IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジキカイの特許一覧

特開2022-102118ピッキングシステムにおける物品分別装置
<>
  • 特開-ピッキングシステムにおける物品分別装置 図1
  • 特開-ピッキングシステムにおける物品分別装置 図2
  • 特開-ピッキングシステムにおける物品分別装置 図3
  • 特開-ピッキングシステムにおける物品分別装置 図4
  • 特開-ピッキングシステムにおける物品分別装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102118
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】ピッキングシステムにおける物品分別装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/44 20060101AFI20220630BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
B65G47/44
B25J13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216662
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】堀田 武義
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 勲
(72)【発明者】
【氏名】高羽 硝示
(72)【発明者】
【氏名】辻井 将央
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勝己
【テーマコード(参考)】
3C707
3F015
【Fターム(参考)】
3C707AS04
3C707BS24
3C707DS01
3C707FS01
3C707KS03
3C707KS04
3C707KT01
3C707KT06
3C707NS02
3F015AA13
3F015EA01
(57)【要約】
【課題】物品をコンベヤの搬送終端から搬出する際に、ロボットでピッキングできなかった良品と、不良品として識別された物品を振り分け処理するピッキングシステムにおける物品分別装置を提供する。
【解決手段】ピッキングコンベヤ12で搬送される物品11を、撮像手段29で撮像して得た画像情報に基づいて、良品、良品スルー品、不良品の何れであるかを識別し、良品をロボット13でピッキングする。ピッキングコンベヤ12より下流に、良品搬出位置と不良品排除位置とに切り替え可能な複数の分岐体32が、ピッキングコンベヤ12の幅方向に並べて配設される。ピッキングコンベヤ12の搬送終端に至った良品スルー品または不良品の載置位置に対応する分岐体32を、対応する位置に切り替えることで、良品スルー品と不良品とを異なる搬出先31,36に振り分ける。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤに載置されて搬送される物品を、ロボットでピッキングするピッキングシステムにおいて、
前記コンベヤで搬送される物品を撮像手段で撮像して得た画像情報に基づいて、前記ロボットによるピッキング対象とする良品として識別する物品と、ロボットによるピッキングを行うことなく、ロボットのピッキング領域を通り越すまでスルーしてコンベヤの搬送終端から搬出させる、ピッキング対象としない物品として良品スルー品と不良品との何れかに識別し、
前記ロボットでピッキングされることなく前記コンベヤの搬送終端まで至った物品を、前記良品スルー品と不良品とで異なる搬出先へ向けて振り分け搬出する分岐体を、前記コンベヤの幅方向に隣り合うよう並べて配設した
ことを特徴とするピッキングシステムにおける物品分別装置。
【請求項2】
前記コンベヤは、幅方向に複数の物品を載置して搬送可能なベルトコンベヤで構成し、前記分岐体は、ベルトコンベヤの幅方向に隣り合うよう並べたことを特徴とする請求項1記載のピッキングシステムにおける物品分別装置。
【請求項3】
前記分岐体は、上下作動する作動手段により上下切り替え作動して、前記ロボットでピッキングされることなく前記コンベヤの搬送終端まで至った物品を、前記良品スルー品と不良品とで異なる搬出先へ向けて振り分け搬出するよう構成したことを特徴とする請求項1または2記載のピッキングシステムにおける物品分別装置。
【請求項4】
前記分岐体は、前記コンベヤの搬送終端まで至った前記良品スルー品を滑走させて搬出先へ搬出可能に、常には搬送面を傾斜配置した斜面部を備え、前記不良品がコンベヤの搬送終端に至る時期に合わせて、前記作動手段により斜面部を持ち上げ傾動して、前記コンベヤの搬送終端と分岐体との間に空所を形成し、該空所から良品スルー品とは異なる搬出先へ向けて前記不良品を落下搬出するよう構成したことを特徴とする請求項3記載のピッキングシステムにおける物品分別装置。
【請求項5】
前記良品スルー品の搬出先に、前記コンベヤの上流まで物品を戻す回収コンベヤを設けたことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載のピッキングシステムにおける物品分別装置。
【請求項6】
前記撮像手段で撮像した画像に基づいて物品の重心位置を算出し、前記ピッキング対象としない物品が前記コンベヤの搬送終端へ至る時期に、前記物品の重心位置に対応して幅方向に並ぶいずれかの分岐体を作動して、前記良品スルー品と不良品とを異なる搬出先へ向けて振り分け搬出するよう構成したことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のピッキングシステムにおける物品分別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤで搬送されてくる物品をロボットでピッキングして移載する装置において、ロボットで移載処理できなかった物品をコンベヤの下流で回収して処理する物品分別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンベヤにより搬送されてくる物品をカメラで撮影して得た物品の位置および向きに関する情報と、コンベヤで搬送される物品の移動量とに基づいてロボットを制御して、物品を移載処理するピッキングシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示のピッキングシステムでは、コンベヤに載置されて搬送される物品をロボットで把持して後工程の所定位置まで運ぶようにした装置構成を採用している。