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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102145
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】分散型電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
H02J3/38 180
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216701
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢井 克典
(72)【発明者】
【氏名】彌永 憲保
(72)【発明者】
【氏名】田中 成司
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066HA10
5G066HA11
5G066HB06
5G066HB07
(57)【要約】
【課題】 系統電源が停電から復帰した場合であっても、発電装置の発電電力が外部電源に供給されることを防止することができる分散型電源システムを提供すること。
【解決手段】 分散型電源システム1は、発電装置10とBOS回路20とを備える。発電装置10は、発電機11と、発電電力を出力可能な系統出力ライン13及び自立出力ライン14と、発電電力の出力先を制御する制御部12とを有する。BOS回路20は、系統中継ライン25と、外部電源中継ライン26と、系統出力ライン13が系統中継ライン25に接続される状態と外部電源中継ライン26に接続される状態とを切り替える電源切替器281,282,283と、系統電源から系統中継ライン25に電力が供給されているときに外部電源中継ライン26の導通を遮断し系統電源から系統中継ライン25に電力が供給されていないときに外部電源中継ライン26の導通を許可するリレー29と、を有する
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機と、前記発電機により発電された発電電力を出力可能な系統出力ライン及び自立出力ラインと、系統電源の非停電時に前記発電電力が前記系統出力ラインに出力され系統電源の停電時に前記発電電力が前記自立出力ラインに出力されるように前記発電電力の出力先を制御する制御部と、を有する発電装置と、
系統電源と前記系統出力ラインとを接続する系統中継ラインと、外部電源と前記系統出力ラインとを接続する外部電源中継ラインと、前記系統出力ラインの接続状態を、前記系統中継ラインに接続している系統側接続状態と前記外部電源中継ラインに接続している外部電源側接続状態とに切り替えることができるように構成された電源切替装置と、前記系統電源から前記系統中継ラインに電力が供給されているときに前記外部電源中継ラインの導通を遮断し前記系統電源から前記系統中継ラインに電力が供給されていないときに前記外部電源中継ラインの導通を許可する遮断装置と、を有する停電時起動ユニット回路と、
を備える分散型電源システム。
【請求項2】
請求項1に記載の分散型電源システムであって、
前記停電時起動ユニット回路は、前記外部電源が前記外部電源中継ラインに接続されているときに前記発電装置に外部電源供給信号を入力するための信号中継ラインを備える、分散型電源システム。
【請求項3】
請求項1に記載の分散型電源システムであって、
前記停電時起動ユニット回路は、前記外部電源が前記外部電源中継ラインに接続されているときに前記発電装置に外部電源供給信号を入力するための信号中継ラインと、前記系統出力ラインの接続状態が前記系統側接続状態であるときに前記信号中継ラインの導通を遮断し前記外部電源側接続状態であるときに前記信号中継ラインの導通を許可する信号切替装置を有し、
前記制御部は、前記発電装置に前記外部電源供給信号が入力されているときには、前記系統電源の非停電時であっても前記発電電力が前記自立出力ラインに出力されるように前記発電電力の出力先を制御する、分散型電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系統電源の停電時にも発電可能な発電装置を有する分散型電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、商用電源等の系統電源に系統連系した発電装置を有する分散型電源システムとして、コージェネレーションシステムを開示する。特許文献1に開示のコージェネレーションシステムが有する発電装置は、系統電源から電力が供給されている非停電時に発電電力を系統電源側に出力する。系統電源側に出力された発電電力は、系統電源に接続されている家庭内の電力負荷等に供給され、或いは逆潮流して売電される。一方、系統電源から電力が供給されていない停電時には、発電装置は発電電力を系統電源側ではなく自立出力側に出力する。自立出力側の端部には自立コンセントが接続されており、この自立コンセントに家庭内の電力負荷を接続することにより、停電時においても家庭内の電力負荷に電力を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6445351号明細書
【発明の概要】
【0004】
