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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102014
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】ドラムカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20220630BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220630BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
G03G21/18 114
G03G15/00 550
G03G15/00 680
G03G21/18 167
G03G15/08 321B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216473
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】王 裕ブン
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA35
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB15
2H077AB18
2H077AC02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD18
2H077BA08
2H077BA09
2H077DA42
2H077DA52
2H077DB01
2H077EA03
2H077FA26
2H077FA29
2H077GA13
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA09
2H171FA13
2H171FA14
2H171HA23
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA40
2H171JA51
2H171JA52
2H171KA05
2H171KA06
2H171KA17
2H171KA18
2H171KA22
2H171MA02
2H171MA07
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB52
2H171QB55
2H171QB60
2H171QC03
2H171QC05
2H171QC23
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171UA02
2H171UA22
2H171UA24
2H171WA07
2H171WA23
(57)【要約】
【課題】画像形成装置に着脱可能なドラムカートリッジであって、現像剤を収容可能な現像容器を有するドラムカートリッジにおいて、現像容器内の現像剤のトナー濃度を正確に検知することが可能な構成を提供することを目的とする。
【解決手段】
カラープリンタ1に対して、第1方向に着脱可能なドラムカートリッジ50であって、ドラムカートリッジ50は、第2方向に延びる第1軸について回転可能な感光ドラム51と、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器62と、現像容器62内に位置し、現像容器62内の現像剤を第2方向に搬送可能な第1オーガ63と、第2方向に延びる第2軸について回転可能な磁気ローラ61であって、現像容器62内の現像剤を感光ドラム51に供給可能な磁気ローラと、現像剤のトナー濃度を検知可能なトナーセンサ66と、を備える。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の本体筐体に対して、第1方向に着脱可能なドラムカートリッジであって、
第1方向と交差する第2方向に延びる第1軸について回転可能な感光ドラムと、
前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向において、トナーを収容可能なトナーカートリッジが着脱可能なフレームであって、トナーとキャリアを含む現像剤を収容可能な現像容器を有するフレームと、
前記現像容器内に位置し、前記第2方向に延びる第2軸について回転可能な磁気ローラであって、前記現像容器内のトナーを前記感光ドラムに供給可能な磁気ローラと、
前記現像容器内に位置し、前記第2方向に延びる第3軸について回転可能な第1オーガであって、前記現像容器内の現像剤を前記第2方向に搬送可能な第1オーガであり、前記第3方向において、前記磁気ローラに対して前記感光ドラムの反対側に位置する第1オーガと、
前記現像容器内の現像剤のトナー濃度を検知可能なトナーセンサと、を備え、
前記現像容器は、
前記トナーカートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記トナーカートリッジ内のトナーを補給可能な補給口であって、前記第3方向において、前記第1オーガに対して前記感光ドラムの反対側に位置する補給口であり、前記第2方向における前記現像容器の一端部に位置する補給口を有し、
前記トナーセンサは、
前記第3方向において、前記感光ドラムと前記第1オーガの間に位置し、前記第2方向における前記現像容器の他端部に位置することを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項2】
前記ドラムカートリッジは、
前記第1オーガと第1方向に離れて位置する第2オーガであって、前記現像容器内の現像剤を前記第2方向に搬送可能な第2オーガであり、前記第3方向において前記磁気ローラと向かい合う第2オーガを備え、
前記第2オーガは、前記第3方向において、前記磁気ローラと前記補給口の間に位置することを特徴とする、請求項1に記載のドラムカートリッジ。
【請求項3】
前記現像容器は、前記第1方向において前記第1オーガと前記第2オーガの間に位置する仕切り壁であって、前記第2方向に延びる仕切り壁を有し、
前記仕切り壁は、
前記第1オーガによって搬送された現像剤が、前記第2オーガに向けて移動することを許容する供給開口と、
前記第2オーガによって搬送された現像剤が、前記第1オーガに向けて移動することを許容する回収開口であって、前記第2方向において前記供給開口と離れて位置する供給開口と、を有し、
前記トナーセンサは、前記第2方向において、前記供給開口と前記回収開口の間に位置することを特徴とする、請求項2に記載のドラムカートリッジ。
【請求項4】
前記トナーセンサは、前記第2オーガよりも前記第1オーガの近くに位置することを特徴とする、請求項3に記載のドラムカートリッジ。
【請求項5】
