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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102165
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/69 20200101AFI20220630BHJP
【FI】
D06F33/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216732
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 登
(72)【発明者】
【氏名】鳶 幸生
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA01
3B167AA15
3B167AA32
3B167AB42
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA69
3B167BA78
3B167HA21
3B167HA32
3B167HA56
3B167JA68
3B167JA72
3B167KA18
3B167KA84
3B167LA23
3B167LC25
3B167LE01
3B167LF30
3B167LG05
(57)【要約】
【課題】洗濯槽の洗浄の必要性を最適なタイミングに報知できる洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機1は、洗濯物Qを収容して水が溜められる洗濯槽5と、洗濯槽5内の洗濯物Qを洗濯する洗濯運転を実行する制御部20とを含む。制御部20は、洗濯運転を実行する度に、所定の基準ポイントに洗濯運転毎の正又は負の状況ポイントを加算することによって洗濯運転毎の個別ポイントを算出する。制御部20は、個別ポイントを累計する。制御部20は、累計した個別ポイントの累計値が所定の閾値に到達すると、洗濯槽5の洗浄の必要性を表示操作部10によって報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容し、水が溜められる洗濯槽と、
前記洗濯槽内の洗濯物を洗濯する洗濯運転を実行する洗濯手段と、
前記洗濯手段が洗濯運転を実行する度に、所定の基準ポイントに洗濯運転毎の正又は負の状況ポイントを加算することによって洗濯運転毎の個別ポイントを算出する算出手段と、
前記個別ポイントを累計する累計手段と、
前記累計手段が累計した前記個別ポイントの累計値が所定の閾値に到達すると、前記洗濯槽の洗浄の必要性を報知する報知手段と、を含む、洗濯機。
【請求項2】
前記状況ポイントには、前記洗濯槽内の水位に関する水位ポイントがあり、
前記洗濯槽内の水位が一定である洗濯運転の水位ポイントは、前記洗濯槽内の水位が変動する洗濯運転の水位ポイントよりも高い、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記状況ポイントには、給水時に前記洗濯槽内に供給される水の種類に関する種類ポイントがあり、
給水時に前記洗濯槽内に風呂水が供給される洗濯運転の種類ポイントは、給水時に前記洗濯槽内に水道水が供給される洗濯運転の種類ポイントよりも高い、請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記状況ポイントには、洗濯運転に用いられる処理剤に関する処理剤ポイントがあり、
所定量を上回る量の処理剤が用いられる洗濯運転の処理剤ポイントは、前記所定量以下の量の処理剤が用いられる洗濯運転の処理剤ポイントよりも高い、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記洗濯槽の洗浄運転を実行する洗浄手段と、
前記報知手段による報知の後に前記洗浄手段が洗浄運転を実行すると、前記累計値を零にリセットするリセット手段と、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機では、使用に伴って洗濯機の洗濯槽が汚れるので、洗濯槽を定期的に洗浄する必要がある。従来では、洗濯後の洗濯物に目視可能な大きさのカビが付着したりカビ臭が発生したりすると、カビを不快に感じる使用者が、洗濯槽を洗浄するタイミングが到来したと判断して、洗濯機に洗濯槽の洗浄運転を実行させたり、クリーナを洗濯槽にかけたりするなどによって、洗濯槽を洗浄する。または、使用者は、洗濯槽の汚れ具合とは関係なく、洗濯運転の回数に応じて定期的に洗濯槽を洗浄することもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
