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  • 特開-りん具 図1
  • 特開-りん具 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101493
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】りん具
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A47G33/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202219
(22)【出願日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2020215004
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
(57)【要約】
【課題】りん本体の内側にりん棒を収容することもでき、さらにこのりん棒にいろいろな機能を付与したりん具の提供を目的とする。
【解決手段】上部が開口したりん本体と、前記りん本体の内側に収容可能なりん棒とを備え、前記りん棒は打撃部と摘み部と、前記打撃部と摘み部との間を連結した連結部とを有し、前記連結部はふた部又は支持部を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口したりん本体と、前記りん本体の内側に収容可能なりん棒とを備え、
前記りん棒は打撃部と摘み部と、前記打撃部と摘み部との間を連結した連結部とを有し、
前記連結部はふた部又は支持部を有することを特徴とするりん具。
【請求項2】
前記りん棒は自立型であり、当該りん棒をりん本体の内側に自立載置すると、前記ふた部は前記りん本体の開口部を概ね塞ぐ大きさであって、ふた部と前記開口部の上縁部との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1記載のりん具。
【請求項3】
前記りん棒の連結部は可撓性を有することを特徴とする請求項2記載のりん具。
【請求項4】
前記りん本体の内側底部は前記りん棒を自立載置する際に位置決めとなる位置決め部を有することを特徴とする請求項2又は3記載のりん具。
【請求項5】
前記ふた部は前記りん棒をりん本体の内側に収容すると、りん本体の開口部の上縁部に保持されることで前記打撃部が連結部により垂下保持されることを特徴とする請求項1記載のりん具。
【請求項6】
前記連結部は複数の連結部材に分割されているとともに前記連結部材同士は相互に屈曲自在に連結されていることを特徴とする請求項5記載のりん具。
【請求項7】
前記りん棒の連結部に有する支持部は前記打撃部を垂下させた状態で自立可能であることを特徴とする請求項1記載のりん具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仏具等として使用されるおりんに関し、特にりん本体とこのりん本体を打ち鳴らすのに用いられるりん棒とをセットにしたりん具に係る。
【背景技術】
【0002】
近年は、小家族化が進み、仏壇等が小型化している。
これに伴い、りん具も小型化が要求されている。
本出願人は、これまでに上部が開口したりんの内部に自立可能な接触作用体を有する、りんについて提案している(特許文献1)。
特許文献1に記載の発明は、接触作用体に軽く振れるだけで、りんを鳴らすことができるとともに、この接触作用体がりん棒としての機能を有していることで優れる。
本発明は、りん棒をりん本体の内側に配置する構造をさらにコンパクトにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5651821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、りん本体の内側にりん棒を収容することもでき、さらにこのりん棒にいろいろな機能を付与したりん具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るりん具は、上部が開口したりん本体と、前記りん本体の内側に収容可能なりん棒とを備え、前記りん棒は打撃部と摘み部と、前記打撃部と摘み部との間を連結した連結部とを有し、前記連結部はふた部又は支持部を有することを特徴とする。
ここで、ふた部は、りん棒をりん本体の内側に収容すると、りん本体の開口部を概ね塞ぐ大きさを有しており、支持部はりん棒を自立保持できるものをいう。
これにより、りん具を仏壇や仏前に置いておく際には、りん棒をりん本体の内側に収容した状態で保管でき、りん本体を打りんする際には、りん棒を持ち上げて使用できる。
【0006】
本発明は、このりん棒に打りん以外のいろいろな機能を付与した点に特徴があり、以下具体的な例を挙げる。
例えば、りん棒は自立型であり、当該りん棒をりん本体の内側に自立載置すると、前記ふた部は前記りん本体の開口部を概ね塞ぐ大きさであって、ふた部と前記開口部の上縁部との間に隙間が形成されている例が挙げられる。
このようにすると、りん棒でりん本体を打りんし、そのままりん棒をりん本体の内側に自立載置しても、ふた部とりん本体の開口部の上縁部との間に隙間を有しているので、そのままりん本体が鳴り、余韻が長くなる。
また、ふた部は、りん本体の開口部を概ね塞ぐ大きさなので、りん棒とりん本体をセットにして保管している間に、りん本体の内側にホコリ等が侵入するのを防ぐ。
【0007】
ここで、りん棒の連結部に可撓性を有する材料を採用してあると、りん棒をりん本体の内側に自立した状態で、摘み部でふた部を押し下げることができ、ふた部がりん本体の開口部の上縁部に当たり、鳴っている音を途中で止めることもできる。
また、ふた部の端部を上から軽く押すことでも同様の操作ができる。
【0008】
本発明において、りん本体の内側底部は前記りん棒を自立載置する際に位置決めとなる位置決め部を有するようにしてもよい。
このようにすると、りん棒をりん本体の内側に収容する際に、その位置決めが容易になる。