前記トナーセンサは、前記第2方向において、前記回収開口よりも前記供給開口の近くに位置することを特徴とする、請求項4に記載のドラムカートリッジ。
【請求項6】
前記補給口は、前記第2方向において、前記供給開口よりも前記回収開口の近くに位置することを特徴とする、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項7】
前記磁気ローラは、前記第3方向において、前記第2オーガに対して前記補給口と反対側に位置することを特徴とする、請求項6に記載のドラムカートリッジ。
【請求項8】
前記磁気ローラ上の現像剤の層厚を規制するブレードを備え、
前記ブレードは、前記第3方向において、前記感光ドラムと前記トナーセンサの間に位置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項9】
前記ブレードが取り付けられたブレード取付部材であって、前記現像容器に取り付けられるブレード取付部材を備え、
前記ブレード取付部材は、
ブレードが取り付けられる第1部分と、
前記第3方向において、前記第1部分から前記トナーセンサに近づく方向に屈折した第2部分と、を有し、
前記第2方向における前記第1部分の長さは、前記第2方向における前記ブレードの長さよりも長く、
前記第2方向における前記第2部分の長さは、前記第2方向における前記ブレードの長さよりも短いことを特徴とする、請求項8に記載のドラムカートリッジ。
【請求項10】
前記ブレード取付部材は、金属であることを特徴とする、請求項9に記載のドラムカートリッジ。
【請求項11】
前記トナーセンサを覆う絶縁シートを備えることを特徴とする、請求項10に記載のドラムカートリッジ。
【請求項12】
前記トナーセンサは、透磁率センサであることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項13】
前記トナーセンサは、
前記現像容器の外側に位置する本体部であって、前記現像容器に取り付けられる本体部と、
前記現像容器内の現像剤と接触可能な検知部であって、透磁率を検知可能な検知部と、
を有することを特徴とする、請求項12に記載のドラムカートリッジ。
【請求項14】
前記ドラムカートリッジが前記画像形成装置に装着された場合に、前記画像形成装置と電気的に接続されるコネクタと、
前記トナーセンサと前記コネクタを電気的に接続する中継基板であって、前記トナーセンサが検知した信号を前記コネクタへ通信する中継基板と、
を有する請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のドラムカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に装着されるドラムカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、本体筐体と、ドラムカートリッジと、を備えるものが知られている(特許文献1)。ドラムカートリッジは、感光ドラムと、トナーとキャリアを有する現像剤を収容する現像容器と、現像容器内の現像剤を感光ドラムに供給する現像ローラと、現像容器内の現像剤を搬送可能なオーガと、現像容器内の現像剤に対するトナーの濃度を検知するトナーセンサと、を備える。トナーセンサは、現像容器の底面に位置する。現像剤は、現像容器の底面にたまるため、トナーセンサがオーガの下、すなわち現像容器の底面に位置することにより、トナーセンサによって、トナーの濃度を検知しやすい。
【0003】
また、別の画像形成装置として、本体筐体と、本体筐体に対して着脱可能なドラムカートリッジと、ドラムカートリッジに対して着脱可能なトナーカートリッジと、を備える構成が知られている(特許文献2)。ドラムカートリッジは、本体筐体内に位置する収容位置と、本体筐体から引き出された引き出し位置との間で移動可能となっている。また、ドラムカートリッジは、感光ドラムと、トナーを収容する現像容器と、現像容器内のトナーを感光ドラムに供給する現像ローラと、現像容器内のトナーを搬送可能なオーガと、を備える。現像容器は、トナーカートリッジ内のトナーが通過することを許容する補給口を有する。補給口は、オーガの上に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-114827号公報
【特許文献2】特開2011―257488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術に特許文献2の技術を組み合わせた場合、たとえば、トナーセンサが、上下方向において、現像容器の補給口と重なることが考えられる。この場合、補給されたトナーと、現像容器内に存在した現像剤とが、十分に攪拌されていないため、トナーセンサによって、トナーの濃度を正確に検知できない恐れがある。
【0006】
本開示は、現像剤に対するトナー濃度を検知するトナーセンサと、トナーカートリッジ内のトナーが通過することを許容する補給口と、を有するドラムカートリッジにおいて、現像剤に対するトナー濃度を正確に検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するための本開示は、画像形成装置の本体筐体に対して、第1方向に着脱可能なドラムカートリッジであって、ドラムカートリッジは、第1方向と交差する第2方向に延びる第1軸について回転可能な感光ドラムと、第1方向および第2方向と交差する第3方向においてトナーを収容可能なトナーカートリッジが着脱可能なフレームと、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、現像容器内に位置し、第2方向に延びる第2軸について回転可能な磁気ローラであって、現像容器内のトナーを感光ドラムに供給可能な磁気ローラと、現像容器内に位置し、第2方向に延びる第3軸について回転可能な第1オーガであって、現像容器内の現像剤を第2方向に搬送可能な第1オーガであり、第3方向において、磁気ローラに対して感光ドラムの反対側に位置する第1オーガと、現像容器内の現像剤のトナー濃度を検知可能なトナーセンサと、を備える。現像容器は、トナーカートリッジが現像ユニットに装着された状態で、トナーカートリッジ内のトナーを補給可能な補給口であって、第3方向において、第1オーガに対して感光ドラムの反対側に位置する補給口であり、第2方向における現像容器の一端部に位置する補給口を有する。トナーセンサは、第3方向において、感光ドラムと第1オーガの間に位置し、第2方向における現像容器の他端部に位置する。
【0008】
この構成によれば、トナーセンサは、補給口から補給されたトナーと、現像容器内に存在した現像剤とが、十分に攪拌された後の現像剤のトナー濃度を検知することができる。
【0009】
