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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101527
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】自動レーシングフットウェア
(51)【国際特許分類】
   A43C 11/00 20060101AFI20220629BHJP
   A43B 23/02 20060101ALI20220629BHJP
   A43B 13/00 20060101ALI20220629BHJP
   B65H 75/28 20060101ALI20220629BHJP
   B65H 75/14 20060101ALI20220629BHJP
   B65H 75/38 20060101ALI20220629BHJP
   B65H 75/42 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
A43C11/00
A43B23/02 104
A43B13/00 Z
B65H75/28
B65H75/14
B65H75/38 N
B65H75/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022022271
(22)【出願日】2022-02-16
(62)【分割の表示】P 2020552359の分割
【原出願日】2019-08-30
(31)【優先権主張番号】62/725,733
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/855,635
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/773,379
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/773,842
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/773,867
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.トルクス
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン アズノー
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン ドノホー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー オウェンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス スティーブンソン
【テーマコード(参考)】
3F058
3F068
4F050
【Fターム(参考)】
3F058AA01
3F058AB03
3F058BB11
3F058BB12
3F058CA09
3F058DA05
3F058DB07
3F058DB11
3F058DC02
3F058DC08
3F058HA03
3F068AA14
3F068CA02
3F068DA03
3F068FA06
4F050BC22
4F050MA28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レースと係合して、レースを締め付け及び/又は緩めることができる電動レーシングシステムを提供する。
【解決手段】レーススプールは、トランスミッションと動作可能に連結され、レーススプールの上面にあるトップレース溝1302と、円周方向チャネル1306とを含み、レースが、トップレース溝に挿入され、モータ及びトランスミッションの動作によるレーススプールの回転に基づいて円周方向チャンネルの周囲に巻き取られるように構成されている。締め具1308は、レーススプールをトランスミッションに連結するように構成され、上面を介してレーススプールに挿入され、締め具は、トップレース溝を部分的に覆うのに十分なヘッド幅を有するヘッドを有し、レースの厚さ未満のギャップ幅を有するトップギャップを残す。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フットウェア製品であって、
足に対する上部のフィットを調節するためのレースを含む、上部と、
ミッドソール及びアウトソールを含む下部であって、前記ミッドソールで前記上部に連
結された、下部と、
レーシングエンジンキャビティに取り外し可能で受容可能な、レーシングエンジンと、
を備え、
前記レーシングエンジンは、
モータと、
前記モータと動作可能に連結された、トランスミッションと、
前記トランスミッションと動作可能に連結された、レーススプールであって、前記レ
ーススプールの上面にあるトップレース溝と、円周方向チャンネルとを含み、前記レース
は、前記トップレース溝に挿入され、前記モータ及びトランスミッションの動作による前
記レーススプールの回転に基づいて前記円周方向チャンネルの周囲に巻き取られるように
構成された、レーススプールと、
前記レーススプールを前記トランスミッションに連結するように構成され、前記上面
を介して前記レーススプールに挿入された、締め具であって、前記トップレース溝を部分
的に覆うのに十分なヘッド幅を有するヘッドを有し、前記レースの厚さ未満のギャップ幅
を有するトップギャップを残す、締め具と、
を備える、フットウェア製品。
【請求項2】
前記ヘッドは、前記トップレース溝の湾曲部と整列して部分的に覆う円形を有する、請
求項1に記載のフットウェア製品。
【請求項3】
前記トップレース溝は、前記レーススプールの端部と前記湾曲部との間に直線部を含む
、請求項2に記載のフットウェア製品。
【請求項4】
前記レースは、前記トップレース溝の前記直線部で前記トップレース溝に入る、請求項
3に記載のフットウェア製品。
【請求項5】
前記上面は、2つの切頭端部の間に2つの丸みを帯びた端部を含み、前記トップレース
溝は、前記2つの丸みを帯びた端部の間に延在する、請求項3に記載のフットウェア製品
【請求項6】
前記レーススプールは、ボトムフランジを更に備え、前記円周方向チャンネルは、前記
ボトムフランジと前記上面との間に形成される、請求項5に記載のフットウェア製品。
【請求項7】
前記締め具は、ねじである、請求項1に記載のフットウェア製品。
【請求項8】
フットウェア製品のためのレーシングエンジンであって、
モータと、
前記モータと動作可能に連結された、トランスミッションと、
前記トランスミッションと動作可能に連結された、レーススプールであって、前記レー
ススプールの上面にあるトップレース溝と、円周方向チャンネルとを含み、レースが、前
記トップレース溝に挿入され、前記モータ及びトランスミッションの動作による前記レー
ススプールの回転に基づいて前記円周方向チャンネルの周囲に巻き取られるように構成さ
れた、レーススプールと、
前記レーススプールを前記トランスミッションに連結するように構成され、前記上面を
介して前記レーススプールに挿入された、締め具であって、前記トップレース溝を部分的
に覆うのに十分なヘッド幅を有するヘッドを有し、前記レースの厚さ未満のギャップ幅を
有するトップギャップを残す、締め具と、
を備える、レーシングエンジン。
【請求項9】
前記ヘッドは、前記トップレース溝の湾曲部と整列して部分的に覆う円形を有する、請
求項8に記載のレーシングエンジン。
【請求項10】
前記トップレース溝は、前記レーススプールの端部と前記湾曲部との間に直線部を含む
、請求項9に記載のレーシングエンジン。
【請求項11】
前記レースは、前記トップレース溝の前記直線部で前記トップレース溝に入る、請求項
10に記載のレーシングエンジン。
【請求項12】
前記上面は、2つの切頭端部の間に2つの丸みを帯びた端部を含み、前記トップレース
溝は、前記2つの丸みを帯びた端部の間に延在する、請求項10に記載のレーシングエン
ジン。
【請求項13】
前記レーススプールは、ボトムフランジを更に備え、前記円周方向チャンネルは、前記
ボトムフランジと前記上面との間に形成される、請求項12に記載のレーシングエンジン
【請求項14】
前記締め具は、ねじである、請求項8に記載のレーシングエンジン。
【請求項15】
フットウェア製品のためのレーシングエンジンを製造する方法であって、
トランスミッションをモータと動作可能に連結することと、
レーススプールを前記トランスミッションに締め具で動作可能に連結することと、
を含み、
前記レーススプールは、前記レーススプールの上面にあるトップレース溝と、円周方向
チャンネルとを含み、レースは、前記トップレース溝に挿入され、前記モータ及びトラン
スミッションの動作による前記レーススプールの回転に基づいて前記円周方向チャンネル
の周囲に巻き取られるように構成されており、前記締め具は、前記上面を介して前記レー
ススプールに挿入され、前記トップレース溝を部分的に覆うのに十分なヘッド幅を有する
ヘッドを有し、前記レースの厚さ未満のギャップ幅を有するトップギャップを残す、方法
【請求項16】
前記ヘッドは、前記トップレース溝の湾曲部と整列して部分的に覆う円形を有する、請
求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記トップレース溝は、前記レーススプールの端部と前記湾曲部との間に直線部を含む
、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記トップレース溝は、前記トップレース溝の前記直線部で前記レースを受け入れるよ