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1に開示のコージェネレーションシステムによれば、系統電源の停電時に発電装置が発電している場合には、発電装置の発電を継続させることができる。しかしながら、系統電源の停電時に発電装置が発電停止している場合には、停電中に停止している発電装置を系統電源により起動することはできない。この場合、非常用電源等の外部電源を準備し、外部電源と発電装置とを接続して、外部電源により発電装置を起動させることができる。
【0005】
外部電源により発電装置を起動させる場合、系統電源と発電装置との間に設けられる切替装置を操作して、発電装置と系統電源とを切り離すとともに、発電装置と外部電源とを接続する。そして、外部電源から発電装置に電力を供給することにより、発電装置を起動させることができる。この場合、発電装置が発電して発電電力を系統電源側に出力すると、発電電力は発電装置に接続されている外部電源に供給されることになり、これにより外部電源が破損する虞がある。
【0006】
一般的には、外部電源を発電装置に接続すると、外部電源から外部電源供給信号が信号ラインを介して発電装置に入力される。外部電源供給信号が入力されている場合、起動した発電装置は外部電源が接続されていると判断して、発電電力を自立出力側に出力する。これにより、発電電力が外部電源に供給されることを防止することができる。しかしながら、信号ラインが断線している等の不具合の発生により外部電源供給信号が発電装置に入力されないような場合、発電装置は起動後に外部電源が接続されていないと判断して、自立出力側ではなく系統電源側に発電電力を供給する。このため発電電力が外部電源に供給されて、外部電源が破損する可能性がある。
【0007】
発電装置が系統電源の電圧と電流をセンサ等により監視している場合には、仮に起動時に外部電源供給信号が入力されていなくても、電圧・電流センサの検出情報に基づいて系統電源が停電しているか否かを判断することができる。そして、停電していると判断したときには、発電装置は、外部電源供給信号の入力の有無にかかわらず、自立出力側に発電電力を出力することができる。しかし、系統電源が停電から復帰した場合は、発電装置は発電電力の出力先を自立出力側から系統電源側に変更する。このとき例えば信号ラインの断線等により本来発電装置に入力されるべき外部電源供給信号が入力されておらず、さらに外部電源が発電装置に接続されている場合、発電電力が外部電源に供給されて外部電源が破損する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、系統電源が停電から復帰した場合であっても、発電装置の発電電力が外部電源に供給されることを防止することができる分散型電源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る分散型電源システムは、発電装置(10)と停電時起動ユニット回路(20)とを備える。発電装置は、発電機(11)と、発電機により発電された発電電力を出力可能な系統出力ライン(13)及び自立出力ライン(14)と、系統電源(100)の非停電時に発電電力が系統出力ラインに出力され系統電源の停電時に発電電力が自立出力ラインに出力されるように発電電力の出力先を制御する制御部(12)と、を有する。そして、停電時起動ユニット回路は、系統電源と系統出力ラインとを接続する系統中継ライン(25)と、外部電源と系統出力ラインとを接続する外部電源中継ライン(26)と、系統出力ラインの接続状態を、系統中継ラインに接続している系統側接続状態と外部電源中継ラインに接続している外部電源側接続状態とに切り替えることができるように構成された電源切替装置(281,282,283)と、系統電源から系統中継ラインに電力が供給されているときに外部電源中継ラインの導通を遮断し系統電源から系統中継ラインに電力が供給されていないときに外部電源中継ラインの導通を許可する遮断装置(29)と、を有する。
【0010】
本発明に係る分散型電源システムによれば、停電時に系統出力ラインの接続状態を外部電源側接続状態に設定することにより、外部電源から発電装置に電力を供給して、停電時に停止している発電装置を起動させることができる。また、発電装置の発電開始時に系統電源が停電しているときは、発電電力が自立出力ラインに出力される。その後、系統電源が停電から復帰した場合、つまり系統電源の非停電時に、発電電力が系統出力ラインに出力される。このとき系統出力ラインの接続状態が外部電源側接続状態であると、発電電力が停電時起動ユニット回路の外部電源中継ラインを流れて外部電源に供給される虞がある。しかしながら、本発明に係る停電時起動ユニット回路は遮断装置を有しており、この遮断装置は、系統電源から系統中継ラインに電力が供給されているとき、すなわち系統電源の非停電時には外部電源中継ラインの導通を遮断する。これにより、系統電源が停電から復帰したときに、外部電源中継ラインを介して発電電力が外部電源に供給されることを防止することができる。
【0011】
停電時起動ユニット回路は、外部電源が外部電源中継ラインに接続されているときに発電装置に外部電源供給信号を入力するための信号中継ライン(27)を備えると良い。これによれば、外部電源が外部電源中継ラインに接続されたときには、信号中継ラインを介して外部電源供給信号が発電装置に入力される。これにより発電装置は、外部電源が接続されていると判断することができる。
