(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101523
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】車両のバッテリーシステム
(51)【国際特許分類】
H01M 50/293 20210101AFI20220629BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20220629BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20220629BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20220629BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20220629BHJP
H01M 50/502 20210101ALI20220629BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20220629BHJP
【FI】
H01M50/293
B60K1/04 Z
H01M50/249
H01M50/298
H01M50/271 Z
H01M50/502
H01M50/242
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211299
(22)【出願日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0183876
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ジャエ スン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ サン チュル
【テーマコード(参考)】
3D235
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
3D235AA02
3D235BB12
3D235BB20
3D235BB23
3D235CC15
3D235DD35
3D235EE63
3D235EE64
3D235FF06
3D235FF12
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH61
5H040AA03
5H040AA06
5H040AA07
5H040AA14
5H040AA37
5H040AS04
5H040AY03
5H040CC01
5H040DD03
5H040DD05
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA01
5H043AA19
5H043FA04
5H043JA01
5H043JA03F
5H043JA29F
5H043LA21F
5H043LA22F
(57)【要約】 (修正有)
【課題】安全性を強化した車両のバッテリーシステムを提供する。
【解決手段】本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムは、バッテリーセル集合体とバスバーを含む複数のバッテリーモジュール110;バッテリーモジュールの上部に離隔配置されるアッパーケース;バッテリーモジュールとアッパーケースの間に配置されてバッテリーモジュールと連結されるワイヤーハーネス140;ワイヤーハーネスの長さ方向に沿って離隔配置されてワイヤーハーネスを固定する弾性パッド150;およびバスバー112の上、下端にそれぞれ配置されてバスバーを固定する複数の弾性体130を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセル集合体とバスバーを含む複数のバッテリーモジュール;
前記バッテリーモジュールの上部に離隔配置されるアッパーケース;
前記バッテリーモジュールとアッパーケースの間に配置されて前記バッテリーモジュールと連結されるワイヤーハーネス;
前記ワイヤーハーネスの長さ方向に沿って離隔配置されて前記ワイヤーハーネスを固定する弾性パッド;および
前記バスバーの上、下端にそれぞれ配置されて前記バスバーを固定する複数の弾性体を含む、車両のバッテリーシステム。
【請求項2】
前記弾性パッドの上端には
前記ワイヤーハーネスが締まり嵌めされる複数の固定溝が形成される、請求項1に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項3】
前記アッパーケースは
前記弾性パッドと前記弾性体が区間ごとに相接した状態で前記バッテリーモジュールを覆う、請求項1に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項4】
前記複数の弾性体は
前記バスバーの長さ方向に沿って一定の間隔をおいて配置される、請求項1に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項5】
バッテリーセル集合体を含む複数のバッテリーモジュール;
前記バッテリーモジュールと連結された複数のバスバー;
前記バスバーの上、下端にそれぞれ配置されて前記バスバーを固定する複数の弾性体;および
前記バスバーの上端に配置された弾性体を間に挟んで前記バッテリーモジュールの上端を覆うアッパーケースを含む、車両のバッテリーシステム。
【請求項6】
前記複数の弾性体は
前記バスバーの上、下端に分離が可能な構造で付着される、請求項5に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項7】
前記複数の弾性体は
前記バスバーの上、下端を囲む第1、2弾性体が相互に脱着が可能な一つの結合体で構成される、請求項5に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項8】
前記弾性体は
前記バスバーと前記アッパーケースの間の間隔と同一であるか弾性範囲だけ超過する厚さを有する、請求項5に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項9】
バッテリーセル集合体を含む複数のバッテリーモジュール;
前記バッテリーモジュールの上端を覆うアッパーカバー;
前記アッパーカバーの上端を覆うアッパーケース;
前記アッパーカバーとアッパーケースの間に配置されて前記バッテリーモジュールと連結されるワイヤーハーネス;および