また、ドラムカートリッジは、現像容器内で、第1オーガと第1方向に間隔を空けて位置する第2オーガであって、現像容器内の現像剤を第2方向に攪拌可能な第2オーガであり、第3方向において磁気ローラと向かい合う第2オーガを備え、第2オーガは、第3方向において、磁気ローラと補給口の間に位置する構成とすることができる
この構成によれば、磁気ローラが第1オーガおよび第2オーガの下に位置することで、ドラムカートリッジの第1方向におけるサイズは、磁気ローラが第1オーガおよび第2オーガの横に位置する構成と比較して、小さくなる。
【0010】
また、現像容器は、前記第1方向において第1オーガと第2オーガの間に位置する仕切り壁であって、第2方向に延びる仕切り壁を有し、仕切り壁は、第2オーガによって搬送された現像剤が通過することを許容する回収開口と、第1オーガによって搬送された現像剤が通過することを許容する供給開口であって、第2方向において回収開口と離れて位置する供給開口と、を有する。第1オーガは、供給開口を介して、第2オーガに現像剤を搬送可能であり、第2オーガは、回収開口を介して、第1オーガに現像剤を搬送可能である。トナーセンサは、第2方向において、供給開口と回収開口の間に位置する構成とすることができる。
【0011】
この構成によれば、トナーセンサは、第1オーガと第2オーガによって循環している現像剤のトナー濃度の検知が可能である。
【0012】
また、トナーセンサは、第2オーガよりも第1オーガの近くに位置する構成とすることができる。
【0013】
この構成によれば、第1オーガが搬送する現像剤のトナー濃度の検知が可能である。
【0014】
また、第1オーガは、第2方向において、回収開口から供給開口に向けて、現像容器内の現像剤を搬送し、第2オーガは、第2方向において、供給開口から回収開口に向けて、現像容器内の現像剤を搬送し、トナーセンサは、第3方向において、補給口とトナーセンサの間に位置する構成とすることができる。
【0015】
この構成によれば、第1オーガから第2オーガに搬送される現像剤のトナー濃度の検知が可能である。
【0016】
また、補給口は、第2方向において、供給開口よりも回収開口の近くに位置する補給口を有する構成とすることができる。
【0017】
この構成によれば、補給口が回収開口の近くに位置するため、回収開口で回収された現像剤と、補給口から補給されたトナーが、供給開口に向かうまでに攪拌される距離を長くすることができる。
【0018】
また、ドラムカートリッジは、磁気ローラ上の現像剤の層厚を規制するブレードを備え、ブレードは、第3方向において、感光ドラムとトナーセンサの間に位置する構成とすることができる。
【0019】
この構成によれば、トナーセンサおよびブレードは、第3方向において、いずれも第1オーガの下に位置するため、ドラムカートリッジの第1方向におけるサイズは、トナーセンサまたはブレードが第1オーガの横に位置する場合と比較して、小さくなる。
【0020】
また、ドラムカートリッジは、ブレードが取り付けられたブレード取付部材であって、現像容器に取り付けられるブレード取付部材を備え、ブレード取付部材は、ブレードが取り付けられる第1部分と、第3方向において、第1部分からトナーセンサに近づく方向に屈折した第2部分と、を有し、第2方向における第1部分の長さは、第2方向におけるブレードの長さよりも長く、第2方向における第2部分の長さは、第2方向におけるブレードの長さよりも短い構成とすることができる。
【0021】
この構成によれば、トナーセンサが、ブレード取付部材の第2部分と干渉しないように、位置させることができる。
【0022】
また、ブレード取付部材は、金属である構成とすることができる。
【0023】
この構成によれば、ブレード取付部材によって、ブレードの磁気ローラに対する位置決めが容易である。
【0024】
また、ドラムカートリッジは、トナーセンサを覆う絶縁シートを備える構成とすることができる。
【0025】
この構成によれば、トナーセンサが導電性のブレード取付部材から受ける検知精度への影響を小さくすることができる。
【0026】
また、トナーセンサは、透磁率センサとすることができる。トナーセンサは、現像容器の外側に位置する本体部であって、現像容器に取り付けられる本体部と、現像容器内の現像剤と接触可能な検知部であって、透磁率を検知可能な検知部と、を有する構成とすることができる。
【0027】
この構成によれば、トナーセンサが透磁率を検知することで、画像形成装置は、現像容器内のトナーとキャリアの比を検知することが可能となる。
【0028】
また、ドラムカートリッジが画像形成装置に装着された場合に、画像形成装置と電気的に接続されるコネクタと、トナーセンサとコネクタを電気的に接続する中継基板であって、トナーセンサが検知した信号を現像ユニットへ通信する中継基板と、を有する構成とすることができる。
【0029】
この構成によれば、トナーセンサから直接本体に電気的に接続する場合と比較して、本体とドラムカートリッジとの間の配線をシンプルにすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本開示によれば、トナーセンサが補給口と離れた位置に位置するため、トナーセンサは、補給されたトナーと現像容器内に存在した現像剤とが十分に攪拌された現像像を検知することができるため、現像剤のトナー濃度を正確に検知することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本実施形態のカラープリンタを示す断面図である。
図2】トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジを示す断面図である。
図3】ドラムカートリッジが引き出し位置に位置する状態を示す断面図である。
図4】現像ユニットを第2方向の他端側から見た断面図である。
図5】現像ユニットを第3方向の一端側から見た断面図である。
図6】現像ユニットの斜視図であって、現像容器の一部と第2オーガを非図示とした図面である。
図7】ブレードとブレード取付部材の斜視図である。
図8】トナーセンサの斜視図である。
図9】現像ユニットを磁気ローラ側から見た斜視図であって、(a)トナーセンサを絶縁シートで覆っていない場合の図と、(b)トナーセンサを絶縁シートで覆った場合の図である。