位置決め部の構造としては、段差状の凹部,リング状の凸部,あるいは同心円状に配置した複数の突起部等、いろいろな形態が考えられる。
【0009】
本発明において、りん棒をりん本体の内側に収容する際に、必ずしもこのりん棒を自立させる構造に限定されるものではなく、例えばふた部は、前記りん棒をりん本体の内側に収容すると、りん本体の開口部の上縁部に保持されることで前記打撃部が連結部により垂下保持されるようにしてもよい。
この場合には、りん棒の打撃部がりん本体の内側の底部に触れている必要はない。
ここで、打撃部を垂下保持する連結部は、シャフト状,ひも状,ワイヤー状,コイルバネ状等、いろいろな材質を採用することができ、例えば連結部は複数の連結部材に分割されているとともに前記連結部材同士は相互に屈曲自在に連結されている例も挙げられる。
例えば、複数の連結部材同士を相互に有するリング部を介して連結したり、複数のコマからなるチェーン状であってもよい。
【0010】
また、本発明において、りん棒の連結部に有する支持部は前記打撃部を垂下させた状態で自立可能であってもよい。
これは、りん棒を上記のふた部にて保持する場合の他に、例えば複数の脚部にてりん棒を自立保持する場合も、本発明に含まれる趣旨である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、りん棒をりん本体の内側に収容できるだけでなく、りん棒を連結部に、ふた部や支持部を設けたので、ふた部やりん本体にゴミ等が入るのを防いだり、りんの鳴る長さを調整できる機能を付与することができる。
また、りん棒を支持部で自立保持させることで、摘み部を指で摘み、軽く振るだけで打りんすることができる。
本発明に係るりん具は、りん棒の摘み部を摘み、軽く振るだけで音が鳴る卓上りんなので、卓上用ベルとしても展開できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るりん具の構造例を示し、(a)は外観、(b)は断面図、(c)はりん棒だけを取り出して自立させた状態を示す。
図2】りん棒をふた部に垂下させた例を示し、(a)は外観、(b)は断面図を示す。
図3】りん棒の連結部の他の構造例を示す。
図4】りん棒に自立可能な支持部を設けた例を示し、(a)は外観、(b)はりん本体を断面図で表した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るりん具の構造例を以下、図に基づいて説明する。
図は、代表例を示したものであって、これに限定されるものではない。
【0014】
図1に示した実施例は、りん棒が自立可能な例を示す。
りん具は、上部に開口部12を有するりん本体10と、りん棒20とからなる。
りん棒20は、りん本体10を打りんするための打撃部21と、指等で摘みやすくした摘み部23を有し、その間を連結部22で繋いである。
連結部22の途中には、ふた部24を有し、このふた部24はりん棒20に一体的に設けてもよく、また別部品を連結部22に取り付けてもよい。
ふた部24の大きさ(外形)は、りん本体10の開口部12全体を概ね塞ぐ大きさに形成してあり、りん棒20をりん本体10の内側に収容した状態では、ホコリ等が入らないようになっている。
図1の実施例では、りん本体10にりん棒20を収容した状態で、りん本体10の上縁部12aとふた部24の外縁部24bとの間に隙間ができるように形成した例である。
図1では、隙間を大きく表現してあり、りん本体10の振動を妨げなければ、僅かでよい。
また、ふた部24が開口部12をできるだけ塞げるように、段差状の凸部24aを形成してもよい。
りん棒20は、自立可能になるように、図1(c)に示すように打撃部21の底面が平坦面21aになっているとともに、りん本体10の底部11の内側に位置決め部13を形成し、りん棒20の自立位置が容易に定まるようになっている。
図1に示した位置決め部13は、段差状の凹部になっているが、打撃部の周囲を囲むリング状の凸部を形成してもよい。
このようにすると、摘み部23を指等で持ち上げ、軽くりん本体10の内側、あるいは外側を打りんし、図2の状態に戻してもそのままりん本体20が鳴っている。
りん本体が鳴るのを途中で止める場合には、ふた部24の外縁部24bがりん本体10の上縁部12aに当たるようにふた部24を押えたり、摘み部23を摘みふた部24を傾けるだけでよい。
したがって本実施例では、連結部22が可撓性を有しているのが好ましい。
【0015】
図2に示した実施例は、りん棒20のふた部24の外縁部の下面が、りん本体10の開口部の上縁部12aに当接し、りん本体10の内側にりん棒20が垂下された状態で保持できるようにした例である。
【0016】
この場合に、図3に示すように、打撃部21を垂下保持できれば連結部に屈曲性を持たせることで、りん棒20を持ち上げて打りんする際に打りんしやすくなる。
連結部に屈曲性を持たせるには、連結部はひも状,ワイヤー状,コイルバネ状等のいろいろな形態が採用できる。
図3に示した実施例は、連結部を第1連結部材22aと第2連結部材22bとに分割し、それぞれの相互の端部にリング部122a,122bを設け、相互にリング部同士が輪の内側に挿通するように連結した例になっている。
このようにすると、摘み部を指で軽く摘み、そのまま打りんしやすくなる。
【0017】
図4に示した実施例は、ふた部の替わりに複数の脚部、例えば4本の脚部25a~25dにてりん棒の打撃部21を垂下保持しつつ、自立可能にした例となっている。
この場合に連結部22は、ワイヤーあるいは、ひも状であってもよい。
図4に示した実施例では、りん本体10の外側にりん棒の打撃部21を自立載置しておくこともでき、またりん本体10を打りんした後に、そのままりん棒の打撃部21をりん本体10の内側に納めても音が鳴る。
また、摘み部23を指で摘み、横方向にそのまま軽く振るだけでも打りんできる。
【符号の説明】
【0018】
10 りん本体
11 底部
12 開口部
12a 上縁部
13 位置決め部
20 りん棒
21 打撃部
22 連結部
23 摘み部
24 ふた部
図1
図2
図3
図4