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特開2022-101605交換可能な装飾面付きの適応型ホイールアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101605
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】交換可能な装飾面付きの適応型ホイールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60B 3/02 20060101AFI20220629BHJP
   B60B 1/06 20060101ALI20220629BHJP
   B60B 7/02 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B60B3/02
B60B1/06
B60B7/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066030
(22)【出願日】2022-04-13
(62)【分割の表示】P 2021538454の分割
【原出願日】2020-01-02
(31)【優先権主張番号】62/787,583
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521285849
【氏名又は名称】ラベロ,マイケル
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラベロ,マイケル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装飾デザインの可能性を指数的に高め、OEMおよび消費者すなわちエンドユーザの双方は、費用のかさむ再投資をすることなくトレンドに追随することが可能になる一体型ホイールデザインおよび構造を提供する。
【解決手段】ホイールアセンブリは、模擬センターロックホイールの外観を実現し、それは、装飾面プレートとセンターハブアタッチメントデバイスの交換が同様に可能であり、自動車愛好者がセンターロックホイールの外観を維持しながらめいめいの自動車のホイールの外観を容易に変更することが可能である。アセンブリは、3つのコンポーネントである、ベースホイール、複数の装飾面プレート、およびハブまたは装飾面プレートのいずれか1つから延びるセンターハブアタッチメントを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両で複数の装飾面プレートとともに使用するためのホイールアセンブリであって、
内部を囲む円環状の側壁を有し、前記側壁が第1端部および第2端部を有する胴と、
前記胴の内部の前記側壁に取り付けられるハブであって、前記ハブおよび前記胴を前記車両に連結可能な複数の開口部を有するハブと、
前記ハブの中心に配置され、着脱自在な係合において1つ以上の前記装飾面プレートを受け付け可能なセンターポストを有するアタッチメントデバイスと、を備えるホイールアセンブリ。
【請求項2】
前記胴が、長手軸を有する長手軸ボアを有し、前記ハブは、前記長手軸に沿って前記胴の前記第1端部へ向けてオフセットされている、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項3】
前記ハブが、取付けポイントを有し、前記アタッチメントデバイスは、前記ハブの前記取付けポイントに取り付けられている、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項4】
前記アタッチメントデバイスが、前記ホイールアセンブリが前記車両に搭載される際、いかなる車両の重量も支持しない、請求項3に記載のホイールアセンブリ。
【請求項5】
前記アタッチメントデバイスから延びている前記センターポストが、1つ以上の前記装飾面プレートを前記センターポストに固定する手段を有する、請求項4に記載のホイールアセンブリ。
【請求項6】
前記センターポストが、外面と、前記外面を囲む環状のショルダと、を有し、
前記環状のショルダは、前記センターポストの長手軸に垂直な面を有し、
前記面は、前記装飾面プレートに対して支持するようなサイズおよび形状とされている、請求項4に記載のホイールアセンブリ。
【請求項7】
前記アタッチメントデバイスが、前記ハブに一体に形成されている、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項8】
前記アタッチメントデバイスが、前記ハブにキー結合され、前記ハブに締結具で取り付けられている、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項9】
前記ハブが、複数のスポークで前記胴に取り付けられている、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項10】