【0012】
また、停電時起動ユニット回路は、外部電源が外部電源中継ラインに接続されているときに発電装置に外部電源供給信号を入力するための信号中継ライン(27)と、系統出力ラインの接続状態が系統側接続状態であるときに信号中継ラインの導通を遮断し外部電源側接続状態であるときに信号中継ラインの導通を許可する信号切替装置(284)を有するのがよい。この場合、制御部は、発電装置に外部電源供給信号が入力されているときには、系統電源の非停電時であっても発電電力が自立出力ラインに出力されるように発電電力の出力先を制御するとよい。
【0013】
これによれば、信号中継ラインを通じて発電装置に外部電源供給信号が入力されることにより、発電装置は外部電源が接続されていると判断することができる。また、外部電源供給信号が入力されているときには、系統電源の非停電時であっても発電電力が自立出力ラインに出力されるため、自立出力ラインに電力負荷を接続することにより電力負荷に電力を供給することができる。その後、系統電源が停電から復帰した場合、発電電力の出力先が系統出力ラインに変更される。このとき系統出力ラインの接続状態が外部電源側接続状態であり、外部電源が外部電源中継ラインに接続されているが、信号中継ラインの断線等により発電装置に外部電源供給信号が入力されない場合であっても、発電電力は系統出力ラインに出力される。しかしながらこの場合には、上記したように外部電源中継ラインの導通が遮断装置により遮断されるため、発電電力が外部電源中継ラインを介して外部電源に供給されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態に係る分散型電源システムの概略図を示す。
図2図2は、図1に示す状態のBOS回路の結線図を示す。
図3図3は、停電時に切替開閉器の切替状態が第二切替状態に設定された状態の、分散型電源システムの概略図を示す。
図4図4は、図3に示す状態のBOS回路の結線図を示す。
図5図5は、停電時に外部電源により発電装置を起動した後に停電復帰した直後の状態の、分散型電源システムの概略図を示す。
図6図6は、図5に示す状態のBOS回路の結線図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る分散型電源システムの概略図(回路図)を示す。図1に示すように、本実施形態に係る分散型電源システム1は、発電装置10と、停電時起動ユニット回路(以下、BOS回路)20と、を備える。
【0016】
発電装置10は、発電機11と、制御部12と、系統出力ライン13と、自立出力ライン14と、外部信号ライン15とを有する。発電機11は、例えば、エンジンの駆動力を利用して発電を行うエンジン駆動式発電機でも良い。また、発電機11は、燃料電池を用いて発電する燃料電池発電機でも良い。さらに、発電機11は、太陽光発電機でも良いし、風力発電機でも良い。また、制御部12は、発電機11が発電した発電電力の制御、発電電力の出力先の制御、等を実行可能に構成される。
【0017】
系統出力ライン13及び自立出力ライン14は、その一端にて発電機11に接続されており、発電機11により発電された発電電力を出力することができるように構成される。また、外部信号ライン15は、第一外部信号ライン151及び第二外部信号ライン152を有する。これらの信号ラインは、その一端側にて制御部12に接続されており、後述する外部電源供給信号を制御部12に入力することができるように構成される。制御部12は、外部信号ライン15からの外部電源供給信号の入力の有無、後述する系統電流センサ51から取得する電流情報及び系統電圧センサ52から取得する電圧情報等に基づいて、発電電力の出力先が系統電源側であるか自立出力側であるかを決定する。制御部12は、発電電力の出力先を系統電源側であると決定した場合、発電電力が系統出力ライン13に出力されるように発電電力の出力先を制御し、発電電力の出力先を自立出力側であると決定した場合、発電電力が自立出力ライン14に出力されるように発電電力の出力先を制御する。
【0018】
系統出力ライン13は、一端側にて発電機11に接続されるとともに、他端側にてBOS回路20に接続される。また、自立出力ライン14は、一端側にて発電機11に接続されるとともに、他端側にて、例えば家屋内に設けられた自立コンセント40に接続される。自立出力ライン14に発電電力が出力されている場合、この自立コンセント40に電力負荷を電気接続することにより、電力負荷に発電電力が供給される。
【0019】
系統電源ライン100(系統電源)の配電方式は電圧ラインV、中性ラインN、電圧ラインUからなる単相三線式である。系統電源ライン100の電圧ラインVと中性ラインNとの間、及び、電圧ラインUと中性ラインNとの間には、AC100Vで駆動する電力負荷E1,E2を接続することができる。なお、エアコン等のAC200Vで駆動する電力負荷は、電圧ラインVと電圧ラインUとの間に接続することができる。また、系統出力ライン13の配電方式も、系統電源ライン100に対応した単相三線式であり、電圧ラインU、中性ラインN、電圧ラインVを有する。
【0020】
系統電源ライン100の電圧ラインU及び電圧ラインVにそれぞれ系統電流センサ51,51が介装される。この系統電流センサ51にて検知された電流情報が、発電装置10の制御部12に入力される。また、系統電源ライン100の電圧ラインUと中性ラインNとの間、及び電圧ラインVと中性ラインNとの間に、それぞれ系統電圧センサ52,52が設けられる。この系統電圧センサ52にて検知された電圧情報が、発電装置10の制御部12に入力される。
