベゼルは、この時計の外装部品上に設置され、ユーザが回転作動させることができ、またこの回転ベゼルはN個の安定角度位置を有し、Nは2より大きな整数であり、上記安定角度位置は、それらの間に、360°をNで除算したものに等しい角度ピッチα(α=360°/N)を有する。そして上記時計は、上記回転ベゼルによって固定されて保持された第1の極性部品の第1のセットと、上記外装部品によって固定されて保持された第2の極性部品の第2のセットとからなる、磁気デバイスを備える。上記第1の極性部品の上記第1のセット、及び上記第2の極性部品の上記第2のセットはそれぞれ、上記第1の極性部品が上記第2の極性部品との磁気相互作用を有するよう、円形に配設され、上記磁気相互作用は、この回転ベゼルが、上記N個の安定角度位置のうちのいずれの1つから、次の、即ち隣接する上記安定角度位置へと、少なくともある1つの所与の方向に回転駆動される際に、上記回転ベゼルに対して抵抗磁気トルクを発生させ、この抵抗磁気トルクは、これら2つの上記安定角度位置を隔てる1つの上記角度ピッチに等しい移動角距離の少なくとも一部にわたって加えられる。
【0006】
本発明による時計は:上記第1の極性部品の個数Z1が1より大きくかつNより小さく(1<Z1<N)、上記第2の極性部品の個数Z2もまた1より大きくかつNより小さい(1<Z2<N)こと;及びZ1個の上記第1の極性部品の上記第1のセットが、N個の第1の角度位置の間に分散され、上記第1の角度位置は上記回転ベゼルとリンクし、上記角度ピッチを間に有し、上記第1の角度位置1個あたり最大1個の上記第1の極性部品が存在し、またZ2個の上記第2の極性部品の上記第2のセットが、N個の第2の角度位置の間に分散され、上記第2の角度位置は上記外装部品とリンクし、上記角度ピッチを間に有し、上記第2の角度位置1個あたり最大1個の上記第2の極性部品が存在し、これにより、上記抵抗磁気トルクが、この回転ベゼルの上記所与の回転方向に少なくとも従って、上記N個の安定角度位置のうちの上記回転ベゼルの1つの上記安定角度位置に応じた変動を有することを特徴とする。
【0007】
「抵抗磁気トルク(resisting magnetic torque)」という表現は、上記極性部品の2つのセットの間の磁力によって得られる、上記回転ベゼルに加えられる抵抗トルクであるものとして理解される。よってこの抵抗磁気トルクは、少なくとも部分的には、上記磁力によって得られる上記回転ベゼルと上記外装部品との間の摩擦力に由来する抵抗トルクによって形成できる。
【0008】
本発明の一般的な実施形態によると、上記第1の極性部品は磁気的に類似しており、また上記第2の極性部品は磁気的に類似している。そして上記個数Z1、Z2の選択、並びにZ1個の上記第1の極性部品の上記第1のセットの、N個の上記第1の角度位置の間での上記分散、及びZ2個の上記第2の極性部品の上記第2のセットの、N個の上記第2の角度位置の間での上記分散は、上記抵抗磁気トルクの上記変動が周期的になるように実行される。
【0009】
本発明のある好ましい実施形態によると、上記磁気デバイスは、上記抵抗磁気トルクの周期的な上記変動が、上記角度ピッチの個数である整数Kに等しい角度周期を有するように配設され、この整数Kは1より大きく、上記整数Nを上記個数Kで除算した結果が正の整数Mに等しくなるように選択される。そして上記個数Z1、Z2の選択、並びにZ1個の上記第1の極性部品の上記第1のセットの上記分散、及びZ2個の上記第2の極性部品の上記第2のセットの上記分散は、上記抵抗磁気トルクの上記変動が、上記回転ベゼルの上記所与の回転方向に関して、略2つの異なる非ゼロ値を有するように実行される。
【0010】
以下の「発明を実施するための形態」では、様々な実施形態及び様々な有利な変形例を提示する。
【0011】
以下では、限定的なものではない例として与えられている添付の図面を参照して、本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態による腕時計の部分横断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の腕時計の回転ベゼルに関連付けられた磁気デバイスの第1の変形例の簡略図を、回転ベゼル又は回転ベゼルを支持するミドルケースにしっかりと接続された第1の極性部品の第1のセット、及び上記腕時計のこれら2つの外装部品のうちの他方にしっかりと接続された第2の極性部品の第2のセットと共に示す。
【
図3】
図3は、
図2の磁気デバイスの第1の変形例の線図である。
【
図4】
図4は、
図1の腕時計の回転ベゼルに関連付けられた磁気デバイスの第2の変形例の簡略図を示す。
【
図5】
図5は、
図1の腕時計の回転ベゼルに関連付けられた磁気デバイスの第3の変形例の簡略図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施形態による腕時計の部分横断面図である。
【
図7】
図7は、
図6の腕時計の回転ベゼルに関連付けられた磁気デバイスの第1の変形例の簡略図を、回転ベゼル又は回転ベゼルを支持するミドルケースにしっかりと接続された第1の極性部品の第1のセット、及び上記腕時計のこれら2つの外装部品のうちの他方にしっかりと接続された第2の極性部品の第2のセットと共に示す。
【
図8】
図8は、
図7の磁気デバイスの第1の変形例の線図である。
【
図9】
図9、10は、
