(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101672
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】張力調整機構、ペダルアセンブリ、及びドラムセット
(51)【国際特許分類】
G10D 13/11 20200101AFI20220629BHJP
G10D 13/00 20200101ALI20220629BHJP
【FI】
G10D13/11
G10D13/00 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072379
(22)【出願日】2022-04-26
(62)【分割の表示】P 2019521719の分割
【原出願日】2017-11-01
(31)【優先権主張番号】15/530,680
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517153262
【氏名又は名称】マシュー・ガイヤー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ガイヤー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ダブレット、トリプレットなどの繰り返しマルチビートのパフォーマンスをし易く、また、ペダル戻しばねの張力を簡便に、かつ、ペダルアセンブリを分解する必要なく調整できるドラムペダルアセンブリを提供する。
【解決手段】ドラム又は他の足動作式装置のためのペダルアセンブリ110は、湾曲ペダル130及び調整可能なインラインウイングナット張力調整機構125を含む。ペダルの上面136に配置された動作可能領域135は、好ましくは第1凸部140と第2凸部160との間のペダル長さ方向のほぼ中央に配置された第1凹部150を含む。また、張力調整機構は、ペダル戻しばね126に対してねじ付きアジャスタ127がインラインであり、ペダル戻しばねの上端部がスイベルアーム121の孔と係合し、ペダル戻しばねの下端がねじ付きアジャスタの上端部と係合し、ねじ付きアジャスタの下端がウイングナット129で終端する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダル基準面を有し、幅方向及び長さ方向を有する湾曲ペダルであって、前記湾曲ペダルは、
前記湾曲ペダルの上面に配置され、第1凸部、第1凹部、及び第2凸部から構成され、かつ、平坦部分が存在せず、演奏中に足を接触させて動作させ得る動作可能領域を備え、
前記動作可能領域は、前記第1凸部及び前記第1凹部の間に第1変曲点と、前記第1凹部及び前記第2凸部の間に第2変曲点と、を備え、
ここで、前記ペダル基準面に対する前記上面の傾きは、前記動作可能領域全体内で滑らかに変化する、湾曲ペダル。
【請求項2】
前記ペダル基準面に対する前記上面の傾きは、前記動作可能領域の全域に亘って滑らかに変化する、請求項1に記載の湾曲ペダル。
【請求項3】
前記動作可能領域の少なくとも1つの部分内の前記長さ方向の位置に関する二次空間導関数が、1インチ当たり30°(1cm当たり11.8°)以下である、請求項1又は2に記載の湾曲ペダル。
【請求項4】
前記動作可能領域の少なくとも1つの部分内の前記長さ方向の位置に関する二次空間導関数が、1インチ当たり11.25°(1cm当たり4.43°)±75%である、請求項1又は2に記載の湾曲ペダル。
【請求項5】
前記動作可能領域の少なくとも1つの部分内の曲率半径が、3インチ(7.6cm)以上である、請求項1又は2に記載の湾曲ペダル。
【請求項6】
前記動作可能領域の少なくとも1つの部分内の曲率半径が、8インチ(20.3cm)±75%である、請求項1又は2に記載の湾曲ペダル。
【請求項7】
前記動作可能領域の少なくとも1つの曲率プロファイルが、波長10インチ(25.4cm)±50%及び振幅0.30インチ(0.76cm)±75%で概ね正弦波である、請求項1又は2に記載の湾曲ペダル。
【請求項8】
前記動作可能領域の少なくとも1つの曲率プロファイルが、曲率半径8インチ(20.3cm)±75%で概ね楕円弧状であり、前記ペダル基準面から測定して0.30インチ(0.76cm)±75%の高さの極値を有する、請求項1又は2に記載の湾曲ペダル。
【請求項9】
前記動作可能領域の少なくとも1つの曲率プロファイルが、曲率半径8インチ(20.3cm)±75%で概ね円弧状であり、前記ペダル基準面から測定して0.30インチ(0.76cm)±75%の高さの極値を有する、請求項1又は2に記載の湾曲ペダル。
【請求項10】
前記動作可能領域の少なくとも1つの曲率プロファイルが、曲率半径8インチ(20.3cm)±75%の3次以上の多項式曲線によって近似され、前記ペダル基準面から測定して0.30インチ(0.76cm)±75%の高さの極値を有する、請求項1又は2に記載の湾曲ペダル。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1凸部は、前記少なくとも1つの第1凸部の極値から周囲方向へ25%以下に延在する、実質的にハーフローブである、請求項1~10のいずれか一項に記載の湾曲ペダル。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1凹部は、前記少なくとも1つの第1凸部と前記少なくとも1つの第2凸部との間の前記長さ方向の中央に配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載の湾曲ペダル。
【請求項13】
前記動作可能領域の前記長さ方向の長さが、12インチ(30.5cm)以上である、請求項1~12のいずれか一項に記載の湾曲ペダル。
【請求項14】
前記湾曲ペダルは、ヒールヒンジへの取り付けを可能にする少なくとも1つの特徴を有するヒール端と、少なくとも1つの旋回リンクアームへの取り付けを可能にする少なくとも1つの特徴を有するトウ端と、を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の湾曲ペダル。
【請求項15】
前記ペダル基準面に対する前記上面の傾きは、前記動作可能領域の少なくとも1つの部分内で少なくとも5°の角度にわたって滑らかに変化する、請求項1~14のいずれか一項に記載の湾曲ペダル。
【請求項16】
ペダル基準面に関連し、ヒール端とトウ端とを有する湾曲ペダルと、
基板面に関連付けられ、ヒール端及びトウ端を有する基板と、
ヒールヒンジと、
動作伝達リンク機構、及び前記湾曲ペダルが押し下げられた後に前記湾曲ペダルを非押し下げ状態に戻そうとする戻しばね用の張力調整機構と、を備え、
前記湾曲ペダルのヒール端は、前記ヒールヒンジによって前記基板のヒール端に旋回可能に取り付けられ、前記湾曲ペダルのトウ端が動作伝達リンク機構を動作できるようにし、
前記湾曲ペダルは、前記ペダル基準面を有し、幅方向及び長さ方向を有する湾曲ペダルであって、前記湾曲ペダルは、
前記湾曲ペダルの上面に配置され、第1凸部、第1凹部、及び第2凸部から構成され、かつ、平坦部分が存在せず、演奏中に足を接触させて動作させ得る動作可能領域を備え、
前記動作可能領域は、前記第1凸部及び前記第1凹部の間に第1変曲点と、前記第1凹部及び前記第2凸部の間に第2変曲点と、を備え、
ここで、前記ペダル基準面に対する前記上面の傾きは、前記動作可能領域全体内で滑らかに変化する、ペダルアセンブリ。
【請求項17】
ペダルアセンブリによって動作される少なくとも1つの打楽器を備えるドラムセットであって、
前記ペダルアセンブリは、
ペダル基準面に関連付けられ、ヒール端及びトウ端を有する湾曲ペダルと、
前記湾曲ペダルが押し下げられた後に前記湾曲ペダルを非押し下げ状態に戻そうとする戻しばねのための張力調整機構と、を備え、
前記張力調整機構は、ばねの軸に対して平行で隔てて配置された軸線を有するねじと、ねじと螺合し、ねじ上のナットの動きがばねの少なくとも一部の変位を引き起こし得るようにばねに連結されたナットを有するブラケットとを備え、ねじは、回転されたときにばねの張力の調整を可能にする上端部を有し、
前記湾曲ペダルは、前記ペダル基準面を有し、幅方向及び長さ方向を有する湾曲ペダルであって、前記湾曲ペダルは、
前記湾曲ペダルの上面に配置され、少なくとも1つの第1凸部、及び少なくとも1つの第1凹部を含み、演奏中に足を接触させて動作させ得る動作可能領域を備え、
ここで、前記ペダル基準面に対する前記上面の傾きは、前記動作可能領域全体内で滑らかに変化する、ドラムセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム又は他の足動作式装置のためのペダルアセンブリに関し、さらに、湾曲ペダル、及びかかるペダルアセンブリのための容易に調整可能なペダル戻しばねの張力調整機構に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの装置は、足で動作させる操作のためにペダルを使用する。ペダルを手段として足で動作させ得る多くの装置の中には、ほんの数例を挙げると、自動車、ヘリコプター、飛行機、バックホー及びその他の車両、並びに重機、織機、ミシン、踏み板(トレドル)、編み機、ミル、旋盤、ポンプ及びその他の産業機器がある。
【0003】
足で動作させる操作のためにペダルを使用し得る装置の別のカテゴリーは、オルガン、ピアノ及びその他のキーボード楽器と、ドラム、シンバル及びその他の打楽器とがある。
【0004】
ドラムペダルは、1世紀以上にわたりドラムを演奏するために使用されてきた。ドラムペダルには多くの改良がなされており、より良い操作性を可能にし、様々な演奏スタイルを容易にしている。
【0005】
現在市販されているペダルの改善が依然として必要である1つの要因は、快適性である。例えば、ダブレット、トリプレットなどの繰り返しマルチビートは、魅力的なパフォーマンスを提供するが、多くの奏者にとって困難であり疲れやすくなり得る。多くの奏者は、特に、素早く連続して繰り返すマルチビートを発生させる場合、長時間の演奏の後に足が疲れることがわかる。
【0006】
現在市販されているペダルの改善が依然として必要である別の要因は、様々な技法に適応する能力である。
【0007】
ダブレット、すなわち、2つの繰り返しビートを生成するために、奏者は、単に、同じ足の動きを素早く連続して2回繰り返してもよく、又は演奏する間の快適性とより大きな自由度を向上するために、奏者は、例えばスライド技法又はヒールトウ技法を使用してもよい。
【0008】
ダブレットを作り出すためのスライド技法では、奏者が、最初にドラムペダルのある位置をトウで押し下げて第1ストロークを生成し、ペダルに沿ってペダルのトウ又はヒール端に向かって足をスライドさせ、次いで、ペダルの第2位置を押し下げて第2ストロークを生成し得る。しかし、従来のフラットペダルでは、多くの奏者は足の位置決めが困難であり、スライド動作の制御が困難又は快適でないと感じている。
【0009】
ダブレットを作り出すためのヒールトウ技法では、奏者が、最初にヒールでペダルを押し下げて第1ストロークを生成し、次いで、トウを下に傾けてトウでペダルを押し下げて第2ストロークを生成することができる。この技法は、長時間演奏するときに足首の疲労を引き起こし得る。
【0010】
同様の技法は、トリプレット、すなわち、一般にダブレットよりもさらに困難である3回の繰り返しビートを作り出すためにも使用され得る。
【0011】
従来のペダルは、典型的にはフラットであるか、又はかかる従来のペダルがフラットから逸れる場合、それらはスパイク状の突出部を有していてもよく、段付き表面又は階段状の表面を使用してもよい。
【0012】
フラットドラムペダルでは、スライド技法やヒールトウ技法などの技法は疲れやすく、マスターするのが難しい。フラットペダルは、一般に、演奏中に奏者が足を位置決めするのを助けることができる特徴を欠いている。奏者がペダルの「感触」によって自分の足を素早くかつ確実に位置決めできなければ、高度なスライド及びヒールトウ技法に必要な器用さを発展させることは困難であろう。
【0013】
さらに、フラットペダルは足の形状に対して適合性が悪く、フラットペダルは、ペダルが足の形状に対してより良く適合した場合に必要とされるよりも、かなり多くの足及び/又は足首の動きを必要とする。
【0014】
さらに、フラットペダルでヒールトウ技法を使用するとき、ヒール(かかと)及び/又はトウ(つま先)は、ペダル表面を視角で打鍵しようとする。ペダル形状は、足(特に、足のヒール及び/又は足の拇指球(本明細書で使用される「トウ」という用語は、拇指球を含み得る))がペダル表面に対してより垂直に近い角度でペダルを打つことを可能にし、奏者の足からドラムペダルに力が伝えられる力又は効率を改善し、より力強く及び/又はより疲れにくいパフォーマンスを可能にする。
【0015】
さらに、スパイク状の突出部又は急激な段付き表面によって隔てられているペダル表面は、ペダル表面を横切る足のスライド動作を利用する技法には役立たない。さらに、滑らかに変化する輪郭を有するペダルは、ペダル上に足を配置する際の快適性及び感度を改善するために、素足で靴下を履いているが靴を履いていない、又は薄い靴やその他のフットカバーを履いている奏者にとって、特に望ましい。
【0016】
さらに、従来のペダルは奏者の足よりもほんのわずかに長い傾向があるが、奏者の足よりも実質的に長いペダルは、ヒールヒンジの支点の回りの、てこの力を増大させるだけでなく、より力強い及び/又は疲れにくい演奏を可能にし、ペダルの長さ方向に沿ったより持続的なスライド動作も容易にする。奏者の足よりも実質的に長いペダルもまた、従来使用されている基本的なヒールトウ打撃位置を越えた複数の打撃位置に適合できる。
【0017】
したがって、前述の問題の少なくとも1つに対処する改良されたペダルが必要とされている。
【0018】
ペダルが押し下げられた後にペダルをその非押し下げ位置に戻そうとする戻しばねを有するペダルアセンブリにおいてペダルが使用される場合、奏者は、自分の演奏スタイルによく合うように、ペダル戻しばねの張力を調整したいと望むケースが多い。例えば、上述の問題の1つ以上を克服する、改良されたペダルの利点を十分に利用したい熟練した奏者は、便利で正確な方法でペダル戻しばねの張力を調整できることが好都合であると考えるだろう。
【0019】
しかしながら、従来のペダル戻しばね張力調整機構は、通常、下方から調整され、通常、調整が可能になる前に緩めなければならないロックナット又は他のそのようなロック手段を使用してきた。ペダルがドラムペダルである場合、これは、典型的に、奏者がスローンから降りて、片方の膝を降ろし、レンチ又は他の工具を使用してロックナットを外し、その後、ウイングナット等によって張力の調整を行う必要がある。調整後、工具を再び使用してロックナット又は他のロック手段を締め直し、その調整を適所に保持しなければならない。また、従来の張力調整手順の中で、ペダル戻しばね張力調整機構にアクセスするために、他のドラムパーツを移動させることが度々必要であり、そうしなければドラムキットを乱すことになる。
【0020】
ドラム奏者は、従来、スローンに着座している間、張力を簡便に調整できなかったので、従来の張力調整は、度々もどかしく不正確な試行錯誤のプロセスであった。従来の張力調整機構は、上方からの調整、例えば、スローンに着座したドラム奏者が、張力をテストするためにペダルを動かすことができる調整を可能にしないため、不正確であるだけでなく、従来の張力調整機構は、不正確な機械的リンク機構を有し、ロックナット又は他のロック手段が締められたり緩められたりする際に張力調整を妨げるロックナット又は同様のロック手段を使用するため、設計上、不正確でもある。この状況があって、セットアップ後のばね張力の正確な調整は、通常、従来は試みられなかった。
【0021】
したがって、ペダルの操作者がペダル戻しばねの張力を簡便に、かつペダルアセンブリを分解する必要なく調整できれば好都合であろう。
【0022】
また、操作者が通常ペダルを操作する位置から操作者が移動することなく、ペダル戻しばねの張力を調整できることが操作者にとって望ましく、例えば、ドラムスローンに着座したドラム奏者は、スローンに着座した状態でペダル戻しばねの張力を調整できることが望ましいであろう。
【0023】
さらに、ペダル戻しばねの張力が、ロックナット又は他のロック手段を緩める必要なく容易に調整可能であり、一旦調整されると、ロックナット又は他のロック手段を締め直す必要なく張力調整を維持可能であることが望ましいであろう。
【0024】
したがって、前述の問題の少なくとも1つに対処する改良されたペダル戻しばね張力調整機構が必要とされている。
【0025】
さらに、このような改良されたペダル及びこのような改良されたペダル戻しばね張力調整機構を使用するドラムペダルアセンブリが必要とされている。
【発明の概要】
【0026】
本発明の一態様は、湾曲ペダルである。本発明の別の態様はペダル、例えば、湾曲ペダルが踏み込まれた後に、ペダルを押し下げられていない状態に戻そうとする戻しばね用の張力調整(テンショナー)機構である。本発明のさらに別の態様は、そのような湾曲ペダルを使用するペダルアセンブリ又は他の装置である。本発明の一実施形態はドラム又は他の足で操作される装置のための湾曲ペダルであり、長時間操作するときの器用さ、応答性及び/又は快適性が望まれる。
【0027】
一実施形態によれば、湾曲ペダルは、ペダル基準面、幅方向及び長さ方向を有することができる。
【0028】
湾曲ペダルは、足による動作のための動作可能領域を含むことができる。動作可能領域は、湾曲ペダルの上面に配置することができる。
【0029】
湾曲ペダルは、動作可能領域の少なくとも一部分内及び/又は実質的に動作可能領域全体内の長さ方向に、少なくとも1つの湾曲プロファイルを備えることができる。
【0030】
ペダル基準面に対する湾曲ペダルの上面の傾きは、動作可能領域の少なくとも一部内及び/又は実質的に動作可能領域全体内で、滑らかに変化してもよい。
【0031】
ペダル基準面に対する湾曲ペダルの上面の傾きは、動作可能領域の少なくとも一部内及び/又は実質的に動作可能領域全体内で、少なくとも5°の角度にわたって滑らかに変化してもよい。