前記ハブが、開口部のない中実な外接プレートで前記胴に取り付けられている、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項11】
前記車両に取り付け可能で、前記車両に前記ハブを連結するために前記ハブを収容可能なスペーサーを更に備える、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項12】
ホイールのアタッチメントのためのラグを有する車両で使用されるホイールアセンブリであって、
中空内部を囲む内面を有する側壁を有し、前記側壁が第1の環状の端部および第2の環状の端部を有する胴と、
前記胴に位置付けられて取り付けられて前記胴の内部の中心に配置されたハブであって、外部側および内部側を有し、前記ハブおよび前記胴を前記車両に取り付けるために、前記ラグ上で受け付けられるようなサイズおよび形状とされた複数の開口部を有するハブと、
前記ハブの少なくとも一部と前記胴の内面の一部とをカバーするために、前記ハブおよび前記胴の少なくとも1つに着脱可能に連結されるようなサイズおよび形状とされている装飾面プレートと、を備えるホイールアセンブリ。
【請求項13】
前記胴の内部の中心に配置されるために前記ハブに取り付けられ、少なくとも1つの装飾面プレートを前記ハブに着脱可能に連結するようなサイズおよび形状とされたポストを伴うセンターアタッチメントデバイスを更に備える、請求項12に記載のホイールアセンブリ。
【請求項14】
前記胴が、長手軸を有する長手軸ボアを有し、前記ハブは、前記長手軸に沿って前記胴の前記第1端部へ向けて前記胴でオフセットされている、請求項13に記載のホイールアセンブリ。
【請求項15】
前記センターアタッチメントデバイスが、前記ハブにキー結合され、前記ハブに締結具で取り付けられている、請求項13に記載のホイールアセンブリ。
【請求項16】
前記ハブが、複数のスポークで前記胴に取り付けられる、請求項13に記載のホイールアセンブリ。
【請求項17】
複数のラグを有する車両であって、
中空内部を囲む内面を有する側壁を有する胴であって、開いた第1端部と、前記胴の内部を介して前記開いた第1端部と連通する開いた第2端部と、をさらに有する胴と、
前記胴の内部に位置し、外部側および内部側を有するハブであって、各ラグの全体に亘って受け付けられ、前記ハブおよび前記胴を前記車両に取り付けるようなサイズおよび形状とされた複数の開口部を有するハブと、
前記ハブの少なくとも一部と、前記ハブの前記外部側の前記胴の内面の少なくとも一部とをカバーするために、前記ハブおよび前記胴の少なくとも1つに着脱可能に連結されるようなサイズおよび形状とされている装飾面プレートと、を有するホイールアセンブリを備える車両。
【請求項18】
前記ハブに取り付け可能なポストを備えたアタッチメントデバイスを更に備える、請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記胴が、長手軸を有する長手軸ボアを有し、前記ハブは、前記長手軸に沿って前記胴の前記第1端部へ向けてオフセットされている、請求項18に記載の車両。
【請求項20】
前記アタッチメントデバイスが、前記ハブにキー結合され、前記ハブに締結具で連結されている、請求項18に記載の車両。
【請求項21】
前記ハブが、複数のスポークで前記胴に連結されている、請求項18に記載の車両。
【請求項22】
前記ハブが、前記装飾面プレートおよび前記胴の間で形成される凹凸レベルを選択可能であるように、前記装飾面プレートを前記胴内の選択した位置に配置可能である複数の取付けポイントを有する、請求項17に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ホイールに関し、より具体的には、交換可能な装飾ホイール面用の適応型アタッチメントシステムを提供するホイールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のホイール産業は、依然として自動車のデザイン、機能性およびカスタマイズに不可欠な部分であり続けている。一体型ホイールのアイデアは、ホイール産業を悩ませている技術革新の欠如と、消費者による完全カスタマイズが可能なホイールを十二分に組み込もうという機会によって生み出された。自動車のホイール市場は、変化する消費者のスタイルトレンドおよび需要のバランスを取る中で、より厳しい政府の基準を満たさなければならない。現在のホイール市場は、数十億ドル規模の産業であり、アフターマーケットエンドユーザによって複合化されたOEMエンドユーザで占められている。この分野における技術革新は、所望される審美的な特性を保ちつつ、ばね下重量または回転質量を減らす必要性を鑑みると、ますます重要になってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、一体型ホイールデザインおよび構造を対象にする。