うに構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記上面は、2つの切頭端部の間に2つの丸みを帯びた端部を含み、前記トップレース
溝は、前記2つの丸みを帯びた端部の間に延在する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記レーススプールは、ボトムフランジを更に備え、前記円周方向チャンネルは、前記
ボトムフランジと前記上面との間に形成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記締め具は、ねじである、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年5月31日に出願された米国仮特許出願第62/855,635
号、2018年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/773,379号、2
018年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/773,842号、2018
年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/773,867号、及び2018年
8月31日に出願された米国仮特許出願第62/725,733号に対する優先権の利益
を主張し、これらの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本明細書に開示される主題は、概して、自動レーシングモータを有するフットウェア製
品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
いくつかの実施形態が、添付の図面の図において、限定ではなく、例として示されてい
る。
図1図1は、例示的な実施形態における、フットウェア製品の電動レーシングシステムの構成要素の分解図である。
図2図2は、例示的な実施形態における、電動レーシングシステムの構成要素の構成図を概略的に示す。
図3A図3Aは、例示的な実施形態における、レーシングエンジンの分解図である。
図3B図3Bは、メインPCBに対する筐体の下部を示す図である。
図4図4A及び図4Bは、例示的な実施形態における、下部に力が加えられたときの柱部の機能を示す連続的なブロック図である。
図5図5A及び図5Bは、例示的な実施形態における、レーシングエンジンの側面図及び斜視図である。
図6図6は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダを示す図である。
図7図7は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダを含む、光学エンコーダを示す図である。
図8図8A図8Cは、例示的な実施形態における、光学エンコーダの主軸に対して中心から外れている光学エンコーダの動作を示す。
図9図9は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダの代替例を示す図である。
図10図10A図10Cは、例示的な実施形態における、3次元エンコーダの製造プロセスを示す図である。
図11図11は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダを示す図である。
図12図12A図12Dは、例示的な実施形態における、レーシングエンジンの斜視図である。
図13図13A及び図13Bは、例示的な実施形態における、スプールの分解図及び側面図である。
図14図14は、スプールの代替例を示す図である。
図15図15は、エンコーダの一実施例を示す、レーシングエンジンの一部の切り欠き図である。
図16図16A及び図16Bは、例示的な実施形態における、レーシングエンジンのレーシングエンジン筐体及び蓋を示す図である。
図17図17は、様々な例における、レーシングエンジンを含むフットウェア製品の側面図である。
図18図18は、例示的な実施形態における、フットウェア製品のレーシングアーキテクチャを示す図である。
図19図19A及び図19Bは、例示的な実施形態における、代替のレーシングアーキテクチャを示す図である。
図20図20は、例示的な実施形態における、レーシングアーキテクチャの線画である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
例示的な方法及びシステムは、自動レーシングモータを有するフットウェア製品を対象
とする。これらの例は、取り得る形態を単に代表するものである。特に明記しない限り、
構成要素及び機能は、任意のものであり、組み合わされても細分化されてもよく、動作は
、順序が変わってもよく、組み合わされても細分されてもよい。以下の説明では、説明の
目的のために、例示的な実施形態の完全な理解を提供するように、多数の特定の詳細が記
載される。しかしながら、本主題は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは当業
者には明らかであろう。
【0005】
靴などのフットウェア製品は、従来の構成要素及び従来にない構成要素の両方の、様々
な構成要素を含んでいる。従来の構成要素は、アッパー、ソール、及びレース(靴紐)、
或いはフットウェア製品内に着用者の足を囲んで固定するための他の固定機構を含み得る
。従来にない、電動レーシングシステムは、レースと係合して、レースを締め付け及び/
又は緩めることができる。追加又は代替の電子機器は、モータの動作及び駆動、フットウ
ェア製品の性質に関する情報の感知、照明式ディスプレイ及び/又は他の感覚刺激の提供
などを含む、フットウェア製品のための様々な機能を提供することができる。
【0006】
概して、特に運動活動の実施のためのフットウェア製品では、フットウェア製品のサイ
ズ、形状、頑強性及び重さなどの特徴が特に重要となり得る。フットウェア製品の構成要
素が、例えば、フットウェア製品を比較的背が高く、重く、及び/又は脆弱にする場合、
運動活動の実施に効果的であるフットウェア製品の能力が損なわれ得る。
【0007】
自動レーシングシステムの構成要素は、筐体内に含まれ、フットウェア製品の上又は内
部に配置されてもよく、例えばソール構造の内部に配置されてもよい。しかしながら、電
子部品は、フットウェア製品にかかる通常の力の影響を受けやすい場合がある。例えば、
着用者が岩又は他の硬い突起を踏んだ場合、ソールを介して筐体に力が加えられ、この力
は筐体内に収容された構成要素に力を加えたり、屈曲させたりし得る。特定の構成要素は
、他の構成要素よりも比較的機械的に頑強であり得る。このため、例えば、電池又はモー
タに力が加えられる場合、システムへの損傷の危険性は、プリント回路基板(PCB)又
は電子コネクタに力が加えられる場合よりも少なくなり得る。
【0008】
しかしながら、高さ及び製造の容易さに関する設計上の考慮により、一般的にソールに
最も近い方向に向けられる、筐体の表面に概ね近接した位置にPCBを配置することが望
ましい場合がある。したがって、筐体を屈曲させるような力がソールに加えられた場合、
望ましくない量の力がPCBに加えられる結果になり得る。PCBに加えられやすい力を
低減し、代わりにPCBよりも比較的頑強であり得る自動レーシングシステムの構成要素
に力を向けるために、PCBを通って延在し、自動レーシングシステムの別の構成要素、
例えばモータの近傍にある、1つ又は複数の支持体が、ソールに近接する筐体内に設計さ
れる。筐体に力が加えられ、筐体が屈曲すると、支持体は、他の構成要素と接触し、PC
B上ではなく、その構成要素に力の少なくとも一部を加える。支持体は、PCBにいかな
る力も加わらないようにできなくとも、支持体は、PCBに加えられる力を許容限度に制
限するために、十分な力をPCBから離れる方向に向けることができる。
【0009】
図1は、例示的な実施形態における、フットウェア製品の電動レーシングシステムの構
成要素の分解図である。本システムは、フットウェア製品に関して説明されるが、フット
ウェア製品に関して説明される原理は、様々な着用可能な製品のいずれにも同様に適用さ
れ得ることは認識及び理解されよう。図1に示される電動レーシングシステム100は、
筐体構造103を有するレーシングエンジン102、蓋104、アクチュエータ106、
ミッドソールプレート108、ミッドソール110及びアウトソール112を含む。図1
は、自動レーシングフットウェアプラットホームの構成要素の基本的な組立順序を示す図
である。電動レーシングシステム100は、まず、ミッドソールプレート108がミッド
ソール内に固定された状態にされる。次に、アクチュエータ106が、アウトソール11
2に埋め込み可能なインタフェースボタンとは反対側のミッドソールプレートの横側の開
口部に挿入される。次に、レーシングエンジン102は、ミッドソールプレート108の
レーシングエンジンキャビティ内に配置される。ミッドソールプレート108を含まない
様々な例では、レーシングエンジンキャビティは、ミッドソール110に含まれてもよく
、或いは形成されてもよい。一実施例では、レーシングシステム100は、レーシングケ
ーブルの連続的なループの下に挿入され、レーシングケーブルは、(後述する)レーシン
グエンジン102内のスプールと整列される。最後に、蓋104は、ミッドソールプレー
ト108の溝に挿入され、閉鎖位置に固定され、ミッドソールプレート108の凹部に留
