(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102152
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】配信システム、配信システムのコンピュータプログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20220630BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
H04N21/258
G06F13/00 540A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216716
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】酒井 昭
(72)【発明者】
【氏名】千葉 茂
(72)【発明者】
【氏名】進邦 嗣郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 快
(72)【発明者】
【氏名】金原 俊明
(72)【発明者】
【氏名】平井 純貴
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐介
【テーマコード(参考)】
5B084
5C164
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA02
5B084AA12
5B084AB07
5B084AB11
5B084AB29
5B084AB31
5B084AB39
5B084CA07
5B084CB06
5B084CB22
5B084CB23
5B084CB24
5B084CE04
5B084CE12
5B084DB01
5B084DC02
5B084DC03
5B084DC06
5B084DC12
5B084DC13
5C164FA22
5C164SB21S
5C164SB41S
5C164SC11P
5C164TA08S
5C164YA08
5C164YA11
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】複数のユーザに対して視聴映像が配信される際に、ユーザ操作に対する演出効果を個別ユーザが視聴する場合、個別ユーザに対する再配信において、それを再現する。
【解決手段】配信システム100は、ユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段131と、ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザのユーザ端末20からユーザ操作を受け入れる操作受入手段132と、個別ユーザに対する配信データを、ユーザ操作が入力されたユーザ端末に配信するデータ配信手段134と、配信データを、個別ユーザが視聴している視聴映像の映像識別情報と、個別ユーザのユーザ識別情報とに関連付けて保存する保存手段135と、個別ユーザに対して個別ユーザが視聴した視聴映像を再配信する再配信手段136とを備え、再配信の際にユーザ識別情報を再取得し、再配信手段は、映像識別情報とユーザ識別情報とに関連付けて保存されている配信データを再配信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に配信する配信システムであって、
各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れる操作受入手段と、
前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信するデータ配信手段と、
配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存する保存手段と、
前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信する再配信手段とを備え、
前記識別情報取得手段は、前記視聴映像の再配信の際には前記ユーザ識別情報を再取得し、
前記再配信手段は、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する、配信システム。
【請求項2】
前記視聴映像の視聴中に前記個別ユーザによって入力された前記ユーザ操作に対応して、複数の配信データを含む配信データグループの中から前記配信データを少なくとも一つ選択する選択手段をさらに備える、請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記保存手段は、前記視聴映像をさらに保存し、
前記再配信手段は、前記配信データと前記視聴映像とを再配信する、請求項1又は2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記ユーザ操作は、前記視聴映像に対応する報酬を寄付する報酬操作であり、
前記データ配信手段は、前記配信データを、前記報酬操作が入力された前記ユーザ端末のみに対して配信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項5】
前記操作受入手段は、保存されている前記配信データを再配信しているときに、さらに前記ユーザ操作を受け入れる、請求項1から4のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項6】
前記データ配信手段は、前記視聴映像と共に前記複数のユーザの各ユーザ端末へ共通して共通データを配信し、
前記複数のユーザの各ユーザ端末において、前記共通データに基づく共通演出効果が共通して発揮されるとともに、前記個別ユーザの前記ユーザ端末においては、前記配信データに基づく個別演出効果が発揮され、
前記共通演出効果は、前記個別演出効果とは異なる態様で発揮される、請求項1から5のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項7】
コンピュータを備え、視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に配信する配信システムのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れる操作受入手段と、
前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信するデータ配信手段と、
配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存する保存手段と、
前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信する再配信手段として機能させ、
前記識別情報取得手段は、前記視聴映像の再配信の際には前記ユーザ識別情報を再取得し、
前記再配信手段は、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する、コンピュータプログラム。
【請求項8】
視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に配信する配信システムの制御方法であって、
各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得し、
前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れ、
前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信し、
配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存し、
前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信するとともに、
前記視聴映像の再配信の際には、前記ユーザ識別情報を再取得して、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別ユーザに配信された配信データを再配信できる配信システム、配信システムのコンピュータプログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーバが提供するサービス内で使用することが可能な仮想的なアイテムを各ユーザが購入できる、コンテンツの配信システムが開示されている。当該配信システムにおいて、サーバは、所定のウェブサイトを管理しており、当該ウェブサイトを構成するウェブページをクライアント端末からの要求に応じて配信する。これにより、サーバは、コンテンツ共有サービスを提供する。クライアント端末は、例えば、HTML形式のファイルを解釈して画面表示するためのブラウザソフトウェアを備えている。そして、クライアント端末は、ブラウザソフトウェアの機能により、サーバから取得したHTMLデータを解釈して、受信したHTMLデータに対応するウェブページを表示できる。
【0003】
ユーザは、購入済みのアイテムの中から、当該コンテンツとともに表示する表示アイテムを選択する。さらにユーザは、選択したアイテムを当該コンテンツとともに表示することを要求する表示要求を、サーバに送信できる。そして、サーバのランキング生成モジュールは、表示アイテム管理テーブルを参照して、各ユーザから表示要求のあった表示アイテムの購入量又は購入額が多い順にユーザを並べたランキングを生成する。さらに、サーバの表示位置決定モジュールは、各ユーザからの表示要求に基づいて、当該各ユーザのアバタの表示位置を定める。この表示位置決定モジュールは、表示アイテムの購入量又は購入額が多いユーザのアバタほど、その表示位置がコンテンツの表示位置の近くとなるように、各ユーザのアバタの表示位置を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常の配信システムにおいては、ユーザ全員に対して同じ視聴映像が配信される。例えば、一人のユーザがコメントを投稿する操作を行うと、ユーザ全員が当該コメントを視聴できる。そして、コメントの投稿に対する演出がなされる場合には、ユーザ全員が当該演出を視聴できる。そのため、視聴映像がアーカイブとして保存される場合には、当該保存された視聴映像に当該演出が含まれている。したがって、保存された視聴映像を視聴する全てのユーザが当該演出を視聴できる。一方、ユーザが操作を行った結果としての演出を、操作したユーザのみが個人的に視聴したいという要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る配信システムは、視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に配信する配信システムであって、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れる操作受入手段と、前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信するデータ配信手段と、配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存する保存手段と、前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信する再配信手段とを備え、前記識別情報取得手段は、前記視聴映像の再配信の際には前記ユーザ識別情報を再取得し、前記再配信手段は、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する。
【0007】
また、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを備え、視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に配信する配信システムのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れる操作受入手段と、前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信するデータ配信手段と、配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存する保存手段と、前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信する再配信手段として機能させ、前記識別情報取得手段は、前記視聴映像の再配信の際には前記ユーザ識別情報を再取得し、前記再配信手段は、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する。
