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特開2022-101494フローティングシールを使用したターボ機械のクリアランス制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101494
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】フローティングシールを使用したターボ機械のクリアランス制御
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/28 20060101AFI20220629BHJP
   F01D 11/16 20060101ALI20220629BHJP
   F16J 15/44 20060101ALI20220629BHJP
   F16J 15/447 20060101ALI20220629BHJP
   H01F 7/02 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
F02C7/28 A
F02C7/28 E
F01D11/16
F16J15/44 C
F16J15/447
H01F7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021202367
(22)【出願日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】17/126,333
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ドワイト・ベリー
【テーマコード(参考)】
3G202
3J042
【Fターム(参考)】
3G202KK04
3G202KK17
3G202KK34
3G202KK37
3J042AA03
3J042BA03
3J042CA03
3J042CA10
3J042CA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガスタービンの封止装置およびガスタービン用のロータアセンブリを提供する。
【解決手段】封止装置200は、静止構成要素202を含む。第1のスロット216が、外壁208と第1の内壁210との間に画定される。第2のスロット218が、外壁と第2の内壁212との間に画定される。回転構成要素204が、静止構成要素に対して円周方向に移動する。回転構成要素は、先端レールを含む。フローティングシール224が、静止構成要素と回転構成要素との間に位置決めされる。フローティングシールは、第1のスロット内に延びる第1のアーム228、および第2のスロット内に延びる第2のアーム230を有する軸方向部材226を含む。フローティングシールは、軸方向部材から延びる第1の半径方向部材232および第2の半径方向部材234を含む。複数の磁石235が、静止構成要素、回転構成要素、およびフローティングシールに結合される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン(10)で使用するための封止装置(200)であって、
外壁(208)、第1の内壁(210)、および第2の内壁(212)を有する静止構成要素(202)であって、前記第1の内壁(210)および前記第2の内壁(212)は、第1のスロット(216)が前記外壁(208)と前記第1の内壁(210)との間に画定され、第2のスロット(218)が前記外壁(208)と前記第2の内壁(212)との間に画定されるように、前記外壁(208)から離間している静止構成要素(202)と、
前記静止構成要素(202)から離間した回転構成要素(204)であって、前記回転構成要素(204)は、前記静止構成要素(202)に対して移動し、前記回転構成要素(204)は、先端レール(106)を含む回転構成要素(204)と、
前記静止構成要素(202)と前記回転構成要素(204)との間に位置決めされたフローティングシール(224)であって、前記フローティングシール(224)は、前記第1のスロット(216)内に延びる第1のアーム(228)、および前記第2のスロット(218)内に延びる第2のアーム(230)を有する軸方向部材(226)を含み、前記フローティングシール(224)は、前記軸方向部材(226)から前記第1の内壁(210)と前記第2の内壁(212)との間に画定された開口部(220)を通って延びる第1の半径方向部材(232)および第2の半径方向部材(234)を含むフローティングシール(224)と、
前記静止構成要素(202)、前記回転構成要素(204)、および前記フローティングシール(224)に結合された複数の磁石(235)であって、前記複数の磁石(235)は、前記フローティングシール(224)が前記静止構成要素(202)と前記回転構成要素(204)との間に収容されるように配置される複数の磁石(235)と
を備える、封止装置(200)。
【請求項2】
前記複数の磁石(235)は、前記静止構成要素(202)内に埋め込まれた第1の対(236)の磁石(235)および第2の対(240)の磁石(235)を含み、前記第1の対(236)の磁石(235)は、互いに前記第1のスロット(216)を横切って位置決めされ、前記第2の対(240)の磁石(235)は、互いに前記第2のスロット(218)を横切って位置決めされる、請求項1に記載の封止装置(200)。
【請求項3】
前記第1の対(236)の磁石(235)は、前記外壁(208)内に位置決めされた第1の外側磁石(237)と、前記第1の内壁(210)内に位置決めされた第1の内側磁石(238)とを含み、前記第2の対(240)の磁石(235)は、前記外壁(208)内に位置決めされた第2の外側磁石(241)と、前記第2の内壁(212)内に位置決めされた第2の内側磁石(242)とを含む、請求項2に記載の封止装置(200)。
【請求項4】
第1の軸方向シール磁石(244)は、前記軸方向部材(226)の前記第1のアーム(228)に取り付けられ、第2の軸方向シール磁石(246)は、前記軸方向部材(226)の前記第2のアーム(230)に取り付けられ、前記第1の軸方向シール磁石(244)は、前記第1の対(236)の磁石(235)の間に延び、前記第2の軸方向シール磁石(246)は、前記第2の対(240)の磁石(235)の間に延びる、請求項2に記載の封止装置(200)。
【請求項5】
前記第1の軸方向シール磁石(244)は、前記第1の対(236)の磁石(235)によって反発され、前記第2の軸方向シール磁石(246)は、前記第2の対(240)の磁石(235)によって反発され、それにより前記フローティングシール(224)は、半径方向(R)に整列させられる、請求項4に記載の封止装置(200)。
【請求項6】
前記複数の磁石(235)は、互いに対向して位置決めされ、前記フローティングシール(224)内に埋め込まれた第3の対(248)の磁石(235)をさらに備える、請求項1に記載の封止装置(200)。
【請求項7】