洗濯槽内のカビは、洗濯運転後に残った洗剤や汚れによるバイオフィルムを栄養として発生する。バイオフィルムは、様々な原因に応じて増加し、カビもバイオフィルムの増加に応じて増殖する。この原因は、使用者による洗濯運転毎の洗濯機の使用状況に応じて異なるので、洗濯槽を洗浄すべきタイミングも使用者毎に異なる。
【0004】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、洗濯槽の洗浄の必要性を最適なタイミングに報知できる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、洗濯物を収容し、水が溜められる洗濯槽と、前記洗濯槽内の洗濯物を洗濯する洗濯運転を実行する洗濯手段と、前記洗濯手段が洗濯運転を実行する度に、所定の基準ポイントに洗濯運転毎の正又は負の状況ポイントを加算することによって洗濯運転毎の個別ポイントを算出する算出手段と、前記個別ポイントを累計する累計手段と、前記累計手段が累計した前記個別ポイントの累計値が所定の閾値に到達すると、前記洗濯槽の洗浄の必要性を報知する報知手段と、を含む、洗濯機である。
【0006】
また、本発明は、前記状況ポイントには、前記洗濯槽内の水位に関する水位ポイントがあり、前記洗濯槽内の水位が一定である洗濯運転の水位ポイントが、前記洗濯槽内の水位が変動する洗濯運転の水位ポイントよりも高いことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記状況ポイントには、給水時に前記洗濯槽内に供給される水の種類に関する種類ポイントがあり、給水時に前記洗濯槽内に風呂水が供給される洗濯運転の種類ポイントが、給水時に前記洗濯槽内に水道水が供給される洗濯運転の種類ポイントよりも高いことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記状況ポイントには、洗濯運転に用いられる処理剤に関する処理剤ポイントがあり、所定量を上回る量の処理剤が用いられる洗濯運転の処理剤ポイントが、前記所定量以下の量の処理剤が用いられる洗濯運転の処理剤ポイントよりも高いことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記洗濯機が、前記洗濯槽の洗浄運転を実行する洗浄手段と、前記報知手段による報知の後に前記洗浄手段が洗浄運転を実行すると、前記累計値を零にリセットするリセット手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、洗濯機では、洗濯運転の度に、そのときの洗濯機の使用状況を表わす状況ポイントが基準ポイントに加算されることによって個別ポイントが算出される。このような個別ポイントの累計値は、使用者の個別の使用状況に応じて汚れが進む洗濯槽の汚れ具合を的確に示す。累計値が閾値に到達すると、洗濯槽を洗浄するのに最適なタイミングになったので、洗濯機は、このタイミングに洗濯槽の洗浄の必要性を使用者に報知できる。
【0011】
また、本発明によれば、状況ポイントの一例である水位ポイントは、洗濯槽内の水位が一定であることによりカビが発生しやすい洗濯運転では高く、洗濯槽内の水位が変動することによりカビが発生しにくい洗濯運転では低い。このような水位ポイントが加算されることによって算出された個別ポイントは、洗濯運転毎の洗濯槽内の水位に起因した洗濯槽の汚れ具合を的確に示す。そのため、個別ポイントの累計値が閾値に到達すると、洗濯機は、洗濯槽内の水位に起因して汚れた洗濯槽の洗浄の必要性を最適なタイミングに使用者に報知できる。
【0012】
また、本発明によれば、状況ポイントの一例である種類ポイントは、給水時に洗濯槽内に風呂水が供給されることによりカビが発生しやすい洗濯運転では高く、給水時に洗濯槽内に水道水が供給されることによりカビが発生しにくい洗濯運転では低い。このような種類ポイントが加算されることによって算出された個別ポイントは、洗濯運転毎の給水時の水の種類に起因した洗濯槽の汚れ具合を的確に示す。そのため、個別ポイントの累計値が閾値に到達すると、洗濯機は、給水時の水の種類に起因して汚れた洗濯槽の洗浄の必要性を最適なタイミングに使用者に報知できる。
【0013】
また、本発明によれば、状況ポイントの一例である処理剤ポイントは、洗剤や柔軟剤などの処理剤が多量に用いられることによりカビが発生しやすい洗濯運転では高く、少量の処理剤が用いられることによりカビが発生しにくい洗濯運転では低い。このような処理剤ポイントが加算されることによって算出された個別ポイントは、洗濯運転毎の処理剤の量に起因した洗濯槽の汚れ具合を的確に示す。そのため、個別ポイントの累計値が閾値に到達すると、洗濯機は、用いられる処理剤の量に起因して汚れた洗濯槽の洗浄の必要性を最適なタイミングに使用者に報知できる。
【0014】
また、本発明によれば、洗濯機では、洗濯槽の洗浄の必要性が報知された後に洗濯槽の洗浄運転が実行されると、個別ポイントの累計値が零にリセットされる。これにより、洗濯機は、次回の洗濯槽の洗浄の必要性も最適なタイミングに報知するために、個別ポイントを新たに累計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の一実施形態に係る洗濯機の模式的な縦断面右側面図である。