【0032】
長さ方向の位置の関数としての勾配の変化、すなわち、動作可能領域の少なくとも一部分内及び/又は実質的に全動作可能領域内の長さ方向の位置に対する2次空間導関数は、例えば、1インチ当たり30°(1cmあたり11.8°)以下であってもよく、及び/又は1インチ当たり11.25°(1cmあたり4.43°)±75%であってもよい。
【0033】
動作可能領域の少なくとも一部分内及び/又は実質的に全動作可能領域内の湾曲ペダルの上面の曲率半径は、例えば、動作可能領域の長さの半分以上であってもよく、3インチ(7.6cm)以上であってもよく、及び/又は8インチ(20.3cm)±75%であってもよい。
【0034】
少なくとも1つの曲率プロファイルは、波長10インチ(25.4cm)±50%及び振幅0.30インチ(0.76cm)±75%を有する多かれ少なかれ正弦波であり得る。
【0035】
少なくとも1つの曲率プロファイルは、曲率半径8インチ(20.3cm)±75%で多かれ少なかれ楕円弧状であり、ペダル基準面から測定して0.30インチ(0.76cm)±75%の高さの極値を有する。
【0036】
少なくとも1つの曲率プロファイルは、曲率半径8インチ(20.3cm)±75%で多かれ少なかれ円弧状であり、ペダル基準面から測定して0.30インチ(0.76cm)±75%の高さの極値を有する。
【0037】
少なくとも1つの曲率プロファイルは、曲率半径8インチ(20.3cm)±75%の3以上の次数の多項式曲線によって近似することができ、ペダル基準面から測定して0.30インチ(0.76cm)±75%の高さの極値を有することができる。
【0038】
動作可能領域は、少なくとも1つの第1凸部、少なくとも1つの第1凹部、少なくとも1つの第2凸部、及び/又は少なくとも1つの平坦部を備えることができる。
【0039】
少なくとも1つの第1凸部、少なくとも1つの第1凹部、及び少なくとも1つの第2凸部が存在する場合、少なくとも1つの第1凹部は、少なくとも1つの第1凸部と少なくとも1つの第2凸部との間の長さ方向の中央に配置されてもよい。
【0040】
少なくとも1つの第1凸部及び/又は少なくとも1つの第2凸部は、その極値又は極値を越えて周囲に25%を超えて延在し又は延在しない、実質的にハーフローブであってもよい。
【0041】
動作可能領域の長さ方向の長さは、12インチ(30.5cm)以上であってもよい。
【0042】
湾曲ペダルは、ヒールヒンジへの取り付けを可能にする少なくとも1つの特徴を有するヒール端部を備えることができる。
【0043】
湾曲ペダルは、少なくとも1つの旋回リンクアームへの取り付けを可能にする少なくとも1つの特徴を有するトウ端部を備えることができる。
【0044】
湾曲ペダルは、ペダルアセンブリ内に取り付けられ、ドラム又は他のこのような打楽器、又は多種多様な足動作式装置のいずれかを操作するために使用されてもよい。
【0045】
張力調整機構は、ばねの軸線に対して平行で隔てて配置された軸線を有するねじを含むことができる。
【0046】
張力調整機構はねじと螺合するナットを有し、ねじ上のナットの動きがばねの少なくとも一部の変位を引き起こすようにばねに連結されるブラケットをさらに含んでもよい。
【0047】
ねじは、回転したときにばねの張力の調整を可能にする上端部を有することができる。
【0048】
ねじは、少なくとも1つの第1の平坦な支柱面を有する静止支柱によって支持することができる。
【0049】
ブラケットは、ナットがねじ上を移動するときに少なくとも1つの第1の平坦な支柱面とスライド可能に係合する少なくとも1つの第1の平坦なブラケット面を有することができる。
【0050】
ねじは、支柱の実質的に全高にわたって延在してもよい。
【0051】
ブラケットの2つの平面は、交差して、第1のブラケット角部において第1のブラケット二面角を形成することができる。
【0052】
支柱の2つの平面は、交差して、第1の支柱角部において第1の支柱二面角を形成することができる。
【0053】
第1の支柱角部はナットがねじ上を移動するときに、第1のブラケット角部の移動をガイドすることができる。
【0054】
ねじの軸、ばねの軸、及び第1の平坦な支柱面は、それぞれ垂直に配向され得る。
【0055】
ねじの軸とばねの軸との間の軸間距離は、0.375インチ(0.95cm)以上であってもよい。
【0056】
ペダルの通常動作中、ばねによって加えられる負荷によってねじが逆駆動されない場合がある。
【0057】
ねじはセルフロック特性があってもよく、ねじの上端部を回転し張力を調整した後の張力が、ねじにロック手段がないにもかかわらず、そのまま維持される。
【0058】
ねじの上端部の入力回転に対するねじ上のナットの出力移動の機械的効率は、50%以下であり得る。
【0059】
ねじのねじ山の進み角は、5°以下であってもよい。
【0060】
ねじのねじ山のリードは、ねじの直径の33%以下であってもよい。
【0061】
ねじは、単条アクメねじを有するリードスクリューであってもよい。
【0062】
本発明の他の実施形態、システム、方法、及び特徴、ならびに利点は、以下の図面及び詳細な説明を検討すれば当業者には明らかであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、及び利点がこの説明内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
以下の図面を参照することで、本発明の多数の形態をより十分に理解することができる。
図面において、同じ参照番号はいくつかの図を通じて対応している部分を示し、繰り返しになるであろう説明は、便宜上、省略される。
図11~
図15Bに示される湾曲ペダル上面プロファイルの実施例を除いて、図面に示される様々な構成要素及びそれらの間の位置関係は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、代わりに、本発明の原理を明確に示すことに重点が置かれている。
【0064】
【
図1】ドラムセット100を示し、これは、長時間にわたり素早く、器用で、及び/又は繰り返し動作を必要とする足で操作する装置を使用し、本発明の一実施形態によるペダルアセンブリ110を介して足で動作させることのできる少なくともひとつの打楽器102を含むシステムの例である。
【
図2】本発明の実施形態による、
図1のドラムセット100で使用し得るペダルアセンブリ110の斜視図である。
【
図3】
図2のペダルアセンブリ110の側面図であり、本発明の実施形態による、ペダル基準面131に対して凸部及び/又は凹部140、150、160を含む動作可能領域135を有する湾曲ペダル130を示す。
【
図4】
図4は
図3の湾曲ペダル130の斜視図であり、本発明の一実施形態による、第1凸部140、第1凹部150、及び第2凸部160が、動作可能領域135の長さ方向132に配置されている。
【
図5A】第1凹部250を備える湾曲ペダル230を示す。
【
図5B】第1凸部340及び第1凹部350を備える湾曲ペダル330を示す。
【
図5C】第1凹部450及び第1凸部440を備える湾曲ペダル430を示す。
【
図5D】第1凸部540、第1凹部550及び第2凸部560を備える湾曲ペダル530を示す。
【
図5E】第1凸部640を備える湾曲ペダル630を示す。
【
図5F】第1凸部740を備える湾曲ペダル730を示す。
【
図5G】第1凸部840及び第2凸部860を備える湾曲ペダル830を示す。
【
図5H】第1凸部940及び第1凹部950を備える湾曲ペダル930を示す。
【
図5I】第1凸部1040、第1凹部1050及び第2凹部1070を備える湾曲ペダル1030を示す。
【
図5J】第1凸部1140、第1凹部1150及び第2凸部1160を備える湾曲ペダル1130を示す。
【
図6】第1凸部140a、第1凹部150a、及び第2凸部160aがそれぞれ一様な曲率半径を有し、円弧であり、第1凸部140a、第1凹部150a、及び第2凸部160aの配置及び曲率半径が、間に平坦部を介在させることなく、滑らかな変曲点を生成するような、本発明の一実施形態における弓形に湾曲したペダル130aの側面図である。
【
図7】
図3のペダルアセンブリ110において押し下げられていないときに存在し得る湾曲ペダル130の側面図であり、ペダル基準面131と基板面113とによって形成されるペダル取付角度128による極値141、151、161及び変曲点145、165の傾きを示す。
【
図8】本発明の一実施形態における弓形に湾曲したペダル130bの側面図であり、第1凸部140b、第1凹部150b、及び第2凸部160bは、それぞれ一様な曲率半径を有し、円弧であり、第1凸部140b、第1凹部150b、及び第2凸部160bの配置及び曲率半径は、
図6に示す実施形態と比較して、
図8に示す実施形態におけるより小さい曲率半径の結果として、それらの間の変曲点における水平な平坦部分の介在を受け入れるようなものである。
【
図9】本発明の一実施形態における弓形に湾曲したペダル130cの側面図であり、第1凸部140c、第1凹部150c、及び第2凸部160cは、それぞれ一様な曲率半径を有し、円弧であり、第1凸部140c、第1凹部150c、及び第2凸部160cの配置及び曲率半径は、
図6に示す実施形態と比較して、
図9に示す実施形態におけるより大きな曲率半径の結果として、それらの間の変曲点における垂直な平坦部分の介在を受け入れるようなものである。
【
図10】弓形に湾曲したペダル130dの側面図であり、これは動作可能領域135dの周辺部分が除去されていることを除いて、
図6の弓形に湾曲したペダル130aと同一であり、その結果、動作可能領域135dは、第1の凸状ハーフローブ144d、第1の凹状ハーフローブ154d、及び第2の凸状ハーフローブ164dを含む。
【
図11】湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135全体にわたって、波長11.6インチ(29.5cm)及び振幅0.30インチ(0.76cm)の一様な正弦波プロファイルを有する実施例を示す。
【
図12A-12B】湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135内で変動する正弦波プロファイルを有し、組み合わせ部分は
図12Aに示されるように、波長11.6インチ(29.5cm)及び振幅0.30インチ(0.76cm)の正弦波プロファイルを有する第1の凸状ハーフローブ144及び第1の凹状ヒール側ハーフローブ154を含む、動作例を示す。
図12Bでは、波長8.4インチ(21.3cm)及び振幅0.21インチ(0.53cm)の正弦波プロファイルを有する第1の凹状トウ側ハーフローブ154及び第2の凸状ハーフローブ164を含む、動作例を示す。
【
図13】湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135全体にわたって5次多項式プロファイルを有する実施例を示す。
【
図14A-14B】湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135内で変化する3次多項式プロファイルを有し、組み合わされた部分が
図14Aに示されるような3次多項式プロファイルを有する第1凸部140及び第1の凹状ヒール側ハーフローブ154を備え、組み合わされた部分が
図14Bに示されるような3次多項式プロファイルを有する第1の凹状トウ側ハーフローブ154及び第2凸部160を備える実施例を示す。
【
図15A-15B】湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135内で変化する4次多項式プロファイルを有し、組み合わされた部分が
図15Aに示されるような4次多項式プロファイルを有する第1凸部140及び第1の凹状ヒール側ハーフローブ154を備え、組み合わされた部分が
図15Bに示されるような4次多項式プロファイルを有する第1の凹状トウ側ハーフローブ154及び第2凸部160を備える実施例を示す。
【
図16A-16C】本発明の実施形態によるペダルアセンブリ110における湾曲ペダル130の使用の一例を説明するのを助けるための図である。
【
図17】
図17のドラムセット100が2つのバスドラム103を含むことを除いて、
図1に示すドラムセット100と同様のドラムセット100を示し、各バスドラム103は、本発明の実施形態による独立したペダルアセンブリ110を有する。
【
図18】本発明の実施形態による2つのペダルアセンブリ110を連結するデュアルペダルリンク機構111を示す。
【
図19-21】
図2及び
図3に示すペダルアセンブリ110のインラインウイングナット張力調整機構125の代わりに用いることができるペダル戻しばね張力調整機構180aの第1の実施形態を概略的に示し、
図19はその右上前方斜視図を示し、
図20はその右側面図を示し、
図21はその前面図を示す。
【
図22-24】
図2及び
図3に示すペダルアセンブリ110のインラインウイングナット張力調整機構125の代わりに用いることができるペダル戻しばね張力調整機構180bの第2の実施形態を概略的に示し、
図22はその右上後方斜視図を示し、
図23はその右側面図を示し、
図24はその背面図を示す。
【
図25A-27】
図2及び
図3に示すペダルアセンブリ110のインラインウイングナット張力調整機構125の代わりに用いることができるペダル戻しばね張力調整機構180cの第3の実施形態を概略的に示し、
図25Aと
図25Bは、その右上前方斜視図を示す。
図26は、その右側面図を示す。
図27は、その正面図を示す。変形例は
図25A、
図25Bでは破線で示され、
図25Cは、
図25Bに破線で示される変形例の上から見たブラケット183を含む部分を通る概略断面図である。
【
図28】
図2及び
図3に示すペダルアセンブリ110のインラインウイングナット張力調整機構125の代わりに用いることができるペダル戻しばね張力調整機構190の第4の実施形態の分解図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明の一実施形態は、湾曲ペダルである。
【0066】
本発明の実施形態による湾曲ペダルは、自動車、ヘリコプター、飛行機、バックホー、及び他のそのような車両ならびに重機、織機、ミシン、踏み板(トレドル)、編み機、ミル、旋盤、ポンプ、及び他のそのような産業装置など、足で動作させる操作のためにペダルを使用する多種多様な装置のいずれかで使用することができる。
【0067】
本発明の実施形態は、ペダルアセンブリ内に取り付けられた湾曲ペダルが、ビーターを操作して垂直バスドラムを打つ例に関して説明されるが、本発明は、垂直バスドラムを打つビーターの動作を引き起こすペダルアセンブリの例に限定されず、水平バスドラムを打つビーターの動作を引き起こすペダルアセンブリ、ハイハットシンバルの動作を引き起こすペダルアセンブリ、及び足動作式ペダルからの動作を適切なリンク機構又は伝達機構を介して装置又はその任意の部分を駆動及び/又は制御するための動作に変換することができる多種多様な装置の、いずれかの動作を引き起こすペダルアセンブリに適用されてもよいことを理解されたい。
【0068】
図1を参照すると、ドラムセット100が示されている。ドラムセット100は、長時間にわたる素早く、器用で、及び/又は繰り返しの動作を必要とする、足で操作されるデバイス(デバイス群)を使用するシステムの例である。より具体的には、ドラムセット100が多数の打楽器102を含み、そのうちの2つ、すなわち、バスドラム103及びハイハットシンバル104は、それぞれのペダルアセンブリ110によって足で動作させることができる。以下の説明は、ペダルアセンブリ110がバスドラム103を打つビーターを操作する例に関して与えられるが、ペダルアセンブリ110は、ハイハットシンバル104の動作、又は足で動作させる操作のためにペダルを使用し得る多種多様な装置のいずれかに適用され得る。
【0069】
次に
図2及び
図3を参照すると、これらはそれぞれ、本発明の一実施形態によるペダルアセンブリ110の斜視図及び側面図を示している。
【0070】
図2及び
図3に示す実施形態では、ペダルアセンブリ110は湾曲ペダル130を備え、ペダルの一端(以下、ヒール端と称する)は、基板112のヒール端と呼ぶ位置に向かう位置で、ヒールヒンジ114上に旋回可能に取り付けることができる孔及び/又は他の特徴を有する。湾曲ペダル130の他端(以下、トウ端と称する)は、湾曲ペダル130がペダル取付角度128においてペダル基準面131が多かれ少なかれ傾くその上昇位置又は非押圧位置から、ペダル戻しばね126によって与えられる復元力に抗して足によって湾曲ペダル130が押圧されたときにペダル基準面131が基板面113と多かれ少なかれ平行になるその下降位置又は完全に押圧された位置(ストッパなどによって制限される範囲を除く)へ移動するとき、ヒールヒンジ114の軸回りで自由に旋回する。
【0071】
湾曲ペダル130の一端をそのヒール端として識別し、湾曲ペダル130の他端をそのトウ端として識別したので、説明の便宜上、これらの方向、すなわち、
図3に示すように左に向かうヒール端又は側、及び
図3に示すように右に向かうトウ端又は側を、本明細書で使用することができる。
【0072】
旋回リンクアーム122は多かれ少なかれ垂直に向けられ、旋回リンクアーム122の底端部は湾曲ペダル130のトウ端のいずれかの側に接続され、湾曲ペダル130のトウ端は旋回リンクアーム122の底端部への接続を可能にする孔及び/又は他の特徴を有し、旋回リンクアーム122の上端部はビーター115で終端するビーターステム118が取り付けられるロッカー120のトウ端のいずれかの側に接続される。湾曲ペダル130のトウ端がヒールヒンジ114の枢軸を中心としてその円弧を通って揺動すると、旋回リンクアーム122を介したロッカー120へのこの回転動作の伝達により、ロッカー120は、基板112に固定された一対の左右の支持支柱124によって保持されたベアリングによって支持されたロッカー軸116を中心として枢動する。スイベルアーム121はロッカー軸116の一端から垂直に延在し、ロッカー軸116は湾曲ペダル130が押し下げられ、旋回リンクアーム122による湾曲ペダル130及びロッカー軸116の回転リンクによりヒールヒンジ114を中心にその弧を旋回させられるときに、スイベルアーム121がロッカー軸116と一緒に回転することを可能にするように、スイベルアーム121の孔に圧入されるか、又はロッカー軸116に固定され、ペダル戻しばね126の作用は、ペダルをその非押し下げ位置に戻そうとする。