【0021】
BOS回路20は、系統側端子21と、発電側端子22と、信号用端子23と、入力コンセント24を備える。系統側端子21には系統電源ライン100が接続される。発電側端子22には、発電装置10の系統出力ライン13の他端側が接続される。信号用端子23には、発電装置10の外部信号ライン15の他端側が接続される。入力コンセント24には、AC100Vを出力する外部電源を接続することができる。
【0022】
系統側端子21及び発電側端子22は、それぞれ、R端子、N端子、S端子を有する。系統側端子21のR端子は系統電源ライン100の電圧ラインUに接続され、N端子は系統電源ライン100の中性ラインNに接続され、S端子は系統電源ライン100の電圧ラインVに接続される。一方、発電側端子22のR端子は系統出力ライン13の電圧ラインUに接続され、N端子は系統出力ライン13の中性ラインNに接続され、S端子は系統出力ライン13の電圧ラインVに接続される。また、信号用端子23は、R端子及びS端子を有する。信号用端子23のR端子には第一外部信号ライン151の他端が接続され、信号用端子23のS端子には第二外部信号ライン152の他端が接続される。
【0023】
また、BOS回路20は、系統中継ライン25と、外部電源中継ライン26と、信号中継ライン27と、切替開閉器28と、遮断装置としてのリレー29と、トランス30とを備える。
【0024】
系統中継ライン25は、系統側端子21に接続された系統電源ライン100と、発電側端子22に接続された系統出力ライン13とを接続する。系統中継ライン25は、第一系統中継ライン251と、第二系統中継ライン252と、第三系統中継ライン253とを有する。第一系統中継ライン251は、系統側端子21のR端子と発電側端子22のR端子とを接続する。従って、第一系統中継ライン251により、系統電源ライン100の電圧ラインUと系統出力ライン13の電圧ラインUが接続される。第二系統中継ライン252は、系統側端子21のN端子と発電側端子22のN端子とを接続する。従って、第二系統中継ライン252により、系統電源ライン100の中性ラインNと系統出力ライン13の中性ラインNが接続される。第三系統中継ライン253は、系統側端子21のS端子と発電側端子22のS端子とを接続する。従って、第三系統中継ライン253により、系統電源ライン100の電圧ラインVと系統出力ライン13の電圧ラインVが接続される。なお、この系統中継ライン25には、後述するように切替開閉器28が介装される。よって、系統電源ライン100と系統出力ライン13は、系統中継ライン25及び切替開閉器28を介して接続されることになる。
【0025】
図2は、図1に示すBOS回路20の結線図を示す。図2に示すように、系統中継ライン25の第一系統中継ライン251は、第一電源側中継ライン251a及び第一発電側中継ライン251bを有し、第二系統中継ライン252は、第二電源側中継ライン252a及び第二発電側中継ライン252bを有し、第三系統中継ライン253は、第三電源側中継ライン253a及び第三発電側中継ライン253bを有する。
【0026】
また、切替開閉器28は、第一電源切替器281、第二電源切替器282、第三電源切替器283、及び、信号切替器284を備える。第一電源切替器281、第二電源切替器282、第三電源切替器283は、双投式のスイッチであり、一つの可動接点cと二つの固定接点a,bを有する。信号切替器284は、単投式のスイッチであり、一つの可動接点と一つの固定接点を有する。第一電源切替器281、第二電源切替器282、第三電源切替器283が、本発明の電源切替装置に相当し、信号切替器284が、本発明の信号切替装置に相当する。
【0027】
第一電源切替器281の一方の固定接点aに、第一電源側中継ライン251aが接続され、第一電源切替器281の可動接点cに、第一発電側中継ライン251bが接続される。従って、第一電源切替器281の固定接点aと可動接点cが接続されることにより、第一系統中継ライン251が導通する。
【0028】
第二電源切替器282の一方の固定接点aに、第二電源側中継ライン252aが接続され、第二電源切替器282の可動接点cに、第二発電側中継ライン252bが接続される。従って、第二電源切替器282の固定接点aと可動接点cが接続されることにより、第二系統中継ライン252が導通する。
【0029】
第三電源切替器283の一方の固定接点aに、第三電源側中継ライン253aが接続され、第三電源切替器283の可動接点cに、第三発電側中継ライン253bが接続される。従って、第三電源切替器283の固定接点aと可動接点cが接続されることにより、第三系統中継ライン253が導通する。
【0030】
外部電源中継ライン26は、入力コンセント24に接続された外部電源と、発電側端子22に接続された系統出力ライン13とを接続する。外部電源中継ライン26は、第一外部電源中継ライン261、第二外部電源中継ライン262、第一外部電源昇圧ライン263、及び第二外部電源昇圧ライン264を有する。第一外部電源中継ライン261の一端は、入力コンセント24の電圧側に接続され、第二外部電源中継ライン262の一端は、入力コンセント24の接地側に接続される。また、第一外部電源中継ライン261の他端はトランス30の一次側巻線の一方端に接続され、第二外部電源中継ライン262の他端はトランス30の一次側巻線の他方端に接続される。
