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  • 特開-制御装置 図1
  • 特開-制御装置 図2
  • 特開-制御装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101840
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/06 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
B25J13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216174
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002723
【氏名又は名称】高法弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 元
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CY34
3C707JS05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】制御回路基板と電源回路基板とを高精度に相対位置合わせすることなく、駆動回路基板を設置することができるロボットコントローラを提供する。
【解決手段】制御回路基板50が制御信号を出力するための出力端子を具備する信号出力コネクタ51と電源回路基板によって生成された電源が入力される直流電圧入力コネクタ54と前記電源を出力するための出力端子を具備する電源出力コネクタ52とを備え、駆動回路基板80が制御信号を入力するための入力端子を具備する信号入力コネクタ81と前記電源を入力するための入力端子を具備する電源入力コネクタ82とを備え、電源回路基板が電源を出力するための電源出力部を備え、駆動回路基板80が信号入力コネクタ81と信号出力コネクタ51との接続及び電源入力コネクタ82と電源出力コネクタ52との接続により、制御回路基板50の基板面上から立ち上がる姿勢で制御回路基板50に保持される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを駆動するための駆動回路を具備する駆動回路基板と、前記駆動回路基板に送信する制御信号を生成する制御回路を具備する制御回路基板と、前記モータに供給されるモータ駆動電源の元となる電源を生成して前記駆動回路基板に供給する電源回路を具備する電源回路基板とを備え、
前記制御回路基板が、前記制御信号を出力するための出力端子を具備する信号出力コネクタを備え、
前記駆動回路基板が、前記制御信号を入力するための入力端子を具備する信号入力コネクタと、前記電源回路によって生成された電源を入力するための入力端子を具備する電源入力コネクタとを備える制御装置であって、
前記電源回路基板が、電源を出力するための電源出力部を備え、
前記制御回路基板が、前記電源回路によって生成された電源を入力される電源入力部と、前記電源を出力するための出力端子を具備する電源出力コネクタとを備え、
前記駆動回路基板が、前記信号入力コネクタと前記制御回路基板の前記信号出力コネクタとの接続、及び前記電源入力コネクタと前記制御回路基板の前記電源出力コネクタとの接続により、前記制御回路基板の基板面上から立ち上がる姿勢で前記制御回路基板に保持される
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記電源出力部と前記電源入力部とが、ケーブルで接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
CPUを具備する上位制御基板を、前記制御回路基板とは別に備えることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記上位制御基板、前記電源回路基板、及び前記制御回路基板を収容する筐体を備え、
前記駆動回路基板が、放熱器を備え、
前記筐体の所定方向における一方側の壁が、外気を吸気する吸気口を備え、
前記筐体の所定方向における他方側の壁が、筐体内の空気を排気する排気口を備え、
前記駆動回路基板が、前記放熱器の放熱板を前記所定方向と平行な方向に延在させる姿勢で、前記制御回路基板に保持される