図6の腕時計の回転ベゼルに関連付けられた磁気デバイスの第2の変形例及び第3の変形例の簡略図を示し、これらの変形例は、
図7、8の第1の変形例と磁気的には同等である。
【
図10】
図9、10は、
図6の腕時計の回転ベゼルに関連付けられた磁気デバイスの第2の変形例及び第3の変形例の簡略図を示し、これらの変形例は、
図7、8の第1の変形例と磁気的には同等である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~5を参照して、本発明による時計の第1の実施形態を説明する。腕時計2は、ユーザが回転作動させる回転ベゼル6と、この回転ベゼルに関連付けられた磁気デバイス20とを備える、ケース4を備える。回転ベゼル及び磁気デバイスは、回転ベゼルを60個の安定角度位置に位置決めできるように配設され、上記安定角度位置は、それらの間に6°(=360°/60)に等しい角度ピッチαを有する。よって、回転ベゼルを備える機械式又は電気機械式腕時計に関して通常そうであるように、回転ベゼルの基準点は、回転ベゼルの回転軸を中心とする分の目盛りのうちのいずれの分に位置決めできる。なお、本発明は一般にN個(Nは3以上の整数である)の安定角度位置に適用され、上記安定角度位置は、それらの間に、360°をNで除算した結果に等しい角度ピッチαを有する(α=360°/N)。
【0014】
回転ベゼル6は、腕時計の外装部品を形成するミドルケース8上に設置されており、一部がミドルケースの内部横方向溝に、そして一部が回転ベゼルの内部側方溝に挿入されているばね10によって、所定の位置に維持される。
図1はまた、ミドルケース8の上部によって形成された固定内部ベゼルによって保持されたガラス12、並びにムーブメント18上に配設された先細のフランジ14及び文字盤16も、部分的に示す。磁気デバイス20は、腕時計のケース4の内側に配設され、回転ベゼル6に固定されて配設された第1の極性部品22の第1のセットと、ミドルケース8に固定されて配設された第2の極性部品24の第2のセットとからなる。より正確には、第1の極性部品22の第1のセット、及び第2の極性部品24の第2のセットはそれぞれ、円形に、全体として互いに対面して配設され、これにより、第1の極性部品は第2の極性部品との磁気相互作用を有し、この磁気相互作用は、60個の安定角度位置のうちのいずれの1つからのいずれかの方向の回転駆動のためのトルクを受けたときに、回転ベゼル上にゼロでない抵抗磁気トルクを発生させる。なお、ここではベゼルは双方向性であり、即ち両方向に回転する。ある変形例では、ベゼルを単方向性とすることができ、従ってベゼルは1つの所与の方向にしか回転しない。
【0015】
本発明の一般的な変形例によると、第1の極性部品は磁気的に類似しており、また第2の極性部品は磁気的に類似している。この第1の実施形態は、上記第1の極性部品の上記第1のセットと、上記第2の極性部品の上記第2のセットとが、この第1のセットとこの第2のセットとの間に磁気引力を発生させる材料から形成されることを特徴とする。そして、N個の安定角度位置はそれぞれ、第2の極性部品にそれぞれ対面するような第1の極性部品の位置決めによって対応する。磁気デバイスに関連付けられた機械的デバイスが存在しない場合、回転ベゼルの角度位置決定は、その安定角度位置それぞれの付近において回転ベゼルに対する戻りトルクを発生させる磁気デバイスによって得られる。なお、ここで詳述されている実施形態では、回転ベゼルの安定角度位置を正確に得るために、機械的デバイスを磁気デバイスと関連付けることができ、ここで上記機械的デバイスは、各安定角度位置に戻すための力に関与できる。
【0016】
図面に図示されている第1の主要な変形例では、第1の極性部品22の第1のセット、及び第2の極性部品24の第2のセットは、いずれも永久磁石で形成され、磁石24の第2のセットは、磁石22の第1のセットと磁気で引き合うように配設される。図示されていない第2の主要な変形例では、第1の極性部品の第1のセット、及び第2の極性部品の第2のセットのうちの一方のセットが永久磁石で形成され、他方のセットは強磁性材料製の部品で形成される。第1の主要な変形例は、同一の永久磁石に関して、第2の主要な変形例よりも磁気引力を高くすることができる点で有利である。第2の主要な変形例は、強磁性部品の高さを比較的小さくすることができるため、磁気デバイスのコスト及び軸方向のサイズを削減できることから、関心の対象となり得る。
図1に示されている変形例では、磁石22及び磁石24の配置は軸方向であり、即ちこれらは、回転ベゼルの回転軸の方向に整列されており、これらの磁石の磁気軸の配向は、上記回転軸に対して略平行となる。
【0017】