められる。蓋104は、レーシングエンジン102を捕えることができ、動作中にレーシ
ングケーブルのアライメントの維持を補助することができる。
【0010】
図2は、例示的な実施形態における、電動レーシングシステム100の構成要素の構成
図を概略的に示す。システム100は、レーシングエンジン102、ミッドソールプレー
ト108、及び下にあるフットウェア198を含む、電動レーシングシステムの構成要素
を含むが、必ずしも全てを含まなくてもよい。図示されるシステム100は、インタフェ
ースボタン200と、インタフェースボタンアクチュエータ201と、足存在センサ20
2と、メインPCB204及びユーザインタフェースPCB206を収容するレーシング
エンジン筐体103とを含む。ユーザインタフェースPCB206は、ボタン200と、
ボタンアクチュエータ201を照らし得る、或いはフットウェア製品の外部から見える照
明を提供し得る1つ又は複数の発光ダイオード(LED)208と、光学エンコーダユニ
ット210と、LED208に電力を供給し得るLEDドライバ212とを含む。メイン
PCB204は、プロセッサ回路214と、電子データストレージ216と、バッテリ充
電回路218と、無線トランシーバ220と、加速度計及びジャイロスコープなどの1つ
又は複数のセンサ222と、モータドライバ224とを含む。
【0011】
レーシングエンジン102は、静電容量センサなどの足存在センサ226、モータ22
8、トランスミッション230、スプール232、電池又は電源234、及び充電コイル
236を更に含む。プロセッサ回路214は、電子データストレージ216からの命令を
用いて、モータドライバ224にモータ228を作動させるように構成され、トランスミ
ッション230を介してスプール232を回転させて、スプール232の周囲に巻かれた
レース238に所望の量の張力を加える。プロセッサ回路214は、足存在センサ226
、センサ222、及びボタン200を含む様々なソースからの入力を受信し、命令に従っ
て、レース238の張力を増加又は減少させることを決定し得る。例えば、足存在センサ
226は、フットウェア198内の足の存在を検出することができ、プロセッサ回路21
6は、張力を現在の張力レベルに設定することができる。センサ222は、例えば、カジ
ュアルな歩行、激しい身体活動などの、特定の活動レベルと合致する動きを検出すること
ができ、プロセッサ回路214は、例えば、カジュアルな歩行の場合には比較的緩く、激
しい身体活動の場合には比較的きつく、張力をその活動レベルと合致するレベルに設定す
ることができる。ユーザは、ボタンアクチュエータ201を押して、必要に応じて、張力
の段階的又は線形的な増加又は減少を手動で命令することができる。
【0012】
バッテリ234は、一般にレーシングエンジン102の構成要素に電力を供給し、例示
的な実施形態では、充電式バッテリである。しかしながら、非充電式バッテリ、スーパー
キャパシタ等の代替電源も考えられる。図示例では、バッテリ234は、充電回路218
及び再充電コイル(recharge coil)236に連結されている。再充電コイル236が外
部充電器240の近傍に配置されると、充電回路242が送信コイル244に給電して再
充電コイル236に電流を誘導し、再充電コイル236は、その後、充電回路218によ
ってバッテリ234を再充電するために利用される。例えばフットウェア198内に配置
された圧電発生器などの代替的な再充電機構が考えられる。
【0013】
無線トランシーバ220は、スマートフォン、ウェアラブル装置、タブレットコンピュ
ータ、パーソナルコンピュータなどのリモートユーザ装置246と無線で通信するように
構成される。一実施例では、無線トランシーバ220は、ブルートゥースローエナジー方
式で通信するように構成されるが、無線トランシーバ220は、近距離無線通信(NFC
)、802.11 WiFiなどを含む任意の適切な無線方式で通信してもよい。更に、
無線トランシーバ220は、複数の外部ユーザ装置246と通信するように、及び/又は
複数の異なる無線方式で通信するように構成されてもよい。無線トランシーバ220は、
例えば、所定の動作モードに入ること、或いはレース238の張力を段階的又は線形的に
増加又は減少させることを含む、レーシングエンジン102の制御を行うために、ユーザ
装置246上で動作するアプリケーションを使用して、ユーザ装置246から命令を受信
し得る。無線トランシーバ220は、更に、例えば、レース238の張力の大きさ、又は
スプール232の向き、バッテリ234に残っている充電の量、及び一般にレーシングエ
ンジン102に関する望ましい他の情報などの、レーシングエンジン102に関する情報
をユーザ装置246に送信し得る。
【0014】
図3Aは、例示的な実施形態における、レーシングエンジン102の分解図である。レ
ーシングエンジン102は筐体103を含み、筐体103は上部103A及び下部103
Bを含み、一般に、筐体103の外側に位置する特定の構成要素を除いて、レーシングエ
ンジン102を収容する。これらの構成要素には、ボタンアクチュエータ201(及び、
湿気などの環境条件からレーシングエンジン102を保護するための関連するOリング3
00)と、止めねじ302を介してトランスミッション230に固定され、蓋104で囲
まれるスプール232と、足存在センサ226の誘電発泡体304とが含まれる。筐体1
03内には、メインPCB204、ユーザインタフェースPCB206、モータ228、
トランスミッション230、バッテリ234、再充電コイル236、並びに足存在センサ
226の電極306及び発泡体308が封入されている。
【0015】
分解図で部分的に見えるのは、光学エンコーダユニット210である。具体的には、光
学エンコーダユニット210の3次元エンコーダ310は、モータ228に連結され、モ
ータの回転に伴って回転する。3次元エンコーダ310の具体的な実施形態は、本明細書
に示されている。
【0016】
図3Bは、メインPCB204に対する筐体103の下部103Bの図である。下部1
03Bには、筐体103の下部103Bの内面314から延びる柱部(ポスト)312が
含まれる。本明細書に示されるように、少なくとも1つの柱部312は、メインPCB2
04の穴(図示せず)を通って延在する。例えば、フットウェア198の着用者が物体を
踏むことでミッドソール110及びプレート108(図1)を介して力が付与され、筐体
103の下部103Bの外側に外力が加えられると、下部103Bが屈曲し得る。柱部3
12は、下部103Bの屈曲が、メインPCB204などの比較的弾力性の低い構成要素
ではなく、モータ228、トランスミッション230、又はバッテリ234などの、レー
シングエンジン102の比較的硬い又は弾力性の高い構成要素に接触する1つ又は複数の
柱部312に加えられるように配置される。
【0017】
図4A及び図4Bは、例示的な実施形態において、力400が下部103Bに加えられ
たときの柱部312の機能を示す連続的なブロック図である。ブロック図は、説明の目的
のために簡略化され誇張されている。図3Bに示されるように、複数の柱部312が本明
細書に示される原理に従って様々な位置に配置されてもよく、本明細書に記載されるよう
に、柱部312が、任意の適切な弾力性を有する構成要素に接触するように配置及び構成
されてもよいことを理解されたい。
【0018】
図4Aは、柱部312を有する上部103Aに連結された下部103Bを、下部103
Bの内面314から投影した状態で示す。柱部312は、メインPCB204に形成され
た穴402を貫通して延在する。図示されるように、柱部は、トランスミッション230
に接触せず、その間にギャップ404を有する。ある実施例では、ギャップ404は、メ
インPCB204と内面314との間のギャップ406よりも小さい。しかしながら、ギ
ャップ404がなくてもよく、或いはギャップ404がギャップ406と略同一であって
もよいことを理解されたい。下部103Bに力が加えられていないので、下部103Bは
実質的に平坦で直線状である。
【0019】
図4Bは、下部103Bに加えられた力400のために湾曲した下部103Bを示す。
下部103Bの湾曲は、柱部312をトランスミッション230に接触させ、力400の
少なくとも一部をトランスミッション230に伝達する。柱部312とトランスミッショ
ン230との間のギャップ404が排除されている間、少なくともいくらかのギャップ4
06が、内面314とメインPCB204との間に残される。その結果、本実施例では、
力400は、比較的脆弱なメインPCB204には付与されず、その代わりに、より弾力
性の高いトランスミッション230に付与される。
【0020】
この誇張された説明では下部103BとメインPCB204との間の接触は示さないが
、実際の実装では、下部103BとメインPCB204との間に何らかの接触が生じ得る
こと、及び/又は力400の少なくとも一部がメインPCB204に付与されることは認
識及び理解されよう。しかしながら、少なくとも、柱部312の存在は、力400の少な
くとも一部を、メインPCB204ではなく、トランスミッション230に付与させやす
くなる。柱部312がない場合に比べてメインPCB204に付与される力400の大き
さが相対的に減少することによって、下部103Bに付与される力400によってメイン
PCB204が損傷する可能性を依然として減少させ得る。
【0021】
図5A及び図5Bは、例示的な実施形態における、レーシングエンジン102の側面図