【0008】
また、本発明の一態様に係る制御方法は、視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に配信する配信システムの制御方法であって、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得し、前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れ、前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信し、配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存し、前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信するとともに、前記視聴映像の再配信の際には、前記ユーザ識別情報を再取得して、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する。
【0009】
これにより、複数のユーザに対して視聴映像が配信される際に、ユーザ操作に対する演出効果を個別ユーザが視聴する場合、個別ユーザに対する再配信において、それを再現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0012】
[第1実施形態]
図1に示すように、視聴映像を視聴者である複数のユーザ(以下、視聴ユーザともいう)のそれぞれのユーザ端末に配信する配信システム100は、ユーザによるユーザ操作を管理する。ユーザ操作は、映像の視聴に関連して行われる操作であり、一例として、コメントの入力操作、及び視聴映像に対応する報酬を寄付する報酬操作等である。また、配信システム100は、ユーザ端末の一例である再生端末20と、視聴映像を配信する配信サーバ30と、配信者が映像のアップロードを行う配信者端末70とを備えている。再生端末20及び配信者端末70は、所定のネットワーク50を介して配信サーバ30に接続可能である。視聴者である複数のユーザのそれぞれは、再生端末20を使用する。一例として、視聴ユーザは、自宅等において再生端末20を使用する。
【0013】
配信サーバ30は、複数のコンピュータとしてのサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによって、配信サーバ30が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して、配信サーバ30が論理的に構成されてもよい。なお、配信サーバ30は、外部サーバと協働して配信サーバ30として機能してもよい。
【0014】
配信サーバ30は、視聴ユーザが再生端末20から入力したユーザ操作を受け付けて、ユーザ操作の種類を識別する。また、配信サーバ30は、各視聴ユーザを識別するユーザ識別情報(例えばユーザID)に紐付けられた視聴ユーザ毎の固有情報を保存及び管理する。さらに、配信サーバ30は、ユーザ識別情報に紐づけて、各再生端末20を識別する端末識別情報(例えば端末ID)、入力されたコメントの内容等の入力情報、及びユーザ操作の種類を識別する操作識別情報(例えば操作ID)等の、ユーザ操作に関連する操作情報を管理する。一方、視聴ユーザは、再生端末20を用いてユーザ操作を入力できる。例えば、再生端末20に表示されたコメントの入力欄において、視聴ユーザは、プレイヤへの応援コメントを投稿するユーザ操作を入力できる。または、再生端末20に表示された報酬アイコンをタッチ操作することによって、視聴ユーザは、プレイヤ等へ報酬を寄付するユーザ操作として報酬操作を入力できる。
【0015】
配信サーバ30は、再生端末20又は再生端末20を所有する視聴ユーザに対して、視聴映像を視聴させる配信サービスを提供する。例えば、配信サーバ30は、配信者端末70から配信される映像の一例としてゲーム映像を取得し、視聴映像を生成して再生端末20へ配信する。また、配信サーバ30は、ユーザ操作に対する返礼用の画像又は映像等の配信データを保存している。そして、配信サーバ30は、配信データを配信して演出効果を発揮させるために、配信データを含む演出データを再生端末20へ配信する。
【0016】
また、配信サービスは、ネットワーク50を介して再生端末20のためのプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。配信サーバ30は、この配信サービスを通じて、各再生端末20に視聴映像の視聴に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信する。一例として、視聴映像は、ゲーム映像及び操作用の配信画面を含んでいる。また、ゲーム映像には、ゲーム機によってプレイされているゲームのゲーム映像、ゲーム画面等を記録して作成されたゲーム映像、及びゲームのプレイヤ又はゲームを観戦する観客等を撮影した映像等のゲームの関連映像が含まれる。代替的に、視聴映像は、映画、ドラマ、アニメ、及びバラエティ番組等の他の映像、及び視聴ユーザが投稿したコメント又は画像等の入力情報を含んでいてもよい。以下では、視聴映像がゲーム映像を含む例について説明する。
【0017】
例えば、配信サーバ30は、ネットワーク50を介して再生端末20のユーザにウェブサービスを提供する。当該ウェブサービスにおいては、配信サーバ30が配信サービスを提供する場合に、再生端末20において再生される視聴映像が配信される。なお、ウェブサービスは、視聴映像に関する各種の情報を提供する情報提供サービス、視聴ユーザによる情報発信、交換、及び共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各視聴ユーザを識別するためのユーザ識別情報を付与するサービス等の他のサービスを含んでいてもよい。
【0018】
また、配信サーバ30は、視聴映像を配信することによって、配信者端末70から受信したゲーム映像を配信する。代替的に、配信サーバ30は、配信者端末70以外の装置から受信した映像を配信してもよい。一例として、配信サーバ30は、ゲーム機、又はゲーム機にゲームサービスを提供するゲームサーバから受信したゲーム映像を配信してもよい。この場合、配信サーバ30は、ゲーム機又はゲームサーバからアップロードされたゲーム映像を再生端末20へ配信する。
【0019】
ネットワーク50は、配信サーバ30と、再生端末20及び配信者端末70とをそれぞれ接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、LAN52が、配信サーバ30と、インターネット51とを接続している。そして、WANとしてのインターネット51とLAN52とが、ルータ53を介して接続されている。再生端末20及び配信者端末70も、インターネット51に接続されるように構成されている。
【0020】
配信サーバ30と、再生端末20及び配信者端末70とは、LAN52に代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。また、ネットワーク50は、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。なお、
図1においては、細線がインターネット51に対する接続を示し、太線が提供されるサービス及び送信される情報等を示している。太線は、装置同士が直接通信することを示しているわけではないが、装置同士は、直接通信するように構成されていてもよい。
【0021】
再生端末20及び配信者端末70は、ネットワーク接続が可能なコンピュータ装置である。例えば、再生端末20及び配信者端末70は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ54、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置55を含む。その他にも、据置型の家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、及び携帯型タブレット端末装置等の各種のコンピュータ装置が、再生端末20及び配信者端末70に含まれる。再生端末20と配信者端末70とは、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、配信サーバ30が提供する種々のサービスをユーザに享受させることができる。具体的に、再生端末20は、映像再生用のソフトウェアを通じて視聴映像の表示端末として機能する。
【0022】
[配信サービスの概要]
配信システム100における配信サービスにおいて、視聴ユーザがコメントの投稿又は報酬を寄付するユーザ操作をした場合、配信サーバ30は、配信サーバ30に予め設定されている複数の配信データの一例として、複数の演出映像の内から一つの演出映像を選択する。演出映像は、視聴映像と比較すると再生時間が短い。代替的に、演出映像は、視聴映像よりも再生時間が長くてもよく、例えば演出映像が視聴映像と重畳して表示されない場合、再生時間がより長くてもよい。配信サーバ30は、選択した演出映像を視聴ユーザが所有する再生端末20へ配信する。
【0023】
ところで、一般的な動画配信サービス又はライブ配信アプリケーションにおいては、視聴ユーザが、コメントの投稿又は報酬を寄付するユーザ操作を入力できることがある。これらのユーザ操作が入力された場合、視聴ユーザの再生端末20へは、入力した視聴ユーザのユーザ名と共に、コメントの内容又は報酬の内容が配信される。ライブ配信の場合、配信者は、視聴映像を見てコメント又は報酬に対する返礼を言うか又は返礼のコメントを入力できる。そして、当該返礼は、視聴映像と共に配信され、複数の視聴ユーザが返礼を視聴する。このように、双方向のアクションが成立することによって、視聴ユーザに臨場感及び親近感を与えることができる。
【0024】
双方向のアクションが成立しない例として、例えば、短時間に多くのユーザ操作が入力されるケースがある。この場合、プレイヤが一部のコメント等を認識できない、又はプレイヤによる返礼が間に合わないことによって、プレイヤから返礼されない視聴ユーザが生じてしまう。そして、ユーザ操作を行った視聴ユーザは、プレイヤから返礼されない場合には、不満感を感じてしまい、ユーザ操作の回数を減らしてしまう。一方、プレイヤの認識能力又は対応能力には限界があるため、双方向のアクションが成立しないケースが生じてしまう可能性は無くすことができない。
【0025】
特に、eスポーツ(electronic sports)のゲーム映像をライブ配信する場合、視聴ユーザが応援する対象はゲーム対戦をしているプレイヤである。そして、対戦中のプレイヤは、ゲームに集中する必要があるため、視聴ユーザによるユーザ操作に対して返礼することは困難である。また、ゲームを中断して返礼することが可能であるとしても、プレイヤの対応能力には限界がある。そのため、双方向のアクションが成立しないケースが生じてしまう可能性は無くすことができない。したがって、視聴ユーザが不満感を感じることを減らして、ユーザ操作の回数の減少を抑制することが望ましい。
【0026】
そこで、配信システム100における配信サービスにおいては、視聴ユーザがユーザ操作を行うと、配信サーバ30において設定されている複数の演出映像の中から少なくとも一つが選択される。そして、選択された演出映像が、コメントの投稿等のユーザ操作をした個別ユーザがユーザ操作に使用した再生端末20に配信される。これにより、個別演出効果として、当該演出映像が再生端末20において再生される。さらに、配信サーバ30は、視聴映像と関連付けて配信した演出映像を保存して、視聴ユーザに対して再配信する。以下、本実施形態における配信システム100の概要について説明する。
【0027】
配信者は、配信者端末70を操作してゲーム映像のアップロードを行う。一例として、ゲーム映像は、配信者端末70において記録され、配信者端末70が配信サーバ30へアップロードする。代替的に、他人のゲームを実況する実況者が自らのサーバから配信サーバ30へ実況映像をアップロードしてもよい。この場合、視聴ユーザがコメントの投稿及び報酬の寄付等を行う対象は実況者であってもよい。また、視聴ユーザがコメントの投稿及び報酬の寄付等を行う対象は、アップロードされた視聴映像であってもよい。なお、配信者端末70は、対戦しているプレイヤを撮影するカメラからカメラ映像を取得してもよい。配信者端末70は、取得したカメラ映像を、ゲーム映像として、又はゲーム画面の一部にカメラ映像を重畳させたゲーム映像として、配信サーバ30へ送信する。