前記第3の対(248)の磁石(235)は、前記第1の半径方向部材(232)内に埋め込まれた第1の半径方向シール磁石(249)と、前記第2の半径方向部材(234)内に埋め込まれた第2の半径方向シール磁石(250)とを含む、請求項6に記載の封止装置(200)。
【請求項8】
先端レール磁石(252)は、前記回転構成要素(204)の前記先端レール(106)に取り付けられ、前記先端レール磁石(252)は、前記第3の対(248)の磁石(235)の間に延び、前記先端レール磁石(252)は、前記第3の対(248)の磁石(235)によって反発され、それにより前記フローティングシール(224)は、軸方向(A)に整列させられる、請求項7に記載の封止装置(200)。
【請求項9】
前記複数の磁石(235)は、永久磁石(235)である、請求項1に記載の封止装置(200)。
【請求項10】
前記複数の磁石(235)は、アルニコ磁石(235)である、請求項1に記載の封止装置(200)。
【請求項11】
ガスタービン(10)用のロータアセンブリ(19)であって、
ロータディスク(24)から半径方向外側に延びる複数のロータブレード(26)であって、前記複数のロータブレード(26)は、前記ガスタービン(10)の動作中に円周方向(C)に移動し、前記複数のロータブレード(26)における各ロータブレード(26)は、プラットフォーム(110)、先端レール(106)、および前記プラットフォーム(110)と前記先端レール(106)との間に延びる翼形部(112)を含み、前記複数のロータブレード(26)における各ロータブレード(26)の前記先端(126)レール(106)は、前記ガスタービン(10)の中心線(23)の周りに円周方向に延びる先端レールリング(114)を集合的に形成する複数のロータブレード(26)と、
前記ガスタービン(10)の前記中心線(23)の周りに円周方向に延び、前記先端レールリング(114)から半径方向に離間したシュラウドリング(115)を集合的に形成する複数のシュラウドブロック(35)であって、各シュラウドブロック(35)は、外壁(208)、第1の内壁(210)、および第2の内壁(212)を有し、前記第1の内壁(210)および前記第2の内壁(212)は、第1のスロット(216)が前記外壁(208)と前記第1の内壁(210)との間に画定され、第2のスロット(218)が前記外壁(208)と前記第2の内壁(212)との間に画定されるように、前記外壁(208)から半径方向に離間している複数のシュラウドブロック(35)と、
前記先端レールリング(114)とケーシング(33)との間に位置決めされたフローティングシール(224)であって、前記フローティングシール(224)は、前記第1のスロット(216)内に延びる第1のアーム(228)、および前記第2のスロット(218)内に延びる第2のアーム(230)を有する軸方向部材(226)を含み、前記フローティングシール(224)は、前記軸方向部材(226)から延びる第1の半径方向部材(232)および第2の半径方向部材(234)を含むフローティングシール(224)と、
前記シュラウドリング(115)、前記先端レールリング(114)、および前記フローティングシール(224)に結合された複数の磁石(235)であって、前記複数の磁石(235)は、前記フローティングシール(224)が前記シュラウドリング(115)と前記先端レールリング(114)との間に収容されるように配置される複数の磁石(235)と
を備える、ロータアセンブリ(19)。
【請求項12】
前記複数の磁石(235)は、前記シュラウドリング(115)内に埋め込まれた第1の対(236)の磁石(235)および第2の対(240)の磁石(235)を含み、前記第1の対(236)の磁石(235)は、互いに前記第1のスロット(216)を横切って位置決めされ、前記第2の対(240)の磁石(235)は、互いに前記第2のスロット(218)を横切って位置決めされる、請求項11に記載のロータアセンブリ(19)。
【請求項13】
前記第1の対(236)の磁石(235)は、前記外壁(208)内に位置決めされた第1の外側磁石(237)と、前記第1の内壁(210)内に位置決めされた第1の内側磁石(238)とを含み、前記第2の対(240)の磁石(235)は、前記外壁(208)内に位置決めされた第2の外側磁石(241)と、前記第2の内壁(212)内に位置決めされた第2の内側磁石(242)とを含む、請求項12に記載のロータアセンブリ(19)。
【請求項14】
第1の軸方向シール磁石(244)は、前記軸方向部材(226)の前記第1のアーム(228)に取り付けられ、第2の軸方向シール磁石(246)は、前記軸方向部材(226)の前記第2のアーム(230)に取り付けられ、前記第1の軸方向シール磁石(244)は、前記第1の対(236)の磁石(235)の間に延び、前記第2の軸方向シール磁石(246)は、前記第2の対(240)の磁石(235)の間に延びる、請求項12に記載のロータアセンブリ(19)。
【請求項15】
前記第1の軸方向シール磁石(244)は、前記第1の対(236)の磁石(235)によって反発され、前記第2の軸方向シール磁石(246)は、前記第2の対(240)の磁石(235)によって反発され、それにより前記フローティングシール(224)は、半径方向(R)に整列させられる、請求項14に記載のロータアセンブリ(19)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ターボ機械のクリアランスに関する。特に、本開示は、ターボ機械における静止構成要素と回転構成要素との間のクリアランスを制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、エネルギー伝達の目的で様々な産業および用途で利用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機セクションと、燃焼セクションと、タービンセクションと、排気セクションとを含む。圧縮機セクションは、ガスタービンエンジンに入る作動流体の圧力を徐々に上昇させ、この圧縮された作動流体を燃焼セクションに供給する。圧縮された作動流体および燃料(例えば、天然ガス)は、燃焼セクション内で混合され、燃焼チャンバ内で燃焼して高圧および高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼セクションからタービンセクションに流れ、そこで膨張して仕事を発生する。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、例えば、発電機に接続されたロータシャフトを回転させ、電気を発生することができる。次いで、燃焼ガスは、排気セクションを介してガスタービンから出る。
【0003】
特定の用途では、ターボ機械内で互いに対して移動する構成要素間にクリアランスが存在する場合がある。例えば、圧縮機、タービンなどの回転機械における回転構成要素と静止構成要素との間にクリアランスが存在し得る。クリアランスは、温度変化または他の要因に起因して、回転機械の動作中に増減する可能性がある。理解され得るように、クリアランスが小さいほど、ブレードと周囲のシュラウドとの間の流体漏れが少なくなるため、圧縮機またはタービンの性能および効率を改善することができる。しかし、より小さいクリアランスはまた、擦れ条件(rub condition)の可能性を増加させる。動作条件もまた、擦れ条件の可能性に影響を与える。例えば、擦れ条件の可能性は、過渡条件の間に増加し、定常状態条件の間に減少し得る。