及び斜視図である。メインPCB204、ユーザインタフェースPCB206、モータ2
28、トランスミッション230、バッテリ234、電極306、発泡体308、及び再
充電コイル236などの構成要素は、筐体103の上部103A及び底部103B内に収
容される。スプール232は、止めねじ302を介してトランスミッション230に固定
される。上部103Aは、概して、モータ228の湾曲した輪郭に適合する。
【0022】
一実施例では、上部103A及び底部103Bは、各々略1.5ミリメートルの厚さで
ある。再充電コイル236は、フェライトバッキングを含み、略0.7ミリメートルの厚
さである。バッテリ234は、時間の経過に伴うバッテリ234の膨張に起因して、略7
.5ミリメートルの厚さである。一実施例では、電極306は略0.25ミリメートルの
厚さであり、発泡体308は略0.5ミリメートルの厚さであり、バッテリ234に近接
するレーシングエンジン102の全体的な厚さは略11.75ミリメートルである。一実
施例では、モータ228は略8.5ミリメートルの厚さであり、モータ228に近接する
レーシングエンジン102は略14.55ミリメートルの最大厚さを有する。一実施例で
は、スプール232に近接するレーシングエンジン102は、略14.7ミリメートルの
厚さを有する。
【0023】
図6は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ600を示す図である。3次元
エンコーダ600は、光学エンコーダユニット210の3次元エンコーダ310として機
能し得る。3次元エンコーダ600は、ドラム部602と、円筒部に連結され、3次元エ
ンコーダ600をモータシャフトなどに固定するように構成された、固定部604とを含
む、ドラムエンコーダである。固定部は中実であってもよく、或いは、スポークなどの、
ドラム部602とモータとの間に延在する個々の部分であってもよい。
【0024】
図示されているように、ドラム部602は円筒形であり、円形断面を有するが、円錐形
、八角形などを含む様々な適切な幾何学的形状のいずれかであってもよい。2次元ディス
ク300と同様に、ドラム600は、例えば暗いセグメント(dark segment)である、複
数の第1のセグメント606を含み、複数の第1のセグメント606は、例えば反射セグ
メント(reflective segment)である、複数の第2のセグメント608と交互に配置され
る。複数の第1及び第2のセグメント606、608は、ドラム部602の外面610上
に配置される。
【0025】
図7は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ600を含む、光学エンコーダ
ユニット700を示す図である。光学エンコーダ700は、図2のブロック図において、
光学エンコーダ210として動作し得る。光学エンコーダ700は、3次元エンコーダ6
00に加えて光学センサ702を含み、光学センサ702は、各々が3次元エンコーダ6
00の光学範囲708内にある第1の光学センサ704及び第2の光学センサ706を含
み、光学範囲708は、第1及び第2の光学センサ704、706が複数の第1及び第2
のセグメント606、608を区別し得る距離である。このように、光学範囲708は、
異なるタイプの第1及び第2の光学センサ704、706の間で異なり得る。外部の設計
要件により光学センサ702と3次元エンコーダ600との間に特定の距離が必要とされ
る場合、第1及び第2の光学センサ704、706は、少なくとも距離と同じ長さの光学
範囲708を有するように選択されてもよい。
【0026】
第1の光学センサ704は、メインPCB204の第1の主面710上に配置され、一
方、第2の光学センサ708は、メインPCB204の第2の主面712上に配置される
。図示例では、第1及び第2の光学センサ704、706は、複数の第1及び第2のセグ
メント606、608の各々1つの高さ716に略等しい垂直間隔714を有し、垂直間
隔714は、例えば、高さ716の略5%以内である。このように、第1及び第2の光学
センサ704、706の各々は、ともに同一タイプのセグメントを検出しやすく、すなわ
ち、暗いセグメント又は反射セグメントをともに検出する。第1及び第2の光学センサ7
04、706の各々が同一タイプのセグメントを検出しない場合、例えば、第1の光学セ
ンサ704が複数の第1のセグメント606のうちの1つを検出し、第2の光学センサ7
06が複数の第2のセグメント608のうちの1つを検出する(又はその逆である)場合
、不一致がすぐに解決され、第1及び第2の光学センサ704、706の両方が同一タイ
プのセグメント606、608を検出できるようされることが期待され得る。
【0027】
光学センサ702の特定の構成が図示されているが、光学センサの数及び向きは、異な
る実装の間で変更されてもよいことを留意し、強調する。したがって、一実施例では光学
センサ702の代替例が、1つの個々の光学センサのみを有してもよく、一方、光学セン
サ702の更なる代替例は、3つ以上の個々の光学センサを含んでもよい。しかしながら
、様々な実施例では、各々の光学センサは、メインPCB204の主面710、712の
うちの一方の上に配置される。
【0028】
図8A図8Cは、例示的な実施形態における、光学エンコーダ700の主軸800に
対して中心から外れている光学エンコーダユニット700の動作を示す。図8Aにおいて
、モータシャフト306が通過する、固定部604内の開口804の中心802は、主軸
800に対して所定の距離だけオフセットされてもよい。図8Bにおいて、開口804が
シャフトの周囲に固定された状態で、外面610、より具体的には、複数の第1及び第2
のセグメント606、608は、光学センサ702から第1の距離806に来る。図8C
において、光学エンコーダ700が図8Bに対して半回転を完了して、外面610が光学
センサ702から第2の距離808に来ており、第2の距離808は、中心から外れた開
口804がモータシャフトの周囲に固定されているため、第1の距離806よりも大きい
【0029】
主軸800と開口の中心802とのオフセットは、製造プロセスの意図しない結果であ
り得る。しかしながら、光学センサ700の特性のために、複数の第1及び第2のセグメ
ント606、608の各々の見掛けの高さ716(図7)は、同じままであり得る。その
結果、そのような同心性の問題は、単に光学センサ702の焦点距離の差をもたらすだけ
であり得る。焦点距離の差は、光学センサ702の光学範囲708内において光学センサ
702により解決され得る。このように、光学エンコーダ700は、光学エンコーダ30
0の製造工程において許容され得るよりも大きなばらつきを製造工程において許容すると
ともに、使用中の通常の損耗に対して、より頑強であり得る。
【0030】
図9は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ900の代替例を示す図である
。3次元エンコーダ900は、3次元エンコーダ600と同じ特性を有し得る。しかしな
がら、3次元エンコーダ900は、複数の第1及び第2のセグメント606、608をド
ラム部602の外面に有するのではなく、複数の第1及び第2のセグメント606、60
8を内面902に含む。3次元エンコーダ900は、光学センサ702が内面902を感
知するように配置され、光学センサ700の配置と同様の配置で利用され得る。
【0031】
図10A~10Cは、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ700、900の
製造工程を示す。
【0032】
図10Aでは、細長い複数の第1及び第2のセグメント606、608のシート100
0が、個々のストリップ1002に切断される。シート1000は、マイラー(Myla
r)などの任意の適切な材料で作られ、複数の第1のセグメント606などの暗いセグメ
ントは、シート1000の主面1004上に印刷される。複数の第2のセグメント608
などの反射セグメントは、未処理又は実質的に未処理のマイラーである。
【0033】
図10Bでは、ストリップ1002が折り畳まれて、主面1004、すなわち印刷面が
必要に応じて外面708又は内面902のいずれかとされる。第1の端部1006は、ル
ープを作るために第2の端部1008に固定される。
【0034】
図10Cでは、ストリップ1002が必要に応じてフレーム1010に連結されて、3
次元エンコーダ700、900を形成する。フレーム1010は、固定部604と、ドラ
ム部602を形成するためにストリップ1002を固定するドラム1012とを含む。
【0035】
図11は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ1100の図である。3次元
エンコーダ700、900とは異なり、3次元エンコーダ1100は、タブ1102及び
ギャップ1104を利用して、表面を光にさらし、或いは隠して、タブ1102の場合に
は光を反射し、ギャップ1104の場合には光を反射しない。光学センサ1106、11
08は、ギャップ1104が光学センサ1106、1108と整列されるとき、反射光が
存在しないことではなく、タブ1102から反射される光を検出する。一実施例では、光
学センサ1106、1108は、互いの間に略54度の角度を形成する。ビームブレイク
1110は、光学センサ1106、1108による検出のために光を集束させる目的で、
光が通過して光を集束させるスリット1112を含む。3次元エンコーダ1100は、他