【0031】
トランス30の二次側巻線の一方端には、第一外部電源昇圧ライン263の一端が接続され、トランス30の二次側巻線の他方端には、第二外部電源昇圧ライン264の一端が接続される。そして、第一外部電源昇圧ライン263の他端は、切替開閉器28の第一電源切替器281の固定接点bに接続され、第二外部電源昇圧ライン264の他端は、切替開閉器28の第三電源切替器283の固定接点bに接続される。従って、第一電源切替器281の固定接点bと可動接点cが接続されることにより、第一外部電源昇圧ライン263が第一発電側中継ライン251bに接続される。また、第三電源切替器283の固定接点bと可動接点cが接続されることにより、第二外部電源昇圧ライン264が第三発電側中継ライン253bに接続される。
【0032】
ここで、図2に示すように、第一外部電源昇圧ライン263は、上流ライン263aと下流ライン263bとに分かれて構成されており、上流ライン263aと下流ライン263bとの間には、リレー29が介装される。リレー29については後述する。
【0033】
信号中継ライン27は、第一信号中継ライン271及び第二信号中継ライン272を有する。第一信号中継ライン271は、その一端にて第一外部電源中継ライン261に接続され、その他端にて信号用端子23のR端子に接続される。このため、第一信号中継ライン271は、信号用端子23のR端子を介して第一外部信号ライン151に接続されることになる。また、第二信号中継ライン272は、その一端にて第二外部電源中継ライン262に接続され、その他端にて信号用端子23のS端子に接続される。このため、第二信号中継ライン272は、信号用端子23のS端子を介して第二外部信号ライン152に接続されることになる。
【0034】
また、第一信号中継ライン271の途中に、切替開閉器28の信号切替器284が介在している。このため、信号切替器284が閉じている場合(可動端子と固定端子が接続されている場合)に第一信号中継ライン271が導通し、信号切替器284が開いている場合(可動端子と固定端子が接触していない場合)に第一信号中継ライン271の導通が遮断される。
【0035】
また、上記したように、第一外部電源昇圧ライン263の上流ライン263aと下流ライン263bとの間に、リレー29が介装される。リレー29は、第一リレー291及び第二リレー292を備える。第一リレー291は、第一励磁コイル291aと第一リレー用切替器291bにより構成され、第二リレー292は、第二励磁コイル292aと第二リレー用切替器292bにより構成される。
【0036】
第一励磁コイル291aの一端は第一電源側中継ライン251aに接続され、第一励磁コイル291aの他端は第二電源側中継ライン252aに接続される。第二励磁コイル292aの一端は第三電源側中継ライン253aに接続され、第二励磁コイル292aの他端は第二電源側中継ライン252aに接続される。
【0037】
第一リレー用切替器291b及び第二リレー用切替器292bは、いずれも、双投式のスイッチであり、一つの可動接点cと二つの固定接点a,bを有する。第一リレー用切替器291bの可動接点cには第一外部電源昇圧ライン263の下流ライン263bの一端側が接続される。この下流ライン263bの他端が、第一電源切替器281の固定接点bに接続される。また、第二リレー用切替器292bの可動接点cは、第一外部電源昇圧ライン263の上流ライン263aに接続される。そして、第一リレー用切替器291bの固定接点bと第二リレー用切替器292bの固定接点bが、接続ライン293により接続される。
【0038】
第一励磁コイル291aが励磁されている場合、第一リレー用切替器291bの切替状態は、図2に示すように固定接点aと可動接点cが接続される切替状態にされる。同様に、第二励磁コイル292aが励磁されている場合、第二リレー用切替器292bの切替状態は、固定接点aと可動接点cが接続される切替状態にされる。また、図2からわかるように、第一リレー用切替器291bの固定接点aと第二リレー用切替器292bの固定接点aは接続されていない。このため、第一励磁コイル291aと第二励磁コイル292aの一方又は双方が励磁されている場合、リレー29が介装された第一外部電源昇圧ライン263の導通が遮断される。これにより、外部電源中継ライン26の導通が遮断される。
【0039】
第一励磁コイル291aが励磁されていない場合、第一リレー用切替器291bの切替状態は、固定接点bと可動接点cが接続される切替状態にされる。同様に、第二励磁コイル292aが励磁されていない場合、第二リレー用切替器292bの切替状態は、固定接点bと可動接点cが接続される切替状態にされる。上記したように第一リレー用切替器291bの固定接点bと第二リレー用切替器292bの固定接点bは接続ライン293により接続されている。従って、第一励磁コイル291aと第二励磁コイル292aが共に励磁されていない場合、第一外部電源昇圧ライン263が導通される。これにより、外部電源中継ライン26の導通が許可される。
【0040】
また、切替開閉器28は、図示しない操作レバーを有する。この操作レバーは、系統側接続位置と外部電源側接続位置とのいずれかの位置に選択的に操作可能に構成され、ユーザが操作レバーを操作することにより、切替開閉器28の切替状態が手動により変更される。