【0004】
封止アセンブリがクリアランス内に位置決めされる場合があり、構成要素を互いに近接させる必要なく回転構成要素と静止構成要素との間の空間を小さく保つことによって、クリアランスを通過する流れの量を制限する。
【0005】
既知の封止アセンブリは、ガスタービンが定常状態動作条件に達すると最も効果的である。例えば、ロータアセンブリとステータアセンブリの両方が定常状態動作温度に達すると、アセンブリは熱膨張し、封止アセンブリに完全に係合する。したがって、ロータアセンブリとステータアセンブリとの間を封止するための改善された封止アセンブリが当技術分野において望まれている。特に、ガスタービンのすべての動作条件で効果的な封止アセンブリが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示による封止装置およびロータアセンブリの態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されており、または説明から明らかとなり、または本技術の実践を通して学ぶことができる。
【0007】
一実施形態によれば、ガスタービンで使用するための封止装置が提供される。封止装置は、外壁、第1の内壁、および第2の内壁を有する静止構成要素を含む。第1の内壁および第2の内壁は、外壁から離間している。第1のスロットが、外壁と第1の内壁との間に画定される。第2のスロットが、外壁と第2の内壁との間に画定される。封止装置は、静止構成要素から離間した回転構成要素をさらに含む。回転構成要素は、静止構成要素に対して円周方向に移動する。回転構成要素は、先端レールを含む。封止装置は、静止構成要素と回転構成要素との間に位置決めされたフローティングシールをさらに含む。フローティングシールは、第1のスロット内に延びる第1のアーム、および第2のスロット内に延びる第2のアームを有する軸方向部材を含む。フローティングシールは、軸方向部材から延びる第1の半径方向部材および第2の半径方向部材を含む。封止装置は、静止構成要素、回転構成要素、およびフローティングシールに結合された複数の磁石をさらに含む。複数の磁石は、フローティングシールが静止構成要素と回転構成要素との間に収容されるように配置される。
【0008】
別の実施形態によれば、ガスタービン用のロータアセンブリが提供される。ロータアセンブリは、ロータディスクから半径方向外側に延びる複数のロータブレードを含む。複数のロータブレードにおける各ロータブレードは、プラットフォーム、先端レール、およびプラットフォームと先端レールとの間に延びる翼形部を含む。複数のロータブレードにおける各ロータブレードの先端レールは、ガスタービンの中心線の周りに円周方向に延びる先端レールリングを集合的に形成する。ロータアセンブリは、ガスタービンの中心線の周りに円周方向に延び、先端レールリングから半径方向に離間したシュラウドリングを集合的に形成する複数のシュラウドブロックをさらに含む。各シュラウドブロックは、外壁、第1の内壁、および第2の内壁を有する。第1の内壁および第2の内壁は、第1のスロットが外壁と第1の内壁との間に画定され、第2のスロットが外壁と第2の内壁との間に画定されるように、外壁から半径方向に離間している。ロータアセンブリは、先端レールリングとケーシングとの間に位置決めされたフローティングシールをさらに含む。フローティングシールは、第1のスロット内に延びる第1のアーム、および第2のスロット内に延びる第2のアームを有する軸方向部材を含む。フローティングシールは、軸方向部材から延びる第1の半径方向部材および第2の半径方向部材を含む。ロータアセンブリは、シュラウドブロック、先端レール、およびフローティングシールに結合された複数の磁石をさらに含み、複数の磁石は、フローティングシールが先端レールとシュラウドブロックとの間に収容されるように配置される。
【0009】
本封止装置およびロータアセンブリのこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照して、よりよく理解されよう。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本技術の実施形態を例示し、明細書における説明と併せて本技術の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
当業者へと向けられた本システムおよび方法の作製および使用の最良の態様を含む、本封止装置およびロータアセンブリの完全かつ実施可能な開示が、添付の図を参照する本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態による、ターボ機械の概略図である。
図2】本開示の実施形態による、圧縮機セクションの断面図である。
図3】本開示の実施形態による、タービンセクションの断面図である。
図4】本開示の実施形態による、タービンセクションのロータアセンブリの断面図である。
図5】本開示の実施形態による、2つの隣り合うロータブレードの斜視図である。
図6】本開示の実施形態による、封止装置を示す図である。
図7】本開示の実施形態による、クリアランス内で用いられるフローティングシールを有するタービンセクションのロータアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本封止装置およびロータアセンブリの実施形態を詳細に参照するが、その1つまたは複数の例が図面に示されている。各例は、本技術の説明のために提供するものであって、本技術を限定するものではない。実際、特許請求される技術の範囲または趣旨を逸脱せずに、修正および変更が本技術において可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示または記載された特徴は、またさらなる実施形態をもたらすために、別の実施形態において使用することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にあるそのような修正および変更を包含することを意図している。
【0013】
詳細な説明は、図面の特徴を参照するために、数字および文字の符号を使用する。図面および説明における類似または同様の符号は、本発明の類似または同様の部分を指して使用されている。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の場所または重要性を示すことを意図するものではない。
【0014】