図2】洗濯機の電気的構成を示すブロック図である。
図3】洗濯機の洗濯槽内の水位に起因する洗濯槽内のカビレベルと、洗濯運転の回数との関係を表わすグラフである。
図4】洗濯槽に供給される水の種類に起因する洗濯槽内のカビレベルと、洗濯運転の回数との関係を表わすグラフである。
図5】洗濯槽に供給される洗剤の量に起因する洗濯槽内のカビレベルと、洗濯運転の回数との関係を表わすグラフである。
図6】洗濯槽に供給される柔軟剤の有無に起因する洗濯槽内のカビレベルと、洗濯運転の回数との関係を表わすグラフである。
図7】洗濯運転におけるすすぎ方式に起因する洗濯槽内のカビレベルと、洗濯運転の回数との関係を表わすグラフである。
図8】洗濯運転後の洗濯槽の扉の開閉に起因する洗濯槽内のカビレベルと、洗濯運転の回数との関係を表わすグラフである。
図9】洗濯槽に供給される洗剤の種類に起因する洗濯槽内のカビレベルと、洗濯運転の回数との関係を表わすグラフである。
図10】洗濯槽の洗浄後の経過時間と、洗濯槽内のカビレベルとの関係を表わすグラフである。
図11】温度と湿度と洗濯槽内のカビレベルとの関係を表わす図である。
図12】洗濯運転毎に算出される個別ポイントの累計値と、洗濯運転の回数との関係を表わすグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る洗濯機1の模式的な縦断面右側面図である。図1における上下方向を洗濯機1の上下方向Zという。上下方向Zのうち、上側を上側Z1といい、下側を下側Z2という。
【0017】
洗濯機1には、縦型洗濯機や、ドラム式洗濯機や、二槽式洗濯機も含まれるが、以下では、乾燥機能が省略されて洗濯運転だけを実行する縦型洗濯機を例に取って洗濯機1について説明する。洗濯機1は、その外郭をなす筐体2と、筐体2内に配置された外槽3及び内槽4によって構成された洗濯槽5と、内槽4内に収容された回転翼6と、内槽4や回転翼6を回転させるトルクを発生する電動のモータ7と、モータ7が発生したトルクの伝達先を切り替える伝達機構8とを含む。
【0018】
筐体2は、例えば金属製であり、ボックス状に形成される。筐体2の上面2Aには、筐体2の内外を連通させる開口2Bが形成される。上面2Aには、開口2Bを開閉する扉9が設けられる。上面2Aにおいて、例えば開口2Bよりも前側Y1の領域には、タッチパネルなどで構成された表示操作部10が設けられる。表示操作部は、液晶パネルなどの表示部と、スイッチやボタンなどの操作部とに分かれて構成されてもよい。
【0019】
外槽3は、上端に開口3Aが形成された有底円筒状に形成される。開口3Aは、筐体2の開口2Bの真下に配置される。外槽3内には、水が溜められる。外槽3には、排水路11が下側Z2から接続され、外槽3内の水は、排水路11から機外に排出される。排水路11の途中には、排水を開始したり停止したりするために開閉される排水弁12が設けられる。
【0020】
内槽4は、上下方向Zに延びる中心軸Jを有し、外槽3よりも一回り小さい有底円筒状に形成され、内部に洗濯物Qを収容することができる。内槽4の上端には、出入口4Aが形成される。出入口4Aは、外槽3の開口3Aと筐体2の開口2Bとに下側Z2から連通した状態にある。洗濯機1の使用者は、扉9を開いて開口2B、開口3A及び出入口4Aを開放し、内槽4に対して洗濯物Qを出し入れする。
【0021】
内槽4は、外槽3内に同軸上で収容され、上下方向Zに沿って、つまり縦に配置される。外槽3内に収容された状態の内槽4は、中心軸Jまわりに回転可能である。内槽4には、図示しない貫通穴が複数形成され、外槽3内の水は、当該貫通穴を介して、外槽3と内槽4との間で行き来できる。内槽4の底壁には、中心軸Jに沿って下側Z2へ延び出て外槽3の底壁を貫通した管状の支持軸13が設けられる。
【0022】
回転翼6は、いわゆるパルセータであり、中心軸Jを円中心とする円盤状に形成され、内槽4の底壁上に配置される。回転翼6には、その円中心から中心軸Jに沿って下側Z2へ延びる回転軸14が設けられる。回転軸14は、支持軸13の中空部分に挿通されて、回転軸14の下端部は、外槽3の底壁よりも下側Z2に位置する。
【0023】
モータ7は、上側Z1へ突出して中心軸Jを中心として回転する出力軸15を有し、内槽4の下側Z2に配置される。伝達機構8は、支持軸13及び回転軸14のそれぞれの下端部と、出力軸15の上端部との間に介在される電動のクラッチである。伝達機構8は、モータ7が出力軸15から出力するトルクを、支持軸13及び回転軸14の一方又は両方に対して選択的に伝達する。トルクが支持軸13に伝達されると内槽4が回転し、トルクが回転軸14に伝達されると回転翼6が回転する。
【0024】