そして、コンベヤの終端付近に設けた回帰コンベヤによって、ロボットで把持を失敗した物品が上流側へ戻されるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-292276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造機から搬送されてきた物品を包装機へ送り込んで包装する自動化ラインなどにおいて、ランダムな間隔で搬送されてくる物品を、包装機の上流側に設けたロボットによってピッキングして、包装機に向けた物品の供給コンベヤへ移載するようにした装置が採用される。例えば、物品がせんべいなどの米菓においては、物品製造時に変形やサイズのばらつき、割れ、欠けなどが生じ易く、そのような規格外となる不良品が、規格内の良品と混在して上流から搬送されてくる。そのような良品と不良品との混在物品がロボットでピッキングするコンベヤまで流入してしまい、不良品が包装機まで流入して、良品の包装商品と区別されずに送り出されないようにする対策を施すことが望ましい。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の移載処理装置では、把持に失敗した物品を上流側へ戻すようにしているものの、ロボットで移載処理するコンベヤまで不良物品が流入した際に、その送り込まれた不良物品をピッキング対象にしない構成まで検討されているようなものではない。
【0006】
本発明は、上流から搬送されてきた物品が、良品と不良品とで識別されて、ロボットでピッキング処理できなかった良品と、不良品として識別された夫々の物品が、コンベヤの搬送終端まで搬送されてきた際に、良品と不良品とを区分けしてコンベヤから搬出するピッキングシステムにおける物品分別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明のピッキングシステムにおける物品分別装置は、
コンベヤ(12)に載置されて搬送される物品(11)を、ロボット(13)でピッキングするピッキングシステムにおいて、
前記コンベヤ(12)で搬送される物品(11)を撮像手段(29)で撮像して得た画像情報に基づいて、前記ロボット(13)によるピッキング対象とする良品として識別する物品(11)と、ロボット(13)によるピッキングを行うことなく、ロボット(13)のピッキング領域を通り越すまでスルーしてコンベヤ(12)の搬送終端から搬出させる、ピッキング対象としない物品(11)として良品スルー品と不良品との何れかに識別し、
前記ロボット(13)でピッキングされることなく前記コンベヤ(12)の搬送終端まで至った物品(11)を、前記良品スルー品と不良品とで異なる搬出先(31,36)へ向けて振り分け搬出する分岐体(32)を、前記コンベヤ(12)の幅方向に隣り合うよう並べて配設したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、ロボットでピッキングしなかった良品スルー品となる物品と、不良品と識別されてピッキングしなかった物品とを、コンベヤの搬送終端まで搬送して、分岐体によって夫々異なる搬出先へ振り分けるよう構成したので、不良品を除いた物品を後工程に向けて搬出することができる。また、人手で不良品を回収したり、他の検査装置で不良品を検査して排除したりするなどの必要がなく、生産性の高い装置を得ることができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記コンベヤ(12)は、幅方向に複数の物品(11)を載置して搬送可能なベルトコンベヤで構成し、前記分岐体(32)は、ベルトコンベヤの幅方向に隣り合うよう並べたことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、物品がコンベヤの幅方向へランダムに載置されている場合においても、ベルトコンベヤの幅方向に並ぶ分岐体の何れかを切り替え作動することで、ピッキングできなかった良品スルー品と、不良品とを、コンベヤの搬送終端から良好に振り分けて送り出すことができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記分岐体(32)は、上下作動する作動手段(33)により上下切り替え作動して、前記ロボット(13)でピッキングされることなく前記コンベヤ(12)の搬送終端まで至った物品(11)を、前記良品スルー品と不良品とで異なる搬出先(31,36)へ向けて振り分け搬出するよう構成したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、良品スルー品と不良品とを各分岐体を上下に切り替えて搬出先を振り分けるようにすることができる。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記分岐体(32)は、前記コンベヤ(12)の搬送終端まで至った前記良品スルー品を滑走させて搬出先(31)へ搬出可能に、常には搬送面を傾斜配置した斜面部(32a)を備え、前記不良品がコンベヤ(12)の搬送終端に至る時期に合わせて、前記作動手段(33)により斜面部(32a)を持ち上げ傾動して、前記コンベヤ(12)の搬送終端と分岐体(32)との間に空所を形成し、該空所から良品スルー品とは異なる搬出先(36)へ向けて前記不良品を落下搬出するよう構成したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、コンベヤの搬送終端から搬出される不良品を、そのまま落下させて排除し、例えば、下方に不良品収容箱などを設置して不良品を回収処理するなどの取り扱いをすることができる。
【0011】
請求項5に係る発明では、前記良品スルー品の搬出先(31)に、前記コンベヤ(12)の上流まで物品(11)を戻す回収コンベヤ(38)を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、コンベヤの搬送終端から搬出される良品スルー品を、回収コンベヤで上流に戻して再搬送することで、効率的な搬送処理を行うことができる。