前記ワイヤーハーネスの長さ方向に沿って前記アッパーカバーに離隔配置されて前記ワイヤーハーネスを固定する弾性パッドを含む、車両のバッテリーシステム。
【請求項10】
前記弾性パッドは
前記ワイヤーハーネスが締まり嵌めされる複数の固定溝を具備する、請求項9に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項11】
前記固定溝は
前記弾性パッドの長さ方向に沿って形成された狭く長い形状で形成され、内側に突出して交互に配置される複数の突起を含む、請求項10に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項12】
前記弾性パッドは
前記アッパーカバーに脱着可能である、請求項9に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項13】
前記弾性パッドは
前記アッパーカバーとスナップフィット(snap-fit)締結が可能である、請求項9に記載の車両のバッテリーシステム。
【請求項14】
前記弾性パッドは
前記アッパーカバーとスライディング締結が可能である、請求項9に記載の車両のバッテリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のバッテリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に車両のバッテリーシステムは高電圧ラインを固定するためにテーピング方式を採択している。
【0003】
しかし、テーピング方式は工程が複雑で時間が長く必要とされる問題があり、外部衝撃による振れ現象によって高電圧ラインの通電部(current carrying part)が露出する安全上の問題も発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前述した問題点を解決するために提案されたもので、弾性体と弾性パッドを通じてバスバー(bus bar)とワイヤーハーネス(wire harness)を安全に固定して組立工程を単純化し、高電圧ラインの通電部の露出を防止することによって安全性を強化した車両のバッテリーシステムを提供することに目的がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は以上で言及した課題に制限されず、ここで言及されていないさらに他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムは、バッテリーセル集合体とバスバーを含む複数のバッテリーモジュール;バッテリーモジュールの上部に離隔配置されるアッパーケース;バッテリーモジュールとアッパーケースの間に配置されてバッテリーモジュールと連結されるワイヤーハーネス;ワイヤーハーネスの長さ方向に沿って離隔配置されてワイヤーハーネスを固定する弾性パッド;およびバスバーの上、下端にそれぞれ配置されてバスバーを固定する複数の弾性体を含む。
【0007】
弾性パッドの上端にはワイヤーハーネスが締まり嵌めされる複数の固定溝が形成されることが好ましい。
【0008】
アッパーケースは弾性パッドと前記弾性体が区間ごとに相接した状態で前記バッテリーモジュールを覆うことが好ましい。
【0009】
複数の弾性体はバスバーの長さ方向に沿って一定の間隔をおいて配置される。
【0010】
本発明の他の実施例に係る車両のバッテリーシステムは、バッテリーセル集合体を含む複数のバッテリーモジュール;バッテリーモジュールと連結された複数のバスバー;バスバーの上、下端にそれぞれ配置されてバスバーを固定する複数の弾性体;およびバスバーの上端に配置された弾性体を間に挟んでバッテリーモジュールの上端を覆うアッパーケースを含む。
【0011】
複数の弾性体はバスバーの上、下端に分離可能な構造で付着され得る。
【0012】
複数の弾性体はバスバーの上、下端を囲む第1、2弾性体が相互に脱着が可能な一つの結合体で構成され得る。
【0013】
弾性体はバスバーとアッパーケースの間の間隔と同一であるか弾性範囲だけ超過する厚さを有することが好ましい。
【0014】
本発明のさらに他の実施例に係る車両のバッテリーシステムは、バッテリーセル集合体を含む複数のバッテリーモジュール;バッテリーモジュールの上端を覆うアッパーカバー;アッパーカバーの上端を覆うアッパーケース;アッパーカバーとアッパーケースの間に配置されてバッテリーモジュールと連結されるワイヤーハーネス;およびワイヤーハーネスの長さ方向に沿ってアッパーカバーに離隔配置されてワイヤーハーネスを固定する弾性パッドを含む。
【0015】
弾性パッドはワイヤーハーネスが締まり嵌めされる複数の固定溝を具備する。
【0016】
固定溝は弾性パッドの長さ方向に沿って形成された狭く長い形状で形成され、内側に突出して交互に配置される複数の突起を含むことができる。
【0017】
弾性パッドはアッパーカバーに脱着可能なものであり得る。
【0018】
弾性パッドはアッパーカバーとスナップフィット(snap-fit)締結が可能なものであり得る。
【0019】
弾性パッドはアッパーカバーとスライディング締結が可能なものであり得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、車両のバッテリーシステムはバスバーとワイヤーハーネスを固定する弾性体および弾性パッドを簡単に付着する方式を採択して組立工程を単純化し、高電圧ラインの通電部の露出を防止して安全性を確保することができる。
【0021】
特に、車両のバッテリーシステムは外部衝撃による振れ現象を最小化し、アッパーカバーおよびバッテリーモジュールとバスバー間の干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】構成上識別の便宜性のためにアッパーケースを除いて図示した本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムの概略斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムを概略的に図示した部分断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムにおいて、ワイヤーハーネスを固定する弾性パッドを部分的に図示した図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムにおいて、バスバーを固定する弾性体を部分的に図示した図面である。
