(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101520
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】EP2アンタゴニストを含有する医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07C 233/81 20060101AFI20220629BHJP
C07C 235/56 20060101ALI20220629BHJP
C07C 327/48 20060101ALI20220629BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20220629BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220629BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220629BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20220629BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20220629BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220629BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20220629BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20220629BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20220629BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220629BHJP
A61P 1/12 20060101ALI20220629BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20220629BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220629BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220629BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220629BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220629BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20220629BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20220629BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20220629BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220629BHJP
A61P 9/14 20060101ALI20220629BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20220629BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220629BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20220629BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20220629BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20220629BHJP
A61K 31/401 20060101ALI20220629BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20220629BHJP
A61K 31/415 20060101ALI20220629BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20220629BHJP
A61K 31/4965 20060101ALI20220629BHJP
A61K 31/4418 20060101ALI20220629BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20220629BHJP
A61K 31/196 20060101ALI20220629BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220629BHJP
A61K 33/243 20190101ALI20220629BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220629BHJP
C07D 207/34 20060101ALN20220629BHJP
C07D 231/12 20060101ALN20220629BHJP
C07D 241/18 20060101ALN20220629BHJP
C07D 213/64 20060101ALN20220629BHJP
C07D 213/61 20060101ALN20220629BHJP
C07D 487/04 20060101ALN20220629BHJP
C07D 231/14 20060101ALN20220629BHJP
【FI】
C07C233/81
C07C235/56 CSP
C07C327/48
C07D401/12
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61P35/00
A61P35/02
A61P15/00
A61P29/00
A61P25/04
A61P25/06
A61P13/10
A61P13/12
A61P1/12
A61P25/16
A61P25/28
A61P21/00
A61P25/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P19/06
A61P37/08
A61P9/12
A61P9/10
A61P9/10 101
A61P9/14
A61P37/06
A61P37/02
A61P17/02
A61P11/06
A61P13/08
A61K31/401
A61K31/4439
A61K31/415
A61K31/44
A61K31/4965
A61K31/4418
A61K31/519
A61K31/196
A61K45/00
A61K33/243
A61K39/395 D
A61K39/395 N
C07D207/34
C07D231/12 C
C07D241/18
C07D213/64
C07D213/61
C07D487/04 142
C07D231/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209580
(22)【出願日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2020214609
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000185983
【氏名又は名称】小野薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 晃生
(72)【発明者】
【氏名】吉田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 康男
(72)【発明者】
【氏名】ヤン マイケル ジー.
(72)【発明者】
【氏名】リー ニン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C055
4C063
4C069
4C084
4C085
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE03
4C050FF01
4C050GG03
4C050HH01
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA03
4C055BA06
4C055BA13
4C055BA39
4C055BA42
4C055BB04
4C055BB11
4C055CA01
4C055CA02
4C055CA08
4C055CA34
4C055CB04
4C055CB11
4C055DB01
4C063AA01
4C063BB08
4C063CC12
4C063DD04
4C063EE01
4C069AC04
4C069AC07
4C069AC08
4C069BA01
4C069BA08
4C069BB02
4C069BB16
4C069BD06
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA021
4C084ZA022
4C084ZA081
4C084ZA082
4C084ZA161
4C084ZA162
4C084ZA221
4C084ZA222
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA421
4C084ZA422
4C084ZA451
4C084ZA452
4C084ZA591
4C084ZA592
4C084ZA731
4C084ZA732
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZA941
4C084ZA942
4C084ZA961
4C084ZA962
4C084ZB071
4C084ZB072
4C084ZB081
4C084ZB082
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZB131
4C084ZB132
4C084ZB151
4C084ZB152
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC032
4C084ZC202
4C084ZC311
4C084ZC312
4C084ZC421
4C084ZC422
4C084ZC751
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC22
4C085CC23
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC05
4C086BC17
4C086BC36
4C086BC48
4C086CB06
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA16
4C086HA12
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA16
4C086ZA22
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA45
4C086ZA59
4C086ZA73
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC31
4C086ZC42
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA07
4C206GA31
4C206JA66
4C206KA01
4C206KA17
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA05
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA02
4C206ZA08
4C206ZA16
4C206ZA22
4C206ZA36
4C206ZA42
4C206ZA45
4C206ZA59
4C206ZA73
4C206ZA81
4C206ZA89
4C206ZA94
4C206ZA96
4C206ZB07
4C206ZB08
4C206ZB11
4C206ZB13
4C206ZB15
4C206ZB26
4C206ZB27
4C206ZC31
4C206ZC42
4C206ZC75
4H006AA01
4H006AB20
4H006AC80
4H006AC81
4H006BJ20
4H006BJ50
4H006BM10
4H006BM30
4H006BM71
4H006BM72
4H006BP30
4H006BV74
4H006TN10
4H006TN30
4H006TN60
(57)【要約】
【課題】EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療に有用な医薬組成物を提供すること。
【解決手段】一般式(I-A)
(式中、すべての記号は、明細書記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、または薬学的に許容されるその塩は、EP
2受容体に対して強力な拮抗活性を有することから、一般式(I-A)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、EP
2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤となり得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I-A):
【化1】
(式中、
L
1は-(CR
38R
39)-(CR
40R
41)-を表し、
R
38、R
39、R
40およびR
41は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、または(3)C1-4アルキル基を表し、
R
38、R
39、R
40およびR
41中のC1-4アルキル基は、それぞれ独立して、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよく、
R
38、R
39、R
40およびR
41から選択される2個の置換基がC1-4アルキル基の時、結合する炭素原子と一緒になってC3-6飽和炭素環を形成してもよく、
L
2は、(1)結合手、(2)C1-8アルキレン基、(3)C2-8アルケニレン基、または(4)C2-8アルキニレン基を表し、該C1-8アルキレン基、C2-8アルケニレン基、およびC2-8アルキニレン基中の1~2個の炭素原子(-CH
2-)は、酸素原子(-O-)または酸化されていてもよい硫黄原子(-S-、-SO-、または-SO
2-)で置き換わっていてもよく、該C1-8アルキレン基、C2-8アルケニレン基、およびC2-8アルキニレン基は1~8個のハロゲン原子で置換されていてもよく、
Yは、(1)結合手、(2)酸素原子、または(3)酸化されていてもよい硫黄原子を表し、
R
1は、(1)-COOR
10、(2)-SO
3H、(3)-SO
2NHR
11、(4)-CONHSO
2R
12、(5)-SO
2NHCOR
13、(6)-CONR
14R
15、(7)テトラゾリル基、または(8)ヒドロキサム酸基を表し、
R
10、R
11、R
12、R
13、R
14およびR
15は、それぞれ独立して(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R
2は、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R
3は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)3-6員環状基、(7)(3-6員環状基)-O-、または(8)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
3中の(2)~(8)は1~9個のR
16で置換されていてもよく、
R
3が複数の場合、複数のR
3は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R
16は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR
17R
18を表し、
R
16が複数の場合、複数のR
16は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R
17およびR
18は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R
4は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)3-6員環状基、(7)(3-6員環状基)-O-、または(8)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
4中の(2)~(8)は1~9個のR
19で置換されていてもよく、
R
4が複数の場合、複数のR
4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R
19は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR
20R
21を表し、
R
20およびR
21は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R
19が複数の場合、複数のR
19は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R
5は、(1)水素原子、(2)C3-10炭素環、または(3)3-10員複素環を表し、該C3-10炭素環および3-10員複素環は、1~5個のR
22で置換されていてもよく、
但し、L
2が結合手の場合は、R
5は水素原子でなく、
R
22は、(1)C1-6アルキル基、(2)C2-6アルケニル基、(3)C2-6アルキニル基、(4)C3-6シクロアルキル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C3-6シクロアルキルオキシ基、(7)C2-6アシル基、(8)C2-6アシルオキシ基、(9)C1-6アルキルチオ基、(10)C3-6シクロアルキルチオ基、(11)C1-6アルキルスルフィニル基、(12)C3-6シクロアルキルスルフィニル基、(13)C1-6アルキルスルホニル基、(14)C3-6シクロアルキルスルホニル基、(15)C1-6アルコキシカルボニル基、(16)5-6員環状基、(17)(5-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-、(18)(5-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-O-基、(19)(5-6員環状基)-C1-4アシル基、(20)ハロゲン原子、(21)水酸基、(22)ニトロ基、(23)シアノ基、(24)-NR
23R
24、(25)-CONR
25R
26または(26)-SO
2NR
27R
28を表し、
R
23、R
24、R
25、R
26、R
27およびR
28は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アシル基または(4)C1-6アルキルスルホニル基を表し、
R
22のうち(1)~(19)の基は、1~9個のR
29で置換されていてもよく、
R
22が複数の場合、複数のR
22は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R
29は、(1)C1-4アルキル基、(2)C1-4アルコキシ基、(3)C2-6アシル基、(4)C3-6シクロアルキル基、(5)水酸基、(6)-NR
30R
31または(7)ハロゲン原子を表し、
R
30およびR
31は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R
29が複数の場合、複数のR
29は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
Qは(1)酸素原子または(2)硫黄原子を表し、
Xは(1)CR
6または(2)NR
7を表し、
R
6は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)3-6員環状基、(7)(3-6員環状基)-O-、または(8)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
6中の(2)~(8)は1~9個のR
32で置換されていてもよく、
R
32は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR
33R
34を表し、
R
33およびR
34は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R
32が複数の場合、複数のR
32は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R
7は、(1)C1-6アルキル基、(2)C2-6アルケニル基、(3)C2-6アルキニル基、(4)3-6員環状基、または(5)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
7は1~9個のR
35で置換されていてもよく、
R
35は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR
36R
37を表し、
R
36およびR
37は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R
35が複数の場合、複数のR
35は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
環Aは、(1)ベンゼン環、または(2)5-6員含窒素芳香族複素環を表し、
環A中の
【化2】
は、単結合または二重結合を表し、
nは1~4の整数を表し、
mは0~3の整数を表し、
ただし、3-[3-[(2,6-ジメトキシベンゾイル)アミノ]-4-プロポキシフェニル]プロパン酸、
3-[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ-2-クロロフェニル]プロパン酸メチル、
3-[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ-2-クロロフェニル]プロパン酸、
α-エチル-3-[N-(1’-フェニル-5’-メチル-1’,2’,3’-トリアゾールカルボニル)]アミノ-2,4,6-トリヨードヒドロシンナム酸、および
α-エチル-3-{N-(1’-(4”-ヨードフェニル)-5’-メチル-1,2,3-トリアゾールカルボニル]}アミノ-2,4,6-トリヨードヒドロシンナム酸は除外される。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物。
【請求項2】
一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、一般式(I):
【化3】
(式中、すべての記号は請求項1記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、一般式(I-B):
【化4】
(式中、X
aはCR
6aまたはNR
7aを表し、
R
6aは、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)(3-6員環状基)-O-、または(7)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
6a中の(2)~(7)は1~9個のR
32で置換されていてもよく、
R
7aは、(1)C1-6アルキル基、(2)C2-6アルケニル基、(3)C2-6アルキニル基、(4)3-6員環状基、または(5)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
7aは1~9個のR
35で置換されていてもよく、
R
3a、R
3bおよびR
3cはそれぞれ独立して(1)水素原子(2)ハロゲン原子、(3)C1-6アルキル基、(4)C2-6アルケニル基、(5)C2-6アルキニル基、(6)C1-6アルコキシ基、(7)3-6員環状基、(8)(3-6員環状基)-O-、または(9)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
3a、R
3bおよびR
3c中の(3)~(9)は1~9個のR
16で置換されていてもよく、
ただし、R
3a、R
3bおよびR
3cのうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基を表し、
請求項1記載の記号と同じ記号は請求項1記載の記号と同じ意味を表し、
ただし、3-[3-[(2,6-ジメトキシベンゾイル)アミノ]-4-プロポキシフェニル]プロパン酸は除外される。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、一般式(I-1):
【化5】
(式中、pは1~4の整数を表し、その他の記号は請求項1記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、一般式(I-C):
【化6】
(式中、X
aはCR
6aまたはNR
7aを表し、
R
6aは、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)(3-6員環状基)-O-、または(7)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
6a中の(2)~(7)は1~9個のR
32で置換されていてもよく、
R
7aは、(1)C1-6アルキル基、(2)C2-6アルケニル基、(3)C2-6アルキニル基、(4)3-6員環状基、または(5)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
7aは1~9個のR
35で置換されていてもよく、
R
3a、R
3bおよびR
3cはそれぞれ独立して(1)水素原子(2)ハロゲン原子、(3)C1-6アルキル基、(4)C2-6アルケニル基、(5)C2-6アルキニル基、(6)C1-6アルコキシ基、(7)3-6員環状基、(8)(3-6員環状基)-O-、または(9)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R
3a、R
3bおよびR
3c中の(3)~(9)は1~9個のR
16で置換されていてもよく、
ただし、R
3a、R
3bおよびR
3cのうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基を表し、
pは1~4の整数を表し、
請求項1記載の記号と同じ記号は請求項1記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
環Aがベンゼン環または5員含窒素芳香族複素環である、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
環Aがピロール環であり、Yが結合手である、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
環Aがベンゼン環であり、Yが酸素原子である、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、
(1)rel-(1R,2S)-2-[3-({[1-sec-ブチル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボニル]アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(2)rel-(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(3)rel-(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-5-メチルフェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(4)rel-(1R,2R)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-5-メチルフェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(5)rel-(1R,2S)-2-{5-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(6)rel-(1R,2R)-2-{5-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(7)(1S,2R)-2-[3-({[1-イソプロピル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(8)(1R,2R)-2-[3-({[1-イソプロピル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(9)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-メトキシフェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(10)(1S,2R)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(11)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(12)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-クロロフェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(13)(1R,2S)-2-{3-[({5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-1-[(2S)-2-ブタニル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(14)rel-(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(2-フルオロ-4-ピリジニル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(15)(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(2-クロロ-6-フルオロ-4-ピリジニル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(16)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-[2-(2-クロロ-3,5-ジフルオロフェノキシ)エチル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(17)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-[2-(2,4-ジフルオロフェノキシ)エチル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(18)(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(19)rel-(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(20)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3-フェニルプロピル)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(21)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(22)rel-(1R,2S)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(23)rel-(1R,2R)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(24)(1R,2S)-2-[2-クロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(25)(1R,2S)-2-(4-クロロ-3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(26)rel-(1R,2S)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(27)rel-(1R,2R)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(28)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(29)(1S,2R)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(30)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(31)(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(32)(1R,2S)-2-{3-[(2,6-ジメチル-4-プロポキシベンゾイル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(33)(1R,2S)-2-[3-{[4-(ヘキシルオキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(34)(1R,2S)-2-[3-{[4-(ベンジルオキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(35)(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-メトキシエトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(36)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(37)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-フリル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(38)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-クロロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(39)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3-クロロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(40)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(1H-イミダゾール-1-イル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(41)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2,6-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(42)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(43)(1R,2S)-2-[3-({4-[(6-クロロ-2-ピラジニル)オキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(44)(1R,2S)-2-[3-{[4-(6-フルオロ-3-ピリジニル)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(45)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(46)3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸、
(47)3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ブタン酸、
(48)3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸、
(49)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロブタンカルボン酸、および
(50)(1R,2R)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-メチルシクロプロパンカルボン酸
からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、
(1)(1R,2S)-2-[3-{[2-メチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(2)(1R,2S)-2-[3-{[2-クロロ-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(3)(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-フェニルエトキシ)-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(4)(1R,2S)-2-[3-{[4-(1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(5)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレニルメトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(6)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(3-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(7)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(4-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(8)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(2-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(9)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-クロロ-1H-イミダゾール-1-イル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(10)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(11)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(12)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(4-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(13)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(14)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(15)(1R,2S)-2-{3-[(2,6-ジメチル-4-{[6-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ}ベンゾイル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(16)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イルオキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(17)rel-(1R,2S)-2-(3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-メチルフェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(18)(1R,2S)-2-[3-{[4-(ベンジルオキシ)-2-イソプロピルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(19)(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(20)(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-4-(3-フェニルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(21)(1R,2S)-2-[3-{[3-(ベンジルオキシ)-2-イソプロピルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(22)(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-3-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(23)(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-3-(3-フェニルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(24)(1R,2S)-2-[4-(トリフルオロメチル)-3-{[2,3,5-トリメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(25)(1R,2S)-2-[3-({[3-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(26)(1R,2S)-2-[3-({[5-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(27)(1R,2S)-2-[3-({[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)フェニル]カルボノチオイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(28)(1R,2S)-2-[3-({[4-(2-シクロプロピルエトキシ)-2,6-ジメチルフェニル]カルボノチオイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(29)(1R,2S)-2-[3-({[2-sec-ブチル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(30)(1R,2S)-2-[3-({[2-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、および