【0012】
請求項6に係る発明では、前記撮像手段(29)で撮像した画像に基づいて物品(11)の重心位置を算出し、前記ピッキング対象としない物品(11)が前記コンベヤ(12)の搬送終端へ至る時期に、前記物品(11)の重心位置に対応して幅方向に並ぶいずれかの分岐体(32)を作動して、前記良品スルー品と不良品とを異なる搬出先(31,36)へ向けて振り分け搬出するよう構成したことを特徴とする。
請求項6の発明によれば、搬送されてきた物品の重心位置に応じて、コンベヤの幅方向に並んだ対応する分岐体を良品スルー品と不良品とで異なる搬出先へ送り出すよう作動制御するので、良品スルー品と不良品とを良好に区別して送り出すことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロボットでピッキングされずにコンベヤから搬出される良品と不良品とを区分して振り分けできるので、不良品を排除した残りの物品を良品としてコンベヤへ戻すなどにより、ピッキングシステムのピッキング対象として取り扱うことができる。良品と識別された物品のみがロボットで後工程に移載処理されて、不良品の混入を防止することができる。これにより、前工程や後工程などに別途検査装置を設けて不良品を排除する必要がないので、装置コストを低減できる。このようにして生産性を高めたピッキングシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ピッキングシステムを備えた物品搬送処理装置を示す概略平面図である。
図2】物品搬送処理装置を示す概略側面図である。
図3】物品搬送処理装置をピッキングコンベヤの物品搬送方向下流側から見た概略図である。
図4】物品分別装置を示す要部概略側面図である。
図5】ピッキングシステムの制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係るピッキングシステムにおける物品分別装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0016】
図1図2は、ピッキングシステムを備えた物品搬送処理装置を示すものであって、ピッキングシステム10は、製造機などの前工程から搬送されてきた米菓などの物品11を搬送するピッキングコンベヤ(コンベヤ)12と、該ピッキングコンベヤ12へランダムに載置された物品11をピッキングするロボット13と、該ロボット13によるピッキング対象としない物品11を、良品と不良品とに区別する物品分別装置と、を備える。物品搬送処理装置は、製造機から搬送されてきた物品11を、振動ホッパ14、導入コンベヤ15、第1振動フィーダ16、接続コンベヤ17、振分けコンベヤ18、第2振動フィーダ19からなる送込み手段41を介してピッキングコンベヤ12に、その幅方向に複数列(実施例では4列)にして送り込むよう構成される。すなわち、製造機から搬送されてきた物品11を受け入れて一時的に貯留する振動ホッパ(貯留ホッパ)14は、2つに分割された送り出し部14a,14aを備え、各送り出し部14aから送り出される物品11は、対応する導入コンベヤ15によって、ピッキングシステム10の上流側に配置したボウル型の第1振動フィーダ16に夫々送り込まれる。各第1振動フィーダ16に送り込まれた物品11が1列で送り出される接続コンベヤ17の搬送終端に振分けコンベヤ18が夫々接続されると共に、該振分けコンベヤ18の搬送終端に、第2振動フィーダ19の2列の直線トラフ19a,19aが接続されており、接続コンベヤ17から振分けコンベヤ18に1列で送り出される物品11を、振分けコンベヤ18によって2列の直線トラフ19a,19aに振り分ける。そして、2基の第2振動フィーダ19の直線トラフ19a,19aで送られる物品11は、その終端に接続するピッキングコンベヤ12に幅方向に離間する4列で、前後間隔がランダムな間隔となって送り込まれるように構成される。
【0017】
図1に示す如く、前記導入コンベヤ15は、前記ピッキングコンベヤ12の一側方に平行に配置されており、ピッキングコンベヤ12の物品搬送方向と逆方向に物品11を搬送するように配置されて、前記振動ホッパ14がピッキングコンベヤ12の搬送終端側に対応して配設されている。そして、ロボット13でピッキング対象とされずにピッキングコンベヤ12の搬送終端から送り出される良品として扱う物品11が、後述する良品回収手段31によって振動ホッパ14まで戻されるよう構成される。また、物品搬送処理装置は、前記ロボット13による物品11の移載先としての搬送コンベヤ20を、ピッキングコンベヤ12の他側方に平行に並ぶように備え、ピッキングコンベヤ12から前記ロボット13でピッキングした物品11を、搬送コンベヤ20に1列となるように移載するよう構成される。搬送コンベヤ20は、ピッキングコンベヤ12の物品搬送方向とは逆方向(異なる方向)に物品11を載置して搬送するよう設定され、該搬送コンベヤ20の搬送終端が、横形製袋充填機(包装機)21における供給コンベヤ22の上流端に接続され、ロボット13により搬送コンベヤ20へ所定間隔毎に載置された物品11は、搬送コンベヤ20から前記供給コンベヤ22へ移送される。該供給コンベヤ22へ送り込まれた物品11は、包装機21において原反ロールから引き出されて筒状成形されたフィルム内へ、該包装機21の包装タイミングに合わせて所定間隔毎に送り込まれる。そして、筒状フィルムに縦シールが施されると共に、筒状フィルム内に所定間隔毎に送り込まれた物品11を挟む前後位置において、筒状フィルムの送り方向と交差する方向に横シール、切断が施されることで、ピロー包装された包装品が得られる。
【0018】
前記ピッキングコンベヤ12は、搬送体としての一つの幅広で幅方向に複数の物品11を載置して搬送可能な無端ベルト12aを循環走行することで、該無端ベルト12aに載置された全ての物品11を下流側に向けて搬送するベルトコンベヤが採用される。ピッキングコンベヤ12の駆動系には、搬送位置出力手段としてのエンコーダ23(図5参照)が配設されており、該エンコーダ23から発信されるパルス信号がシステム制御部24に入力される。図2図3に示す如く、前記ロボット13として、複数基のパラレルリンクロボットが設置され、各ロボット13におけるアーム25の端部に設けたハンドリング部27には、物品11を吸着する吸着部材26aと、該吸着部材26aを挟む両側に配設され、吸着部材26aにより吸着された物品11の側方を軽接触で挟む一対のチャック26b,26bと、からなる把持手段26を有する。実施例のピッキングシステム10は、ピッキングコンベヤ12の搬送方向に所定間隔離間して2基ずつのロボット13を備えた、ピッキング装置としてのピッキングモジュール28が、ピッキングコンベヤ12の物品搬送方向に所定間隔毎に3台配設され、計6基のロボット13がピッキングコンベヤ12から物品11を分担してピッキングすると共に、該物品11を前記搬送コンベヤ20に移載するピッキング処理を行うよう構成される。