本明細書で使用する場合、「上流」(または「前方」)、および「下流」(または「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は、流体が流れてくる方向を指し、「下流」は、流体が流れていく方向を指す。「半径方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に垂直な相対的な方向を指し、「軸方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に平行および/または同軸に整列する相対的な方向を指し、「円周方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線の周りに延びる相対的な方向を指す。「概して」、または「約」などの近似の用語は、記載された値のプラスマイナス10%の範囲内の値を含む。角度または方向の文脈で使用されるとき、そのような用語は、記載された角度または方向のプラスマイナス10度の範囲を含む。例えば、「概して垂直」は、任意の方向、例えば、時計回りまたは反時計回りの垂直から10度の範囲内の方向を含む。
【0015】
本明細書で使用する場合、「クリアランス」などの用語は、動作中に互いに対して移動するシステムの2つ以上の構成要素間に存在し得る間隔またはギャップを指すと理解されるべきである。クリアランスは、当業者によって理解されるように、システム、移動のタイプ、および他の様々な要因に応じて、環状ギャップ、線形ギャップ、矩形ギャップ、または任意の他の幾何学的形状に対応し得る。一用途では、クリアランスは、圧縮機、タービンなどの1つまたは複数の回転ブレードを囲むハウジング構成要素間の半径方向ギャップまたは空間を指すことができる。本開示の技法を使用してクリアランスを制御することによって、回転ブレードとハウジングとの間の漏れ量を能動的に低減して動作効率を高めると同時に、擦れ(例えば、ハウジング構成要素と回転ブレードとの間の接触)の可能性を最小限に抑えることができる。理解されるように、漏れは、空気、蒸気、燃焼ガスなどのあらゆる流体に対応し得る、
【0016】
本明細書で説明するように、タービンブレードとシュラウドとの間の半径方向ギャップは、温度変化または他の要因に起因して動作中に増減する可能性がある。例えば、タービンが動作中に加熱すると、タービンハウジング構成要素の熱膨張により、シュラウドが回転軸から半径方向に離れるように移動し、したがってブレードとシュラウドとの間のクリアランスを増加させる可能性がある。これは、半径方向ギャップを介してブレードを迂回する燃焼ガスがブレードによって捕捉されず、したがって回転エネルギーに変換されないため、一般に望ましくない。これにより、タービンエンジンの効率および出力が低下する。
【0017】
ここで図面を参照すると、図1は、ターボ機械の一実施形態の概略図を示しており、これは、図示の実施形態ではガスタービン10である。産業用または陸上用のガスタービンが本明細書に示されて説明されているが、本開示は、特許請求の範囲に特に明記されない限り、陸上用および/または産業用ガスタービンに限定されない。例えば、本明細書に記載の本発明は、限定はしないが、蒸気タービン、航空機用ガスタービン、または船舶用ガスタービンを含む任意のタイプのターボ機械に使用することが可能である。
【0018】
示すように、ガスタービン10は、一般に、入口セクション12と、入口セクション12の下流に配置された圧縮機セクション14と、圧縮機セクション14の下流に配置された燃焼器セクション16内の複数の燃焼器(図示せず)と、燃焼器セクション16の下流に配置されたタービンセクション18と、タービンセクション18の下流に配置された排気セクション20とを含む。加えて、ガスタービン10は、圧縮機セクション14とタービンセクション18との間に結合された1つまたは複数のシャフト22を含むことができる。
【0019】
圧縮機セクション14は、一般に、複数のロータディスク24(そのうちの1つが示されている)と、各ロータディスク24から半径方向外側に延び、各ロータディスク24に接続された複数のロータブレード26とを含むことができる。次に、各ロータディスク24は、圧縮機セクション14を通って延びるシャフト22の一部に結合されるか、またはその一部を形成してもよい。圧縮機14は、シャフト22の周りに円周方向に配置された1つまたは複数のステータベーン27をさらに含む。ステータベーン27は、ロータブレード26の周りに円周方向に延びる外側ケーシング47および内側ケーシング46の少なくとも一方に固定されてもよい。
【0020】
タービンセクション18は、一般に、複数のロータディスク28(そのうちの1つが示されている)と、各ロータディスク28から半径方向外側に延び、各ロータディスク28に接続されている複数のロータブレード30とを含むことができる。次に、各ロータディスク28は、タービンセクション18を通って延びるシャフト22の一部に結合されるか、またはその一部を形成してもよい。タービンセクション18は、シャフト22の一部およびロータブレード30を円周方向に囲む外側タービンケーシング31および内側タービンケーシング33をさらに含み、それによってタービンセクション18を通る高温ガス経路32を少なくとも部分的に画定する。内側タービンケーシング33は、内側タービンケーシング33の内周から半径方向内側に延びる複数段の静止ノズル29を支持するように構成することができる。内側タービンケーシング33はまた、内側タービンケーシング33の内周の周りに設置されると、シャフト22を囲む実質的に円筒形の形状を画定するように互いに当接する複数のシュラウドセクションまたはブロック35を支持するように構成することができる。
【0021】
動作中、空気などの作動流体が入口セクション12を通って圧縮機セクション14に流入し、ここで空気が徐々に圧縮され、それにより加圧空気を燃焼器セクション16の燃焼器に提供する。加圧空気は燃料と混合され、各燃焼器内で燃焼されて燃焼ガス34を発生する。燃焼ガス34は、高温ガス経路32を通って燃焼器セクション16からタービンセクション18に流入し、ここでエネルギー(運動エネルギーおよび/または熱エネルギー)が燃焼ガス34からロータブレード30に伝達されることにより、シャフト22が回転する。機械的回転エネルギーは、その後、圧縮機セクション14への動力供給および/または発電に使用することができる。次いで、タービンセクション18を出た燃焼ガス34は、排気セクション20を介してガスタービン10から排気することができる。
【0022】
示すように、ガスタービン10は、ガスタービン10の軸方向中心線23に実質的に平行および/またはそれに沿った軸方向A、軸方向中心線23に垂直な半径方向R、ならびに軸方向中心線23の周りに延びる円周方向Cを画定することができる。
【0023】