のエンコーダ700、900と同様に、モータ228に回転可能に連結される。
【0036】
図12A図12Dは、例示的な実施形態における、レーシングエンジン1200の斜
視図である。図12A及び図12Bは、分解図で示されている。図12Dでは、再充電コ
イル236がメインPCB204から分離されている。レーシングエンジン1200は、
レーシングエンジン102として利用されてもよく、或いは任意の適切なシステムで利用
されてもよい。
【0037】
レーシングエンジン1200は、メインPCB204、ユーザインタフェースPCB2
06、モータ228、トランスミッション230、バッテリ234、及び電極306など
の構成要素を含む。スプール232は、止めねじ302を介してトランスミッション23
0に固定される。
【0038】
レーシングエンジン1200の寸法は、図5A及び図5Bのレーシングエンジンの寸法
と同一又は類似であってもよい。レーシングエンジン1200は、メインPCB204と
再充電コイル236との間のバネ接触インタフェース(spring contact interface)12
02を含む点で、図5A及び図5Bのレーシングエンジンと異なってもよい。バネ接触イ
ンタフェース1202は、バネ1204及びパッド1206を含み、ワイヤ結合又は他の
接続と比較して、メインPCB204と再充電コイル236との間の製造後における比較
的強力で弾力性のある接触を促進することができる。図示されるように、バネ1204は
、再充電コイル236に含まれる。しかしながら、バネ1204はメインPCB204に
含まれてもよく、パッド1206は再充電コイル236に含まれてもよい。様々な実施例
では、無線トランシーバ220が同様に、バネ接触インタフェース1202を介して、メ
インPCB204に動作可能に連結されてもよい。
【0039】
レーシングエンジン1200は、追加のLED208を含む点で、図5A及び図5B
レーシングエンジンと更に異なり得る。図示されるように、6個のLED208は、レー
シングエンジン1200の側面1208に配置され、フットウェア製品198の外部から
視認可能とされ得る。4つのLED208’は、側面1208から略垂直に発光するよう
に配置され、一方で、2つのLED208”は、側面1208の側方部分1210、12
12に略光を向けるように配置される。図示例では、LED208は側面1208上に等
間隔に配置され、ボタン200はLED208の間に点在する。
【0040】
さらに、レーシングエンジン1200は、1つ又は複数の触覚発生器(haptic generat
or)を含んでもよい。触覚発生器は、モータ228及び/又はギアボックス230の構成
要素であってもよく、或いはそれらを含んでもよく、フットウェア製品198の着用者に
よって知覚可能な触覚感覚を生成するように構成されている。さらに、或いは代替的に、
1つ又は複数の専用の触覚モータが、レーシングエンジン1200の上又は内部に配置さ
れてもよい。一実施例では、触覚発生器は、エンコーダ210に近接してメインPCB2
04に組み込まれる。触覚発生器は、フットウェア製品198の着用者又はフットウェア
製品198の他のユーザに様々なユーザインタフェース体験を提供するために利用され得
る。様々な実施例において、触覚発生器は、例えば運動競技中における、バッテリ234
の充電状態、レース238にかかる張力の大きさ、及び、命令に対するフィードバックを
提供することができる。触覚発生器が、本明細書に開示される代替のレーシングエンジン
に組み込まれ得ることは認識及び理解されよう。
【0041】
図13A及び図13Bは、例示的な実施形態における、スプール1300の分解図及び
側面図である。スプール1300は、スプール232として、又は自動レーシングシステ
ム又は他のシステムにおける任意の適切なスプールとして利用され得る。
【0042】
図示例では、スプール1300は、例えばプラスチック又は他の適切なポリマー、金属
などの単一部品から製造される。スプール1300は、上面1304にトップレース溝1
302を含み、トップレース溝1302には、レース238が挿入され、固定される。次
いで、レース238は、スプール1300をモータ228及びギアボックス230を用い
て回転させることにより、スプール1300の円周方向チャネル1306の周囲に巻き取
られ得る。
【0043】
スプール1300は、締め具1308を介してギアボックス230に連結される。図示
されるように、締め具1308はねじであるが、任意の適切な締め具が様々な実施例で利
用されてもよいことは認識及び理解されよう。締め具1308は、少なくとも部分的にレ
ース238をレース溝1302に固定するために、少なくとも部分的にレース溝1302
の湾曲部分を覆うのに十分なヘッド幅を有するヘッド1310を含む。図示されるように
、ヘッド1310は円形であるが、様々な実施例では、ヘッド1310は、必要に応じて
、正方形、六角形、或いは任意の規則的な又は不規則な形状などの代替形状であってもよ
い。
【0044】
図13Bに示されるように、ヘッド1310は、レース溝1302と整列して部分的に
覆い、レース238の厚さよりも少なくともいくらか小さいギャップ幅を有するトップギ
ャップ1312を残し、スプール1300と共に、レース溝1302内でのレース238
の緩やかな摩擦フィットを提供する。したがって、様々な実施態様では、ユーザは、締め
具1308の摩擦に打ち勝つためにレース238に比較的控えめな量の下向きの力を加え
ることによって、レース238をレース溝1302内に挿入することができる。レース2
38は、挿入されると、レース238に対する上向きの力が締め具1308によるレース
238の摩擦に打ち勝つために十分でない限り、レース溝1302に拘束されやすい。あ
るいは、スプール1300は、レース溝1302全体に十分なヘッド幅を有さないネジを
利用してもよい。このようなスプール1300は、少なくとも部分的に蓋104に寄りか
かって、レース溝1302内にレース238を拘束してもよい。
【0045】
スプールのボトムフランジ1314は円形であり、一方で、上面1304は、2つの丸
みを帯びた端部1318の間に2つの切頭端部1316を有する円形である。図示例では
、レース溝1302は、切頭端部1316の間の中間点において、丸みを帯びた端部13
18の間に延在する。しかしながら、レース溝1302が切頭端部1316の間に延在し
てもよいことは認識されよう。切頭端部は、円形の上面1304を有する同様のスプール
1300よりも比較的頑強な設計を促進し、製造をより容易にすることができる。
【0046】
図14は、スプール232の代替例を示す。各々のスプールは、例えばプラスチック又
は他の適切なポリマー、金属などの単一部品から製造されてもよい。各々のスプールは、
本明細書に開示される様々なスプールの代わりに利用されてもよい。
【0047】
スプール1400は、フランジ式スクリュースプールである。スプール1400は、ス
プール1300と同様であるが、完全に円形の上面1402を有する。スプール1400
は、他のスプールと比較して、比較的大きなトルクス駆動(torx drive)、レース238
に対する保持力、及び比較的平坦な体積プロファイルを組み込むことができる。
【0048】
スプール1404は、スプール1400の要素を組み込むが、スプール1404をギア
ボックス230に連結するためにネジではなく圧入キャップ1406を利用する。圧入キ
ャップ1406は、当技術分野で知られている任意の適切な圧入機構とすることができる
。圧入キャップ1406は、比較的単純な組立プロセスを提供することができ、他の締め
具と比較して比較的低コストである。
【0049】
スプール1408は、スプール1404の要素を組み込むが、上面1412の直径を横
切って、且つ圧入キャップ1414を横切って延在するレース溝1410を利用する。こ
のような実施例では、圧入キャップ1414は、レース溝1410内のレース238に制
限を課さない。
【0050】
スプール1416は、スプール1408の要素を組み込むが、上面1422に切り欠き
1418、1420を含む。切り欠き1418、1420は、スプール1408と比較し
て、材料の使用を減らすことを促進し得る。
【0051】
スプール1424は、スプール1400の要素を組み込むが、スプール1424の軸1
428に近接する円周方向チャネル1426を組み込み、スプール1424をCクリップ
締め具1430でギアボックス230に連結可能にする。
【0052】
スプール1432は、スプール1400及び1408の要素を組み込むが、本明細書で
開示されるネジ、圧入キャップ、又はCクリップ締め具などの個別の締め具を必要とする
のではなく、スプール1432の構造に統合された(隠された)締め具を組み込む。組み
込まれる締め具は、スプール1432の構造に組み込まれ得る任意の適切な締め具であっ
てもよい。様々な実施例において、統合される締め具は、圧入締め具である。
【0053】
スプール1434は、スプール1432の要素を組み込むが、レース溝1436に切り
欠き1435を組み込む。
【0054】
スプール1438は、スプール1438にレース238を保持するために、円周方向チ
ャネル1442に柱部1440を組み込む。レース238の一部は、柱部1440を通さ
れ、及び/又は、結果として生じる二次的チャンネル1442を通され、レース238を
スプール1438に部分的に固定して、レース238が円周方向チャンネル1442の周
囲に巻き取られ得るようにする。
【0055】