(31)(1R,2S)-2-[3-({[2-(2-メチル-2-プロパニル)-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
からなる群より選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
EP2受容体拮抗剤である、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤である、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
EP2受容体の活性化に起因する疾患が、子宮内膜症、子宮筋腫、月経過多、腺筋症、月経困難症、慢性骨盤痛症候群、がん、炎症性疼痛、神経因性疼痛、頭痛、片頭痛、術後の痛み、間質性膀胱炎、平滑筋腫、過敏性大腸症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、リウマチ、骨関節炎、痛風、アレルギー性疾患、高血圧、脳障害、虚血、脳卒中、腎疾患、移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、尋常性ざ瘡、喘息、前立腺炎、糸球体腎炎、サルコイドーシス、血管炎、または、自己免疫疾患である、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
EP2受容体の活性化に起因する疾患ががんであり、がんが、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、頭頸部がん、リンパ腫、ぶどう膜悪性黒色腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病、骨髄異形成症候群、脳腫瘍または多発性骨髄腫である、請求項12または13記載の医薬組成物。
【請求項15】
アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体、プロテアソーム阻害剤、HDAC阻害剤、および免疫調整薬から選ばれる少なくとも1種以上と組み合わせて投与される、請求項11~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
請求項1記載の一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含有するEP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EP2受容体拮抗活性を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物等に関する。詳しくは、一般式(I-A):
【0002】
【0003】
(式中、全ての記号は後記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩(以下、本発明化合物という。)を含有する医薬組成物等に関する。
【背景技術】
【0004】
プロスタグランジンE2(PGE2)は、アラキドン酸カスケード中の代謝産物として知られており、細胞保護作用、子宮収縮作用、疼痛閾値の低下作用、消化管の蠕動運動促進作用、覚醒作用、胃酸分泌抑制作用、血圧降下作用、利尿作用等を有していることが知られている。
【0005】
PGE2受容体には、それぞれ役割の異なったサブタイプが存在し、EP1受容体、EP2受容体、EP3受容体、EP4受容体と呼ばれている(非特許文献1)。
【0006】
これらのサブタイプのうち、EP2受容体はcAMPのシグナルに関与していることから、気管や回腸の輪状筋の弛緩や、種々の血管の拡張に関与していることが知られている。また、EP2受容体はPI3K、Akt、またはGSK-3βの発現や、IL-1β、IL-6、IL-12、IL-23、IL-27に関与していることが知られている。さらに、EP2受容体はマクロファージからのMCP-1産生抑制、リンパ球からのTNF-α、IL-2、およびIFN-γ産生抑制、ならびにIL-10産生増強による抗炎症、血管拡張、血管新生、弾性線維の形成抑制、MMP-9発現制御に関与していると考えられている。そのほか、EP2受容体は、骨髄(ミエロイド)由来免疫抑制細胞(Myeloid Derived Suppressor Cells)、制御性T細胞およびナチュラルキラー細胞を介したがん免疫制御にも関与していると考えられている。
【0007】
これらより、EP2受容体は抗炎症作用、神経保護作用、抗腫瘍効果に関与していることが知られており、EP2受容体に強く結合し、拮抗作用を有する化合物は、EP2受容体の活性化による疾患、例えば、子宮内膜症、子宮筋腫、月経過多、腺筋症、月経困難症、慢性骨盤痛症候群、がん、炎症性疼痛、神経因性疼痛、頭痛、片頭痛、術後の痛み、間質性膀胱炎、平滑筋腫、過敏性大腸症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、リウマチ、骨関節炎、痛風、アレルギー性疾患、高血圧、脳障害、虚血、脳卒中、腎疾患、移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、尋常性ざ瘡、喘息、前立腺炎、糸球体腎炎、サルコイドーシス、血管炎、及び自己免疫疾患等の予防および/または治療に有用であると考えられる(非特許文献2-4)。
【0008】
一方、特許文献1に記載の下記一般式(A)で示される化合物は、SRS-Aに関連する疾患、例えばアレルギー性疾患、虚血性心疾患、または炎症などの治療に用いられることが記載されている。
【0009】
一般式(A)は、
【0010】
【0011】
(式中、AAは、水素原子、フェニル基、またはフェノキシ基を表し;
nAは、3から10の整数を表し;
R1Aは、水素原子または低級アルコキシ基を表し;
X1Aは、-CO-Y2A-(Y2Aは、-NH-等)等を表し;
【0012】
【0013】
は、
【0014】
【0015】
等を表し、R2Aは、水素原子、ハロゲン、低級ハロアルキル基等を表し、
X2Aは、-Y3A-Y4A-を表し、Y3Aは、単結合等を表し、Y4Aは、1~6個の炭素原子からなるアルキレン基等を表し;
DAは、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基等を表す(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0016】
また、EP2アンタゴニストとして、例えば、特許文献2中の下記一般式(B)で示される化合物や、特許文献3中の下記一般式(C)で示される化合物等が知られている。
【0017】
一般式(B)は、
【0018】
【0019】
(式中、ABはNR5B等を表し;
UBは、CX5BまたはNを表し;
WBは、CX6BまたはNを表し;
nBは、1、2、3、または4を表し;
R1Bは、炭素環、アリール、ヘテロ環などを表し;
X1B、X2B、X3B、X4Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン等を表し;
R5Bは、水素原子またはアルキル基等を表し;
X5B、X6Bはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基等を表す。(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0020】
一般式(C)は、
【0021】
【0022】
(式中、Acは置換されていてもよいC5~12のヘテロアリール基を表し;
R’cは‐S(O)p-C1~C6アルキル基などを表し、pは0~2であり;
R1cは水素原子またはC1~C6アルキル基などを表し;
R2c、R3c、R4cはそれぞれ水素原子またはハロゲン等を表し;
Xcは、-C=C-等を表し;
Ycは、-(CH2)n-を表し、nは2または3である(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0023】
特許文献4には、3-[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ-2-クロロフェニル]プロパン酸メチル、および3-[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ-2-クロロフェニル]プロパン酸が記載されている。
【0024】
しかし、いずれの先行技術文献にも、本発明化合物について記載も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】国際公開第1986/005779号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2012/177618号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2008/152097号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2007/052843号パンフレット
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・リピッド・メディエーターズ・アンド・セル・シグナリング(Journal of Lipid Mediators and Cell Signalling)、第12巻、379-391ページ、1995年
【非特許文献2】ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of the Medicinal Chemistry)、第57巻、4454-4465ページ、2014年
【非特許文献3】トレンズ・イン・ファーマコロジカル・サイエンス(Trends in Pharmacological Science)、第34巻、413-423ページ、2013年
【非特許文献4】インターナショナル・ジャーナル・オブ・モレキュラー・メディシン(International Journal of molecular medicine)第42巻 1203-1214ページ、2018年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明の課題は、EP2受容体に対して強力な拮抗活性を有し、EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤として有用である化合物を含有する医薬組成物を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、後述の一般式(I-A)で示される化合物を含有する医薬組成物等が、前記課題を解決することを見出した。
【0029】
すなわち、本発明は、下記の実施態様を包含する。
〔1〕一般式(I-A):
【0030】
【0031】
(式中、
L1は-(CR38R39)-(CR40R41)-を表し、
R38、R39、R40およびR41は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、または(3)C1-4アルキル基を表し、
R38、R39、R40およびR41中のC1-4アルキル基は、それぞれ独立して、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよく、
R38、R39、R40およびR41から選択される2個の置換基がC1-4アルキル基の時、結合する炭素原子と一緒になってC3-6飽和炭素環を形成してもよく、
L2は、(1)結合手、(2)C1-8アルキレン基、(3)C2-8アルケニレン基、または(4)C2-8アルキニレン基を表し、該C1-8アルキレン基、C2-8アルケニレン基、およびC2-8アルキニレン基中の1~2個の炭素原子(-CH2-)は、酸素原子(-O-)または酸化されていてもよい硫黄原子(-S-、-SO-、または-SO2-)で置き換わっていても(または-CH2-O-のように付加されていても)よく、該C1-8アルキレン基、C2-8アルケニレン基、およびC2-8アルキニレン基は1~8個のハロゲン原子で置換されていてもよく、
Yは、(1)結合手、(2)酸素原子、または(3)酸化されていてもよい硫黄原子を表し、
R1は、(1)-COOR10、(2)-SO3H、(3)-SO2NHR11、(4)-CONHSO2R12、(5)-SO2NHCOR13、(6)-CONR14R15、(7)テトラゾリル基、または(8)ヒドロキサム酸基(-CONHOH)を表し、
R10、R11、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ独立して(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R2は、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R3は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)3-6員環状基、(7)(3-6員環状基)-O-、または(8)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R3中の(2)~(8)は1~9個のR16で置換されていてもよく、
R3が複数の場合、複数のR3は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R16は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR17R18を表し、
R16が複数の場合、複数のR16は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R17およびR18は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R4は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)3-6員環状基、(7)(3-6員環状基)-O-、または(8)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R4中の(2)~(8)は1~9個のR19で置換されていてもよく、
R4が複数の場合、複数のR4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R19は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR20R21を表し、
R20およびR21は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R19が複数の場合、複数のR19は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R5は、(1)水素原子、(2)C3-10炭素環、または(3)3-10員複素環を表し、該C3-10炭素環および3-10員複素環は、1~5個のR22で置換されていてもよく、
但し、L2が結合手の場合は、R5は水素原子でなく、
R22は、(1)C1-6アルキル基、(2)C2-6アルケニル基、(3)C2-6アルキニル基、(4)C3-6シクロアルキル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)C3-6シクロアルキルオキシ基、(7)C2-6アシル基、(8)C2-6アシルオキシ基、(9)C1-6アルキルチオ基、(10)C3-6シクロアルキルチオ基、(11)C1-6アルキルスルフィニル基、(12)C3-6シクロアルキルスルフィニル基、(13)C1-6アルキルスルホニル基、(14)C3-6シクロアルキルスルホニル基、(15)C1-6アルコキシカルボニル基、(16)5-6員環状基、(17)(5-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-、(18)(5-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-O-、(19)(5-6員環状基)-C1-4アシル基、(20)ハロゲン原子、(21)水酸基、(22)ニトロ基、(23)シアノ基、(24)-NR23R24、(25)-CONR25R26または(26)-SO2NR27R28を表し、
R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アシル基または(4)C1-6アルキルスルホニル基を表し、
R22のうち(1)~(19)の基は、1~9個のR29で置換されていてもよく、
R22が複数の場合、複数のR22は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R29は、(1)C1-4アルキル基、(2)C1-4アルコキシ基、(3)C2-6アシル基、(4)C3-6シクロアルキル基、(5)水酸基、(6)-NR30R31または(7)ハロゲン原子を表し、
R30およびR31は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R29が複数の場合、複数のR29は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
Qは(1)酸素原子または(2)硫黄原子を表し、
Xは(1)CR6または(2)NR7を表し、
R6は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)3-6員環状基、(7)(3-6員環状基)-O-、または(8)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R6中の(2)~(8)は1~9個のR32で置換されていてもよく、
R32は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR33R34を表し、
R33およびR34は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R32が複数の場合、複数のR32は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
R7は、(1)C1-6アルキル基、(2)C2-6アルケニル基、(3)C2-6アルキニル基、(4)3-6員環状基、または(5)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R7は1~9個のR35で置換されていてもよく、
R35は、(1)ハロゲン原子、(2)C1-4アルキル基、(3)C1-4アルコキシ基、(4)C2-6アシル基、(5)C3-6シクロアルキル基、(6)水酸基、または(7)-NR36R37を表し、
R36およびR37は、それぞれ独立して、(1)水素原子または(2)C1-4アルキル基を表し、
R35が複数の場合、複数のR35は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、
環Aは、(1)ベンゼン環、または(2)5-6員含窒素芳香族複素環を表し、
環A中の
【0032】
【0033】
は、単結合または二重結合を表し、
nは1~4の整数を表し、
mは0~3の整数を表し、
ただし、3-[3-[(2,6-ジメトキシベンゾイル)アミノ]-4-プロポキシフェニル]プロパン酸、
3-[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ-2-クロロフェニル]プロパン酸メチル、
3-[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ-2-クロロフェニル]プロパン酸、
α-エチル-3-[N-(1’-フェニル-5’-メチル-1’,2’,3’-トリアゾールカルボニル)]アミノ-2,4,6-トリヨードヒドロシンナム酸、および
α-エチル-3-{N-(1’-(4”-ヨードフェニル)-5’-メチル-1,2,3-トリアゾールカルボニル]}アミノ-2,4,6-トリヨードヒドロシンナム酸は除外される。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物、
【0034】
〔2〕一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、一般式(I):
【0035】
【0036】
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、前記〔1〕記載の医薬組成物、
【0037】
〔3〕一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、一般式(I-B):
【0038】
【0039】
(式中、XaはCR6aまたはNR7aを表し、
R6aは、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)(3-6員環状基)-O-、または(7)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R6a中の(2)~(7)は1~9個のR32で置換されていてもよく、
R7aは、(1)C1-6アルキル基、(2)C2-6アルケニル基、(3)C2-6アルキニル基、(4)3-6員環状基、または(5)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R7aは1~9個のR35で置換されていてもよく、
R3a、R3bおよびR3cはそれぞれ独立して(1)水素原子(2)ハロゲン原子、(3)C1-6アルキル基、(4)C2-6アルケニル基、(5)C2-6アルキニル基、(6)C1-6アルコキシ基、(7)3-6員環状基、(8)(3-6員環状基)-O-、または(9)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R3a、R3bおよびR3c中の(3)~(9)は1~9個のR16で置換されていてもよく、
ただし、R3a、R3bおよびR3cのうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基を表し、
前記〔1〕記載の記号と同じ記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表し、
ただし、3-[3-[(2,6-ジメトキシベンゾイル)アミノ]-4-プロポキシフェニル]プロパン酸は除外される。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、前記〔1〕記載の医薬組成物、
【0040】
〔4〕一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、一般式(I-1):
【0041】
【0042】
(式中、pは1~4の整数を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、前記〔1〕記載の医薬組成物、
【0043】
〔5〕一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、一般式(I-C):
【0044】
【0045】
(式中、XaはCR6aまたはNR7aを表し、
R6aは、(1)ハロゲン原子、(2)C1-6アルキル基、(3)C2-6アルケニル基、(4)C2-6アルキニル基、(5)C1-6アルコキシ基、(6)(3-6員環状基)-O-、または(7)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R6a中の(2)~(7)は1~9個のR32で置換されていてもよく、
R7aは、(1)C1-6アルキル基、(2)C2-6アルケニル基、(3)C2-6アルキニル基、(4)3-6員環状基、または(5)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R7aは1~9個のR35で置換されていてもよく、
R3a、R3bおよびR3cはそれぞれ独立して(1)水素原子(2)ハロゲン原子、(3)C1-6アルキル基、(4)C2-6アルケニル基、(5)C2-6アルキニル基、(6)C1-6アルコキシ基、(7)3-6員環状基、(8)(3-6員環状基)-O-、または(9)(3-6員環状基)-(C1-4アルキレン)-を表し、
R3a、R3bおよびR3c中の(3)~(9)は1~9個のR16で置換されていてもよく、
ただし、R3a、R3bおよびR3cのうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基を表し、
pは1~4の整数を表し、
前記〔1〕記載の記号と同じ記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0046】
〔6〕環Aがベンゼン環または5員含窒素芳香族複素環である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0047】
〔7〕L2が、C1-8アルキレン基、C2-8アルケニレン基、またはC2-8アルキニレン基であり、該C1-8アルキレン基、C2-8アルケニレン基、およびC2-8アルキニレン基中の1~2個の炭素原子は、酸素原子で置き換わっていてもよく、該C1-8アルキレン基、C2-8アルケニレン基、およびC2-8アルキニレン基は1~8個のハロゲン原子で置換されていてもよい、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0048】
〔8〕R5が、C3-6炭素環、または3-6員複素環を表し、該C3-6炭素環および3-6員複素環は、1~5個のR22で置換されていてもよい、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0049】
〔9〕環Aが、ベンゼン環、またはピロール環である、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0050】
〔10〕環Aがピロール環であり、Yが結合手である、前記〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0051】
〔11〕環Aがベンゼン環であり、Yが酸素原子である、前記〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0052】
〔12〕一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、
(1)rel-(1R,2S)-2-[3-({[1-sec-ブチル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボニル]アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(2)rel-(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(3)rel-(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-5-メチルフェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(4)rel-(1R,2R)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-5-メチルフェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(5)rel-(1R,2S)-2-{5-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(6)rel-(1R,2R)-2-{5-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(7)(1S,2R)-2-[3-({[1-イソプロピル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(8)(1R,2R)-2-[3-({[1-イソプロピル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(9)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-メトキシフェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(10)(1S,2R)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(11)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(12)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-クロロフェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(13)(1R,2S)-2-{3-[({5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-1-[(2S)-2-ブタニル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(14)rel-(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(2-フルオロ-4-ピリジニル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(15)(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(2-クロロ-6-フルオロ-4-ピリジニル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(16)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-[2-(2-クロロ-3,5-ジフルオロフェノキシ)エチル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(17)(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-[2-(2,4-ジフルオロフェノキシ)エチル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(18)(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(19)rel-(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(20)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3-フェニルプロピル)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(21)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(22)rel-(1R,2S)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(23)rel-(1R,2R)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(24)(1R,2S)-2-[2-クロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(25)(1R,2S)-2-(4-クロロ-3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(26)rel-(1R,2S)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(27)rel-(1R,2R)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(28)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(29)(1S,2R)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(30)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(31)(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(32)(1R,2S)-2-{3-[(2,6-ジメチル-4-プロポキシベンゾイル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(33)(1R,2S)-2-[3-{[4-(ヘキシルオキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(34)(1R,2S)-2-[3-{[4-(ベンジルオキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(35)(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-メトキシエトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(36)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(37)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-フリル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(38)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-クロロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(39)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3-クロロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(40)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(1H-イミダゾール-1-イル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(41)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2,6-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(42)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(43)(1R,2S)-2-[3-({4-[(6-クロロ-2-ピラジニル)オキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(44)(1R,2S)-2-[3-{[4-(6-フルオロ-3-ピリジニル)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(45)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(46)3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸、
(47)3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ブタン酸、
(48)3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸、
(49)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロブタンカルボン酸、および
(50)(1R,2R)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-メチルシクロプロパンカルボン酸
からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、前記〔1〕記載の医薬組成物、
【0053】
〔13〕一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、
(1)(1R,2S)-2-[3-{[2-メチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(2)(1R,2S)-2-[3-{[2-クロロ-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(3)(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-フェニルエトキシ)-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(4)(1R,2S)-2-[3-{[4-(1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(5)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレニルメトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(6)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(3-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(7)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(4-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(8)(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(2-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(9)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-クロロ-1H-イミダゾール-1-イル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(10)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(11)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(12)(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(4-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(13)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(14)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(15)(1R,2S)-2-{3-[(2,6-ジメチル-4-{[6-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ}ベンゾイル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸、