【0019】
図1図2に示す如く、ピッキングコンベヤ12の物品搬送方向に並んで配設された各ピッキングモジュール28には、最上流に位置するロボット13の可動範囲より上流側の位置に、前記ピッキングコンベヤ12に載置されて搬送される物品11を所定間隔毎に撮像するCCDカメラなどの撮像手段29が配設される。撮像手段29は、ピッキングコンベヤ12に付設されたエンコーダ23によるパルス入力によって、ピッキングコンベヤ12が所定量走行する毎に撮像されるよう設定される。図5に示す如く、各ピッキングモジュール28において撮像手段29により撮像して得た画像情報は、夫々のロボット制御部C(CA,CB,CC)に信号入力されて画像処理され、各ロボット制御部C(CA,CB,CC)の識別部42(42A,42B,42C)において、物品11ごとのピッキングコンベヤ12上における載置位置(物品搬送方向および幅方向の夫々の位置)や載置向きが認識されると共に、ロボット13によるピッキング対象とする物品(良品)11と、ロボット13によるピッキングを行うことなく、ロボット13のピッキング領域を通り越すまでスルーしてピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出させる、ロボット13によるピッキング対象としない物品11の内で良品の可能性がある良品スルー品または不良品の何れにするのかが識別される。そして、ロボット制御部C(CA,CB,CC)は、識別部42(42A,42B,42C)により良品として識別されてピッキング対象とした物品11について、ロボット13の把持手段26によりピッキングし、走行中の搬送コンベヤ20に対して、下流側に接続される包装機21の包装タイミングに合わせた物品載置間隔となるように、該搬送コンベヤ20の搬送速度に同調する速度で把持手段26を搬送コンベヤ20の搬送方向に向けて移動しつつ載置するようにした、トラッキング制御が行われる。なお、3台のピッキングモジュール28について、以下説明において区別する際には、ピッキングコンベヤ12による物品搬送方向の上流側から順に、第1のピッキングモジュール28A、第2のピッキングモジュール28B、第3のピッキングモジュール28Cと指称すると共に、図5に示す各ピッキングモジュール28A,28B,28Cを構成する構成物についても同様に、ロボット制御部C、撮像手段29、識別部42については、第1のロボット制御部CA,第2のロボット制御部CB,第3のロボット制御部CC,第1の撮像手段29A,第2の撮像手段29B,第3の撮像手段29C,第1の識別部42A,第2の識別部42B,第3の識別部42Cと指称する。また、各ピッキングモジュール28は2基のロボット13を備えていることから、第1のピッキングモジュール28Aのロボット13については、第1のロボット13A,第2のロボット13Aと指称し、第2のピッキングモジュール28Bのロボット13については、第3のロボット13B,第4のロボット13Bと指称し、第3のピッキングモジュール28Cのロボット13については、第5のロボット13C,第6のロボット13Cと指称する。
【0020】
前記ピッキングモジュール28では、前記ピッキングコンベヤ12で搬送される物品11の内で良品と識別した物品11を、ロボット13が分担してピッキングするよう動作制御されると共に、ピッキングコンベヤ12の上流から下流にかけて順次配設された3台のピッキングモジュール28でピッキング処理を分担するよう、各ロボット13のピッキング動作が制御される。実施例では、前記ピッキングコンベヤ12における搬送上流側から搬送下流側にかけて順次第1~第3のピッキングモジュール28A,28B,28Cが設置されており、ピッキングコンベヤ12に載置された物品11が、最初に到来する第1のピッキングモジュール28Aまで至って、第1の撮像手段29Aにより撮像されて良品として識別された物品11の内、ピッキングコンベヤ12の載置幅を2分して、移載先である搬送コンベヤ20から見て離れた側となる、奥側半分のピッキング領域に載置された物品11を、第1のピッキングモジュール28Aに設けた第1、第2のロボット13A,13Aによりピッキングするよう、ロボット13が動作制御され、続けて、第2のピッキングモジュール28Bの設置場所まで物品11が搬送されて、第2の撮像手段29Bにより撮像されて良品として識別された物品11の内、前記ピッキングコンベヤ12の載置幅を2分した、前記搬送コンベヤ20寄りとなる手前側半分のピッキング領域に載置された物品11が、第2のピッキングモジュール28Bに設けた第3、第4のロボット13B,13Bによりピッキング処理される。引き続き、ピッキングコンベヤ12に載置された残りの物品11が、第3のピッキングモジュール28Cの設置場所まで搬送され、第3の撮像手段29Cにより撮像されて良品として識別されたすべての物品11は、ピッキング領域が制限されることなく、第3のピッキングモジュール28Cにおける第5、第6のロボット13C,13Cによりピッキング処理される。このようにして、第3のピッキングモジュール28Cでは、第1のピッキングモジュール28Aおよび第の2ピッキングモジュール28Bにおける第1~第4までの各ロボット13A,13A,13B,13Bによりピッキング処理できなかった残りの物品11で、第3のピッキングモジュール28Cの第3の撮像手段29Cにより撮像されて良品として識別された物品11が、第5、第6のロボット13C,13Cによりピッキング処理される。この第3のピッキングモジュール28Cにおいては、良品として識別された物品11は、例えば、ピッキングコンベヤ12の幅方向に離間して載置された物品11の幅方向への並び順(搬送コンベヤ側から導入コンベヤ側またはその逆)や、搬送方向の位置順(ピッキング領域への到着順)などの予め移載順が設定された順、あるいはロボット13による物品11のピッキング動作が最も速く行える順、などにより上流側と下流側のロボット13C,13Cを動作制御させることができる。