図15は、エンコーダ210の一実施例を示す、レーシングエンジン1200の一部の
切り欠き図である。図示されるように、エンコーダ1500は、本明細書に開示される様
々な3次元エンコーダとは対照的に、2次元エンコーダであり、光学センサ1502、1
504が、2次元光学エンコーダユニット1506の位置及び向きを感知するように構成
される。光学エンコーダユニット1506は、トランスミッション230のギア1508
のうちの1つに配置される。光学センサ1502は、PCB204の同一の主面1508
上に配置され、両方とも、主表面1508から同一の直交方向に光学的に感知可能である
【0056】
2次元光学エンコーダユニット1506は、例えば代替の明暗セグメントを用いて、或
いは当該技術分野で公知である又は構築されている任意の好適な機構に従って、本明細書
に開示される3次元光学エンコーダユニットに係る光学センサ1502、1504に対し
て光学的に感知可能に構成されてもよい。セグメントは、光学センサ1502、1504
の各々が同一タイプのセグメントを感知しやすく、すなわち、各々が明るいセグメントを
感知する、或いは各々が暗いセグメントを感知するが、明るいセグメント及び暗いセグメ
ントを1つずつ感知しないように、サイズ決めされてもよい。あるいは、光学センサ15
02、1504は、光学センサが各々同一タイプのセグメントを感知するように、PCB
204にて離間されてもよい。さらに代替的に、各々の光学センサ1502、1504が
異なるタイプのセグメントを感知するように、セグメントがサイズ決めされてもよく、且
つ/又は光学センサ1502、1504が離間されてもよい。
【0057】
図16A及び16Bは、例示的な実施形態における、レーシングエンジン1200のレ
ーシングエンジン筐体1600及び蓋1602を示す図である。レーシングエンジン筐体
1600及び蓋1602は、各々図2のブロック図の筐体103及び蓋104として利用
されてもよい。レーシングエンジン筐体1600は、レーシングエンジン1200又は任
意の適切なレーシングエンジンを収容するようにサイズ決めされ得る。レーシングエンジ
ン筐体1600は、タブ1604を含み、タブ1604は、例えばスナップ嵌めを介して
、蓋1602のピン1606と嵌合して、蓋1602が筐体1600に対して回転し得る
ヒンジ1608を形成する。
【0058】
図16Aは、開放構成における蓋1602を示しており、スプール1300が露出し、
レース238(図示せず)がレース溝1302にアクセス可能又は配置可能である。図1
6Bは、閉鎖構成における蓋1602を示しており、タブ1610が、筐体1600の側
部1612の所定の位置にスナップ留めされる。閉鎖構成では、蓋1602は、レース溝
1302にレース238を拘束しやすくなる。
【0059】
筐体1600及び蓋1602は、適宜、プラスチック又は他のポリマー及び金属を含む
任意の適切な材料から製造され得る。筐体1600は、及び/又は筐体1600及び蓋1
602は共に、湿気又は汗などの環境条件から、並びに、衝撃及び機械的応力を含む筐体
1600に対して及ぼされ得る力から、レーシングエンジン1200を少なくとも部分的
に隔離させ得る。筐体1600は、環境的な隔離を提供し得る、スリーブ又は他の構造に
配置されてもよい。
【0060】
図示されるように、筐体1600は、LED208から放射される光が筐体1600の
外側で視認可能にするために、開口1612を含む。図示例では、開口1612のうちの
2つは、タブ1610と整列する。
【0061】
図17は、様々な実施例における、レーシングエンジン102又はレーシングエンジン
1200を含むフットウェア製品1700の側面図である。フットウェア製品1700は
、フットウェア製品198の具体的であるが非限定的な実施例であってもよい。
【0062】
フットウェア製品1700は、フォアフット部1702と、ヒール部1704と、ミッ
ドソール1708に切り欠きセグメント1706とを有するソールを含む。筐体1600
内に配置されたレーシングエンジン1200は、切り欠きセグメント1706に配置され
てもよく、ギャップ1710は、ミッドソール1708を介して、内側及び外側方向への
視認性を提供する。トレッド1712又は他の細長い部材がフォアフット部1702、ミ
ッドソール1708及びヒール部1704を横切って延在し、フットウェア製品1700
が置かれ得る面との摩擦を生じさせる。
【0063】
図示例では、切り欠きセグメント1706は、筐体1600と外部環境条件との間に、
少なくとも部分的に半透明なフィルム1714又は他のバリアを含む。筐体1600がス
リーブ内に封入される実施例では、スリーブが、同様に少なくとも部分的に半透明であっ
てもよい。LED208により放射される光の輝きは、フィルム1714を通して視認可
能である。様々な実施例において、フィルム1714は、LED208からの光の拡散を
提供して、LED208単独で得られるものよりも、LED208により放射される光の
更なる拡散を提供することができる。
【0064】
上述した構造に加えて、フットウェア製品1700は、レース238が通され得るアッ
パー1716を含む、様々な追加の構造を備える。図示されるように、アッパー1716
は、ニットテキスタイル、皮革などのテキスタイルを含む、構造的又は美的な目的のため
に所望される任意の材料から構成され得る、外殻1718を含む。
【0065】
図18は、例示的な実施形態における、フットウェア製品1700のレーシングアーキ
テクチャを示す図である。レーシングアーキテクチャは、説明の目的で取り除かれた外殻
1718と、アッパー1716の内側構造1800との間に配置され得る。内側構造18
00は、概して、アッパー1716の構造的な剛性のある程度の尺度を提供し得る。図示
されるように、内側構造1800は、ヒールストラップ1802、ミッドフットフラップ
1804、及びスロートフラップ1806を含み、これらは、全て皮革又は合成皮革など
の比較的構造的に剛性のある材料、及び内側構造1800の他の構成要素の間に延在する
テキスタイル部分から製造される。図から分かるように、スロートフラップ1806は、
つま先領域1812に近接した接続点1810を有するが、レース238の張力の大きさ
に基づいて、接続点1810の周りで少なくとも部分的に揺動することができる。
【0066】
レーシングアーキテクチャは、レース238が通されるレースガイドを含む。レース2
38は、レーシングエンジン1200を出た後、ミッドフットフラップ1804の開口1
814を通過すると、ヒールストラップ1802の第1のレースガイド1816、スロー
トフラップ1806の遠位端1819の第2のレースガイド1818、ミッドフットフラ
ップ1804の第3のレースガイド1820、及びスロートフラップ1806の基端18
24の第4のレースガイド1822を通過する。レース238は、ミッドフットフラップ
1804上でアッパー1716に固定される。
【0067】
レースガイド1816、1818、1820、1822は、レース238をレースガイ
ド1816、1818、1820、1822に保持しつつ、例えばレーシングエンジン1
200によってレース238に張力が加えられたときに、レース238がレースガイド1
816、1818、1820、1822を通ってスライドできるような、任意の好適な構
成で製造されてもよい。図示例では、レースガイド1816、1818、1820、18
22は、枢動式のレースガイドであり、2つの平行ディスクの間の中心軸上に、レースガ
イド1816、1818、1820、1822のうちの他の1つに向きを変えるためにレ
ース238が湾曲する、柱部を有する。枢動式は、任意で回転可能とすることができ、例
えば滑車のように、輪軸構造(wheel-and-axel construction)を組み込むことができる
。例えば滑車の中心軸から離れて配置された第2の柱部などの、拘束部材は、レース23
8が中心柱部と第2の柱部との間に通されるとき、レース238をレースガイド1816
、1818、1820、1822に拘束し得る。
【0068】
レーシングアーキテクチャは、フットウェア製品1700の外側から描かれているが、
同一又は類似のパターンがフットウェア製品1700の内側で繰り返されてもよいことは
認識及び理解されよう。あるいは、内側は異なるパターンを有してもよい。
【0069】
図19A及び図19Bは、例示的な実施形態における、代替のレーシングアーキテクチ
ャを示す図である。当該レーシングアーキテクチャは、図18の実施例と同様のルーティ
ングパターンを含むが、異なるレースガイドを有する。レースガイドは、スロートフラッ
プ1806に配置された不織布ループレースガイド1900と、ミッドフットフラップ1
804、スロートフラップ1806、及びヒールストラップ1802に配置された細管レ
ースガイド1902、1904、1906とを含む。レース238は、開口1814を介
してレーシングエンジン1200にアクセスし、ミッドフットフラップ1804に固定さ
れる。
【0070】
図20は、例示的な実施形態における、レーシングアーキテクチャの線画である。レー
シングアーキテクチャは、フットウェア製品1700のアッパーとして、或いは任意の好
適なフットウェア製品198の一部として利用され得るアッパー2000上に描かれてい
る。アッパー2000は、アッパー1716と同様であるが、以下に記載される相違点を
有する。アッパー2000は、ヒールストラップ2002、内側ミッドフットフラップ2
004、外側ミッドフットフラップ2006、及びスロートフラップ2008を含む。レ