【
図5】本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムにおいて、弾性体の活用例を図示した図面である。
【
図6】本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムにおいて、弾性体の活用例を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確となるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の記載によって定義される。一方、本明細書で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」または「含む(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子以外の一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0024】
以下、本発明の好ましい実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は構成上識別の便宜性のためにアッパーケースを除いて図示した車両のバッテリーシステムの概略斜視図であり、
図2は車両のバッテリーシステムを概略的に図示した部分断面図である。
【0026】
図1および
図2を詳察すると、本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステム100は、バッテリーモジュール110、アッパーケース120、弾性体130、ワイヤーハーネス140および弾性パッド150を含む。
【0027】
バッテリーモジュール110は複数のバッテリーセル111の集合体とバスバー112を含む。バスバー112はバッテリーセル111と電気的に連結される。
【0028】
アッパーケース120はバッテリーモジュール110の上部に離隔配置される。
【0029】
弾性体130はバスバー112の上、下端にそれぞれ複数に配置されてバスバー112を安全に固定する。複数の弾性体130はバスバー112の長さ方向に沿って一定の間隔をおいて配置される。
【0030】
ワイヤーハーネス140はバッテリーモジュール110とアッパーケース120の間に配置される。このようなワイヤーハーネス140はバッテリーモジュール110と連結される。
【0031】
弾性パッド150はワイヤーハーネス140の長さ方向に沿って離隔配置されてワイヤーハーネス140を固定する。
【0032】
弾性体130と弾性パッド150はアッパーケース120と区間ごとに相接し、アッパーケース120はこの状態でバッテリーモジュール110を覆う構造を有する。
【0033】
図3は、本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムにおいて、ワイヤーハーネスを固定する弾性パッドを部分的に図示した図面である。
【0034】
図3を参照すると、弾性パッド150の上端にはワイヤーハーネス140が締まり嵌めされる複数の固定溝151が形成される。
【0035】
固定溝151は弾性パッド150の長さ方向に沿って形成された狭くて長い形状で形成される。このような固定溝151は内側に突出して交互に配置される突起152を含む。
【0036】
ワイヤーハーネス140の直径は固定溝151の内側直径と対応し、突起152は固定溝151の上端に位置してワイヤーハーネス140が固定溝151に安全に固定されるようにする役割をする。
【0037】
すなわち、ワイヤーハーネス140が一列に配置された複数の弾性パッド150に形成された固定溝151に締まり嵌めされる時、突起152はワイヤーハーネス140が固定溝151から容易に分離しないようにする役割をする。
【0038】
一方、弾性パッド150はアッパーカバー113に脱着可能に付着が可能であり得、他の例として、スライディング方式でアッパーカバー113に脱着されてもよい。
【0039】
さらに他の例として、弾性パッド150はアッパーカバー113とスナップフィット(snap-fit)締結が可能な構造で形成されてもよい。
【0040】
本発明の弾性パッド150は既存のテーピングあるいはオーバーラップ方式よりワイヤーハーネス140の位置を効果的に規制し、組立ラインでの作業性を改善することができる。
【0041】
特に、弾性パッド150はワイヤーハーネス140の全領域を囲んで保護できるため、既存の方式より安全性を確保することができる。換言すると、弾性パッド150はワイヤーハーネス140の上、下端のみ保護するものではなく全領域を囲んで保護できることに特徴がある。
【0042】
図4は本発明の一実施例に係る車両のバッテリーシステムにおいて、バスバーを固定する弾性体を部分的に図示した図面であり、
図5および
図6は弾性体の活用例を図示した図面である。
【0043】
図4~
図6によると、基本的にバスバー112の上、下端には弾性体130が位置する。
【0044】
このような弾性体130はバスバー112を基準として一列に配置されてバスバー112のZ軸を固定する。車両の振動や外部振動によって衝撃が発生する場合、弾性体130はバスバー112とバッテリーモジュール110間の干渉を防止する。
【0045】
この時、弾性体130はバスバー112とアッパーケース113の間の間隔と同一であるか弾性範囲だけ超過する厚さを有することができる。
【0046】
一方、
図6に図示された通り、アッパーケース120と車体200の空き空間の間に弾性体130’が配置されてもよい。ここで、弾性体130’は車両のバッテリーシステム自体が外部振動による衝撃を緩和する役割をする。
【0047】
図示されてはいないが、複数の弾性体130はバスバー112の上、下端に分離可能な構造で付着され得る。すなわち、バスバー112の上、下端を囲む第1、2弾成体(図示されず)が相互に脱着が可能な一つの結合体で構成されてもよい。
【0048】
本発明は前述した実施例に限定せず、本発明の技術思想が許容される範囲内で多様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
100:車両のバッテリーシステム
110:バッテリーモジュール
111:バッテリーセル
112:バスバー
113:アッパーカバー
114:エンドプレート
120:アッパーケース
130、130’:弾性体
140:ワイヤーハーネス
150:弾性パッド
151:固定溝
152:突起
200:車体