【0021】
また、各ピッキングモジュール28では、撮像手段29で撮像して識別された良品の個数や載置位置並びに向きなどに基づいて、ピッキングモジュール28毎に、夫々2基ずつ設けたロボット13,13によるピッキングの分担処理が行われるように各ロボット13の動作制御が行われる。そして、ピッキングコンベヤ12に載置されて上流から下流に向けて搬送される物品11は、第1~第3のピッキングモジュール28A,28B,28Cの上流に設けた第1~第3の撮像手段29A,29B,29Cにより所定時間毎に撮像されて、物品11のピッキングコンベヤ12への載置位置(物品搬送方向および幅方向の夫々の位置)や載置向きが認識されると共に、前記良品、良品スルー品または不良品の内の何れにするのかが識別される。このようにして、ピッキングコンベヤ12に4列で載置されて下流側へ搬送される物品11は、搬送過程において何らかの変化(幅方向の位置、向きなど)が生じた場合でも、所定間隔毎に設けた撮像手段29により、その経時的変化状況を複数回得て識別することができる。
【0022】
前記撮像手段29で撮像した物品11が、前記ピッキング対象としない良品スルー品または不良品の何れかであると識別されて、ロボット13によるピッキングがなされずに、前記第3のピッキングモジュール28C(最下流のロボット13)のピッキング領域外まで至ることで、前記ピッキングコンベヤ12の搬送下流から搬出される。物品分別装置は、ピッキングコンベヤ12の搬送終端に振分け手段30を備える。振分け手段30は、ピッキングコンベヤ12から搬出された物品11を前記良品スルー品と不良品とで異なる搬出先(第1の搬出先と第2の搬出先)に振り分ける。振分け手段30によって良品スルー品として搬出した物品11を、前記振動ホッパ14に戻す後工程としての良品回収手段31を備える。ピッキングコンベヤ12には無端ベルト12aに物品11が4列となって載置されるように送り込まれ、振分け手段30は、図1図3に示す如く、その物品11の載置位置に対応し、無端ベルト12aの幅方向に隣り合うように並ぶ4つの分岐体32を備える。各分岐体32は、一端部がピッキングコンベヤ12の搬送終端側に臨むシューターとなる斜面部(搬送面)32aを備え、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出される物品11を受け入れて、前記分岐体32を良品搬出位置(図4の実線位置)に位置付けて、物品11を斜面部32aを滑走させて良品回収手段31へ搬出する。各分岐体32は、エアシリンダなどの上下作動する作動シリンダ(作動手段)33によって斜面部32aを傾動するよう支持され、前記分岐体32の斜面部32aにおいて、ピッキングコンベヤ12の搬送終端に臨む一端を上昇した際に、ピッキングコンベヤ12の搬送終端より下流に空所を形成し、搬送終端から搬出される物品11を、空所から下方の不良品回収部36へ落下させる不良品排除位置(図4の二点鎖線位置)に位置付くよう、上下切り替え作動可能に構成されている。なお、分岐体32は、常には良品搬出位置に位置付けられて、不良品がピッキングコンベヤ12の搬送終端に至る時期に合わせて作動シリンダ33によって不良品排除位置に切り替え作動される。
【0023】
図4に示す如く、前記4つの分岐体32の他端となる搬出端部には、前記良品搬出位置に位置付いた斜面部32aから滑ってくる物品11を受け入れて、第1の搬出先としての良品回収手段31に物品11を案内する良品案内部材34が配設される。また、4つの分岐体32の下方に、前記空所から下方へ落下した物品11を、第2の搬出先としての不良品回収部36に案内するシュートにより構成した不良品案内部材35が配設される。すなわち、前記振分け手段30は、分岐体32を、良品搬出位置と不良品排除位置とに切り替えることで、良品スルー品と識別した物品11を良品回収手段31に振り分けると共に、不良品と識別した物品11を不良品回収部36に振り分け可能に構成される。なお、各分岐体32の下方に、前記空所から落下した物品11が前記不良品案内部材35に達するよう案内する規制部材37が設けられている。
【0024】
図1図3に示す如く、前記良品回収手段31は、前記良品スルー品と識別された物品11を回収する回収コンベヤ(良品戻し手段)38と、該回収コンベヤ38の搬送終端と前記振動ホッパ14との間に架設した回収シュート39とを備え、前記良品スルー品と識別された物品11は、該回収シュート39を経て前記振動ホッパ14まで戻されるよう構成されている。回収コンベヤ38は、循環走行する無端ベルト等の搬送体38aに、横桟38bが、搬送体38aの走行方向に所定間隔毎に設けられ、搬送体38aの搬送面が下方から上方に向けて傾斜配置されている。そして、分岐体32上を滑落した物品11は、前記良品案内部材34を介して回収コンベヤ38の下方の受け取り部へ送り込まれて各横桟38bにより回収シュート39まで運び上げられる。
【0025】
図5に示す如く、前記ピッキングシステム10において、システム制御部24に、前記エンコーダ23から発信されるパルス信号が入力されると共に、前記分岐体32の夫々を切り替え作動する4基の作動シリンダ33(図5では1基のみ図示)が夫々電気的に接続されて動作制御信号が出力される。また、システム制御部24に、タッチパネルからなる入力・表示手段40が電気的に接続される。該入力・表示手段40によって、各種作動機構の運転動作パラメータのデータの設定等を入力設定したり、設定データを表示したり、運転状況を表示することができる。また、ピッキングモジュール28(28A,28B,28C)の夫々に設けたロボット制御部C(CA,CB,CC)が、データ入出力可能に夫々接続される。各ロボット制御部C(CA,CB,CC)には、夫々、撮像手段29(29A,29B,29C)と2基のロボット13,13(13A,13A,13B,13B,13C,13C)とが、電気的に接続され、撮像手段29(29A,29B,29C)による撮像データから得た画像情報に応じて、各ロボット13,13(13A,13A,13B,13B,13C,13C)に動作制御信号を出力する。各ロボット制御部C(CA,CB,CC)は、前記エンコーダ23からのパルス信号と前記撮像データから得られた画像検出データとにより、各ロボット制御部C(CA,CB,CC)の識別部42(42A,42B,42C)が、ピッキングコンベヤ12で搬送される物品位置との関係で、各物品11が、良品、良品スルー品、不良品とのいずれに該当するかを識別する。