【0073】
本明細書全体を通して、文脈から明らかな場合を除き、左右はペダル操作者の視点から、例えば、ドラムスローンに着座したドラム奏者の視点から、又は例えば、
図1及び
図17に示す衝撃器具に面する視点から見たときに定義される。
【0074】
図2及び
図3に示すペダルアセンブリ110はペダル戻しばね張力調整機構125をさらに備え、ペダル戻しばね126に対してねじ付きアジャスタ127がインライン(一直線)、すなわち同軸であり、ペダル戻しばね126の上端部がスイベルアーム121の孔と係合し、ペダル戻しばね126の下端がねじ付きアジャスタ127の上端部と係合し、ねじ付きアジャスタ127の下端がウイングナット129で終端する。ねじ付きアジャスタ127は支柱124から水平に突出する棚123の孔を通過し、ねじ付きアジャスタ127の外周面に形成された雄ねじは、棚123の孔の内周面に形成された雌ねじと嵌合し、ペダル戻しばね126の下端がねじ付きアジャスタ127の上端部から切り離されたときにペダル戻しばね126の張力の調整が可能となり、ウイングナット129が棚123のねじ付き孔内にねじ付きアジャスタ127を回すために使用され、ペダル戻しばね126の下端がねじ付きアジャスタ127の上端部に再接続され、棚123のねじ付き孔内のねじ付きアジャスタ127の回転を防止することによって設定されたように張力が維持される。
【0075】
引き続き
図3を参照し、さらに
図4を参照して、湾曲ペダル130について説明する。
図3及び
図4はそれぞれ、
図2の湾曲ペダル130の側面図及び斜視図を示し、
図3はペダルアセンブリ110内に取り付けられた湾曲ペダル130を示し、
図4は、湾曲ペダル130自体を示す。
図10をさらに参照してもよく、
図10において、同様の参照番号は同様の部分を示す。
【0076】
図4に示されるように、湾曲ペダル130は、長さ方向132及び幅方向133を有し得る。
【0077】
一実施形態では、湾曲ペダル130が湾曲ペダル130の上面136に動作可能領域135を有することができる。この場合、底面137は上面136に対向して配置することができる。湾曲ペダル130の厚さ、すなわち、
図3及び
図4に示される、上面136と底面137との間の寸法は、好ましくは少なくとも足による動作を支持し、可能にするのに十分な大きさであるが、湾曲ペダル130の移動を妨げるほど大きくはない。例えば、湾曲ペダル130が6061又は類似のアルミニウムで作られる場合、湾曲ペダル130の厚さは、0.375インチ(0.95cm)程度であり得る。不均一な厚さの湾曲ペダル130を使用することには異論がなく、例えば、長さ方向132及び/又は幅方向133の位置によって厚さが変化する湾曲ペダル130を使用することには異論がないことに留意されたい。例えば、一実施形態では、湾曲ペダル130の厚さは、例えば湾曲ペダル130の製造に都合がよい場合、底面137が平坦になるように変えてもよく、上面136が湾曲しているか、又は本明細書で説明するような湾曲及び/又は他の特徴を有する限り、ペダルアセンブリ110の動作を妨げない限り、底面137に任意の構成を使用することに特に異論はない。
【0078】
アルミニウムを例として挙げたが、湾曲ペダル130は、鋼又は他の適切な金属、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂、木材、ガラス、セラミックなどを含む任意の適切な材料から作製されてもよく、任意の適切な積層材料及び/又は複合材料を含んでもよい。湾曲ペダル130は、バイスもしくは他のそのような装置内で鋳造、機械加工、成形されるか、任意の他の適切な技術によって製造及び/又は形成されてもよい。
【0079】
長さ方向132における動作可能領域135の長さは、少なくとも、典型的な奏者の足による、又は子供から大人までの年齢の範囲であり得る様々な奏者の足による快適な動作を可能にするのに十分な長さであることが好ましい。例えば、一実施形態では、長さ方向132における動作可能領域135の長さは、5インチ(12.7cm)~20インチ(50.8cm)であってもよい。動作可能領域135の長さが5インチ(12.7cm)~20インチ(50.8cm)である場合、これは、湾曲ペダル130の快適で応答性のある動作のための良好な、しかし過剰ではない、てこの力を提供し得る。好ましい実施形態では、長さ方向132における動作可能領域135の長さは、てこの力の増加を可能にし、様々なスライド動作技法を容易にするように、典型的な奏者の足よりも実質的に長い。例えば、一実施形態では、長さ方向132における動作可能領域135の長さは、好ましくは12インチ(30.5cm)以上、より好ましくは14インチ(35.6cm)以上、さらに好ましくは16インチ(40.6cm)以上である。動作可能領域135は、
図10を参照して以下にさらに説明される。
【0080】
幅方向133における湾曲ペダル130の幅に関しては特に制限はなく、幅方向133における湾曲ペダル130の幅は、典型的な奏者の足、又は子供から大人までの年齢の範囲であり得る様々な奏者の足による快適な動作を可能にするものであれば十分である。不均一な幅の湾曲ペダル130を使用することには異論がなく、例えば、長さ方向132の位置によって幅が変化する湾曲ペダル130の使用には異論がないことに留意されたい。例えば、幅方向133における湾曲ペダル130の幅は、典型的な足の変動する幅に適応するように変えることができる。さらに、ペダルアセンブリ110への取り付けの便宜を図るため、及び支持支柱124及び/又は他の部品それぞれに対するクリアランスを提供するために、湾曲ペダル130の幅は、湾曲ペダル130のヒール端及び/又はトウ端の近くで狭くなり得る。
【0081】
図2~4に示す実施形態では、湾曲ペダル130が、ペダル基準面131に対して凸部及び/又は凹部140、150、160を含む動作可能領域135を有する。より詳細には、
図2~
図4に示す実施形態における湾曲ペダル130が、第1凸部140、第1凹部150、及び第2凸部160を有する動作可能領域135を備える。
図2~
図4に示す実施形態では、第1凸部140、第1凹部150、及び第2凸部160は動作可能領域135の長さ方向132に配置されている。
【0082】
本明細書で別に述べる場合を除き、湾曲ペダル130の湾曲と本明細書で呼ぶものは、
図3及び
図6~10に示すような側面図で最も容易に分かるように、長さ方向132におけるその上面136の湾曲である。本明細書で特に明記しない限り、湾曲ペダル130の凸部又は凹部と本明細書で呼ぶものは、上面136の上方の点から見て、
図3及び
図6~10に示すような側面図で最も容易に分かるように、その上面136の凸部又は凹部である。
【0083】
湾曲ペダル130が複数の変曲点145、165を含む場合、ペダル基準面131は、
図3の側面図に示すように、湾曲ペダル130の幅方向133のほぼ中央に位置する点における断面図に見られるように、これらの複数の変曲点145、165を通る最良適合線を含む平面として定義される。湾曲ペダル130が2つ未満の変曲点を含む場合、ペダル基準面131は、
図3の側面図に示すように、湾曲ペダル130の幅方向133のほぼ中央に位置する点における断面図に見られるように、上面136を通る最良適合線を含む平面として定義される。
【0084】
したがって、いくつかの実施形態では、湾曲ペダル130が少なくともペダルの長さ方向132に湾曲していてもよい。この場合、湾曲ペダル130は、好ましくはペダル長さ方向132における動作可能領域135の少なくとも一部分内で湾曲している。
【0085】
一実施形態では長さ方向132における湾曲ペダル130の上面136の側面が少なくとも1つの変曲点145、165(
図6~10を参照)を有し、湾曲は長さ方向132において、順序に関係なく、凸部と凹部との間を移行する。好ましい実施形態では、少なくとも2つのそのような変曲点145、165がある。
【0086】
好ましい実施形態では、動作可能領域135の少なくとも一部分内及び/又は実質的に動作可能領域135全体内に、水平平坦部分(
図8参照)が存在しない。一実施形態では、長さ方向132において凸部と凹部との間で曲率移行が変化する変曲点145、165における、上面136の傾きは、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上、最も好ましくは15°以上である。
【0087】
好ましい実施形態では、動作可能領域135の少なくとも一部分内及び/又は実質的に動作可能領域135全体内に、垂直平坦部分(
図9参照)が存在しない。一実施形態では、長さ方向132における凸部と凹部との間の曲率移行が変化する変曲点145、165における上面136の傾きは、好ましくは85°以下、より好ましくは80°以下、最も好ましくは75°以下である。
【0088】
水平、垂直、及び/又は傾いた平坦部分が動作可能領域135内に存在する場合、これらは、平坦部分と凸部及び/又は凹部との間の移行部における鋭い角部139(
図8及び
図9参照)の発生を防止するように、傾き又は丸みを付けられることが好ましい。
【0089】
一実施形態では、動作可能領域135の少なくとも一部分内及び/又は実質的に全動作可能領域135内の湾曲ペダル130の上面に沿った局所曲率半径が、動作可能領域135の長さの1/4以上であることが好ましく、1/3以上であることがより好ましく、1/2以上であることが最も好ましい。好ましい実施形態では、動作可能領域135の少なくとも一部分内、及び/又は、実質的に動作可能領域135全体内の湾曲ペダル130の上面に沿った局所曲率半径が、好ましくは3インチ(7.6cm)以上、より好ましくは5インチ(12.7cm)以上、最も好ましくは7インチ(17.8cm)以上である。一実施形態では、動作可能領域135の少なくとも一部分内、及び/又は、実質的に全動作可能領域135内の湾曲ペダル130の上面に沿った局所曲率半径が、好ましくは8インチ(20.3cm)±75%、より好ましくは8インチ(20.3cm)±50%、最も好ましくは8インチ(20.3cm)±25%である。
【0090】
一実施形態では、湾曲ペダル130が、動作可能領域135の少なくとも一部分内、及び/又は、実質的に動作可能領域135全体内に滑らかに変化する傾きを有する。
【0091】
一実施形態では、動作可能領域135の少なくとも一部分内、及び/又は、実質的に動作可能領域135全体内の、長さ方向132に沿った位置の関数としての傾きの変化、すなわち、長さ方向132における位置に対する2次空間導関数は、好ましくは1インチ当たり30°(1cm当たり11.8°)以下であり、より好ましくは1インチ当たり18°(1cm当たり7.1°)以下であり、最も好ましくは1インチ当たり13°(1cm当たり5.1°)以下である。一実施形態では、動作可能領域135の少なくとも一部分内、及び/又は、実質的に全動作可能領域135内の長さ方向132の位置に関する二次空間導関数が、好ましくは1インチ当たり11.25°(1cm当たり4.43°)±75%であり、より好ましくは1インチ当たり11.25°(1cm当たり4.43°)±50%であり、最も好ましくは1インチ当たり11.25°(1cm当たり4.43°)±25%である。
【0092】
いくつかの実施形態では、湾曲ペダル130の側面が、動作可能領域135の少なくとも一部にわたる長さ方向132における正弦曲線であってもよく、又はそれに近似してもよい。
【0093】
湾曲ペダル130がこのような正弦波プロファイルを有する場合、長さ方向132における波長は、好ましくは典型的な奏者の足の長さ程度又はそれよりも長い。例えば、一実施形態では、長さ方向132における湾曲ペダル130の波長が、好ましくは10インチ(25.4cm)±50%、より好ましくは10インチ(25.4cm)±25%、最も好ましくは10インチ(25.4cm)±10%である。
【0094】
湾曲ペダル130がこのような正弦波プロファイルを有する場合、ペダル基準面131から測定される振幅は、好ましくは典型的な奏者の足のアーチの高さ程度である。例えば、一実施形態では、振幅が、好ましくは0.30インチ(0.76cm)±75%、より好ましくは0.30インチ(0.76cm)±50%、最も好ましくは0.30インチ(0.76cm)±25%である。
【0095】
いくつかの実施形態では、湾曲ペダル130の側面が動作可能領域135の少なくとも一部にわたる長さ方向132における円形又は楕円形の円弧であってもよく、又はそれに近いものであってもよい。湾曲ペダル130がこのような弓形側面を有する場合、曲率半径は、好ましくは8インチ(20.3cm)±75%、より好ましくは8インチ(20.3cm)±50%、最も好ましくは8インチ(20.3cm)±25%である。
【0096】
湾曲ペダル130がそのような弓形側面を有する場合、長さ方向132における同様の湾曲の極値141、161(
図6及び
図8~10参照)間の距離(例えば、連続する凸部140、160間の距離)は、好ましくは典型的な奏者の足の長さ程度であるか、又はそれよりも長い。例えば、一実施形態では、長さ方向132における、例えば第1の凸状極値141と第2の凸状極値161との間のピーク間距離は、好ましくは10インチ(25.4cm)±50%、より好ましくは10インチ(25.4cm)±25%、最も好ましくは10インチ(25.4cm)±10%である。
【0097】
湾曲ペダル130がそのような弓形側面を有する場合、ペダル基準面131から測定される極値141、151、161(
図6及び
図8~10参照)の高さは、好ましくは典型的な奏者の足のアーチの高さ程度である。例えば、一実施形態ではペダル基準面131から測定した第1の凸状極値141、第1の凹状極値151、及び/又は第2の凸状極値161の高さは、好ましくは0.30インチ(0.76cm)±75%、より好ましくは0.30インチ(0.76cm)±50%、最も好ましくは0.30インチ(0.76cm)±25%である。
【0098】
いくつかの実施形態では、湾曲ペダル130の側面が動作可能領域135の少なくとも一部にわたる長さ方向132における多項式曲線であってもよく、又は多項式曲線に近似してもよい。
【0099】
湾曲ペダル130がこのような多項式プロファイルを有する場合、多項式の次数は、好ましくは少なくとも3、より好ましくは少なくとも4、最も好ましくは少なくとも5である。
【0100】
湾曲ペダル130がそのような多項式プロファイルを有する場合、長さ方向132における、例えば連続する凸部140、160の間の、同様の湾曲の極値141、161(
図6及び
図8~10参照、多項式プロファイルではないが、弓形に湾曲したペダル130aの類似の極値141、161を示す)間の距離は、好ましくは典型的な奏者の足の長さ程度であるか、又はそれより長い。例えば、一実施形態では、長さ方向132における、例えば第1の凸状極値141と第2の凸状極値161との間のピーク間距離は、好ましくは10インチ(25.4cm)±50%、より好ましくは10インチ(25.4cm)±25%、最も好ましくは10インチ(25.4cm)±10%である。
【0101】
湾曲ペダル130がそのような多項式プロファイルを有する場合、ペダル基準面131から測定される極値141、151、161(
図6及び
図8~10参照、多項式プロファイルではないが、ペダル130aの類似の極値141、151、161を示す)の高さは、好ましくは典型的な奏者の足のアーチの高さ程度である。例えば、一実施形態では、ペダル基準面131から測定した第1の凸状極値141、第1の凹状極値151、及び/又は第2の凸状極値161の高さは、好ましくは0.30インチ(0.76cm)±75%、より好ましくは0.30インチ(0.76cm)±50%、最も好ましくは0.30インチ(0.76cm)±25%である。
【0102】
いくつかの実施形態では、湾曲ペダル130がさらに、ペダル幅方向133に湾曲していてもよい。この場合、ペダル幅方向133における上面136の湾曲は、いくつかの実施形態では、凸部であってもよく、又はペダル幅方向133における上面136の湾曲は、他の実施形態では、凹部であってもよい。長さ方向132における湾曲が、幅方向133における湾曲と局所的に反対である鞍形又は同様の輪郭の湾曲ペダル130に対して特に異論はない。
【0103】
湾曲ペダル130は
図2~4を参照して、動作可能領域135がそれらの間の変曲点145、146において、平坦部分(例えば、水平又は垂直の平坦部分(
図8及び9参照))の介在なしに、3つの湾曲部分140、150、160に分割される例に関して説明されたが、動作可能領域135は3つの湾曲部分(例えば、それぞれの湾曲部分140、150、160の間の非湾曲部分又は平坦部分の介在)の存在に対して特に異論がない。
図8及び
図9はそれぞれ、湾曲部分140、150、160の間に水平及び垂直の平坦部分が介在する実施形態を示しているが、平坦部分が存在する実施形態では、ペダル基準面131に対して傾いた平坦部分、すなわち、この文脈で使用されるような非湾曲手段の平坦部分を使用することに異論はなく、必ずしも、このような平坦部分がペダル基準面131に対して平行(水平)又は垂直(鉛直)である必要がないことに留意されたい。水平、鉛直、及び/又は傾いた平坦部分が動作可能領域135内に存在する場合、これらは、平坦部分と凸部、及び/又は、凹部との間の移行部における鋭い角部139(
図8及び
図9参照)の発生を防止するように、傾き又は丸みを付けられることが好ましい。
【0104】
図5A~
図5Jを参照すると、これらは、動作可能領域135が3つの部分に細分化され、その各々がそれぞれ、凸部140、160、凹部150、又は非湾曲又は平坦部分を含むことができる様々な実施形態を示す。
【0105】