このデザインおよび構造はホイールによるすべての態様における利点を最大限に活かすもので、オフセット、凹面、直径、および軽量化の最大化を可能にして、あるアプリケーションにおいて円形速度の最大化をもたらす。本開示は、所望される装飾的な性質を犠牲にすることなく、製造コストを低減する。実際、装飾デザインの可能性を指数的に高め、OEMおよび消費者すなわちエンドユーザの双方は、費用のかさむ再投資をすることなくトレンドに追随することが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の別の態様において、マルチピースホイールアセンブリが提供され、装飾面またはハブ自体の交換をまた可能にする適応型ハブアタッチメントを具現化する。このアセンブリにより、自動車愛好者は、各自の自動車のホイールの外観を容易に変更可能となる。適応型ハブアタッチメントにより、センターロックホイールの外観の見栄えを装うこと、または、それをホイール自体のデザインに具現化することが可能となる。アセンブリは、一実施態様において、装飾面を支持するようデザインされたベースホイール、交換可能な装飾面プレート、および装飾面プレートをベースホイールに取り付けるアタッチメントアセンブリを有する。
【0005】
本開示の別の態様において、スリーピースタイプのホイールアセンブリが提供され、シミュレートされたセンターロックホイールの外観を提供し、装飾センターハブアタッチメントの交換をも可能とする。このアセンブリにより、自動車愛好者は、センターロックホイールの外観を維持しつつ、各自の自動車のホイールの外観を容易に変更することができる。
【0006】
アセンブリは、一実施態様において、ベースホイール、交換可能な装飾面プレート、および装飾面プレートをベースホイールに取り付けるためのアタッチメントアセンブリを有する。
【0007】
本開示の別の態様において、ホイールアセンブリは、3つのコンポーネントである、ベースホイール、センターラグコンバージョン(center lug conversion)、および少なくとも1つのおよび好ましくは複数の交換可能なセンターハブアタッチメント、すなわち装飾面プレートを有する。
【0008】
本開示の別の態様において、ベースホイールは、標準の5ラグアタッチメントを有するものの、4または1ラグ構成であっても対応可能である。さらに、このベースホイールは、1つの実施態様においては、深いオフセットを有することが可能で、それにより様々なアタッチメント用に複数の外部スペースを提供している。ベースホイールは、軽量化のため、出来る限り少量の材料を有することになる。それは、薄型のスポークおよびよりブレードに似た形状を有するスポークを含み、これらに限定されず、軽量で強度および安定性を主眼に構成される複数のデザインを取り入れることできる。
【0009】
本開示のさらなる態様において、適応型センターラグコンバージョンデバイスは、ベースホイールのセンターハブに後方から取り付けられて外向きに延びている。適応型ハブセンターラグコンバージョンデバイスは、外観のみのためであり、車両の重量は支持しない。
【0010】
本開示のさらに別の態様において、センターハブアタッチメントまたは装飾面プレートは、装飾面および取付けポイントを製作する従来の方式から離れているので、ハブキャップ、美装リム、またはホイールカバーとは異なる。装飾面は、ベースホイールと、所望のデザインを実現するために必要とされるだけをカバーするという、その特性の利点を活かしている。これにより、ブレーキシステムを露出する開放領域を保ち、かつ、依然としてさらに真のホイールの外観を維持するデザインが可能である。ハブキャップまたは美装リムは、また、ホイールに一つの平面で密着し、これは、複数の平面を横断するデザインを組み込む前述の面と大幅に異なる。それは、また、重量荷担面として、端部装飾デザインを使用している典型的な現在のホイールとも異なる。新しい装飾面は、ベースホイールに組み込まれ、装飾面に構造および一様性を提供している。装飾面をベースホイールに組み込むことにより、複合材料のみではなく、金属面にも安定したアタッチメントを提供する。それが、堅固なロック機構を用いるセンターラグコンバージョンデバイスに取り付けられる。それが、ベースホイールに収まり、かつ、既存のスペースおよび内部の安定点とするラグナット等の構造の利用を可能とする。
【0011】
本開示のさらに別の態様において、センターハブアタッチメントまたは装飾面プレートは、ホイールキャップ、美装リム、または装飾用のみであるホイールカバーと同様である。それが、堅固なロック機構を用いるセンターラグコンバージョンデバイスに取り付けられる。
【0012】