【0026】
前記識別部42(42A,42B,42C)は、前記撮像手段29(29A,29B,29C)により撮像して得た画像情報と、良品として予め記憶された物品11の基準画像情報とを比較し、物品11ごとに、割れ、欠け、規格サイズ外、変形が生じていると識別される物品11となる「不良品」と、物品同士の重なりや、隣接する物品間がロボット13で把持できない程度に近寄り過ぎている、間隔不良の物品11であると識別される「良品スルー品」と、前記以外の規格内となっている物品11として識別される「良品」と、の3区分の内の何れかの物品11に該当するかを識別して、各ロボット制御部C(CA,CB,CC)は、対応するロボット13,13(13A,13A,13B,13B,13C,13C)を動作制御して、良品と識別した物品11のみをピッキング対象とする。また、前記不良品と前記良品スルー品との何れかに識別された物品11は、ピッキング対象とせずに、ロボットのピッキング領域を通り越すまでスルーして、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出させる。また、各ロボット制御部C(CA,CB,CC)の識別部42(42A,42B,42C)において良品、良品スルー品および不良品との3つに区分した物品11を、各区分で個数カウントして得た物品個数を、秒単位、分単位などの任意の設定値による所定時間当たりの物品数を各ピッキングモジュール28(28A,28B,28C)単位での生産情報として記憶部に記憶するよう構成される。そして、その生産情報を、前記表示手段40に、表示し得るよう構成される。なお、良品と識別した物品11、良品スルー品と識別した物品11および不良品と識別した物品11の夫々について、単に良品、良品スルー品、不良品と指称する場合がある。
【0027】
前記各ロボット制御部C(CA,CB,CC)は、前記ピッキングコンベヤ12における最下流に設置した第3のピッキングモジュール28Cの第3の撮像手段29Cで撮像して得た画像情報と、基準画像情報との比較で良品スルー品および不良品と識別した物品11について、画像が表わす平面形状の重心位置を算出し、この重心位置を物品11の載置位置として特定する。そして、ロボット制御部C(CA,CB,CC)から物品11の載置位置の位置情報が入力された前記システム制御部24は、不良品と識別した物品11が前記エンコーダ23からのパルス信号によってピッキングコンベヤ12の搬送終端に至ったと判断した際に、該物品11の重心位置に対応する位置の前記分岐体32を、作動シリンダ33によって不良品排除位置に切り替え作動するよう構成される。実施例では、ロボット制御部Cが、撮像手段29で撮像した画像に基づいて物品11の重心位置を算出する重心算出部を含む。なお、不良品と識別した物品11の重心位置が、隣り合う分岐体32,32の間の規定範囲内に位置する場合は、システム制御部24は、該当する両方の分岐体32,32を不良品排除位置に切り替え作動するよう作動シリンダ33,33を動作制御する。不良品排除位置に切り替える分岐体32を選択する際に、不良品の重心位置を載置位置として選択するのに限らず、算出した重心位置に対し、物品11の外形形状の違いなどに応じて試験などにより得られた補正値で補正した位置を載置位置として、不良品排除位置に切り替える分岐体32を選択する構成を採用することができる。
【0028】
次に、実施例に係る物品分別装置の作用について説明する。
前記製造機から搬送されてきた物品11は、図1に示す如く、前記送込み手段41によって前記ピッキングコンベヤ12に、幅方向に4列に分けて送り込まれる。ピッキングコンベヤ12に送り込まれた物品11は、前記良品、不良品、良品スルー品が混在している。
【0029】
ピッキングコンベヤ12で搬送される物品11は、前記第1のピッキングモジュール28Aの第1の撮像手段29Aで所定間隔毎に撮像され、撮像される都度、その画像情報に基づいて前記第1のロボット制御部CAの第1の識別部42Aによって物品11ごとに、良品、良品スルー品および不良品の何れであるかを識別すると共に、それら3区分に識別した夫々の物品11の重心との関係でピッキングコンベヤ12への載置位置を特定し、また、良品と識別した物品11についての載置向き(ピッキングコンベヤ12への載置平面上における傾き)を特定する。また、第1のロボット制御部CAは、第1の識別部42Aで識別した前記3区分の物品11の区分毎に、物品個数をカウントして記憶部に記憶する。そして、第1のロボット制御部CAは、前記第1、第2のロボット13A,13Aをトラッキング制御して、第1のピッキングモジュール28Aに設定されたピッキング領域を搬送される物品11の内の良品をピッキングコンベヤ12からピッキングし、その物品11を走行中の前記搬送コンベヤ20の走行速度に同調して把持手段26を搬送方向に移動しながら移載する処理を行う。すなわち、第1、第2のロボット13A,13Aは、ピッキングコンベヤ12に載置されて搬送中の前記物品11の載置向きに対応して、前記把持手段26を所定の把持向きとして物品11を把持し、把持した物品11の向きが包装機21へ向けた所定の載置向きとなるよう、ハンドリング部27を回転制御すると共に、包装タイミングに合わせた所定の搬送間隔で、物品11が搬送コンベヤ20へ載置されるよう、搬送コンベヤ20への載置位置および載置向きが制御されて移載される動作を繰り返す。
【0030】