【0028】
代替的に、配信サーバ30が、対戦しているプレイヤを撮影するカメラからカメラ映像を直接取得してもよい。この場合、配信サーバ30は、ゲーム映像とカメラ映像とを所定の領域に収めた視聴映像を生成するとともに、視聴映像を視聴ユーザの再生端末20へ配信する。または、配信サーバ30は、取得したカメラ映像を、視聴映像として再生端末20へ配信する。他の例として、配信サーバ30が、別々の視聴映像として、ゲーム映像とカメラ映像とを配信して、再生端末20において両映像がそれぞれ表示されるか、再生端末20が両映像を合成して同時に表示してもよい。両映像は、予め再生端末20にインストールされているアプリケーションプログラムを用いて合成できる。さらに、配信サーバ30が、配信者端末70としてのゲーム機からゲーム操作情報等を取得してもよい。この場合、配信サーバ30は、プレイヤによるゲーム操作情報、及びNPCがいる場合のNPC制御情報等を受信してもよい。配信サーバ30は、受信したゲーム操作情報等に基づいてゲーム画面を再生成することによって、視聴映像に含まれるゲーム映像を生成する。これにより、配信者端末70から配信サーバ30への通信量を削減できる。
【0029】
配信サーバ30は、各視聴ユーザの再生端末20へ視聴映像を配信する。各視聴ユーザは、自らの再生端末20を用いて視聴映像を再生して視聴できる。また、各視聴ユーザは、再生端末20を用いて、コメントの投稿等のユーザ操作を行うことができる。ユーザ操作は、再生端末20に予めインストールされたアプリケーションプログラムの機能によって実現できる。当該アプリケーションプログラムは、配信サーバ30、及びその他の外部サーバからダウンロードできる。代替的に、ユーザ操作は、配信サーバ30が提供するウェブページの機能によって実現できてもよい。また、配信サーバ30は、視聴ユーザから投稿されたコメントの管理、及び寄付された報酬の管理等を行う。
【0030】
例えば、配信サーバ30は、視聴映像をライブ配信するとともに、複数の視聴ユーザに対して共通演出効果を発揮させる。具体的に配信サーバ30は、各視聴ユーザが投稿したコメント等に返礼するための共通データ(例えば共通映像)を複数の視聴ユーザの再生端末20へ配信する。そして、共通演出効果として、共通映像等が再生端末20において表示される。予め視聴ユーザの再生端末20にはアプリケーションプログラムがインストールされており、視聴ユーザは、当該アプリケーションプログラムを用いてコメントの投稿等のユーザ操作を行うことができる。例えば、視聴ユーザがアプリケーションプログラムを起動すると、再生端末20には、ゲーム映像が表示される映像領域と、コメントを入力するための入力欄及び報酬の寄付等を行う報酬アイコン等の操作領域とが表示される。さらに、再生端末20には、配信されたコメントが表示されるコメント領域が表示される。映像領域、操作領域、及びコメント領域は、区別して表示され、視聴ユーザは、ユーザ操作を操作領域において行うことができる。代替的に、同様の領域の区分け及び操作の入力が、配信サーバ30が提供するウェブページにおいて実現できてもよい。
【0031】
視聴ユーザは、視聴映像の配信中に、自らの再生端末20からコメントの投稿又は報酬の寄付等のユーザ操作を行う。再生端末20は、入力されたコメントの内容を示す入力情報、又はユーザ操作の種類を識別するためのタッチ操作位置等を配信サーバ30へ送信する。再生端末20は、入力情報又はユーザ操作の種類を識別する情報を、各視聴ユーザに割り当てられたユーザ識別情報とともに送信してもよい。なお、報酬操作によってプレイヤ等に提供される報酬は、一例として、金銭、代用貨幣、仮想通貨、暗号資産、電子マネー、及びポイント等の消費媒体である。代替的に、報酬は、ゲームサービスにおいて使用可能なゲーム内通貨、又はアイテム等の特典であってもよい。さらに、報酬は、物品等の有体物であってもよい。
【0032】
ユーザ操作が行われると、配信サーバ30は、入力情報又はタッチ操作位置を再生端末20から取得する。また、配信サーバ30は、例えば視聴ユーザがログインしたときに、ユーザ識別情報を取得している。続いて、配信サーバ30は、入力情報、又はタッチ操作位置に基づく操作識別情報(例えば操作ID)を、ユーザ識別情報に関連付ける。そして、配信サーバ30は、操作識別情報によって、報酬の内容(例えば金額)を特定する。なお、配信データを配信できればよいので、配信サーバ30は、ユーザ識別情報として、各視聴ユーザの再生端末20を識別する端末識別情報を再生端末20から取得してもよい。例えば、配信サーバ30は、端末識別情報として、IP(Internet Protocol)アドレス、又はMAC(Media Access Control)アドレスを取得してもよい。
【0033】
ユーザ操作を受け入れると、配信サーバ30は、予め記憶している複数の演出映像の中から一つの映像を選択して配信する。例えば、配信サーバ30は、各演出映像を識別するデータ識別情報(例えばデータID)をランダムで選択するか又は抽選によって選択する。そして、配信サーバ30は、選択したデータ識別情報に対応する演出映像を配信する。ここで、演出映像は、視聴ユーザからのコメント等に対して配信者(例えばプレイヤ)が配信できない場合に備えて予め用意されている。例えば、演出映像は、5秒程度の映像であって、プレイヤがお礼を言っている又はお礼のポーズを取っているシーンを撮影して得られた映像である。なお、配信データとしての演出映像に代えて、お礼を意味する文字列又は画像等、お礼の音声、若しくはお礼を言っている又はお礼のポーズを取っているアニメーションが配信されてもよい。
【0034】
演出映像の選択に際しては、コメントの投稿等が対戦しているいずれのゲームプレイヤを対象としているのかが参照されてもよい。例えば、視聴ユーザは、応援するプレイヤ又は応援するプレイヤが属するチームを予め選択しておく。視聴ユーザは、当該プレイヤの選択を、視聴ユーザがコメントを投稿する際に行ってもよい。この場合、再生端末20は、プレイヤを特定する情報を配信サーバ30へ送信する。また、視聴ユーザは、当該プレイヤの選択を予め行って、配信サーバ30に記憶させてもよい。この場合、配信サーバ30は、プレイヤを特定する情報(例えばプレイヤID)をユーザ識別情報と関連付けて記憶する。そして、配信サーバ30は、プレイヤを特定する情報を参照して、当該プレイヤに関連する演出映像を配信データグループRD(
図2)の中から選択する。なお、視聴ユーザが、対戦している両方のプレイヤを選択できてもよい。これにより、両プレイヤに対してコメントを投稿したい視聴ユーザを満足させることができる。この場合、配信サーバ30は、両プレイヤに関連する演出映像、例えば、両プレイヤを撮影して得られた映像を配信データグループRDの中から選択する。
【0035】
配信サーバ30は、演出映像を選択すると、ゲーム映像の一部(例えばゲーム映像の右上)に演出映像が重畳されるように演出データを生成して、ユーザ操作が行われた再生端末20へ配信する。この場合、配信サーバ30は、ユーザ操作を行った視聴ユーザのみへ演出映像を含む演出データを配信する。なお、各演出映像は、操作情報が取得されたときに自動的に生成されてもよい。例えば、操作情報に基づいて視聴ユーザのユーザ名を特定して、配信サーバ30が、ユーザ名を含むような演出映像を生成してもよい。演出映像の配信タイミングは、コメントの投稿等のユーザ操作が行われた直後である。代替的に配信タイミングは、ユーザ操作から所定の時間遅延させたタイミング、又は視聴映像の配信終了直前等の予め設定されたタイミングであってもよい。
【0036】
ランダムな選択に代えて配信データが抽選される場合、複数の配信データのそれぞれにはレアリティが設定され、データ識別情報にレアリティが関連付けられている。そして、配信サーバ30は、レアリティに従った抽選を行って配信データを選択する。すなわち、予めそれぞれの配信データにはレアリティとして、抽選における当選確率が設定されている。配信サーバ30は、当選確率に従った抽選を行って、データ識別情報を特定する。そして、配信サーバ30は、特定したデータ識別情報に対応する配信データを選択する。この抽選は、公知の方法で実現可能である。レアリティは、テーブル又はリストの形式で、記憶されていてもよく、配信データにレアリティが含められていてもよい。
【0037】
また、抽選によって一度当たった配信データは、次の抽選の対象から除外されるように抽選を複数回実行してもよい。これにより、配信データの数と同じ回数の抽選を実行すれば、全ての配信データが当選する。そのため、複数回の抽選を行えば、必ず所望の配信データが選択される。これにより、レアリティが高く当選確率が低い配信データであっても、所定条件を満たせば必ず当選する。そのため、視聴ユーザによるユーザ操作のモチベーションを上げることができる。また、選択部133は、ユーザ識別情報に所定の属性識別情報が関連付けられでいることを条件として抽選を実行してもよい。例えば、選択部133は、視聴ユーザがVIP会員であることを示す属性識別情報が関連付けられでいる場合に、抽選を実行する。VIP会員である視聴ユーザがコメントの投稿等を行った場合、選択部133は、VIP会員用の複数の配信データからなるサブデータグループの中から抽選の実行結果として選択された配信データを選択する。
【0038】
[配信システムの制御系]
次に、
図2を参照して、視聴映像をユーザ端末の一例としての再生端末20に配信する配信システム100の制御系について説明する。
【0039】
配信サーバ30は、配信制御部31、配信記憶部32、及び不図示の通信部を備えている。配信制御部31は、配信者端末70からアップロードされたゲーム映像等の映像を配信するための各種制御を実行する。配信サーバ30による視聴映像の配信は、各ユーザに一斉に配信する形式であればよく、リアルタイムでの映像配信であるライブ配信の形式であっても、リアルタイムでなく、例えば編集された映像を配信する形式であってもよい。また、一斉に配信する形式に限らず、各ユーザの操作により個別に配信が行われるオンデマンド配信の形式であってもよい。特に、再配信時には、配信サーバ30が、オンデマンド配信の形式で配信する。
【0040】
さらに、配信制御部31は、再生端末20から視聴ユーザによるユーザ操作を受け入れると、配信データの選択及び演出データの生成を実行する。また、配信記憶部32は、配信プログラムPG2と、視聴ユーザの管理に用いられる管理用データMDとを記憶している。さらに、配信記憶部32は、配信データグループRD及び再配信データVDを含む配信用データDDを記憶している。
【0041】
配信制御部31は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。一例として、これらのプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、所定のプログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。
【0042】
配信記憶部32は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体を含んだ記憶装置である。そして、配信記憶部32は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。プロセッサは、ROM又はHDDに記憶されたプログラムに従って、種々の演算、制御、及び判断等の処理動作を実行できる。配信プログラムPG2は、配信システム100のコンピュータプログラムとして機能する。なお、配信記憶部32は、一の記憶装置に全てのデータを保持してもよいし、複数の記憶装置にデータを分散して記憶してもよい。
【0043】
また、配信制御部31には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示する不図示の表示装置が、有線接続又は無線接続されている。また、配信記憶部32には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む不図示の操作装置が、有線接続又は無線接続されている。なお、配信制御部31は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0044】