図10】トナーセンサ、中継基板、コネクタの間の配線を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本開示の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、ドラムカートリッジ50が、本体筐体10に対して着脱する方向を第1方向とする。また、感光ドラム51の軸方向を第2方向とする。第1方向は、第2方向と交差する。好ましくは、第1方向と第2方向のなす角は、80°から100°の範囲である。より好ましくは、第1方向は、第2方向と直交する。また、トナーカートリッジTCを現像ユニットに対して着脱する方向を第3方向とする。第3方向は、第2方向と交差する。好ましくは、第3方向と第2方向のなす角は、80°から100°の範囲である。より好ましくは、第3方向は、第2方向と直交する。また、第3方向は、第1方向と交差する。好ましくは、第3方向と第1方向のなす角は、80°から100°の範囲である。より好ましくは、第3方向は、第1方向と直交する。すなわち、第3方向は、第1方向および第2方向と交差する。より好ましくは、第3方向は、第1方向および第2方向と直交する。なお、以下の説明では、本体筐体10において、第3方向の一端側を「上」と呼び、第3方向の他端を「下」と呼ぶ。例えば、図2において、トナーカートリッジTCは第1オーガ63の上に位置し、磁気ローラ61は、第2オーガ64の下に位置する。
(1)カラープリンタ1全体の説明
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、本体筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、排出部90と、制御部100とを備えている。
【0033】
本体筐体10は、開口10Aと、フロントカバー11と、本体コネクタ12とを有している。フロントカバー11は、開口10Aを開ける開位置と、開口10Aを閉じる閉位置とを移動可能である。詳しくは、フロントカバー11は、開位置と閉位置との間で回動可能である。本体コネクタ12は、本体筐体10内に位置する。本体コネクタ12は、制御部100と電気的に接続されている。
【0034】
シート供給部20は、供給トレイ21と、シート搬送機構22とを備えている。供給トレイ21は、シートSを収容する。シート搬送機構22は、供給トレイ21からシートSを画像形成部30へ搬送する。
【0035】
画像形成部30は、スキャナユニット40と、ドラムカートリッジ50と、4つのトナーカートリッジTCと、転写部材70と、定着装置80とを備えている。
【0036】
スキャナユニット40は、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。スキャナユニット40は、レーザビームを、感光ドラム51に出射する。
【0037】
ドラムカートリッジ50は、本体筐体10に対して、開口10Aを介して、第1方向に移動可能となっている。
【0038】
ドラムカートリッジ50は、本体筐体10に対して、本体筐体10内に位置する収容位置と、本体筐体10から引き出された引き出し位置との間で第1方向に移動可能となっている。ドラムカートリッジ50は、本体筐体10に、収容位置と引き出し位置との間で移動可能に支持されている。ドラムカートリッジ50は、カラープリンタ1から取り外し可能である。
【0039】
図2に示すように、ドラムカートリッジ50は、複数の感光ドラム51と、複数のスコロトロン帯電器52と、複数のクリーニングローラ53と、フレーム59と、ハンドル501と、複数の現像ユニット60と、シートガイド54と、コネクタ55と、を有する。具体的に、ドラムカートリッジ50は、4つの感光ドラム51と、4つのスコロトロン帯電器52と、4つのクリーニングローラ53と、フレーム59と、ハンドル501と、4つの現像ユニット60と、シートガイド54と、コネクタ55とを有する。
【0040】
ハンドル501は、第1方向において、一端部に位置する。ユーザは、ハンドル501を把持して、ドラムカートリッジ50を引き出し可能である。
【0041】
4つの現像ユニット60は、第1方向に並んでいる。
【0042】
複数の感光ドラム51、複数のスコロトロン帯電器52、複数のクリーニングローラ53および複数の現像ユニット60は、互いに異なる色(例えばシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各色)の画像形成を行う。ただし、本実施形態においては、複数の感光ドラム51、複数のスコロトロン帯電器52、複数のクリーニングローラ53および複数の現像ユニット60は、画像形成を行う現像剤の色を除いて同一の構成である。そのため、以下は、複数のうちの1つについてのみ説明する。
【0043】
感光ドラム51は、第2方向に延びる第1軸X1について回転可能である。
【0044】
スコロトロン帯電器52は、感光ドラム51を帯電させる帯電器である。なお、スコロトロン帯電器52の代わりに、帯電ローラが用いられてもよい。
【0045】
クリーニングローラ53は、感光ドラム51をクリーニングするローラである。なお、クリーニングローラ53の代わりに、クリーニングブレードが用いられてもよい。
【0046】
現像ユニット60は、第3方向において、トナーカートリッジTCと感光ドラム51との間に位置する。現像ユニット60は、磁気ローラ61と、現像容器62と、第1オーガ63と、第2オーガ64と、ブレード65と備えている。
【0047】
磁気ローラ61は、感光ドラム51にトナーを供給するローラである。磁気ローラ61は、磁気軸部材61Aと、磁気スリーブ61Bとを有する。磁気軸部材61Aは、周方向に異なる磁極が所定パターンで配置されている。磁気軸部材61Aは、例えば、複数の永久磁石が埋設された円柱状の部材である。磁気軸部材61Aは、現像容器62に固定される。
【0048】
磁気スリーブ61Bは、例えば、非磁性金属材料を主体とする円筒状部材からなる。磁気スリーブ61Bは、磁気軸部材61Aを中心として回転可能である。磁気スリーブ61Bは、磁気軸部材61Aの磁力により現像剤を保持する。また、磁気スリーブ61Bは、本体筐体10から現像電圧が印加される。
【0049】
磁気ローラ61は、第3方向において、後述する第1オーガ63と第2オーガ64の下に位置する。磁気ローラ61は、トナーカートリッジTCと感光ドラム51との間に位置する。磁気スリーブ61Bは、第2方向に延びる第2軸X2について回転可能となっている。すなわち、磁気ローラ61は、第2方向に延びる第2軸X2について回転可能である。磁気ローラ61は、感光ドラム51の表面と向かい合っている。磁気ローラ61は、感光ドラム51の表面から離れている。
【0050】
現像容器62は、非磁性体であるトナーと、磁性体であるキャリアを収容する容器である。キャリアは、例えば鉄粉である。現像容器62は、補給口62Aを有する。補給口62Aは、トナーカートリッジTCからトナーが補給されることを許容する。補給口62Aは、第1オーガ63および第2オーガ64に対して磁気ローラ61とは、第3方向において反対側に位置する。
【0051】
第3方向において、補給口62Aは、第1オーガ63および第2オーガ64より上に位置する。詳しくは、補給口62Aは、第1オーガ63の上に位置する。第2軸X2は、第1オーガ63および第2オーガ64より下に位置する。詳しくは、第2軸X2は、第2オーガ64の下に位置する。トナーカートリッジTCが現像容器62に装着されると、補給口62Aから現像容器62にトナーを補給可能になる。なお、図6に示すように、補給口62Aは、第2方向における現像容器62の一端側に位置する。