図2は、ロータアセンブリおよびステータアセンブリを含む、例示的なガスタービン圧縮機セクションの主要な構成要素の断面図である。圧縮機セクション14は、圧縮空気38の流路を画定するように内側ケーシング46内に位置決めされたロータアセンブリを含む。ロータアセンブリはまた、流路38の内側流路境界62を画定し、ステータアセンブリは、圧縮空気38の流路の外側流路境界64を画定する。圧縮機セクション14は、複数の段を含み、各段は、円周方向に離間したロータブレード26の列と、ステータベーン27の列とを含む。この実施形態では、ロータブレード26は、ロータディスク24に結合され、各ロータブレードは、ロータディスク24から半径方向外側に延びる。各ロータブレード26は、内側ブレードプラットフォーム58からロータブレード先端60に半径方向に延びる翼形部を含む。クリアランス72が、ロータブレード26の翼形部の先端60と内側ケーシング46との間に半径方向に画定され得る。同様に、ステータアセンブリは、複数列のステータベーン27を含み、ベーン27の各列は、ロータブレード26の隣接する列の間に位置決めされる。圧縮機段は、周囲空気などの圧縮空気38の作動流体と協働するように構成され、作動流体は、後続の段で圧縮される。ステータベーン27の各列は、内側ケーシング46から半径方向内側に延び、外側ベーンプラットフォーム66からベーン先端68に延びる翼形部を含む。クリアランス70が、ステータベーン27の翼形部の先端68とロータディスク24の両方の間に半径方向に画定され得る。各翼形部は、示すように前縁および後縁を含む。
【0024】
図3は、直列流れ順序で配置された複数のタービン段を含むガスタービン10の例示的なタービンセクション18を示している。タービンの各段は、タービンロータブレード(例えば、ブレード30)の対応する回転列に軸方向に隣接して配置された静止タービンノズルまたはベーン(例えば、静止ノズル29)の列を含む。4つのタービン段が、図3に示されている。タービンセクション18の正確な段数は、図3に示される4段よりも多い場合も少ない場合もある。4つの段は、1つのタービン設計の単なる例示であり、現在主張されているタービンロータブレードを決して限定することを意図するものではない。
【0025】
各段は、複数の静止ノズル29と、複数のタービンロータブレード30とを備える。静止ノズル29は、内側タービンケーシング33に装着され、タービンロータ36の軸の周りに環状に配置される。各静止ノズル29は、内側ケーシング33から静止ノズル29の先端に結合されたステータシュラウド102に半径方向内側に延びることができる。静止ノズル29が内側タービンケーシング33の内周の周りに設置されると、ステータシュラウド102は、シャフトタービンロータ36を囲む実質的に円筒形の形状を画定するように互いに当接する。クリアランス104が、ステータシュラウド102とタービンロータ36との間に半径方向に画定され得る。クリアランス104は、タービンロータ36の周りで円周方向Cに連続的に延びる場合がある。
【0026】
示すように、タービンロータブレード30は、タービンロータ36の周りに環状に配置され、タービンロータ36に結合される。各タービンロータブレード30は、前縁、後縁、正圧側面、および負圧側面を有する翼形部を含むことができる。いくつかの実施形態では、示すように、タービンロータブレード30は、先端シュラウド106を含み得る。タービンロータブレード30が内側タービンケーシング33の内周の周りに設置されると、先端シュラウド106は、翼形部ならびにタービンロータブレード30およびタービンロータ36を囲む実質的に円筒形の形状を画定するように互いに当接することができる。多くの実施形態では、クリアランス108が、ステータシュラウド102とタービンロータ36との間に半径方向に画定され得る。クリアランス108は、タービンロータ36の周りで円周方向Cに連続的に延びる場合がある。
【0027】
図4は、本開示の実施形態による、ガスタービン10の軸方向中心線に沿ったタービンセクション18のロータアセンブリ19の断面図を示している。図4に示すように、複数のロータブレード30は、ロータディスク28から半径方向外側に延びる。ガスタービン10の動作中、ロータブレード30は、円周方向C(ガスタービン10の中心線の周り)に移動することができる。多くの実施形態では、複数のロータブレード30における各ロータブレード30は、プラットフォーム110、先端レール106、およびプラットフォーム110と先端レール106との間に半径方向に延びる翼形部112を含む。示すように、複数のロータブレード30における各ロータブレード30の先端レール106は、互いに当接し、ガスタービン10の中心線の周りに連続的に円周方向に延びる先端レールリング114を集合的に形成する。例えば、先端レールリング114は、タービンロータ36の周りに延びる。多くの実施形態では、内側タービンケーシング33は、クリアランス108が先端レールリング114と内側タービンケーシング33との間に画定されるように、先端レールリング114から離間(例えば、半径方向に離間)してもよい。いくつかの実施形態では、内側タービンケーシング33は、内側タービンケーシング33の内周の周りに設置されると、ガスタービン10のタービンロータ36の一部を囲む実質的に円筒形の形状を画定するように互いに当接する複数のシュラウドセクションまたはブロック35を支持することができる。例えば、シュラウドブロック35は、ロータブレード30のタービンセクション18の複数の段のうちの1つを包囲または囲むように、内側タービンケーシング33によって支持され得る。多くの実施形態では、シュラウドブロック35は、円周方向Cに互いに当接し、先端レールリング114から半径方向に離間したシュラウドリング115を集合的に画定することができる。そのような実施形態では、クリアランス108は、ロータブレード30の先端レール106と内側タービンケーシング33のシュラウドブロック35との間に画定され得る。
【0028】
図5は、本開示の実施形態による、2つの隣り合うロータブレード30の斜視図を示している。示すように、ロータブレードの各々は、プラットフォーム110、先端レール106、およびプラットフォーム110と先端レール106との間に延びる翼形部112を含む。
【0029】
翼形部112は、概して空気力学的な輪郭を有することができ、正圧側壁と、対向する負圧側壁と、前縁120と、後縁122とを含むことができる。正圧側壁は、一般に、翼形部112の空気力学的な凹状の外面を備える。同様に、負圧側壁は、一般に、翼形部112の空気力学的な凸状の外面を画定することができる。多くの実施形態では、翼形部112は、プラットフォーム110に結合された根元124から先端126に延びてもよく、先端レール106は、先端126から翼形部112を横切って延びてもよい。様々な実施形態において、各ロータブレード30は、プラットフォーム110から半径方向内側に延びるシャンク128を含み得る。一般に理解されるように、シャンク128は、ロータブレード30をロータディスクに結合するダブテール129を含むことができる。
【0030】
図6は、本開示の実施形態による、本明細書に記載のガスタービン10などのターボ機械で使用するための封止装置200を示している。封止装置200は、圧縮機セクション14の内側ケーシング46、圧縮機セクション14の1つまたは複数のステータベーン27、内側タービンケーシング33、タービンセクション18の1つまたは複数の静止ノズル29、1つまたは複数のシュラウドブロック35、または他の静止ガスタービン10の構成要素などのガスタービン10の静止構成要素202を含むことができる。
【0031】
