(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101849
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】太陽光パネルの保護構造
(51)【国際特許分類】
H02S 30/10 20140101AFI20220630BHJP
【FI】
H02S30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216190
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】509328700
【氏名又は名称】株式会社新潟テクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100084102
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 崇
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151JA09
5F151JA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】屋外に設置される太陽光パネル1に対して強風下で飛翔物が衝突して太陽光パネルを損傷するのを防止する保護構造を提供する。
【解決手段】保護対象の太陽光パネル1と対応する大きさの枠部31の内方に格子状に細線を張設して保護面部32を形成した保護部材3と、枠部31と太陽光パネルを設置また装着する際の支持部材21又は太陽光パネルの外枠11、若しくは双方と連結する装着部材4とを備えて、保護面部32を保護対象の太陽パネル1の上方に適宜間隔に配置固定してなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護対象の太陽光パネルと対応する大きさの枠部の内方に格子状に細線を張設して保護面部を形成した保護部材と、前記枠部と太陽光パネルを設置また装着する際の支持部材又は太陽光パネルの外枠部、若しくは双方と連結する装着部材とを備えて、前記保護面部を保護対象の太陽パネルの上方に適宜間隔に配置固定してなることを特徴とする太陽光パネルの保護構造。
【請求項2】
細線がφ0.25~2mmで、格子間隔が1~10cmの金属細線としてなる請求項1記載の太陽光パネルの保護構造。
【請求項3】
保護面部を太陽光パネルの上方2~50cmに配置してなる請求項2記載の太陽光パネルの保護構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネルの保護構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽光パネルは、周知のとおり太陽光発電セルの集合体を封止層で挟んで密閉し、バックシートと表面保護板を表裏に配置し、フレームで一体化してパネル化している(特許文献1)。前記の太陽光パルは、屋根上や地上において適宜数を設置して所定の太陽光発電を行うもので、設置に際しては、屋根上に設けた架台や梁材或いは地表に構築した架台等の支持部材に載置すると共に、支持部材にフレーム部分を固定している(特許文献2,3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-138891号公報。
【特許文献2】特開2015-25309号公報。
【特許文献3】登録実用新案3197136号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽光パネルは、屋根上や地表に設置するが、その表面保護は太陽光パネル自体に組み込まれている表面保護板や保護シートで実現しているもので、表面保護板はガラス板、透明樹脂板からなり、保護シートは樹脂製透明シート材で形成されている。特に表面保護板を採用した場合は、太陽光パネルの取り扱いの容易性、経済性を考慮すると、その強度・厚さには限度がある。
【0005】
ところで屋外に設置される太陽光パネルに対して通常の気象現象に対しては十分な耐久力を備えているが、強風下で飛翔物が衝突すると表面保護板では十分ではなく太陽光パネルを損傷してしまう。そこで本発明は、既存・既設の太陽光パネルに変更を加えることなく太陽光パネルを保護する新規な保護構造を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る太陽光パネルの保護構造は、保護対象の太陽光パネルと対応する大きさの枠部の内方に格子状に細線を張設して保護面部を形成した保護部材と、前記枠部と太陽光パネルを設置する際の支持部材、又は太陽光パネルの外枠、若しくは双方とを連結する装着部材とを備えて、前記保護面部を保護対象の太陽パネルの上方に適宜間隔に配置固定してなることを特徴とするものである。
【0007】