本開示のさらなる一態様において、車両で使用され、かつ、複数の装飾面プレートとともに使用するためのホイールアセンブリが提供される。ホイールアセンブリは、内部を囲む円環状の側壁を有し、前記側壁が第1端部および第2端部を有する胴と、前記胴の内部の前記側壁に取り付けるハブであって、前記ハブおよび前記胴を前記車両に連結可能な複数の開口部を有するハブと、前記ハブの中心に配置され、着脱自在な係合において1つ以上の前記装飾面プレートを受け付け可能なセンターポストを有するアタッチメントデバイスと、を有する。
【0013】
本開示のさらなる一態様において、ホイールのアタッチメント用にラグを有する車両で使用されホイールアセンブリが実現される。ホイールアセンブリは、中空内部を囲む内面を有する側壁を有し、前記側壁が第1の環状の端部および第2の環状の端部を有する胴、前記胴に位置付けられて取り付けられて前記胴の内部の中心に配置されたハブであって、外部側と内部側とを有し、前記ハブおよび前記胴を前記車両に取り付けるために、前記ラグ上で受け付けられるようなサイズおよび形状とされた複数の開口部を有するハブと、前記ハブの少なくとも一部と前記胴の前記内面の一部とをカバーするために、前記ハブおよび前記胴の少なくとも1つに着脱可能に連結されるようなサイズおよび形状とされている装飾面プレートと、を有する。
【0014】
本開示の更になお別の態様において、複数のラグを有する車両が実現される。前記車両は、中空内部を囲む内面を有する側壁を有する胴であって、開いた第1端部と、前記胴の内部を介して前記開いた第1端部と連通する開いた第2端部と、をさらに有する胴と、前記胴の内部に位置し、外部側と内部側とを有するハブであって、各ラグの全体に亘って受け付けられ、前記ハブおよび前記胴を前記車両に取り付けるようなサイズおよび形状とされた複数の開口部を有するハブと、前記ハブの少なくとも一部と前記ハブの前記外部側の前記胴の前記内面の少なくとも一部をカバーするために、前記ハブおよび前記胴の少なくとも1つに着脱可能に連結されるようなサイズおよび形状とされている装飾面プレートと、を有するホイールアセンブリを有する。
【0015】
上記から容易に理解されるように、様々なセンターハブアタッチメントは、ユーザに選択肢を与え、いつでもアタッチメントの交換を可能とする。センターラグコンバージョンデバイスおよびセンターハブアタッチメントの組み合わせは、信頼性があるセンターラグホイールアセンブリの外観を実現する。
【0016】
本明細書において開示される組込みホイール技術は、関係者双方の関心を統合したものである。このことは、現在の製造工程を簡便化および分割することにより達成される。ベースホイールデザインの核心には、ホイールのすべての観点からの利点を活かされている。組込みホイールのデザインは、端部装飾デザインに課される典型的な制限から脱することで進歩している。現在、端部デザインは、車両の重量を維持している。ベースホイールの一体化によって、車両の重量は支えられることになる。このことは、ひいては、エンドユーザが自在にデザインを変更することを制限しないと考えられる。一体型ホイールのベースには、車両がもたらす重量および作用する力を安全に維持するために必要なだけの材料を組み込んでいる。これは、デザインの最小化、および、ホイールのハブ/センターをホイール胴に取り付ける材料を配分することにより遂行可能である。ハブ/センターの距離を変動させて、ネガティブオフセットを組み込むのであれば、これにより、ホイールの面上に、より使用可能な表面積が作られると考えられる。ホイールのセンターからの複数の取付けポイントを作成することで、ホイールの重量担持能力が分配される。取付けポイントは、わずかに角があるといったような、複数のデザインおよびバリエーションを有することができ、プロペラのようなスポークを作り、表面積を最大化し、また、ベースホイールの後部を隠す。様々な量の材料およびセンターの配分によって、また、異なる装飾デザインが完成品に適用可能ということになる。ベースホイールは、車両のハブに、従来の方式でマルチラグアタッチメントまたはセンターラグアタッチメントのどちらかを使用することで取り付ける。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の前述の及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から添付図面と併せて検討することによって、よりよく且つより容易に理解されるであろう。
図1】本開示に従って形成されるホイールアセンブリの分解不等角投影図である。
図2】組立状態にある図1のホイールアセンブリの不等角投影図である。
図3】本開示に従って装飾面の無い図1のホイールおよびハブアセンブリの代替実施形態における正面立面図である。
図4A】ホイールおよびハブアセンブリの分解断面図であり、本開示に従って胴に対するハブの3つの異なる位置を示している。
図4B】ホイールおよびハブアセンブリの分解断面図であり、本開示に従って胴に対するハブの3つの異なる位置を示している。