図5Aに示す実施形態では、湾曲ペダル230は第1凹部250を含む。
【0106】
図5Bに示す実施形態では、湾曲ペダル330が第1凸部340及び第1凹部350を備える。
【0107】
図5Cに示す実施形態では、湾曲ペダル430が第1凹部450及び第1凸部440を含む。
【0108】
図5Dに示す実施形態では、湾曲ペダル530が第1凸部540、第1凹部550、及び第2凸部560を含む。
【0109】
図5Eに示す実施形態では、湾曲ペダル630は第1凸部640を含む。
【0110】
図5Fに示される実施形態では、湾曲ペダル730は第1凸部740を含む。
【0111】
図5Gに示される実施形態では、湾曲ペダル830が第1凸部840及び第2凸部860を備える。
【0112】
図5Hに示される実施形態では、湾曲ペダル930が第1凸部940及び第1凹部950を備える。
【0113】
図5Iに示される実施形態では、湾曲ペダル1030が第1凸部1040、第1凹部1050、及び第2凹部1070を含む。
【0114】
図5Jに示される実施形態では、湾曲ペダル1130が第1凸部1140、第1凹部1150、及び第2凸部1160を含む。
【0115】
湾曲ペダル130の動作可能領域135が3つよりも多い部分又は少ない部分に細分化される場合、本明細書に添付の特許請求の範囲内に含まれる類似の変形形態が可能である。
【0116】
凸部140、160、凹部150、及び/又は非湾曲部又は平坦部が、動作可能領域135が分割される2つ以上の部分を占める実施形態には異論がないことに留意されたい。例えば、動作可能領域135が
図5A~5Jに示されるように、3つの部分に細分される場合、第1凸部140が2つの部分を占め、第1凹部150が残りの部分を占める実施形態、又はその逆の実施形態に異論はない。そのような変形例は
図5Iに一例として示され、第2凹部1070は動作可能領域135が分割される部分のうちの2つを占める。
【0117】
凸部及び/又は凹部と非湾曲部又は平坦部との組み合わせには異論がなく、そのいくつかの例が
図5A~5Jに示されていることに留意されたい。
【0118】
さらに、凸部及び/又は凹部を形成するために傾いた平坦部分を使用することには特に異論はなく、そのいくつかの例が
図5A~5Jに示されている。このような傾き平坦部分が動作可能領域135内に存在する場合、これらは、好ましくは平坦部分と凸部、凹部、及び/又は他の平坦部分との間の移行における鋭い角部139(
図8及び9を参照)の発生を防止するように、傾けるか、又は丸められる。
【0119】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの凹部150が長さ方向132のほぼ中央に配置され、及び/又は長さ方向132の2つの凸部140、160の間に配置される。
【0120】
例えば、
図2~
図4及び
図6~
図10に示される湾曲ペダル130は、第1凸部140、第1凹部150、及び/又は第2凸部160を有し、第1凹部150は、動作可能領域135の長さ方向132に沿って第1凸部140と第2凸部160との間の中央に配置される。
【0121】
図6を参照すると、これは、第1凸部140a、第1凹部150a、及び第2凸部160aがそれぞれ一様で円弧である曲率半径142a、152a、162aを有し、第1凸部140a、第1凹部150a、及び第2凸部160aの曲率半径142a、152a、162aの配置及び半径が平滑な変曲点145a、165aを、それらの間に平滑な部分を介在させずに生成するような、本発明の実施形態における弓形に湾曲したペダル130aの側面図である。
【0122】
図6に示す実施形態では、第1の弓形に湾曲した凸部140aは曲率半径142aを有し、第1の弓形に湾曲した凹部150aは曲率半径152aを有し、第2の弓形に湾曲した凸部160aは曲率半径162aを有する。
【0123】
図6に示す実施形態では、第1の弓形に湾曲した凸部140aがペダル基準面131aから測定した極値141aで高さ(すなわち、振幅)143aを有する。第1の弓形に湾曲した凹部150aは、ペダル基準面131aから測定した極値151aで高さ(すなわち、振幅)153aを有する。第2の弓形に湾曲した凸部160aは、ペダル基準面131aから測定した極値141aで高さ(すなわち、振幅)143aを有する。
【0124】
図6に示す実施形態では、第1の凸状変曲点145aは、長さ方向132における第1の弧状に湾曲した凸部140aと第1の弧状に湾曲した凹部150aとの間の、凸部と凹部との間で曲率が移行する場所に存在し、第2の凸状変曲点165aは、長さ方向132における第1の弧状に湾曲した凹部150aと第2の弧状に湾曲した凸部160との間の、凹部と凸部との間で曲率が移行する場所に存在する。
【0125】
図6に示す実施形態では、第1の弓形に湾曲した凸部140a、第1の弓形に湾曲した凹部150a、及び第2の弓形に湾曲した凸部160aの配置、すなわち、ペダル基準面131から測定した極値141a、151a、161aと極値141a、151a、161aのそれぞれの高さとの間のそれぞれの距離、及びそれぞれの曲率半径142a、152a、162aは変曲点145a、165aで多かれ少なかれ正確に交わり、それらの間に平坦部を介在させることなく滑らかな変曲点145a、165aを生成するように選択される。
【0126】
図7を参照すると、これは、湾曲ペダル130、例えば、
図6に示す実施形態の弓形に湾曲したペダル130aが
図3のペダルアセンブリ110に取り付けられたときにどのように見えるかを概略的に示す側面図である。
図7の概略図において、湾曲ペダル130はその上昇位置又は非押圧位置にあり、ペダル取付角度128(
図3参照)で多かれ少なかれ傾いている。
図7のグラフに示されているように、第1の凸状極値141a、第1の凸状変曲点145a、第1の凹状極値151a、第2の凸状変曲点165a、及び第2の凸状極値161aのx軸及びy軸におけるそれぞれの位置は、それぞれ指数1、2、3、及び4で示されており、ペダル基準面131及び基板面113によって形成されるペダル取付角度128で傾いている。
【0127】
図8を参照すると、これは、本発明の一実施形態における弓形の湾曲ペダル130bの側面図であり、第1凹部140b、第1凹部150b、及び第2凹部160bはそれぞれ一様な円弧である曲率半径142b、152b、162bを有し、第1凹部140b、第1凹部150b、及び第2凹部160bの配置及び曲率半径142b、152b、162bは、
図6に示される実施形態で使用される曲率半径142a、152a、162aと比較して、
図8に示される実施形態の曲率半径142b、152b、162bが小さい結果として、水平の平坦部分の介在を許容するようなものである。
【0128】
平坦部分と凸部及び/又は凹部との間の移行部に角部139bが生成される場合、これらは、局所的な曲率半径が、湾曲ペダル130の上面136における湾曲した輪郭に沿った他の位置における曲率半径よりも実質的に小さくならないように、傾き又は丸みを帯びていることが好ましいことに留意されたい。好ましい実施形態では、平坦部分と凸部及び/又は凹部との間の移行部における角部139bにおける曲率半径が、好ましくは3インチ(7.6cm)以上、より好ましくは5インチ(12.7cm)以上、最も好ましくは7インチ(17.8cm)以上である。
【0129】
図9を参照すると、これは、本発明の実施形態における弓形の湾曲ペダル130cの側面図であり、第1凹部140c、第1凹部150c及び第2凹部160cはそれぞれ一様な円弧である曲率半径142c、152c、162cを有し、第1凹部140c、第1凹部150c及び第2凹部160cの配置及び曲率半径142c、152c、152cは、
図6に示される実施形態で使用される曲率半径142a、152a、162aと比較して、
図9に示す実施形態の曲率半径142c、152c、162cが大きい結果として、変曲点145c、165cにおいて垂直の平坦部分の介在を許容するようなものである。
【0130】
平坦部分と凸部及び/又は凹部との間の移行部に角部139cが生成される場合、これらは、局所的な曲率半径が湾曲ペダル130の上面136における湾曲した輪郭に沿った他の位置における曲率半径よりも実質的に小さくならないように、傾き又は丸みを帯びていることが好ましいことに留意されたい。好ましい実施形態では、平坦部分と凸部及び/又は凹部との間の移行部における角部139cにおける曲率半径が、好ましくは3インチ(7.6cm)以上、より好ましくは5インチ(12.7cm)以上、最も好ましくは7インチ(17.8cm)以上である。
【0131】
図10を参照すると、これは弓形の湾曲ペダル130dの側面図であり、これは、動作可能領域135dの周囲の部分が取り除かれ、動作可能領域135d内に実質的に第1の凸状ハーフローブ144d、第1の凹状ハーフローブ154d、及び第2の凸状ハーフローブ164dが残っていることを除いて、
図6の弓形の湾曲ペダル130aと同一である。
【0132】
図2~4及び
図6~9に示される湾曲ペダル130は3つの湾曲部分140、150、160に分割されるが、動作可能領域135、すなわち演奏中に足が接触する領域は、いくつかの実施形態では、第1凸部140及び第2凸部160の周辺端部までは延在しなくてもよい。
【0133】
すなわち、中央凹部150及び/又は2つの凸部140、160の間に配置された凹部150がある実施形態では、それは主に足を位置決め又は配向するのに役立つ中央凹部150であってよく、一方で、その両側の凸部140、160は、典型的には、主にヒール及び/又はトウからの打撃力を受けるのに役立つであろう。この場合、そのような実施形態において、動作に必要とされるのは、主に極値141dと第1凸部140dの変曲点145dとの間に配置される中央又は内側の第1の凸状ハーフローブ144dのみということもあり得るし、動作に必要とされるのは、主に極値161dと第2凸部160dの変曲点165dとの間に配置される中央又は内側の第2の凸状ハーフローブ164dのみということもあり得る。
【0134】
この理由のため、湾曲ペダル130dの動作可能領域135dは、湾曲ペダル130dのヒール側(
図10の左側)で第1の凸状極値141dをわずかに越えて周囲に延在し、湾曲ペダル130dのトウ側(
図10の右側)で第2の凸状極値161dをわずかに越えて周囲に延在するように、
図10に示される。
【0135】
すなわち、
図10に示す実施形態における湾曲ペダル130dの動作可能領域135dは、中央凹部150dの2つのハーフローブ154dを含むが、実質的に第1凸部140dの内側ハーフローブ144dのみを含み、実質的に第2凸部160dの内側ハーフローブ164dのみを含む。好ましい実施形態では、動作可能領域135dが第1の凸状極値141dをわずかに越えて周囲に延在して、第1凸部140dの外側ハーフローブとなるものの小さな部分を含み、第2の凸状極値161dをわずかに越えて周囲に延在して、第2凸部160dの外側ハーフローブとなるものの小さな部分を含むことに留意されたい。
【0136】
一実施形態では、動作可能領域135dが、好ましくは第1の凸状極値141dを越えて、25%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下の周囲に延在する。一実施形態では、動作可能領域135dが第2の凸状極値161dを越えて、好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下の周囲に延在する。
【0137】
そして、凸部140、160が少なくとも最小限に明確に規定されることが望ましい実施形態では、そのような実施形態における動作可能領域135dが、好ましくは15%以上、より好ましくは10%以上、最も好ましくは5%以上、第1の凸状極値141を過ぎて周囲に延在し、及び/又はそのような実施形態における動作可能領域135dは、好ましくは15%以上、より好ましくは10%以上、最も好ましくは5%以上、第2の凸状極値161dを過ぎて周囲に延在する。
【0138】
ここで、動作可能領域135dが極値を越えて周囲に延在する度合いは、ペダル基準面131d上への極値の投影からペダル基準面131d上への動作可能領域135dの最も周囲の点の投影までの距離として測定される。
【0139】
図6、8、9及び10に示す実施形態における、第1凸部140a、140b、140c、140d;第1凹部150a、150b、150c、150d;及び第2凸部160a、160b、160c、160dのプロファイルは円弧であるが、第1凸部140a、第1凹部150a、及び第2凸部160aのうちの1つ又は複数、又はそれらの任意の適切な部分で、楕円弧、円錐部分、及び/又はベジェ曲線の任意の適切な部分を使用することに異論はない。
【0140】
さらに、
図11~
図15を参照して説明したように、様々な正弦波及び/又は多項式プロファイルのいずれかを、第1凸部140a、140b、140c、140d、第1凹部150a、150b、150c、150d、及び第2凸部160a、160b、160c、160d、又はそれらの任意の適切な部分のうちの1つ又は複数で使用することができる。
【0141】
さらに、湾曲ペダル130の長さ方向132に沿った動作可能領域135全体にわたって湾曲プロファイルが一様である必要はなく、例えば、湾曲部分140、150、160においてそれぞれ異なる湾曲プロファイルを採用することが可能である。さらに、湾曲プロファイルはそれぞれの湾曲部分140、150、160の各々内で一様である必要はなく、例えば、その中のそれぞれのハーフローブ144、154、164で異なる湾曲プロファイルを採用することが可能である。
【0142】
図11は、湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135全体にわたって、波長11.6インチ(29.5cm)及び振幅0.30インチ(0.76cm)の一様な正弦波プロファイルを有する実施例を示す。
図11に示される正弦波プロファイルは、本発明者によって構築された試作品から測定されたデータに正弦波関数を曲線適合することによって導出された。より具体的には、
図11に示される曲率プロファイルが、式y=a+b*cos(cx+d)のグラフであり、ここで、係数a~dは下記の値である。:a=5.507468819E-01;b=2.959381106E-01;c=5.435591030E-01;及びd=-4.978423078E-01
【0143】
図12A及び12Bは、湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135内で変動する正弦波プロファイルを有し、組み合わせ部分は
図12Aに示されるように、波長11.6インチ(29.5cm)及び振幅0.30インチ(0.76cm)の正弦波プロファイルを有する第1の凸状ハーフローブ144及び第1の凹状ヒール側ハーフローブ154を含み、組み合わせ部分は
図12Bに示されるように、波長8.4インチ(21.3cm)及び振幅0.21インチ(0.53cm)の正弦波プロファイルを有する第1の凹状トウ側ハーフローブ154及び第2の凸状ハーフローブ164を含む、動作例を示す。
図12A及び12Bに示される正弦波プロファイルは、本発明者によって構築された試作品から測定されたデータに正弦波関数を曲線化することによって導出された。より具体的には、
図12Aに示される曲率プロファイルが式y=a+b*cos(cx+d)のグラフであり、ここで、係数a~dは下記の値である。:
a=5.507468819E-01;b=2.959381106E-01;c=5.435591030E-01;及びd=-4.978423078E-01
同様に、
図12Bに示される曲率プロファイルは式y=a+b*cos(cx+d)のグラフであり、ここで、係数a~dは下記の値である。:
a=4.703228952E-01;b=2.122825994E-01;c=7.515261318E-01;d=-1.719790992E+00
【0144】
図13は、湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135全体にわたって5次多項式プロファイルを有する実施例を示す。
図13に示す5次多項式プロファイルは、本発明者が構築した試作品から測定したデータに5次多項式関数を曲線化することにより導出したものである。より具体的には
図13に示される曲率プロファイルが式y=a+bx+cx^2+dx^3+ex^4+fx^5のグラフであり、ここで、係数a~fは下記の値である。:
a=2.788918668E-01;b=7.270160318E-01;c=-3.118881062E-01;d=4.594107675E-02;e=-2.652644591E-03;及びf=4.877817180E-05
【0145】
図14A及び
図14Bは、湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135内で変化する3次多項式プロファイルを有し、組み合わされた部分が
図14Aに示されるような3次多項式プロファイルを有する第1凸部140及び第1の凹状ヒール側ハーフローブ154を備え、組み合わされた部分が
図14Bに示されるような3次多項式プロファイルを有する第1の凹状トウ側ハーフローブ154及び第2凸部160を備える実施例を示す。
図14A及び14Bに示される3次多項式プロファイルは、本発明者によって構築された試作品から測定されたデータに3次多項式関数をカーブフィッティングすることによって導出された。より詳細には
図14Aに示される曲率プロファイルが式y=a+bx+cx^2+dx^3のグラフであり、係数aからdは下記の値である。
a=2.255092825E-01;b=6.706921138E-01;c=-2.258203518E-01;及びd=1.920400372E-02
同様に、
図14Bに示される曲率プロファイルは式y=a+bx+cx^2+dx^3のグラフであり、ここで、係数a~dは下記の値である。
a=5.392718044E+00;b=-2.018015119E+00;c=2.522924901E-01;及びd=-9.781917019E-03