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットコントローラ等の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータを駆動するための駆動回路を具備する駆動回路基板と、駆動回路基板に送信する制御信号を生成する制御回路を具備する制御回路基板と、モータに供給されるモータ駆動電源の元となる電源を生成して駆動回路基板に供給する電源回路を具備する電源回路基板とを備える制御装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のロボットコントローラは、駆動回路基板と、筐体の底板の面に沿って互いの基板面を並べる態様で配置される制御回路基板及び電源回路基板とを備える。駆動回路基板は、基板面の一端部において、基板側方を向く姿勢で固定された信号入力コネクタ及び電源入力コネクタを備える。また、制御回路基板は、基板面上において上方を向く姿勢で固定された信号出力コネクタを備える。また、電源回路基板は、基板面上において上方を向く姿勢で固定された電源出力コネクタを備える。駆動回路基板は、制御回路基板及び電源回路基板のそれぞれの基板面上から立ち上がる姿勢で、制御回路基板と電源回路基板とに架設される。その架設は、駆動回路基板の信号入力コネクタと制御回路基板の信号出力コネクタとを接続し、且つ駆動回路基板の電源入力コネクタと電源回路基板の電源出力コネクタとを接続することで実現される。
【0004】
特許文献1によれば、かかる構成のロボットコントローラは、筐体内に配置される各種の回路基板の内部構造を簡素化することができるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5803213号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のロボットコントローラでは、筐体内において、制御回路基板と電源回路基板との相対位置合わせが必要になる。相対位置合わせが行われていないと、駆動回路基板の信号入力コネクタと制御回路基板の信号出力コネクタとの接続と、駆動回路基板の電源入力コネクタと電源回路基板の電源出力コネクタとの接続とを、適切な状態で両立させることができなくなるからである。特に、特許文献1に記載のロボットコントローラにおいては、複数のモータを個別に駆動するために、制御回路基板と電源回路基板とに架設する駆動回路基板を複数設けていることから、前述の相対位置合わせを高精度に行う必要がある。その高精度の相対位置合わせにより、ロボットコントローラの生産性を低下させてしまうという課題があった。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、制御回路基板と電源回路基板とを高精度に相対位置合わせすることなく、駆動回路基板を適切に設置することができる制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、モータを駆動するための駆動回路を具備する駆動回路基板と、前記駆動回路基板に送信する制御信号を生成する制御回路を具備する制御回路基板と、前記モータに供給されるモータ駆動電源の元となる電源を生成して前記駆動回路基板に供給する電源回路を具備する電源回路基板とを備え、前記制御回路基板が、前記制御信号を出力するための出力端子を具備する信号出力コネクタを備え、前記駆動回路基板が、前記制御信号を入力するための入力端子を具備する信号入力コネクタと、前記電源回路によって生成された電源を入力するための入力端子を具備する電源入力コネクタとを備える制御装置であって、前記電源回路基板が、電源を出力するための電源出力部を備え、前記制御回路基板が、前記電源回路によって生成された電源を入力される電源入力部と、前記電源を出力するための出力端子を具備する電源出力コネクタとを備え、前記駆動回路基板が、前記信号入力コネクタと前記制御回路基板の前記信号出力コネクタとの接続、及び前記電源入力コネクタと前記制御回路基板の前記電源出力コネクタとの接続により、前記制御回路基板の面上から立ち上がる姿勢で前記制御回路基板に保持されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、制御回路基板と電源回路基板とを高精度に相対位置合わせすることなく、駆動回路基板を適切に設置することができる制御装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るロボットコントローラの要部を斜め上方示す斜視図である。
図2】同ロボットコントローラの制御回路基板と、駆動回路基板とを示す斜視図である。
図3】同ロボットコントローラの各種の基板を図1とは異なるアングルから示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る制御装置としてのロボットコントローラの一実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各構成をわかり易くするために、実際の構造、並びに、各構造における縮尺及び数、などを異ならせる場合がある。
【0012】
まず、実施形態に係るロボットコントローラの基本的な構成について説明する。実施形態に係るロボットコントローラは、産業用ロボットに搭載された複数のモータのそれぞれの駆動を個別に制御するものである。
【0013】
図1は、実施形態に係るロボットコントローラ1の要部を斜め上方示す斜視図である。ロボットコントローラ1は、筐体の底板2及び前面パネル3、電源装置搭載部4、第2通信回路基板5、ノイズ除去器6、電源回路基板10、電源制御基板20、制御回路基板50、4つの駆動回路基板80などを備える。
【0014】