ース238は、開口2010を介してレーシングエンジン1200を出て、各側で、ヒー
ルストラップ2002の第1のレースガイド2012、スロートフラップ2008の遠位
端の第2のレースガイド2014、各々のミッドフットフラップ2004、2006の第
3のレースガイド2016、スロートフラップ2008の中央領域の第4のレースガイド
2018、各々のミッドフットフラップ2004、2006の第5のレースガイド202
0を通り、最後にスロートフラップ2008の基端に固定される。アッパー2000は、
任意で、第1のレースガイド2012と第2のレースガイド2014との間に中間レース
ガイド2022を更に含んでもよい。
【0071】
レース238は、内側2024のレーシングアーキテクチャの全長にわたって走るよう
に描かれているが、レース238は、構成要素の明確にする目的から、外側2026のレ
ーシングアーキテクチャの多くにおいて省略されていることに留意されたい。様々なレー
スガイドは、任意の適切なレースガイドであってもよい。図示されるように、第1、第3
、及び第5のレースガイド2012、2016、2020は、不織布ループであり、第2
、第4、及び中間レースガイド2014、2018、2022は、細管レースガイドであ
る。しかしながら、レースガイド2012、2014、2016、2018、2020、
2022の一部又は全部は、本明細書で開示される任意のレースガイドタイプとされ得る
ことは認識及び理解されよう。
【0072】
実施例
実施例1では、フットウェア製品は、足に対する上部のフィットを調節するためのレー
スを含む上部と、ミッドソール及びアウトソールを含む下部であって、ミッドソールで上
部に連結された下部と、レーシングエンジンキャビティに取り外し可能で受容可能なレー
シングエンジンと、を含み、レーシングエンジンは、モータと、モータと動作可能に連結
されたトランスミッションと、トランスミッションと動作可能に連結されたレーススプー
ルであって、レーススプールの上面にあるトップレース溝と、円周方向チャンネルとを含
み、レースが、トップレース溝に挿入され、モータ及びトランスミッションの動作による
レーススプールの回転に基づいて円周方向チャンネルの周囲に巻き取られるように構成さ
れた、レーススプールと、レーススプールをトランスミッションに連結するように構成さ
れ、上面を介してレーススプールに挿入された締め具であって、トップレース溝を部分的
に覆うのに十分なヘッド幅を有するヘッドを有し、レースの厚さ未満のギャップ幅を有す
るトップギャップを残す、締め具と、を含む。
【0073】
実施例2では、実施例1のフットウェア製品は、任意で、ヘッドがトップレース溝の湾
曲部と整列して部分的に覆う円形を有することを更に含む。
【0074】
実施例3では、実施例1及び2のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で
、トップレース溝がレーススプールの端部と湾曲部との間に直線部を含むことを更に含む
【0075】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で、
レースがトップレース溝の直線部でトップレース溝に入ることを更に含む。
【0076】
実施例5では、実施例1~4のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で、
上面が2つの切頭端部の間に2つの丸みを帯びた端部を含み、トップレース溝が2つの丸
みを帯びた端部の間に延在することを更に含む。
【0077】
実施例6では、実施例1~5のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で、
レーススプールがボトムフランジを更に備え、円周方向チャンネルがボトムフランジと上
面との間に形成されることを更に含む。
【0078】
実施例7では、実施例1~6のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で、
締め具がねじであることを更に含む。
【0079】
実施例8では、レーシングエンジンは、モータと、モータと動作可能に連結されたトラ
ンスミッションと、トランスミッションと動作可能に連結されたレーススプールであって
、レーススプールの上面にあるトップレース溝と、円周方向チャンネルとを含み、レース
が、トップレース溝に挿入され、モータ及びトランスミッションの動作によるレーススプ
ールの回転に基づいて円周方向チャンネルの周囲に巻き取られるように構成された、レー
ススプールと、レーススプールをトランスミッションに連結するように構成され、上面を
介してレーススプールに挿入された締め具であって、トップレース溝を部分的に覆うのに
十分なヘッド幅を有するヘッドを有し、レースの厚さ未満のギャップ幅を有するトップギ
ャップを残す、締め具と、含む。
【0080】
実施例9では、実施例8のレーシングエンジンは、任意で、ヘッドがトップレース溝の
湾曲部と整列して部分的に覆う円形を有することを更に含む。
【0081】
実施例10では、実施例8又は9のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、任
意で、トップレース溝がレーススプールの端部と湾曲部との間に直線部を含むことを更に
含む。
【0082】
実施例11では、実施例8~10のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、任
意で、レースがトップレース溝の直線部でトップレース溝に入ることを更に含む。
【0083】
実施例12では、実施例8~11のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、任
意で、上面が2つの切頭端部の間に2つの丸みを帯びた端部を含み、トップレース溝が2
つの丸みを帯びた端部の間に延在することを更に含む。
【0084】
実施例13では、実施例8~12のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、任
意で、レーススプールがボトムフランジを更に備え、円周方向チャンネルがボトムフラン
ジと上面との間に形成されることを更に含む。
【0085】
実施例14では、実施例8~13のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、任
意で、締め具がねじであることを更に含む。
【0086】
実施例15では、フットウェア製品のためのレーシングエンジンを製造する方法は、ト
ランスミッションをモータと動作可能に連結することと、レーススプールをトランスミッ
ションに締め具で動作可能に連結することと、を含み、レーススプールは、レーススプー
ルの上面にあるトップレース溝と、円周方向チャンネルとを含み、レースは、トップレー
ス溝に挿入され、モータ及びトランスミッションの動作によるレーススプールの回転に基
づいて円周方向チャンネルの周囲に巻き取られるように構成されており、前記締め具は、
前記上面を介して前記レーススプールに挿入され、前記締め具は、前記トップレース溝を
部分的に覆うのに十分なヘッド幅を有するヘッドを有し、前記レースの厚さ未満のギャッ
プ幅を有するトップギャップを残す。
【0087】
実施例16では、実施例15のレーシングエンジンは、任意で、ヘッドがトップレース
溝の湾曲部と整列して部分的に覆う円形を有することを更に含む。
【0088】
実施例17では、実施例15又は16のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは
、任意で、トップレース溝がレーススプールの端部と湾曲部との間に直線部を含むことを
更に含む。
【0089】
実施例18では、実施例15~17のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、
任意で、レースがトップレース溝の直線部でトップレース溝に入ることを更に含む。
【0090】
実施例19では、実施例15~18のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、
任意で、上面が2つの切頭端部の間に2つの丸みを帯びた端部を含み、トップレース溝が
2つの丸みを帯びた端部の間に延在することを更に含む。
【0091】
実施例20では、実施例15~19のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、
任意で、レーススプールがボトムフランジを更に備え、円周方向チャンネルがボトムフラ
ンジと上面との間に形成されることを更に含む。
【0092】
実施例21では、実施例15~20のいずれか1つ又は複数のレーシングエンジンは、
任意で、締め具がねじであることを更に含む。
【0093】
本明細書を通じて、1つのインスタンスとして説明した構成要素、動作、又は構造を複
数のインスタンスによって実装することができる。1つ又は複数の方法の個々の動作は個
別の動作として図示及び説明されているが、1つ又は複数の個々の動作は同時に実行され
てもよく、動作が図示の順序で実行される必要はない。例示的な構成において個別の構成
要素として提示された構造及び機能は、組み合わされた構造又は構成要素として実装され
てもよい。同様に、1つの構成要素として提示された構造及び機能は、個別の構成要素と
して実装されてもよい。これらの及び他の変形、修正、追加、及び改善は、本明細書の主
題の範囲内にある。
【0094】