図4C】ホイールおよびハブアセンブリの分解断面図であり、本開示に従って胴に対するハブの3つの異なる位置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明では、ここに開示する様々な実施形態の態様の完全な理解を提供するために、幾つかの具体的な詳細事項について述べる。但し、本開示された実施形態例は、これらの具体的な詳細事項の1つ以上を欠いても、又は他の方法、コンポーネント、材料等によっても実施できることは、当業者にとって明らかである。他の例では、本開示の環境に関連した周知の構造またはコンポーネント、あるいはその両方は、これらの実施形態の不必要に不明瞭な説明を避けるために示されず、あるいは、説明されていない。たとえば、これら周知の構造またはコンポーネントは、車両上でホイールおよび関連付けられているタイヤが搭載されるホイールスピンドル、軸等の構造およびデザインを有する。同様に、本開示に従って形成されたホイールアセンブリの明瞭で遮るもののない図を提供するために、本開示のホイールアセンブリに搭載されるタイヤは、本明細書では図示されず、あるいは、説明されていない。
【0019】
明細書および以下の特許請求の範囲を通して、文脈において特段の要求がない限り、「comprise(備え)」という用語、およびその変形例、例えば、「comprises」および「comprising」は、開放された包括的意味で解釈されるべきであり、「を含むが、~に限定されるものではない」という意味のものである。前述の記載は「including(含む)」および「having(有する)」という用語に等しく適用される。
【0020】
本明細書における「一実施形態」又は「実施形態」の言及は、その実施形態に関連して記述される特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体にわたる様々な箇所で見られる「1つの実施形態において」又は「ある実施形態」という語句は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。
【0021】
「ホイール」という用語は、本明細書において使用される場合、センターハブと、それに付随し、タイヤ、典型的には、空気入りタイヤが搭載される少なくとも1つのリムとを有する胴を意味する。スポーク、これに限定されるものではないが、中間連結部材の使用といったような、胴、リムおよびハブ間の関連性に関する詳細については、以下でさらに詳しく説明する。一般的な説明によって、本明細書において記述される組込みホイール技術によって、現在の製造プロセスが簡略化および分割される。ベースホイールデザインの核心は、ホイールのすべての観点からの利点を生かしている。ベースホイールのデザインは、端部装飾デザインに課される典型的な制限から脱することで進歩している。現在、典型的な端部デザインは、車両の重量を支えている。本開示のベースホイールは、車両の重量を支える一方、エンドユーザが自在に装飾ホイール面デザインの変更が可能であることを制限しない。ベースホイールは、車両がもたらす重量および作用する力を安全に維持するのに必要とするだけの量の材料を利用する。これは、ベースホイールのデザインを最小化し、ホイール胴にホイールのハブまたはセンターを取り付ける材料を配分することにより遂行できる。ハブまたはセンターの距離を動かして、ネガティブオフセットが得られるならば、これにより、ホイールの面上により使用可能な表面積を作ると考えられる。
【0022】
ホイールのセンターから複数の取付けポイントを製造することで、ホイールの重量担持能力を分配する。取付けポイントは、わずかに角を有するといったような、複数のデザインおよびバリエーションを有することができ、プロペラのようなスポークを作り、表面積を最大化し、また、ベースホイールの後部を隠す。材料の量やセンターの配分を変更するによっても、異なる装飾デザインを完成品に適用することが可能となる(図6及び図7)。一体型ホイールは、車両のハブに、従来の方式でマルチラグアタッチメントまたはセンターラグアタッチメントのどちらかを使用して取り付ける。
【0023】
一体型ホイールのセンターは、固有の取付けポイントを使用する。それは、ホイールの初期製造プロセスに組み込み、または、ベースホイールへの統合が可能である。このセンター取付けポイントは、ベースホイールに不可欠な部分を生成する。センター取付けポイントにより、ベースホイールに異なる装飾面を取り付けるための確実な手法がもたらされる。これは、安全性と、装飾面プレートの迅速な解除および変更可能性の双方のための、締結具タイプのねじ式キャップおよびカップリングアタッチメントによって達成される。マルチラグハブの場合、ベースホイールの取り付けには、低背型のラグナットが利用される。この場合、装飾面は複数の異なる仕様にデザインすることができる。
【0024】