電源装置搭載部4は、外部電源を、制御信号用の5V電源などに変換して出力する電源装置を搭載するものである。モータ駆動電源の元となる交流電源は、ノイズ除去器6と、電源制御基板20とを介して、電源回路基板10に入力される。電源回路基板10は、交流電源を直流電源に変換し、モータに供給されるモータ駆動電源として出力する電源回路を具備する。その電源回路は、複数の電界コンデンサ11を具備する。
【0015】
前面パネル3には、複数の貫通開口が配置され、それぞれの貫通開口には、外部機器と通信接続するための外部コネクタ98が貫通する。複数の外部コネクタ98は、後述の第2通信回路基板5、又は第1通信回路基板に実装されたものである。
【0016】
電源装置搭載部4の背面パネル4aには、排気口4a1が設けられる。その排気口4a1を通じて筐体内の空気を筐体外に排気する排気ファンが、前述の背面パネル4aに固定される。
【0017】
ロボットコントローラ1は、複数の駆動回路基板80を搭載することが可能であり、図示の例では、駆動回路基板80を4つだけ搭載している。駆動回路基板80は、モータを駆動するための駆動回路を具備する。また、制御回路基板50は、複数搭載される駆動回路基板80のそれぞれに送信する制御信号を個別に生成する制御回路を具備する。
【0018】
なお、図1において、矢印B方向は、筐体の前後方向を示し、矢印C方向は、筐体の左右方向を示す(後述の図2図3も同様)。
【0019】
図2は、制御回路基板50と、駆動回路基板80とを示す斜視図である。図2においては、駆動回路基板80が1つだけ示されており、この駆動回路基板80は制御回路基板50から取り外された状態である。制御回路基板50は、基板裏面を筐体の底板(図1の2)に対向させ、且つ基板長手方向を筐体の左右方向(矢印C方向)に沿わせる姿勢で、底板に固定される。
【0020】
制御回路基板50の構造は、6つの層が積層された6層構造である。層と層との境界には、配線パターンが介在する。電源回路基板10の構造は、2つの層が積層された2層構造である。
【0021】
制御回路基板50は、互いに筐体の前後方向(矢印B方向)に並ぶ電源中継領域A2と制御回路搭載領域A1とを備える。駆動回路基板80に送信するための制御信号を生成する制御回路は、制御回路搭載領域A1に設けられる。
【0022】
制御回路基板50は、8組のコネクタ組を備える。1組のコネクタ組は、制御信号を出力するための出力端子を具備する信号出力コネクタ51と、電源回路基板(図1の10)の電源回路から出力される直流電源を出力するための出力端子を具備する電源出力コネクタ52とからなり、それらコネクタは筐体の前後方向(矢印B方向)に沿って並ぶ。コネクタ組の信号出力コネクタ51は、制御回路搭載領域A1に設けられ、電源出力コネクタ52は、電源中継領域A2に設けられる。信号出力コネクタ51及び電源出力コネクタ52は何れも、出力端子の先端を基板面と直交する上方に向ける姿勢で、制御回路基板50のおもて面に実装される。なお、信号出力コネクタ51は、駆動回路基板80の駆動回路を制御するための制御電源を出力する制御電源端子も備える。
【0023】
制御回路基板50は、電源回路基板(図1の10)によって生成された直流電源が入力される電源入力部としての直流電圧入力コネクタ54を備える。また、制御回路基板50は、高速シリアル通信コネクタ53と、エンコードコネクタ55とを備える。直流電圧入力コネクタ54に入力された直流電源は、制御回路基板50の電源中継領域A2において、複数の分岐配線パターンに分配されて、複数の電源出力コネクタ52のそれぞれの出力端子に入力される。
【0024】
実施形態に係るロボットコントローラ1においては、直流電圧を生成するための電源回路を制御回路基板50の電源中継領域A2に備えないので、電源回路を備えることによる制御回路基板50の面積拡大化を回避することができる。
【0025】
駆動回路基板80は、信号入力コネクタ81、電源入力コネクタ82、駆動電源出力コネクタ83、及びヒートシンク84を備える。信号入力コネクタ81及び電源入力コネクタ82は、基板短手方向の一端部において、筐体の前後方向に並び、且つ、入力端子を基板面の中央側から基板外側に向ける態様で基板おもて面に実装される。図中一点鎖線で示されるように、駆動回路基板80の信号入力コネクタ81は、制御回路基板50の信号出力コネクタに接続され、駆動回路基板80の電源入力コネクタ82hs、制御回路基板50の電源出力コネクタ52に接続される。それらの接続により、駆動回路基板80は、基板長手方向を筐体の前後方向(矢印B方向)に沿わせつつ、制御回路基板50のおもて面上から立ち上がる姿勢で、制御回路基板50に保持される。
【0026】
かかる構成のロボットコントローラ1では、駆動回路基板80を、電源回路基板(図1の10)と制御回路基板50とに架設することなく、電源回路基板10と制御回路基板50とのうち、制御回路基板50だけに保持させる。このような保持により、制御回路基板50と電源回路基板10とを高精度に相対位置合わせすることなく、駆動回路基板80を適切に設置することができる。
【0027】