【0052】
図2に示すように、第1オーガ63および第2オーガ64は、現像容器62内に位置する。第1オーガ63は、第2方向に延びる第3軸X3について回転可能である。第2オーガ64は、第1方向に延びる第4軸X4について回転可能である。第1オーガ63は、第1方向において、第2オーガ64と間隔を空けて位置する。第1オーガ63は、第2オーガ64よりも補給口62Aの近くに位置する。
【0053】
ブレード65は、磁気ローラ61上のトナーの層の厚さを規制する部材である。ブレード65は、磁気ローラ61とは非接触となっている。ブレード65は、第1方向において、磁気ローラ61と並んでいる。第2軸X2は、第2方向において、ブレード65と第1軸X1の間に位置する。
【0054】
シートガイド54は、シートSを感光ドラム51に向けて案内するガイドである。シートガイド54は、第1方向において、感光ドラム51と並んでいる。シートガイド54は、4つの感光ドラム51よりも、シートSの搬送方向の上流に位置する。
【0055】
シートSの搬送方向において最も上流に位置する磁気ローラ61は、第3方向において、シートガイド54と第2オーガ64との間に位置する。シートSの搬送方向において最も上流に位置するブレード65は、第3方向において、シートガイド54と第1オーガ63との間に位置する。
【0056】
コネクタ55は、ドラムカートリッジ50の外表面に位置する。詳しくは、コネクタ55は、現像ユニット60を支持するフレームの外表面に位置する。
【0057】
フレーム59は、第3方向においてトナーを収容可能なトナーカートリッジが着脱可能である。フレーム59は、後述する、トナーとキャリアを含む現像剤を収容可能な現像容器62を有する。
【0058】
4つのトナーカートリッジTCは、収容する現像剤の色を除いて同一の構成である。そのため、以下は、複数のうちの1つについてのみ説明する。
【0059】
トナーカートリッジTCは、非磁性体であるトナーを収容している。図3に示すように、トナーカートリッジTCは、ドラムカートリッジ50のフレーム59に対して、装着、または、取り外しが可能となっている。詳しくは、トナーカートリッジTCは、ドラムカートリッジ50のフレーム59に対して、第3方向に着脱可能となっている。
【0060】
トナーカートリッジTCは、トナーメモリTMを有する。トナーメモリTMは、情報を記憶可能な記憶素子と、後述する第1電気接点56と接触可能な接点と、を有する。トナーメモリTMは、トナーカートリッジTCに関するトナーカートリッジ情報を記憶する。トナーカートリッジ情報は、各トナーカートリッジTCを識別可能な識別情報と、各トナーカートリッジTCのトナー寿命情報との少なくともいずれかである。識別情報は、例えば、シリアルナンバーである。トナー寿命情報は、例えば、磁気ローラ61または第1オーガ63の累積回転数、使用済みのドットカウント、トナーの残量の少なくとも1つである。
【0061】
図1に示すように、転写部材70は、感光ドラム51上のトナー像をシートSに転写する部材である。転写部材70は、シート供給部20とドラムカートリッジ50との間に位置する。転写部材70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、転写ローラ74と、を備えている。
【0062】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、第1方向に離間している。駆動ローラ71および従動ローラ72は、エンドレスベルトからなる搬送ベルト73を支持している。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に位置する。転写ローラ74は、感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する。
【0063】
定着装置80は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82とを備えている。加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを挟む。
【0064】
画像形成部30が、画像形成を行う際の一連の動作は、次の通りである。
【0065】
画像形成部30では、スコロトロン帯電器52は、感光ドラム51の表面を帯電する。その後、スキャナユニット40は、感光ドラム51の表面を露光することで、感光ドラム51上に静電潜像を形成する。
【0066】
磁気ローラ61は、感光ドラム51上に形成された静電潜像に、現像剤を供給することで、感光ドラム51上に現像剤像を形成する。その後、搬送ベルト73は、シート供給部20から搬送されてきたシートSを、感光ドラム51に向けて搬送する。転写ローラ74は、搬送ベルト73と感光ドラム51に挟まれたシートSを、搬送ベルト73の内側から感光ドラム51に向けて押圧することで、感光ドラム51上の現像剤像をシートSに転写する。定着装置80は、現像剤像を転写されたシートSを、加熱ローラ81と加圧ローラ82によって挟むことで、現像剤像を、シートSに定着する。
【0067】
排出部90は、複数の搬送ローラ91を備えている。搬送ローラ91は、定着器を通過したシートSを本体筐体10の外に排出する。
【0068】
制御部100は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、装着されたカートリッジの情報やROMに記憶されたプログラムまたはデータなどに基づいて演算処理を行うことによって、カラープリンタ1を制御する。
【0069】
図1に示すように、コネクタ55は、ドラムカートリッジ50がカラープリンタ1に装着された場合に、カラープリンタ1に電気的に接続される。具体的に、コネクタ55は、ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着された場合に、本体コネクタ12と接触し、かつ、本体コネクタ12と電気的に接続される。ドラムカートリッジ50にトナーカートリッジTCが装着された状態で、コネクタ55が本体コネクタ12と電気的に接続された場合、制御部100は、トナーメモリTMからトナーカートリッジ情報を取得、または、トナーメモリTMに情報を書込可能となる。
(2)現像ユニットの構成
(2-1)現像容器62の構成
図5に示すように、現像容器62は、第1収容室62Bと、第2収容室62Cと、仕切り壁62Dと、供給開口62Eと、回収開口62Fとを有する。第1収容室62Bは、第1オーガ63を収容する空間である。第2収容室62Cは、第2オーガ64を収容する空間である。第1収容室62B内および第2収容室62Cは、その内部にトナーおよびキャリアを収容している。