【0146】
図15A及び
図15Bは、湾曲ペダル130の上面136が長さ方向132において動作可能領域135内で変化する4次多項式プロファイルを有し、第1凸部140及び第1凹部のヒール側ハーフローブ154を含んで組み合わされた部分が、
図15Aに示されるような4次多項式プロファイルを有し、第1の凹状トウ側ハーフローブ154及び第2凸部160を含んで組み合わされた部分が
図15Bに示されるような4次多項式プロファイルを有する実施例を示す。
図15A及び15Bに示される4次多項式プロファイルは、本発明者によって構築された試作品から測定されたデータに4次多項式関数を曲線フィットすることによって導かれた。より詳細には
図15Aに示される曲率プロファイルが式y=a+bx+cx^2+dx^3+ex^4のグラフであり、ここで、係数a~eは下記の値である。
a=2.758305230E-01;b=7.484228120E-01;c=-3.307662679E-01;d=5.000334014E-02;及びe=-2.605492952E-03。同様に、
図15Bに示される曲率プロファイルは式y=a+bx+cx^2+dx^3+ex^4のグラフであり、ここで、係数a~eは下記の値である。:
a=7.459645128E+00;b=-2.888161825E+00;c=3.872523953E-01;d=-1.892717400E-02;及びe=2.286314246E-04
【0147】
図11~
図15Bの実施例に示す曲率プロファイルの測定値に基づいて、ペダル基準面に対する湾曲ペダルの上面の傾きは、中央の凹部極値151からヒール側変曲点145へ、又は中央の凹部極値151からトウ側変曲点165へ向かうにつれて、±5°程度の角度で滑らかに変化することが算出される。すなわち、
図11~
図15に示す実施例では、ヒール側変曲点145からトウ側変曲点165に向かうにつれて、ペダル基準面に対する湾曲ペダルの上面の傾きが10°程度の角度で滑らかに変化すると算出される。本発明者によって変化している輪郭の実施例とともに実施されるテストに基づいて、ペダル基準面に対する湾曲ペダルの上面の傾きは、動作可能領域の少なくとも一部内又は実質的に動作可能領域全体内で、少なくとも2.5°、より好ましくは少なくとも5°、さらにより好ましくは少なくとも7.5°、最も好ましくは少なくとも10°の角度にわたって滑らかに変化することが好ましい。
【0148】
本発明は
図11~
図15を参照して説明した実施例に限定されるものではなく、これらは、様々なパラメータ、例えば、ペダル基準面131から測定した波長、振幅、ピーク間距離、及び/又は極値間の距離、極値振幅及び/又は高さ、ならびに、特許請求の範囲に記載した及び/又は本明細書の他の箇所に記載した曲率半径の範囲内の例示的なプロファイルにすぎないことに留意されたい。
【0149】
さらに、
図12~15に示される実施例は、第1凸部140及び第2凸部160において異なる又は非対称の振幅又は利得を使用するが、
図11に示され、
図3~10を参照して説明される実施形態では、第1凸部140及び第2凸部160において対称の振幅又は利得を使用するが、一般に、第1凸部140、第1凹部150、及び第2凸部160における様々な他のパラメータのいずれかについて、対称又は非対称の振幅又は利得、及び/又は対称又は非対称の値を使用することは、様々なパラメータ(例えば、波長、振幅、ピーク間距離、及び/又はペダル基準面131から測定される極値間の距離、極値振幅及び/又は極値間の距離、ならびに/又は曲率半径など)の範囲内で異論がないことに留意されたい。
【0150】
ここで
図19、20及び21を参照すると、これらは、それぞれ、
図2及び3に示すペダルアセンブリ110のインラインウイングナット張力調整機構125の代わりに用いることができるペダル戻しばね張力調整機構180aの第1の実施形態の右上前方斜視図、右側面図、及び正面図である。
図2及び
図3に示すペダルアセンブリ110の構造と他の点では同様の構造であり、本明細書の説明は
図2及び
図3に示すインラインウイングナット張力調整機構125とは異なる張力調整機構180aの態様に限定され、同様の参照番号はいくつかの図を通して対応する部品を示すために使用される。
【0151】
図19~21に示される張力調整機構180aにおいて、ペダル戻しばね186の上端部は、
図2及び
図3を参照して上述したペダル戻しばね126及びスイベルアーム121の場合と同様の方法で、スイベルアーム181の孔と係合するが、
図19~21に示される張力調整機構180aにおいて、ペダル戻しばね186の下端は下部ばねマウント182と係合し、下部ばねマウント182は、例えば、リードナット184が埋め込まれるか、又は他の方法で形成されるブラケット183と螺合されるか、又は他の方法で固定されるピン又はねじである。リードナット184はリードスクリュー187と螺合され、戻しばね186の張力を調整すべきときにリードスクリュー187の上端部189を回すと、リードスクリュー187の上端部189がリードスクリュー187に沿って回される方向に応じて、リードナット184が昇降し、このリードナット184の垂直動作は、下部ばねマウント182、ブラケット183、及びリードナット184の組合せによってもたらされる戻しばね186の下端とリードスクリュー187との間の機械的連結に起因して、戻しばね186の収縮又は伸長を引き起こす。
【0152】
下部ばねマウント182、ブラケット183、及びリードナット184はこれらが別個の部品である例によって説明されたが、下部ばねマウント182、ブラケット183、及びリードナット184のすべて又は任意の部分的な組合せの機能を果たす単一の一体的部品を使用することに異論がないことに留意されたい。
【0153】
図19~
図21に示す張力調整機構180aにおいて、ペダル戻しばね186は、リードスクリュー187に対して平行で隔てて、すなわちインライン又は同軸ではなく配置されることが好ましい。この場合、リードスクリュー187は同様に平行に配置されるが、ペダル戻しばね186に対してインライン又は同軸ではなく、ずらされている。すなわち、ペダル戻しばね186及びリードスクリュー187の軸は、互いに平行であることが好ましく、それらの間の距離がペダル戻しばね186のエンベロープとリードスクリュー187のエンベロープとの間の相互干渉を防止するのに少なくとも十分であるように、隔てて配置される。例えば、リードスクリュー187の外径が0.25インチ(0.64cm)程度であり、ペダル戻しばね186の外径が0.50インチ(1.27cm)程度である場合、軸間距離は、好ましくは0.375インチ(0.95cm)以上、より好ましくは0.5インチ(1.27cm)以上、最も好ましくは1.5インチ(3.81cm)±0.5インチ(1.27cm)である。
【0154】
さらに、ペダル戻しばね186及びリードスクリュー187は、それぞれ、基板112に対してほぼ垂直になるように垂直に配向されていることが好ましい。好ましい実施形態では、支持支柱124の軸が、支柱124がしっかりと固定される基板112に垂直であり、ペダル戻しばね186及びリードスクリュー187は、それぞれ、ペダル戻しばね186及びリードスクリュー187が垂直に延在するように、例えば、
図2及び
図3に示すペダルアセンブリ110の右側の支柱124など、支柱124の同じ支柱に対して配置され、垂直方向は、支柱124が基板112に対して垂直に取り付けられるときの支柱124の高さ方向である。この場合、ペダル戻しばね186、リードスクリュー187、及び支柱124は、好ましくは相互に平行であり、すなわちそれらの軸は、好ましくは相互に平行である。
【0155】
本発明の文脈において、特徴が相互に平行であると言われる場合、これは組立公差及び設計変動の余裕を含むものと理解されるべきであり、このような特徴の配向が互いに30°の角度内にある場合、これは本明細書の意味内で相互に平行であると理解されるべきである。また、本発明の文脈において、特徴が垂直に配向されていると言われる場合、これは、同様に、その1つ又は複数の軸が基板112に垂直に引かれた線から30°の角度内にあることを意味すると理解されるべきである。
【0156】
図19~21に示される張力調整機構180aにおける、リードスクリュー187の上端部189は、ナット内で終端し、ねじ回しにより回転するのに適した溝を有するものとして示されているが、この溝及び終端ナットは、戻しばね186の張力が調整されるときに、リードスクリュー187の上端部189の回転を容易にするためだけに設けられており、下部支持手段195及び上部支持手段196がリードスクリュー187の回転を防止するように上部支持手段196に堅固に固定されていることを示すものと解釈すべきではなく、
図20に示されている、この終端ナットの底部と上部支持手段196との間の小さな隙間は、リードスクリュー187の間の堅固な連結がなく、リードスクリュー187の回転に対する妨害がないことを示すために設けられていることに留意されたい。
【0157】
さらに、戻しばね186の張力の調整に続く滑りを防止するような方法でリードスクリュー187上の適所にリードナット184を保持するためのロックナット、又は他のそのようなロック手段は、
図19~21の張力調整機構180aには示されていないが、いくつかの実施形態では、そのようなロックナット、又は他のロック手段を使用することに特に異論はないことに留意されたい。
【0158】
しかし、好ましい実施形態では、そのようなロックナット又は他のロック手段は採用されず、リードスクリュー187及びリードスクリュー187が機械的に相互作用する部分は代わりに、通常動作中に戻しばね186の荷重下でリードスクリュー187の逆駆動を防止するのに十分に低効率の機械的系を生成するように設計される。すなわち、リードナット184をリードスクリュー187上の適所に保持するためのロックナット又は他のそのようなロック手段が用いられない実施形態では、リードスクリューシステムが自己ロック式であること、すなわち、戻しばね186からの荷重によるリードスクリュー187の逆駆動が生じないことが好ましい。
【0159】
別の言い方をすれば、いくつかの実施形態では、リードスクリューシステムの効率が、-リードスクリュー187及びリードナット184のねじ山のリード角による機械的長所、リードスクリュー187とリードナット184との間の抗力、支持手段195、196とリードスクリュー端部188、189との間の抗力、及び/又はリードナットブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間の接触によって生じる抗力を含めて、戻しばね186の荷重下でリードスクリュー187の逆駆動を防止するのに十分低いことが好ましい。そのような実施形態では、リードスクリューシステムの効率が、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、最も好ましくは30%以下である。
【0160】
前述の位置での抗力に寄与する1つの要因は、リードスクリュー187の回転中に接触し摩擦を生じる部品の材料を選択することである。したがって、そのような実施形態において、自己ロック式リードスクリュー187を製造するために効率を制御する1つの態様は、それらの間に適切に高い摩擦を生じさせるような材料を適切に選択することである。例えば、金属-金属接触は、一般に、金属-樹脂又は樹脂-樹脂接触よりも高い抗力を生じやすい。この場合、プラスチック部品を使用することに特に異論はないが、リードスクリュー187とリードスクリュー187が回転されるときにリードスクリュー187と接触する部品において金属部品を使用することが、いくつかの実施形態では好ましい場合がある。
【0161】
一実施形態では、戻しばね186の荷重下での逆駆動を防止するような効率が、リードスクリュー187及びリードナット184を含む機械システムの効率を制御することによって達成することができる。例えば、一実施形態では、リードスクリュー187及びリードナット184を備える機械システムの適当な低効率が、リードスクリュー187及びリードナット184において、好ましくは5°程度以下のリード角を有するねじ山を使用することによって達成されてよく、これは、より好ましくは4°程度以下であり、最も好ましくは3°程度以下である。別の例として、リードスクリュー187及びリードナット184を備える機械システムの適当な低効率が、リードスクリュー187及びリードナット184に、好ましくはリードスクリュー187の直径の33%程度以下のねじ山を使用することによって達成されてよく、より好ましくはリードスクリュー187の直径の25%程度以下のねじ山であり、最も好ましくはリードスクリュー187の直径の15%程度以下のねじ山である。
【0162】
リードスクリュー187及びリードナット184に使用されるねじ山のタイプに関して、特に制限はなく、例えば、vねじ山、正方形ねじ山、アクメねじ山、バットレスねじ山などをそのねじ山に使用することが可能であるが、一実施形態では、アクメねじ山を使用することが好ましい。例えば、本発明者は、
図19~21に示される張力調整機構180a、
図22~24に示される張力調整機構180b、及び
図28に示される張力調整機構190にならって製造される試作品に関連して、自己ロック能力に関して満足のいくパフォーマンスを実証し、ここで、リードスクリュー187及びリードナット184は、1インチ当たり14本(1cm当たり5.5本)に対応するねじ山ピッチを有する単条アクメねじを使用した5/16インチ(0.79cm)直径の鋼材で作られた。これらの試作品は、支持手段195、196にボールベアリング等を使用せず、リードスクリュー187の各端部188、189のベアリング面はリードスクリュー端部188、189に止めねじ手段によって取り付けられた9/16インチ(1.43cm)径の鋼材のカラーを備えていることに留意されたい。このカラーは支柱124に堅固に取り付けられた平坦なアルミニウム面上に直接的に支持され、それらの間の唯一の予荷重は、通常動作中の戻しばね186からの張力によってその上に加えられる予荷重である。
【0163】
いくつかの実施形態では、ボールねじをリードスクリュー187の代わりに使用してもよく、この場合、ボールねじの効率は一般に同等のリードスクリューの効率よりも高いので、ロックナットなどを使用するのが好ましく、又はロックナットを使用しない場合、ボールねじナットにおける抗力は、適切に予荷重をかけられたナットを使用することによって増加し、又は予荷重をかけられたボールねじナットを使用しないか、又はナットにおける抗力が逆駆動を防止するのに不十分である場合、ナット以外の場所における抗力は、通常の動作中に戻しばね186の荷重の下でボールねじの逆駆動を防止するのに十分に高くされる。したがって、本発明の実施形態は、リードスクリュー187の代わりにボールねじが使用される状況に適用し得るので、本発明をリードスクリュー187及びリードナット184を使用する実施形態に関して説明するが、ボールねじ及びボールねじナットを、リードスクリュー187及びリードナット184の代わりに使用し得ることを理解されたい。
【0164】
ボールねじの場合もリードスクリュー187の場合も、ナット184に作用する適切な予荷重の使用によってナット184の抗力を増加させることができ、これはまたバックラッシュを減少させるという利点を有する。いくつかの実施形態において、ナット184に作用する予荷重を増加させるために使用され得る1つの技術は、下部ばねマウント182からリードスクリュー187の軸までのレバーアームの長さ、すなわち、戻しばね186の軸とリードスクリュー187の軸との間の軸間距離を増加させることである。
【0165】
ボールねじの場合でもリードスクリュー187の場合でも、支持手段195、196にボールベアリング、ローラベアリング等を使用することに特に異論はないが、支持手段195、196とボールねじ端部188、189との間の抗力は、例えば、そのようなボールベアリング、ローラベアリング等を使用せずに、支持手段195、196の軸受面とねじ端部188、189との間を直接当接させることによって、及び/又はそれらの間に適当な高い摩擦を生じさせるような材料を適当に選択することによって、増加させることができる。さらに、予荷重、すなわち、正常動作中に戻しばね186からの荷重に起因して、いくつかの実施形態では、支持手段195、196とねじ端部188、189との間に存在し得る予荷重を超える予荷重が、支持手段195、196の軸受面及びねじ端部188、189に加えられて、それらの間の摩擦を増大させ得る。
【0166】
ボールねじの場合でもリードスクリュー187の場合でも、ブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間の接触によって生じる抗力は、逆駆動を防止するようにリードスクリュー(又はボールねじ)システムの効率を低下させるために使用されてもよく、これは、ブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間にスライド係合がある実施形態の状況で、以下においてさらに詳細に説明される。
【0167】