異なるデザインにおいては、所望によりラグを隠すことが可能で、それにより、センターラグホイールの外観が作られる。センターラグホイールは、ハブアタッチメント自体から(車両がセンターラグにハブタイプコンバージョンを使用する時)もセンター取付けポイントを組み込み、または、装飾面プレートを固定するための同一の性能を生み出すセンターラグに固定される。センターキャップおよびアタッチメントコンポーネントによって、装飾面プレートおよびホイールを窃盗から保護するためのロック機構用の空間が与えられる。これにより、より一層の安全性が追加される。装飾面プレートは、ベースホイールにマッチするホイール胴にある軽微なリッジおよび端部の挿入ポイントが付いたバッキング(backing)を有することになる。端部のリッジまたは挿入は、高回転または風の干渉時に装飾面プレートを安定させる必要がある場合に利用することができる。これは、主として面(フェース)の端部のエッジを適切に固定するためのものであり、特に、より可撓性を有する複合材料を使用する際に実装されるであろう。
【0025】
図面の示すところによれば、図1は、ホイールアセンブリ20の分解不等角投影図であり、本開示に従って形成され、車両搭載ハブ22に隣接して位置決めされる。この実施形態において、ホイールアセンブリ20は、胴部26およびホイールハブ28で形成されるベースホイール24を有する。センター取付けポイント30は、ホイールハブ28において中心に位置して、ねじ付き締結具34を使用して複数の異なる装飾面プレート32のうちの1つに取り付けることができる。
【0026】
ベースホイール24の胴部26は、胴36のそれぞれ外側および内側の外周部の周りに形成される、環状の外側リム38および環状の内側リム40を有するリング形状の胴36を有する。この実施形態におけるホイールハブ28は、外側リム38から、それがセンター取付けポイント30に達するポイントまでにおいて中実である。言い換えると、外観が皿状で、スロット等の開口部がなく、スポークまたはブレード等を有しない。但し、軽量化のためのスポーク状、ブレード状、スロット状、およびそれらの変形例をはじめとする他の構成が、ホイールハブ28に利用できることも理解されたい。同様の機構におけるそれぞれのサイズ、形状、および配置は、また、最新のスタイルおよびトレンドに基づく装飾デザインの検討事項および消費者へのアピールによって決定される場合もある。ベースホイール24の重量は、可能な限り軽量であるのが好ましいものの、外観、美観、および最新の装飾トレンドならびに消費者の嗜好に追従するかしないかを問わず、軽量化を達成するための材料の除去は依然として行って構わない。
【0027】
センター取付けポイント30は、鍛造段階において、または、製造中に適所へ溶接される時等において、ホイールハブ28と一体的に形成できる。もしくは、容易に商業的利用が可能である従来のアタッチメント方式を使用して、センターハブに着脱可能に取り付けられるため、本明細書においては詳細な説明を割愛する。センター取付けポイント30は、車両ハブ22から突出している5つの搭載ラグ44を収容できるようなサイズおよび形状とされた5つの開口部42を有する。5つのラグナット46は、従来の方法において、車両ハブ22上の適所にベースホイール24を保持するために、5つのラグ44と螺合可能に係合するために示されている。センター取付けポイント30から延びているのは、雄ねじ50を有するねじ付きポスト48である。いくつかの実施形態例において、ポストは、滑らかな外部面とともに内側にねじ溝が形成された軸状のボアである中空を有してもよく、あるいは内部軸方向のボア上の内部ねじとともに、その外部面にねじ溝が形成されてもよい。ねじ山は、右巻き方向または左巻き方向のねじ付きであっても構わない。
【0028】
装飾面プレート32は、センターアタッチメントデバイスの一形態であり、本実施形態において、複数の異なる装飾構成の1つを有することを示す。この例においては、装飾面プレート32は、5つの装飾放射状スポーク56を形成するために中央開口部54の周囲に形成される開口部52を有する。装飾面プレート32は、ベースホイール24の外側リム38内に収まるようなサイズおよび形状とされた円環状の平面形状が付いたディスク形状を有する。中央開口部54はそれ自体が、センター取付けポイント上のねじ付きポスト48に、スライド可能に収容されるようなサイズおよび形状とされており、ねじ付き締結具34により適所に保持される。装飾プラグまたはカバー58は、締結具34の中央開口部60に挿通でき、仕上り外観を形成する。プラグまたはカバー58は、締りばめで適所に保たれることができ、あるいは、より確実には、ポスト48上に螺合しても良い。装飾面プレート32がポスト48に搭載される際、5つのラグナット46を覆い、それらが外部から見えないようにすることが好ましいであろう。
【0029】
図3は、本開示のホイールアセンブリ20を使用する第1のステップを示す。ここでは、従来の方法において、5つのラグナットを使用して車両ハブに取り付けられる、ベースホイール24を正面立面図で示す。次のステップでは、図1および図2に関連して、上述の装飾面プレート32等の装飾面プレート32をベースホイール24へ搭載する。