【0070】
仕切り壁62Dは、第1収容室62Bと第2収容室62Cとを仕切る壁である。仕切り壁62Dは、第2方向に延びる。仕切り壁62Dは、第1オーガ63と第2オーガ64の間に位置する。
【0071】
供給開口62Eは、仕切り壁62Dの第2方向における他端側に位置する。供給開口62Eは、第1収容室62Bと第2収容室62Cとに繋がっている。供給開口62Eは、第1収容室62Bから第2収容室62Cへのトナーおよびキャリアの移動を許容する。
【0072】
回収開口62Fは、仕切り壁62Dの第2方向における一端側に位置する。回収開口62Fは、第1収容室62Bと第2収容室62Cとに繋がっている。回収開口62Fは、第2収容室62Cから第1収容室62Bへのトナーおよびキャリアの移動を許容する。
【0073】
補給口62Aは、第1収容室62Bに繋がっている。補給口62Aは、供給開口62Eよりも回収開口62Fの近くに位置する。具体的には、補給口62Aから供給開口62Eまでの距離は、補給口62Aから回収開口62Fまでの距離よりも大きい。
(2-2)第1オーガ63、第2オーガ64の構成
第1オーガ63は、第2方向における現像容器62の一端60Aから他端60Bに向けてトナーとキャリアを搬送する。言い換えると、第1オーガ63は、回収開口62Fから供給開口62Eに向けてトナーとキャリアを搬送する。具体的には、第1オーガ63は、補給口62Aから第1収容室62Bに補給されたトナーを、キャリアとともに供給開口62Eに搬送する。また、第1オーガ63は、回収開口62Fから第1収容室62Bに補給されたトナーおよびキャリアを、供給開口62Eに搬送する。供給開口62Eまで搬送された現像剤は、供給開口62Eを介して、第1収容室62Bから第2収容室62Cへ搬送される。言い換えると、供給開口62Eは、第1オーガ63によって搬送された現像剤が、第2オーガ64に向けて移動することを許容する。
【0074】
第1オーガ63は、後述するトナーセンサ66の検知部66Bと接触しない。より詳しくは、第1オーガ63は、第1オーガ63の検知部66Bの近傍に存在する羽根である第1羽根63Aにおける第1オーガ63の径が、第1オーガ63の他の部分における径に対して、小さくなっている。
【0075】
第2オーガ64は、第2方向における現像容器62の他端60Bから一端60Aに向けてトナーとキャリアを搬送する。言い換えると、第2オーガ64は、供給開口62Eから回収開口62Fに向けてトナーとキャリアを搬送する。具体的に、第2オーガ64は、供給開口62Eから第2収容室62Cに供給されたトナーを、キャリアとともに第2方向の他端に向けて搬送する。第2オーガ64によって第2方向に搬送される現像剤は、磁気ローラ61の磁力によって、磁気ローラ61の表面に付着する。回収開口62Fまで搬送された現像剤は、回収開口62Fを介して、第2収容室62Cから第1収容室62Bへ搬送される。言い換えると、回収開口62Fは、第2オーガ64によって搬送された現像剤が、第1オーガ63に向けて移動することを許容する。
【0076】
第1オーガ63および第2オーガは、現像容器62内の現像剤を搬送すると同時に攪拌している。第1オーガ63および第2オーガ64が現像剤を攪拌することで、現像剤は、摩擦帯電する。
【0077】
このようにして、第1オーガ63および第2オーガ64は、補給口62Aから磁気ローラ61に向けてトナーとキャリアを搬送可能である。また、第1オーガ63および第2オーガ64は、現像容器62内のキャリアおよびトナーを循環するようになっている。
(2-3)ブレード65の構成
ブレード65は、金属からなる。本実施形態のブレード65は、ステンレスからなる。
【0078】
図7図9に示すように、ブレード65は、ブレード取付部材67と一体的に現像容器62に取り付けられる。より具体的には、ブレード65は、ブレード取付部材67の第1部分67aと接触した状態で、現像容器62にねじ止めされる。これにより、ブレード65は、ブレード取付部材67に支持された状態で、現像容器62取り付けられる。
【0079】
ブレード65は、第1オーガ63の下に位置する。ブレード65は、第3方向において、第2オーガ64より下に位置する。ブレード65は、トナーセンサ66の下に位置する。言い換えると、ブレード65は、第3方向において、感光ドラム51とトナーセンサ66の間に位置する。
【0080】
ブレード取付部材67は、第3方向において、ブレード65と現像容器62の間に位置する。ブレード取付部材67は、金属からなる。本実施形態のブレード取付部材67は、ステンレスからなる。
【0081】
ブレード取付部材67は、第1部分67aと、第1部分67aから屈曲した第2部分67bとを有する。第1部分67aは、ブレード65を支持する。第2方向における第1部分67aの長さは、第2方向におけるブレード65の長さよりも長い。これにより、ブレード取付部材67は、第2方向におけるブレード65の全体と接触して、ブレード65を支持することが可能である。第2部分67bは、ブレード取付部材67が現像容器62に取り付けられた状態において、ブレード65と現像容器62の間に位置する。第2部分67bは、ブレード65と現像容器62の間を覆う。第2方向における第2部分67bの長さは、第2方向におけるブレード65の長さよりも短い。これにより、ブレード取付部材67を現像容器62に取り付けた状態において、トナーセンサ66が第1方向において露出する。
(2-4)トナーセンサ66の構成
図4に示すように、現像ユニット60は、トナーセンサ66を有する。
【0082】
トナーセンサ66は、現像容器62内のトナー濃度を検知可能である。トナーセンサ66が検知した信号は、制御部100に送られる。これにより、制御部100は、トナーセンサ66から送られた信号から現像容器62内のトナー量を判定可能である。本実施形態のトナーセンサ66は、透磁率を検知可能な透磁率センサである。透磁率センサは、電源電圧及び制御電圧を印加されると、検知物の透磁率に応じた電圧を出力する。本実施形態の場合、現像剤の中のトナーの濃度に応じて、トナーセンサ66が出力する電圧値が変化する。
【0083】
図8に示すように、トナーセンサ66は、本体部66Aと、検知部66Bと、センサコネクタ66Cと、を有する。
【0084】
本体部66Aは、現像容器外に位置する。図9(a)に示すように、本体部66Aは、現像容器62に対して取り付けられている。より具体的には、本体部66Aは、現像容器62に対して両面テープによって貼り付けられている。これにより、トナーセンサ66は、現像容器62に対して取り付けられている。なお、トナーセンサ66は、現像容器62に対してねじ止めや接着剤などによって取り付けられてもよい。
【0085】