全体として回転ベゼル4とミドルケース8との間に引力を発生させる、極性部品の2つのセットの軸方向の配置は、回転ベゼルをミドルケースに対して押し付けることによって、所定の位置での回転ベゼルの保持に関与するという利点を有する。これにより理論上、ミドルケースに組み付けられたベゼルを保持するばね10を排除できる。実際には安全面の理由から、ばねを維持することが好ましい。しかしながら、回転ベゼルの作動中に克服しなければならない静止摩擦力、従って運動摩擦力が、あまり高くならないよう、ベゼルに対する上記ばねの軸方向の力を、比較的弱くなるか又はゼロとなるように提供できる。回転ベゼルとミドルケースとの間の摩擦力が高すぎる場合、この摩擦力は、各安定角度位置へ戻すためのトルクが、この摩擦力によって発生する抵抗トルクを克服するためには不十分である場合に、提供される安定角度位置における回転ベゼルの角度位置決定を不正確なものとしてしまう可能性がある。上記軸方向磁力が、それが発生させる摩擦力によって、回転ベゼルの正確な角度位置決定を妨害するのを回避するために、上記軸方向磁力と反対方向の軸方向力を回転ベゼルに対して加えるように、ばね10を配設することが好ましい。上述のように、磁気デバイスに相補的な機械的デバイスを関連付けることによって、提供される安定角度位置における回転ベゼルの正確な位置決めを得ることができる。ここで指摘されている問題を克服するために、第1の実施形態の別の変形例では、同一の一般平面内に2セットの磁石を、
図6に示されている第2の実施形態の変形例と同様に)各磁気軸を半径方向に配向して、配設する。なお、ある具体的実施形態では、2セットの極性部品を斜めに配設することによって、回転ベゼルに印加される軸方向磁力の値を調整できるようにする。
【0018】
従って、間に磁気引力が存在する2セットの極性部品の、軸方向の又は斜めの配置を有する変形例において、回転ベゼルに関連付けられた第1のセットの極性部品に作用する、磁力の2つの成分、即ち軸方向成分及び接線方向成分を、回転ベゼル及び磁気デバイスの配置において考慮しなければならないことが観察される。軸方向成分は、補償されない場合、回転ベゼルとミドルケースとの間に摩擦力を発生させ、上記摩擦力は、このベゼルの回転運動に常に対向し、従って、いずれの2つの隣接する安定角度位置の間(即ちいずれの1つの安定角度位置と、回転ベゼルの回転方向において次にある1つの安定角度位置との間)の、回転ベゼルの全移動角距離にわたって、又は1つの角度ピッチにわたって印加される、第1の抵抗磁気トルクの一部を発生させる。接線方向成分は、磁気戻りトルクを定義するものであり、上記磁気戻りトルクは、回転ベゼルを、提供される安定角度位置のうちの一方又は他方に位置決めする傾向を有し、また上述の移動角距離の第1の部分のみにわたる第2の抵抗磁気トルクを形成する。実際には、移動角距離の第2の部分にわたって、極性部品の第1のセットの各極性部品に印加される磁力の接線方向成分は方向を変化させ、これによって次の角度位置へと駆動するためのトルクを発生させる。よって、上記移動角距離の上記第1の部分では、抵抗磁気トルクは全体として常に回転ベゼルに印加されており、その一方でこの移動角距離の上記第2の部分では、(極性部品の2つのセットの間の磁力から発生する)全体的な磁気トルクは、磁気戻りトルクが磁気由来の摩擦トルクよりも大きくなると、第1の角度ゾーンにわたる抵抗トルクとなり、第2の角度ゾーンにわたる駆動トルクとなることができる。
【0019】
一般に、本発明による磁気デバイスは:第1のセットの第1の極性部品の個数Z1が1より大きくかつNより小さく(即ち1<Z1<Nであり)、第2のセットの第2の極性部品の個数Z2もまた1より大きくかつNより小さい(即ち1<Z2<Nである)ことを特徴とする。そして、Z1個の第1の極性部品の第1のセットは、N個の第1の角度位置の間に分散され、第1の角度位置は回転ベゼルとリンクし、それらの間に角度ピッチを有し、第1の角度位置1個あたり最大1個の第1の極性部品が存在し、またZ2個の第2の極性部品の第2のセットは、N個の第2の角度位置の間に分散され、第2の角度位置はミドルケースとリンクし、それらの間に角度ピッチを有し、第2の角度位置1個あたり最大1個の第2の極性部品が存在し、これにより、磁気デバイスによって発生した抵抗磁気トルクは、この回転ベゼルの所与の回転方向に少なくとも従って、N個の安定角度位置のうちの、回転ベゼルの1つの安定角度位置に応じた変動を有する。
【0020】
本発明による抵抗磁気トルクの変動は、1つの角度ピッチ内における、いずれの安定角度位置からの回転ベゼルの角距離に関連するものではなく、この変動は安定角度位置自体に関連するものであり、即ち、ある安定角度位置から次の安定角度位置への回転ベゼルの回転作動中の、ゼロ距離、及び/又はこれら2つの安定角度位置を隔てる角度ピッチ内の少なくとも特定の所与の距離についての抵抗磁気トルクは、少なくともある1つの所与の回転方向に関してこの回転作動が実施される始点の安定角度位置に応じて変動する。実際に特許文献1では、磁気デバイス20によって発生する抵抗磁気トルクは、いずれの安定角度位置から、この安定角度位置に対するベゼルの距離に応じて変動する。しかしながら、これは本発明の主な特徴の目的を形成する変動ではない。というのは、このような抵抗磁気トルクの変動は、第2の安定角度位置と次の安定角度位置との間の通過と比較して、第1の安定角度位置と次の安定角度位置との間の通過中にユーザが感知する変動であるためである。以下で説明される変形例により、本発明に関連する抵抗磁気トルクの変動を十分に理解できるだろう。
【0021】
以下で説明される本発明による磁気デバイスの変形例では、第1の極性部品の個数Z1及び第2の極性部品の個数Z2の選択、並びにこれらZ1個の第1の極性部品の、ベゼルとリンクしたN個の第1の角度位置の間での分散、及びこれらZ2個の第2の極性部品の、ミドルケースとリンクしたN個の第2の角度位置の間での分散は、抵抗磁気トルクの変動が周期的になるように、即ち上記変動が特定の個数の角度ピッチの後に繰り返されるように、実行される。
【0022】