再生端末20は、再生制御部21、再生記憶部22、操作装置としての操作部23、表示装置としての表示部24、音声出力装置としてのスピーカ25、及び不図示の通信部を備えている。再生記憶部22は、再生端末20の制御プログラム(不図示)と、アプリケーションプログラムの一例である視聴映像の再生プログラム(不図示)とを記憶している。再生制御部21は、再生端末20を制御するとともに、再生プログラムを実行することによって、視聴映像及び配信データを表示部24に表示させる。また、操作部23は、マウス、キーボード、コントローラ、又はタッチパネル等の操作装置であり、視聴ユーザによるユーザ操作の入力を受け入れる。また、表示部24は、テレビ、ディスプレイ、又はタッチパネル等の表示装置であり、ユーザが視聴するゲーム映像等を含む視聴映像を表示する。操作部23及び表示部24は、タッチパネル等の表示操作部として一体的に構成されてもよい。スピーカ25は、ゲーム映像等の再生に伴い、ゲーム音声等の関連する音声を出力する。なお、操作部23、表示部24、及びスピーカ25は、再生端末20と一体であってもよく、別体であってもよい。
【0045】
配信者端末70は、端末制御部71、端末記憶部72、端末操作部73、端末表示部74、及び不図示の通信部を備えている。端末記憶部72は、配信者端末70の制御プログラムを記憶する。端末制御部71は、配信者端末70を制御するとともに、ゲーム映像等の映像のアップロードを実行する。また、端末操作部73は、マウス、キーボード、コントローラ、又はタッチパネル等の操作装置であり、配信者によるアップロード又は配信中のコメントの入力等の操作の入力を受け入れる。端末表示部74は、テレビ、ディスプレイ、又はタッチパネル等の表示装置であり、配信者が配信しているゲーム映像等を表示する。端末操作部73及び端末表示部74は、タッチパネル等の表示操作部として一体的に構成されてもよい。
【0046】
さらに配信者端末70は、不図示のスピーカ等の音声出力装置、及びマイク等の音声入力装置を備えている。また、配信者端末70は、プレイヤ等を撮影するカメラ等の撮像装置を備えていてもよい。この場合、配信者端末70は、カメラが撮影しているカメラ映像を、配信サーバ30へ随時アップロードする。代替的に、カメラは、配信者端末70とは別に設けられていてもよい。この場合、カメラは、配信者端末70にカメラ映像を送信する。なお、配信者端末70においてゲームをプレイする場合、端末制御部71は、端末記憶部72に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、ゲームの進行を制御する。
【0047】
再生制御部21及び端末制御部71は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。一例として、これらのプロセッサは、CPU、又はMPUであり、所定のプログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。なお、再生制御部21及び端末制御部71は、CD、DVD、CFカード、及びUSBメモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0048】
再生記憶部22及び端末記憶部72は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体を含んだ記憶装置である。そして、再生記憶部22及び端末記憶部72は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM、HDD及びSSD等の記憶装置を含む。プロセッサは、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行できる。なお、再生記憶部22及び端末記憶部72は、一の記憶装置に全てのデータを保持してもよいし、複数の記憶装置にデータを分散して記憶してもよい。
【0049】
[配信サーバ]
配信サーバ30の配信制御部31は、識別情報取得手段の一例としての取得部131、操作受入手段の一例としての操作受入部132、及び選択手段の一例としての選択部133を有している。また、配信制御部31は、データ配信手段の一例としての配信部134、保存手段の一例としての保存部135、及び再配信手段の一例としての再配信部136を有している。さらに、配信制御部31は、ユーザ操作に対する対価の支払いを受け入れる対価受入手段の一例である対価受入部(不図示)を有している。そして、各部は、配信制御部31のハードウェア資源と、ソフトウェア資源としての配信プログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置である。
【0050】
[取得部]
取得部131は、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段として機能する。例えば、視聴ユーザは、配信サーバ30が提供する配信サイト等のウェブページにおいてログインすることによって、ユーザ認証を受ける。このとき、再生端末20は、認証要求を配信サーバ30へ送信する。そして、配信制御部31は、公知の方法でユーザ認証を行い、取得部131は、ユーザ識別情報(例えばユーザID)、及び端末識別情報(例えばIPアドレス)を取得する。さらに、取得部131は、ユーザ識別情報と紐付けた端末識別情報を配信記憶部32に記憶させる。なお、配信記憶部32は、一時的に記憶するのみでもよいが、少なくともライブ配信中は端末識別情報を記憶している。一例として、ユーザ識別情報はユーザIDであるが、取得部131は、ユーザ識別情報として、IPアドレス又はMACアドレス等の端末識別情報を取得してもよい。
【0051】
さらに、取得部131は、端末識別情報を取得する情報取得手段として機能する。情報取得手段として機能する取得部131は、ユーザ操作が入力された再生端末20を識別する端末識別情報を再生端末20から取得して配信記憶部32に記憶させる。また、取得部131は、履歴識別情報を取得する履歴取得手段、又は属性特定情報を取得する属性取得手段として機能してもよい。履歴取得手段として機能する取得部131は、ユーザ操作を入力した視聴ユーザの操作履歴としての履歴識別情報を操作受入部132から取得する。そして、取得部131は、取得した履歴識別情報を、ユーザ識別情報と関連付けて選択部133へと受け渡す。また、属性取得手段として機能する取得部131は、属性特定情報としての属性識別情報を操作受入部132から取得する。そして、取得部131は、取得した属性識別情報を、ユーザ識別情報と関連付けて選択部133へと受け渡す。一例として、取得部131が取得する属性は、ユーザ操作の操作属性、コメントのコメント属性、又は各ユーザのユーザ属性である。そして、属性特定情報は、操作属性、コメント属性、又はユーザ属性を示している。
【0052】
例えば、操作属性は、コメントの入力又は報酬の寄付等の各ユーザ操作の種類に対応する属性である。また、報酬の寄付に対応する属性は、報酬の額又は種類に応じて属性が異なっている。例えば、操作属性を示す属性特定情報は操作識別情報であり、取得部131は、選択された報酬の種類を識別する操作識別情報を操作受入部132から取得する。さらに、操作属性は、コメント又は報酬の寄付等の対象となるプレイヤ毎に異なっていてもよい。例えば、プレイヤAに対するコメントの入力と、プレイヤAと対戦しているプレイヤBに対するコメントの入力とで、操作識別情報が異なっていてもよい。
【0053】
コメント属性は、良い、悪い、面白い、又はつまらない等のコメントの性質によって分けられた属性である。また、コメント属性を示す属性特定情報はコメント識別情報(例えばコメントID)である。操作受入部132は、コメントの内容を判断して、コメントの内容に応じたコメント識別情報を取得部131へ受け渡す。例えば、操作受入部132は、コメントに含まれる文章を解析して、「頑張れ」、「期待してる」、及び「ナイスキャッチ」等の期待又は応援を意味する文字がコメントに含まれていれば、ポジティブな性質を示すコメント識別情報を受け渡す。また、操作受入部132は、ヤジ又はバッシング等を意味する文字がコメントに含まれていれば、ネガティブな性質を示すコメント識別情報を受け渡す。そして、操作受入部132は、ポジティブ又はネガティブに分類できない文字のみがコメントに含まれていれば、ニュートラルな性質を示すコメント識別情報を受け渡す。
【0054】
さらに、操作受入部132は、プレイヤの名前等の、プレイヤを特定可能な文字がコメントに含まれていれば、プレイヤを示すコメント識別情報を取得部131へ受け渡す。代替的に、属性特定情報は、配信データを配信しないことを示していてもよい。この場合、配信サーバ30の選択部133は配信データを選択しないため、配信データが配信されない。例えば、存在しないキーワード、例えば前の試合のプレイヤの名前等がコメントに含まれていれば、コメントが無視されるべきであり、操作受入部132は、配信データを配信しないことを示すコメント識別情報を取得部131へ受け渡す。なお、取得部131は、視聴ユーザのユーザ識別情報と、ユーザ識別情報に関連付けられたコメントの内容とを関連付けてもよい。
【0055】
ユーザ属性は、性別及び年齢等の各ユーザに対応する属性である。また、ユーザ属性を示す属性特定情報は属性識別情報(例えば属性ID)であり、操作受入部132は、管理用データMDのユーザ情報UIを参照して、属性識別情報を取得部131へ受け渡す。そして、取得部131は、取得した属性識別情報をユーザ識別情報に関連付けて選択部133へ受け渡す。例えば、ユーザ情報UIは、ユーザ識別情報に関連付けられたユーザの性別又は年齢を含んでいる。操作受入部132は、ユーザ識別情報に基づいて、ユーザ識別情報に対応するユーザ情報UIとして性別又は年齢を特定する。そして、操作受入部132は、特定したユーザ情報UIに対応する属性識別情報を管理用データMDから取得する。
【0056】
さらに、操作受入部132は、ユーザ情報UIを参照して、操作履歴としての履歴識別情報(例えば履歴ID)を取得部131へ受け渡してもよい。例えば、ユーザ情報UIは、ユーザ識別情報に関連付けられた情報であって、所定期間におけるコメントの投稿回数、又は報酬のトータル寄付額等の視聴ユーザの操作の履歴に関する情報を含んでいる。操作受入部132は、ユーザ識別情報に対応するユーザ情報UIから投稿回数又はトータル寄付額を特定する。そして、操作受入部132は、特定した投稿回数又はトータル寄付額に対応する履歴識別情報を取得部131へ受け渡す。例えば、操作受入部132は、特定した投稿回数が所定回数よりも多いと判断すると、所定回数よりも多いことを示す履歴識別情報を受け渡す。また、操作受入部132は、特定した投稿回数が所定回数よりも少ないと判断すると、所定回数よりも少ないことを示す履歴識別情報を受け渡す。
【0057】
[操作受入部]
操作受入部132は、ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの再生端末20から入力されたユーザ操作を受け入れる。一例として、操作受入部132は、再生端末20のタッチパネルに表示されている画面と照らし合わせたタッチ操作位置の情報に基づいて、ユーザ操作の種類を識別する。そして、操作受入部132は、ユーザ操作の種類を識別する操作識別情報を取得部131へ受け渡す。代替的に、操作受入部132は、操作識別情報を再生端末20から取得してもよい。また、操作受入部132は、再生端末20からコメントの内容等の入力情報を取得する。さらに、操作受入部132は、ユーザによる操作として、視聴映像の再生速度の変更、映像領域のサイズ変更、及び再生の開始又は停止等の操作を受け入れることができる。一例として、視聴ユーザは、配信画面において映像領域と重ねて又は並んで配置されるアイコン等を選択することによって各操作を実行できる。
【0058】
また、操作受入部132は、ユーザ操作として特殊コマンドの入力操作を受け入れてもよい。例えば、視聴ユーザがコメント中に予め設定された特定のキーワードを入力すると、操作受入部132は、特殊コマンドに対応する操作識別情報を取得部131へ受け渡す。代替的に、操作受入部132が、コメント中に予め設定された特定のキーワードが含まれるか否かを判断してもよい。この場合、操作受入部132は、特定のキーワードが含まれると判断すると、特殊コマンドに対応する操作識別情報を取得部131へ受け渡す。そして、選択部133は、キーワードに対応した演出映像を選択し、配信部134が当該演出映像を含む演出データを再生端末20へ配信する。
【0059】
これにより、視聴ユーザに対して、特殊コマンドを探すという、宝探しのような楽しみを与えることができる。なお、他の選択条件、例えば、操作属性に対応する演出映像の選択条件と、特殊コマンドに対応する演出映像の選択条件とが重複した場合、特殊コマンドに対応する演出映像の選択条件を優先してもよい。そうすると、視聴ユーザは、突然見慣れない演出映像を見ることとなり、新鮮な気持ちを得ることができる。
【0060】
[選択部]