(16)(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イルオキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(17)rel-(1R,2S)-2-(3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-メチルフェニル)シクロプロパンカルボン酸、
(18)(1R,2S)-2-[3-{[4-(ベンジルオキシ)-2-イソプロピルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(19)(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(20)(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-4-(3-フェニルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(21)(1R,2S)-2-[3-{[3-(ベンジルオキシ)-2-イソプロピルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(22)(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-3-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(23)(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-3-(3-フェニルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(24)(1R,2S)-2-[4-(トリフルオロメチル)-3-{[2,3,5-トリメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(25)(1R,2S)-2-[3-({[3-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(26)(1R,2S)-2-[3-({[5-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(27)(1R,2S)-2-[3-({[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)フェニル]カルボノチオイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(28)(1R,2S)-2-[3-({[4-(2-シクロプロピルエトキシ)-2,6-ジメチルフェニル]カルボノチオイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(29)(1R,2S)-2-[3-({[2-sec-ブチル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、
(30)(1R,2S)-2-[3-({[2-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、および
(31)(1R,2S)-2-[3-({[2-(2-メチル-2-プロパニル)-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、前記〔1〕記載の医薬組成物、
【0054】
〔14〕EP2受容体拮抗剤である、前記〔1〕~〔13〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0055】
〔15〕EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤である、前記〔1〕~〔14〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0056】
〔16〕EP2受容体の活性化に起因する疾患が、子宮内膜症、子宮筋腫、月経過多、腺筋症、月経困難症、慢性骨盤痛症候群、がん、炎症性疼痛、神経因性疼痛、頭痛、片頭痛、術後の痛み、間質性膀胱炎、平滑筋腫、過敏性大腸症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、リウマチ、骨関節炎、痛風、アレルギー性疾患、高血圧、脳障害、虚血、脳卒中、腎疾患、移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、尋常性ざ瘡、喘息、前立腺炎、糸球体腎炎、サルコイドーシス、血管炎、または、自己免疫疾患である、前記〔15〕記載の医薬組成物、
【0057】
〔17〕EP2受容体の活性化に起因する疾患ががんであり、がんが、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、頭頸部がん、リンパ腫、ぶどう膜悪性黒色腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん(例えば、悪性黒色腫など)、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病、骨髄異形成症候群、脳腫瘍または多発性骨髄腫である、前記〔15〕または〔16〕記載の医薬組成物、
【0058】
〔18〕がんが、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、または胃がんである、前記〔17〕記載の医薬組成物、
【0059】
〔19〕アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体、プロテアソーム阻害剤、HDAC阻害剤、および免疫調整薬から選ばれる少なくとも1種以上と組み合わせて投与される、前記〔14〕~〔18〕のいずれか1項に記載の医薬組成物、
【0060】
〔20〕前記〔1〕記載の一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含有する、EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤、
【0061】
〔21〕EP2受容体拮抗剤を製造するための、前記〔1〕記載の一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用、
【0062】
〔22〕EP2受容体の活性化に起因する疾患を予防および/または治療するための医薬組成物を製造するための、前記〔1〕記載の一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用、
【0063】
〔23〕EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤を製造するための、前記〔1〕記載の一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用等。
【発明の効果】
【0064】
本発明化合物は、EP2受容体に対して強力な拮抗活性を有し、さらに良好な薬物動態特性(例えば、溶解度および肝ミクロソーム安定性)を有することから、本発明化合物を含有する医薬組成物は、EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】マウス大腸がん細胞株CT26の同種移植モデルにおける本発明化合物の抗腫瘍効果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0067】
本明細書中、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素原子である。
【0068】
本明細書中、C1-4アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル基、およびそれらの異性体である。
【0069】
本明細書中、C1-6アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基、およびそれらの異性体である。
【0070】
本明細書中、C2-6アルケニル基とは、例えば、二重結合を1~2個有するC2-6アルケニル基を意味し、具体的にはエテニル、プロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル基、およびそれらの異性体などである。
【0071】
本明細書中、C2-6アルキニル基とは、例えば、三重結合を1~2個有するC2-6アルキニル基を意味し、具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ブタジイニル、ペンチニル、ペンタジイニル、ヘキシニル、ヘキサジイニル基、およびそれらの異性体などである。
【0072】
本明細書中、C1-4アルキレン基とは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基、およびそれらの異性体である。
【0073】
本明細書中、C1-8アルキレン基とは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン基、およびそれらの異性体である。
【0074】
本明細書中、C2-8アルケニレン基とは、例えば、二重結合を1~2個有するC2-8アルケニレン基を意味し、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、ペンテニレン、ペンタジエニレン、ヘキセニレン、ヘキサジエニレン、ヘプテニレン、ヘプタジエニレン、オクテニレン、オクタジエニレン、およびそれらの異性体である。
【0075】
本明細書中、C2-8アルキニレン基とは、例えば、三重結合を1~2個有するC2-8アルキニレン基を意味し、具体的にはエチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ブタジイニレン、ペンチニレン、ペンタジイニレン、ヘキシニレン、ヘキサジイニレン、ヘプチニレン、ヘプタジイニレン、オクチニレン、オクタジイニレン基、およびそれらの異性体などである。
【0076】
本明細書中、C1-4アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基、およびそれらの異性体である。
【0077】
本明細書中、C1-6アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基、およびそれらの異性体である。
【0078】
本明細書中、C1-6アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ基、およびそれらの異性体である。
【0079】
本明細書中、C1-6アルキルスルフィニル基とは、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル基、およびそれらの異性体である。
【0080】
本明細書中、C1-6アルキルスルホニル基とは、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル基、およびそれらの異性体である。
【0081】
本明細書中、C3-6シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル基である。
【0082】
本明細書中、C3-6シクロアルキルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、およびシクロヘキシルオキシ基である。
【0083】
本明細書中、C3-6シクロアルキルチオ基とは、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、およびシクロヘキシルチオ基である。
【0084】
本明細書中、C3-6シクロアルキルスルフィニル基とは、シクロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニル、およびシクロヘキシルスルフィニル基である。
【0085】
本明細書中、C3-6シクロアルキルスルホニル基とは、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、およびシクロヘキシルスルホニル基である。
【0086】
本明細書中、C1-6アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基、およびそれらの異性体である。
【0087】
本明細書中、C1-4アシル基とは、メタノイル、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル基、およびそれらの異性体である。
【0088】
本明細書中、C2-6アシル基とは、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル基、およびそれらの異性体である。
【0089】
本明細書中、C2-6アシルオキシ基とは、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ基、およびそれらの異性体である。
【0090】
本明細書中、C3-6飽和炭素環とは、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、およびシクロヘキサン環である。
【0091】
本明細書中、5員含窒素芳香族複素環とは、1以上の窒素原子を含む5員の芳香族複素環を意味し、具体的には、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、およびイソチアゾール環などである。
【0092】
本明細書中、5-6員含窒素芳香族複素環とは、1以上の窒素原子を含む5員または6員の芳香族複素環を意味し、具体的には、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、およびイソチアゾール環などである。
【0093】
本明細書中、5-6員環とは、C5-6炭素環および5-6員複素環を表わす。
【0094】
C5-6炭素環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ベンゼンなどである。
【0095】
5-6員複素環としては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、ピラン、チオフェン、チオピラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、およびジチアン環などである。
【0096】
本明細書中、5-6員環状基とは、5-6員環で構成され、結合する相手に応じた価数(例えば、1価または2価)を有する基である。また、本明細書中、C5-6炭素環および5-6員複素環と表記する場合でも、それぞれ、C5-6炭素環基および5-6員複素環基を意味する場合がある。
【0097】
本明細書中、3-6員環とは、C3-6炭素環および3-6員複素環を表わす。
【0098】
C3-6炭素環とは、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、およびベンゼン環などである。
【0099】
3-6員複素環とは、アジリジン、アゼチジン、オキシラン、オキセタン、チイラン、チエタン、および前記5-6員複素環などである。
【0100】
本明細書中、3-6員環状基とは、3-6員環で構成され、結合する相手に応じた価数(例えば、1価または2価)を有する基である。また、本明細書中、C3-6炭素環および3-6員複素環と表記する場合でも、それぞれ、C3-6炭素環基および3-6員複素環基を意味する場合がある。
【0101】
本明細書中、C3-10炭素環とは、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、およびパーヒドロナフタレン環などである。
【0102】
本明細書中、3-10員複素環とは、例えば、前記5-6員複素環および、アジリジン、アゼチジン、オキシラン、オキセタン、チイラン、チエタン、アゼピン、ジアゼピン、オキセピン、チエピン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、アザスピロ[4.4]ノナン、オキサザスピロ[4.4]ノナン、ジオキサスピロ[4.4]ノナン、アザスピロ[4.5]デカン、チアスピロ[4.5]デカン、ジチアスピロ[4.5]デカン、ジオキサスピロ[4.5]デカン、オキサザスピロ[4.5]デカン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、オキサビシクロ[3.2.1]オクタン環などである。
【0103】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましくは一般式(I):
【0104】
【0105】
(式中、全ての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0106】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましくは一般式(I-a):
【0107】
【0108】
(式中、環A-1はベンゼン環または5員含窒素芳香族複素環を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0109】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-b):
【0110】
【0111】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0112】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-c):
【0113】
【0114】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0115】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましくは、一般式(I-1):
【0116】
【0117】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0118】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましい別の態様としては、一般式(I-d):
【0119】
【0120】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0121】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましい別の態様としては、一般式(I-e):
【0122】
【0123】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0124】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましい別の態様としては、一般式(I-f):
【0125】
【0126】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0127】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-g):
【0128】
【0129】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0130】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-h):
【0131】
【0132】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0133】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-B):
【0134】
【0135】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0136】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-i):
【0137】
【0138】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0139】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-j):
【0140】
【0141】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0142】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-k):
【0143】
【0144】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0145】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましい別の態様としては、一般式(I-L):
【0146】
【0147】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0148】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましくは、一般式(I-m):
【0149】
【0150】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0151】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましくは、一般式(I-n):
【0152】
【0153】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0154】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましくは、一般式(I-o):
【0155】
【0156】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0157】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましくは、一般式(I-p):
【0158】
【0159】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0160】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてより好ましくは、一般式(I-q):
【0161】
【0162】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0163】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩としてさらに好ましくは、一般式(I-C):
【0164】
【0165】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0166】
本発明において、一般式(I-A)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩として好ましくは一般式(II):
【0167】
【0168】
(式中、全ての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0169】
本発明において、R1として好ましくは-COOR10または-CONR14R15であり、より好ましくは-COOR10であり、さらに好ましくは-COOHである。
【0170】
本発明において、R10として好ましくは水素原子である。
【0171】
本発明において、R2として好ましくは水素原子である。
【0172】
本発明において、R3として好ましくはハロゲン原子、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基、または少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基である。前記少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基において、ハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、または臭素原子であり、好ましくはフッ素原子であり、ハロゲン原子の数は、例えば1~6個である。前記少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基において、ハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、または臭素原子であり、好ましくはフッ素原子であり、ハロゲン原子の数は、例えば1~6個である。R3としてより好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、最も好ましくはトリフルオロメチル基である。
【0173】
本発明において、R3a、R3b、およびR3cのうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基を表す。R3a、R3b、およびR3cの組み合わせとしてR3bが水素原子以外の置換基であり、R3aおよび/またはR3cが水素原子であってもよく、R3cが水素原子以外の置換基であり、R3aおよび/またはR3bが水素原子であってもよく、R3aおよびR3bが水素原子以外の置換基であり、R3cが水素原子であってもよく、R3aおよびR3cが水素原子以外の置換基であり、R3bが水素原子であってもよく、R3bおよびR3cが水素原子以外の置換基であり、R3aが水素原子であってもよく、R3a~R3cが水素原子以外の置換基であってもよいが、好ましくは、R3aが水素原子以外の置換基であり、R3bおよび/またはR3cが水素原子である。より好ましくは、R3aが水素原子以外の置換基であり、R3bおよびR3cが水素原子である。該水素原子以外の置換基として好ましくはハロゲン原子、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基、または少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基であり、より好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、最も好ましくはトリフルオロメチル基である。
【0174】
本発明において、R4として好ましくは、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、またはC1-6アルコキシ基であり、より好ましくはC1-6アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
【0175】
本発明において、R5として好ましくは水素原子、C3-6炭素環、または3-6員複素環であり、より好ましくはC3-6炭素環、または3-6員複素環であり、またはより好ましくは、水素原子、シクロプロパン、ベンゼン、または5-6員複素環であり、より好ましくはシクロプロパン、ベンゼン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、フラン、またはテトラヒドロピラン環であり、最も好ましくはベンゼン環である。R5は1~5個のR22で置換されていてもよい。
【0176】
本発明において、R22として好ましくはハロゲン原子、水酸基、またはC1-6アルキルであり、より好ましくは、フッ素原子、塩素原子、水酸基、またはメチル基である。
【0177】
本発明において、R6として好ましくはハロゲン原子、または少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基である。前記少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基において、ハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、または臭素原子であり、好ましくはフッ素原子であり、ハロゲン原子の数は、例えば1~6個である。R6としてより好ましくはC1-6アルキル基であり、さらに好ましくはメチルまたはイソプロピル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0178】
本発明において、R6aとして好ましくはハロゲン原子、または少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基であり、さらに好ましくはメチルまたはイソプロピル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0179】
本発明において、R7として好ましくはC1-6アルキル基または3-6員環状基であり、より好ましくはイソプロピル、2-ブチル、3-ペンチル、またはシクロプロピル基であり、より好ましくはイソプロピル、3-ペンチル、または2-ブチル基であり、さらに好ましくは2-ブチル基である。なお、環A中の
【0180】
【0181】
が二重結合である場合、R7は存在しない。
【0182】
本発明において、R7aとして好ましくはC1-6アルキル基または3-6員環状基であり、より好ましくはイソプロピル、2-ブチル、3-ペンチル、またはシクロプロピル基であり、より好ましくはイソプロピル、3-ペンチル、または2-ブチル基であり、さらに好ましくは2-ブチル基である。なお、環A中の
【0183】
【0184】
が二重結合である場合、R7aは存在しない。
【0185】
本発明において、R38、R39、R40、R41として好ましくは、それぞれ独立して、水素原子またはC1-4アルキル基である。
【0186】
本発明において、Qとして好ましくは酸素原子である。
【0187】
本発明において、L1として好ましくは、
【0188】
【0189】
(式中、*はベンゼン環またはR1との結合位置を示し、結合の向きはどちらでもよい。)であり、より好ましくは、
【0190】
【0191】
(式中、*はベンゼン環またはR1との結合位置を示し、結合の向きはどちらでもよい。)である。また、本発明において、L1として好ましくはC3-6飽和炭素環である。
【0192】
本発明において、環Aとして好ましくはベンゼン環または5員含窒素芳香族複素環であり、より好ましくはベンゼン、ピロール、またはピラゾール環であり、特に好ましくはベンゼンまたはピロール環である。
【0193】
本発明において、Yとして好ましくは結合手または酸素原子である。
【0194】
本発明において、環A及びYの組み合わせとして好ましくは環Aがベンゼン環、Yが酸素原子である組み合わせ、環Aが5員含窒素芳香族複素環(より好ましくはピロールまたはピラゾール環、特に好ましくはピロール環)、Yが結合手である組み合わせである。
【0195】
本発明において、L2として好ましくは結合手、または1個の炭素原子(-CH2-)が酸素原子(-O-)で置き換わっていてもよいC1-8アルキレン基(または2個の隣接する炭素原子間に1個の酸素原子を含んでいてもよいC1-8アルキレン基)であり、より好ましくは1個の炭素原子(-CH2-)が酸素原子(-O-)で置き換わっていてもよいC1-8アルキレン基(または2個の隣接する炭素原子間に1個の酸素原子を含んでいてもよいC1-8アルキレン基)であり、さらに好ましくはエチレン、プロピレン、-OCH2CH2-、または-CH2OCH2CH2-である。
【0196】
本発明において、環A-1として好ましくは、ベンゼン、ピロール、またはピラゾール環であり、より好ましくはベンゼンまたはピロール環である。
【0197】
本発明において、pとして好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。
【0198】
本発明において、mとして好ましくは0、1、または2であり、より好ましくは、0または1である。
【0199】
本発明において、nとして好ましくは、1、2、または3であり、より好ましくは1である。
【0200】
本発明において、上記の一般式(I-A)、一般式(I)、一般式(I-1)、一般式(I-a)、一般式(I-b)、一般式(I-c)、一般式(I-d)、一般式(I-e)、一般式(I-f)、一般式(I-g)、一般式(I-h)、一般式(I-i)、一般式(I-j)、一般式(I-k)、一般式(I-L)、一般式(I-m)、一般式(I-n)、一般式(I-o)、一般式(I-p)、一般式(I-q)、一般式(I-B)、一般式(I-C)、または一般式(II)、において、それぞれ独立して、L2として好ましくは結合手、または1個の炭素原子(-CH2-)が酸素原子(-O-)で置き換わっていてもよいC1-8アルキレン基(または2個の隣接する炭素原子間に1個の酸素原子を含んでいてもよいC1-8アルキレン基)であり、より好ましくは1個の炭素原子(-CH2-)が酸素原子(-O-)で置き換わっていてもよいC1-8アルキレン基(または2個の隣接する炭素原子間に1個の酸素原子を含んでいてもよいC1-8アルキレン基)であり、さらに好ましくはエチレン、プロピレン、-OCH2CH2-、または-CH2OCH2CH2-であり、R5として好ましくはC3-6炭素環、または3-6員複素環であり、該C3-6炭素環および3-6員複素環は、1~5個のR22で置換されていてもよく、R1は-COOHが好ましく、R2は水素原子が好ましい。
【0201】
本発明において、一般式(I-A)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、Q、環A、L1、L2、X、Y、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0202】
本発明において、一般式(I)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、環A、L1、L2、X、Y、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0203】
本発明において、一般式(I-1)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R38、R40、環A、L2、X、Y、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0204】
本発明において、一般式(I-a)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、環A-1、L1、L2、X、Y、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0205】
本発明において、一般式(I-b)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R6、L1、L2、Y、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0206】
本発明において、一般式(I-c)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R7、L1、L2、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0207】
本発明において、一般式(I-d)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R38、R40、環A-1、L2、X、Y、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0208】
本発明において、一般式(I-e)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R38、R40、L2、Y、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0209】
本発明において、一般式(I-f)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R7、R38、R40、L2、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0210】
本発明において、一般式(I-g)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、Q、環A、L1、L2、Xa、Y、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0211】
本発明において、一般式(I-h)として好ましくは、前記のR1、R2、R3a、R3b、R3c、R4、R5、Q、環A、L1、L2、X、Y、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0212】
本発明において、一般式(I-i)として好ましくは、前記のR1、R2、R3a、R3b、R3c、R4、R5、Q、環A-1、L1、L2、Xa、Y、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0213】
本発明において、一般式(I-j)として好ましくは、前記のR1、R2、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R6a、Q、L1、L2、Y、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0214】
本発明において、一般式(I-k)として好ましくは、前記のR1、R2、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R7a、Q、L1、L2、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0215】
本発明において、一般式(I-L)として好ましくは、前記のR1、R2、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R6a、Q、L1、L2、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0216】
本発明において、一般式(I-m)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R38、R40、Q、環A、L2、X、Y、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0217】
本発明において、一般式(I-n)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R38、R40、Q、環A-1、L2、X、Y、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0218】
本発明において、一般式(I-o)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R38、R40、Q、L2、Y、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0219】
本発明において、一般式(I-p)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R7、R38、R40、Q、L2、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0220】
本発明において、一般式(I-q)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R38、R40、Q、L2、p、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0221】
本発明において、一般式(I-B)として好ましくは、前記のR1、R2、R3a、R3b、R3c、R4、R5、Q、環A、L1、L2、Xa、Y、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0222】
本発明において、一般式(I-C)として好ましくは、前記のR1、R2、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R38、R40、環A、L2、Xa、Y、p、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0223】