抵抗磁気トルクの周期的な変動は、角度ピッチの個数である整数Kに等しい角度周期βを有し、即ちβ=K・αであり、この整数Kは1より大きく(K>1)、上記整数Nを上記個数Kで除算した結果が正の整数Mに等しくなる(即ちM=N/Kとなる)ように選択される。好ましくは、上記個数Z1、Z2の選択、並びにZ1個の第1の極性部品の第1のセットの上記分散、及びZ2個の第2の極性部品の第2のセットの上記分散は、抵抗磁気トルクの変動が、回転ベゼルの少なくともある1つの所与の回転方向に関して、異なる非ゼロ値を2つしか有しないように実行される。抵抗磁気トルクの変動の角度周期βは有利には、角度ピッチαの5倍に等しいものとして提供され、即ちβ=5・αである。好ましくは、磁気デバイスは、上記角度周期に等しい回転の後に(又は5分毎に)、即ち回転ベゼルの回転中に30°毎に、抵抗磁気トルクが再び大きくなるよう、配設される。
【0023】
図2、3を参照して、本発明の第1の実施形態の第1の変形例に組み込まれる磁気デバイス20について、より詳細に説明する。この第1の変形例では、以下で説明される他の変形例と同様、回転ベゼルの安定角度位置P
vの個数N(ここでv=1である)は60に等しく(N=60)、個数Kは5に等しい(K=5)。よって数Mは偶数であり、12に等しい(M=12)。なお、安定角度位置P
vの個数Nは、ベゼルの極性部品の配置のため、及びミドルケースの極性部品の配置のために提供される、角度位置の個数Nに対応する。
【0024】
図2は(以下で説明される同様の図と同様に)、ベゼル内での極性部品22の円形配置及びミドルケース内での極性部品24の円形配置を明確に示すことができるよう、回転ベゼル6及びミドルケース8を別個に示す簡略図であることに留意されたい。
図2、3に示されている変形例では、全ての極性部品22、24は、略同一の磁石で形成され、各磁石22は、この磁石22がいずれの磁石24と対面して配置されたときに、磁石24と磁気で引き合うように配設される。また、
図3は(同様のものである
図8と同様に)
図1の磁気デバイス20の部分線図であることに留意されたい。
図3は、磁石22、24の円筒表面での配置に対応しており、これらの磁石は軸方向に配向されている(
図8は、回転ベゼルの回転軸に対して垂直な一般平面内での磁石の配置に対応しており、これらの磁石は
図6に示されているように半径方向に配向されている)。
【0025】
第1の実施形態の第1の変形例では、磁石24の個数Z2はMに等しく、これは12に等しく、即ちZ2=M=N/K=12であり、これら12個の磁石は、角度周期β=K・α=30°で規則的に分散されている。換言すれば、12個の磁石24は、角度周期β=30°を間に有する、ミドルケースとリンクした(即ちミドルケースとリンクした極座標の基準フレーム内の)12個の角度位置の組S5に配置されている。磁石22の個数Z1はM+[K-1]・M/2に等しく、即ちZ1=12+4・6=36である。12個の磁石22のサブセットは、角度周期β=30°を間に有する、ベゼルとリンクした(即ちベゼルとリンクした極座標の基準フレーム内の)12個の角度位置の第1の組S0に配置される。残りの24個の磁石22は、6個の磁石のサブセット4つがそれぞれ、これもまた角度周期β=30°を間に有する、ベゼルとリンクした(即ちベゼルとリンクした極座標の基準フレーム内の)、12個の角度位置の他の4つの組S1、S2、S3、S4に配置されるように、分散される。これら他の4つの組、及び上記第1の組は、これらの間において、角度ピッチα=360°/N=6°だけ角度がオフセットされている。上記残りの24個の磁石22は有利には、間に角度周期の2倍(2・β)に等しい角距離又は間隔を有することによって、4つの組S1~S4へと規則的に分散される。
【0026】
第1のセットのZ1個の磁石が、間に角度ピッチα=360°/Nを有するN個の角度位置の間に配置される場合、間に角度周期β=K・αを有するM個の角度位置の別個の組はK個だけ存在する(ここでM=N/Kである)ことに留意されたい。これらK個の別個の組は、これらの間において、角度ピッチαだけ角度がオフセットされている。第1の変形例による磁気デバイスの配置では、回転ベゼルに対してその安定角度位置のうちのいずれか1つから駆動トルクを印加した場合に、抵抗磁気トルクに関する別個の非ゼロ値が2つ(即ち2つの隣接する安定角度位置の間の1つの角度ピッチの移動角距離にわたる抵抗磁気トルクの最大値が2つ)しか得られず、即ち、安定角度位置P
0+nK(ただしn=0~11)のうちのいずれの1つにおける回転ベゼルの初期位置決めに対応する、(
図3に示されているように)回転ベゼルの磁石24の組S5が最初にミドルケースの磁石22の組S0と対面して配置されているときの第1の値と、安定角度位置P
q+nK(ただしq=1~4かつn=0~11)のうちのいずれの1つにおける回転ベゼルの初期位置決めに対応する、磁石24の組S5が最初に組S1~S4のうちのいずれか1つと対面して配置されているときの、上記第1の値より小さな第2の値としか得られない。従って、回転ベゼルが最初に配置される安定角度位置に応じて、抵抗磁気トルクに、即ちその強度に、変動が存在する。ここで与えられている例では、組S1~S4が組S0の半分の磁石22しか備えないため、抵抗磁気トルクは略2倍変化し、上述の第2の値は上述の第1の値の略半分である。
【0027】