前記ピッキングコンベヤ12で搬送されて第1のピッキングモジュール28Aを通過し、前記第2のピッキングモジュール28B、第3のピッキングモジュール28Cに至った物品11について、各ピッキングモジュール28B,28Cの撮像手段29B,29Cで所定タイミング毎に撮像し、前記各ピッキングモジュール28B,28Cにおけるロボット制御部CB,CCの識別部42B,42Cは、前記同様の識別処理などを行って、ピッキングコンベヤ12に載置された物品11の内の良品として識別された物品11が、各ピッキングモジュール28B,28Cにおけるロボット13B,13B,13C,13Cによってピッキング処理される。本実施例におけるピッキングシステムの運転開始時には、物品11がピッキングコンベヤ12の搬送下流まで搬送されるまで、第1、第2のピッキングモジュール28A,28Bによるピッキング処理を停止し、最下流の第3のピッキングモジュール28Cにおけるピッキング領域まで物品11が搬送されて来ると、第5、第6のロボット13C,13Cによりピッキング処理を開始する。次いでその上流側の第2のピッキングモジュール28B、第1のピッキングモジュール28Aの各ロボット13B,13B,13A,13Aの順でピッキング処理が行われる。すなわち、ピッキングコンベヤ12とは逆向きに物品11を搬送するようにした搬送コンベヤ20には、該搬送コンベヤ20の搬送上流域に配置した、第3のピッキングモジュール28Cの第5、第6のロボット13C,13Cにより、ピッキングコンベヤ12の搬送下流域で搬送されている物品11をピッキングして、包装機21の包装タイミングに合わせた物品載置間隔で載置向きが一定になるようにして搬送コンベヤ20へ載置する。続けて、搬送コンベヤ20の搬送中流域に配置した、第2のピッキングモジュール28Bの第3、第4のロボット13B,13Bによりピッキングコンベヤ12の搬送中流域で搬送されている物品11を、前記搬送コンベヤ20において前記物品載置間隔で載置されていない所定位置に、載置向きが一定になるようにして搬送コンベヤ20へ載置する。次いで、搬送コンベヤ20の搬送下流域に設置された第1のピッキングモジュール28Aの第1、第2のロボット13A,13Aにより、ピッキングコンベヤ12の搬送上流域で搬送されている物品11をピッキングして、搬送コンベヤ20における前記物品載置間隔で載置されずに空きとなった搬送コンベヤ20の所定位置に載置向きが一定になるようにして載置するよう、前記トラッキング制御が行われる。このようにして、前記ピッキングコンベヤ12と搬送向きが異なる向きで搬送される搬送コンベヤ20に対して、包装機21の包装タイミングに合わせた物品載置間隔で、一定の載置向きにして載置した物品11は、搬送コンベヤ20の下流に設けた包装機21の供給コンベヤ22に向けて搬送される。
【0031】
最下流の第3のピッキングモジュール28Cにおける前記第3のロボット制御部24Cの第3の識別部42Cにおいて、良品スルー品および不良品と識別した物品11の重心位置を特定する。そして、ピッキングコンベヤ12の走行に伴って得られる前記エンコーダからのパルス信号と、第3の撮像手段29Cで撮像された撮像タイミングと、その画像情報とから、ピッキングコンベヤ12に載置された物品11の搬送位置を知ることができ、前記システム制御部24は、物品11がピッキングコンベヤ12の搬送終端に至った際に、該物品11が不良品と良品スルー品との場合において、該物品11について、コンベヤ幅方向の重心位置に対応した位置の前記分岐体32を、不良品排除位置または良品搬出位置との何れかに位置付けるよう、前記作動シリンダ33によって作動する。これにより、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出される不良品は、図4に示す如く、搬送終端と分岐体32との一端に形成された空所から下方へ落下し、前記不良品案内部材35を介して不良品回収部36に送られる。本実施例では、分岐体32を常には良品搬出位置に位置付けておき、前記不良品がピッキングコンベヤ12の搬送終端まで至ったタイミングで前記作動シリンダ33を作動して、分岐体32を不良品排除位置に位置付けるよう切り替え作動するようにしたので、良品と識別された物品11が、何らかの事情でロボット13によるピッキング処理がなされない場合においても、該物品11がピッキングコンベヤ12の搬送終端まで至った際には、前記良品搬出位置に位置付いている分岐体32により、良品スルー品と同様に良品回収手段31に振り分け搬出される。前記ピッキングコンベヤ12の下流域に設置された第3のピッキングモジュール28Cにおいて、前記第3のロボット制御部24Cで識別された良品スルー品または不良品として識別された各物品11は、前記システム制御部24を経て入力された前記エンコーダ23のパルス信号と、第3の撮像手段29Cで撮像された撮像タイミングと、その画像情報とから得られる物品11の重心位置との関係において、ピッキングコンベヤ12に載置された物品11の搬送位置と幅方向の載置位置とを知ることができ、ピッキングコンベヤ12の搬送終端までその物品11が至るタイミングにおいて、搬送されてきた物品11が、ピッキングコンベヤ12の幅方向に並ぶ分岐体32のうちで、いずれかの分岐体32の位置に相当するのかによって、分岐体32が良品スルー品または不良品との何れかに対応した不良品排除位置または良品搬出位置との何れかに位置付けられる。これにより、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出される不良品は、図4に示す如く、搬送終端と分岐体32の一端との空所から落下し、前記不良品案内部材35を介して不良品回収部36に送られる。
【0032】
また、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出される良品スルー品は、図4に示す如く、分岐体32上を滑って前記良品案内部材34を介して前記回収コンベヤ38に送られる。回収コンベヤ38の上方まで運び上げられた物品11は、前記回収シュート39を介して、前記製造機から搬送されてきた物品11の受け入れ先と同じ場所の前記振動ホッパ14に戻されて合流する。すなわち、良品スルー品と識別された物品11は、前記の如く、製造機から搬送されてきた物品11と共にピッキングコンベヤ12に送り込まれ、改めてピッキング対象となる物品11として処理される。
【0033】