封止装置200は、回転構成要素204、すなわち、ガスタービン10の円周方向Cに回転する構成要素をさらに含むことができる。多くの実施形態では、回転構成要素204は、シャフト22に直接または間接的に取り付けられ、それによって他のガスタービン10の構成要素と共に円周方向Cに回転することができる。回転構成要素204は、限定はしないが、圧縮機セクション14のロータブレード26、圧縮機セクション14のロータディスク24、タービンセクション18のロータブレード30、またはタービンセクション18のロータディスク28であってもよい。例示的な実施形態では、回転構成要素204は、ロータブレード30の先端レール106であってもよい。
【0032】
図6に示すように、静止構成要素202と回転構成要素204との間の摩擦摩耗を防止するために、クリアランス206が静止構成要素202と回転構成要素204との間に画定され得る。理解され得るように、ガスタービン10の高い動作温度に起因して、静止構成要素202および回転構成要素204のいずれかまたは両方は、熱膨張および熱収縮を経験し得、それによって構成要素202、204とクリアランス206との間の距離を変化させる。静止構成要素202と回転構成要素204との間のクリアランス206は、本明細書で説明する他のクリアランス、例えば、クリアランス70、クリアランス72、クリアランス104、および/またはクリアランス108のいずれかを表すことができる。例示的な実施形態では、クリアランス206は、タービンロータブレード30の先端シュラウド106と複数のシュラウドブロック35(図4)との間に画定され得る。当業者は、本主題がいかなる特定の構成にも限定されず、本明細書に記載の封止装置200がガスタービン10の任意の静止構成要素および回転構成要素に有利であり得ることを理解すべきである。
【0033】
図6に示すように、静止構成要素は、外壁208、第1の内壁210、および第2の内壁212を含むことができる。第1の内壁210および第2の内壁212は、第1のスロット216が外壁208と第1の内壁210との間に画定され、第2のスロット218が外壁208と第2の内壁212との間に画定されるように、外壁208から離間(例えば、半径方向に離間)してもよい。多くの実施形態では、第1の内壁210および第2の内壁は、半径方向Rに互いに整列されてもよく、両方とも概して軸方向Aに延びてもよい。同様に、第1のスロット216および第2のスロット218は、半径方向および軸方向に整列されてもよく、それにより矩形形状のスロットを集合的に形成する。様々な実施形態において、第1の内壁210および第2の内壁212は、開口部220が内壁210、212の間に軸方向に画定されるように、軸方向Aに互いに離間してもよい。
【0034】
多くの実施形態では、外壁208は、第1の内壁210と第2の内壁212の両方に概して平行であってもよい。様々な実施形態において、静止構成要素202は、互いに軸方向に離間し、外壁208と第1の内壁210または第2の内壁212の一方との間に延びる側壁214を含み得る。例えば、側壁は、外壁208および内壁210、212に対して概して垂直に延びてもよく、それにより静止構成要素は、一般に、円周方向Cに連続的である矩形形状のスロットを画定する。
【0035】
例示的な実施形態では、回転構成要素204は、静止構成要素202から離間してもよく、例えば、回転構成要素204は、静止構成要素202の半径方向内側に位置決めされてもよい。例えば、回転構成要素204は、静止構成要素202に対して円周方向Cに移動することができる。いくつかの実施形態では、回転構成要素204は、回転構成要素204から半径方向外側に延びる先端レール222を含むことができる。多くの実施形態では、先端レール222は、上述したタービンロータブレード30の先端レール106であってもよい。
【0036】
多くの実施形態では、図6に示すように、静止構成要素202と回転構成要素204との間の漏れ流219を制限し、それによってガスタービン10の効率を高めるために、フローティングシール224を静止構成要素202と回転構成要素204との間に位置決めすることができる。漏れ流219は、過剰空気(封止装置200が圧縮機セクション14内にある場合)または過剰燃焼ガス(封止装置200がタービンセクション18内にある場合)であり得る。理解され得るように、クリアランス206を通過する漏れ流219の量を最小限に抑えることは、廃棄物を最小限に抑えることによってガスタービン10の全体的な効率を有利に増加させることができる。加えて、フローティングシール224は、ガスタービン10の動作中にいかなる表面にも接触しなくてもよく、その結果、シールに対する摩擦摩耗が低減および/または完全に排除される。
【0037】
例示的な実施形態では、フローティングシール224は、第1のスロット216内に延びる第1のアーム228、第2のスロット218内に延びる第2のアーム230、およびアーム228、230の間に延びる中間部分229を有する軸方向部材226を含んでもよい。多くの実施形態では、フローティングシール224は、軸方向部材226から延びる第1の半径方向部材232および第2の半径方向部材234を含んでもよい。様々な実施形態において、軸方向部材226は、半径方向部材232、234に対して概して垂直であってもよい。半径方向部材232、234は、先端レール222の両側に延びるように、互いに軸方向に離間してもよい。いくつかの実施形態では、フローティングシール224は、軸方向部材226と半径方向部材232、234との間に継ぎ目なく延びる単一の連続的なシールであってもよい。例えば、半径方向部材232、234は、アーム228、230と軸方向部材226の中間部分229との間の分割部において軸方向部材226から延びることができる。
【0038】
特定の実施形態では、複数の磁石235を静止構成要素202、回転構成要素204、およびフローティングシール224に結合することができる。複数の磁石235は、封止装置200内のすべての磁石、例えば、磁石237、238、241、242、244、246、249、250、および252を含むことができる。例えば、複数の磁石235は、フローティングシール224が静止構成要素202と回転構成要素204との間に収容されるように配置されてもよい。例えば、複数の磁石235は、フローティングシール224の整列を有利に維持する反発磁力を発生するために配置され得る。加えて、複数の磁石235は、発生された反発磁力によってフローティングシール224が静止構成要素202と回転構成要素204の両方と接触しないように配置することができる。このようにして、フローティングシール224は、静止構成要素202および回転構成要素204に対してクリアランス206内で「浮動」または「ホバリング」することができ、これは有利には、経時的な摩擦摩耗の減少に起因してフローティングシール224の寿命を延ばす。ガスタービン10の動作時、フローティングシール224は、複数の磁石235によって発生された反発磁力によって静止構成要素202と回転構成要素204の両方から(202または204のいずれとも接触せずに)離間され得、その結果フローティングシール224がクリアランス206内で「ホバリング」または「浮動」し、それによって構成要素202、204を摩擦摩耗することなくクリアランス206を横切る漏れ流219を制限する。