本発明において、一般式(II)として好ましくは、前記のR1、R2、R3、R4、R5、環A、L1、L2、X、Y、n、およびmの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0224】
本発明において、一般式(I-A)の別の態様として最も好ましくは、後記の実施例に記載の実施例化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0225】
本発明において、一般式(I-A)の別の態様として最も好ましくは、(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸、またはその薬学的に許容される塩である。
【0226】
本発明化合物においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルコキシ基およびアルキレン基などには直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在などによる異性体(R、S体、α、β体、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明化合物に含まれる。また、本発明化合物においては、互変異性による異性体をもすべて包含する。
【0227】
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
【0228】
【0229】
は紙面の向こう側(すなわちα-配置)に結合していることを表し、
【0230】
【0231】
は紙面の手前側(すなわちβ-配置)に結合していることを表し、
【0232】
【0233】
は、α-配置とβ-配置の任意の混合物であることを表す。
[塩]
一般式(I-A)で示される化合物は、公知の方法で塩に変換される。
【0234】
塩としては薬学的に許容される塩である。
【0235】
塩は、水溶性のものが好ましい。
【0236】
薬学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩などが挙げられる。
【0237】
酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、またはグルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
【0238】
アルカリ金属塩としては、例えば、カリウム塩およびナトリウム塩などが挙げられる。
【0239】
アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩などが挙げられる。
【0240】
アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
【0241】
アミン塩としては、例えば、トリエチルアミン塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロペンチルアミン塩、ベンジルアミン塩、フェネチルアミン塩、ピペリジン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、リジン塩、アルギニン塩、およびN-メチル-D-グルカミン塩などが挙げられる。
【0242】
また、本発明化合物は、任意の方法でN-オキシド体にすることができる。N-オキシド体とは、一般式(I-A)で示される化合物の窒素原子が、酸化されたものを表す。
【0243】
一般式(I-A)で示される化合物およびその塩は、溶媒和していない形態で存在してもよいし、水、エタノールなどの薬学的に許容できる溶媒と溶媒和した形態で存在してもよい。溶媒和物として好ましくは水和物である。一般式(I-A)で示される化合物およびその塩は、溶媒和物に変換することができる。
【0244】
一般式(I-A)で示される化合物は、適切な共結晶形成剤と共結晶を形成することができる。共結晶としては、薬学的に許容される共結晶形成剤と形成される、薬学的に許容されるものが好ましい。共結晶は、典型的に、2種以上の異なる分子がイオン結合とは異なる分子間相互作用で形成される結晶として定義される。また、共結晶は中性分子と塩の複合体であってもよい。共結晶は、公知の方法、例えば、融解結晶化により、溶媒からの再結晶により、又は成分を一緒に物理的に粉砕することにより、調製することができる。適当な共結晶形成剤としては、WO2006/007448に記載のものを含む。
【0245】
本発明において、本発明化合物に関する言及はすべて、一般式(I-A)で示される化合物、その塩、そのN-オキシド体、その溶媒和物(例えば、水和物)、もしくはその共結晶、または一般式(I-A)で示される化合物の塩のN-オキシド体、その溶媒和物(例えば、水和物)、もしくはその共結晶を包含する。
【0246】
[プロドラッグ]
一般式(I-A)で示される化合物のプロドラッグとは、生体内において酵素や胃酸などによる反応により一般式(I-A)で示される化合物に変換される化合物をいう。一般式(I-A)で示される化合物のプロドラッグとしては、例えば、一般式(I-A)で示される化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、一般式(I-A)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert-ブチル化された化合物など);一般式(I-A)で示される化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、一般式(I-A)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)が挙げられ;一般式(I-A)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I-A)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、1-{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、1-{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)などが挙げられる。これらの化合物はそれ自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I-A)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I-A)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163~198頁に記載されているような、生理的条件において一般式(I-A)で示される化合物に変化するものであってもよい。
【0247】
さらに、一般式(I-A)で示される化合物を構成する各原子は、その同位元素(例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、16N、17O、18O、18F、35S、36Cl、77Br、125Iなど)などで置換されていてもよい。
[本発明化合物の製造方法]
本発明化合物は、公知の方法、例えば、以下に示す方法、これらに準ずる方法、Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 3rd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 2018)に記載された方法、または実施例に示す方法等を適宜改良し、組み合わせて用いることで製造することができる。出発原料は、塩を用いてもよい。それぞれの反応を行う順序は、導入されている保護基や反応条件によって適宜いれかえることができる。
【0248】
一般式(I-A)で示される化合物は、反応工程式1で製造することができる。
【0249】
【0250】
(反応工程式1中、R1-1は保護されていてもよいR1を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
反応工程式1中、反応1-1はアミド化反応である。アミド化反応は公知であり、例えば、
(1)酸ハライドを用いる方法、
(2)混合酸無水物を用いる方法、
(3)縮合剤を用いる方法、
等が挙げられる。これらの方法を具体的に説明すると、
(1)酸ハライドを用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、酸ハライド化剤(オキザリルクロライド、チオニルクロライド等)と-20℃~還流温度で反応させ、得られた酸ハライドを塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、アミンと有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、0~40℃の温度で反応させることにより行なわれる。また、得られた酸ハライドを有機溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)中、アルカリ水溶液(重曹水または水酸化ナトリウム溶液等)を用いて、アミンと0~40℃で反応させることにより行なうこともできる。
【0251】
(2)混合酸無水物を用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、酸ハライド(ピバロイルクロライド、トシルクロライド、メシルクロライド等)、または酸誘導体(クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル等)と、0~40℃で反応させ、得られた混合酸無水物を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、アミンと0~40℃で反応させることにより行なわれる。
【0252】
(3)縮合剤を用いる方法は、例えば、カルボン酸とアミンを、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、または無溶媒で、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の存在下または非存在下、縮合剤(1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨウ素、1-プロピルホスホン酸環状無水物(1-propanephosphonic acid cyclic anhydride、PPA)等)を用い、1-ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)を用いるか用いないで、0~40℃で反応させることにより行なわれる。
【0253】
これら(1)、(2)および(3)の反応は、いずれも不活性ガス(アルゴン、窒素等)雰囲気下、無水条件で行なうことが望ましい。
【0254】
反応工程式1中、反応1-2はチオ化反応である。チオ化反応は公知であり、一般式1cで示される化合物を有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ピリジンなど)中、塩基(炭酸水素ナトリウムなど)の存在下または非存在下、チオ化試薬(例えば、ローソン試薬(2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド)、テトラホスホラスデカスルフィド、ジホスホラスペンタスルフィド、硫化水素、硫黄など)とホスフィン試薬(例えば、トリクロロホスフェートなど)の存在下または非存在下、室温~還流温度で反応させることにより製造することができる。
【0255】
反応工程式1中、一般式1cまたは1dで示される化合物を、必要に応じて脱保護反応に付すことにより、一般式(I-A)で示される化合物を製造することができる。
【0256】
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチル、エチル、tert-ブチル、トリクロロエチル、ベンジル(Bn)、フェナシル、p-メトキシベンジル、トリチル、2-クロロトリチル等が挙げられる。
【0257】
アミノ基、またはテトラゾリル基の保護基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、1-メチル-1-(4-ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpoc)基、トリフルオロアセチル基、9-フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、p-メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基等が挙げられる。
【0258】
水酸基またはヒドロキサム酸基の保護基としては、例えば、メチル、トリチル、メトキシメチル(MOM)、1-エトキシエチル(EE)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-テトラヒドロピラニル(THP)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、アセチル(Ac)、ピバロイル、ベンゾイル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(Troc)等が挙げられる。
【0259】
脱保護反応は公知であり、以下の方法で行うことができる。例えば、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応、
(2)酸性条件下における脱保護反応、
(3)加水素分解による脱保護反応、
(4)シリル基の脱保護反応、
(5)金属を用いる脱保護反応、
(6)金属錯体を用いる脱保護反応、等が挙げられる。
【0260】
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0~40℃で行われる。
【0261】
(2)酸条件下での脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、メタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、アニソール等)中、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トシル酸等)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸等)中、2,2,2-トリフルオロエタノールの存在下または非存在下、0~100℃で行われる。
【0262】
(3)加水素分解による脱保護反応は、例えば溶媒(例えば、エーテル系(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(例えば、ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(例えば、アセトニトリル等)、アミド系(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(例えば、パラジウム-炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0~200℃で行われる。
【0263】
(4)シリル基の脱保護反応は、例えば水と混和しうる有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等)中、テトラブチルアンモニウムフルオライドを用いて、0~40℃で行われる。また、例えば、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トシル酸等)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸等)中、-10~100℃で行われる。
【0264】
(5)金属を用いる脱保護反応は、例えば酸性溶媒(例えば、酢酸、pH4.2~7.2の緩衝液またはそれらの溶液とテトラヒドロフラン等の有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、必要であれば超音波をかけながら、0~40℃で行われる。
【0265】
(6)金属錯体を用いる脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(例えば、水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジン等)、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、2-エチルヘキサン酸等)および/または有機酸塩(例えば、2-エチルヘキサン酸ナトリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム等)の存在下、ホスフィン系試薬(例えば、トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)を用いて、0~40℃で行われる。
【0266】
また、上記以外にも、例えばT. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 5th Edition, 2014に記載された方法によって、脱保護反応を行なうことができる。
【0267】
一般式1aで示されるカルボン酸の代表的な例は、反応工程式2で製造することができる。
【0268】
【0269】
(反応工程式2中、Rxはカルボン酸の保護基を表し、Z1は水酸基またはチオール基、を表し、Z2はハロゲン原子または水酸基を表し、Z3はH2C=CH-基、水酸基、アミノ基、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、トリアルキルスズ基、トリアルキルシラン基またはハロゲン化亜鉛基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
反応工程式2中、反応2は公知であり、Z2がハロゲン原子の場合、ハロゲン置換反応により一般式2cで示される化合物を製造することができる。
【0270】
ハロゲン置換反応は公知であり、例えば有機溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)もしくは炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)またはその水溶液あるいはこれらの混合物の存在下、0~100℃で反応させることにより行なわれる。
【0271】
反応工程式2中、Z1が水酸基またはチオール基であり、Z2が水酸基である場合、光延反応により一般式2cで示される化合物を製造することができる。
【0272】
光延反応は公知であり、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン等)中、アゾ化合物(アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、1,1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジン、1,1’-アゾビス(N,N-ジメチルホルムアミド)等)およびホスフィン化合物(トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ポリマーサポートトリフェニルホスフィン等)の存在下、相当するアルコール化合物と0~60℃で反応させることにより行なわれる。
【0273】
一般式2cで示される化合物を製造する別の方法として、一般式2dで示される化合物をトリフラート化した後、一般式2fで示される化合物とパラジウム触媒を用いたカップリング反応を行うことにより製造することができる。
【0274】
トリフラート化は公知であり、典型的には有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン)中で塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、1,1,1-トリフルオロ-N-(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド、またはトリフルオロメタンスルホン酸無水物を反応させることで実施することができる。
【0275】
パラジウム触媒を用いたカップリング反応としては、例えば、鈴木カップリング、Stilleカップリング、Buchwaldカップリング、根岸カップリング、Heck反応および檜山カップリングなどが挙げられる。
【0276】
これらの反応は公知であり、例えば、有機溶媒(ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル、ジメトキシエタン、アセトン等)中、塩基(ナトリウムエチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸タリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、水酸化バリウム、フッ化テトラブチルアンモニウム等))もしくはその水溶液、またはこれらの混合物および触媒(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl2(PPh3)2)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、パラジウム黒、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)ジクロロパラジウム(PdCl2(dppf)2)、二塩化ジアリルパラジウム(PdCl2(allyl)2)、ヨウ化フェニルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PhPdI(PPh3)2)等)存在下、室温~120℃で反応させることにより行われる。
【0277】
一般式2cで示される化合物を用いて前記のカルボキシル基の脱保護反応を行うことにより、一般式1aで示されるカルボン酸を製造することができる。
【0278】
一般式1bで示されるアミン化合物の代表的な例は、反応工程式3で製造することができる。
【0279】
【0280】
(式中、Z4はハロゲン原子を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
反応工程式3中、ニトロ基の還元反応は公知であり、例えば水に混和する溶媒(エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン等)中、酸(塩酸、臭化水素酸、塩化アンモニウム、酢酸、ギ酸アンモニウム等)の存在下または非存在下、金属試薬(亜鉛、鉄、スズ、塩化スズ、塩化鉄、サマリウム、インジウム、水素化ホウ素ナトリウム-塩化ニッケル等)を用いて、0~150℃の温度で行なわれる。
【0281】
反応工程式3中、パラジウム触媒を用いたカップリング反応は、前記と同様の反応条件に付すことにより、一般式3dまたは一般式1bで示される化合物を製造することができる。
【0282】
反応工程式3中、還元的アミノ化反応は公知であり、例えば、有機溶媒(ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、酢酸およびこれらの混合物等)中、還元剤(水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下、0~40℃の温度で行なわれ、一般式3fまたは一般式1bで示される化合物を製造することができる。
【0283】
一般式(I-A)で示される化合物のうち、Qが酸素原子であり、L1がC3-6飽和炭素環である化合物、すなわち、一般式(I-1):
【0284】
【0285】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物は反応工程式4で製造することができる。
【0286】
【0287】
(式中、-B(ORY)2は、ボロン酸またはボロン酸エステル(例えば、ボロン酸ジメチル、ジオキサボロラン、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、ジオキサボリナン、5,5-ジメチル1,3,2-ジオキサボリナン等)を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
【0288】
反応工程式4中、反応4-1は公知であり、一般式3fで示される化合物と一般式4aで示される化合物とを前記の鈴木カップリング反応の条件に付すことで、一般式4bで示される化合物を製造することができる。一般式4bで示される化合物を製造する別の方法として、一般式3fで示される化合物を反応4-2によって一般式4cで示されるボロン酸エステルに変換した後、一般式4dで示される化合物を用いて反応4-3を行うことにより、一般式4bで示されるアミン化合物を製造することができる。
【0289】
反応4-2は公知であり、例えばビス(ピナコラート)ジボロンを用いて鈴木カップリング反応を行うことにより製造することができる。
【0290】
反応4-3は公知であり、一般式4cで示される化合物と一般式4dで示される化合物とを鈴木カップリング反応に付すことで、一般式4bで示される化合物を製造することができる。
【0291】
一般式4bで示されるアミン化合物と一般式1aで示されるカルボン酸化合物とを前記の方法でアミド化することで、一般式4eで示される化合物を製造することができる。
【0292】
一般式4eで示される化合物を必要に応じて脱保護することで、一般式(I-1)で示される化合物を調製することができる。
【0293】
一般式(I-1)で示される化合物は、一般式1aで示される化合物と一般式3fで示される化合物をアミド化した後、一般式4aで示される化合物と反応4-1を行った後、必要に応じて脱保護することにより製造することもできる。
【0294】
一般式(I-1)で示される化合物は、一般式1aで示される化合物と一般式3fで示される化合物をアミド化した後、反応4-2を行った後、一般式4dで示される化合物と反応4-3を行い、必要に応じて脱保護することにより製造することもできる。
【0295】
一般式(I-A)で示される化合物のうち、Qが酸素原子であり、環Aが5員含窒素芳香族複素環であり、XがNR7であり、Yが結合であり、L1がC3-6飽和炭素環である化合物、すなわち、一般式(I-2):
【0296】
【0297】
(式中、X1、X2はそれぞれ独立して、CH、CR4、または窒素原子を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物は、下記で示される反応工程式5によって製造することができる。
【0298】
【0299】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)
反応5-1は公知であり、ノルボルネンを用いたC-H活性化反応で実施することができる。例えば、Angewandte Chemie-International Edition,2013,vol.52,#23,p.6080‐6083に記載されているように、一般式5cで示される化合物は、一般式5aで示される化合物および一般式5bで示される化合物を用いて、有機溶媒(例えば、N,Nジメチルアセトアミド、アセトニトリル等)中、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等)の存在下でノルボルネン、およびパラジウム触媒(例えば、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)等)を加え、70℃~90℃の温度で反応を行うことにより製造することができる。
【0300】
反応工程式5中、反応5-2は公知であり、前記ハロゲン置換反応または前記の光延反応に付すことにより、一般式5eで示される化合物を製造することができる。
【0301】
一般式5eで示される化合物に対するカルボン酸の脱保護、アミド化および脱保護反応は前記と同様の方法で実施することができる。
【0302】
一般式(I-A)で示される化合物のうち、Qが酸素原子であり、環Aが5員含窒素芳香族複素環であり、XがCR6であり、Yが結合であり、L1がC3-6飽和炭素環である化合物、すなわち、一般式(I-3):
【0303】
【0304】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)は、反応工程式5中の一般式5fで示される化合物を、一般式6d:
【0305】
【0306】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物に置き換えることにより製造することができる。一般式6dで示される化合物は、反応工程式6で製造することができる。
【0307】
【0308】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)
反応工程式6中、ハロゲン置換反応とカルボン酸の脱保護反応は前記と同様の条件で行うことができる。
【0309】
一般式(I-A)で示される化合物のうち、Qが酸素原子であり、環Aがベンゼン環であり、Yが酸素原子であり、L1がC3-6飽和炭素環である化合物、すなわち、一般式(I-4):
【0310】
【0311】
(式中、X1、X2、X3はそれぞれ独立して、CH、またはCR4を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物は、下記で示される反応工程式7によって製造することができる。
【0312】
【0313】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)
反応工程式7中、反応7は公知であり、Z3が水酸基の場合、前記の光延反応を行うことにより一般式7cで示される化合物を製造することができる。
【0314】
Z2が水酸基であり、Z3がハロゲン原子の場合、ウルマンエーテル化反応によって一般式7cで示される化合物を製造することができる。
【0315】
このウルマンエーテル化反応は公知であり、例えば、有機溶媒(ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル、ジメトキシエタン、アセトン等)中、ホスフィンリガンド(トリフェニルホスフィン、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(キサントフォス)等)、塩基(ナトリウムエチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸タリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、水酸化バリウム、フッ化テトラブチルアンモニウム等)もしくはその水溶液、またはこれらの混合物および触媒(ヨウ化銅等)存在下、室温~130℃で反応させることにより行われる。
【0316】
反応工程式7中、一般式7cで示される化合物に対するカルボン酸の脱保護、アミド化および脱保護反応は前記と同様の方法で実施することができる。 本明細書中の各反応において、出発原料として用いた、各々一般式2a、一般式2b、一般式2d、一般式2f、一般式3a、一般式3c、一般式3e、一般式4a、一般式4d、一般式5a、一般式5b、一般式5d、一般式6a、一般式6bおよび一般式7aで示される化合物は公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations、3rd Edition(Richard C.Larock,John Wiley & Sons Inc,2018)等に記載された方法、または公知の方法を一部改変した方法等を組み合わせて用いることで容易に製造することができる。
【0317】
また、アミノ基、カルボキシ基、または水酸基を有する本発明に用いられる化合物は、必要に応じて、これらの基に対して汎用される保護基、例えばT. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 5th Edition, 2014に記載の保護基で保護された化合物を用いて、適切な反応工程の後、公知の脱保護反応を行って製造することができる。
【0318】
本発明に用いられる化合物のうち、光学活性を有する化合物は、光学活性を有する出発原料または試薬を用いて製造するか、ラセミ体の製造中間体を光学分割し、次いで本発明化合物に導くか、あるいはラセミ体の本発明化合物を光学分割することで製造することができる。
【0319】
この光学分割は公知であり、例えば、他の光学活性な化合物と塩・錯体などを形成させ、再結晶を行った後、目的とする化合物を単離するか、あるいは直接キラルカラムなどを用いて分離する方法などが挙げられる。
【0320】
本明細書中の各反応において、加熱を伴う反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴またはマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
【0321】
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール等)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
【0322】
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
【0323】
[毒性]
本発明化合物の毒性は低いものであるため、本発明化合物を含有する医薬組成物は安全に使用することができる。
【0324】
[医薬組成物]
本発明の課題は、EP2受容体に対して強力な拮抗活性を有し、EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤として有用である化合物を含有する医薬組成物を見出すことである。
【0325】
本発明化合物は、EP2受容体に対して強力な拮抗活性を示すため、本発明化合物を含有する医薬組成物は、EP2受容体拮抗剤として有用である。また、本発明化合物を含有する医薬組成物は、EP2受容体の活性化に起因する疾患、例えば、子宮内膜症、子宮筋腫、月経過多、腺筋症、月経困難症、慢性骨盤痛症候群、がん、炎症性疼痛、神経因性疼痛、頭痛、術後の痛み、間質性膀胱炎、平滑筋腫、過敏性大腸症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、リウマチ、骨関節炎、痛風、アレルギー性疾患、高血圧、脳障害、虚血、脳卒中、腎疾患、移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、尋常性ざ瘡、喘息、前立腺炎、糸球体腎炎、サルコイドーシス、血管炎、自己免疫疾患などを予防および/または治療するための医薬組成物、あるいは上記の疾患の予防および/または治療剤として有用である。
【0326】
より具体的には、がんとして、例えば、乳がん、卵巣がん、大腸がん(例えば、結腸がんなど)、肺がん(例えば、非小細胞肺がんなど)、前立腺がん、頭頸部がん(例えば、口腔扁平上皮がん、頭頸部扁平上皮がん、咽頭がん、喉頭がん、舌がん、甲状腺がん、聴神経鞘腫など)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫など)、ぶどう膜悪性黒色腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん(例えば、悪性黒色腫など)、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病(例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病など)、骨髄異形成症候群、脳腫瘍または多発性骨髄腫などが挙げられる。がんとして、好ましくは、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、または胃がんである。
【0327】
自己免疫疾患として、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シェーグレン症候群、全身性エリトマトーデス、AIDSなどが挙げられる。アレルギー性疾患として、例えば、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、乾癬などが挙げられる。頭痛としては、例えば、片頭痛、緊張型頭痛またはそれらの混合型頭痛、または群発性頭痛などが挙げられる。
【0328】
本発明化合物を含有する医薬組成物は、通常、薬学的に許容される担体を含む。上記の疾患の予防および/または治療の目的に用いるには、本発明化合物を含有する医薬組成物は、通常、有効成分である本発明化合物を、各種の添加剤または溶媒などの薬学的に許容される担体とともに製剤化したうえで、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。ここで、薬学的に許容される担体とは、一般的に医薬品の製剤に用いられる、有効成分以外の物質を意味する。薬学的に許容される担体は、その製剤の投与量において薬理作用を示さず、無害で、有効成分の治療効果を妨げないものが好ましい。また、薬学的に許容される担体は、有効成分および製剤の有用性を高める、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、または使用性を向上させるなどの目的で用いることもできる。具体的には、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物事典」(日本医薬品添加剤協会編集)などに記載されているような物質を、適宜目的に応じて選択すればよい。
【0329】
本発明化合物を含有する医薬組成物は、本発明化合物が薬学的有効量で対象(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト、さらに好ましくはヒト患者)へ投与される医薬組成物であってもよい。
【0330】
本発明化合物の投与量は年令、体重、症状、望まれる治療効果、投与の経路、治療の期間等に依存するため、必然的に変動が生じる。一般的に、患者一人当たり、一回につき、0.1mgから1000mgの範囲で経口投与されるか、または患者一人当たり、一回につき、0.01mgから100mgの範囲で非経口投与されるか、または静脈内に持続投与される。
【0331】
もちろん前記したように、本発明化合物の投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
【0332】
本発明化合物を含有する医薬組成物は、各種製剤の形態にすることができ、その剤型としては、例えば、経口投与用製剤(例:錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤など)、口腔用製剤(例:口腔用錠剤、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤、含嗽剤など)、注射用製剤(例:注射剤など)、透析用製剤(例:透析用剤など)、吸入用製剤(例:吸入剤など)、眼科用製剤(例:点眼剤、眼軟膏剤など)、耳科用製剤(例:点耳剤など)、鼻科用製剤(例:点鼻剤など)、直腸用製剤(例:坐剤、直腸用半固形剤、腸注剤など)、腟用製剤(例:腟錠、腟用坐剤など)、および皮膚用製剤(例:外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤など)などが挙げられる。
【0333】
[経口投与用製剤]
経口投与用製剤には、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤等が含まれる。また、経口投与用製剤には、製剤からの有効成分の放出性を特に調節していない速崩性製剤と、固有の製剤設計および製法により放出性を目的にあわせて調節した、例えば、腸溶性製剤や徐放性製剤等の放出調節製剤がある。腸溶性製剤は、有効成分の胃内での分解を防ぐ、または有効成分の胃に対する刺激作用を低減させる等の目的で、有効成分を胃内で放出せず、主として小腸内で放出するよう設計された製剤をいい、通常、酸不溶性の腸溶性基剤を用いて皮膜を施すことにより製造することができる。徐放性製剤は、投与回数の減少または副作用の低減を図る等の目的で、製剤からの有効成分の放出速度、放出時間、放出部位を調節した製剤をいい、通常、適切な徐放化剤を用いることにより製造することができる。経口投与用製剤のうち、カプセル剤、顆粒剤、錠剤等では、服用を容易にする、または有効成分の分解を防ぐ等の目的で、糖類または糖アルコール類、高分子化合物等適切なコーティング剤で剤皮を施すこともできる。
【0334】
(1)錠剤
錠剤は、経口的に投与される一定の形状を有する固形の製剤であり、素錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、多層錠、有核錠等の一般的に錠剤と称されるもののほか、口腔内速崩錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠等が含まれる。素錠を製造する際には、通常、下記の(a)、(b)、または(c)の手法:
(a)有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤を加えて混和して均質とし、水または結合剤を含む溶液を用いて適切な方法で粒状とした後、滑沢剤等を加えて混和し、圧縮成形する;