選択部133は、ユーザ操作に対応して、複数の配信データを含む配信データグループRD(
図3)の中から少なくとも一つの配信データを選択する。配信データは、映像、音声、画像、及びこれらの組み合わせ等である。選択部133は、複数の配信データを選択してもよく、この場合は複数の配信データが配信される。さらに、配信データグループRDは、複数の配信データからなるサブデータグループを含んでいてもよい。
【0061】
一例として、選択部133は、配信データグループRDの中から少なくとも一つの配信データをランダムに選択する。具体的には、配信記憶部32が、配信データを識別するデータ識別情報を、配信データのそれぞれに対応するように記憶している。そして、選択部133が操作識別情報等を取得部131から取得すると、選択部133は、乱数表等を用いてデータ識別情報をランダムに特定する。そして、選択部133は、特定したデータ識別情報に対応する配信データを選択する。配信部134は、選択部133が選択した配信データを、ユーザ操作が入力された再生端末20に対して配信する。
【0062】
図3に示すように、配信データグループRDは、それぞれが異なる属性に関連付けられた複数のサブデータグループを含んでいてもよい。この場合、選択部133は、属性特定情報に基づいて属性を特定し、特定した属性に関連付けられたサブデータグループの中から配信データを選択する。なお、サブデータグループ同士に関連付けられた属性は、一部が共通していてもよい。具体的に、属性は、ユーザ操作の操作属性、各ユーザのユーザ属性、又はコメントのコメント属性に基づいて分けられている。そして、サブデータグループのそれぞれは、所定の共通する属性に関連付けられた複数の配信データを含むように構成されている。例えば、
図3に示す配信データグループRDは、データID1と属性1及び3とに関連付けられた配信データ1と、データID2と属性1及び3とに関連付けられた配信データ2とを含んでいるサブデータグループG1を含む。さらに、配信データグループRDは、配信データ1及び2と、データID3と属性2及び3とに関連付けられた配信データ3とを含んでいるサブデータグループG2を含む。そして、属性1から属性3のそれぞれには、異なる属性識別情報が割り当てられている。属性が視聴ユーザのユーザ属性である場合、例えば、属性1は女性を示し、属性2は男性を示し、属性3は20代の年齢を示す。
【0063】
選択部133は、取得部131から取得した属性識別情報に基づいてユーザ属性を特定し、特定したユーザ属性、例えば性別に関連付けられたサブデータグループの中から配信データを選択する。
図3の例においては、特定した属性が女性であれば、選択部133は、サブデータグループG1の中から配信データを選択する。すなわち、サブデータグループG1に含まれる配信データ1及び配信データ2は、女性向けの画像、音声、又は映像となっている。なお、選択部133による配信データの選択は、複数の選択手法の組み合わせが可能である。例えば、選択部133は、特定したユーザ属性に基づいてサブデータグループG1を特定し、サブデータグループG1の中からランダムで配信データを選択してもよい。
【0064】
一例として、配信データグループRDのサブデータグループは、性別、年齢、居住地、出身地、出身高校、及び出身大学等の個人情報、又はVIP会員若しくは有料会員であること等の視聴ユーザの属性に応じて用意された演出映像を含んでおり、選択部133は、当該サブデータグループの中から配信データを選択する。例えば、予め登録されているプレイヤの個人情報と視聴ユーザの個人情報とで共通する属性があれば、属性識別情報は、当該共通する属性に対応する。共通する属性の例は、プレイヤと視聴ユーザとの出身大学又は出身地が同じである場合の、出身大学又は居住する県である。この場合に選択されるサブデータグループは、出身大学又は出身地に応じて用意された演出映像を含んでおり、選択部133は、当該サブデータグループの中から演出映像を選択する。なお、共通の属性は、ユーザ情報UIにおける視聴ユーザの個人情報の内の比較に必要な情報と、予め配信記憶部32に記憶されているプレイヤの個人情報の内の比較に必要な情報とを比較して判断される。例えば、プレイヤの個人情報は、プレイヤを特定する情報と関連付けて記憶されている。また、視聴ユーザの個人情報は、ユーザ識別情報と関連付けて記憶されている。
【0065】
例えば、出身地が共通する場合、プレイヤがその地方の方言を喋っている演出映像が、サブデータグループに含められる。選択部133が、このような演出映像を選択すると、当該演出映像を視聴した視聴ユーザは、プレイヤに対して親近感を得ることができる。また、視聴ユーザは、一例として、配信サービスに対して消費した消費金額の合計が所定額に達している等の条件を満たすことによって、VIP会員になることができる。他の例として、視聴ユーザは、月額会員又はプレミアム会員になっている場合に、VIP会員になることができる。VIP会員になると、当該視聴ユーザのユーザ情報UIにはVIP属性が付与される。例えば、VIP会員である視聴ユーザがコメントの投稿等をした場合、選択部133は、VIP会員向けの特別な演出映像を含むサブデータグループの中から演出映像を選択する。代替的に、特別な演出映像が一種類のみ用意されており、選択部133は、当該特別な演出映像を選択してもよい。
【0066】
属性識別情報は、プレイヤ毎、視聴ユーザの個人情報毎、又は会員の種別毎に異なっていてもよい。また、一回のユーザ操作の操作情報に複数の属性識別情報が含まれていてもよい。例えば、配信データのデータ識別情報は、プレイヤを示す属性識別情報と、個人情報を示す属性識別情報と、会員の種別を示す属性識別情報とに関連付けられていてもよい。会員の種別を示す属性識別情報は、演出映像がVIP会員用であるか否かを示す。また、プレイヤを示す属性識別情報は、演出映像がどのプレイヤに関連するのかを示す。なお、プレイヤを示す属性識別情報は、全ての演出映像に対して、それぞれのデータ識別情報に関連付けられていてよい。
【0067】
また、属性がユーザ操作の操作属性である場合、例えば、属性1はコメントの入力を示し、属性2は高額の報酬の寄付を示し、属性3は低額の報酬の寄付を示す。属性取得手段として機能する取得部131は、属性特定情報として操作識別情報を取得する。そして、取得部131は、操作識別情報を選択部133へと受け渡す。選択部133は、操作識別情報に基づいて操作属性を特定し、特定した操作属性、例えばコメントの入力に関連付けられたサブデータグループの中から配信データを選択する。
図3の例においては、特定した属性がコメントの入力であれば、選択部133は、サブデータグループG1の中から配信データを選択する。すなわち、サブデータグループG1に含まれる配信データ1及び配信データ2は、コメントの入力に対する返礼となっている。
【0068】
つまり、配信データグループRDのサブデータグループG1は、コメントの投稿等のユーザ操作の種類に応じて用意された演出映像を含んでおり、選択部133は、当該サブデータグループの中から演出映像を選択する。例えば、配信サーバ30がコメントの入力を受け付けた場合、選択部133は、コメントに対する演出映像を含むサブデータグループの中から演出映像を選択する。また、配信サーバ30が報酬の寄付を受け付けた場合、選択部133は、報酬に対する演出映像を含むサブデータグループの中から演出映像を選択する。さらに、報酬がギフトである場合、例えば、視聴ユーザが対価を支払ってギフトを購入し、当該ギフトをプレイヤに提供する場合、選択部133は、ギフトの種類に応じた演出映像を含むサブデータグループの中から演出映像を選択してもよい。また、選択部133は、報酬の金額に応じた演出映像を含むサブデータグループの中から演出映像を選択してもよい。
【0069】
さらに、属性がコメントのコメント属性である場合、例えば、属性1はポジティブな性質を示し、属性2はネガティブな性質を示し、属性3はニュートラルな性質を示す。属性取得手段として機能する取得部131は、属性特定情報としてコメント識別情報を取得する。そして、取得部131は、コメント識別情報を選択部133へと受け渡す。選択部133は、コメント識別情報に基づいてコメント属性を特定し、特定したコメント属性、例えばポジティブな性質に関連付けられたサブデータグループの中から配信データを選択する。
図3の例においては、特定した属性がポジティブな性質であれば、選択部133は、サブデータグループG1の中から配信データを選択する。すなわち、サブデータグループG1に含まれる配信データ1及び配信データ2は、ポジティブな性質のコメントに対する返礼となるような内容となっている。
【0070】
つまり、配信データグループRDのサブデータグループは、コメントの内容に応じて用意された演出映像を含んでおり、選択部133は、当該サブデータグループの中から演出映像を選択する。例えば、操作受入部132がコメントを解析した結果、期待又は応援等のポジティブな性質のコメントであると判断されれば、選択部133は、ポジティブな性質のコメントに対する演出映像を含むサブデータグループの中から演出映像を選択する。一方、ヤジ又はバッシング等のネガティブな性質のコメントであると判断されれば、選択部133は、ネガティブな性質のコメントに対する演出映像を含むサブデータグループの中から演出映像を選択する。代替的に、ネガティブな性質のコメントであると判断されれば、選択部133は、演出映像を選択しなくともよい。この場合、コメント識別情報は、配信データを配信しないことを示している情報となる。
【0071】
また、コメント属性は、特定の人物に対するコメントであることを示していてもよい。例えば、配信サーバ30においてコメントを解析した結果、人物、例えば特定のプレイヤを特定する文字が含まれる場合、操作受入部132は、当該プレイヤに対するコメントであることを示すコメント識別情報を取得部131へ受け渡す。そして、コメント識別情報を取得部131から受け取った選択部133は、当該プレイヤに関連する演出映像を含むサブデータグループの中から演出映像を選択する。なお、当該プレイヤが存在しない場合、例えば前の試合のプレイヤだった場合、操作受入部132は、配信データを配信しないことを示すコメント識別情報を取得部131へ受け渡す。そして、コメント識別情報を取得部131から受け取った選択部133は、演出映像を選択しない。
【0072】
さらに、配信データグループRDは、それぞれが異なる行動種類に関連付けられた複数のサブデータグループを含んでいてもよい。例えば、
図3に示す配信データグループRDにおいては、配信データが種類1から種類3の行動種類に関連付けられている。そして、配信データグループRDは、データID4と種類1及び2とに関連付けられた配信データ4と、データID5と種類1及び2とに関連付けられた配信データ5を含んでいるサブデータグループG3を含む。さらに、配信データグループRDは、配信データ4及び配信データ5と、データID6と種類2及び3とに関連付けられた配信データ6とを含んでいるサブデータグループG4を含む。一例として、種類1は所定期間内の投稿回数が所定回数を超えていることを示し、種類2は所定期間内の投稿回数が所定回数を超えていないことを示している。また、種類3はトータル寄付額が所定金額を超えていることを示している。そして、種類1から種類3のそれぞれには、異なる履歴識別情報が割り当てられている。
【0073】
選択部133は、取得部131から取得した属性識別情報に基づいて入力ユーザの行動種類を判断する。さらに、選択部133は、判断した行動種類に関連付けられたサブデータグループの中から配信データを選択する。
図3の例においては、特定した行動種類が所定期間内の投稿回数が所定回数を超えていることであれば、選択部133は、サブデータグループG3の中から配信データを選択する。すなわち、サブデータグループG3に含まれる配信データ4及び配信データ5は、投稿回数が多い視聴ユーザ向けの画像、音声、又は映像となっている。
【0074】
さらに、操作受入部132が特殊コマンドの入力操作を受け入れた場合、選択部133は、配信データグループRDの中から、特殊コマンドに関連付けられた配信データを選択する。具体的に、選択部133は、特殊コマンドに対応する操作識別情報を取得部131から取得すると、当該操作識別情報に基づいて操作属性を特定する。そして、選択部133は、特定した操作属性、例えば特殊コマンドの入力に関連付けられたサブデータグループの中から配信データを選択する。
【0075】
なお、配信データの選択態様には、複数の条件が設定されてもよい。例えば、視聴ユーザによる一回のコメントの投稿等が複数の選択条件に該当してもよい。この場合、選択部133は、取得部131から複数種類の属性識別情報等を受け取る。そして、任意の属性等が優先されるように、予め設定された優先順位に応じて、選択部133が配信データを選択する。