【0039】
複数の磁石235は、静止構成要素202内に埋め込まれた第1の対の磁石236および第2の対の磁石240を含む。例えば、第1の対の磁石236は、互いに第1のスロット216を横切って静止構成要素内に位置決めされてもよい。多くの実施形態では、第1の対の磁石236は、第1のスロット216を部分的に画定するように、静止構成要素202内に埋め込まれ得る。同様に、第2の対の磁石240は、互いに第2のスロット218を横切って静止構成要素内に位置決めされてもよい。多くの実施形態では、第2の対の磁石240は、それらが第2のスロット218を部分的に画定するように、静止構成要素202内に埋め込まれ得る。
【0040】
図6に示すように、第1の対の磁石236は、第1の外側磁石237と、第1の内側磁石238とを含むことができる。第1の外側磁石237は、第1の外側磁石237が第1のスロット216の境界を少なくとも部分的に画定するように、静止構成要素202の外壁208内に位置決めされ、外壁208に結合されてもよい。多くの実施形態では、第1の内側磁石238は、第1の内側磁石238が第1の外側磁石237に対向して第1のスロット216を少なくとも部分的に画定するように、第1の内壁210内に位置決めされ、第1の内壁210に結合されてもよい。例示的な実施形態では、第1の外側磁石237および第1の内側磁石238は、磁石237、238の半径方向中心線に対して同軸に延びるように、互いに半径方向に整列されてもよく、これにより有利には、フローティングシール224の整列を強化する第1のスロット216内の均一な磁場が可能になる。示すような様々な実施形態において、第1の対の磁石236は、第1のスロット216に面するより長い部分を有する「T」として概して成形することができる。
【0041】
同様に、第2の対の磁石240は、第2の外側磁石241と、第2の内側磁石242とを含むことができる。第2の外側磁石241は、第2の外側磁石241が第2のスロット218の境界を少なくとも部分的に画定するように、静止構成要素202の外壁208内に位置決めされ、外壁208に結合されてもよい。多くの実施形態では、第2の内側磁石242は、第2の内側磁石242が第2の外側磁石241に対向して第2のスロット218を少なくとも部分的に画定するように、第2の内壁212内に位置決めされ、第2の内壁212に結合されてもよい。例示的な実施形態では、第2の外側磁石241および第2の内側磁石242は、磁石241、242の半径方向中心線に対して同軸に延びるように、互いに半径方向に整列されてもよく、これにより有利には、フローティングシール224の整列を強化する第2のスロット218内の均一な磁場が可能になる。示すような様々な実施形態において、第2の対の磁石240は、第2のスロット218に面するより長い部分を有する「T」として概して成形することができる。
【0042】
図6に示すように、第1の軸方向シール磁石244が、フローティングシール224の軸方向部材226の第1のアーム228に取り付けられ得る。例えば、第1の軸方向シール磁石244は、第1のアーム228に溶接または他の方法で固定的に結合され得る接続部材245を介して第1のアーム228に接続することができる。他の実施形態では、第1の軸方向シール磁石244は、様々な他の方式で第1のアーム228に接続されてもよい。第1の軸方向シール磁石は、第1のアーム228から第1のスロット216内に延びてもよく、第1の対の磁石236の間に位置決めされ、そこから離間してもよい。例示的な実施形態では、第1の軸方向シール磁石244は、第1の対の磁石236から(反発磁力によって)反発され得、それにより第1の軸方向シール磁石244は、第1の対の磁石236によって第1の軸方向シール磁石244に及ぼされる反発磁力によって、第1の対の磁石236の間に半径方向に所定の位置に保持され、そこから離間される。
【0043】
同様に、第2の軸方向シール磁石246が、フローティングシール224の軸方向部材226の第2のアーム230に取り付けられ得る。例えば、第2の軸方向シール磁石246は、第2のアーム230に溶接または他の方法で固定的に結合され得る接続部材247を介して第1のアーム228に接続することができる。他の実施形態では、第2の軸方向シール磁石246は、様々な他の方式で第2のアーム230に接続されてもよい。第2の軸方向シール磁石246は、第2のアーム230から第2のスロット218内に延びてもよく、第2の対の磁石240の間に位置決めされ、そこから離間してもよい。例示的な実施形態では、第2の軸方向シール磁石246は、第2の対の磁石240から(反発磁力によって)反発され得、それにより第2の軸方向シール磁石246は、第2の対の磁石240によって第2の軸方向シール磁石246に及ぼされる反発磁力によって、第2の対の磁石240の間に半径方向に所定の位置に保持され、そこから離間される。
【0044】
図6に示すように、第1の対の磁石236および第1の軸方向シール磁石244は、磁力を均等に分配し、あらゆる場所でフローティングシール224の半径方向の整列を維持するために、第2の対の磁石240および第2の軸方向シール磁石246から軸方向に離間してもよい。このようにして、フローティングシール224は、一対の磁石236、240が軸方向シール磁石244、246に及ぼす反発磁力によって、一対の磁石236、240の間の半径方向位置に押し込まれ、そこから離間され得る。
【0045】
例示的な実施形態では、複数の磁石235は、互いに対向して位置決めされ、フローティングシール224内に埋め込まれた第3の対の磁石248をさらに含む。例えば、第3の対の磁石248は、互いに対向する第1の半径方向部材232および第2の半径方向部材234内に埋め込まれてもよい。多くの実施形態では、第3の対の磁石248は、第1の半径方向部材232内に埋め込まれた第1の半径方向シール磁石249と、第2の半径方向部材234内に埋め込まれた第2の半径方向シール磁石250とを含むことができる。例示的な実施形態では、第1の半径方向シール磁石249および第2の半径方向シール磁石250は、磁石249、250の軸方向中心線に対して同軸に延びるように、互いに軸方向に整列されてもよく、これにより有利には、フローティングシール224の整列を強化する軸方向A内の均一な磁場が可能になる。示すような様々な実施形態において、第3の対の磁石248は、先端レール磁石252に面するより長い部分を有する「T」として概して成形することができる。
【0046】