【0041】
操作レバーの位置が系統側接続位置であるとき、切替開閉器28の切替状態は、図2に示す通り、第一電源切替器281、第二電源切替器282、第三電源切替器283のそれぞれの可動接点cが固定接点aに接続され、信号切替器284が開いている(可動接点と固定接点が接続されない)ような、切替状態にされる。この切替状態を、第一切替状態と呼ぶ。一方、操作レバーの位置が外部電源側切替位置であるとき、切替開閉器28の切替状態は、図2に示す状態と反対の状態、すなわち、第一電源切替器281、第二電源切替器282、第三電源切替器283のそれぞれの可動接点cが固定接点bに接続され、信号切替器284が閉じている(可動接点と固定接点が接続される)ような、切替状態にされる。この切替状態を、第二切替状態と呼ぶ。
【0042】
第一切替状態であるとき、系統出力ライン13は、第一電源切替器281、第二電源切替器282、第三電源切替器283を介して、系統中継ライン25に接続される。したがって、第一切替状態であるとき、系統出力ライン13の接続状態が、系統中継ライン25に接続している系統側接続状態にされる。また、第二切替状態であるとき、系統出力ライン13は、第一電源切替器281及び第三電源切替器283を介して、外部電源中継ライン26に接続される。したがって、第二切替状態であるとき、系統出力ライン13の接続状態が、外部電源中継ライン26に接続している外部電源側接続状態にされる。
【0043】
このように、第一電源切替器281、第二電源切替器282、第三電源切替器283は、系統出力ライン13の接続状態を、系統中継ライン25に接続している系統側接続状態と外部電源中継ライン26に接続している外部電源側接続状態とに切り替えることができるように構成される。
【0044】
また、切替開閉器28の切替状態が第一切替状態であるとき、すなわち系統出力ライン13の接続状態が系統側接続状態であるときには、信号切替器284が開くことにより信号中継ライン27の導通が遮断される。また、切替開閉器28の切替状態が第二切替状態であるとき、すなわち系統出力ライン13の接続状態が外部電源側接続状態であるときには、信号切替器284が閉じることにより信号中継ライン27の導通が許可される。つまり、信号切替器284は、系統出力ライン13の接続状態が系統側接続状態であるときに信号中継ライン27の導通を遮断し外部電源側接続状態であるときに信号中継ライン27の導通を許可するように構成される。
【0045】
上記構成の分散型電源システム1において、発電装置10が停止しているとき、発電装置10は自らの発電電力により起動することができない。このとき系統電源ライン100が停電しておらず、切替開閉器28の切替状態が第一切替状態に設定されている場合、図1に示すように系統出力ライン13の接続状態は系統側接続状態にされており、系統電源ライン100と系統出力ライン13が接続される。これにより発電装置10は系統電源ライン100から電力の供給を受けて起動し、発電を開始することができる。
【0046】
上記のようにして起動した発電装置10の制御部12は、系統電流センサ51から取得した電流情報及び系統電圧センサ52から取得した電圧情報に基づいて、系統電源ライン100が停電していない(非停電である)と判断する。また、系統出力ライン13の接続状態が系統側接続状態である場合(切替開閉器28の接続状態が第一切替状態である場合)、信号切替器284は開いており、信号中継ライン27の導通が遮断されるので、仮に入力コンセント24に外部電源が接続されていたとしても、外部電源供給信号が信号中継ライン27及び外部信号ライン15を介して発電装置10の制御部12に入力されることはない。
【0047】
制御部12は、系統電源ライン100の非停電時であって外部電源供給信号が入力されていないと判断した場合には、発電電力の出力先を系統電源側に決定する。そして、発電電力が系統出力ライン13に出力されるように発電電力の出力先を制御する。こうして系統出力ライン13に出力された発電電力は、BOS回路20の系統中継ライン25を通って系統電源ライン100に流れる。系統電源ライン100に流れた発電電力は電力負荷E1,E2に供給され、或いはその余剰分が系統電源ライン100を逆潮流して売電される。
【0048】
発電装置10の発電中に、停電が起こり、系統電源ライン100からの電力供給が遮断された場合、発電装置10の制御部12は、系統電流センサ51から取得した電流情報及び系統電圧センサ52から取得した電圧情報に基づいて停電であることを検知する。制御部12は、停電中であると判断した場合に発電電力の出力先を自立出力側に決定し、発電電力が自立出力ライン14に出力されるように、発電電力の出力先を制御する。これにより自立出力ライン14に電力が供給される。よって、停電時には自立コンセント40に電力負荷を接続することで、電力負荷に電力を供給することができる。
【0049】
停電が復帰して、系統電源ライン100から電力が供給され始めると、発電装置10の制御部12は、系統電流センサ51から取得した電流情報及び系統電圧センサ52から取得した電圧情報に基づいて、停電が復帰したと判断する。すると、制御部12は、発電電力の出力先を系統電源側に決定し、発電電力が系統出力ライン13に出力されるように発電電力の出力先を制御する。これにより自立コンセント40からの電力供給が遮断されるとともに、発電装置10の発電電力が系統電源ライン100を介して電力負荷E1,E2供給される。