すなわち、一実施形態では、ブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間にギャップがあってもよく、いくつかの実施形態では、スクリュー187の上端部189が戻しばね186の張力を調整するために回されるときに、ブラケット表面193、199は、通常、ナット184とスクリュー187との間の摩擦によってブラケット183が運ばれ停止部材として機能するときを除いて、支柱表面185、192と接触しない。このような場合、ブラケット表面193、193と支柱表面185、192との間の接触は、そのような実施形態において他の場合には望ましくないが、有利にはブラケット183と支柱124との間の干渉を防ぎ、かつ/又は隙間を作り出すために、ギャップ(ギャップ群)を採用することができる。例えば、このような一実施形態では、スクリュー187の上端部189が回転するときにナット184とスクリュー187との間の摩擦によって運ばれる結果として、ブラケット183がリードスクリュー187を中心に旋回するので、例えば、ブラケット183の遠端の支柱対向面、すなわち、下部ばねマウント182に近いブラケット183の端の支柱対向面、及び下部ばねマウント182から最も遠いブラケット183の端の支柱対向面が、支柱124と接触してナット184及びブラケット183のリードスクリュー187の回りの望ましくない回転を停止する支柱対向面であって、ブラケット183と支柱124との間の他の位置(位置群)における任意のサイズのギャップが存在することに異論はない。さらに、そのような実施形態におけるそのような停止動作は、リードスクリュー187の軸を中心とするブラケット183の過剰な回転を防止するのに十分なだけ生じるとよいため、ブラケット183の端部でさえ、他のときに支柱124と接触する必要はなく、例えば、ブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間の全ての位置において、最大0.25インチ(0.64cm)又はそれ以上の程度の隙間があってもよい。
【0168】
しかしながら、リードスクリュー187の上端部189が回転するときにブラケット183が摩擦によって運ばれる傾向が小さいとしても、そのような現象は調整中にしか起こらないので、またそのような状況では、ばねマウント182が支柱124から離れすぎて扱いにくく望ましくない仕方で戻しばね186を伸ばすのを防ぐために、ばねマウント182を下げるために指の圧力などを加えることによってそのような傾向を抑制することは、操作者にとって許容できると考えられるので、必ずしも問題ではないことに留意されたい。
【0169】
この点に関して、好ましい実施形態では、戻しばね186及びリードスクリュー187が
図19~28の実施形態で示すように右側の支柱124に配置されているか、又は左側の支柱124に配置されているかに応じて、また、リードスクリュー187が
図19~21で示す張力調整機構180a及び
図28に示す張力調整機構190におけるように支柱124の前方に配置されているか、又はリードスクリュー187が
図22~24で示す張力調整機構180bにおけるように支柱124の後方に配置されているかに応じて、リードスクリュー187及びリードナット184において逆ねじを使用することは、ブラケット183をリードスクリュー187がより大きな荷重を生じさせようとする方向に回転され、したがってリードスクリュー187とリードスクリュー187との間により大きな摩擦を生じさせようとするときに、ブラケット183が下部ばねマウント182を支柱124の面に対して押圧しようとする方向に、すなわち、おそらくは戻しばね186、収縮を生じさせる方向よりもむしろ伸びを生じさせる方向に、ブラケット183がリードスクリュー187の軸を中心に回転するのを防ぐのに役立ち、それにより、下部ばねマウント182が支柱124の面から離れるように移動し、戻しばね186の下端をそれとともに扱いにくく望ましくない仕方で運ぶことになる。別の言い方をすれば、一実施形態ではリードスクリュー187におけるねじ切り方向、すなわち、前方ねじ切り又は後方ねじ切りのいずれを採用するかの選択は、下部ばねマウント182が支柱124の面から離れる方向に摩擦によって運ばれる傾向を全体的に減少させるようなものであると好ましい。
【0170】
しかし、ブラケット183が摩擦によって運ばれやすいことが問題であると考えられる場合、上述のような停止部材の使用に加えて、グルーブ、スロット、ロッド、バー、トラック、フレーム等のような動作を制限する手段を使用することに異論はないであろう。例えば、一実施形態では、下部ばねマウント182を越えて延在するブラケット183の端部、すなわち、
図20の図面の右側のブラケット183の端部、又は
図23の図面の左側のブラケット183の端部は、ペダルアセンブリ110の動作中に戻しばね186のエンベロープと干渉しないように十分に延ばすことができ、ブラケット183のこの延ばされた端部は、リードスクリュー187の上端部189が回転されたときにリードナット184とリードスクリュー187との間の摩擦の結果としてブラケット183が支柱124から遠くに運ばれるのを防止するように、支柱124の表面に取り付けられるか、又は形成される垂直トラック、グルーブ、フレームなどに乗らせ得る。
【0171】
しかしながら、好ましい実施形態では、リードナット184がリードスクリュー187に沿って昇降するように作られているので、ブラケット183の内面193の平面は、支柱124の外面192の平面とスライド可能に係合するように形成され、ブラケット183のこのような平面と支柱124の平面とのスライド接触は、ブラケット183がリードスクリュー187の軸を中心として回転するブラケット183の傾向を打ち消すばかりでなく、ブラケット183の上端部189が戻しばね186の張力を調整すべきときに、リードナット184とリードスクリュー187との間の摩擦によって運ばれるので、ブラケット183がリードスクリュー187の回転に伴ってブラケット183をガイドし、円滑で繰り返し可能で精密な動きを容易にする。
【0172】
例えば、
図19~
図21に示す張力調整機構180a(右側の支柱124は例えば矩形断面)では、支柱124がロッカー軸116の軸に実質的に垂直な、少なくとも1つの第1の平面192を有することができ、第1の平面192に実質的に垂直な少なくとも1つの第2の平面192を有することができる。この場合、
図19~
図21に示す実施形態では、右側の支柱124のこれらの平面192、192の各々は垂直に向けられ、戻しばね186の軸を含む平面に平行であり、リードスクリュー187の軸を含む平面に平行である。
【0173】
同様に、支柱124が、例えば
図19~21に示される張力調整機構180aにおけるような矩形断面である場合、ブラケット183は同様にロッカー軸116の軸に対して実質的に垂直である、少なくとも1つの第1の平面193を有することができ、同様に第1の平面193に対して実質的に垂直である少なくとも1つの第2の平面193を有することができる。この場合、
図19~
図21に示す実施形態では、ブラケット183のこれらの平面193、193の各々は、同様に垂直に向けられ、同様に戻しばね186の軸線を含む平面に平行であり、同様にリードスクリュー187の軸線を含む平面に平行である。
【0174】
この場合、
図19~
図21に示す張力調整機構180aにおいて、ブラケット183の平坦な内面193、193は、支柱124の平坦な外面192、192とスライド可能に係合し、スクリュー187の上端部189が回転して戻しばね186の張力を調整するときに、リードスクリュー187に沿って上下に移動するようにリードナット184の動きをガイドする。
【0175】
また、好ましい実施形態では、右側の支柱124の2つの平面192、192は、同様に垂直に配向された外側角部185を形成するように交わることができ、外側角部185の軌跡は、ペダル戻しばね186及びリードスクリュー187の軸に平行であり、かつ基板112に垂直である垂直線分である。この場合、外側角部185は、支柱124の2つの平面192、192の交差によって形成される二面角を構成する。
【0176】
同様に、このような好ましい実施形態では、ブラケット183の2つの平面193、193は、同様に垂直に配向された内側角部199を形成するように交わることができ、内側角部199の軌跡は、ペダル戻しばね186及びリードスクリュー187の軸に平行であり、かつ基板112に垂直である垂直線分である。この場合、内側角部199は、ブラケット183の2つの平面193、193の交差によって形成される二面角を構成する。
【0177】
この場合、
図19~
図21に示す張力調整機構180aにおいて、ブラケット183の内側角部199と支柱124の外側角部185とのスライド係合は、いくつかの実施形態では戻しばね186の張力が調整されているときにブラケット183がリードスクリュー187に昇降するので、支柱124に対するブラケット183の位置決め及びガイドをさらに助けることができる。
【0178】
ブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間にスライド係合がある実施形態では、ブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間の接触によって生じる抗力を使用して効率を低下させ、逆駆動を抑制し、及び/又はリードスクリューシステムの自己ロックを促進することができる。このような実施形態では、ブラケット表面193、199及び/又は支柱表面185、192は、適切な材料でコーティングされてもよく、又は適切な材料のテープがブラケット表面193、199及び/又は支柱表面185、192に適用されて、それらの間の摩擦係数を制御してもよい。例えば、適切な潤滑性及び耐摩耗性の材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン又は他のそのようなフッ素化樹脂、ポリオレフィン、又は他のそのような適切な材料を、ブラケット表面193、199が支柱表面185、192と接触するコーティング又はテープとして使用することができる。ブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間に適切な垂直力を生成するために、そのような実施形態ではブラケット表面193、199及び支柱表面185、192に沿って、ギャップ又はクリアランスは存在しないが、その代わりにそれらの間に干渉が存在する少なくとも1つの位置があることが好ましい。また、このような実施形態におけるこの垂直力の大きさを適切に制御するために、設計公差、摩耗などによるこの干渉の大きさの変動の観点から、適切な弾性材料、すなわち、発泡ゴム又は合成樹脂などの適切な弾性の材料もまた、例えば、相互に接触するブラケット表面193、199及び支柱表面185、192に適用され得るテープ又は類似の積層材料のための裏材として使用されることが好ましい。このような弾性部材をリードスクリューシステムに挿入することによって、ブラケット表面193、199と支柱表面185、192との間の接触によって生じる抗力の結果として、リードスクリューシステムの効率を適切に低下させ得るだけでなく、この弾性部材の弾性によって生じる復元力が、リードスクリュー187及びリードナット184を含む機械システムにわずかな予荷重を加えるので、これは、バックラッシュを低減し、リードスクリュー187の滑らかで正確な動作に寄与する。
【0179】
好ましい実施形態では支柱124が基板112に強固に固定され、リードスクリュー187が安定して固定される範囲、すなわち、支柱124に対してリードスクリューとして機能し得るようにその軸を中心に回転する能力を除き、このことはリードスクリュー187の上端部189が回転されるとき、ペダル戻しばね186の張力の正確かつ円滑な調整を容易にする。
【0180】
さらに、好ましい実施形態では、リードスクリュー187が支柱124の実質的に全高にわたって延在し、リードスクリュー187の底端部188は支柱124の底部又はその近くで支持され、リードスクリュー187の上端部189は支柱124の頂部又はその近くで支持される。リードスクリュー187が支柱124の実質的に全高にわたって延在すると言われているところでは、リードスクリュー187が
図19~
図21に示す張力調整機構180aのように支柱124の前にあるときに、リードスクリュー187の突出が不自然に干渉するのを防止するように、又はリードスクリュー187が
図22~
図24に示す張力調整機構180bのように支柱124の後にあるときに、リードスクリュー187へのアクセスを容易にするように、それらの間の高さのいくらかの差異を可能にする。
【0181】
例えば、
図19~21に示される実施形態において、リードスクリューの底端部188のための下部支持手段195、及び/又は、リードスクリューの上端部189のための上部支持手段196は、支柱124の底端部及び上端部又はその付近で、ねじ又は他の締結具の手段によってそれぞれ固定され、一実施形態では、リードスクリュー187の軸を中心とした回転を可能にするが、リードスクリュー187の軸に沿った並進動作を実質的に防止し、リードスクリュー187の軸に垂直な方向の並進動作を実質的に防止し、リードスクリュー187の軸以外の軸を中心とした回転を実質的に防止する軸受とすることができる。特に、端部固定に関して、単純な(又は浮動の)及び/又は固定された支持の、任意の好適な組み合わせ、例えば、単純-単純、固定-固定、単純-固定、又は固定-単純が、リードスクリュー端部188、189のための支持手段195、196において使用され得る。さらに、リードスクリュー端部188、189の一方が自由、すなわち支持されていない実施形態に対して特に異論はない。
【0182】
別の実施形態では、
図19~21に示される第1の実施形態における下部支持手段195及び/又は上部支持手段196が、リードスクリュー187がその軸回りを回転することを許容し、リードスクリュー187がその軸に沿った並進動作に係合することを実質的に防止するように、リードスクリュー端部188、189が内部に捕捉される、簡単な箱状ケージであればよい。
【0183】
例えば、このような実施形態では、リードスクリュー端部188、189に軸方向位置決め機能を使用することができ、戻しばね186の張力を調整すべきときにリードスクリュー187の上端部189が回転されるとき、リードスクリュー188、189が静止支持手段195、196に直接的に当接するように、このような支持手段195、196が、介在する軸受を使用せずにリードスクリュー188、189を支持することができる。
【0184】
止めねじの手段によってずんぐりした円筒形のカラーが取り付けられたこのような軸受のない支持体の例が、
図28に分解図形式で示された張力調整機構190のリードスクリュー底端部188に示されていることに留意されたい。
図28には示されていないが、そのような円筒形カラーは、リードスクリュー187の上端部189に向かって同様に取り付けられてもよく、リードスクリュー187の軸を中心とするリードスクリュー187の回転を可能にするが、並進動作を実質的に防止し、他の軸を中心とする回転を実質的に防止するように適切に寸法決めされた区画は、支柱124の底端部及び上端部に形成されてもよく、リードスクリュー端部188、189は、その軸を中心とするリードスクリュー187の回転を可能にするが、並進動作を実質的に防止し他の軸を中心とする回転を実質的に防止するように、支柱124内に捕捉される。
【0185】
いくつかの実施形態では、摩擦を生じさせるリードスクリュー端部188、189及び/又はリードナット184における効力が大きいので、リードスクリュー端部188、189の軸受のない支持体は、軸受によって支持するのに好ましい場合があり、したがって、全体的なリードスクリュー187の効率が低いと、戻しばね186によって加えられる荷重を受けてリードスクリュー187が逆駆動される傾向が低減し、ロックナット又は他のそのような別個のロック手段を必要とせずに容易に調整できるセルフロック型張力調整機構180aとして使用することが容易になる。同様の理由で、リードスクリュー187を使用することはいくつかの実施形態ではボールねじを使用することよりも好ましい場合があり、図面には示されていないが、リードスクリュー187の代わりにそれを使用することは、特許請求の範囲がリードスクリューの使用を明示的に列挙している場合を除いて、特許請求の範囲内の変形であるとみなされるべきである。
【0186】
ここで
図22、23、及び24を参照すると、これらは、それぞれ、
図2及び
図3に示されるペダルアセンブリ110のインラインウイングナット張力調整機構125の代わりに用いることができるペダル戻しばね張力調整機構180bの第2の実施形態の右上後方斜視図、右側面図、及び背面図である。
図22~24に示される張力調整機構180bの構造は、
図19~21に示される張力調整機構180aの構造と同様であり、ここでの説明は、
図22~24に示される張力調整機構180bの、
図19~21に示される張力調整機構180aとは異なる態様に限定され、同様の参照番号は、いくつかの図を通して対応する部品を示すために使用される。
【0187】
図19~21に示される張力調整機構180aにおいて、リードスクリュー187は、支柱124の前方、概して戻しばね186の前方に配置されるが、
図22~24に示される張力調整機構180bにおいて、リードスクリュー187は、支柱124の後方、及び概して戻しばね186の後方に配置される。
図22~24に示される張力調整機構180bにおいて、リードスクリュー187は支柱124の背後にあり、すなわち、リードスクリュー187はドラムスローンに着座したドラム奏者によって見られるように、支柱124の遠い側に配置され、戻しばね186の張力が調整されるべきときに、張力調整機構180bのリードスクリュー187の上端部189へのドラム奏者によるアクセスを容易にするので、張力調整機構180bの上端部189は、
図22~24に示されるものを超えて上方向に伸長され得る。逆に、
図19~21に示される張力調整機構180aでは、リードスクリュー187が支柱124の前方にあり、すなわち、リードスクリュー187がドラムスローンに着座したドラム奏者から見て支柱124の手前側に配置されているので、戻しばね186の張力を調整すべきときに、張力調整機構180aの上端部189は、ドラムによる張力調整機構180aのリードスクリュー187の上端部189へのアクセスを妨げることなく、
図19~21に示すように上方向に延在しないように短くすることができる。
【0188】
ここで
図25A(又は25B)、
図26及び
図27を参照すると、これらはそれぞれ、
図2及び
図3に示されるペダルアセンブリ110のインラインウイングナット張力調整機構125の代わりに使用され得るペダル戻しばね張力調整機構180cの第3の実施形態の右上前方斜視図、右側面図、及び正面図である。なお、
図25A及び
図25Bには変形例が破線で示されており、
図25Cは
図25Bに破線で示された変形例における上方から見たブラケット183を含む部分の概略断面図である。