駆動回路基板80の駆動回路は、制御回路基板50の電源出力コネクタ52から送られてくる直流電源を、多相交流電圧からなるモータ駆動電源に変換する。モータ駆動電源は、駆動回路基板80の駆動電源出力コネクタ83を通じて、外部のモータに供給される。
【0028】
図3は、各種の基板を図1とは異なるアングルから示す斜視図である。なお、図3においては、便宜上、第2通信回路基板(図1の5)の図示が省略されている。電源回路基板10は、直流電源を出力するための電源出力部としての直流電圧出力コネクタ13を備える。制御回路基板50の直流電圧入力コネクタ54と、電源回路基板10の直流電圧出力コネクタ13とは、コネクタ付き電源ケーブル93によって電気接続される。かかる構成によれば、電源回路基板10と制御回路基板50との相対位置合わせを高精度に行うことなく、電源回路基板10の電源回路によって生成された直流電源を、制御回路基板50の電源中継領域A2に供給することができる。
【0029】
電源回路基板10と電源制御基板20とは、2階建ての態様で配置される。電源制御基板20は、電源回路基板10の電源回路からの直流電源の出力をオン/オフするための回路、交流電源の入力を検出する回路などを具備する。また、電源制御基板20の構造は、4つの層を積層した4層構造である。
【0030】
ロボットコントローラ1は、第1通信回路基板7と、CPU(Central Processing Unit)101を具備する上位制御基板100とを備える。
【0031】
第1通信回路基板7は、高速シリアル通信コネクタ7aと、エンコードコネクタ7cとを備える。上位制御基板100は、第1通信回路基板7を介した高速シリアル通信により、制御回路基板50と周期通信を行う。その周期通信を可能にするために、第1通信回路基板7の高速通信コネクタ7aと、制御回路基板50の高速通信コネクタ53とが、コネクタ付き通信ケーブル92を介して電気接続される。また、第1通信回路基板7と、上位制御基板100とが、不図示の連結コネクタを介して互いに電気接続される。
【0032】
第1通信回路基板7、上位制御基板100、及び第2通信回路基板(図1の5)は、3階建ての態様で配置される。上位制御基板100は、第1通信回路基板7の上方に位置する。第2通信回路基板5は、上位制御基板100の上方に位置し、第1通信回路基板7のおもて面上に固定される。
【0033】
ロボットコントローラ1内の各種機器の制御を司るため演算処理を実行するCPU101を具備する上位制御基板100の構造は、10層構造である。複数のコネクタ組を具備する制御回路基板50は、平面積が大きくなり易い。このような制御回路基板50は、CPUを具備してしまうと、大面積で、且つ多くの層(例えば10層)が積層された高価なCPU電子基板になってしまう。そこで、ロボットコントローラ1においては、CPU101を具備する上位制御基板100を、制御回路基板50とは別に設けている。かかる構成では、制御回路基板50にCPUを配置する場合に比べて、CPU搭載電子基板(実施形態では上位制御基板100)の平面積を小さくして、低コスト化を図ることができる。
【0034】
実施形態に係るロボットコントローラ1においては、上述のように、外部との通信を行う第1通信回路基板7、及び第2通信回路基板5を、上位制御基板100とは別体とし、それら3つの基板を3階建ての態様で配置している。かかる構成によれば、高価な上位制御基板100に通信回路を配置する構成に比べて、上位制御基板100の面積を小さくして低コスト化を図ることができる。
【0035】
第1通信回路基板7のエンコードコネクタ7cと、制御回路基板50のエンコードコネクタ55とは、平型ハーネス91によって電気接続される。平型ハーネス91は、第1通信回路基板7、電源制御基板20、及び制御回路基板50の下方を這いまわされる。
【0036】
産業用ロボットには、複数のモータが搭載される。それらモータのそれぞれのロータリーエンコーダから個別に出力される回転角速度信号(又は回転位置信号)は、外部配線を介して第1通信回路基板7に入力される。そして、回転角速度信号(又は回転位置信号)は、平型ハーネス91と、制御回路基板50の信号出力コネクタ(図2の51)とを介して、駆動回路基板80に入力される。
【0037】
図1においては、便宜上、前面パネル3の面方向の全域のうち、一部領域しか示されていない。前面パネル3における不図示の領域には、外気を吸気するための吸気口が配置される。実施形態に係るロボットコントローラ1においては、前面パネル3が、筐体の所定方向における一方側(前後方向における前側)の壁に相当する。また、ロボットコントローラ1においては、電源装置搭載部4の背面パネル4aが、筐体の所定方向における他方側(前後方向の後側)の壁に相当し、背面パネル4aには、筐体内の空気を排気する排気口4a1が配置される。駆動回路基板80は、放熱器としてのヒートシンク84の放熱板84aを筐体の前後方向(所定方向)と平行な方向に延在させる姿勢で、制御回路基板50に保持される。
【0038】