(b)有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤を加えて混和して均質としたものを、直接圧縮成形するか、または予め添加剤で製した顆粒に有効成分および滑沢剤等を加えて混和して均質とした後、圧縮成形する;
(c)有効成分に賦形剤、結合剤等の添加剤を加えて混和して均質とし、溶媒で湿潤させた練合物を一定の型に流し込んで成形した後、適切な方法で乾燥する;
が用いられる。フィルムコーティング錠は、通常、素錠に高分子化合物等の適切なコーティング剤で薄く剤皮を施すことにより製造することができる。糖衣錠は、通常、素錠に糖類または糖アルコールを含むコーティング剤で剤皮を施すことにより製造することができる。多層錠は、適切な方法により、組成の異なる粉粒体を層状に積み重ね、圧縮成形することにより製造することができる。有核錠は、内核錠を組成の異なる外層で覆うことにより製造することができる。また、錠剤は、公知の適切な手法を用いて腸溶錠または徐放錠とすることもできる。口腔内速崩錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、および溶解錠は、添加剤の適切な選択により錠剤に独特の機能を付与したものであり、前記錠剤の製造手法に準じて製造することができる。なお、口腔内速崩錠とは、口腔内で速やかに溶解または崩壊させて服用できる錠剤を;チュアブル錠とは、咀嚼して服用する錠剤を;発泡錠とは、水中で急速に発泡しながら溶解または分散する錠剤を;分散錠とは、水に分散して服用する錠剤を;溶解錠とは、水に溶解して服用する錠剤をいう。発泡錠は、適切な酸性物質、炭酸塩、炭酸水素塩等を添加剤に用いることにより製造することができる。
【0335】
(2)カプセル剤
カプセル剤は、カプセルに充填またはカプセル基剤で被包成形した製剤であり、硬カプセル剤、軟カプセル剤等が含まれる。硬カプセル剤は、有効成分に賦形剤等の添加剤を加えて混和して均質としたもの、または適切な方法で粒状もしくは成形物としたものを、カプセルにそのまま、または軽く成形して充填することにより製造することができる。軟カプセル剤は、有効成分に添加剤を加えたものを、グリセリン、D-ソルビトール等を加えて塑性を増したゼラチン等の適切なカプセル基剤で、一定の形状に被包成形することにより製造することができる。カプセル剤は、公知の適切な手法を用いて腸溶性カプセル剤または徐放性カプセル剤とすることもでき、また、カプセル基剤に着色剤または保存剤等を加えることもできる。
【0336】
(3)顆粒剤
顆粒剤は、粒状に造粒した製剤であり、一般的に顆粒剤と称されるもののほか、発泡性顆粒剤等も含まれる。顆粒剤を製造する際には、通常、下記の(a)、(b)、または(c)の手法:
(a)粉末状の有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤、またはその他の添加剤を加えて混和して均質にした後、適切な方法により粒状とする;
(b)予め粒状に製した有効成分に賦形剤等の添加剤を加えて混和し、均質とする;
(c)予め粒状に製した有効成分に賦形剤等の添加剤を加えて混和し、適切な方法により粒状とする;
が用いられる。顆粒剤には、必要に応じて剤皮を施すこともでき、また、公知の適切な手法を用いて腸溶性顆粒剤または徐放性顆粒剤とすることもできる。発泡顆粒剤は、適切な酸性物質、炭酸塩、炭酸水素塩等を添加剤に用いることにより製造することができる。なお、発泡顆粒剤とは、水中で急速に発泡しながら溶解または分散する顆粒剤をいう。顆粒剤は、粒子の大きさを調節することにより、細粒剤とすることもできる。
【0337】
(4)散剤
散剤は、粉末状の製剤であり、通常、有効成分に賦形剤またはその他の添加剤を加えて混和し、均質とすることにより製造することができる。
【0338】
(5)経口液剤
経口液剤は、液状または流動性のある粘稠なゲル状の製剤であり、一般的に経口液剤と称されるもののほか、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤等が含まれる。経口液剤は、通常、有効成分に添加剤および精製水を加え、混和して均質に溶解、または乳化もしくは懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。エリキシル剤とは、甘味および芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の経口液剤をいい、通常、固形の有効成分またはその浸出液に、エタノール、精製水、着香剤、および白糖、その他の糖類、または甘味剤を加えて溶かし、濾過またはその他の方法によって澄明な液とすることにより製造することができる。懸濁剤とは、有効成分を微細均質に懸濁した経口液剤をいい、通常、固形の有効成分に懸濁化剤またはその他の添加剤と精製水または油を加え、適切な方法で懸濁し、全体を均質とすることにより製造することができる。乳剤とは、有効成分を微細均質に乳化した経口液剤をいい、通常、液状の有効成分に乳化剤と精製水を加え、適切な方法で乳化し、全体を均質とすることにより製造することができる。なお、リモナーデ剤とは、甘味および酸味のある澄明な液状の経口液剤をいう。
【0339】
(6)シロップ剤
シロップ剤は、糖類または甘味剤を含む粘稠性のある液状または固形の製剤であり、シロップ用剤等が含まれる。シロップ剤は、通常、白糖、その他の糖類、もしくは甘味剤の溶液、または単シロップに有効成分を加えて溶解、混和、懸濁、または乳化し、必要に応じて混液を煮沸した後、熱時濾過することにより製造することができる。シロップ用剤とは、水を加えるとシロップ剤となる顆粒状または粉末状の製剤をいい、ドライシロップ剤とも称されることがある。シロップ用剤は、通常、糖類または甘味剤を添加剤として用いて、前記顆粒剤または散剤の製造手法に準じて製造することができる。
【0340】
(7)経口ゼリー剤
経口ゼリー剤は、流動性のない成形したゲル状の製剤であり、通常、有効成分に添加剤および高分子ゲル基剤を加えて混和し、適切な方法でゲル化させ一定の形状に成形することにより製造することができる。
【0341】
[注射用製剤]
(1)注射剤
注射剤は、皮下、筋肉内、または血管等の体内組織や器官に直接投与する、溶液、懸濁液、もしくは乳濁液、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤であり、一般的に注射剤と称されるもののほか、凍結乾燥注射剤、粉末注射剤、充填済みシリンジ剤、カートリッジ剤、輸液剤、埋め込み注射剤、および持続性注射剤等が含まれる。注射剤を製造する際には、通常、下記の(a)または(b)の手法:
(a)有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加えたものを注射用水、他の水性溶剤、または非水性溶剤等に溶解、懸濁、もしくは乳化して均質としたものを注射剤用の容器に充填して密封し、滅菌する;
(b)有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加えたものを注射用水、他の水性溶剤、または非水性溶剤等に溶解、懸濁、もしくは乳化して均質としたものを無菌濾過するか、無菌的に調製して均質としたものを注射剤用の容器に充填して密封する;
が用いられる。凍結乾燥注射剤は、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および賦形剤等の添加剤を注射用水に溶解し、無菌濾過し、注射剤用の容器に充填した後に凍結乾燥するか、または専用容器で凍結乾燥した後に直接の容器に充填することにより製造することができる。粉末注射剤は、通常、無菌濾過により処理した後、晶析により得た粉末またはその粉末に滅菌処理した添加剤を加えて注射剤用の容器に充填することにより製造することができる。充填済みシリンジ剤は、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および添加剤を用いて溶液、懸濁液、または乳濁液を調製して注射筒に充填することにより製造することができる。カートリッジ剤とは、薬液が充填されたカートリッジを専用の注射器に入れて用いる注射剤をいい、薬液が充填されたカートリッジは、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および添加剤を用いて溶液、懸濁液、または乳濁液を調製してカートリッジに充填することにより製造することができる。輸液剤とは、静脈内に投与される通常100mL以上の注射剤をいう。埋め込み注射剤とは、長期にわたる有効成分の放出を目的として、皮下、筋肉内等に埋め込み用の器具を用いて、または手術により適用する固形またはゲル状の注射をいう。埋め込み注射剤は、通常、生分解性高分子化合物を用い、ペレット、マイクロスフェア、またはゲル状にすることにより製造することができる。持続性注射剤とは、長期にわたる有効成分の放出を目的として、筋肉内等に適用する注射剤をいい、通常、有効成分を植物油等に溶解もしくは懸濁するか、または生分解性高分子化合物を用いたマイクロスフェアの懸濁液とすることにより製造することができる。
【0342】
本発明化合物を含有する医薬組成物は、
1)本発明化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)本発明化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または
3)本発明化合物の副作用の軽減
のために他の薬剤と組み合わせて投与する医薬組成物(または併用剤)であってもよい。
【0343】
前記医薬組成物(または併用剤)は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態であってもよく、また別々の製剤にして投与する形態であってもよい。この別々の製剤にして投与する形態には、同時投与および時間差で投与する形態が含まれる。また、時間差で投与する形態は、本発明化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与する形態であってもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明化合物を後に投与する形態であってもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
【0344】
上記医薬組成物(または併用剤)により、予防および/または治療の対象とする疾患は特に限定されず、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
【0345】
本発明化合物のがんに対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体、プロテアソーム阻害剤、HDAC阻害剤、および免疫調整薬などが挙げられる。
【0346】
アルキル化剤としては、例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、ダカルバジン、テモゾロミド、塩酸ニムスチン、ラニムスチン、ベンダムスチン、チオテパ、およびカルボコンなどが挙げられる。
【0347】
代謝拮抗剤としては、例えば、メトトレキサート、ペメトレキセド、フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム、ドキシフルリジン、カペシタビン、シタラビン、塩酸ゲムシタビン、フルダラビン、ネララビン、カルモフール、および塩酸プロカルバジンなどが挙げられる。
【0348】
抗癌性抗生物質としては、例えば、マイトマイシンC、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、エピルビシン、クロモマイシンA3、ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、およびテラルビシンなどが挙げられる。
【0349】
植物性製剤としては、例えば、塩酸イリノテカン、エトポシド、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、酒石酸ビノレルビン、ドセタキセル水和物、エリブリンメシル酸塩、およびパクリタキセルなどが挙げられる。
【0350】
ホルモン剤としては、例えば、リン酸エストラムスチンナトリウム、フルタミド、ビカルタミド、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリン、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、メピチオスタン、酢酸メドロキシプロゲステロン、エピチオスタノール、ホスフェストロール、塩酸ファドロゾール水和物、アビラテロン、フルベストラント、およびアミノグルテチミドなどが挙げられる。
【0351】
白金化合物としては、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、およびオキサリプラチンなどが挙げられる。
【0352】
トポイソメラーゼ阻害剤としては、例えば、トポテカンおよびソブゾキサンなどが挙げられる。
【0353】
キナーゼ阻害剤としては、例えば、EGFR阻害剤であるエルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、HER2阻害剤であるラパチニブ、BCR-ABL阻害剤であるイマチニブ、ALK阻害剤であるクリゾチニブ、マルチキナーゼ阻害剤であるレゴラフェニブ、およびダサチニブなどが挙げられる。
【0354】
抗CD20抗体としては、例えば、リツキシマブ、イブリツモマブ、イブリツモマブチウキセタン、およびオクレリズマブなどが挙げられる。
【0355】
抗HER2抗体としては、例えば、トラスツズマブ、トラスツズマブ・エムタンシン、およびペルツズマブなどが挙げられる。
【0356】
抗EGFR抗体としては、例えば、セツキシマブおよびパニツムマブなどが挙げられる。
【0357】
抗VEGF抗体としては、例えば、ベバシズマブなどが挙げられる。
【0358】
プロテアソーム阻害剤としては、例えば、ボルテゾミブなどが挙げられる。
【0359】
HDAC阻害剤としては、例えば、ボリノスタットなどが挙げられる。
【0360】
免疫調整薬としては、例えば、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、BCG、およびインターフェロン製剤などが挙げられる。
【0361】
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
【0362】
また、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
【0363】
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的、科学的用語、および略語は、本発明の分野に属する当業者によって普通に理解されるものと同様の意味を有する。
【0364】
また、本明細書において、明示的に引用される全ての特許文献および非特許文献もしくは参考文献の内容は、全て本明細書の一部としてここに引用し得る。
【0365】
[合成実施例]
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されるカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表す。
【0366】
NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示している。
【0367】
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標)を用いるか、Chemdraw Ultra(バージョン12.0、Cambridge Soft社製)を用いるか、またはIUPAC命名法に準じて命名したものである。
【0368】
LC-MS/ELSDは、下記条件で行った。
条件A;
カラム:Waters Triart C18(粒子径:1.9 x 10-6 m;カラム長:30 x 2.0 mm I.D.);流速:1.0mL/min;カラム温度:30℃;移動相(A):0.1%トリフルオロ酢酸水溶液(以下、TFAと略記);移動相(B):0.1%TFA-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]95:5;[0.1分]95:5;[1.2分]5:95;[1.4分]5:95;[1.41分]95:5;[1.5分]95:5;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS。
条件B;
カラム:Waters Triart C18(粒子径:1.9 x 10-6 m;カラム長:30 x 2.0 mm I.D.);流速:1.0mL/min;カラム温度:30℃;移動相(A):0.1%TFA;移動相(B):0.1%TFA-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]95:5;[0.15分]95:5;[1.15分]5:95;[2.80分]5:95;[2.81分]95:5;[3分]95:5;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS。
条件C;
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18(粒子径:1.7 x 10-6 m;カラム長:50 x 2.1 mm);流速:0.6mL/min;カラム温度:35℃;移動相(A):0.1%TFA;移動相(B):0.1%TFA-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]97:3;[0.4分]97:3;[2.5分]2:98;[3.5分]2:98;[4.01分]97:3;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS。
条件D;
カラム:Xbridge C18(粒子径:3.5 x 10-6 m);流速:1.000mL/min;カラム温度:35℃;移動相(A):10mM 炭酸水素アンモニウム水溶液;移動相(B):アセトニトリル;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]95:5;[0.8分]95:5;[5分]2:98;[6分]2:98;[8.01分]95:5;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS。
条件E;
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18(粒子径:1.7 x 10-6 m;カラム長:50 x 2.1 mm);流速:0.6mL/min;カラム温度:35℃;移動相(A):0.05%TFA;移動相(B):0.05%TFA-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]97:3;[0.4分]97:3;[2.5分]2:98;[3.5分]2:98;[3.8分]97:3;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS。
条件F;
カラム:ACQUITY UPLC BEH C18(粒子径:1.7 x 10-6 m;カラム長:50 x 2.1 mm);流速:0.6mL/min;カラム温度:35℃;移動相(A):0.07%TFA;移動相(B):0.07%TFA-アセトニトリル溶液;グラジエント(移動相(A):移動相(B)の比率を記載):[0分]97:3;[0.4分]97:3;[2.5分]2:98;[3.5分]2:98;[3.8分]97:3;検出器:UV(PDA)、ELSD、MS。
【0369】
HPLC保持時間は、別途記載がなければ前記LC-MS/ELSDに記載の条件Aでの保持時間を示す。
【0370】
マイクロウェーブ反応装置はBiotage社製Initiator 60 EXPを用いた。
【0371】
高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略記)による分取精製は、下記の条件で行った。
移動相A(0.1%TFA):移動相B(0.1%TFA/アセトニトリル)=95:5→5:95
【0372】
参考例1:エチル 5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボキシラート
エチル 1H-ピロール-2-カルボキシラート(CAS番号:2199-43-1、2.50g)のN,N-ジメチルアセトアミド(以下、DMAと略記)(3mL)溶液に、ビシクロ[2.2.2]-2-ヘプテン(以下、ノルボルネンと略記)(CAS番号:498-66-8、3.40g)、炭酸水素カリウム(5.40g)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(CAS番号:14592-56-4、230mg)を加え、超音波により脱気した。反応混合液に1-ブロモ-3-フェニルプロパン(CAS番号:637-59-2、7.20g)を加え、90℃で20時間撹拌した。反応液を酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で希釈し、セライト(商品名)でろ過した。ろ液を飽和塩化アンモニウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→3:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(3.82g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.12;
MS(ESI, Pos.):258(M+H)+。
【0373】
参考例2:エチル 1-(ブタン-2-イル)-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボキシラート
参考例1で製造した化合物(0.27g)のトルエン(5mL)溶液に2-ブタノール(0.78g)及びシアノメチレントリブチルホスホラン(以下、CMBPと略記)(CAS番号:157141-27-0、0.76g)を加え、マイクロウェーブ装置を用いて130℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→9:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(0.24g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.34;
MS(ESI, Pos.):314(M+H)+。
【0374】
参考例3:1-(ブタン-2-イル)-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボン酸
参考例2で製造した化合物(0.24g)の1,2-ジメトキシエタン(以下、DMEと略記)(2mL)溶液にメタノール(2mL)及び50%水酸化カリウム水溶液(1mL)を加え90℃で22時間撹拌した。反応液を放冷後1N塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→4:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(0.18g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.13;
MS(ESI, Pos.):286(M+H)+。
【0375】
参考例3-1~3-2:
2-ブタノールの代わりに対応するアルコール体を用いて、参考例2→参考例3と同様の反応を行うことにより以下の物性値を有する表題化合物を得た。
【0376】
参考例3-1:1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボン酸
HPLC保持時間(分):1.10;
MS(ESI, Pos.):286(M+H)+。
【0377】
参考例3-2:5-(3-フェニルプロピル)-1-(プロパン-2-イル)-1H-ピロール-2-カルボン酸
HPLC保持時間(分):1.10;
MS(ESI, Pos.):272(M+H)+。
【0378】
参考例4:エチル rel-(1R,2S)-2-[3-アミノ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート ラセミ混合物
5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)アニリン(CAS番号:703-91-3、3g)の1,4-ジオキサン(60mL)溶液にエチル 2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロパンカルボキシラート(CAS番号:1215107-29-1、3g)、2Mリン酸カリウム水溶液(18.8mL)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン付加物(CAS番号:95464-05-4、1g)を加え100℃で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をHPLCにより精製し、以下の物性値を有する表題化合物(0.8g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.03;
MS(ESI, Pos.):273(M+H)+。
【0379】
参考例5:5-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)アニリン
5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)アニリン(1g)及びビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロン(CAS番号:201733-56-4、1.9g)のジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略記)(10mL)溶液に、酢酸カリウム(1.2g)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン付加物(340mg)を加え100℃で2時間撹拌した。反応液を水で希釈し、2-メトキシ-2-メチルプロパン(以下、MTBEと略記)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1g)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ1.55, 3.76, 4.06-4.15, 7.16-7.21, 7.39-7.42。
【0380】
参考例6:エチル(1R,2S)-2-[3-アミノ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例5で製造した化合物(491mg)及びエチル (1S,2S)-2-ヨードシクロプロパンカルボキシラート(CAS番号:1629125-76-3、400mg)の1,4-ジオキサン(10mL)溶液に、2M炭酸セシウム水溶液(2.2mL)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル)(2’-アミノビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(以下、XPhos Pd G2と略記)(CAS番号:1310584-14-5、236mg)を加えて100℃で4.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカ)(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(110mg)を得た。
HPLC保持時間(分):0.95;
MS(ESI, Pos.):274(M+H)+。
【0381】
参考例7:エチル(1R,2S)-2-[5-アミノ-2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例6で製造した化合物(50mg)のDMF(1mL)溶液にN-クロロスクシンイミド(CAS番号:128-09-6、37mg)を加え60℃で1時間撹拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(13mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.02;
MS(ESI, Pos.):308(M+H)+。
【0382】
参考例8:エチル rel-(1R,2S)-2-[3-{[1-(ブタン-2-イル)-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート ラセミ混合物
参考例4で製造した化合物(105mg)及び参考例3で製造した化合物(100mg)のジクロロメタン(1mL)溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEAと略記)(CAS番号:7087-68-5、135mg)及びクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスファート(以下、TCFHと略記)(CAS番号:94790-35-9、147mg)を加え室温で13時間撹拌した。反応液を減圧濃縮しHPLCで精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(100mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.39;
MS(ESI, Pos.):541(M+H)+。
【0383】
実施例1:rel-(1R,2S)-2-[3-({[1-sec-ブチル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボニル]アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸 ラセミ混合物
【0384】
【0385】
参考例8で製造した化合物(95mg)のテトラヒドロフラン(以下、THFと略記)(2.5mL)及びメタノール(2.5mL)溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え室温で3.5時間撹拌した。反応液を5N塩酸で中和し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(82mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.22;
MS(ESI, Pos.):513(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.58-0.82, 1.34-1.53, 1.61-2.22, 2.54-2.81, 4.63-5.18, 5.93-6.04, 6.58-6.71, 7.07-7.13, 7.17-7.24, 7.28-7.35, 7.46-7.54, 7.86-7.97, 8.06-8.18。
【0386】
参考例9:N-[5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボキサミド
参考例4で製造した化合物の代わりに5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)アニリンを用いて、参考例3で製造した化合物の代わりに参考例3-1で製造した化合物を用いて、参考例8と同様の反応を行うことにより、以下の物性を有する表題化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.43;
MS(ESI, Pos.):507(M+H)+。
【0387】
参考例10:エチル 2-[3-({1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例9で製造した化合物(200mg)の1,4-ジオキサン溶液(2mL)にエチル 2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロパンカルボキシラート(94mg)、2Mリン酸カリウム水溶液(0.59mL)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン付加物(96mg)を加えマイクロウェーブ装置を用いて120℃で1時間撹拌した。この反応液を精製せずそのまま次反応に用いた。
【0388】
実施例2:rel-(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸 ジアステレオマー混合物
【0389】
【0390】
参考例10で得られた反応液に5N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え50℃で2時間撹拌した。反応液を5N塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し、HPLCで精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(45mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.22;
MS(ESI, Pos.):513(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.76, 1.36-1.45, 1.51, 1.62-1.72, 1.73-1.87, 1.90-2.14, 2.57-2.79, 4.58-5.27, 5.98, 6.65, 7.03, 7.17-7.24, 7.28-7.35, 7.47, 7.94, 8.22。
【0391】
実施例2-1~2-4:
5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)アニリンの代わりに対応するアニリン誘導体を用い、エチル 2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロパンカルボキシラートまたは対応するボロン酸エステルを用いて、参考例9→参考例10→実施例2と同様の操作を行うことにより、以下の物性を有する本発明化合物を得た。
【0392】
実施例2-1:rel-(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-5-メチルフェニル}シクロプロパンカルボン酸 ジアステレオマー混合物
【0393】
【0394】
HPLC保持時間(分):1.36;
MS(ESI, Pos.):459(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.68-0.81, 1.31-1.39, 1.50, 1.61-1.87, 1.96-2.12, 2.26-2.30, 2.51-2.80, 4.21-5.10, 5.95, 6.61, 6.83, 7.11-7.36, 7.58。
【0395】
実施例2-2:rel-(1R,2R)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-5-メチルフェニル}シクロプロパンカルボン酸 ジアステレオマー混合物
【0396】
【0397】
HPLC保持時間(分):1.38;
MS(ESI, Pos.):459(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.76, 1.36-1.47, 1.52, 1.57-1.66, 1.71-2.08, 2.31, 2.49-2.61, 2.65-2.81, 4.43-5.37, 5.95, 6.59, 6.65, 7.09-7.36, 7.49-7.57。
【0398】
実施例2-3:rel-(1R,2S)-2-{5-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸 ジアステレオマー混合物
【0399】
【0400】
HPLC保持時間(分):1.41;
MS(ESI, Pos.):513(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.73-0.80, 1.42-1.57, 1.95-2.09, 2.14-2.28, 2.61-2.87, 4.32-5.33, 5.97, 6.67, 7.17-7.36, 7.42, 7.54-7.59, 7.62-7.78。
【0401】
実施例2-4:rel-(1R,2R)-2-{5-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-2-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸 ジアステレオマー混合物
【0402】
【0403】
HPLC保持時間(分):1.43;
MS(ESI, Pos.):513(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.77, 1.47-1.57, 1.63-1.88, 1.90-2.08, 2.63-2.93, 4.26-5.25, 5.98, 6.66, 7.12-7.34, 7.39, 7.44-7.50, 7.57-7.62, 7.68。
【0404】
実施例3-1~3-2:
2-ブタノールの代わりにイソプロパノールを用いて、エチル 2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロパンカルボキシラートの代わりに対応するボロン酸エステルを用いて、参考例2→参考例3→参考例9→参考例10→実施例1と同様の反応を行うことにより、下記物性値を有する本発明化合物を得た。
【0405】
実施例3-1:(1S,2R)-2-[3-({[1-イソプロピル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0406】
【0407】
HPLC保持時間(分):1.19;
MS(ESI, Pos.):499(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.39-1.47, 1.52, 1.64-1.74, 1.96-2.13, 2.58-2.80, 5.00-5.21, 5.97, 6.65, 6.90-7.17, 7.17-7.24, 7.28-7.36, 7.48, 7.95, 8.26。
【0408】
実施例3-2:(1R,2R)-2-[3-({[1-イソプロピル-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0409】
【0410】
HPLC保持時間(分):1.21;
MS(ESI, Pos.):499(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.45-1.51, 1.54, 1.66-1.76, 1.96-2.09, 2.60-2.83, 5.05-5.18, 5.97, 6.65, 6.89, 7.18-7.24, 7.28-7.34, 7.51, 7.98, 8.17。
【0411】
参考例11:4-ヨード-1-メトキシ-2-ニトロベンゼン
1-フルオロ-4-ヨード-2-ニトロベンゼン(CAS番号:364-75-0、3.2g)のメタノール(10mL)溶液に28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(7.3mL)を加え50℃で15時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧濃縮することで以下の物性値を有する表題化合物(3.3g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.94;
1H-NMR(CDCl3):δ3.95, 6.87, 7.81, 8.12。
【0412】
参考例12:5-ヨード-2-メトキシアニリン
参考例11で製造した化合物(2.3g)の酢酸(10mL)溶液に水(1mL)及び鉄粉(1.4g)を加え50℃で6時間撹拌した。反応液をMTBE及びヘキサンで希釈し、セライト(商品名)でろ過した。ろ液を2N水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカ)(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.8g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.63;
MS(ESI, Pos.):250(M+H)+。
【0413】
参考例13:1-[(2S)-ブタン-2-イル]-N-(5-ヨード-2-メトキシフェニル)-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボキサミド
参考例4で製造した化合物の代わりに参考例12で製造した化合物を用いて、参考例3で製造した化合物の代わりに参考例3-1で製造した化合物を用いて、参考例8と同様の反応を行うことにより、以下の物性を有する表題化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.41;