図25A~27に示される張力調整機構180cの構造は、
図19~21に示される張力調整機構180a及び
図22~24に示される張力調整機構180bのそれと同様であり、ここでの説明は、
図19~21に示される張力調整機構180a及び
図22~24に示される張力調整機構180bとは異なり、
図25A~27に示される張力調整機構180cの態様に限定され、同様の参照番号はいくつかの図を通して対応する部分を示すために使用される。
【0189】
リードスクリュー187は、
図19~
図21に示す張力調整機構180aにおいて、支柱124の前方かつ戻しばね186のほぼ前方に配置され、リードスクリュー187は
図22~
図24に示す張力調整機構180bにおいて、支柱124の後方かつ戻しばね186のほぼ後方に配置されるが、リードスクリュー187は
図25A~
図27に示す張力調整機構180cにおいて、支柱124の側方すなわち外側に、及び戻しばね186の側方すなわち外側に配置される。
【0190】
リードスクリュー187が支柱124の側方にある
図25A~
図27に示される張力調整機構180cでは、
図25A及び25Bに実線で示される設計によれば、停止部材として作用するため、又はそれらの間のスライド係合を許容するために、ブラケット表面193、199が支柱表面185、192と接触することはなく、リードスクリュー187の上端部189が回転して戻しばね186の張力を調整し、したがって、下部ばねマウント182がその垂直方向から逸脱するのを防ぐように、ブラケット183が摩擦によって動こうとすること抑えるように指の圧力などを奏者が加えることは、許容できないと考えられ、したがって、戻しばね186が、おそらくねじれてリードスクリュー187の回りで伸ばされ、
図25A~25Cで示されるような破線で示されている特徴は、ブラケット253が摩擦によって動かされるのを防止するために、及び/又はリードスクリュー187の上端部189が回転されるときにスライド係合を可能にするために停止部材が使用され得る。
【0191】
すなわち、
図25Aにおいて図面の左側に向かって破線で示されるような特徴は、支柱124との接触及び/又はスライド係合を可能にするように、支柱124の方向にブラケット183及び/又は下部ばねマウント182を延ばすために使用され得る。
【0192】
あるいは、
図25Aの図面の右側に向かって破線で示されるような特徴が、ブラケット183を基板112に固定された追加のガイド支柱の方向に延ばして、この追加のガイド支柱との接触及び/又はスライド係合を可能にするために使用され得る。
【0193】
あるいは、
図25B及び
図25Cの図面の右側に向かって破線で示されるような特徴が、ブラケット183を基板112に固定された追加のガイド支柱の方向に延ばして、この追加のガイド支柱との接触及び/又はスライド係合を可能にするために使用され得る。ここで、
図25Cは、
図25Bの破線で示した変形例の上方から見たブラケット183を含む部分の概略断面図である。
【0194】
図25Aの図面の右側に向かって破線で示されるように、又は
図25Bの図面の右側に向かって破線で示されるように、追加のガイド支柱が使用される場合、ブラケット183の内面193、193は、
図19~21に示される張力調整機構180a、
図22~24に示される張力調整機構180b、及び
図25Aの破線で示される張力調整機構180cの変形例において、支柱124の外面192、192と接触するが、
図25Cに示される追加のガイド支柱の内面と接触するのは、
図25Cに破線で示される延長されたブラケットの外面であることに留意されたい。
【0195】
同様に、
図25Aの図面の右側に向かって破線で示されるように、又は
図25Bの図面の右側に向かって示されるように、及び
図25Cの破線で示されているように、追加のガイド支柱が使用される場合、ブラケット183の2つの平面193、193が、支柱124の垂直に配向された外側角部185又はこのような追加のガイド支柱と係合可能な、垂直に配向された内側角部199を形成するように交わるのに対して、
図19~21に示される張力調整機構180a、
図22~24に示される張力調整機構180b、及び
図25Aの破線で示される張力調整機構180cの変形例において、ブラケット183のこの内側角部199はブラケット183の2つの平面193、193の交差によって形成される二面角を構成し、支柱124のこの外側角部185又はこのような追加のガイド支柱は支柱124の2つの平面192、192の交差によって形成される二面角を構成し、
図25B及び25Cにおいて破線で示される張力調整機構180cの変形例において、ブラケット183から延在する2つの平面が、このような追加のガイド支柱の垂直方向の内側角部と係合可能な垂直方向の外側角部を形成するように交わり、二面角を構成しているブラケット183のこの外側角部はブラケット183の2つの平面の交差によって形成され、二面角を構成している、このような追加のガイド支柱のこの内側角部は、このような追加のガイド支柱の2つの平面の交差によって形成される。
【0196】
しかし、支柱の外面と接触するブラケット183の内面であるか、又は支柱(又は追加のガイド支柱)の内面と接触するブラケット183の外面であるかにかかわらず、ナット184及びブラケット183が摩擦によって運ばれる傾向を打ち消すことが可能であり、リードスクリュー187の上端部189が回転することにつれて、ブラケット183の平面と支柱124(又は追加のガイド支柱)との間にスライド係合を生じさせることが可能である。
【0197】
そして、支柱124の外側角部185と接触するブラケット183の内側角部であるか、又は支柱124(又は追加のガイド支柱)の内側角部185と接触するブラケット183の外側角部であるかにかかわらず、そのような内側角部とそのような外側角部との間のスライド係合を引き起こして、リードスクリュー187の上端部189が回転するときに、支柱124(又は追加のガイド支柱)に対してブラケット183を位置決めし、ガイドするのをさらに助けることが可能である。
【0198】
図19~21に示される張力調整機構180a、
図22~24に示される張力調整機構180b、及び
図25A~27に示される張力調整機構180cを比較することによって明らかなように、戻しばね186に対して平行で隔てて配置される垂直に配向されたリードスクリュー187は、戻しばね186の軸回りの任意の角度位置に配置され得る。さらに、ナット184が埋め込まれ、又は他の方法で形成され、リードスクリュー187を下部ばねマウント182に連結するブラケット183は、支柱124の表面及び/又は追加のガイド支柱と接触し、かつ/又はスライド可能に係合する表面を有することができる。
【0199】
次に
図28を参照すると、これは、
図2及び
図3に示すペダルアセンブリ110のインラインウイングナット張力調整機構125の代わりに用いることができる張力調整機構190の第4の実施形態の分解図である。
【0200】
図28に示す張力調整機構190では、支柱124は中空になっており、リードスクリュー187が戻しばね186の前方かつ内側になるようにリードスクリュー187をその中に挿入することができる。さらに、支柱124の前部の分割部分198は取り外し可能に作られ、蟻継ジョイントの雌側は支柱124の前面の取り外し可能な分割部分198の内側に機械加工されており、この雌蟻継部198は、リードスクリュー187と係合するためのナット184として働くねじ孔を有する雄蟻継部197のためのガイド面として働く。
【0201】
図28に示す張力調整機構190の組立中、支柱124は基板112から取り外され、カラーが止めねじ等の手段によりリードスクリュー187の底端部188に取り付けられ、リードスクリュー187が支柱124のベースに形成された孔を介して支柱124に挿入される。しかし、リードスクリュー187が支柱124に挿入される前に、雄蟻継部197の楔が雌蟻継部198の溝内の蟻継型に挿入され、雄蟻継部197が挿入された雌蟻継部198が支柱124における元の形状に戻される。次に、リードスクリュー187が支柱124の底部から挿入されると、リードスクリュー187の雄ねじが雄蟻継部197の孔184に形成された雌ねじと係合させられ、リードスクリュー187の上端部189が支柱124の上部に形成された孔から現れる。リードスクリュー端部188、189は、
図19~
図21に示す張力調整機構180aに関して上述したのと同様の方法で、中空の支柱124内に受け入れた支持手段195、196によって支持される。雄蟻継部197はさらに、雄蟻継部197にハーフブラケット191を取り付けるためのねじ孔を含み、ハーフブラケット191と雄蟻継部197との組み合わせは、本実施形態ではブラケット183として働く。雄蟻継部197はまた、戻しばね186の下端が雄蟻継部197に連結するように下部ばねマウント182が係合される追加のねじ孔を含み、雄蟻継部197は、
図19~21に示される張力調整機構180a、
図22~24に示される張力調整機構180b、及び
図25A~27に示される張力調整機構180cにおけるナット184の場合と同様にリードスクリュー187に沿って動く。
【0202】
なお、支柱124の前面は、雄蟻継部197が戻しばね186の張力調整中にリードスクリュー187に沿って昇降するときに、雌蟻継部198内の雄蟻継部197の動きを可能にする適切な形状の溝を含み、戻しばね186が配置される側に向かう支柱124の面は、雄蟻継部197が戻しばね186の張力の調整中にリードスクリュー187に沿って昇降するときに、下部ばねマウント182及びハーフブラケット191の動きを可能にする適切な形状の溝を含むことに留意されたい。このように組み立てられた後、雌蟻継部198は、ねじ又は他の締結具を用いて支柱124の前部の位置に固定され、支柱124は基板112に固定される。
【0203】
張力調整機構190では、ブラケット183の一部を構成する雄蟻継部197の平面が合わさって、支柱124の一部を構成する雌蟻継部198の垂直方向内側角部と係合可能な垂直方向外側角部を形成し、雄蟻継部197のこれらの外側角部は二面角を構成し、その各々は雄蟻継部197の2つの平面の交差によって形成され、雌蟻継部198のこれらの内側角部は二面角を構成し、その各々は雌蟻継部198の2つの平面の交差によって形成される。
【0204】
図28に示す張力調整機構190の支柱124は、リードスクリュー187が戻しばね186の前方かつ内側にあるようにリードスクリュー187をその中に挿入できるように中空にされているが、リードスクリュー187は、一般に、戻しばね186の軸を中心とする任意の角度位置に配置することができ、中空にされた支柱124の位置はその中にリードスクリュー187を挿入できるように修正されていることに留意されたい。
【0205】
リードスクリュー187に沿って動く雄蟻継部197は、
図28に示す張力調整機構190において中空の支柱124の内部に形成された雌蟻継部198と接触するのに対して、その変形例ではリードスクリュー187に沿って動く雌部が中空の支柱124の内部に形成された雄蟻継部と接触してもよく、又はリードスクリュー187に沿って動く蟻継部の代わりに、リードスクリュー187に沿って動き、外側角部を有し該外側角部が支柱124の中空の内部で内側角部と接触するブラケットを、
図25B及び25Cに示すのと同様に使用してもよく、又は
図25Aの右側に破線で示すように追加のガイド支柱を設けて、リードスクリュー187に沿って動き、内側角部を有するブラケットが、追加のガイド支柱の外側角部に接触するように使用してもよい。さらに、リードスクリュー187の上端部189が回転するときに、ナット184及びブラケット183が摩擦によって運ばれる傾向を打ち消すために、上述したようなグルーブ、溝、棒、バー、通路、フレームなどのような手段を使用することに異論はない。
【0206】
したがって、
図28に示す張力調整機構190又はその変形例では、ブラケット183の内面が支柱124の外面と接触するか、又はブラケット183の外面が支柱124の内面と接触する場合、ナット184及びブラケット183が摩擦によって運ばれる傾向を打ち消すことができ、リードスクリュー187の上端部189が回転するにつれて、ブラケット183の平面と支柱124との間にスライド係合が可能になる。さらに、
図28に示す張力調整機構190では、ブラケット183の内側角部が支柱124の外側角部185に接触するか、又はブラケット183の外側角部が支柱124の内側角部185に接触し、リードスクリュー187の上端部189が回転するにつれて、そのような内側角部と外側角部との間にスライド係合を生じさせることができ、ブラケット183を支柱124に対して位置決めしガイドするのをより助ける。
【0207】
図面に示されるペダル戻しばね126、186はコイルばねとして描かれているが、引張、圧縮、又は引張及び圧縮の両方で作用するように設計されているかどうかにかかわらず、本発明はコイルばね及び/又は他のこのような螺旋状ばねを使用する張力調整機構に限定されず、多種多様なばね、例えば、ガスばね、板ばね、ねじりばね、片持ちばね、ゴムバンド様ばね(ゴム製のものに限定されないが、任意の適切な弾性又は粘弾性材料)、発泡樹脂、又は他のそのような弾性又は粘弾性材料、及び変位の関数として変化する復元力を提供し得る任意の他の適切なデバイス、例えば、ペダル戻しばね126、186を使用することも可能である。
【0208】
本発明に従う張力調整機構180a、180b、180c、190は、スクリュー187を動くナット184が、戻しばね186に連結されるブラケット183が戻しばね186の下端に配置される下部ばねマウント182に接続される例に関して説明されているが、
本発明はまた、ブラケット183が戻しばね186の上端部に配置される上側ばねマウントに接続されるか、又は戻しばね186に任意の他の適切な位置に接続される張力調整機構にも適用することができ、機構及びリンク機構はスクリュー187の上端部189が回転するときにスクリュー187上のナット184の移動の結果として張力を調整できるように必要に応じて修正される。この場合、本発明は、ナット184をスクリュー187上のより低い位置に移動させることによって戻しばね186の張力を増加させ、ナット184をスクリュー187上のより高い位置に移動させることによって減少させる張力調整機構に限定されず、ナット184をスクリュー187上のより高い位置に移動させることによって戻しばね186の張力を増加させ、ナット184をスクリュー187上のより低い位置に移動させることによって減少させる張力調整機構にも、本発明を適用することが可能であることを理解されたい。
【0209】
種々の形状のブラケット183が、
図19~28に例示として示される張力調整機構180a、180b、180c、190に用いられているが、本発明は任意の特定のサイズ又は形状のブラケット183に限定されるものではなく、本明細書に記載の機能を実行することができる限り、種々のサイズ及び形状のブラケット183を使用することが可能である。
【0210】
上述のように、本発明の様々な実施形態のいずれかによる張力調整機構180a、180b、180c、190及び/又は湾曲ペダル130は、例えば、ドラムセット100で使用するためにペダルアセンブリ110に取り付けることができる。
【0211】
本発明による張力調整機構180a、180b、180c、190を使用するペダルアセンブリ110と、本発明による湾曲ペダル130とを備えるドラムセット100は、ペダル戻しばね張力の便利かつ正確な調整を可能にすることによって、熟練した奏者が本発明の湾曲ペダルの利点を十分に利用することを可能にする。
【0212】
本発明の1つ以上の実施形態による張力調整機構180a、180b、180c、190を使用することは、ペダルの操作者がペダルアセンブリを分解する必要なく、ペダル戻しばねの張力を簡便に調整することを可能にし得る。例えば、いくつかの実施形態では、操作者が通常ペダルを操作する位置から移動する必要なく、操作者がペダル戻しばねの張力を調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本発明による張力調整機構180a、180b、180c、190を使用することはドラムスローンに着座したドラム奏者が、スローンに着座した状態でペダル戻しばね張力を調整できるようにすることができる。
【0213】
また、リードスクリュー187が上述のように自己ロック式である実施形態では、ロックナット又は他のロック手段を緩める必要なく、ペダル戻しばねの張力を容易に調整することが可能であり、一旦調整されると、ロックナット又は他のロック手段を締め直す必要なく、張力調整を維持することが可能である。
【0214】
本発明の実施形態によるドラムセット100で使用するためにペダルアセンブリ110内に取り付けられた湾曲ペダル130は、特にスライド技法及び/又はヒールトウ技法などの技法を使用する場合、ペダル動作式ドラム演奏を容易にすることができ、及び/又は、ペダル動作式ドラム演奏を疲れにくくするか、若しくはより快適にすることができる。
【0215】
さらに、いくつかの実施形態による湾曲ペダル130の湾曲形状は、奏者が湾曲ペダル130の「感触」によって、自分の足を素早くかつ確実に位置決めすることを可能にし得る。
【0216】
さらに、いくつかの実施形態による湾曲ペダル130は、足の形状に対して良好に適合し得るため、湾曲ペダル130の使用は従来よりも少ない足及び/又は足首の動きで、ドラムのより素早くかつ強力な打撃を達成することを可能にし得る。
【0217】
さらに、いくつかの実施形態による湾曲ペダル130の湾曲形状は、足、特に足のヒール及び/又は足の拇指球がその上面136に対して、より垂直に近い角度で湾曲ペダル130を打つことを可能にし、奏者の足から湾曲ペダル130に力が伝達される、てこの力又は効率を改善し、及び/又はより強い及び/又は疲れにくいパフォーマンスを可能にする。
【0218】
さらに、いくつかの実施形態における湾曲ペダル130の滑らかに変化する輪郭は、湾曲ペダル130上に足を配置する際の快適性及び感度を改善するために、裸足を使用するか、靴下を着用するが靴下を着用しないか、又は薄い靴又は他のそのような足カバーを着用する奏者にとって有利であり得る。