【0050】
このように、発電装置10の発電中に系統電源ライン100が停電した場合には、発電装置10が発電を継続することができる。しかしながら、停電時に発電装置10が発電停止していて、停電中に発電装置10を起動させようとした場合、系統電源を用いて発電装置10を起動させることができない。
【0051】
停電中に停止している発電装置10を起動させる場合には、BOS回路20の入力コンセント24にAC100Vの外部電源を接続する。さらに、切替開閉器28の操作レバーを操作して、切替開閉器28の切替状態を第一切替状態から第二切替状態に変更する。
【0052】
図3は、停電時にBOS回路20の切替開閉器28の切替状態が第二切替状態に設定された状態の、分散型電源システム1の概略図(回路図)を示す。また、図4は、図3に示す状態のBOS回路20の結線図を示す。
【0053】
切替開閉器28の切替状態が第二切替状態に設定されている場合、図3に示すように、系統出力ライン13の接続状態が、外部電源中継ライン26に接続している外部電源側接続状態にされる。
【0054】
また、停電時には、系統電源ライン100から系統中継ライン25に電力が供給されないので、第一リレー291の第一励磁コイル291a及び第二リレー292の第二励磁コイル292aが励磁されない。このため停電時には図4に示すように、第一リレー291の第一リレー用切替器291bの可動接点cが固定接点bに接続され、第二リレー292の第二リレー用切替器292bの可動接点cが固定接点bに接続される。これにより第一外部電源昇圧ライン263の上流ライン263aと下流ライン263bがリレー29を介して接続され、外部電源中継ライン26が導通する。つまり、リレー29は、系統電源ライン100から系統中継ライン25に電力が供給されていないときに外部電源中継ライン26の導通を許可する。
【0055】
そして、図4に示す状態のBOS回路20の入力コンセント24に出力電圧がAC100Vの外部電源を接続し、外部電源を駆動すると、第一外部電源中継ライン261と第二外部電源中継ライン262の間にAC100Vの交流電圧が印加される。この交流電圧はトランス30でAC200Vに昇圧される。これにより第一外部電源昇圧ライン263と第二外部電源昇圧ライン264間にAC200Vの交流電圧が印加される。また、切替開閉器28を介して、第一外部電源昇圧ライン263が系統出力ライン13の電圧ラインUに接続されるとともに第二外部電源昇圧ライン264が系統出力ライン13の電圧ラインVに接続される。これにより、AC200Vの交流電力が発電装置10の発電機11に供給される。発電装置10は、こうして外部電源から供給されたAC200Vの交流電力により起動して、発電を開始することができる。
【0056】
また、切替開閉器28の切替状態が第二切替状態に設定された場合、すなわち系統出力ライン13の接続状態が外部電源側接続状態であるとき、切替開閉器28の信号切替器284が閉じる(固定接点と可動接点が接続される)ので、信号中継ライン27が導通する。このため信号中継ライン27及び外部信号ライン15を経由した外部電源供給信号が発電装置10の制御部12に入力される。これにより制御部12は、外部電源が接続されていると判断する。また、制御部12は、系統電流センサ51から取得される電流情報及び系統電圧センサ52から取得する電圧情報に基づいて、系統電源ライン100が停電中であると判断する。制御部12は、停電中であると判断すると、発電電力の出力先を自立出力側に決定して、発電電力が自立出力ライン14に出力されるように発電電力の出力先を制御する。よって、停電中に、自立コンセント40から電力負荷に電力を供給することができる。
【0057】
停電が復帰して、系統電源ライン100から電力が供給され始めると、発電装置10の制御部12は、系統電流センサ51から取得する電流情報及び系統電圧センサ52から取得する電圧情報に基づいて、系統電源ライン100が停電から復帰して非停電であると判断する。
【0058】
図5は、停電時に外部電源により発電装置10を起動した後に停電復帰した直後の状態を示す分散型電源システム1の概略図(回路図)であり、図6は、図5に示す状態のBOS回路20の結線図である。図5及び図6からわかるように、外部電源により発電装置10を起動させた後に停電が復帰した直後においては、切替開閉器28の切替状態が第二切替状態であり、系統出力ライン13の接続状態が外部電源側接続状態である可能性が高い。また、停電復帰により系統電源ライン100から系統中継ライン25に電力が供給されるので、系統中継ライン25に設けられる第一リレー291の第一励磁コイル291a及び第二リレー292の第二励磁コイル292aが励磁される。このため第一リレー291の第一リレー用切替器291bの可動接点cが固定接点aに接続され、第二リレー292の第二リレー用切替器292bの可動接点cが固定接点aに接続される。これにより第一外部電源昇圧ライン263の導通が遮断される。つまり、リレー29は、系統電源ライン100から系統中継ライン25に電力が供給されているとき(すなわち非停電時)に外部電源中継ライン26の導通を遮断する。
【0059】