別の変形例では、磁石の組S5又は磁石の5つの組S0~S4を強磁性材料製の部品に置き換えることができることに、初めに留意されたい。よって、ある具体的な変形例では、回転ベゼルに関連付けられた極性部品の第1のセットは、強磁性材料製のクラウンの歯部によって形成され、上記歯部からは、
図3に示されている上部と同様のプロファイルを得るために、いくつかの歯が除去されている。なお、
図3の変形例において、空所になっている孔を除去できる。また、極性部品の配置を反転させることができること、即ち、極性部品の第1のセットをミドルケースとリンクさせることができ、極性部品の第2のセットを回転ベゼルとリンクさせることができ、これによって磁気デバイスの動作は変化しないことに留意されたい。従ってある変形例では、組S5を、回転ベゼル内に配設された磁石22で構成でき、組S0~S4を、ミドルケース内に配設された磁石24で構成できる。更に、上述の第1の変形例に対する複数の変形例では、4つの組S1~S4それぞれに配置された6個の磁石のバッチを、上記組の12個の角度位置の間に6個の同一の磁石を配置する、考えられるあらゆる可能性に従って配置できることに留意されたい。更に、4つの組S1~S4それぞれに配置された磁石の4つのサブセットはそれぞれ、M/2=6とは異なる同じ個数の磁石を、上記個数が個数M未満である限りにおいて、有することができ、従って本発明による抵抗磁気トルクの変動とリンクした条件を常に満たすことができることに留意されたい。最後に、別の比較的有利でない変形例では、他の組S1~S4の磁石の個数が組S0の磁石の個数より少ないままであれば、M個未満の磁石を組S0に配置することもできることに留意されたい。
【0028】
上述の様々な備考から、上述の第1の変形例を包含する一般的な変形例を作成できる。この一般的な変形例では、上記2つの個数Z1、Z2のうちの一方はMに等しく(M=N/K)、また、問題となる極性部品のセットを形成する、対応するM個の極性部品は、間に角度周期βを有したまま規則的に分散されているが、上記2つの個数Z1、Z2のうちのもう一方はM+[K-1]・Yに等しく、ここでYは、Mより小さな正の整数であり、Kは上記角度周期内の角度ピッチの個数である。そして、上記2つの個数Z1、Z2のうちの上記もう一方に対応し、また関連するセットの極性部品である、M個の極性部品のサブセットを、間に角度周期を有する、第1の組のM個の角度位置それぞれに配置する。最後に、[K-1]・Y個の残りの極性部品を、Y個の極性部品が、間に角度周期βを有するM個の角度位置の、K-1個の他の組それぞれに配置されるように、分散し、ここで上記第1の組、及び他のK-1個の組は、これらの間において、上記角度ピッチだけ角度がオフセットされている。
【0029】
上述の一般的な変形例の、ある具体的な変形例では、個数Mは偶数であり、個数YはM/2に等しい。更に、上記他のK-1個の組それぞれに配置されるY個の極性部品は好ましくは、角度周期の2倍、即ち2・βに等しい間隔を間に有して、規則的に分散される。
【0030】
図4を参照して、磁気デバイスのサイズを増大させることなくベゼルとミドルケースとの間の磁気結合を増大させることができる、本発明の第1の実施形態の第2の変形例について説明する。この第2の変形例では、
図2に示されている第1の変形例においてと同様に、角度位置の個数Nは60個に等しく(N=60)、抵抗磁気トルクの変動の角度周期の個数Kは5に等しい(K=5)。磁気デバイス20Aは、上で定義されている2つの個数Z1、Z2のうちの一方が24に等しく(Z1=24)、24個の対応する極性部品24が、間に角度周期β=30°を有する12個の角度位置の、第1の組S5及び第2の組S6それぞれに配置され、これら第1及び第2の組は角度ピッチαだけオフセットされており、その一方で、上記2つの個数Z1、Z2のうちのもう一方が、第1の変形例に関して図示した例と同様に36に等しく(Z2=36)、12個の対応する極性部品22の3つのサブセットそれぞれが、間に角度周期βを有する12個の角度位置の3つの組、即ち第3の組S0、第4の組S1、第5の組S3それぞれに配置されることを特徴とする。第3及び第4の組は互いに対して角度ピッチαだけオフセットされ、第5の組は、第3及び第4の組それぞれに対して、2つの角度ピッチ分だけ、即ち2・αだけ、オフセットされる。間に上記角度周期を有する12個の角度位置をそれぞれ有する残りの他の2つの組は、空所であり、即ち極性部品を備えない。
【0031】
従って、強い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置のための、間に角度周期βを有する、他の24個の磁石に対面するか又はある変形例では24個の強磁性部品に対面する、24個の磁石と、強い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置の間に位置する、比較的小さな抵抗磁気トルクを有する安定角度位置のための、他の12個の磁石に対面するか又はある変形例では12個の強磁性部品に対面する、12個の磁石とが得られる。従って、対面する極性部品のペアの数について、比較的小さな抵抗磁気トルクを有する安定角度位置と、強い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置との間に、1/2の比率が存在し、これは、第1の変形例に関して図示されている例のように、抵抗磁気トルクの強度についてのおおよそ同じ比率につながる。別の変形例では、極性部品のサブセットを、上述の空所である角度位置の2つの組に追加することによって、この比率を低減でき、ここでサブセットあたりの極性部品の個数はM以下、即ち12個以下であることに留意されたい。