【0030】
仕上ったアセンブリを図2に示す。本実装は、本開示のホイールアセンブリ20の構造、機能、および外観における複数のバリエーションのうちの1つであることを理解されたい。
【0031】
図4Aから4Cは、ホイールおよびハブアセンブリ80a、80b、80cの分解断面図であり、胴部86に対するセンターハブ82およびセンター取付けポイント84の3つの異なる位置を示す。図4Aにおいて、センターハブ82およびセンター取付けポイント84は、胴86の左右方向ほぼ中央より右へ、すなわち、外側リム88へ向けて、位置決めされ、ホイールアセンブリ20にネガティブオフセット(negative offset)している。図4Cにおいて、センターハブ82およびセンター取付けポイント84は、胴部86の左右方向ほぼ中央より左へ向けて、すなわち、外側リム88よりも内側リム90に近くに位置決めされ、そのホイールアセンブリにポジティブオフセット(positive offset)している。この深いオフセットは、様々なアタッチメント用の複数の外部スペースを提供する。図4Bにおいて、センターハブ82およびセンター取付けポイント86は、胴部86の実質上、横方向の中間点の位置に位置決めされる。
【0032】
図4Aから4Cに示される実施形態において、センターポスト92は、環状の外部ショルダ94を有する。一方、装飾面プレート32は、環状の内部ショルダ96を有し、それは、ポスト92の環状の外部ショルダ94上に亘ってスライド可能に収容されるようなサイズおよび形状とされている。これにより、ポスト92上に装飾面プレート32をセンタリングすることを補助し、特に、ホイールアセンブリ80a、80b、80cの高速回転時に、装飾面プレート32をポスト92上に誘導し、装飾面プレート32をポスト92上に安定させる堅固なスライド式係合をもたらす。
【0033】
これに加えて、センター取付けポイント84は、ショルダ94の内部に環状のチャンネル98を有し、これは、装飾面プレート32の内部側から延びている環状のカラー100が収容されるようなサイズおよび形状とされている。装飾面プレート32がポスト92上に装着され、ショルダ94の上に滑着される際、環状のネック100は、環状のチャンネル98の内側にスライド可能に収容され、装着および利用する際の装飾面プレート32の位置決めにおいて、より安定性をもたらすことになる。
【0034】
上記から容易に理解されるように、ベースホイールは、より容易に製造され、簡単に再現可能であると考えられる。このことは、オフセット、直径および剛性の仕様用の工具の変更のみを必要とし、製造コストを削減すると考えられる。また、製造プロセスの環境フットプリントも低減すると考えられる。ベースホイールに適用される製造プロセスは、鍛造、鋳造、マルチピースおよびフローフォーミング等、複数のタイプがあり、とりわけ、所望の構造的性能を達成するものである。軽量化構造を生成するために、アルミニウム、マグネシウム、または、複合材料型炭素繊維等、異なるタイプの材料が同様に使用可能である。ベースホイール技術によって、利用される材料または工程にかかわらず、実質的にベースホイール全体の重量が削減される。このことは、ひいては、ホイールのばね下重量を減らし、性能/ハンドリング性を高め、燃費を向上させることになる。任意の時点において、ホイールをその最軽量で走行させたい時に必要となるのは、エンドユーザによるオーナメントおよびセンターアタッチメントキャップの取り外しのみであると考えられる。ベースホイールは、車両の重量を支えるのに実質的に最少量の材料を使用している。従って、ベースホイールは、最も軽量でありかつ安全に製作することができる。ベースホイールは、現在のデザインに依然として従いながらも、所望する装飾的な特徴を装うことができ、外観的に魅せる、軽量化された最終製品にすることができる。ベースホイールは、ベースホイールの取付けポイント(スポーク)の間隔を取ることで、車両のキャリパおよびローターを可視化するといったような、これらの望ましいデザイン上の特徴を不朽のものにしているということで際立っている。このことは、カスタマイズの世界における美しさに加え、これらのコンポーネントの所望される可視化および性能領域におけるブレーキシステムの冷却を可能とするものである。
【0035】
ホイールのセンターアタッチメントによって、カスタマイズの可能性が新しいレベルへ推し進められる。ベースホイールをスプリングボードとして利用することで、ホイール全体を利用する方法論の新しい可能性がもたらされる。凹形(ネガティブ)の外観のオフセットからよりニュートラルへ、または、プラスの外観へ変更するのは容易である。解除カップリングボタンを押し下げてキャップを緩め、装飾面プレートを入れ替えて行う(図10)。自動車のホイール分野において、ホイールの外観を変更できることは、歓迎される、かつ、長い間待ち望まれていた技術革新である。この一体型ホイール技術は、容易に交換可能なホイール面を作成するコストの削減を促進すると考えられる。これにより、廃棄物および新しいホイール一体を製造するのに要する製品の量を削減すると考えられる。このことは、また、ホイールの面を備えるために、通常は、異なる仕上がりおよび色合いを得るために複数の機械加工が必要と考えられる、複合材料または金属といったような異なるタイプの材料を使用することにもつながる。