実施例の物品分別装置では、前記第3のピッキングモジュール28Cの第3の撮像手段29Cで撮像して識別された3区分の物品11の内で、第5、第6のロボット13C,13Cでピッキングされずに前記ピッキングコンベヤ12の搬送終端に至った物品11の、ピッキングコンベヤ12での幅方向の載置位置に応じて選択した分岐体32を、前記良品搬出位置または不良品排除位置の何れかに位置付けて物品11を搬出するようにしたので、ピッキングコンベヤ12の幅方向、搬送方向のいずれにもランダムに載置されて搬送される物品11を、個々に適正な搬出先31,36へ案内することができる。また、不良品として識別した物品11は、振分け手段30によって系外に排除し得るので、下流の処理装置に送り込まれる不良品の混入防止が図られる。更にまた、分岐体32は常には良品搬出位置に位置付けており、不良品として識別された物品11が、ピッキングコンベヤ12の搬送終端まで至った際に、分岐体32を不良品排除位置に位置付けるよう切り替え作動するようにしたので、仮に良品として識別された物品が、ロボットで13C,13Cでピッキング処理できずに、ピッキングコンベヤ12の搬送終端まで搬送されてしまったような事態が生じても、良品スルー品と同様にピッキングコンベヤ12の搬送上流まで戻されて、再度ピッキング対象として取り扱うことができ、良品として識別された物品11が誤って系外に排除されてしまい、物品11が無駄になってしまうことがない。このようにすることで、人手で不良品を選別したり、上流または下流に他の検査装置を設けて不良品を排除したりするなどの必要がなく、生産性の高い装置を得ることができる。更に、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出される物品11を、良品回収手段31によって振動ホッパ14を経て、ピッキングコンベヤ12の搬送上流まで自動で戻すよう構成したので、良品スルー品の回収処理を自動化して、省力化を図ることができる。特に、第3のピッキングモジュール28Cに設置したロボットピッキング用の第3の撮像手段29Cによって得た良品スルー品・不良品情報を用いて、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出される物品11を、振分け手段30の分岐体32によって適正な搬出先31,36へ振り分けるようにしたので、2区分の物品11の識別処理のために別途装置構成を用いる必要がない。
【0034】
前記ピッキングコンベヤ12として、幅広の無端ベルト12aで全ての物品11を搬送するベルトコンベヤを用いているので、該無端ベルト12aで搬送される物品11が搬送中に幅方向または搬送方向へ位置ずれし難く、搬送上流の撮像手段29で撮像して得た画像情報に基づいて不良品の載置位置を特定し、該載置位置に対応する前記分岐体32を不良品排除位置に切り替えることで、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出される不良品を良好に排除することができる。また、ピッキングコンベヤ12の搬送終端から搬出される良品スルー品や不良品の載置位置は、該良品スルー品や不良品の重心位置を得て特定するので、ピッキングコンベヤ12の幅方向に隣り合うように並んだ何れかの位置の分岐体32の内、物品11の重心位置に対応した所定の分岐体32のみを前記良品搬出位置または不良品排除位置の何れかに位置付けて、良品スルー品と不良品とを良好に振り分け案内することができる。
【0035】
前記振分け手段30の分岐体32を、上下方向の動作によって良品搬出位置と不良品排除位置とに切り替えるよう構成したので、例えば、予め前記良品搬出位置に位置付けられている分岐体32を傾動して不良品排除位置に位置付けることで、ピッキングコンベヤ12の搬送終端と分岐体32との間に空所が形成され、不良品として識別した物品11を、前記ピッキングコンベヤ12の搬送終端から下方へ落下して排除することができる。
【0036】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1)振分け手段30の分岐体32により、物品11を振り分ける構成は、良品スルー品、不良品とも、分岐体32上を滑らせて搬出する形態や、不良品に替えて、良品スルー品を空所から落下させる構成を採用することができる。また、分岐体32は、傾斜角度を変更して異なる搬出先に案内する形態や、上下回動に限らず、左右回動や、上下動と左右動を適宜組み合わせて前記異なる搬出先に案内するなどの各種案内方式を採用し得る。
(2)ピッキングコンベヤ12は、上流側から送り込まれる物品11の列数などに応じた少なくとも2つ以上の分岐体32を幅方向に横並びに配置可能な搬送ベルトにより構成すればよい。また、ピッキングコンベヤ12は、複数のベルトを多列で設けて、各ベルトに対して複数の分岐体32を幅方向に横並びで配置する構成を採用してもよい。
(3)分岐体は、板状の分岐体32に代えて、搬送ベルトやローラコンベヤなどを設けるなどして、物品特性に応じて選択することができる。
(4)分岐体32の振分け態様を切り替える手段は、シリンダに代えてモータなどの各種の作動手段を採用することができる。
【0037】
(5)実施例では、良品スルー品を回収してピッキングコンベヤ12の上流まで良品回収手段31により自動で戻すようにしているが、当該構成は必要に応じて採用すればよく、前記良品搬出位置に位置付けられた分岐体32で搬出された物品11を、人手により回収してピッキングコンベヤ12の上流に戻すなどしてもよい。
(6)ピッキングコンベヤ12で搬送される物品11を、良品、良品スルー品、不良品の何れであるかを識別する識別方法として、画像情報に基づいて物品11の面積を求め、該面積と基準面積との差によって識別する方法、その他公知の各種方法を採用することができる。
(7)実施例では、ピッキングコンベヤ12に、幅方向に離間した4列で物品11が送り込まれる場合で説明したが、ピッキングコンベヤ12に送り込まれる物品11の列数は、2列以上であればよい。また、物品11の性状などの搬送特性に応じて幅方向に適度にばらして、ピッキングコンベヤ12の幅方向にランダムな間隔で載置して搬送するものであってもよい。
(8)実施例では、ピッキングコンベヤ12の物品搬送方向に3台ピッキングモジュール28を配置したが、ピッキングモジュール28は、実施例に例示した3台に限らず、それ以外の複数台や1台のみであってもよい。また、各ピッキングモジュール28におけるロボット13の配置数は、実施例の2基ずつ設置する場合に限らず、数基ずつや1基のみを設置するようにしてもよい。
(9)実施例では、振分け手段30で振り分けた物品11を、良品案内部材34を介して良品回収手段31に送ると共に、不良品案内部材35および規制部材37を介して不良品回収部36に送るよう構成したが、振分け手段30で振り分けた物品11を、良品回収手段31や不良品回収部36に直接送る構成を採用することができる。
【符号の説明】
【0038】
11 物品,12 ピッキングコンベヤ(コンベヤ),13 ロボット,29 撮像手段
31 良品回収手段(搬出先),32 分岐体,32a 斜面部
33 作動シリンダ(作動手段),36 不良品回収部(搬出先),38 回収コンベヤ

図1
図2
図3
図4
図5