図9(b)に示すように、本体部66Aには、絶縁シート68が貼り付けられている。絶縁シート68は、本体部66Aが露出しないように、本体部66Aの全体を覆う。具体的には、絶縁シート68は、端部が現像容器に貼り付けられ、本体部66Aの第2方向を向く側面全体と、本体部66Aの第3方向を向く底面全体を覆う。また、絶縁シート68には、現像材の漏れを防止するための図示しないシールが貼り付けられている。
【0086】
検知部66Bは、本体部66Aから突出している。検知部66Bは、円柱の形状である。図6に示すように、検知部66Bは、現像容器62が有する穴に入り、現像容器62内の現像剤と接触する。より詳しくは、検知部66Bは、第1収容室62B内の現像剤と接触する。したがって、トナーセンサ66は、第1収容室62Bを搬送されている現像剤のトナー濃度の検知が可能である。言い換えると、トナーセンサ66は、第1オーガ63によって搬送されている現像剤のトナー濃度の検知が可能である。
【0087】
なお、トナーセンサ66の検知部66Bは、現像剤と接触した状態でトナー濃度を検知することから、検知部66Bの近傍に十分な量の現像剤があることが望ましい。トナーセンサ66は、検知部66Bの近傍に十分な量の現像剤が無い場合に、現像剤のトナー濃度を正確に検知することができない場合がある。具体的には、本実施形態におけるトナーセンサ66は、検知部66Bの検知面に対して垂直な方向に現像剤が6mm以上存在していない場合に、現像剤のトナー濃度を正確に検知することができない場合がある。なお、本実施形態では、現像容器62内の現像剤は、第1オーガ63の回転軸よりも上まで充填されている。したがって、トナーセンサ66は、検知部66Bの近傍に十分な量の現像剤がある限りは、第1オーガ63の斜め下などに配置されていても良い。
【0088】
センサコネクタ66Cは、トナーセンサ66と後述する第2電気接点57と電気的に接続される。センサコネクタ66Cに印加された電圧は、本体部66A及び検知部66Bの回路に印加される。また、トナーセンサ66が検知した信号は、センサコネクタ66Cを介して、制御部100に送られる。
【0089】
トナーセンサ66は、第1オーガ63の下に位置する。トナーセンサ66は、第3方向において、感光ドラム51と第1オーガ63との間に位置する。トナーセンサ66は、第3方向において、第1オーガ63に対して、補給口62Aと反対側に位置する。トナーセンサ66は、現像容器62の下側に位置する。トナーセンサ66は、第2オーガ64よりも下に位置する。トナーセンサ66は、第2オーガ64よりも、第1オーガ63の近くに位置する。
【0090】
トナーカートリッジTCを現像ユニット60に装着した状態で、トナーセンサ66は、第2方向において、トナーメモリTMと同じ端部に位置する。具体的には、トナーセンサ66とトナーメモリTMは、第2方向において、いずれも補給項62Aと反対側の他端側に位置する。これにより、後述する第1電気接点56と第2電気接点57が、同じ端部に位置することができる。
【0091】
トナーセンサ66は、第2方向において、供給開口62Eと回収開口62Fとの間に位置する。トナーセンサ66は、第1オーガが回収開口62Fから供給開口62Eに向けて搬送する現像剤のトナー濃度を検知する。
【0092】
トナーセンサ66は、第2方向における現像容器62の、一端側と反対側の他端側に位置する。より詳しくは、トナーセンサ66は、一端60Aよりも他端60Bの近くに位置する。したがって、検知部66Bは、第2方向において、他端側に位置する。言い換えると、トナーセンサ66は、回収開口62Fよりも供給開口62Eの近くに位置する。
【0093】
また、トナーセンサ66は、第2方向において、補給口62Aから離れた位置に位置する。具体的には、補給口62Aが供給開口62Eよりも回収開口62Fの近くに位置するのに対して、トナーセンサ66は回収開口62Fよりも供給開口62Eの近くに位置する。これにより、トナーセンサ66は、補給口62Aで補給されたトナーと現像容器62内に存在した現像剤とが十分に攪拌された後の現像剤のトナー濃度を検知可能である。
【0094】
なお、導電体であるブレード取付部材67をトナーセンサ66に極端に近接させると、トナーセンサ66は、現像容器62内の現像剤のトナー濃度の検知を正確に行うことができなくなる場合がある。そのため、本実施形態のカラープリンタ1におけるブレード取付部材67とトナーセンサ66の間の距離は、5mm以上離れている。
【0095】
また、導電体であるブレード65をトナーセンサ66に極端に近接させると、トナーセンサ66は、現像容器62内の現像剤のトナー濃度の検知を正確に行うことができなくなる場合がある。そのため、本実施形態のカラープリンタ1におけるブレード65とトナーセンサ66の間の距離は、5mm以上離れている。
(3)カラープリンタ1とトナーセンサ66の中継回路構成
(3-1)フレーム59
図10に示すように、ドラムカートリッジ50は、第3側板W3と、第4側板W4と、前板W5と、後板W6とを有する。第3側板W3、第4側板W4、前板W5および後板W6は、トナーカートリッジTCを着脱可能なフレーム59の一例である。第3側板W3、第4側板W4、前板W5および後板W6は、樹脂からなる。
【0096】
各現像ユニット60は、第2方向において、第3側板W3と第4側板W4との間に位置する。前板W5は、第3側板W3および第4側板W4の第1方向の一端側に位置する。後板W6は、第3側板W3および第4側板W4の第1方向の他端側に位置する。
(3-2)中継基板58の構成
ドラムカートリッジ50は、第1電気接点56と、第2電気接点57と、中継基板58と、配線CA1と、配線CA2とをさらに備える。
【0097】
より詳細には、ドラムカートリッジ50は、複数の第1電気接点56を備える。各第1電気接点56は、複数のトナーメモリTMそれぞれに対応している。第1電気接点56は、第4側板W4の内側に第2方向に並んで位置している。トナーカートリッジTCがドラムカートリッジ50に装着され、ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着された場合、第1電気接点56は、トナーメモリTMと接触し、これによりトナーメモリTMと電気的に接続される。
【0098】
また、ドラムカートリッジ50は、複数の第2電気接点57を備える。各第2電気接点57は、複数のトナーセンサ66それぞれに対応している。第2電気接点57は、第4側板W4の内側に第2方向に並んで位置している。ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着された場合、第2電気接点57は、トナーセンサ66の出力接点と接触し、これによりトナーセンサ66と電気的に接続される。
【0099】