【0036】
組込みホイール技術は、自動車のホイール産業の複数の側面を革新する可能性を有している。ベースホイールは、面(フェース)や色合いを容易に取り換えおよび変更可能にし、ベースホイール上に複数のデザインを配置できる。このことは、耐荷重面または移動コンポーネント無しに達成されることができる。センターラグ/キャップにも異なるデザインおよび色を組み込んでカスタマイズを行うことができる。異なるタイプの材料は、仕上がりにフレアを加え、複合材料は、軽量化において極めて重要な役割を担う。この互換性というコンセプトは、ホイール産業に新しい動きを添える。このタイプのカスタマイズ性能は、OEMおよびエンドユーザの双方にとって有益となろう。
【0037】
上述の様々な実施形態の態様は結合させることが可能であり、更なる実施形態を提供する。一層更なる実施形態を提供するために、必要に応じて、様々な特許、出願および公報のコンセプトを採用し、実施形態の態様を変形することができる。
【0038】
たとえば、装飾面プレート32は、ポスト上の適所にロックをするロック機構を伴った一体として実現できる。これにより、装着および除去が容易なスナップ式バージョンを有することができる。
【0039】
これらおよび他の変更は、先に記載された記載に照らして本実施形態に行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、明細書および特許請求の範囲に開示されている特定の実施形態に特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきでなく、そのような特許請求の範囲に権利が与えられる等価物の全範囲と共に、可能な実施形態すべてを含むものと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は、開示によって限定されない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
【手続補正書】
【提出日】2022-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両で利用されるホイールアセンブリであって、
中空内部を囲む内面を有する側壁を有する胴であって、前記胴が回転する回転軸を有する胴と、
前記胴の内部に配置され、外部側と内部側とを有し、前記胴を前記車両に連結可能なハブであって、前記ハブに一体的に形成されて雄ねじを有するポストを有するセンターアタッチメントデバイスを備えるハブと、
前記ハブの少なくとも一部および前記ハブの前記外部側の前記胴の前記内面の一部をカバーするために、前記ポストに着脱可能に連結されるようなサイズおよび形状とされる装飾面プレートであって、前記ポストが1つ以上の装飾面プレートを受け付けるようなサイズおよび形状とされる装飾面プレートと、を備えるホイールアセンブリ。
【請求項2】
前記ハブが、前記胴の回転軸に沿って前記胴の前記回転軸方向の端部へ向けてオフセットされている、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項3】
中空内部を囲む内面を有する側壁を有する胴であって、前記胴が回転する回転軸を有する胴と、
前記胴の内部に配置され、外部側と内部側とを有し、前記胴を前記車両に連結可能なハブであって、前記ハブに一体的に形成されて雄ねじを有するポストを有するセンターアタッチメントデバイスを備えるハブと、
前記ハブの少なくとも一部および前記ハブの前記外部側の前記胴の前記内面の一部をカバーするために、前記ポストに着脱可能に連結されるようなサイズおよび形状とされる装飾面プレートであって、前記ポストが1つ以上の装飾面プレートを受け付けるようなサイズおよび形状とされる装飾面プレートと、を備えるホイールアセンブリを備える車両。
【請求項4】
前記ポストに螺合可能に係合し、前記胴内の凹凸の深さを変更するため、前記装飾面プレートを前記ポストに沿って任意の場所に位置決め可能とするように構成されたキングナットをさらに備える、請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記ハブが、前記胴の回転軸に沿って前記胴の前記回転軸方向の端部へ向けてオフセットされている、請求項3に記載の車両。
【請求項6】
ベースホイールに取り付けられるような構造とされた装飾リングを備え、前記装飾リングは、前記装飾リングと前記ベースホイールとの間のスペースを形成する有段式の環状面を有する、請求項3に記載の車両。