【0076】
代替的に、選択部133は、少なくとも一つの配信データを抽選によって選択してもよい。この場合、選択部133は、配信データグループRD又はサブデータグループの中から配信データを選択するために抽選を実行する。例えば、選択部133は、特定された属性又は行動種類に関連付けられたサブデータグループを母集団として選択し、サブデータグループの中から配信データを選択するために抽選を実行する。また、配信サーバ30は、抽選を行って一度当選した配信データのデータ識別情報を、ユーザ識別情報と関連付けて所定の期間に亘って記憶していてもよい。これにより、ユーザは、一度当選した配信データを、再度のユーザ操作(例えば報酬の寄付)を行わなくても繰り返し視聴できる。
【0077】
選択部133は、個別ユーザが視聴映像の視聴中に入力したユーザ操作に対応して配信データを選択する。すなわち、配信データの選択及び配信は、視聴映像の視聴中に行われるユーザ操作に対して実行される。一例として、配信部134は、配信データとコントロールデータを含む演出データを生成して、再生端末20に配信する。コントロールデータは、配信データ(例えば演出映像)の表示条件として、表示タイミング、表示位置、及び表示態様などを指定する。そして、再生端末20の再生制御部21は、コントロールデータを参照して、指定されたタイミングで、指定された位置に、指定された態様の演出映像を表示させる。一例として、表示タイミングは、視聴映像の再生開始タイミングからの経過時間で指定できる。また、再生制御部21は、コントロールデータを参照するとともに、表示条件の一部(例えば表示位置)を判断して、演出映像を表示させてもよい。
【0078】
また、選択部133は、ユーザ操作が視聴映像に対応する報酬を寄付する報酬操作である場合に、配信データを選択してもよい。そして、配信部134は、選択された配信データを、報酬操作が入力された再生端末20のみに対して配信する。これにより、配信データは、特別なユーザ操作(例えば報酬操作)を行ったときの追加コンテンツとして機能する。また、報酬操作を行った個別ユーザを除く他の視聴ユーザには配信データが配信されない。そのため、個別ユーザは、自らのみが配信データを視聴でき、目立たずに配信者を応援できる。なお、特別なユーザ操作が行われたことは、配信者端末70には通知される。そのため、配信者は、特別なユーザ操作が行われたことを認識できる。また、報酬操作として、特別なアイコンを選択する報酬操作と、他のアイコンを選択する報酬操作があり、特別なアイコンを選択する報酬操作のみが特別なユーザ操作に該当してもよい。
【0079】
また、選択部133は、配信データに加えて、共通データを選択してもよい。視聴中のユーザ操作に対して配信される共通データは、再生端末20において共通演出効果を発揮させる共通画像、共通音声、又は共通映像である。一例として、共通画像、共通音声、及び共通映像は、不特定多数の視聴ユーザに対するお礼、又は視聴ユーザが投稿したコメントの内容を示す文字列を含んでいる。そして、配信部134は、共通データとともに、共通データ(例えば共通映像)の表示タイミング、表示位置、及び表示態様などを指定するコントロールデータを複数の視聴ユーザに対して配信する。一例として、選択部133は、操作識別情報に基づいて操作属性を特定し、特定した操作属性がコメントの入力操作である場合、共通データを選択する。一方、特定した操作属性が視聴映像に対応する報酬を寄付する報酬操作である場合、選択部133は、配信データを選択する。また、再生制御部21は、コントロールデータを参照するとともに、表示条件の一部(例えば表示位置)を判断して、共通映像を表示させてもよい。
【0080】
さらに、選択部133は、履歴識別情報に基づいて、視聴ユーザが配信者のチャンネルを視聴対象として登録しているか否かを判断してもよい。選択部133は、視聴ユーザが登録していると判断した場合に、配信データを選択する。そして、配信部134は、当該視聴ユーザの再生端末20に対して配信データを配信する。これにより、チャンネルを登録している個別ユーザに対して、配信データを視聴するという、登録の動機を与えることができる。代替的に、選択部133は、操作識別情報に基づいて、視聴ユーザが配信者のチャンネルを視聴対象として登録しているか否かを判断してもよい。この場合の操作識別情報は、ユーザ操作がチャンネルを登録する操作であることを示している。
【0081】
また、選択部133は、取得部131から取得した履歴識別情報に基づいて、視聴ユーザが投稿したコメントが削除されているか否かを判断してもよい。選択部133は、視聴ユーザのコメントが削除されていると判断した場合に、配信データを選択する。そして、配信部134は、当該視聴ユーザの再生端末20に対して配信データを配信する。一例として、当該配信データは、視聴ユーザへ削除理由を説明する内容を含んでいる。これにより、コメントが削除された視聴ユーザの不満感を抑制できる。また、配信データは、視聴ユーザが投稿するコメントの内容に注意を促す内容を含んでいてもよい。これにより、望ましくないコメントが投稿された場合に、その後の投稿に対する注意を促すことができる。さらに、望ましくないコメントを投稿した個別ユーザの再生端末20にのみ配信データを配信して、他の視聴ユーザに気付かれずに注意を促すことができる。なお、コメントの削除は、配信者又は配信サーバ30のオペレータが行ってもよく、配信制御部31がコメントの内容を判断して自動的に行ってもよい。
【0082】
[配信部]
配信部134は、アップロードされたゲーム映像等の映像と配信画面とを合成した視聴映像を生成して再生端末20へ配信する。一例として、配信部134は、視聴ユーザがアクセスするウェブページを介して、ゲーム映像と配信画面とを再生端末20に表示させる。そして、視聴ユーザは、再生端末20のアプリケーションプログラムによって表示される入力欄及び操作用のアイコン等を操作してユーザ操作を入力する。代替的に、視聴ユーザは、ウェブページの配信画面に表示される入力欄及び操作用のアイコン等を操作してユーザ操作を入力してもよい。
【0083】
また、配信部134は、ユーザ操作が入力された再生端末20に対して配信データを配信する。一例として、配信部134は、ユーザ操作が入力された再生端末20を識別する端末識別情報を取得部131から取得する。そして、端末識別情報に基づいて特定された再生端末20のみへ、配信データを配信する。そのために、配信部134は、配信データとコントロールデータを含む演出データを生成して、再生端末20に配信する。一例として、再生制御部21は、コントロールデータを参照して、ユーザ操作が行われた直後に、視聴映像の一部に重畳する又は並ぶ位置に演出映像を表示させる。これによって、ユーザ操作を行った個別ユーザの再生端末20において演出映像が表示され、配信データに基づく個別演出効果が発揮される。
【0084】
なお、コントロールデータは、表示条件として、ユーザ操作が入力された再生端末20を除く他の再生端末20には、配信データを表示させないことを指定してもよい。この場合、配信部134は、複数の視聴ユーザの再生端末20にも配信データを配信できる。そして、他の再生端末20は、配信データを表示しない。例えば、再生端末20の再生制御部21は、当該再生端末20の端末識別情報に関連付けられている配信データのみを抽出して表示する。ただし、個別ユーザがユーザ操作を入力した再生端末20のみに配信することによって、他の再生端末20において、個別ユーザに対する配信データが誤って表示されてしまうことを防止できる。
【0085】
また、配信部134は、視聴映像と共に複数のユーザの各再生端末20へ共通して共通データを配信する。一例として、配信部134は、共通データとコントロールデータを含む演出データを生成して、再生端末20に配信する。コントロールデータは、共通データ(例えば共通映像)の表示条件として、表示タイミング、表示位置、及び表示態様などを指定する。そして、再生制御部21は、コントロールデータを参照して、指定されたタイミングで、指定された位置に、指定された態様の共通映像を表示させる。これによって、ユーザ操作を行った個別ユーザを含む複数のユーザの各再生端末20において共通映像が表示され、共通データに基づく共通演出効果が共通して発揮される。
【0086】
共通演出効果は、個別演出効果とは異なる態様で発揮されてもよい。すなわち、コントロールデータは、個別演出効果とは異なる態様で共通演出効果が発揮されるように表示態様等を指定する。異なる態様としては、表示に関連する、位置、変化の程度、色、明度、彩度、濃度、音声出力の有無、大きさ、及び形等の種々の態様が含まれる。一例として、再生制御部21は、演出映像と比べて目立たないように、演出映像より小さく又は演出映像より短い時間のみ、視聴映像の一部に重畳する又は並ぶ位置に共通映像を表示させる。これにより、個別演出効果が発揮される再生端末20を操作する個別ユーザに対して特別感を与えることができる。個別演出効果の他の例として、演出映像を吹き出しの中に表示させる態様、演出映像の表示領域を共通映像の表示領域とは別に設ける態様、又は演出映像を共通映像とは異なるタイミングで表示する態様等がある。なお、保存されている視聴映像の再配信のときのみ、個別演出効果とは異なる態様で共通演出効果が発揮されてもよい。また、個別演出効果と同じ態様で共通演出効果が発揮されてもよい。
【0087】
代替的に、配信部134は、配信データ(例えば演出映像)又は共通データ(例えば共通映像)と、ゲーム映像等とを合成した視聴映像を生成して再生端末20へ配信してもよい。また、配信部134は、ゲーム映像とは別に演出映像又は共通映像を配信してもよく、ゲーム映像に合成せずに演出映像又は共通映像を配信してもよい。さらに、演出映像が再生される領域は、必ずしもゲーム映像の一部と重畳していなくともよい。例えば、演出映像は、配信画面のゲーム映像の表示に影響しない位置に、ゲーム映像と並んで表示されてもよい。演出映像又は共通映像と、ゲーム映像とが別に配信される場合、再生端末20は、演出映像又は共通映像をゲーム映像とは別のタイミング(例えば、ゲーム映像再生後又は再生停止中のタイミング)に表示してもよく、ゲーム映像に演出映像を合成して表示してもよい。さらに、演出映像又は共通映像は、視聴映像の視聴開始前に予め再生端末20にダウンロードされていてもよい。この場合、配信部134は、視聴開始前に演出データを再生端末20へ送信する。そして、再生端末20は、演出データのコントロールデータに基づいて再生記憶部22に記憶されている演出映像又は共通映像を表示する。この場合も、再生端末20は、ゲーム映像と演出映像又は共通映像とを別々に表示してもよく、ゲーム映像に演出映像又は共通映像を合成して表示してもよい。
【0088】
また、再生端末20は、配信サーバ30からデータ識別情報を取得して記憶してもよい。この場合、配信記憶部32は、視聴ユーザのユーザ識別情報と関連付けて、当該視聴ユーザによるユーザ操作に応じて選択された演出映像のデータ識別情報を記憶する。そして、視聴ユーザは、再生端末20からログインすると、一度配信された演出映像をいつでも視聴できる。また、再生端末20は、データ識別情報だけを記憶してもよく、データ識別情報と共に、データ識別情報に対応する演出映像を記憶してもよい。また、一度演出映像が配信されてから一定期間は、コメントの投稿等を行わなくても、視聴ユーザがいつでも演出映像を視聴できるようにしてもよい。ただし、一度配信された演出映像の視聴可能期間中であっても、再度のユーザ操作に対して一度選択された演出映像が再選択されてもよい。これにより、視聴ユーザが短期間に多数のユーザ操作を行った場合であっても、選択される演出映像がなくなることを防止できる。
【0089】
配信データ又は共通データを視聴映像に合成する場合、配信部134は、画面生成手段としても機能する。画面生成手段は、配信記憶部32の配信用データDDに含まれる画面構成のデータ等を取得して、ゲーム映像と同時に表示される配信画面を生成する。配信画面は、画像又は映像として生成される。例えば、画面生成手段は、MPEG形式等の各種のフォーマットで配信画面を生成する。一例として、画面生成手段は、ゲーム映像に生成した配信画面を重ね合わせる。
【0090】