MS(ESI, Pos.):517(M+H)+。
【0414】
参考例14:1-[(2S)-ブタン-2-イル]-N-[5-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-2-メトキシフェニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボキサミド
参考例13で製造した化合物(50mg)及びビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロン(43mg)のDMSO(1mL)溶液に酢酸カリウム(28mg)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン付加物(8mg)を加え100℃で1時間撹拌した。反応液をMTBEで希釈して水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(35mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.14。
【0415】
参考例15:エチル (1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-メトキシフェニル}シクロプロパンカルボキシラート
参考例14で製造した化合物(35mg)及びエチル (1S,2S)-2-ヨードシクロプロパンカルボキシラート(22.3mg)の1,4-ジオキサン溶液(1mL)に2M炭酸セシウム水溶液(0.17mL)及びXPhos Pd G2(11mg)を加えて100℃で30分撹拌した。反応液は精製せずにそのまま次反応に使用した。
【0416】
実施例4:(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-メトキシフェニル}シクロプロパンカルボン酸
【0417】
【0418】
参考例15の反応液にメタノール(1mL)及び5N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え50℃で1時間撹拌した。反応液を室温に戻し、5N塩酸で中和しMTBEで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をHPLCによって精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(3mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.39;
MS(ESI, Pos.):475(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.72-0.81, 1.33-1.44, 1.48-1.55, 1.62-1.71, 1.75-2.16, 2.59-2.79, 3.83-3.87, 4.62-5.16, 5.93-5.99, 6.59-6.66, 6.75-6.81, 6.87-6.94, 7.14-7.24, 7.27-7.35, 8.17-8.27, 8.32-8.36。
【0419】
参考例16:(1R,2S,5R)-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキシル rel-(1R,2S)-2-[3-({1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート ジアステレオマー混合物
実施例2で製造した化合物(50mg)のジクロロメタン(1mL)及びアセトニトリル(1mL)溶液にDIPEA(63mg)、L-メントール(45mg)、4-ジメチルアミノピリジン(以下、DMAPと略記)及び1-(クロロ-1-ピロリジニルメチレン)ピロリジニウムヘキサフルオロホスファート(以下、CyCIUと略記)(CAS番号:135540-11-3、65mg)を加え70℃で2時間撹拌した。反応液を濃縮し次の分割に用いた。
【0420】
参考例16-1~16-2:分割
参考例16で得られた混合物をHPLCによって精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物を得た。
【0421】
参考例16-1:(1R,2S,5R)-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキシル (1S,2R)-2-[3-({1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート
HPLC保持時間(分):1.67(条件B);
MS(ESI, Pos.):651(M+H)+。
【0422】
参考例16-2:(1R,2S,5R)-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキシル (1R,2S)-2-[3-({1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート
HPLC保持時間(分):1.70(条件B);
MS(ESI, Pos.):651(M+H)+。
【0423】
実施例5:(1S,2R)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸
【0424】
【0425】
参考例16-1で製造した化合物のメタノール(1mL)及びTHF(1mL)の溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え50℃で1時間撹拌した。反応液を5N塩酸で中和し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(16mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.29;
MS(ESI, Pos.):513(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.72-0.81, 1.17-1.47, 1.48-1.54, 1.63-1.87, 1.92-2.16, 2.58-2.80, 4.38-4.84, 5.95-6.01, 6.62-6.68, 7.03-7.08, 7.17-7.24, 7.28-7.35, 7.44-7.51, 7.91-7.98, 8.19-8.24。
【0426】
実施例6:(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸
【0427】
【0428】
参考例16-2で製造した化合物のメタノール(1mL)及びTHF(1mL)の溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え50℃で1時間撹拌した。反応液を5N塩酸で中和し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(11mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.29;
MS(ESI, Pos.):513(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.76, 1.37-1.46, 1.52, 1.62-1.72, 1.73-1.86, 1.89-2.17, 2.56-2.82, 4.34-5.29, 5.98, 6.65, 7.02, 7.17-7.24, 7.27-7.35, 7.47, 7.94, 8.22。
【0429】
実施例7:(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-クロロフェニル}シクロプロパンカルボン酸
【0430】
【0431】
参考例4で製造した化合物の代わりに5-ブロモ-2-クロロアニリンを用いて、参考例9→参考例10→実施例1と同様の操作を行うことにより、下記物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.41;
MS(ESI, Pos.):479(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ0.62-0.69, 1.11-1.51, 1.63-2.12, 2.34-2.80, 4.58-5.26, 5.88-6.00, 6.83-6.88, 6.97-7.07, 7.12-7.41, 7.50-7.56, 9.20-9.24, 11.90。
【0432】
参考例17:エチル 5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-1H-ピロール-2-カルボキシラート
エチル 1H-ピロール-2-カルボキシラート(37g)及びノルボルネン(50g)のDMA(265mL)溶液に炭酸水素カリウム(80g)、2-ブロモエトキシメチルベンゼン(CAS番号:1462-37-9、57g)及びビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(3.5g)を加え100℃で24時間撹拌した。反応液に水を加えセライト(商品名)でろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1→6:1)で精製した。得られた残渣をヘプタンに溶解し、メタノールと水1:1の混合液で洗浄し、へプタン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=99:1→6:4)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(11g)を得た。
TLC:Rf 0.34 (ヘキサン:酢酸エチル=5:1);
HPLC保持時間(分):1.04;
MS(ESI, Pos.):274(M+H)+。
【0433】
参考例18:エチル 5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-1-[(2S)-ブタン-2-イル]-1H-ピロール-2-カルボキシラート
参考例17で製造した化合物(6g)のトルエン(22mL)溶液に(R)-(-)-2-ブタノール(CAS番号:14898-79-4、12mL)及びCMBP(12mL)を加えてマイクロウェーブ装置を用いて130℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(4.6g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.32;
MS(ESI, Pos.):330(M+H)+。
【0434】
参考例19:5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-1-[(2S)-ブタン-2-イル]-1H-ピロール-2-カルボン酸
参考例18で製造した化合物(3g)の1-メチルピロリジノン(以下、NMPと略記)(8mL)及びメタノール(2.7mL)の溶液に50%水酸化カリウム水溶液(2.7mL)を加え85℃で1時間撹拌した。反応液にMTBEを加え氷冷して10%のリン酸水溶液でpH5にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮することで、以下の物性値を有する表題化合物(2.7g)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ0.69-0.80, 1.45-1.55, 1.74-1.92, 1.96-2.08, 2.91-3.11, 3.69-3.78, 4.53-4.59, 5.16-5.92, 5.95-6.02, 7.09-7.15, 7.27-7.40。
【0435】
参考例20:エチル(1R,2S)-2-{3-[({5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-1-[(2S)-2-ブタニル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボキシラート
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例19で製造した化合物を用いて、参考例4で製造した化合物の代わりに参考例6で製造した化合物を用いて、参考例8と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する表題化合物(305mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.27;
MS(ESI, Pos.):557(M+H)+。
【0436】
実施例8:(1R,2S)-2-{3-[({5-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-1-[(2S)-2-ブタニル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸
【0437】
【0438】
参考例8で製造した化合物の代わりに参考例20で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.13;
MS(ESI, Pos.):529(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.61-0.70, 1.05-1.31, 1.33-1.46, 1.80-2.03, 2.20-2.39, 2.93-3.02, 3.69-3.75, 4.53-4.57, 4.64-4.95, 5.94-5.98, 6.61-6.66, 7.13-7.39, 7.41-7.48, 7.57-7.64, 7.80-7.87。
【0439】
参考例21:エチル 1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピロール-2-カルボキシラート
参考例18で製造した化合物(1.5g)の酢酸エチル(30mL)溶液に水酸化パラジウム(CAS番号:12135-22-7、300mg)を加え、水素雰囲気下、室温で6時間撹拌した。反応液をセライト(商品名)でろ過し減圧濃縮した。得られた残渣は精製せずそのまま次反応に用いた。
【0440】
参考例22:エチル 1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-{2-[(2-フルオロピリジン-4-イル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-カルボキシラート
参考例21で製造した反応混合物と2-フルオロピリジン-4-オール(CAS番号:22282-69-5、1g)のトルエン(15mL)溶液にCMBP(2.2g)を加え90℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(0.95g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.20;
MS(ESI, Pos.):335(M+H)+。
【0441】
参考例23:1-[(2S)-ブタン-2-イル]-5-{2-[(2-フルオロピリジン-4-イル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-カルボン酸
参考例22で製造した化合物(0.95g)のNMP(15mL)溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加え80℃で2時間撹拌した。反応液をMTBEで洗浄後、水層を5%リン酸水溶液で中和し、MTBEで抽出した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)及びジオールシリカ(富士シリシア社製、クロマトレックスDIOL60)を用いたカラムクロマトグラフィーで精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(0.19g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.95;
MS(ESI, Pos.):307(M+H)+。
【0442】
実施例9:rel-(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(2-フルオロ-4-ピリジニル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸 ジアステレオマー混合物
【0443】
【0444】
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例23で製造した化合物を用いて、参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.11;
MS(ESI, Pos.):534(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ0.70, 1.20-1.28, 1.32-1.39, 1.42-1.57, 1.71-1.87, 2.04-2.12, 2.63-2.74, 3.12-3.20, 4.35-4.41, 4.68-5.27, 6.05, 6.81, 6.92-6.96, 7.29, 7.36-7.41, 7.61, 8.04, 9.44, 11.98。
【0445】
参考例24:エチル (1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボキシラート
参考例20で製造した化合物(220mg)のジクロロメタン(10mL)溶液に氷冷下、1Mの三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(CAS番号:10294-33-4、0.6mL)を加え室温で2.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:9→0:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(140mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.02;
MS(ESI, Pos.):467(M+H)+。
【0446】
参考例25:エチル(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(2-クロロ-6-フルオロ-4-ピリジニル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキシラート
参考例24で製造した化合物(0.8g)のトルエン(20mL)懸濁液に2-クロロ-6-フルオロピリジン-4-オール(CAS番号:1807206-99-0、0.3g)およびCMBP(0.5g)を加え90℃で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:97→1:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(0.9g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.43;
MS(ESI, Pos.):596(M+H)+。
【0447】
実施例10:(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(2-クロロ-6-フルオロ-4-ピリジニル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0448】
【0449】
参考例25で製造した化合物(900mg)の1,4-ジオキサン(10mL)溶液に硫酸(2mL)を加え100℃で48時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をHPLCで精製することによって、以下の物性値を有する本発明化合物(300mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.31;
MS(ESI, Pos.):568(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ0.67-0.73, 1.21-1.29, 1.33-1.41, 1.43-1.50, 1.51-1.58, 1.71-1.84, 2.03-2.20, 2.63-2.73, 3.10-3.19, 4.39-4.45, 4.94-5.44, 6.02-6.07, 6.77-6.84, 6.87-6.93, 7.15-7.20, 7.25-7.31, 7.37-7.40, 7.61, 9.42-9.46, 11.98。
【0450】
実施例10-1~10-3:
2-クロロ-6-フルオロピリジン-4-オールの代わりに対応するアルコール体を用いて、参考例25→実施例10と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0451】
実施例10-1:(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-[2-(2-クロロ-3,5-ジフルオロフェノキシ)エチル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.37;
MS(ESI, Pos.):585(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.83, 1.42-1.53, 1.61, 1.68-1.80, 1.83-1.97, 2.02-2.16, 2.63-2.77, 3.26-3.33, 4.22-4.30, 4.71-5.33, 6.07-6.14, 6.47-6.62, 6.65-6.70, 7.11-7.16, 7.50-7.56, 7.90-7.97, 8.14-8.20。
【0452】
実施例10-2:(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-[2-(2,4-ジフルオロフェノキシ)エチル]-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.32;
MS(ESI, Pos.):551(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.82, 1.41-1.52, 1.59, 1.69-1.77, 1.83-1.95, 1.98-2.25, 2.61-2.76, 3.16-3.29, 4.27, 4.69-5.28, 6.08, 6.67, 6.74-6.98, 7.12, 7.48-7.55, 7.94, 8.18。
【0453】
実施例10-3:(1R,2S)-2-[3-{[(1-[(2S)-2-ブタニル]-5-{2-[(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ]エチル}-1H-ピロール-2-イル)カルボニル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.14;
MS(ESI, Pos.):519(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ 0.82, 1.40-1.51, 1.58, 1.67-1.75, 1.78-1.92, 1.95-2.21, 2.60-2.74, 3.15, 3.84, 4.14, 4.66-5.21, 6.03, 6.66, 7.06-7.16, 7.48-7.56, 7.94, 8.19。
【0454】
参考例26:メチル 2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾアート
4-ヒドロキシ-2,6-ジメチル安息香酸メチル(CAS番号:83194-70-1、2.5g)のDMF(10mL)溶液に炭酸カリウム(5.8g)及び2-ブロモエチルベンゼン(CAS番号:103-63-9、7.7g)を加え80℃で15時間撹拌した。さらに2-ブロモエチルベンゼン(1.4g)及び炭酸カリウム(1g)を追加して終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルとヘキサンで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→7:3)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(3.3g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.15;
MS(ESI, Pos.):285(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ 2.29, 3.08, 3.88, 4.16, 6.56, 7.11-7.46。
【0455】
参考例27:2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)安息香酸
参考例26で製造した化合物(2g)のNMP(2mL)溶液に50%水酸化カリウム水溶液(4mL)を加え120℃で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルとヘキサンで洗浄し、塩酸で酸性にして酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンでスラリー洗浄することにより、以下の物性値を有する表題化合物(0.83g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.98;
MS(ESI, Pos.):271(M+H)+。
【0456】
実施例11:rel-(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸 ラセミ混合物
【0457】
【0458】
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例27で製造した化合物を用いて、参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.15;
MS(ESI, Pos.):498(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.47, 1.66-1.77, 2.11-2.22, 2.35, 2.62-2.74, 3.10, 4.17, 6.60, 7.14, 7.21-7.37, 7.43-7.54, 8.27。
【0459】
実施例11-1~11-3:
4-ヒドロキシ-2,6-ジメチル安息香酸メチルの代わりに対応するフェノール体を用い、参考例4で製造した化合物の代わりに参考例6で製造した化合物を用いて、参考例26→参考例27→参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0460】
実施例11-1:(1R,2S)-2-[3-{[2-メチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0461】
【0462】
HPLC保持時間(分):2.28(条件C);
MS(ESI, Pos.):484(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ0.95-1.02, 1.21-1.29, 1.70-1.79, 2.04-2.13, 2.40, 3.05, 4.24, 6.83-6.89, 7.20-7.27, 7.29-7.43, 7.44-7.52, 9.76。
【0463】
実施例11-2:(1R,2S)-2-[3-{[2-クロロ-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0464】
【0465】
HPLC保持時間(分):2.31(条件C);
MS(ESI, Pos.):504(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.36-1.41, 1.51-1.59, 2.07-2.15, 2.64-2.75, 3.05, 4.29, 7.02-7.07, 7.05, 7.21-7.28, 7.29-7.37, 7.42-7.52, 7.65, 10.06, 12.01。
【0466】
実施例11-3:(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-フェニルエトキシ)-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0467】
【0468】
HPLC保持時間(分):2.32(条件C);
MS(ESI, Pos.):538(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.30-1.38, 1.45-1.56, 2.02-2.13, 2.56-2.69, 3.08, 4.35, 7.20-7.41, 7.55-7.67, 10.19, 12.01。
【0469】
参考例28:メチル 2,6-ジメチル-4-[(1E)-3-フェニルプロプ-1-エン-1-イル]ベンゾアート
4-ブロモ-2,6-ジメチル安息香酸メチル(CAS番号:90841-46-6、1g)のDMF(1mL)溶液にアリルベンゼン(CAS番号:300-57-2、0.73g)、酢酸パラジウム(CAS番号:3375-31-3、46mg)、トリ-2-トリルホスフィン(CAS番号:6163-58-2、0.19g)及びDIPEA(1.6g)を加えて、窒素雰囲気下90℃で6時間、120℃で3時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3→2:3)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.1g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.27;
MS(ESI, Pos.):281(M+H)+。
【0470】
参考例29:メチル 2,6-ジメチル-4-(3-フェニルプロピル)ベンゾアート
参考例28で製造した化合物(180mg)の酢酸エチル(1mL)溶液に水酸化パラジウム(45mg)を加え、水素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌した。反応液をセライト(商品名)でろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→95:5)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(160mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ1.87-1.97, 2.29, 2.57, 2.64, 3.90, 6.85, 7.15-7.23, 7.25-7.32。
【0471】
参考例30:2,6-ジメチル-4-(3-フェニルプロピル)安息香酸
参考例29で製造した化合物(160mg)のNMP(2mL)溶液に水(2mL)及び水酸化カリウム(600mg)を加え120℃で21時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加えて酸性にして、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する表題化合物(210mg)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ1.89-1.97, 2.40, 2.59, 2.65, 6.88, 7.15-7.24, 7.26-7.33。
【0472】
参考例31:4-(アセチルオキシ)-2,6-ジメチル安息香酸
4-ヒドロキシ-2,6-ジメチル安息香酸(CAS番号:75056-97-2、3g)の酢酸エチル(18mL)懸濁液に、無水酢酸(2mL)及びピリジン(1.8mL)を加え室温で終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、希塩酸及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン及び酢酸エチルでスラリー洗浄することにより、以下の物性値を有する表題化合物(2.9g)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ 2.30, 2.45, 6.82。
【0473】
参考例32:ベンジル 4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンゾアート
参考例31で製造した化合物(50g)のDMF(175mL)溶液に炭酸カリウム(50g)及びベンジルブロミド(43g)を加え室温で3時間撹拌した。反応液にメタノール(125mL)及び炭酸カリウム(50g)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を5N塩酸及び水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンでスラリー洗浄することにより、以下の物性値を有する表題化合物(57g)を得た。
TLC:Rf 0.60(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1H-NMR(DMSO-d6):δ2.13, 3.32, 5.27, 6.44, 7.31-7.48, 9.63。
【0474】
参考例33:ベンジル 4-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾアート
参考例32で製造した化合物(1.6g)のTHF(10mL)溶液に2-(2,4-ジフルオロフェニル)エタノール(CAS番号:81228-02-6、1g)、トリフェニルホスフィン(2.5g)及びジエチルアゾジカルボキシラート(以下、DEADと略記)のトルエン溶液(2.2M,4.3mL)を加え室温で5時間撹拌した。さらにDEADのトルエン溶液(2.2M,2mL)を加え室温で30分撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→75:25)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.8g)を得た。
TLC:Rf 0.79(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)。
【0475】
参考例34:4-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチル安息香酸
参考例33で製造した化合物(1.8g)のメタノール(20mL)溶液に10%パラジウム/カーボン(0.6g)を加え、水素雰囲気下、室温で3.5時間撹拌した。反応液をセライト(商品名)でろ過し、ろ液を減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.4g)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ2.40, 3.08, 4.15, 6.57, 6.76-6.88, 7.17-7.28。
【0476】
参考例35:エチル (1R,2S)-2-{3-[2,6-ジメチル-4-(3-フェニルプロピル)ベンズアミド]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例30で製造した化合物(23mg)のトルエン(1mL)懸濁液に塩化チオニル(0.01mL)を加え80℃で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をアセトニトリル(1mL)に溶解した。反応液に参考例6で製造した化合物(20mg)を加えて室温で21時間撹拌した。反応液を濃縮し次の反応に使用した。
【0477】
実施例12:(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3-フェニルプロピル)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0478】
【0479】
参考例8で製造した化合物の代わりに参考例35で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.32;
MS(ESI, Pos.):496(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.46-1.54, 1.67-1.79, 1.89-2.00, 2.16-2.24, 2.36, 2.56-2.74, 6.90, 7.15-7.23, 7.26-7.32, 7.46-7.57, 8.17。
【0480】
実施例13:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2,4-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
参考例30で製造した化合物の代わりに参考例34で製造した化合物を用いて参考例35→実施例12と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0481】
【0482】
HPLC保持時間(分):1.27;
MS(ESI, Pos.):534(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.46-1.56, 1.75, 2.15-2.27, 2.35, 2.66-2.78, 3.09, 4.15, 6.59, 6.76-6.89, 7.16-7.32, 7.46-7.57, 8.23。
【0483】
参考例36:エチル 2-(2,3-ジクロロ-4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1-カルボキシラート
1-ブロモ-2,3-ジクロロ-4-フルオロベンゼン(CAS番号:1093092-14-8、200mg)の1,4-ジオキサン(6mL)溶液にエチル 2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロパンカルボキシラート(197mg)、2Mリン酸カリウム水溶液(1.2mL)、及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン付加物(134mg)を加え、100℃で20時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=97:3→3:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物を含む混合物(150mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.12, 1.17;
MS(ESI, Pos.):277(M+H)+。
【0484】
参考例37:エチル 2-(2,3-ジクロロ-4-フルオロ-5-ニトロフェニル)シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例36で製造した混合物(150mg)の濃硫酸(0.15mL)溶液に氷冷下、濃硫酸(0.15mL)と発煙硝酸(0.07mL)の混合物を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応液を氷に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣は精製せずそのまま次の反応に使用した。
【0485】
参考例38:エチル 2-(5-アミノ-2,3-ジクロロ-4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例11で製造した化合物の代わりに参考例37で製造した化合物を用いて参考例12と同様の操作を行うことにより、表題化合物を含む混合物を得た。
【0486】
実施例14-1~14-2:
参考例30で製造した化合物の代わりに参考例27で製造した化合物を用いて、参考例6で製造した化合物の代わりに参考例38で製造した化合物を用いて参考例35→実施例1と同様の操作を行った後、HPLCで分取精製することにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0487】
実施例14-1:rel-(1R,2S)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸 ラセミ混合物
【0488】
【0489】
HPLC保持時間(分):1.31;
MS(ESI, Pos.):516(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.53-1.60, 1.69-1.77, 2.23-2.31, 2.34, 2.57-2.66, 3.10, 4.18, 6.60, 7.20-7.37, 7.39-7.43, 8.37。
【0490】
実施例14-2:rel-(1R,2R)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボン酸 ラセミ混合物