多くの実施形態では、先端レール磁石252は、先端レール磁石252が回転構成要素204と共に、円周方向Cにフローティングシール224の半径方向部材232、234の間で回転するように、回転構成要素204の先端レール222に取り付けられる。図6に示すように、先端レール磁石252は、第3の対の磁石248が先端レール磁石252によって発生された磁場によって反発されるように、第3の対の磁石248の間に延びてもよく、これにより有利には、フローティングシール224が軸方向Aに整列させられる。例えば、先端レール磁石252は、先端レール222に溶接または他の方法で固定的に結合され得る接続部材253を介して先端レール222に接続することができる。他の実施形態では、第2の軸方向シール磁石246は、様々な他の方式で第2のアーム230に接続されてもよい。先端レール磁石252は、先端レール222から磁石249、250の間に画定された空間内に延びてもよい。例示的な実施形態では、第3の対の磁石248は、先端レール磁石252から(反発磁力によって)反発され得、それにより第3の対の磁石248および先端レール磁石252によって発生された磁場は、所定の位置に軸方向にフローティングシール224を保持する。
【0047】
多くの実施形態では、本明細書で説明する複数の磁石235における各磁石は、永久磁石であり得、したがって磁石235は、外部磁場によって磁化され、外部磁場が除去された後も磁化されたままである材料で作製される。このようにして、磁石235は、それら自体の磁場を連続的に生成する。多くの実施形態では、磁石235は、材料が他の鉄含有物体を引き付ける、または外部磁場内でそれ自体を整列させるなどの磁気特性を示すように配列されたその構成原子を有する金属材料片の形態であり得る。例示的な実施形態では、磁石235は、アルニコ磁石であってもよく、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、およびコバルト(Co)の組み合わせで主に構成される永久磁石であるが、銅、鉄、およびチタンも含むことができる。アルニコ磁石は、1000°F以上などの極めて高い温度で動作することが可能であり得る。
【0048】
複数の磁石235は、特定の端部にラベル付けされた極(N極「N」およびS極「S」)を有するものとして図6に示されているが、各極を切り替えることができ、それによって同じ構成をもたらすが反対の磁極配向を有することが本開示の範囲内であると想定される。
【0049】
様々な実施形態において、本明細書に記載の封止アセンブリ200は、ガスタービンの静止構成要素と回転構成要素との間の漏れ流を制限するために、本明細書で説明するクリアランスのいずれか、例えば、クリアランス70、クリアランス72、クリアランス104、および/またはクリアランス108を用いることができる。例示的な実施形態では、本明細書に記載の封止アセンブリ200は、クリアランス108内など、本明細書に記載のロータアセンブリ19(図4)に用いることができる。そのような実施形態では、シュラウドブロック35は、静止構成要素であってもよい。先端レールリング114は、回転構成要素であってもよい。フローティングシール224は、燃焼ガスがクリアランス108を通過するのを有利に制限および/または防止するために、クリアランス108を横切って延びることができる。加えて、本明細書に記載のフローティングシール224は、有利には、複数の磁石235に起因して耐摩耗性および自己整列性であり得る。例えば、磁石235は、フローティングシール224が構成要素202、204に接触しないことを確実にし、それによってフローティングシール224の摩擦摩耗を最小限に抑える。加えて、磁石235は、ガスタービン10のすべての動作条件でフローティングシール224の適切な整列を維持する(上述のように、ガスタービン10の熱条件に基づいてクリアランスが変化する)。
【0050】
加えて、例示的な実施形態では、フローティングシール224は、ガスタービン10の中心線23の周りに円周方向に延びてもよく、それによりフローティングシール224は、すべての円周方向の場所でクリアランス206を横切る漏れを有利に防止する。例えば、図7は、先端レールリング114とシュラウドリング115との間のクリアランス108内で用いられるフローティングシール224を有するタービンセクションのロータアセンブリの断面図を示している。示すように、フローティングシール224は、クリアランス108がガスタービン10の中心線の周りに360度覆われるように、ガスタービン10の中心線の周りに円周方向に(連続的にまたは複数の接続されたセグメントのいずれかで)延びることができる。示すように、破線は、静止構成要素202(または図7の実施形態ではシュラウドリング115)内に収容されるフローティングシール224の部分を表す。
【0051】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者も、任意の装置またはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な相違がない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0052】
10 ガスタービン、静止ガスタービン
12 入口セクション
14 圧縮機セクション
16 燃焼器セクション
18 タービンセクション
19 ロータアセンブリ
20 排気セクション
22 シャフト
23 軸方向中心線
24 ロータディスク
26 ロータブレード
27 ステータベーン
28 ロータディスク
29 静止ノズル
30 タービンロータブレード
31 外側タービンケーシング
32 高温ガス経路
33 内側タービンケーシング
34 燃焼ガス
35 シュラウドセクション、シュラウドブロック
36 シャフトタービンロータ
38 圧縮空気、流路
46 内側ケーシング
47 外側ケーシング
58 内側ブレードプラットフォーム
60 ロータブレード先端
62 内側流路境界
64 外側流路境界
66 外側ベーンプラットフォーム
68 ベーン先端
70 クリアランス
72 クリアランス
102 ステータシュラウド
104 クリアランス
106 先端シュラウド、先端レール
108 クリアランス
110 プラットフォーム
112 翼形部
114 先端レールリング
115 シュラウドリング
120 前縁
122 後縁
124 根元
126 先端
128 シャンク
129 ダブテール
200 封止装置、封止アセンブリ
202 静止構成要素
204 回転構成要素
206 クリアランス
208 外壁
210 第1の内壁
212 第2の内壁
214 側壁
216 第1のスロット
218 第2のスロット
219 漏れ流
220 開口部
222 先端レール
224 フローティングシール
226 軸方向部材
228 第1のアーム
229 中間部分
230 第2のアーム
232 第1の半径方向部材
234 第2の半径方向部材
235 磁石
236 第1の対の磁石
237 第1の外側磁石
238 第1の内側磁石
240 第2の対の磁石
241 第2の外側磁石
242 第2の内側磁石
244 第1の軸方向シール磁石
245 接続部材
246 第2の軸方向シール磁石
247 接続部材
248 第3の対の磁石
249 第1の半径方向シール磁石
250 第2の半径方向シール磁石
252 先端レール磁石
253 接続部材
A 軸方向
C 円周方向
R 半径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】