【0032】
図示されていないものの、第2の変形例と同等であり、ここでも個数Nは60に等しく(N=60)、個数Kは5に等しい(K=5)、第3の変形例では、2つの個数Z1、Z2のうちの一方は24に等しく、24個の対応する極性部品は、間に角度周期βを有する12個の角度位置の、第1の組及び第2の組それぞれに配置され、これら第1及び第2の組は2つの角度ピッチ分だけ、即ち2・αだけオフセットされており、その一方で、上記2つの個数Z1、Z2のうちのもう一方は36に等しく、12個の対応する極性部品の3つのサブセットそれぞれは、間に角度周期βを有する12個の角度位置の第3の組、第4の組、第5の組それぞれに配置される。この場合、第4の組は、第3の組とも第5の組とも、角度ピッチαだけオフセットされる。間に上記角度周期を有する12個の角度位置をそれぞれ有する残りの他の2つの組は、空所であり、即ち極性部品を備えない。第2の変形例についてと同様に、別の変形例では、極性部品のサブセットを上述の2つの空所である組に配置することによって、抵抗磁気トルクの変動を修正でき、ここで追加されるサブセットあたりの極性部品の個数はM以下、即ち12以下であり、例えば6個又は4個の極性部品が規則的に分散される。
【0033】
第2の変形例及び第3の変形例は、第1の変形例に対してわずか25%の極性部品を追加しただけで、それぞれ円に沿って分散され、かつそれぞれ回転ベゼル及びミドルケースに関連付けられた、2セットの極性部品以外の磁気手段を使用することなく、抵抗磁気トルクの強度を倍増させることができるため、非常に有利である。換言すれば、回転ベゼルを備えた腕時計に関する特定の所与の抵抗磁気トルクについて、安定角度位置に応じてこの所与の抵抗トルクに略2つの強度値が提供されている場合、第1の変形例に関連する極性部品の寸法、従って磁気デバイスのサイズを、削減できる。なお、個数Kの他の奇数の値に対しては、第2、第3の変形例と類似した変形例が存在する。
【0034】
抵抗磁気トルクに関する略2つの強度値を有する変形例が存在し、ここでは、N個の角度位置の間での分布が同一である、M個の極性部品の3つ以上の組が、2つの部品(ベゼル及びミドルケース)のそれぞれの上に存在し、また相補的な極性部品の組が、これら2つの部品のうちの一方のみの上に存在する。例えば、60に等しいN(N=60)、及び10に等しいK(K=10)について、2つの部品それぞれに対して、間に角度周期を有する6個の角度位置をそれぞれ有する3つの隣接する組にそれぞれ配置される、6個の極性部品(M=N/K=6)の3つのサブセットと、間に角度周期を有する6個の角度位置をそれぞれ有する4つの組にそれぞれ配置される、6個の極性部品4つのサブセットとが存在でき、これら2つの部品のうちの一方のみに残っている6個の角度位置の上記7つの組のうち、これら4つの他の組は、隣接する組の2つのペアを形成し、隣接する組の各ペアは、空所である、即ち極性部品を備えない、2つの組によって取り囲まれる。よって、60°の角度周期によって隔てられた6個の安定角度位置について、上記2つの部品のうちの一方の18個の極性部品に対面した、上記2つの部品のうちのもう一方の18個の極性部品が得られ、また他の安定角度位置において、上記2つの部品のうちの一方の12個の極性部品に対面した、上記2つの部品のうちのもう一方の12個の極性部品が得られる。このようにして、抵抗磁気トルクの2つの値の間におよそ2/3の比率が得られる。
【0035】
磁気デバイスの効率に関して比較的有利でない第4の変形例が、
図5に示されている。この第4の変形例は、第1の変形例においてと同様に、抵抗磁気トルクの周期的な変動が有する角度ピッチの個数である整数Kが5に等しい(K=5)場合に関する。この第4の変形例は、磁気デバイス20Bが、2で除算された極性部品24の個数Z2を有し、従ってこの個数Z2がM/2、即ち6に等しくなる(Z2=M/2=6)という事実によって、第1の変形例とは異なる。これら6個の極性部品は、角度周期の2倍に等しい、即ち2・βに等しい角距離/間隔で、規則的に分散される。極性部品22の個数Z1は、第1の変形例に関して図示した例の対応する個数と同一であり(Z1=36)、これらZ1個の極性部品22の分散は、上述の第1の変形例の一般的な場合に対応するが、この一般的な場合に対して以下の追加の条件が存在する:角度位置の組S1~S4(これらは第1の変形例ではM個未満の極性部品を備える)はそれぞれ、(第1の変形例で図示されている例と同様の)この第4の変形例ではM/2個の極性部品を備え、これら6個の極性部品は、問題となっている組において、M/2未満の奇数に角度周期を乗算したものに等しい角度オフセットを間に有する極性部品のペアで分散される。従って、磁石22のペアは3つ存在し、各ペアは、2つの磁石の間に上述の角度オフセットを有する。このように、
図5のものではない構成が可能であることが理解される。なお、別の変形例では、各組S1~S4内の極性部品のペアの個数を3未満、即ち2又は1とすることができる。後者の場合、ある一定の抵抗磁気トルクを有する回転ベゼルの周期角度位置と、比較的小さな抵抗磁気トルクを有する回転ベゼルの角度位置との間の抵抗磁気トルクの比率が低下し、従って上記比率は、極性部品のペアの個数が3であり、かつ上記比率が2に等しい場合よりも、小さくなる。