【0219】
さらに、いくつかの実施形態における湾曲ペダル130の動作可能領域135は、奏者の足よりも実質的に長いので、これは、ヒールヒンジ114の支点の回りのてこの力の増加を可能にし、より強力な及び/又は疲れにくい演奏を可能にするだけでなく、湾曲ペダル130の長さ方向132に沿った、より持続的なスライドを容易にし得る。さらに、奏者の足よりも実質的に長いペダルは、従来使用されている基本的なヒールトウ打撃位置を越えた複数の打撃位置に適応することもできる。
【0220】
次に、
図16A~
図16Cを参照して、ドラムセット100のペダルアセンブリ110の湾曲ペダル130が、本発明の実施形態にしたがってどのように使用され得るかについて説明する。
【0221】
ドラムセット100において、ペダルアセンブリ110はドラム103又はハイハットシンバル104を、例えば、任意の適切な様式で演奏するために使用され得る。例えば、バスドラム103を操作するためにペダルアセンブリ110が使用される場合、ペダルアセンブリ110は、湾曲ペダル130が押し下げられたときにペダルアセンブリ110が垂直に直立したドラム103又は水平に直立したドラムにビーター115を衝突させるように組み立てられ得る。
【0222】
いくつかの実施形態では、奏者がペダルアセンブリ110を使用して単一のドラムビートを生成することができる。このような時点で、奏者がペダルアセンブリ110を操作するために自分の足を使用する場合、足は一般に、湾曲ペダル130が押し下げられた時点で、湾曲ペダル130の上面136に沿った任意の位置に配置され得る。例えば、足部は、
図16Aに示すように配置することができる。別の例では足は
図16Bに示すように位置決めすることができる。さらに別の例では足は
図16Cに示すように位置決めすることができる。可能な足の位置は、
図16A~
図16Cに示されるものに限定されない。
【0223】
いくつかの実施形態では、奏者がペダルアセンブリ110を使用して、ダブレット、又は2つの連続するドラムビートを生成することができる。ダブレットは、様々な方法で生成することができる。例えば、奏者は、上述の足の動きのうちの1つを単に繰り返して、単一のドラムビートを2回素早く連続して生成することができる。本発明のいくつかの実施形態の1つの利点は、片足動作サイクルで2つの連続するドラムビートの生成を容易にすることである。2つの連続するビートが片足動作サイクルによって生成される場合、素早く連続するビートが容易に達成され得る。
【0224】
例えば、本発明の1つ以上の実施形態によれば、奏者は、様々なスライド技法のいずれかを使用することができる。このようなスライド技法の1つによれば、奏者は最初に、自分のトウを使用して湾曲ペダル130を押して第1ストロークを生成し、自分の足を湾曲ペダル130の長さ方向132に沿ってスライドさせ、次いで、自分のトウを使用して湾曲ペダル130を再び押して第2ストロークを生成し得る。例えば、足は、
図16Bに示すように第1のトウストローク、次いで
図16Cに示すように第2のトウストロークのために位置決めできる。代替的に、足は、
図16Cに示すように第1のトウストローク、次いで
図16Bに示すように第2のトウストロークのために位置決めされてもよい。可能な足の位置は、
図16B及び
図16Cに記載されたものに限定されない。
【0225】
本発明の少なくともいくつかの実施形態の1つの利点は、湾曲ペダル130の湾曲した上面136が足のスライド動作により適しており、したがって、例えば、従来のフラットペダルと比較して、ダブレットのより容易で疲れの少ない生成を可能にすることである。
【0226】
例えば、2つの連続するトウストロークのトウ位置が湾曲ペダル130の湾曲領域内、例えば、第1凹部150内にある場合、湾曲ペダル130の上面136の湾曲形状は、トウが湾曲ペダル130を押し下げるにつれて、奏者が長さ方向132に沿って自分のトウをより容易に前方又は後方にスライドさせることを可能にし得る。
【0227】
さらに、動作可能領域135の少なくとも一部分内及び/又は実質的に動作可能領域135全体内に滑らかに変化する勾配を有する湾曲ペダル130を使用することは、奏者が足のスライド動作中に湾曲ペダル130の緩やかな局所角度シフト、すなわち勾配変化を自分の足上で感じることを可能にし、奏者は、自分の足のトウが足の動作サイクル中にどこに位置しているかを理解するための指標として、このシフトを使用することができる。奏者の足で感じられるシフトは、奏者にとって足の動きのサイクルの再現をより容易にし得る。特に、湾曲ペダル130が第2凸部160を有する場合、第2凸部160の湾曲は、さらなるトウ位置決めガイドを提供し得る。したがって、湾曲ペダル130の滑らかに変化する傾きは、奏者が足の感触により良く依存することを可能にし、足がどの程度スライドすべきかに焦点を合わせる必要性を排除又は低減することを可能にし、それにより、ダブレットの生成、例えば、より再現性が高く、疲れにくく、より楽しくなり得る。
【0228】
したがって、本発明の少なくともいくつかの実施形態の1つの利点は、湾曲ペダル130が足の傾き動作を作り、したがって従来のフラットペダルと比較してダブレット生成を容易にし、疲れを少なくし得ることである。例えば、湾曲ペダル130が少なくとも1つの凸部140、160を有する場合、これは、例えば、ヒールストロークのためのヒールの容易な位置決めを可能にするように、第1凸部140内において、奏者が、自分のトウ上で緩やかな局所角度シフト、傾き変化をより良く感じることを可能にし得る。
【0229】
使用され得る技術の別の例として、奏者は、ヒールトウ技法、及び/又は、トウヒール技法を使用し得る。
【0230】
そのようなヒールトウ技法の1つでは、奏者が最初に、湾曲ペダル130を自分のヒールで押して第1ストロークを生成し、自分のトウを下に傾け、次いで、湾曲ペダル130を自分のトウで押して第2ストロークを生成することができる。例えば、ヒールは、
図16Aに示すように第1ストローク、次いで
図16B又は
図16Cに示すように第2ストロークに対して位置決めすることができる。
【0231】
このようなトウヒール技法の1つでは、トウストロークは第1ストロークであり、ヒールストロークは第2ストロークである。例えば、トウは
図16B又は16Cに示されるように、第1ストロークのために位置付けられ得、次いで、ヒールは、
図16Aに示されるように、第2ストロークのために位置付けられ得る。可能な足の位置は、
図16B及び
図16Cに記載されたものに限定されない。
【0232】
いくつかの実施形態では、奏者がペダルアセンブリ110を使用して、トリプレット、又は3回の連続したドラムビートを生成することができる。トリプレットは、種々の方法で生成され得る。例えば、奏者は、単に上述の足の動作を繰り返して、単一のドラムビートを3回生成することができる。本発明のいくつかの実施形態の1つの利点は、片足動作サイクルにおいて3つの連続したドラムビートの生成を容易にすることである。3つの連続するビートが1つの足の動きのサイクルによって生成される場合、非常に素早く連続するビートが容易に達成され得る。さらに、そのような足の動きのサイクルは、3つより多くの連続するビートを生成するために所望される回数だけ繰り返されてもよい。
【0233】
湾曲ペダル130を備えるペダルアセンブリ110が、ヒールトウ技法(又はトウヒール技法)を、例えば、トリプレットの容易な生成のためのスライド技法と容易に組み合わせることを可能にすることが、本発明者によって予想外にも見出された。
【0234】
このような組み合わされた技法によれば、奏者はまず、湾曲ペダル130を自分のトウで押して第1ストロークを生成し、自分のトウを下に傾け、湾曲ペダル130を自分のトウで押して第2ストロークを生成し、自分の足を長さ方向132にスライドさせ、次いで、湾曲ペダル130を自分のトウで再び押して第3のストロークを生成し得る。例えば、足は、
図16Aに示すように第1ストローク、次いで
図16Bに示すように第2ストローク、次いで
図16Cに示すように第3のストロークに対して位置決めすることができる。あるいは、足は、
図16Aに示すように第1ストローク、次いで
図16Cに示すように第2ストローク、次いで
図16Bに示すように第3のストロークに対して位置決めすることができる。可能な足の位置は、
図16A~
図16Cに記載されたものに限定されない。
【0235】
本発明の少なくともいくつかの実施形態の1つの利点は、湾曲ペダル130が、従来のフラットペダルと比較して、トリプレットの生成をより容易にし、疲れを少なくし得ることである。
【0236】
湾曲ペダル130における第1凸部140、第1凹部150、及び/又は第2凸部160の存在は、様々なスライド技法及び/又はヒールトウ技法の利用を容易にし得る。
【0237】
さらに、湾曲ペダル130の動作可能領域135は、従来のフラットペダルにおける対応する長さよりも長くてもよい。この場合、湾曲ペダル130の長さが長いほど、奏者の足が足首の傾き及び/又は足のスライド動作を順次行うことができるのに十分な空間を提供することができ、トウヒール技法とスライド技法とを組み合わせる際の自由度が大きくなり、例えば、トリプレットをより容易に生成することが可能になる。
【0238】
図16A~
図16Bには様々な足の位置が示されているが、湾曲ペダル130又はペダルアセンブリ110が使用される方法にもちろん制限はなく、1つ又は複数のドラムビートを生成するための湾曲ペダル130に対する正確な足の位置は、例えば、奏者の好み、奏者の足の形状及び/又はサイズ、奏者が靴下、靴及び/又は他のこのような足のカバーを着用しているか否か、又は裸足で演奏しているか否かに応じて、自由に選択される。
【0239】
ペダルアセンブリ110がハイハットシンバル104を演奏するために使用される場合、これが実行され得る方法について特別な制限はない;例えば、ハイハットシンバル104を演奏するためにペダルアセンブリ110を使用することは、上記のようなドラム103を演奏するためにペダルアセンブリ110を使用することと概ね類似し得る。
【0240】
本発明の実施形態によるバスドラム103は、従来のフラットペダルで可能であるよりも速い演奏を可能にし得るので、これは従来可能であったよりも、演奏においてより多芸を可能にし得る。
【0241】
例えば、従来のフラットペダルでは、ドラムヘッドを打つ際にある程度の繰り返し頻度を達成するために、奏者が一方のドラムに2つのペダルを使用しなければならなかったかもしれないが、本発明の実施形態による湾曲ペダル130では、そのような奏者が単一の湾曲ペダル130で匹敵する繰り返し頻度を達成することを可能にし、したがって、他方の足を自由にして、別のドラム103及び/又はハイハットシンバル104を演奏することができる。このような演奏方法に適した構成が
図17に示されており、
図17には、
図17のドラムセット100が2つのバスドラム103を含み、各バスドラムが上述の独立したペダルアセンブリ110を有することを除いて、
図1のものと同様のドラムセット100が示されている。
【0242】
本発明の実施形態による単独の湾曲ペダル130は、様々なリンク機構と組み合わせたペダルアセンブリ110の使用を通じて、複数の楽器を演奏するために使用されてもよく、タンデム及び/又はパラレル演奏を可能にしてもよいことに留意されたい。同様に、本発明の実施形態による複数の湾曲ペダル130は、ペダルアセンブリ110において、同じ及び/又は異なる器具を打つための様々なリンク機構と組み合わせて使用され得る。このような構成の1つが
図18に示されているが、このような変形はすべて特許請求の範囲内にあることを意図していることを理解されたい。
【0243】
張力調整機構180a、180b、180c、190、湾曲ペダル130、及びペダルアセンブリ110は、バスドラム103、打楽器102、ドラムセット100又は楽器における使用に限定されず、器用さ、応答性及び快適性が望まれる、多種多様な用途のいずれにおいても、特にペダルが長期間にわたって操作される場合に、使用のために適用され得ることに留意されたい。本発明の様々な実施形態による湾曲ペダル130及びペダルアセンブリ110は、素早く及び/又は反復的な機械的動作を生成するのに特に有用である。
【0244】
いくつかの実施形態では、そのような機械的動作が、打楽器又は非打楽器を演奏するために採用されてもよい。一実施形態では、このような機械的動作が、ペダルアセンブリの一部が器具と物理的に接触したときに器具に直接伝達することができる。別の実施形態では、そのような機械的動作が別の形態の信号、例えば電気信号に変換され、器具に間接的に伝送されてもよい。
【0245】
いくつかの実施形態では、そのような機械的動作が、様々なデバイス、及び/又は機械のいずれかを動作させるために使用されてもよい。本発明の様々な実施形態による湾曲ペダル130、及びペダルアセンブリ110が使用され得る装置、及び/又は機械は、例えば、楽器、ゲーム、ビデオゲーム、玩具、競技場機器、自動車、ヘリコプター、飛行機、バックホー、及び他のそのような車両、建設機器及び/又は重機、織機、ミシン、トレドル、編機、鋸、及び/又はミル、旋盤、ポンプ、及び/又は他のそのような製造機器及び産業機器、ならびに農業、林業、ロボット工学、及び/又は航空宇宙で使用される様々な装置のいずれかを含むが、これらに限定されない。本発明が適用される分野にかかわらず、足で動作させる湾曲ペダル130の機械的動作は、ペダルアセンブリ110と同様のアセンブリによって、直接的又は間接的にターゲットデバイス又は機械に伝達され得る。間接的な伝達には電気的な伝達を含むが、これに限定されない。本発明の様々な実施形態は、湾曲ペダル130の操作者が人間である例に関して説明されたが、ペットもしくは他の動物又はロボットなどの非人間による湾曲ペダル130又はペダルアセンブリ110を使用することに対して特に制限はない。
【0246】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で更に多くの変形が可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルが押し下げられた後に前記ペダルを非押し下げ状態に戻そうとする戻しばね用の張力調整機構であって、
前記張力調整機構は、
ばねの軸線に対して平行であるが、ずらされた状態で配置された軸線を有するねじと、
ねじと螺合するナットとを有し、ねじ上の前記ナットの動きがばねの少なくとも一部の変位を引き起こすようにばねに連結されたブラケットと、を備え、
前記ねじは、回転したときにばねの張力の調整を可能にする上端部を有する、張力調整機構。
【請求項2】
前記ねじは、少なくとも1つの第1の平坦な支柱面を有する静止支柱によって支持され、前記ブラケットは、前記ナットが前記ねじ上を移動するときに前記少なくとも1つの第1の平坦な支柱面とスライド可能に係合する、少なくとも1つの第1の平坦なブラケット面を有する、請求項1に記載の張力調整機構。
【請求項3】
前記ねじは、支柱の実質的に全高にわたって延在する、請求項1又は2に記載の張力調整機構。
【請求項4】
支柱の2つの平面が交差して、第1の支柱角部において第1の支柱二面角を形成し、
ナットがねじ上を移動するとき、第1の支柱角部が第1の支柱角部の移動をガイドする、請求項1~3のいずれか一項に記載の張力調整機構。
【請求項5】
前記ねじの軸、前記ばねの軸及び前記第1の平坦な支柱面が、それぞれ垂直に配向される、請求項2に記載の張力調整機構。
【請求項6】
ねじの軸とばねの軸との間の軸間距離が、0.375インチ(0.95cm)以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の張力調整機構。
【請求項7】
前記ペダルの通常動作中、前記ねじは前記ばねによって加えられる負荷によって逆駆動されない、請求項1~6のいずれか一項に記載の張力調整機構。
【請求項8】
前記ねじはセルフロック特性があり、前記ねじの上端部を回転し張力を調整した後の張力が、前記ねじにロック手段がないにもかかわらず、そのまま維持される、請求項1~7のいずれか一項に記載の張力調整機構。
【請求項9】
ねじの上端部の入力回転に対するねじ上のナットの出力移動の機械的効率が50%以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の張力調整機構。
【請求項10】
前記ねじにおけるねじ山のリード角が5°以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載の張力調整機構。
【請求項11】
前記ねじにおけるねじ山のリードが前記ねじの直径の33%以下である、請求項1~10のいずれか一項に記載の張力調整機構。
【請求項12】
前記ねじは、単条アクメねじ山を有するリードスクリューである、請求項1~11のいずれか一項に記載の張力調整機構。
【請求項13】
ペダル基準面に関連付けられ、ヒール端とトウ端とを有するペダルと、
基板面に関連付けられ、ヒール端及びトウ端を有する基板と、
ヒールヒンジと、
動作伝達リンク機構と、
請求項1~12のいずれか一項に記載の張力調整機構と、を備え、
前記ペダルの前記ヒール端は、前記ヒールヒンジによって前記基板のヒール端に旋回可能に取り付けられ、前記ペダルのトウ端が動作伝達リンク機構を動作できるようにする、ペダルアセンブリ。
【請求項14】
前記ペダルの上面の傾きは、前記ペダルの長さ方向の動作可能領域内でペダル基準面に対して滑らかに変化する湾曲ペダルを備える、請求項13に記載のペダルアセンブリ。
【請求項15】
前記ペダルの上面にある動作可能領域の長さ方向に第1凹部が存在し、
前記第1凹部が第1変曲点を介して第1凸部と繋がり、
前記第1凹部が第2変曲点を介して第2凸部と繋がり、
前記第1及び前記第2の夫々の変曲点において、前記ペダルの前記上面の傾きは、ペダル基準面に対して滑らかに変化する湾曲ペダルを備える、請求項13に記載のペダルアセンブリ。
【請求項16】
請求項14又は15に記載のペダルアセンブリによって動作される少なくとも1つの打楽器を備えるドラムセット。