具体的に、画面生成手段は、アップロードされた映像の一例であるゲーム映像の映像領域を含む下レイヤーに、配信画面を含む上レイヤーを重ね合わせる。上レイヤーは、ゲーム映像の表示を邪魔しないように透明な画像として構成される。そして、上レイヤーには、コメントの表示欄等が、それぞれを表示するタイミングで表示される。例えば、コメントが投稿されると、上レイヤーに投稿されたコメントの内容が表示される。代替的に、画面生成手段は、ゲーム映像と重ならないように配信画面を生成してもよい。さらに、画面生成手段は、選択部133が配信データを選択すると、選択された配信データ、例えば、演出映像又は共通映像を含む上レイヤーを、映像領域を含む下レイヤーに重ね合わせる。これにより、演出映像又は共通映像は、ゲーム映像の一部に重畳するように表示される。代替的に、画面生成手段は、演出映像又は共通映像がゲーム映像と重ならないように配信画面を生成してもよい。
【0091】
なお、配信部134は、撮像装置の一例であるカメラ(不図示)によって撮像された関連映像をさらに取得して各再生端末20へ配信してもよい。例えば、関連映像の一例であるカメラ映像、プレイヤ映像、及び実況映像等のゲームに関連する映像を送信する送信装置と、カメラとが、ゲーム大会の会場に設置される。送信装置は、一例として、カメラ及びネットワーク50に接続可能なコンピュータ装置であり、カメラから取得した関連映像を配信サーバ30へ送信する。そして、配信サーバ30は、取得した関連映像を各再生端末20へ配信する。代替的に、撮像装置は、配信者端末70に設置されたカメラであってもよい。配信者端末70は、撮影された関連映像を配信サーバ30へ送信する。
【0092】
さらに、配信部134が配信データ又は共通データを再生端末20へ配信して、配信データ又は共通データの表示を再生端末20において選択できてもよい。例えば、視聴ユーザが表示を選択すると、再生端末20が、配信される配信データ又は共通データを表示する。一方、視聴ユーザが非表示を選択すると、再生端末20は、配信される配信データ又は共通データを表示しない。さらに、複数の選択肢の中から、表示する配信データ又は共通データを再生端末20において選択できてもよい。この場合、配信部134は、選択された配信データ又は共通データのコントロールデータを再生端末20に配信する。また、視聴映像の視聴中に、同じ配信データ又は同じ共通データが複数回表示されてもよい。この場合、配信部134は、表示の都度配信データ又は共通データを配信することに代えて、再表示の際にはコントロールデータのみを再生端末20に配信してもよい。
【0093】
[保存部]
保存部135は、配信部134によって配信された配信データを保存する。さらに保存部135は、個別ユーザが視聴している視聴映像を識別するための映像識別情報と、個別ユーザのユーザ識別情報とに関連付けて配信データを保存する。また、保存部135は、配信された視聴映像を保存する。このとき、保存部135は、視聴映像を識別するための映像識別情報と視聴映像とを関連付ける。例えば、映像識別情報は、配信者がゲーム映像等の映像をアップロードしたときに配信制御部31によって付与される。一例として、保存部135は、映像識別情報、配信データ又は共通データを含む演出データ、及び視聴映像を、再配信データVDに保存する。
【0094】
[再配信部]
再配信部136は、配信データが配信された個別ユーザに対して、個別ユーザが視聴した視聴映像を再配信する。そのために、取得部131は、視聴映像の再配信の際には、個別ユーザのユーザ識別情報を再取得する。一例として、取得部131は、個別ユーザがユーザ認証を受ける際にユーザ識別情報を再取得する。そして、再配信部136は、再配信される視聴映像の映像識別情報と個別ユーザのユーザ識別情報とに関連付けて保存されている配信データを再配信する。これにより、再配信部136は、個別ユーザのユーザ識別情報に関連付けて保存されている配信データを、再配信の際に取得されたユーザ識別情報に紐づけられた再生端末20へ送信する。そのため、再配信部136による再配信時には、個別ユーザのみに対して配信データが再配信される。また、再配信部136は、保存されている配信データとともに、映像識別情報に基づいて検索された視聴映像を再配信する。なお、当初の配信部134による配信時と異なる再生端末20からログインした場合であっても、再配信部136は、配信データの再配信を行うことができる。
【0095】
一例として、再配信部136は、ユーザ操作が入力された再生端末20を識別する端末識別情報を取得部131から取得する。そして、端末識別情報に基づいて特定された再生端末20へ、配信データを再配信する。そのために、再配信部136は、ユーザ識別情報に基づいて、配信データとコントロールデータを含む演出データを検索して、再生端末20に配信する。ここで、コントロールデータは、配信部134による配信時と同じ表示条件を指定する。また、配信データと同様に共有データが保存されている場合、再配信部136は、配信データと同様に共有データを再配信してもよい。
【0096】
再配信部136による再配信時には、ユーザ操作を行った個別ユーザのみに対して配信データが再配信される。すなわち、再配信部136は、個別ユーザではない他の視聴ユーザに対して配信データを配信しない。一方、配信部134による配信時には、他の視聴ユーザに対しても配信データが配信されてもよい。しかし、配信部134が個別ユーザのみに対して配信データが配信することによって、個別ユーザに個別演出表示による特別感を与えることができる。
【0097】
操作受入部132は、再配信部136が保存されている配信データを再配信しているときに、さらにユーザ操作を受け入れる。例えば、操作受入部132は、コメントの入力操作又は報酬操作を受け入れる。このユーザ操作に対しては、さらに配信データが選択されて配信される。これにより、再配信において、視聴ユーザにユーザ操作を行う動機を与えることができる。この場合、保存部135は、新たに配信された配信データを、再配信可能なように保存する。そして、再配信部136は、後の再配信時には新たに保存された配信データを再配信する。さらに、再配信時にユーザ操作を受け入れた場合、操作受入部132は配信者端末70に通知してもよい。配信者は、当該通知に応答して、特別な配信データを作成して、当該配信データを再配信時のユーザ操作に対する返礼として配信制御部31に配信させることができる。一例として、配信制御部31は、当該配信データのアップロードを、例えば視聴ユーザのログイン時に、再生端末20に通知する。
【0098】
これにより、新たに配信された配信データが保存され、さらに新たに保存された配信データを再配信することを繰り返すことができる。そのため、視聴ユーザは、再配信中にユーザ操作を繰り返して、所望の配信データが配信させることができる。また、ライブ配信時には、配信者からの直接の返礼又はリアクションが期待できるので、視聴ユーザが積極的に報酬操作等を行う。そのため、配信者は、ライブ配信を再配信よりも重視する傾向がある。しかし、再配信においてさらにユーザ操作を受け入れることにより、配信データによる返礼又はリアクションが期待できる。そのため、再配信においても、視聴ユーザに対して、積極的に報酬操作等を行う動機を与えることができる。
【0099】
[対価受入部]
不図示の対価受入部は、操作受入部132が報酬操作であると、ユーザ操作の種類を識別すると、対価の支払いが発生すると判断する。そして、対価受入部は、決済サーバが提供するウェブページのリンクアイコンを表示部24に表示させる。ユーザがリンクアイコンをタッチ操作すると、決済サーバが提供するウェブページが表示され、当該ウェブページを介して決済処理が行われる。また、ユーザは、金銭の他、クレジットカード若しくはデビッドカード等のカード媒体に関する情報、又は代用貨幣、仮想通貨、暗号資産、電子マネー、及びポイント等の消費媒体を消費して対価を支払うことができる。なお、対価受入部は、ユーザ操作に対する対価の支払画面を、再生端末20の表示部24に表示させてもよい。視聴ユーザは、支払画面を介して、表示された報酬の金額を選択する。そして、再生端末20は、選択されたユーザ操作を識別する固有の課金対象情報を含む決済情報を不図示の決済サーバに送信する。
【0100】
決済サーバは、課金対象情報に対応する課金対象対価を消費させる決済処理を行い、決済処理の結果を再生端末20及び配信サーバ30に送信する。決済が完了すると、再生端末20は、決済処理の結果を表示部24に表示させる。また決済が完了して対価が支払われた場合、対価受入部は、対価の支払いが完了したと判断して、支払いの完了を操作受入部132に通知する。そして、操作受入部132は、選択された報酬の種類を識別する操作識別情報を取得部131へ受け渡す。また、配信部134は、報酬に対する返礼の内容を含む配信データを再生端末20へ配信する。さらに、対価受入部は、視聴映像又は配信データの視聴に必要な対価の支払いを受け入れてもよい。
【0101】
[配信システムによる配信フロー]
図4を参照して配信システム100による配信フローについて説明する。まず、配信者は、配信者端末70を用いてゲーム映像等の映像をアップロードする。例えば、配信者は、配信者端末70から配信サーバ30へログインする。このとき、配信サーバ30は、映像のアップロード先として配信者のチャンネルを特定する。そして、配信者は、配信者端末70を用いて、カメラ映像、又はゲーム画面を記録して得られた映像等のゲーム映像を生成する。その後、配信者は、生成したゲーム映像を配信サーバ30へアップロードする。なお、ライブ配信の場合、配信者端末70は、映像の生成と、配信サーバ30へのアップロードとを並行して実行する。また、視聴ユーザが再生端末20から配信サーバ30へログインすると、配信制御部31は、公知の方法でユーザ認証を行う。そして、取得部131は、視聴ユーザのユーザ識別情報及び端末識別情報(例えばIPアドレス)を取得する。
【0102】
配信システム100は、所定の開始条件が満たされると配信処理を開始する。例えば、ライブ配信の場合、配信制御部31は、配信者端末70からゲーム映像を取得すると(S101)配信処理を開始する。そして、配信部134は、視聴映像を生成する(S102)。続いて、配信部134は視聴映像を複数の視聴ユーザの再生端末20へ配信し、配信と並行して保存部135は視聴映像を保存する(S103)。また、再生端末20は、表示部24に配信された視聴映像を表示させる。視聴映像の配信中に、視聴ユーザが再生端末20からユーザ操作(例えば報酬操作)を入力すると、操作受入部132はユーザ操作を受け入れる(S104)。なお、操作受入部132がユーザ操作を受け入れていない場合(S104でNO)、視聴映像の生成(S102)と、視聴映像の配信及び保存(S103)とが継続される。
【0103】
一方、操作受入部132がユーザ操作を受け入れると(S104でYES)、選択部133は配信データ(例えば返礼の演出映像)を選択する(S105)。一例として、選択部133は、配信データのデータ識別情報をランダムに特定する。そして、選択部133は、特定されたデータ識別情報に対応する配信データを配信データグループRDの中から選択する。また、選択部133は、属性に応じて用意された演出映像を含むサブデータグループを選択して、選択したサブデータグループの中から演出映像を選択してもよい。なお、選択部133は、上述した各選択態様に従って選択されたサブデータグループの中から配信データを選択してもよい。
【0104】
続いて、配信部134は、個別ユーザがユーザ操作を入力した再生端末20に対して、選択された配信データを含む演出データを配信し、配信と並行して保存部135は配信データを含む演出データを保存する(S106)。このとき、保存部135は、視聴映像の映像識別情報と、個別ユーザのユーザ識別情報とに関連付けて、演出データを保存する。そして、演出データが配信された再生端末20は、演出データのコントロールデータに従って、表示部24に配信データを表示させる。これにより、個別ユーザの再生端末20において、個別演出効果が発揮される。代替的に、配信部134が配信データを視聴映像に合成して配信し、当該視聴映像を保存部135が保存してもよい。この場合、コントロールデータの保存は省略することができる。さらに、選択部133は、ユーザ操作に対して共通データ(例えば共通映像)を選択してもよい。この場合、配信部134は、共通データを含む演出データを複数の視聴ユーザの再生端末20へ配信してもよい。そして、保存部135は、共通データを含む演出データを保存する。また、演出データが配信された再生端末20は、演出データのコントロールデータに従って、表示部24に共通データを表示させる。
【0105】
その後、視聴映像が最後まで再生された等の理由によって配信を終了する場合(S107でYES)、配信システム100は配信処理を終了する。一方、配信を継続する場合(S107でNO)、配信部134は、視聴映像の生成(S102)と、視聴映像の配信及び保存(S103)とを継続する。
【0106】
[配信システムによる再配信フロー]