本明細書では、特定の実施形態が、ロジック、或いは複数の構成要素、モジュール、又
はメカニズムを含むものとして記載されている。モジュールは、ソフトウェアモジュール
(例えば、機械可読媒体又は伝送信号に実装されるコード)又はハードウェアモジュール
のいずれかを構成してもよい。「ハードウェアモジュール」は、特定の動作を実行可能な
有形のユニットであり、特定の物理的な方法で構成又は配置され得る。様々な例示的な実
施形態では、1つ又は複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュー
タシステム、クライアントコンピュータシステム、又はサーバコンピュータシステム)又
はコンピュータシステムの1つ又は複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ
又はプロセッサのグループ)は、本明細書で説明されるような特定の動作を実行するよう
に動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリケーション又
はアプリケーション部分)によって構成され得る。
【0095】
ある実施形態では、ハードウェアモジュールは、電子的に、機械的に、又はこれらの任
意の適切な組み合わせにより実現され得る。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の
動作を実行するように恒久的に構成された専用の回路又はロジックを含んでもよい。例え
ば、ハードウェアモジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又
はASICなどの専用プロセッサであってもよい。ハードウェアモジュールは、特定の動
作を実行するためにソフトウェアによって一時的に構成される、プログラム可能なロジッ
ク又は回路を含んでもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、汎用プロセッサ又は他
のプログラム可能なプロセッサに含まれるソフトウェアを含んでもよい。ハードウェアモ
ジュールを機械的に専用の恒久的に構成された回路で実装するか、或いは一時的に構成さ
れた(例えば、ソフトウェアで構成された)回路で実装するかの判断は、コスト及び時間
の考慮により行われてもよい。
【0096】
したがって、「ハードウェアモジュール」という用語は、有形エンティティを包含する
と理解されるべきであり、物理的に構成され、恒久的に構成され(例えば、ハードワイヤ
ード)、或いは一時的に構成され(例えば、プログラムされ)、本明細書に記載されるよ
うに、一定の方法で動作し、或いは、所定の動作を実行するエンティティであると理解さ
れるべきである。本明細書において、「ハードウェア実装モジュール」は、ハードウェア
モジュールを指す。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラム
される)実施形態を考慮すると、各々のハードウェアモジュールは、必ずしも、任意の1
つのインスタンスで構成又はインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェアモ
ジュールが、専用プロセッサになるようにソフトウェアによって構成された汎用プロセッ
サを含む場合、汎用プロセッサは、様々な時点において、それぞれ異なる専用プロセッサ
として(例えば、異なるハードウェアモジュールを含むものとして)構成され得る。した
がって、ソフトウェアは、プロセッサに、例えば、ある時点では特定のハードウェアモジ
ュールを構成させ、異なる時点では異なるハードウェアモジュールを構成させることがで
きる。
【0097】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに対して、情報を提供し、情
報を受信することができる。したがって、説明されたハードウェアモジュールは、通信可
能に接続されていると見なすことができる。複数のハードウェアモジュールが同時に存在
する場合、2つ以上のハードウェアモジュール間での(例えば、適切な回路及びバスを介
した)信号送信によって通信が実現されてもよい。複数のハードウェアモジュールが異な
る時点に構成又はインスタンス化される実施形態では、これらのハードウェアモジュール
間の通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造内への情
報の格納及び取得を通じて達成されてもよい。例えば、あるハードウェアモジュールが、
ある動作を実行し、その動作の出力を、通信可能に接続されたメモリデバイスに格納して
もよい。それから、更なるハードウェアモジュールが、後で、メモリデバイスにアクセス
して、格納された出力を取得し、処理してもよい。ハードウェアモジュールは、入力又は
出力デバイスとの通信を開始することもでき、リソース(例えば、情報のコレクション)
を操作することができる。
【0098】
本明細書に記載された例示的な方法の様々な動作は、(例えば、ソフトウェアによって
)一時的に構成された、或いは関連する動作を実行するように恒久的に構成された、1つ
の又は複数のプロセッサによって、少なくとも部分的に、実行されてもよい。一時的に構
成されているか又は恒久的に構成されているかに関わらず、これらのプロセッサは、本明
細書で説明される1つ又は複数の動作又は機能を実行するように動作するプロセッサ実装
モジュールを構成することができる。本明細書では、「プロセッサ実装モジュール」は、
1つ又は複数のプロセッサを使用して実装されたハードウェアモジュールを指す。
【0099】
同様に、本明細書に記載された方法は、ハードウェアの一例としてプロセッサに、少な
くとも部分的に実装されてもよい。例えば、方法の動作の少なくとも一部は、1つ又は複
数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールによって実行され得る。さらに、1つ又は
複数のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境において、或いは「ソフトウ
ェアアズアサービス」(SaaS)として、関連する動作の実行をサポートするように動
作してもよい。例えば、少なくとも一部の動作は、(プロセッサを含むマシンの一例とし
て)コンピュータのグループによって実行されもよく、これらの動作は、(インターネッ
トなどの)ネットワーク及び(アプリケーションプログラムインタフェース(API)な
どの)1つ又は複数の適切なインタフェースによってアクセスされてもよい。
【0100】
特定の動作の実行は、1つ又は複数のプロセッサの間で分散されてもよく、1つのマシ
ン内に存在するだけでなく、複数のマシンを横断して配置されてもよい。ある例示的な実
施形態では、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、(家庭環境、
オフィス環境、又はサーバファーム内などの)1つの地理的場所に配置されてもよい。他
の例示的な実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、
複数の地理的場所にわたって分散されてもよい。
【0101】
本明細書のいくつかの部分は、(コンピュータメモリなどの)マシンのメモリ内にビッ
ト又はバイナリデジタル信号として格納されたデータに対する動作のアルゴリズム又は記
号表現として提示さている。これらのアルゴリズム又は記号表現は、データ処理分野にお
いて、当業者が自分たちの仕事の内容を他の当業者に伝えるために使用する技法の例であ
る。本明細書において、「アルゴリズム」は、所望の結果をもたらす首尾一貫した一連の
動作又は同様の処理である。このコンテキストでは、アルゴリズム及び操作には物理量の
物理的な操作が含まれる。通常、必ずしもそうではないが、これらの量は、マシンによっ
て、記憶、アクセス、転送、結合、比較、或いは操作可能な、電気的、磁気的又は光学的
信号の形をとり得る。主に一般的な使用の理由から、「データ」、「コンテンツ」、「ビ
ット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数」、「数量」などの単
語を使用して、これらの信号を参照することが便利な場合がある。ただし、これらの単語
は、便利なラベルにすぎず、適切な物理量に関連付けられている。
【0102】
特に明記しない限り、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「判定」、「提
示」、「表示」などの単語を用いた本明細書の説明は、1つ又は複数の(揮発性メモリ、
不揮発性メモリ、又はこれらの適切な組み合わせなど)メモリ、レジスタ、或いは情報を
受信、保存、送信、又は表示するその他のマシンの構成要素にて、物理(例えば、電子、
磁気、又は光学)量として表されるデータを操作又は変換する(コンピュータなどの)マ
シンの処理を指し得る。さらに、特に明記しない限り、本明細書において、「a」又は「a
n」という用語は、特許文書で一般的であるように、1つ又は複数のインスタンスを含む
。最後に、本明細書において、特に明記しない限り、「又は」という用語は、非排他的な
「又は」を指す。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図9
図10-1】
図10-2】
図11
図12-1】
図12-2】
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【外国語明細書】