かかる構成においては、筐体の吸気口から筐体内に吸気した空気を、放熱板84aに接触させながら放熱板84aの延在方向に沿ってスムーズに移動させた後、筐体の排気口からスムーズに排気することで、駆動回路基板80を効率良く冷却することができる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。実施形態は、発明の範囲及び要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0040】
本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
〔第1態様〕
第1態様は、モータを駆動するための駆動回路を具備する駆動回路基板(例えば駆動回路基板80)と、前記駆動回路基板に送信する制御信号を生成する制御回路を具備する制御回路基板(例えば制御回路基板50)と、前記モータに供給されるモータ駆動電源の元となる電源(例えば直流電源)を生成して前記駆動回路基板に供給する電源回路を具備する電源回路基板(例えば電源回路基板10)とを備え、前記制御回路基板が、前記制御信号を出力するための出力端子を具備する信号出力コネクタ(例えば信号出力コネクタ51)を備え、前記駆動回路基板が、前記制御信号を入力するための入力端子を具備する信号入力コネクタ(例えば信号入力コネクタ81)と、前記電源回路によって生成された電源を入力するための入力端子を具備する電源入力コネクタ(例えば電源入力コネクタ82)とを備える制御装置(例えばロボットコントローラ1)であって、前記電源回路基板が、電源を出力するための電源出力部(例えば直流電圧出力コネクタ13)を備え、前記制御回路基板が、前記電源回路によって生成された電源を入力される電源入力部(例えば直流電圧入力コネクタ54)と、前記電源を出力するための出力端子を具備する電源出力コネクタ(例えば電源出力コネクタ52)とを備え、前記駆動回路基板が、前記信号入力コネクタと前記制御回路基板の前記信号出力コネクタとの接続、及び前記電源入力コネクタと前記制御回路基板の前記電源出力コネクタとの接続により、前記制御回路基板の基板面上から立ち上がる姿勢で前記制御回路基板に保持されることを特徴とするものである。
【0041】
第1態様においては、駆動回路基板を、電源回路基板と制御回路基板とに架設することなく、電源回路基板と制御回路基板とのうち、制御回路基板だけに保持させる。このような保持により、第1態様によれば、制御回路基板と電源回路基板とを高精度に相対位置合わせすることなく、駆動回路基板を適切に設置することができる。
【0042】
〔第2態様〕
第2態様は、第1態様の構成を備え、且つ、前記電源出力部と前記電源入力部とが、ケーブル(例えばコネクタ付き電源ケーブル93)で接続されることを特徴とするものである。
【0043】
第2態様によれば、電源回路基板と制御回路基板との相対位置合わせを高精度に行うことなく、電源回路基板の電源回路によって生成された電源を、制御回路基板に供給することができる。
【0044】
〔第3態様〕
第3態様は、第2態様の構成を備え、且つ、CPU(例えばCPU101)を具備する上位制御基板(例えば上位制御基板100)を、前記制御回路基板とは別に備えることを特徴とするものである。
【0045】
第3態様によれば、制御回路基板にCPUを配置する場合に比べて、CPU搭載電子基板の平面積を小さくして、低コスト化を図ることができる。また、CPUに接続される周辺回路に設計変更が生じた場合でも、上記制御基板に接続する基板を、設計変更後の周辺回路を具備する基板に変更することで、高価な上位制御基板を共通使用することができる。
【0046】
〔第4態様〕
第4態様は、第3態様の構成と、前記上位制御基板、前記電源回路基板、及び前記制御回路基板を収容する筐体とを備え、前記駆動回路基板が、放熱器(例えばヒートシンク84)を備え、前記筐体の所定方向(例えば前後方向)における一方側の壁(例えば前面パネル3)が、外気を吸気する吸気口を備え、前記筐体の所定方向における他方側の壁(例えば背面パネル4a)が、筐体内の空気を排気する排気口(例えば排気口4a1)を備え、前記駆動回路基板が、前記放熱器の放熱板(例えば放熱板84a)を前記所定方向と平行な方向に延在させる姿勢で、前記制御回路基板に保持されることを特徴とするものである。
【0047】
第4態様によれば、筐体の吸気口から筐体内に吸気した空気を、放熱器の放熱板に接触させながら放熱板の延在方向に沿ってスムーズに移動させた後、筐体の排気口からスムーズに排気することで、駆動回路基板を効率良く冷却することができる。
【符号の説明】
【0048】
1:ロボットコントローラ(制御装置)、 2:底板、 3:前面パネル(所定方向における一方側の壁)、 4a:背面パネル(所定方向における他方側の壁)、 4a1:排気口、 10:電源回路基板、 13:直流電圧出力コネクタ(電源出力部)、 50:制御回路基板、 51:信号出力コネクタ、52:電源出力コネクタ、 54:直流電圧入力コネクタ(電源入力部)、 80:駆動回路基板、 81:信号入力コネクタ、 82:電源入力コネクタ、 83:駆動電源出力コネクタ、 84:ヒートシンク(放熱器)、 84a:放熱板、 93:コネクタ付き電源ケーブル、 100:上位制御基板、 101:CPU

図1
図2
図3