また、停電時に外部電源により発電装置10を起動した後に停電復帰した場合であって、外部電源供給信号が制御部12に入力されている場合、制御部12は、発電電力の出力先を自立出力ライン14のままに維持する。つまり、制御部12は、発電装置10に外部電源供給信号が入力されているときには、系統電源ライン100の非停電時であっても発電電力が自立出力ライン14に出力されるように、発電電力の出力先を制御する。これにより、自立コンセント40から電力負荷に電力を供給することができる。
【0060】
ここで、停電時に外部電源により発電装置10を起動した後に停電復帰した場合であって、外部電源が入力コンセント24に接続されているが、信号中継ライン27又は外部信号ライン15の断線等の不具合が生じていることもある。この場合、本来では発電装置10の制御部12に入力するはずの外部電源供給信号が入力されない。このような場合、制御部12は、系統電源ライン100が非停電であり且つ外部電源供給信号が入力されていないという情報に基づいて、発電電力の出力先を系統電源側に決定して、発電電力が系統出力ライン13に出力されるように発電電力の出力先を制御する。
【0061】
さらに、停電復帰直後には、切替開閉器28の切替状態が第二切替状態である(系統出力ライン13の接続状態が外部電源側接続切替状態である)可能性が高い。このような状態であるときに発電電力が系統出力ライン13に出力された場合、発電電力は外部電源中継ライン26を経由して外部電源に入力されて外部電源が破損する虞がある。この点に関し、本実施形態では、系統電源ライン100の非停電時には、図5及び図6に示すように、リレー29が非導通状態にされることにより外部電源中継ライン26の導通が遮断される。このため系統出力ライン13に発電電力が出力されたとしても、外部電源中継ライン26を経由して発電電力が外部電源に入力することはない。よって、外部電源を保護することができる。
【0062】
停電復帰後、ユーザが手動で切替開閉器28の操作レバーを操作して、切替状態を第二切替状態から第一切替状態に変更した場合、BOS回路20の結線状態は、図6から図2に示す状態に変化する。すると、切替開閉器28の信号切替器284が開く(可動接点と固定接点が接続されない)ため、信号中継ライン27の導通が遮断される。これにより発電装置10の制御部12への外部電源供給信号の入力が遮断される。この場合、すなわち非停電時であって外部電源供給信号が入力されていない場合、制御部12は、発電電力の出力先を系統電源側に決定し、発電電力が系統出力ライン13から出力されるように発電電力の出力先を制御する。また、このとき系統出力ライン13の接続状態が系統側接続状態にされているので、系統出力ライン13が系統中継ライン25を介して系統電源ライン100に接続される。よって、系統出力ライン13から出力された発電電力は、系統電源ライン100に供給される。このため系統電源ライン100に設けられた電力負荷に発電電力を供給することができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態によれば、遮断装置としてのリレー29が第一リレー291及び第二リレー292を有する例について説明したが、例えば第一系統中継ライン251と第三系統中継ライン253との間に一つのリレーを設けるように構成してもよい。また、上記実施形態では、遮断装置としてリレー29を示したが、遮断装置の構成はリレーに限定されない。例えば、遮断装置として半導体スイッチを用いることができる。つまり、遮断装置は、系統電源から系統中継ラインに電力が供給されているときに外部電源中継ラインの導通を遮断し系統電源から系統中継ラインに電力が供給されていないときに外部電源中継ラインの導通を許可するように構成されていれば、どのような構造であっても良い。また、上記実施形態では、切替開閉器28を手動で操作する例を示したが、系統電源ライン100の電流・電圧情報(停電、非停電)に基づいて自動で切替状態が切り替わるようにしてもよい。例えば、切替開閉器28の切替状態を、系統電源の非停電時に第一切替状態に、停電時に第二切替状態に、自動で切り替えるように構成することができる。これによれば、切替開閉器28が遮断装置の役割を持たすことができるので、別途遮断装置を設ける必要がない。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…分散型電源システム、10…発電装置、11…発電機、12…制御部、13…系統出力ライン、14…自立出力ライン、15…外部信号ライン、20…BOS回路、25…系統中継ライン、251…第一系統中継ライン、252…第二系統中継ライン、253…第三系統中継ライン、26…外部電源中継ライン、261…第一外部電源中継ライン、262…第二外部電源中継ライン、263…第一外部電源昇圧ライン、263a…上流ライン、263b…下流ライン、264…第二外部電源昇圧ライン、27…信号中継ライン、271…第一信号中継ライン、272…第二信号中継ライン、28…切替開閉器、281…第一電源切替器(電源切替装置)、282…第二電源切替器(電源切替装置)、283…第三電源切替器(電源切替装置)、284…信号切替器(信号切替装置)、29…リレー(遮断装置)、291…第一リレー、291a…第一励磁コイル、291b…第一リレー用切替器、292…第二リレー、292a…第二励磁コイル、292b…第二リレー用切替器、293…接続ライン、30…トランス、40…自立コンセント、51…系統電流センサ、100…系統電源ライン(系統電源)
図1
図2
図3
図4
図5
図6