【0036】
図6~10を参照して、本発明による時計の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態は:上記第1の極性部品の上記第1のセット、及び上記第2の極性部品の上記第2のセットがそれぞれ、上記第1のセットと上記第2のセットとの間に磁気反発力を発生させる永久磁石で形成されること;並びに回転ベゼル6AのN個の安定角度位置がそれぞれ、上記回転ベゼルにしっかりと接続された磁石22Aが配置されることになるN個の第1の角度位置の位置決めによって画定され、上記N個の第1の角度位置が、上記ミドルケースにしっかりと接続された磁石24Aが配置されることになるミドルケース8AのN個の第2の角度位置に対して、上記角度ピッチの略半分(α/2)に等しい角度オフセットを有することを特徴とする。
【0037】
図6に示されている変形例では、腕時計32は、ミドルケース8A及び回転ベゼル6Aによって形成されるケース34を備える。
図1に関連して上述した参照番号は、同様の要素に関連する。上記ケースの構成は:回転ベゼルが玉軸受36上に設置される点;並びに磁気デバイス20Cが、ケース34の同一の一般平面内にそれぞれ円形に配設される、磁石22Aの第1のセット及び磁石24Aの第2のセットを備える点で、
図1のものとは実質的に異なっており、この一般平面は回転ベゼルの回転軸に対して垂直である。上述のように、このような構成は、軸方向の磁力を排除できる。更に、同一周期の、又は第2の周期が第1の周期の整数倍である、磁石の第1及び第2のセットそれぞれにおける磁石の周期的な配置は、回転ベゼルのいずれの角度位置について、全体としての半径方向の磁力をゼロ又は極めて弱いものとすることができ、これにより、玉軸受は、摩擦力によってその動作を全く又は極めてわずかしか妨害されない。
図7~10に示されている変形例の磁気デバイスは、上述の磁石の周期的な配置を有するため、これらの変形例では、磁石の2つのセットの間の接線方向の磁力のみが有効であり、磁気戻りトルクに対応する望ましい抵抗磁気トルクを発生させる。
【0038】
磁石の第1のセットが磁石の第2のセットと磁気によって反発するように配設されると、これら2つのセットの磁石が互いに対面するとき、磁気ポテンシャルエネルギが高くなる。回転ベゼルの機械的位置決めが存在しない場合、回転ベゼルの安定角度位置は、磁気デバイス20C内の、磁気ポテンシャルエネルギが低い位置に対応する。従ってこれらの安定角度位置は、磁石の第1及び第2のセットが、互いに対して角度ピッチの半分だけ実質的にオフセットされる角度位置に対応する。機械的位置決めが存在しない場合、安定角度位置のうちのいくつか、特に回転ベゼルの、比較的強い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置の前の、及び比較的強い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置の次の、各安定角度位置が、あまり正確でない、即ち完璧に周期的ではなくなるというリスクがあることに留意されたい。よってある具体的な変形例では、磁気デバイス20Cに加えて、回転ベゼルの角度位置決定のための機械的デバイス、例えばベゼルに締結され、かつミドルケースにしっかりと接続されたジャンパーに関連付けられた、ホイール/歯付きクラウンが存在してもよい。
【0039】
図7、8を参照して、第2の実施形態の第1の変形例について説明する。第1の実施形態の変形例と同様、回転ベゼル6Aの安定角度位置の個数Nは、磁気デバイス20Cの上記構成に関して、回転ベゼルとリンクした第1の角度位置の個数、及びミドルケースとリンクした第2の角度位置の個数に対応し、上記個数Nは60に等しく(N=60)、上で定義されている個数Kは5に等しい(K=5)。ミドルケース8Aは、12個(Z2=M=N/K=12)の磁石24Aの1つの組を備え、これは、間に角度周期β=30°を有する12個の角度位置の1つの組S5に配置される。回転ベゼル6Aは、間に角度周期βを有する12個の角度位置の隣接する組S0、S4に配置された、12個の磁石22Aの2つのサブセットを備える。磁石22Aの上記2つのサブセットは、回転ベゼルがある回転方向又は逆の回転方向への駆動中に比較的強い抵抗磁気トルクを受ける、12個の安定角度位置を画定し、これら12個の安定角度位置は、回転ベゼルとリンクした12個の磁石24Aそれぞれが、組S0、S4に配置された上記2つのサブセットによって形成される、隣接する磁石22Aの12個のペアの間に位置するときに発生する。この第2の実施形態において非常に興味深いのは、磁気デバイス20Cが、強い抵抗磁気トルク、即ち磁気デバイス20C内の接線方向の磁力によって発生する強い磁気戻りトルクを有する、回転ベゼルの12個の安定角度位置の両側において、高い磁気ポテンシャル障壁を発生させる点である。それぞれ6個の磁石で形成される、磁石22Aの他の3つのサブセットはそれぞれ、角度位置の他の3つの組S1、S2、S3に、上記角度周期の2倍に等しい角距離で規則的に分散される。よって、回転ベゼルが保持する磁石の個数Z1は、42に等しい(Z1=42)。上記他の3つの組S1~S3が、組S0、S4の半分の磁石を備えるため、(