【0491】
【0492】
HPLC保持時間(分):1.32;
MS(ESI, Pos.):516 (M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.50-1.62, 1.68-1.81, 1.85-1.94, 2.33, 2.74-2.87, 3.10, 4.18, 6.61, 7.21-7.38, 7.44, 8.25。
【0493】
参考例39:エチル (1R,2S)-2-{2-クロロ-5-[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンズアミド]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例27で製造した化合物(8mg)及び参考例7で製造した化合物(6mg)のアセトニトリル(0.5mL)溶液にDIPEA(4mg)及びオキシ塩化リン(3mg)を加え50℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→4:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(6mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.25;
MS(ESI, Pos.):560(M+H)+。
【0494】
実施例15:(1R,2S)-2-[2-クロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0495】
【0496】
参考例39で製造した化合物(6mg)のメタノール(0.3mL)溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液(0.05mL)を加え室温で17時間撹拌した。反応液に5N水酸化ナトリウム水溶液(0.05mL)を追加し3時間撹拌した。DME(0.1mL)を加え1時間撹拌した。反応液に5N水酸化ナトリウム水溶液(0.1mL)を追加して22時間撹拌した。反応液を5N塩酸で中和し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する本発明化合物を含む混合物(4mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.12;
MS(ESI, Pos.):532(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3:δ1.54-1.62, 1.67-1.76, 2.22-2.37, 2.59-2.66, 3.10, 4.16-4.20, 6.59, 7.18-7.37, 7.45, 7.59, 8.30。
【0497】
実施例16:(1R,2S)-2-(4-クロロ-3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸
【0498】
【0499】
参考例4で製造した化合物の代わりに5-ブロモ-2-クロロアニリンを用いて、参考例3で製造した化合物の代わりに参考例27で製造した化合物を用いて、参考例8→参考例14→参考例15→参考例35→実施例1と同様の操作を行うことにより、下記物性値を有する本発明化合物を得た。
MS(ESI, Pos.):464(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.21-1.27, 1.30-1.36, 1.42-1.49, 2.00-2.07, 2.28-2.32, 2.99-3.05, 4.19, 6.67, 7.06-7.10, 7.19-7.24, 7.28-7.34, 7.36-7.41, 7.49, 9.90, 11.94。
【0500】
実施例17-1~17-2:
参考例11で製造した化合物の代わりに3-ブロモ-4,5-ジクロロニトロベンゼンを用い、参考例30で製造した化合物の代わりに参考例27で製造した化合物を用い、エチル 2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロパンカルボキシラートの代わりに対応するボロン酸エステルを用いて参考例12→参考例35→参考例10→実施例1と同様の操作を行った後、HPLCで分取精製することにより、下記物性値を有する本発明化合物を得た。
【0501】
実施例17-1:rel-(1R,2S)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸 ラセミ混合物
【0502】
【0503】
HPLC保持時間(分):1.30;
MS(ESI, Pos.):498(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.44-1.69, 2.32, 2.56-2.70, 3.07-3.12, 4.13-4.19, 6.58, 7.20-7.38, 7.91。
【0504】
実施例17-2:rel-(1R,2R)-2-(2,3-ジクロロ-5-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル)シクロプロパンカルボン酸 ラセミ混合物
【0505】
【0506】
HPLC保持時間(分):1.32;
MS(ESI, Pos.):498(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.39-1.49, 1.67-1.73, 1.81-1.88, 2.32, 2.73-2.90, 3.10, 4.17, 6.59, 7.19-7.42, 7.72。
【0507】
参考例40:N-[5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンズアミド
参考例27で製造した化合物(1g)及び5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)アニリン(1.1g)のアセトニトリル溶液(10mL)にDIPEA(0.72g)及びオキシ塩化リン(0.62g)を加え50℃で12時間撹拌した。反応液にオキシ塩化リン(0.12g)追加し6時間撹拌した。反応液を室温に戻し1N水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加え10分撹拌した。析出した沈殿をろ取し、ヘキサンで洗浄することにより、下記物性値を有する表題化合物(1.5g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.26;
MS(ESI, Pos.):492(M+H)+。
【0508】
参考例41:N-[5-(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンズアミド
参考例40で製造した化合物(500mg)のDME(5mL)溶液にビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロン(459mg)および酢酸カリウム(300mg)を加え脱気し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン付加物(83mg)を加えて88℃で1.5時間撹拌した。反応液をMTBEで希釈し、セライト(商品名)でろ過した。ろ液を水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→1:4)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(508mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.03。
【0509】
参考例42:エチル (1R,2S)-2-{3-[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンズアミド]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例41で製造した化合物(488mg)の1,4-ジオキサン(5.4mL)溶液にエチル (1S,2S)-2-ヨードシクロプロパンカルボキシラート(185mg)及び2M炭酸セシウム水溶液(1.2mL)を加えて脱気し、XPhos Pd G2(122mg)を加え100℃で1.5時間撹拌した。反応液をMTBEで希釈し、水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→0:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(316mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.20;
MS(ESI, Pos.):526(M+H)+。
【0510】
実施例18:(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0511】
【0512】
参考例42で製造した化合物(500mg)のTHF(1.5mL)及びメタノール(1.5mL)溶液に氷冷下で5N水酸化ナトリウム水溶液(1.5mL)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液に水を加えヘキサンで洗浄した。水層に5N塩酸を加え中和しMTBEで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→1:1)で精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(395mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.06;
MS(ESI, Pos.):498(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.39-1.51, 1.64-1.75, 2.09-2.21, 2.34, 2.62-2.73, 3.10, 4.15-4.21, 6.59, 7.11-7.18, 7.22-7.37, 7.45-7.53, 8.24。
【0513】
実施例19:(1S,2R)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0514】
【0515】
エチル (1S,2S)-2-ヨードシクロプロパンカルボキシラートの代わりに対応するヨウ素化合物を用いて参考例42→実施例18と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.08;
MS(ESI, Pos.):498(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.43-1.53, 1.68-1.77, 2.10-2.21, 2.34, 2.63-2.76, 3.10, 4.17, 6.59, 7.17, 7.22-7.36, 7.47-7.58, 8.22。
【0516】
参考例43:エチル (1R,2S)-2-{3-[4-(アセチルオキシ)-2,6-ジメチルベンズアミド]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例31で製造した化合物(914mg)のトルエン(5mL)懸濁液に塩化チオニル(0.4mL)及びDMF(42mg)を加え75℃で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に参考例6で製造した化合物(1g)のアセトニトリル溶液を加えて55℃で2時間撹拌した。反応液をヘキサン及びMTBEで希釈し1N水酸化ナトリウム水溶液、5N塩酸及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.4g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.03;
MS(ESI, Pos.):464(M+H)+。
【0517】
参考例44:エチル (1R,2S)-2-[3-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンズアミド)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例43で製造した化合物(1.4g)のエタノール(40mL)溶液に炭酸カリウム(1.3g)を加え室温で22時間撹拌した。反応液をセライト(商品名)でろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.1g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.94;
MS(ESI, Pos.):422(M+H)+。
【0518】
実施例20:(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0519】
【0520】
参考例44で製造した化合物(20mg)のトルエン(0.5mL)溶液に2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エタノール(CAS番号:176661-75-9、12mg)及びCMBP(17mg)を加えて、80℃で2時間撹拌した。反応液にCMBP(17mg)を追加し1.5時間撹拌した。反応液を濃縮し得られた残渣をメタノール(0.3mL)に溶解し5N水酸化ナトリウム水溶液(0.05mL)を加え50℃で14時間撹拌した。反応液を5N塩酸で中和し、HPLCを用いて精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(4mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.05;
MS(ESI, Pos.):502(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.45-1.53, 1.71-1.78, 2.15-2.23, 2.36, 2.64-2.76, 2.93, 3.87, 4.04-4.11, 6.61, 7.18, 7.27, 7.40, 7.48, 7.53, 8.29。
【0521】
実施例20-1~20-23:
2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エタノールの代わりに対応するアルコール体を用いて、実施例20と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0522】
実施例20-1:(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0523】
【0524】
HPLC保持時間(分):1.24;
MS(ESI, Pos.):462(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.09-0.17, 0.47-0.53, 0.77-0.91, 1.44-1.55, 1.65-1.78, 2.20, 2.36, 2.63-2.75, 4.04, 6.62, 7.20, 7.46-7.58, 8.18。
【0525】
実施例20-2:(1R,2S)-2-{3-[(2,6-ジメチル-4-プロポキシベンゾイル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.19;
MS(ESI, Pos.):436(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.04, 1.45-1.53, 1.66-1.87, 2.11-2.26, 2.35, 2.62-2.74, 3.93, 6.60, 7.20, 7.44-7.58, 8.17。
【0526】
実施例20-3:(1R,2S)-2-[3-{[4-(ヘキシルオキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.14;
MS(ESI, Pos.):478(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.86-0.98, 1.04-1.16, 1.03-1.55, 1.72-1.83, 1.84-1.95, 2.19-2.31, 3.95, 6.53, 7.07-7.14, 7.31-7.39, 7.46-7.57, 7.67-7.76。
【0527】
実施例20-4:(1R,2S)-2-[3-{[4-(ベンジルオキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.22;
MS(ESI, Pos.):484(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.43-1.55, 1.73, 2.14-2.27, 2.36, 2.65-2.76, 5.07, 6.69, 7.20, 7.31-7.46, 7.49-7.59, 8.17。
【0528】
実施例20-5:(1R,2S)-2-[3-{[4-(2-メトキシエトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.07;
MS(ESI, Pos.):452(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.35-1.43, 1.49-1.59, 2.05-2.15, 2.30, 2.63-2.79, 3.30, 3.60-3.68, 4.08, 6.67, 7.27-7.34, 7.44, 7.58-7.68, 9.95, 12.03。
【0529】
実施例20-6:(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.21;
MS(ESI, Pos.):506(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.22-1.76, 1.80-1.96, 2.15-2.24, 2.35, 2.63-2.77, 3.35-3.60, 3.91-4.18, 6.62, 7.19, 7.46-7.57, 8.19。
【0530】
実施例20-7:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-フリル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.20;
MS(ESI, Pos.):488(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.45-1.55, 1.69-1.76, 2.16-2.23, 2.35, 2.62-2.77, 3.13, 4.22, 6.15, 6.32, 6.61, 7.20, 7.29-7.40, 7.44-7.59, 8.18。
【0531】
実施例20-8:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-クロロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.30;
MS(ESI, Pos.):532(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.43-1.53, 1.67-1.78, 2.18, 2.34, 2.61-2.74, 3.24, 4.20, 6.61, 7.14-7.26, 7.32-7.42, 7.44-7.50, 7.50-7.56, 8.22。
【0532】
実施例20-9:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3-クロロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.30;
MS(ESI, Pos.):532(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.44-1.55, 1.67-1.77, 2.16-2.24, 2.35, 2.65-2.74, 3.07, 4.17, 6.59, 7.14-7.31, 7.45-7.55, 8.20。
【0533】
実施例20-10:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(1H-イミダゾール-1-イル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):0.84;
MS(ESI, Pos.):488(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.46-1.55, 1.69-1.78, 2.17-2.27, 2.33, 2.65-2.74, 4.28-4.34, 4.52-4.59, 6.55, 7.19-7.30, 7.37, 7.48, 7.53-7.57, 8.18, 8.96。
【0534】
実施例20-11:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2,6-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.26;
MS(ESI, Pos.):534(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.45-1.56, 1.67-1.79, 2.15-2.26, 2.34, 2.65-2.76, 3.18, 4.16, 6.60, 6.83-6.94, 7.14-7.25, 7.45-7.57, 8.19。
【0535】
実施例20-12:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.27;
MS(ESI, Pos.):534(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.57-1.58, 1.70-1.79, 2.15-2.28, 2.36, 2.68-2.78, 3.07, 4.17, 6.60, 6.65-6.73, 6.78-6.88, 7.17-7.23, 7.50, 7.55, 8.23。
【0536】
実施例20-13:(1R,2S)-2-[3-{[4-(1H-インダゾール-5-イルメトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.09;
MS(ESI, Pos.):524(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.35-1.47, 1.51-1.60, 2.32, 2.65-2.74, 5.21, 6.79, 7.31-7.36, 7.40-7.48, 7.54-7.60, 7.65,7.84, 8.09, 9.95, 12.62-13.37。
【0537】
実施例20-14:(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレニルメトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.33;
MS(ESI, Pos.):538(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.34-1.46, 1.49-1.58, 1.62-2.02, 2.04-2.20, 2.28-2.35, 2.65-2.80, 3.16-3.28, 3.99-4.10, 4.15-4.22, 6.73, 7.07-7.19, 7.29-7.37, 7.46, 7.61-7.70, 9.94, 12.1。
【0538】
実施例20-15:(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(3-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):0.89;
MS(ESI, Pos.)499:(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.35-1.46, 1.50-1.58, 2.04-2.20, 2.31, 2.62-2.77, 3.21, 4.29, 6.68, 7.31-7.39, 7.45, 7.66, 7.81, 8.27-8.30, 8.70, 8.80 9.93, 11.48-12.44。
【0539】
実施例20-16:(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(4-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):0.88;
MS(ESI, Pos.):499(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.38-1.43, 1.50-1.59, 2.07-2.18, 2.31, 2.66-2.75, 3.16-3.19, 4.31, 6.68, 7.34 ,7.45, 7.60, 7.66, 8.63, 9.94, 11.70-12.35。
【0540】
実施例20-17:(1R,2S)-2-[3-({2,6-ジメチル-4-[2-(2-ピリジニル)エトキシ]ベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):0.90;
MS(ESI, Pos.):499(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.34-1.44, 1.49-1.59, 2.05-2.17, 2.31, 2.66-2.79, 3.36, 4.40, 6.67, 7.30-7.38, 7.45, 7.66, 7.73-7.85, 8.09-8.36, 8.73, 9.93, 12.03。
【0541】
実施例20-18:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-クロロ-1H-イミダゾール-1-イル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.05;
MS(ESI, Pos.):522(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.33-1.47, 1.50-1.59, 2.05-2.18, 2.31, 2.67-2.75, 4.25-4.31, 4.33-4.39, 6.66, 6.91-6.96, 7.30-7.37, 7.38-7.41, 7.44-7.48, 7.65, 9.95。
【0542】
実施例20-19:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(2-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.25;
MS(ESI, Pos.):516(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.33-1.45, 1.48-1.59, 2.10-2.16, 2.31, 2.63-2.77, 3.08, 4.21, 6.68, 7.12-7.23, 7.25-7.38, 7.39-7.49, 7.65, 9.95, 12.10。
【0543】
実施例20-20:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(3-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.24;
MS(ESI, Pos.):516(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.34-1.46, 1.48-1.60, 2.05-2.19, 2.31, 2.64-2.78, 3.07, 4.22, 6.69, 7.02-7.10, 7.15-7.24, 7.30-7.40, 7.45, 7.65, 9.95, 12.10。
【0544】
実施例20-21:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(4-フルオロフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.23;
MS(ESI, Pos.):516(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.38-1.45, 1.50-1.61, 2.08-2.17, 2.31, 2.64-2.73, 3.03, 4.19, 6.68, 7.11-7.19, 7.29-7.42, 7.45, 7.65, 9.94, 12.06。
【0545】
実施例20-22:(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.17;
MS(ESI, Pos.):490(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.38-1.46, 1.50-1.58, 2.07-2.17, 2.33, 2.68-2.74, 2.74-2.85, 4.22, 6.72, 7.34, 7.46, 7.66, 9.98, 12.02。
【0546】
実施例20-23:(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
HPLC保持時間(分):1.20;
MS(ESI, Pos.):504(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.21, 1.36-1.48, 1.50-1.62, 2.07-2.18, 2.33, 2.64-2.74, 2.82-3.02, 4.03-4.19, 6.72, 7.30-7.37, 7.46, 7.66, 9.97, 11.99。
【0547】
参考例45:エチル (1R,2S)-2-[3-{4-[(6-クロロピラジン-2-イル)オキシ]-2,6-ジメチルベンズアミド}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例44で製造した化合物(50mg)のDMF(1mL)溶液に2,6-ジクロロピラジン(CAS番号:4774-14-5、21mg)及び炭酸カリウム(25mg)を加え50℃で2時間撹拌した。反応液をMTBEで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣は精製せず次反応に用いた。
実施例21:(1R,2S)-2-[3-({4-[(6-クロロ-2-ピラジニル)オキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0548】
【0549】
参考例45で製造した粗生成物の1,4-ジオキサン(0.2mL)溶液に、水(0.2mL)及び濃硫酸(0.05mL)を加え100℃で15時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をHPLCで精製することによって、以下の物性値を有する本発明化合物(30mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.16;
MS(ESI, Pos.):506(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.46-1.55, 1.70-1.77, 2.16-2.24, 2.41, 2.66-2.76, 6.89, 7.21, 7.53-7.59, 8.20, 8.31, 8.32。
【0550】
実施例21-1~21-2:
2,6-ジクロロピラジンの代わりに対応するクロル体を用いて、参考例45→実施例21と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0551】
実施例21-1:(1R,2S)-2-{3-[(2,6-ジメチル-4-{[6-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ}ベンゾイル)アミノ]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパンカルボン酸
【0552】
【0553】
HPLC保持時間(分):1.21;
MS(ESI, Pos.):539(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.37-1.47, 1.52-1.61, 2.09-2.19, 2.37, 2.66-2.80, 6.98, 7.27-7.43, 7.48, 7.68, 8.02-8.27, 10.22, 12.05。
【0554】
実施例21-2:(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イルオキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0555】
【0556】
HPLC保持時間(分):1.06;
MS(ESI, Pos.):511(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.39-1.46, 1.52-1.59, 2.10-2.17, 2.39, 2.69-2.81, 6.38, 6.83, 7.03, 7.36, 7.49, 7.68, 8.08, 9.08, 10.27, 12.16。
【0557】
参考例46:エチル (1R,2S)-2-[3-{2,6-ジメチル-4-[(トリフルオロメタンスルホニル)オキシ]ベンズアミド}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例44で製造した化合物(100mg)のTHF(3mL)溶液に1,1,1-トリフルオロ-N-(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(CAS番号:37595-74-7、127mg)及びトリエチルアミン(72mg)を加え、室温で88時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=97:3→1:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(120mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.14;
MS(ESI, Pos.):554(M+H)+。
【0558】
参考例47:エチル (1R,2S)-2-{3-[4-(6-フルオロピリジン-3-イル)-2,6-ジメチルベンズアミド]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパン-1-カルボキシラート
参考例46で製造した化合物(30mg)の1,4-ジオキサン溶液(3mL)に2-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(CAS番号:444120-95-0、127mg)、2M炭酸セシウム水溶液(0.08mL)及びXPhos Pd G2(8mg)を加え100℃で2.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.07;
MS(ESI, Pos.):501(M+H)+。
【0559】
実施例22:(1R,2S)-2-[3-{[4-(6-フルオロ-3-ピリジニル)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0560】
【0561】
参考例47で製造した化合物のメタノール(1mL)溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液(0.3mL)を加え50℃で17時間撹拌した。反応液を5N塩酸で中和し酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮し、HPLCで精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(12mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.13;
MS(ESI, Pos.):473(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.46-1.58, 1.71-1.80, 2.16-2.28, 2.47, 2.66-2.78, 7.01-7.09, 7.18-7.27, 7.52-7.61, 7.94-8.03, 8.21, 8.43。
【0562】
参考例48:2-{4-[(4-メトキシベンジル)オキシ]フェニル}エタノール
4-(2-ヒドロキシエチル)フェノール(CAS番号:501-94-0、2g)のDMF(10mL)溶液に炭酸カリウム(3g)及び4-メトキシベンジルクロリド(CAS番号:824-94-2、2.5g)を加え50℃で14時間撹拌した。反応液に水を加え、析出した沈殿をろ取した。得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する表題化合物(3.4g)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ2.81, 3.75-3.90, 4.97, 6.85-6.98, 7.11-7.19, 7.33-7.38。
【0563】
参考例49:(1R,2S)-2-{3-[4-(2-{4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]フェニル}エトキシ)-2,6-ジメチルベンズアミド]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}シクロプロパン-1-カルボン酸
参考例44で製造した化合物(20mg)のトルエン(0.5mL)溶液に参考例48で製造した化合物(25mg)及びCMBP(17mg)を加え80℃で27時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にメタノール(0.3mL)、THF(0.3mL)及び5N水酸化ナトリウム水溶液(0.05mL)を加え、50℃で2時間撹拌し、さらに室温で21時間撹拌した。反応液を5N塩酸で中和し酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣は精製することなく次反応に使用した。
【0564】
実施例23:(1R,2S)-2-[3-({4-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エトキシ]-2,6-ジメチルベンゾイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0565】
【0566】
参考例49で得られた粗生成物の酢酸(1mL)溶液を、マイクロウェーブ反応装置を用いて150℃で15分加熱撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア社製、クロマトレックスDIOL60、ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)で精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(18mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.13;
MS(ESI, Pos.):514(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.43-1.51, 1.64-1.75, 2.17, 2.34, 2.63-2.72, 3.02, 4.13, 6.59, 6.75-6.82, 7.08-7.20, 7.45-7.49, 7.50-7.55, 8.16-8.24。
【0567】
参考例50:エチル (2E)-3-{3-[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンズアミド]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}プロプ-2-エノアート
参考例40で製造した化合物(30mg)の1,4-ジオキサン溶液(1mL)にアクリル酸エチル(18mg)、DIPEA(24mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(CAS番号:14221-01-3、14mg)を加えて100℃で終夜撹拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→0:1)で精製し、得られた表題化合物を次反応に使用した。
【0568】
参考例51:(2E)-3-{3-[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンズアミド]-4-(トリフルオロメチル)フェニル}プロプ-2-エン酸