従って太陽光パネルに対する太陽光照射量の減少を極力抑え、飛散物に対して太陽光パネルの表面に衝突するのを防止できるものである。透明樹脂板や強化ガラス板等の保護部材を採用した場合は、太陽光の透過量が7~10%減衰し、而も表面汚染や経年変化によって更に太陽光の透過率が減少してしまい、また透明樹脂板は、気温や太陽光による熱の影響を受けると変形しやすく、熱の影響を解消するために太陽光パネルとの間に空隙を設けて設置すると、風の影響を受けて浮き上がり力が作用してしまうが、網状の保護部材を採用することで、前記の問題は解消する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成は上記のとおりで、軽量に形成でき、設置後風の影響を受けることが殆どなく、経年変化によって太陽光パネルへの太陽光照射に問題を生じさせずに太陽光パネルの表面を保護できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】同第二実施形態の説明図(太陽光パネルへの装着状態)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明の実施形態について説明する。
図1は第一実施形態を示したもので、第一実施形態は、太陽光パネル1を折版屋根2上に設置した既存の太陽光発電装置に適用した例を示すものである。
【0011】
上記の太陽光パネル1を折版屋根2への設置は、屋根2上に梁状に設けられた支持部材21に、太陽光パネル1の外枠11を挟持する連結金具22を装着し、連結金具22で太陽光パネル1を保持して行われている。
【0012】
前記の太陽光パネル1に対する保護構造は、保護部材3と装着部材4で形成される。保護部材3は、太陽光パネル1に対応する大きさで、枠部31と保護面部32で構成される。
【0013】
枠部31は、後記する保護面部32を形成する細線の張力に十分対応する強度を備えるアルミ製、樹脂製、ステンレス製、防錆処理した鉄製等任意の材質で枠形状に形成したものである。枠形状の形成手段は任意であるが図示した例は、「の鉤形状、コの字状断面の枠側杆33に、枠部31のコーナー部分をL状の連結杆34を重ね合わせて連結して形成したもので、枠側杆33には、保護面部32を形成する金属細線の連通孔35を設けてなる。
【0014】
保護面部32は、金属細線(好ましくはφ0.27~1mmステンレス細、その他ピアノ線やナイロン線等樹脂線でも良い)を、前記連通孔35で折り返し、好ましくしは3~6cm間隔の格子状に張り、ネット面に形成したものである。尚金属細線の径及び格子間隔は、太陽光の照射を受けた場合に発電効率をできるだけ低下させず、且つ十分な保護耐力を備える範囲であればよいものである。
【0015】
装着部材4は、屋根上に固定した支持部材21に連結して立設し、枠側杆33と連結する支柱部材41や、太陽光パネル1の外枠11と枠側杆33とを連結する連結部材42からなるもので、前記の装着部材4を使用して保護部材3を太陽光パネル1の上方2~50cmの位置に配置固定するものである。特に前記の支柱部材41や連結部材42の枠側杆33との連結位置は、保護面部32において金属細線が所定の力を以て張られているので、枠側杆33が中心に向かって撓みやすいので、前記の撓みを考慮したバランスの良い位置を選定する。
【0016】
なお装着部材4は、折版屋根2ばかりでなく、陸屋根、瓦屋根などの種々の屋根上に、太陽光パネルを設置する際に用いられる当該屋根構造に対応した太陽光パネルAの支持部材(梁部材の他、屋根上に突設したボルト、架台)に連結可能な連結構造を備えた部材を採用すればよいものである。
【0017】
次に
図2,3に示した第二実施形態について説明する。第二実施形態に示した太陽光発電装置は、災害時等の緊急時において任意の場所で太陽光発電を行って給電可能とする装置で、台車5上に蓄電池6及び電源制御回路を装備させ、台車5に支柱7を立設して太陽光パネル1を上方部分に傘様に配置装着するものである。
【0018】
例えば前記支柱7に上下二段の連結箇所(連結ボルト71を使用)を設け、太陽光パネル1の背面にパネルの外枠11に固定した装着部8を設け、前記装着部8に前記の支柱7の連結箇所に対応するボルト軸孔81とボルト長孔82を形成した連結板部83を設けてなり、太陽光パネル1を所望の角度で支柱に連結固定できるようにしたものである。
【0019】
太陽光パネル1の保護には、前記した第一実施形態と同様の保護部材3と装着部材4aを使用するもので、特に装着部材4aは、パネル背面の装着部8に井桁状・十文字状に配置して連結固定した横杆部43と、前記横杆部43と保護部材3の枠側杆33とを連結する縦杆部44で構成され、太陽光パネル1と装着部8と保護部材と装着部材4aを
図2に示すように一体化し、これを支柱7の上端に連結固定して、太陽光パネル1の保護構造を備えた太陽光発電装置とするものである。
【符号の説明】
【0020】
1 太陽光パネル
11 外枠
2 折版屋根
21 支持部材
22 連結金具
3 保護部材
31 枠部
32 保護面部
33 枠側杆
34 連結杆
35 連通孔
4,4a 装着部材
41 支柱部材
42 連結部材
43 横杆部
44 縦杆部
5 台車
6 蓄電池
7 支柱
71 連結ボルト
8 装着部
81 ボルト軸孔
82 ボルト長孔
83 連結板部