図6の実施形態において磁気戻りトルクに等しい)抵抗磁気トルクは、比較的低い抵抗磁気トルクを有する2つの安定角度位置の間で回転ベゼルを駆動する場合には、比較的低い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置から強い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置への、又はその逆の駆動に対して、略半分になる。
【0040】
磁気引力で提供される磁気デバイスを備える第1の実施形態の文脈では、強い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置に回転ベゼルが到達したときに感知される抵抗磁気トルクは、上記安定角度位置の励起時のものと同一ではない。実際には、この第1の実施形態において、強い戻りトルクを有する安定角度位置に近づくと、摩擦力がそれほど大きくない限り、抵抗磁気トルクは最大値を通過したあと減少し、最終的に駆動トルクとなる。しかしながら、強い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置から回転ベゼルを回転駆動すると、ユーザは、回転ベゼルの回転運動に対向する、この強い抵抗磁気トルクを感知する。従って、安定角度位置が強い抵抗磁気トルクに関連付けられたものであることを十分に感知できるようにするためには、このような安定角度位置に到達する必要がある。これは、程度は低くなるものの、第1の実施形態の回転ベゼルの全ての安定角度位置についても同様に当てはまることに留意されたい。
【0041】
第2の実施形態は、比較的高い磁気ポテンシャル障壁を、強い磁気戻りトルクを有する12個の安定角度位置それぞれの前後に配置することにより、第1の実施形態で発生する上述の課題に対する有効な解決策を提供する。ユーザが回転ベゼルを作動させる場合、ユーザは、上記回転ベゼルが、強い磁気戻りトルクを有する安定角度位置に到達するために、1つの角度ピッチだけ移動するときに、上記回転ベゼルが、このような安定角度位置を離れる際に1つの角度ピッチだけ移動するときと同一の感覚を得る。これは、ユーザが、比較的小さな抵抗磁気トルクを有する安定角度位置の間で回転ベゼルを作動させる場合にも当てはまる。しかしながら、比較的小さな抵抗磁気トルクは、強い抵抗磁気トルクを有する角度位置に隣接する安定角度位置について、回転の一方向のみ、即ち強い抵抗磁気トルクを有する角度位置から離れる方向のみに現れることに留意されたい。実際に、もう一方の方向では、回転ベゼルは強い抵抗磁気トルクを有する隣接する安定角度位置の方向に回転し、従って上記回転ベゼルは高い磁気ポテンシャル障壁を受ける。
【0042】
図7、9、10では、42個の磁石22Aが回転ベゼルに保持される磁気デバイスの3つの構成20C、20D、20Eそれぞれに対応する3つの同等の代替例が与えられている。これら3つの代替例は、磁気的には類似しており、即ちこれらは回転ベゼルの各安定角度位置について同一の抵抗磁気トルクを発生させる。比較的小さな抵抗磁気トルクを有する安定角度位置について異なるレベルの磁気結合を有する他の変形例では、より多数又は少数の磁石22Aを組S1、S2、S3に設けることができ、ただしこれらの組それぞれの磁石の個数はM個未満、即ち12個未満の同一の個数に維持されることに留意されたい。高い抵抗磁気トルクを有する安定角度位置に関して発生する抵抗磁気トルクについて効果が比較的低い他の変形例では、組S0、S4内の隣接する磁石のペアの個数を削減しながら、中間の組S1~S3それぞれの磁石の個数をより少なくすることができる。後者の場合、組S0、S4内に隣接する磁石のペアを有する必要はないことに留意されたい。というのは、これら2つの組それぞれが同数の磁石を有するだけで十分であるためである。
【0043】
上述の変形例の上記3つの代替例は、以下のように一般化できる:磁石の2つの個数Z1、Z2のうちの一方はMに等しく(M=N/K)、M個の対応する磁石は、間に角度周期(β)に等しい間隔を有して規則的に分散され、また磁石の2つの個数Z1、Z2のうちのもう一方は、2・M+[K-2]・Yに等しく、ここでYはMより小さな正の整数である。よって、それぞれM個の対応する磁石の第1及び第2のサブセットが、M個の角度位置の2つの組に配置され、これら2つの組は、これらの間において角度ピッチ(α)だけオフセットされ、またそれぞれ、角度位置間に上記角度周期を有する。最後に、残りの[K-2]・Y個の対応する磁石が、間に上記角度周期を有する、M個の角度位置の他のK-2個の組に、各組がY個の磁石を備えるように分散され、上記K-2個の他の組と、上記2つの組とは、これらの間において角度ピッチ(α)だけオフセットされる。図示されている3つの代替例に対応するある具体的な変形例では、個数Mは偶数であり、個数YはM/2に等しく、K-2個の他の組それぞれに配置されたY個の極性部品は、間に角度周期の2倍(2・β)の角距離を有して規則的に分散される。更に一般的な一変形例は、2・W+[K-2]・Yに等しいものとして提供される、2つの個数Z1、Z2のうちの上記もう一方によって、同様に定義でき、ここでWは1より大きくM以下である正の整数であり、YはWより小さな正の整数である。角度位置の2つの隣接する組はそれぞれW個の磁石を備え、残りの磁石は上述のように分散される。
【符号の説明】
【0044】
4 ケース
6 回転ベゼル
20 磁気デバイス
22 第1の極性部品
24 第2の極性部品
【外国語明細書】