参考例50で製造した化合物のTHF/メタノール(1mL)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え室温で2時間撹拌した。反応液を2N塩酸で中和し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣は精製せずそのまま次反応に使用した。
【0569】
実施例24:3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸
【0570】
【0571】
参考例51で得られた残渣のTHF(1mL)溶液に水酸化パラジウム(3mg)を加え、水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応液をセライト(商品名)でろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をHPLCで精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(0.62mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.20;
MS(ESI, Pos.):486(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ2.30, 2.56-2.62, 2.92, 3.02, 4.19, 6.66, 7.19-7.25, 7.28-7.34, 7.34-7.37, 7.41, 7.67, 9.92, 12.11-12.32。
【0572】
実施例24-1~24-2:
アクリル酸エチルの代わりに、クロトン酸エチルまたはメタクリル酸エチルを用いて、参考例50→参考例51→実施例24と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0573】
実施例24-1:3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ブタン酸
【0574】
【0575】
HPLC保持時間(分):1.23;
MS(ESI, Pos.):500(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.24, 2.30, 2.55-2.63, 2.96-3.05, 3.20-3.29, 4.19, 6.66, 7.17-7.25, 7.28-7.35, 7.38-7.43, 7.66-7.69, 9.91, 12.06-12.24。
【0576】
実施例24-2:3-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸
【0577】
【0578】
HPLC保持時間(分):1.23;
MS(ESI, Pos.):500(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.08, 2.29, 2.64-2.78, 2.94-3.04, 4.15-4.23, 6.66, 7.18-7.25, 7.27-7.36, 7.39, 7.67, 9.92, 12.25。
【0579】
参考例52:N-[5-ヨード-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンズアミド
参考例31で製造した化合物の代わりに参考例27で製造した化合物を用い、参考例6で製造した化合物の代わりに5-ヨード-2-(トリフルオロメチル)アニリン(CAS番号:1544-89-4)を用いて、参考例43と同様の操作を行うことにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.45g)を得た。
HPLC保持時間(分):1.25;
MS(ESI, Pos.):540(M+H)+。
【0580】
参考例53:2-メチル-2-プロパニル[1-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-3-フェニル-2-プロパニル]カルバマート
2-({[(2-メチル-2-プロパニル)オキシ]カルボニル}アミノ)-3-フェニルプロパン酸(CAS番号:13734-34-4、6.6g)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(CAS番号:2592-95-2、3.4g)及びジメチルアミン塩酸塩(CAS番号:506-59-2、4.5g)のジクロロメタン(200mL)溶液に氷冷下1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(CAS番号:25952-53-8、5.7g)及びDIPEA(10mL)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液を10%クエン酸水溶液及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣は精製せず次反応に用いた。
【0581】
参考例54:2-アミノ-N,N-ジメチル-3-フェニルプロパンアミド 塩酸塩
参考例53で製造した粗生成物を4N 塩酸の酢酸エチル溶液(25mL)に溶解し、室温で5分撹拌した。4N 塩酸の酢酸エチル溶液(10mL)を追加し室温で3時間撹拌した。析出物をろ取することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.45g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.49;
1H-NMR(DMSO-d6):δ2.63, 2.79, 2.88-3.00, 3.00-3.10, 4.50-4.61, 7.14-7.24, 7.27-7.42, 8.24。
【0582】
参考例55:(2S)-N1,N1-ジメチル-3-フェニル-1,2-プロパンジアミン
水素化リチウムアルミニウム(0.94g)のTHF(20mL)懸濁液に、氷冷下、参考例54で製造した化合物(3g)のTHF(30mL)懸濁液を滴下し、50℃で2時間撹拌した。反応液を氷冷し、精製水(1mL)、4N 水酸化ナトリウム水溶液(1mL)及び精製水(3mL)を加え室温で30分撹拌した。反応液に無水硫酸マグネシウムを加え室温で15分撹拌し、セライト(商品名)でろ過し、減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する表題化合物(2.2g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.34;
MS(ESI, Pos.):179(M+H)+;
参考例56:N-[(2S)-1-(ジメチルアミノ)-3-フェニル-2-プロパニル]アセトアミド
参考例55で製造した化合物(2.1g)のジクロロメタン(20mL)に、氷冷下、塩化アセチル(1mL)を加え、室温で5分撹拌し、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をMTBEに溶解し、5N 水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンでスラリー洗浄することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.5g)を得た。
HPLC保持時間(分):0.50;
MS(ESI, Pos.):221(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.97, 2.12-2.23, 2.26-2.36, 2.72-2.90, 2.93-3.04, 4.08-4.27, 5.50-5.65, 7.11-7.40。
【0583】
実施例25:(1R,2S)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロブタンカルボン酸
【0584】
【0585】
参考例52で製造した化合物(50mg)の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(CAS番号:29463-77-2、0.5mL)溶液にシクロブタンカルボン酸(CAS番号:3721-95-7、19mg)、炭酸銀(25mg)、炭酸ナトリウム(15mg)、参考例56で製造した化合物(4mg)及び酢酸パラジウム(25mg)を加えて85℃で20時間撹拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=97:3→0:1)で精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(10mg)を得た。
HPLC保持時間(分):1.12;
MS(ESI, Pos.):512(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ2.22-2.48, 2.58-2.74, 3.10, 3.58-3.70, 4.03-4.24, 6.60, 7.18, 7.23-7.39, 7.47, 7.57, 8.14。
【0586】
実施例26:(1R,2R)-2-[3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-メチルシクロプロパンカルボン酸
【0587】
【0588】
シクロブタンカルボン酸の代わりに、1-メチルシクロプロパン-1-カルボン酸(CAS番号:6914-76-7)を用いて実施例25と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):1.30;
MS(ESI, Pos.):512(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ1.23-1.30, 1.52, 1.92-2.00, 2.35, 2.41-2.49, 3.10, 4.18, 6.60, 7.12-7.20, 7.20-7.37, 7.44-7.54, 8.13。
【0589】
実施例27:rel-(1R,2S)-2-(3-{[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-メチルフェニル)シクロプロパンカルボン酸 ラセミ混合物
【0590】
【0591】
5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)アニリンの代わりに、5-ブロモ-2-メチルアニリン(CAS番号:39478-78-9)を用いて参考例40→参考例4→実施例1と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):2.19(条件B);
MS(ESI, Pos.):444(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.20-1.45, 1.75-2.02, 2.21, 2.31, 3.03, 4.20, 6.68, 6.94-6.99, 7.05-7.11, 7.20-7.37, 9.65。
【0592】
参考例57:メチル 4-(ベンジルオキシ)-2-ブロモベンゾアート
2-ブロモ-4-ヒドロキシ安息香酸メチル(CAS番号:101085-03-4、4.0g)のDMF溶液(20mL)に、炭酸カリウム(4.78g)、ベンジルブロミド(2.1mL)を加えて70℃で3時間撹拌した。反応液を水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣は精製することなく次反応に使用した。
HPLC保持時間(分):2.38;(条件E)
MS(ESI, Pos.):321(M+H)+。
【0593】
参考例58:メチル 4-(ベンジルオキシ)-2-イソプロぺニルベンゾアート
参考例57で製造した化合物のエタノール(15mL)、水(3.6mL)溶液を脱気し、2-イソプロペニル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボラン(CAS番号:126726-62-3、2.64g)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:128-37-0、0.58g)、酢酸パラジウム(0.44g)、トリシクロヘキシルホスフィン(CAS番号:2622-14-2、0.37g)、リン酸カリウム(8.32g)を加えて90℃で16時間撹拌した。反応液を水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、以下の物性値を有する表題化合物(3g)を得た。
HPLC保持時間(分):2.46;(条件E)
MS(ESI, Pos.):283(M+H)+。
【0594】
参考例59:メチル 4-(ベンジルオキシ)-2-イソプロピルベンゾアート
参考例58で製造した化合物のメタノール(2.4mL)溶液に酸化白金(CAS番号:1314-15-4、10mg)を加え、水素雰囲気下室温で16時間撹拌した。反応液をセライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣は精製することなく次反応に使用した。
HPLC保持時間(分):2.56;(条件E)
MS(ESI, Pos.):285(M+H)+。
【0595】
参考例60:4-(ベンジルオキシ)-2-イソプロピル安息香酸
参考例59で製造した化合物のメタノール(0.5mL)、THF(0.5mL)、水(0.5mL)溶液に水酸化リチウム 水和物(CAS番号:1310-66-3、88mg)を加え、60℃で16時間撹拌した。反応液を濃縮し塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣は精製することなく次反応に使用した。
HPLC保持時間(分):2.20;(条件E)
MS(ESI, Pos.):271(M+H)+。
【0596】
実施例28:(1R,2S)-2-[3-{[4-(ベンジルオキシ)-2-イソプロピルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0597】
【0598】
実施例3で製造した化合物の代わりに参考例60で製造した化合物を用い、参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):2.36(条件C);
MS(ESI, Pos.):498(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.20, 1.31-1.40, 1.51-1.59, 2.03-2.12, 2.62-2.71, 3.33-3.45, 5.17, 6.93-6.96, 7.01, 7.30-7.51, 7.63, 9.91, 12.02。
【0599】
実施例28-1~28-2
ベンジルブロミドの代わりに対応するブロモ化合物を用いて参考例57→参考例58→参考例59→参考例60→参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0600】
実施例28-1:(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0601】
【0602】
HPLC保持時間(分):2.42(条件C);
MS(ESI, Pos.):512(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.20, 1.30-1.38, 1.49-1.56, 2.01-2.13, 2.55-2.66, 3.06, 3.33-3.45, 4.25, 6.83-6.94, 7.20-7.27, 7.29-7.45, 7.62, 9.89。
【0603】
実施例28-2:(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-4-(3-フェニルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0604】
【0605】
HPLC保持時間(分):2.52(条件C);
MS(ESI, Pos.):526(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.19, 1.32-1.41, 1.51-1.59, 1.99-2.14, 2.60-2.72, 2.77, 3.34-3.49, 4.04, 6-83-6.89, 6.93, 7.16-7.46, 7.64, 9.91, 11.83。
【0606】
実施例29-1~29-3
2-ブロモ-4-ヒドロキシ安息香酸メチルの代わりに2-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(CAS番号:1260783-82-1)を用い、ベンジルブロミドまたはベンジルブロミドの代わりに対応するブロモ化合物を用いて参考例57→参考例58→参考例59→参考例60→参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0607】
実施例29-1:(1R,2S)-2-[3-{[3-(ベンジルオキシ)-2-イソプロピルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0608】
【0609】
HPLC保持時間(分):4.96(条件D);
MS(ESI, Pos.):498(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.17-1.55, 1.91-2.04, 2.40-2.59, 3.11-3.25, 5.18, 6.97, 7.15, 7.21-7.53, 7.59, 10.02。
【0610】
実施例29-2:(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-3-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0611】
【0612】
HPLC保持時間(分):2.42(条件C);
MS(ESI, Pos.):512(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.21, 1.25-1.34, 1.45-1.53, 2.00-2.09, 2.51-2.62, 3.07-3.27, 4.26, 6.93, 7.08, 7.19-7.43, 7.60, 8.47, 9.97。
【0613】
実施例29-3:(1R,2S)-2-[3-{[2-イソプロピル-3-(3-フェニルプロポキシ)ベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0614】
【0615】
HPLC保持時間(分):2.52(条件C);
MS(ESI, Pos.):526(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.33-1.42, 1.51-1.62, 2.03-2.15, 2.61-2.87, 3.22-3.30, 4.00, 6.95, 7.03, 7.18-7.36, 7.44, 7.64, 10.02, 11.73。
【0616】
参考例61:4-ブロモ-2,3,6-トリメチルフェノール
2,3,6-トリメチルフェノール(CAS番号:2416-94-6、4.0g)のジクロロメタン(60mL)溶液に、臭素(1.6mL)のジクロロメタン(30mL)溶液を加えて室温で5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、チオ硫酸ナトリウム溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することで、以下の物性値を有する表題化合物(5.9g)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ2.19, 2.21, 2.34, 4.56, 7.18。
【0617】
参考例62:1-ブロモ-2,3,5-トリメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゼン
参考例61で製造した化合物(2.0g)のTHF(20mL)溶液に2-フェニルエタノール(1.36g)、トリフェニルホスフィン(4.87g)を加えた。その後、DEAD(3.23g、40%トルエン溶液)を滴下し、室温で16時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=9:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(1.5g)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ2.11, 2.14, 2.30, 3.09, 3.89, 7.20-7.22, 7.27-7.32。
【0618】
参考例63:2,3,5-トリメチル-4-(2-フェニルエトキシ)安息香酸
参考例62で製造した化合物(0.3g)のTHF(6mL)溶液に、-78℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.5mol/L、0.46mL)を加え、-78℃で15分間撹拌した。反応液に-78℃で二酸化炭素ガスを5分間通気し、-78℃で20分間撹拌した。 反応液に塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣は精製することなく次反応に使用した。
HPLC保持時間(分):2.59(条件F);
MS(ESI, Pos.):285(M+H)+。
【0619】
実施例30:(1R,2S)-2-[4-(トリフルオロメチル)-3-{[2,3,5-トリメチル-4-(2-フェニルエトキシ)ベンゾイル]アミノ}フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0620】
【0621】
参考例3で製造した化合物の代わりに、参考例66で製造した化合物を用いて参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):2.42(条件C);
MS(ESI, Pos.):512(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.31-1.36, 1.50-1.56, 2.04-2.13, 2.23, 2.55-2.66, 3.07, 3.93, 7.12, 7.22-7.26, 7.30-7.39, 7.42, 7.62, 9.90。
【0622】
参考例64:(1)メチル 3-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート、および(2)メチル 5-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート
メチル 3-イソプロピル-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート(CAS番号:1186537-97-2、0.4g)のDMF(5mL)溶液に炭酸カリウム(0.985g)、1-ブロモ-3-フェニルプロパン(1.42g)を加え、60℃で16時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=88:12)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(0.41g、混合物)を得た。
MS(ESI, Pos.):287(M+H)+。
【0623】
実施例31-1~31-2
参考例26で製造した化合物の代わりに参考例64で製造した化合物を用いて参考例27→実施例11と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0624】
実施例31-1:(1R,2S)-2-[3-({[3-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0625】
【0626】
HPLC保持時間(分):2.26(条件C);
MS(ESI, Pos.):500(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.15-1.21, 1.31-1.42, 1.50-1.58, 2.04-2.13, 2.55-2.73, 3.44-3.53, 4.09, 7.16-7.41, 7.62, 8.26, 9.37, 12.00。
【0627】
実施例31-2:(1R,2S)-2-[3-({[5-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0628】
【0629】
HPLC保持時間(分):2.25(条件C);
MS(ESI, Pos.):500(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.16-1.32, 1.38-1.48, 1.90-2.09, 2.38-2.51, 2.59-2.68, 4.15, 7.15-7.25, 7.26-7.37, 7.56, 7.95, 9.53。
【0630】
参考例65:エチル (1R,2S)-2-[3-({[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)フェニル]カルボノチオイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキシラート
参考例42で製造した化合物(50mg)のベンゼン(CAS番号:71-43-2,2mL)溶液に5硫化リン(CAS番号:1314-80-3,42mg)を0℃で加え、60℃で16時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣は精製することなく次反応に使用した。
HPLC保持時間(分):2.93(条件F);
MS(ESI, Pos.):542(M+H)+;
実施例32:(1R,2S)-2-[3-({[2,6-ジメチル-4-(2-フェニルエトキシ)フェニル]カルボノチオイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0631】
【0632】
参考例42で製造した化合物の代わりに参考例65で製造した化合物を用いて実施例18と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):2.39(条件F);
MS(ESI, Pos.):514(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.21-1.34, 1.66-1.82, 2.28, 2.32-2.61, 3.01, 4.13, 6.45, 6.81-6.92, 7.05-7.14, 7.19-7.27, 7.29-7.36。
【0633】
実施例33:(1R,2S)-2-[3-({[4-(2-シクロプロピルエトキシ)-2,6-ジメチルフェニル]カルボノチオイル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0634】
【0635】
参考例42で製造した化合物の代わりに実施例20-1の中間体であるエチル (1R,2S)-2-[3-{[4-(2-シクロプロピルエトキシ)-2,6-ジメチルベンゾイル]アミノ}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキシラートを用いて参考例65→実施例18と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
HPLC保持時間(分):2.36(条件F);
MS(ESI, Pos.):478(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ0.10-0.15, 0.41-0.47, 0.78-0.89, 1.37-1.44, 1.51-1.56, 1.59-1.66, 2.10-2.15, 2.34, 2.35, 2.67-2.75, 4.03, 6.68, 7.38-7.44, 7.68-7.73, 11.73, 12.02。
【0636】
参考例66:エチル 2-sec-ブチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート
エチル 4-メチル-3-オキソヘキサノアート(CAS番号:98192-72-4,1.0g)および2-クロロアセトアルデヒド水溶液(CAS番号:107-20-0,50wt%、0.815mL)の混合液にアンモニア水(28%NH3水溶液、3.2mL)および水(3.2mL)を加え、70℃で20時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水および酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(300mg)を得た。
LC-MS m/z 196(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.91, 1.28, 1.37, 1.58-1.70, 3.65-3.73, 4.24-4.33, 6.58-6.61, 6.61-6.63, 8.19。
【0637】
参考例67:エチル 2-sec-ブチル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-カルボキシラート
参考例66で製造した化合物(110mg)および(3-ブロモプロピル)ベンゼン(123mg)のDMF(1mL)溶液に炭酸セシウム(0.184g)を加え、80℃で20時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(98mg)を得た。
LC-MS m/z 314(M+H)+;
1H-NMR(CDCl3):δ0.82, 1.32-1.40, 1.74, 1.88, 2.00-2.12, 2.68, 3.23, 3.84-3.97, 4.25, 6.46, 6.59, 7.16-7.21, 7.21-7.27, 7.31-7.36。
【0638】
参考例68: 2-sec-ブチル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-カルボン酸
参考例67で製造した化合物(126mg)のTHF/メタノール(1:1、1mL)溶液に10N NaOH水溶液(0.1mL)を加え、80℃で20時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、酢酸(0.2mL)を加えた。続いてジクロロメタン(5mL)および水(5mL)を加えた。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、以下の物性値を有する表題化合物(90mg)を得た。
LC-MS m/z 286(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ0.71, 1.25, 1.63, 1.80, 1.89-2.06, 2.61, 3.20-3.39, 3.93, 6.37, 6.66, 7.18-7.26, 7.31。
【0639】
実施例34:(1R,2S)-2-[3-({[2-sec-ブチル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0640】
【0641】
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例68で製造した化合物を用いて参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
LC-MS m/z 513(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ0.72, 1.16-1.31, 1.38, 1.47-1.58, 1.58-1.69, 1.78, 1.88-2.03, 2.03-2.20, 2.59-2.75, 3.32, 3.94, 6.54, 6.73, 7.19-7.28, 7.28-7.34, 7.50, 7.60, 8.94。
【0642】
実施例34-1~34-2
エチル 4-メチル-3-オキソヘキサノアートの代わりに対応する化合物を用いて参考例66→参考例67→参考例68→参考例8→実施例1と同様の操作を行うことにより以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
【0643】
実施例34-1:(1R,2S)-2-[3-({[2-イソプロピル-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0644】
【0645】
LC-MS m/z 499(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.27, 1.38, 1.51-1.56, 1.97, 2.07-2.13, 2.58-2.71, 3.35-3.59, 3.95, 6.52, 6.70, 7.18-7.28, 7.28-7.34, 7.51, 7.60, 8.95。
【0646】
実施例34-2:(1R,2S)-2-[3-({[2-(2-メチル-2-プロパニル)-1-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-3-イル]カルボニル}アミノ)-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
【0647】
【0648】
LC-MS m/z 513(M+H)+;
1H-NMR(DMSO-d6):δ1.30-1.35, 1.38, 1.49, 1.98-2.16, 2.57-2.63, 2.70, 3.99-4.16, 6.09, 6.76, 7.20-7.25, 7.25-7.31, 7.31-7.37, 7.42, 7.60, 9.39。
【0649】
薬理実験例:
薬理実験例1:プロスタノイドレセプター発現細胞を用いたEP
2
拮抗活性測定実験
ニシガキ(Nishigaki)らの方法(FEBS Letters、第364巻、339-341ページ、1995年)に準じて、ヒトEP2受容体を発現させたCHO細胞を調製し,CELLBANKER2(日本全薬工業株式会社製)中で1.5x107cells/mL/vialとなるように凍結保存したものを実験に供した。細胞を解凍し,5x105cells/mLとなるようにアッセイミディアム(assay medium)(D-PBS containing 1mmol/L IBMX,2μmol/L Diclofenac)に懸濁した。細胞懸濁液(10μL)を終濃度10nmol/LのPGE2単独、またはこれと試験化合物を共に含む溶液(10μL)を添加して反応を開始し、室温で1時間反応した後、cAMP Gs Dynamic kit(CISBIO社製)に記載されている方法に準じ、細胞内のcAMP量を定量した。
【0650】
なお、試験化合物のアンタゴニスト作用(IC50値)は、PGE2単独でサブマキシマル(submaximal)なcAMP産生作用を示す濃度である10nMの反応に対する抑制率として算出し、IC50値を求めた。
【0651】
上記薬理実験により、本発明化合物が強力なEP2受容体拮抗活性を有することがわかった。例えば、いくつかの本発明化合物のIC50値は、下記の表1に示したとおりであった。
【0652】
【0653】
特許文献1記載の実施例43化合物のEP2受容体拮抗活性は>10000nMであった。
【0654】
薬理実験例2:マウス大腸がん細胞株CT26の同種移植モデルにおける抗腫瘍効果
マウス大腸がん細胞株であるCT26の同種移植モデルにて、本発明化合物の抗腫瘍効果を評価した。CT26は、10vol%の非働化済ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum;FBS)、100units/mLのPenicillinおよび100μg/mLのStreptomycinを含むRPMI-1640培地でCO2インキュベーター内にて培養した。移植当日、培養上清を取り除き、CT26をリン酸緩衝液(以下、PBSと略す。)で洗浄したのち、回収した。回収したCT26をPBSに懸濁し、移植用細胞とした。麻酔下で雌性Balb/Cマウス(日本チャールスリバー株式会社)の右側背部に、30万個の移植用細胞を皮下移植した。移植4日後に当該マウスを媒体群および化合物A群の2群に10例ずつ割り当てた。媒体および化合物Aとして10mg/kgの本発明化合物を、移植4日目は1回、移植5日から移植25日目までは1日2回、マウスに反復投与した。腫瘍体積(mm3)は、電子ノギスを用いて、腫瘍の短径および長径を測定し、以下の数式1にて腫瘍体積を算出した。なお、投与期間中において腫瘍に潰瘍が形成されたマウスはその時点以降の評価から除外した。
【0655】
【0656】
その結果、本発明化合物は腫瘍増殖の抑制作用を有していた。例えば、化合物Aとして実施例18の化合物を選択した場合、化合物A投与群の移植25日目における腫瘍体積は、
図1に示すとおり、媒体投与群に比べ優位に小さかった。
【0657】
動態実験例1:肝ミクロソーム安定性試験
(1)被験物質溶液の調製
被験物質のDMSO溶液(10mmol/L;5μL)を50%アセトニトリル水溶液(195μL)で希釈して、250μmol/Lの被験物質溶液を調製した。
(2)標準サンプル(反応開始直後のサンプル)調製
ウォーターバスであらかじめ37℃に加温した反応用容器に、NADPH-Co-Factor(BD-Bioscience社)および1mg/mLラットおよびヒト肝ミクロソームを含む0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)245μLを添加して、5分間プレインキュベーションした。そこに先の被験物質溶液5μLを添加して、反応を開始した(最終濃度1μmol/L)。反応開始直後に反応溶液20μLを採取して、この溶液をアセトニトリル(内部標準物質カンデサルタン含有)180μLに添加して反応を停止した。この反応が停止した溶液(20μL;反応開始直後のサンプル溶液)を除蛋白用フィルタープレート上で50%アセトニトリル(180μL)と撹拌した後、吸引ろ過して、ろ液を標準サンプルとした。
(3)反応サンプル(反応60分後のサンプル)調製
先の反応溶液を37℃で60分間インキュベーションした後、この反応溶液20μLを採取して、アセトニトリル(内部標準物質カンデサルタン含有)180μLに添加して、反応を停止した。この反応が停止した溶液(20μL;60分間反応させたサンプル溶液)を除蛋白用フィルタープレート上で50%アセトニトリル(180μL)と撹拌した後、吸引ろ過して、ろ液を反応サンプルとした。
(4)評価方法
LC-MS/MSで得られたピーク面積を用いて、標準サンプルの被験物質量(X)および反応サンプルの被験物質量(Y)から、次式に従い、被験物質の残存率(%)を算出した。
残存率(%)=(Y/X)x100
X:標準サンプルの被験物質量(Ratio=被験物質のピーク面積/内部標準物質のピーク面積)
Y:反応サンプルの被験物質量(Ratio=被験物質のピーク面積/内部標準物質のピーク面積)
(5)結果
本発明化合物は、ヒト肝ミクロソームに対する安定性が高いことが分かった。
【0658】
動態実験例2:溶解度測定試験
(1)検量線溶液の調製
検量線溶液は、被験物質のDMSO溶液(10mmol/L)をアセトニトリルで希釈し、内標準物質(ニカルジピン)を含むアセトニトリルを添加して5、20及び100nmol/Lに調製した.
(2)試料溶液の調製
試料溶液は,局法II液495μLに被験物質のDMSO溶液(10mmol/L;5μL)を添加し,室温で5時間攪拌した後,溶液を溶解度用フィルタープレートに移し吸引ろ過してろ液10μLをアセトニトリルで希釈し,内標準物質(ニカルジピン)を含むアセトニトリルを添加して調製した.
(3)評価
検量線溶液および試料溶液5μLをLC-MS(Thermo Scientific社製 Q Exactive Focus)に注入し定量した(定量範囲5~100nmol/L).溶解度は定量値を1000倍して算出した.定量範囲以下の値が得られた場合の溶解度は<5μmol/L,定量範囲以上の値が得られた場合の溶解度は100μmol/Lとする.
(4)結果
本発明化合物は、良好な溶解度を有することが分かった。
【0659】
[製剤例]
製剤例
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤約1万錠が得られる。
・(1R,2S)-2-{3-[({1-[(2S)-2-ブタニル]-5-(3-フェニルプロピル)-1H-ピロール-2-イル}カルボニル)アミノ]-4-クロロフェニル}シクロプロパンカルボン酸 ……100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) …… 20g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) …… 10g
・微結晶セルロース ……870g
【産業上の利用可能性】
【0660】
本発明化合物は、EP2受容体に対して拮抗活性を有しているため、本発明化合物を含有する医薬組成物は、EP2受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤として有効である。