中継基板58は、ドラムカートリッジ50の後板W6の内面に位置する。中継基板58は、ドラムカートリッジ50に関するドラムカートリッジ情報を記憶するドラムメモリ58Mを有する。具体的には、ドラムメモリ58Mは、中継基板上に位置する。中継基板58は、配線CA1によって、第1電気接点56および第2電気接点57と電気的に接続されている。また、中継基板58は、配線CA2によって、コネクタ55と電気的に接続されている。中継基板58は、それぞれのトナーセンサ66とコネクタ55とを電気的に接続する。中継基板58は、それぞれのトナーメモリTMとコネクタ55とを電気的に接続する。ドラムメモリ58Mは、コネクタ55と、配線CA2により電気的に接続されている。
【0100】
ドラムカートリッジ情報は、ドラムカートリッジ50を識別可能な識別情報と、感光ドラム51のドラム寿命情報との少なくともいずれかである。識別情報は、例えば、シリアルナンバーである。ドラム寿命情報は、例えば、感光ドラム51の累積回転数、感光ドラム51を用いての累積印刷枚数、および感光ドラム51を用いての累積ドットカウント数の少なくとも1つである。
【0101】
トナーセンサ66が検知した信号は、中継基板58を介して、カラープリンタ1の制御部100へ通信される。
【0102】
トナーメモリTMに記憶されたトナーカートリッジ情報は、中継基板58を介して、カラープリンタ1の制御部100へ通信される。
【0103】
ドラムメモリ58Mに記憶された情報は、カラープリンタ1の制御部100へ通信される。
(4)作用効果
以上説明した本開示の一実施形態によれば、トナーセンサ66は、第2方向において、補給口62Aと反対側に位置するため、補給口62Aで供給されたトナーが、トナーセンサ66まで搬送される間に、現像容器62内の現像剤と攪拌される。これにより、トナーセンサ66では、トナー濃度の偏りの少ない現像剤のトナー濃度を検知することが可能になるので、検知精度が良い。
【0104】
また、磁気ローラ61は、第1オーガ63および第2オーガ64の下に位置するため、第1オーガ63および第2オーガ64の横に位置する構成と比較して、ドラムカートリッジ50の第1方向における大きさを、更に小さくすることができる。これにより、ユーザがドラムカートリッジ50を第1方向に引き出す場合に、引き出さなければいけない長さが小さくなるので、扱いやすい。
【0105】
また、トナーセンサ66は、供給開口62Eと回収開口62Fの間に位置するため、現像容器62内を循環する現像剤のトナー濃度を検知可能である。
【0106】
また、トナーセンサ66は、第2オーガ64よりも第1オーガ63の近くに位置するため、磁気ローラ61と隣接しない第1収容室62B内の現像剤のトナー濃度を検知可能である。これにより、トナーセンサ66は、第2収容室62C内の現像剤のトナー濃度を検知をする場合と比較して、磁気ローラ61の影響を受けづらいため、検知精度が良い。
【0107】
トナーセンサ66は、第1オーガ63の下に位置し、ブレード65は、トナーセンサ66の下に位置するため、ブレード65またはトナーセンサ66が側面に位置する場合と比較して、ドラムカートリッジ50の第1方向における大きさが、小さくなる。これにより、ユーザがドラムカートリッジ50を第1方向に引き出す場合に、引き出さなければならない長さが小さくなる。
【0108】
また、ブレード取付部材67の第2部分67bを、ブレード65よりも短くすることで、トナーセンサ66をブレード取付部材67とブレード65の間に位置させることができる。これにより、第2部分67bの屈曲によって、ブレード取付部材67の強度を保ちつつ、トナーセンサ66とブレード取付部材67とが干渉しないように位置させることができる。
【0109】
また、ブレード取付部材67は、金属であるため、強度や加工性が良いことから、現像容器62に対する位置決め精度が良い。これにより、磁気ローラ61に対する位置決め精度も良くなり、ブレード65と磁気ローラ61との距離が、磁気ローラ61上の現像剤厚が適切な厚さになる距離になる。
【0110】
また、トナーセンサ66は、絶縁シート68によって覆われていることで、導電部材であるブレード取付部材67による、トナーセンサ66への影響を小さくすることができる。これにより、トナーセンサ66がブレード取付部材67と現像容器62の間に位置しても、トナーセンサ66は、現像剤のトナー濃度を精度よく検知することが可能である。
【0111】
また、トナーセンサ66は、透磁率センサであるため、現像剤の透磁率を検知することが可能である。これにより、カラープリンタ1は、現像容器62内のキャリアの量が、カラープリンタ1を使用していくうちに減ったとしても、現像容器62内のトナーとキャリアの比率が好ましい値になるように、トナーカートリッジTCからトナーを補給することが可能である。したがって、現像容器62内のトナーとキャリアの比率を一定に保つことができるため、磁気ローラ61から感光ドラム51へ現像される現像剤の量を、ある程度一定に保つことができる。
【0112】
また、絶縁シート68にシールが貼り付けられていることで、現像容器62とブレード取付部材67との間から現像剤が漏れ出すことを防ぐことができる。
(5)変形例
以上に本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜変形して実施することが可能である。
【0113】
上述した一実施形態では、トナーセンサは、透磁率を検知可能な磁気センサであったが、トナーの量または撹拌トルクを検知する物理センサであってもよく、トナーの透過光または反射率を検知する光学センサであってもよい。
【0114】
上述した一実施形態では、ブレードは金属であるとしたが、樹脂であってもよい。
【0115】
上述した一実施形態では、ドラムカートリッジは現像ユニットを4つ有していたが、現像ユニットは、それより多くてもよいし、少なくてもよい。例えば、現像ユニットは1つであってもよい。その場合、感光ドラムも1つでよい。
【0116】
上述した一実施形態では、ドラムメモリは、ドラムカートリッジ情報を記憶するとしたが、トナーセンサにより検出された情報を記憶してもよい。また、ドラムメモリは、キャリブレーションに関する値を記憶してもよい。
【0117】
また、上述の一実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
10 本体筐体
50 ドラムカートリッジ
51 感光ドラム
55 コネクタ
59 フレーム
60 現像ユニット
61 磁気ローラ
62 現像容器
62A 補給口
62B 第1収容室
62C 第2収容室
62D 仕切り壁
62E 供給開口
62F 回収開口
63 第1オーガ
64 第2オーガ
65 ブレード
66 トナーセンサ
67 ブレード取付部材
68 絶縁シート
TC トナーカートリッジ
図1
図2
図3
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図10