図5を参照して配信システム100による再配信フローについて説明する。配信された視聴映像は保存されており、視聴ユーザは視聴映像を再配信によって視聴できる。なお、保存部135は、全ての視聴映像を保存してもよいが、配信者が配信者端末70を介して任意に選択した視聴映像のみを保存してもよい。また、保存部135は、視聴映像及び配信データを、ライブ配信と並行して保存している。そのため、配信部134又は再配信部136は、既に配信された部分の視聴映像を、ライブ配信中に配信又は再配信することもできる。
【0107】
視聴ユーザが再生端末20から配信サーバ30へログインすると、配信制御部31は、公知の方法でユーザ認証を行う。そして、取得部131は、視聴ユーザのユーザ識別情報及び端末識別情報を取得する。また、配信システム100は、所定の開始条件が満たされると処理を開始する。例えば、視聴ユーザは、予め任意のチャンネルを登録しており、登録しているチャンネルの中から所望の視聴映像を選択して視聴開始操作を行う。そして、配信制御部31は、再生端末20から選択された視聴映像の映像識別情報を含む視聴開始要求を受信する(S201)。そして、配信制御部31は、受信した映像識別情報に関連付けられている視聴映像を検索して、検索された視聴映像の再配信処理を開始する。
【0108】
再配信部136は、保存されていた視聴映像を再配信するとともに、当該映像識別情報と、視聴ユーザのユーザ識別情報とに関連付けられている演出データを検索して、検索された演出データを再配信する(S202)。これにより、再配信部136は、演出データに含まれる配信データを再配信する。また、再生端末20は、表示部24に視聴映像及び配信データを表示させる。これにより、再生端末20において、個別演出効果が再現される。なお、複数の配信データが検索された場合、再配信部136は、配信データを個別に配信してもよく、まとめて配信してもよい。さらに、再配信部136は、映像識別情報に関連付けられている演出データとして、共通データを含む演出データを検索して、検索された演出データを再配信してもよい。そして、再生端末20は、表示部24に視聴映像及び共通データを表示させる。これにより、再生端末20において、共通演出効果が再現される。
【0109】
また、視聴ユーザが再生端末20からユーザ操作を入力すると、操作受入部132はユーザ操作を受け入れる(S203)。なお、操作受入部132がユーザ操作を受け入れていない場合(S203でNO)、視聴映像及び配信データの再配信(S202)が継続される。一方、操作受入部132がユーザ操作を受け入れると(S203でYES)、選択部133は配信データを選択する(S204)。続いて、再配信部136は、個別ユーザがユーザ操作を入力した再生端末20に対して、選択された配信データを含む演出データを配信して(S205)、配信と並行して保存部135は演出データを保存する(S206)。これにより、再配信部136は、新たに保存された配信データを次の再配信時に再配信できる。さらに、選択部133がユーザ操作に対して共通データを選択して、配信部134が共通データを含む演出データを再生端末20へ配信してもよい。この場合、保存部135は、配信と並行して演出データを保存する。
【0110】
その後、視聴映像が最後まで再生された等の理由によって再配信を終了する場合(S206でYES)、配信システム100は再配信処理を終了する。一方、再配信を継続する場合(S206でNO)、再配信部136は、視聴映像及び配信データの再配信(S202)を継続する。
【0111】
以上、説明した配信システム100によれば、複数のユーザに対して視聴映像が配信される際に、ユーザ操作に対する演出効果を個別ユーザが視聴する場合、個別ユーザに対する再配信において、それを再現できる。すなわち、個別ユーザの再生端末20に配信された配信データが保存され、再配信時には当該再生端末20でのみ配信データによる演出効果を発揮させることができる。
【0112】
また、ユーザ操作に対する配信として再生端末20へ配信される配信データは、複数の配信データを含む配信データグループRDの中から選択されてもよい。これにより、視聴ユーザによるユーザ操作に対して、複数の配信データの中から選択された配信データを配信して、視聴ユーザの満足度を高めることができる。すなわち、配信データによる演出効果が定型リアクションに限定されないため、視聴ユーザの興味を惹いて、視聴ユーザの満足度を高めることができる。
【0113】
代替的に、配信システム100は、報酬操作等のユーザ操作を行っていない他の視聴ユーザの再生端末20へも配信データを配信してもよい。この場合であっても、配信システム100は、ユーザ操作を行った個別ユーザが再配信される視聴液像を視聴する際にのみ、配信データによる演出効果を発揮させる。例えば、再配信部136は、個別ユーザの再生端末20に対してのみ配信データを再配信する。その結果、他の視聴ユーザが再配信される視聴液像を視聴する際には、配信データによる演出効果が発揮されない。
【0114】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0115】
例えば、配信データの少なくとも一部は、予め用意されていなくてもよい。一例として、配信データを生成する必要が生じるタイミングで、配信データが自動的に生成されてもよい。さらに、配信データは、ユーザ操作が行われた後に、配信者が作成してもよい。また、配信者が配信者端末70を介して、配信部134が配信する配信データを選択してもよい。例えば、操作受入部132が報酬操作を受け入れると、配信制御部31はその旨を配信者端末70へ通知する。そして、通知を確認した配信者は、予め作成していた配信データを選択するか、又はコメント等の配信データを作成する。そして、配信部134は、配信者によって選択又は作成された配信データを配信する。この場合、選択部133が省略されてもよい。そして、この場合であっても、配信システム100は、ユーザ操作を行った個別ユーザが再配信される視聴液像を視聴する際にのみ、配信データによる演出効果を発揮させる。また、共通データは一つのみであってもよく、配信データと同様に複数あってもよい。共通データが複数ある場合、選択部133は、配信データと同様に共通データを選択できる。
【0116】
以下、上述した各実施形態及び各変形例から導き出される各種の態様を記載する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0117】
視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末20に配信する配信システム100は、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段131と、前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れる操作受入手段132と、前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信するデータ配信手段134と、配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存する保存手段135と、前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信する再配信手段136とを備え、前記識別情報取得手段は、前記視聴映像の再配信の際には前記ユーザ識別情報を再取得し、前記再配信手段は、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する。
【0118】
コンピュータ31を備え、視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末20に配信する配信システム100のコンピュータプログラムPG2は、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段131と、前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れる操作受入手段132と、前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信するデータ配信手段134と、配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存する保存手段135と、前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信する再配信手段136として機能させ、前記識別情報取得手段は、前記視聴映像の再配信の際には前記ユーザ識別情報を再取得し、前記再配信手段は、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する。
【0119】
視聴映像を視聴者である複数のユーザのそれぞれのユーザ端末20に配信する配信システム100の制御方法は、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得し、前記ユーザ識別情報に基づいて識別された個別ユーザの前記ユーザ端末から入力されたユーザ操作を受け入れ、前記個別ユーザに対する配信データを、前記ユーザ操作が入力された前記ユーザ端末に対して配信し、配信された前記配信データを、前記個別ユーザが視聴している前記視聴映像を識別するための映像識別情報と、前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存し、前記個別ユーザに対して前記個別ユーザが視聴した前記視聴映像を再配信するとともに、前記視聴映像の再配信の際には、前記ユーザ識別情報を再取得して、再配信される前記視聴映像の前記映像識別情報と前記個別ユーザの前記ユーザ識別情報とに関連付けて保存されている前記配信データを再配信する。
【0120】
これにより、複数のユーザに対して視聴映像が配信される際に、ユーザ操作に対する演出効果を個別ユーザが視聴する場合、個別ユーザに対する再配信において、それを再現できる。すなわち、個別ユーザの再生端末20に配信された配信データが保存され、再配信時には当該再生端末20でのみ配信データによる演出効果を発揮させることができる。
【0121】
前記配信システム100は、前記視聴映像の視聴中に前記個別ユーザによって入力された前記ユーザ操作に対応して、複数の配信データを含む配信データグループRDの中から前記配信データを少なくとも一つ選択する選択手段133をさらに備える。また、前記保存手段135は、前記視聴映像をさらに保存し、前記再配信手段136は、前記配信データと前記視聴映像とを再配信する。これにより、個別ユーザが視聴映像を視聴している間に演出効果が発揮され、個別ユーザに対する再配信においては、個別ユーザ視聴した演出効果を再現できる。また、視聴ユーザによるユーザ操作に対して、複数の配信データの中から選択された配信データを配信して、視聴ユーザの満足度を高めることができる。
【0122】
前記ユーザ操作は、前記視聴映像に対応する報酬を寄付する報酬操作であり、前記データ配信手段134は、前記配信データを、前記報酬操作が入力された前記ユーザ端末20のみに対して配信する。これにより、配信データは、報酬操作を行ったときの追加コンテンツとして機能する。また、報酬操作を行った個別ユーザを除く他の視聴ユーザには配信データが配信されない。そのため、個別ユーザは、自らのみが配信データを視聴でき、目立たずに配信者を応援できる。
【0123】
前記操作受入手段132は、保存されている前記配信データを再配信しているときに、さらに前記ユーザ操作を受け入れる。これにより、再配信において、視聴ユーザにユーザ操作を行う動機を与えることができる。
【0124】
前記データ配信手段134は、前記視聴映像と共に前記複数のユーザの各ユーザ端末20へ共通して共通データを配信し、前記複数のユーザの各ユーザ端末において、前記共通データに基づく共通演出効果が共通して発揮されるとともに、前記個別ユーザの前記ユーザ端末においては、前記配信データに基づく個別演出効果が発揮され、前記共通演出効果は、前記個別演出効果とは異なる態様で発揮される。これにより、個別演出効果が発揮される再生端末20を操作する個別ユーザに対して特別感を与えることができる。
【符号の説明】
【0125】
20 :再生端末(ユーザ端末)
31 :配信制御部(コンピュータ)
100 :配信システム
131 :取得部(識別情報取得手段)
132 :操作受入部(操作受入手段)
133 :選択部(選択手段)
134 :配信部(データ配信手段)
135 :保存部(保存手段)
136 :再配信部(再配信手段)
PG2 :配信プログラム(コンピュータプログラム)
RD :配信データグループ