外槽3及び内槽4への給水に関連して、洗濯機1は、蛇口(図示せず)からの水道水を内槽4内に供給するための給水路16と、筐体2内で給水路16に合流した風呂水供給路17とをさらに含む。給水路16の一端(図示せず)は、筐体2の外に引き出されて、蛇口に接続される。給水路16の他端は、筐体2内に配置された給水口16Aとして、内槽4の出入口4Aに上側Z1から臨む。給水路16において筐体2内に配置された部分には、開閉可能な給水弁18が設けられる。
【0025】
風呂水供給路17の一端は、筐体2の外に引き出されて浴槽内の風呂水に浸けられる。風呂水供給路17の他端は、筐体2内に配置され、給水路16において給水弁18よりも給水口16Aに近い下流部分に接続される。風呂水供給路17において筐体2の外に引き出された部分は、筐体2に対して着脱可能であってもよい。風呂水供給路17には、浴槽内の風呂水を風呂水供給路17内に吸い込んで給水路16へ送り込む風呂水ポンプ19が設けられる。
【0026】
洗濯機1は、マイコンなどによって構成された制御部20と、扉9の開閉を検出する扉センサ21と、洗濯槽5内の水位を検出する水位センサ22と、様々な情報を記憶する記憶部23とを含む(図2参照)。制御部20には、モータ7、伝達機構8、表示操作部10、排水弁12、給水弁18、風呂水ポンプ19、扉センサ21、水位センサ22及び記憶部23のそれぞれが電気的に接続される。使用者による表示操作部10の操作内容は、制御部20に入力され、制御部20は、表示操作部10の表示内容を制御する。扉センサ21及び水位センサ22のそれぞれの検出結果は、制御部20に入力される。制御部20は、記憶部23に記憶された情報を参照したり、記憶部23に新たな情報を記憶したり、記憶部23内の情報を更新したりする。
【0027】
制御部20は、モータ7、伝達機構8、排水弁12、給水弁18及び風呂水ポンプ19の動作を制御することによって洗濯槽5内の洗濯物Qを洗濯する洗濯運転を実行する。この場合の制御部20は、洗濯手段の一例として機能する。洗濯運転は、洗濯槽5の内槽4内の洗濯物Qを洗う洗い工程と、洗い工程の後に洗濯物Qをすすぐすすぎ工程と、すすぎ工程後に洗濯物Qを脱水する脱水工程とを含む。
【0028】
洗い工程では、制御部20は、まず、排水弁12を閉じた状態で給水弁18を所定時間開くことによって洗濯槽5内に給水する(図1の破線矢印を参照)。なお、制御部20は、給水時において、給水弁18を開くのでなく、風呂水ポンプ19を動作させることによって風呂水を洗濯槽5内に供給してもよい。給水の前又は後のタイミングにおいて、使用者が扉9を開いて洗剤を出入口4Aから内槽4内に投入してもよい。
【0029】
洗濯槽5内の水位が所定水位まで上昇すると、制御部20は、給水を停止した後にモータ7及び伝達機構8を制御することによって、回転翼6を回転させる。これにより、内槽4内の洗濯物Qは、撹拌されたり、洗剤によって汚れが分解されたりすることによって洗浄される。最後に、制御部20は、排水弁12を開くことによって洗濯槽5を排水する。
【0030】
すすぎ工程では、制御部20は、まず、排水弁12を閉じた状態で給水弁18を所定時間開くことによって、水道水を洗濯槽5内に溜める。給水を終えた制御部20は、モータ7及び伝達機構8を制御することによって、回転翼6を回転させる。これにより、内槽4内の洗濯物Qがすすがれる。すすぎ工程では、給水の前又は後のタイミングにおいて、使用者が扉9を開いて柔軟剤を出入口4Aから内槽4内に投入してもよい。柔軟剤は、洗濯物Qに染み渡る。最後に、制御部20は、洗濯槽5を排水する。
【0031】
脱水工程では、制御部20は、排水弁12を開いた状態でモータ7及び伝達機構8を制御することによって、内槽4を所定の脱水回転数で回転させる。これにより、内槽4内の洗濯物Qは、遠心力が作用することによって脱水される。
【0032】
洗濯運転が繰り返されることによって洗濯運転の運転回数が増加すると、洗濯槽5内には、バイオフィルムが発生して増加する。これに応じて、バイオフィルムを栄養として成長するカビも増殖する。バイオフィルムは、発生した直後では透明な膜だが、目で見える状態まで増加すると、バイオフィルムの表面の全域を覆うように黒カビが増殖する。
【0033】
図3図9の各グラフは、洗濯運転の運転回数と、カビの発生具合についての指標であるカビレベルとの関係を表わす。各グラフにおいて、横軸は、洗濯運転の運転回数を表わし、縦軸は、カビレベルを表わす。なお、運転回数の代わりの指標として、洗濯運転の運転時間を用いてもよい。カビレベルが0であるときには、洗濯槽5内には、バイオフィルムもカビもほとんど存在しない。洗濯槽5内のバイオフィルム及びカビが増殖すると、カビレベルが100へ向けて増加する。カビレベルが100であるときには、洗濯槽5内には、使用者が洗濯槽5の洗浄の必要性を認識する程度のカビが存在する。ただし、この状態では、洗濯槽5を洗浄することによって、カビもバイオフィルムも除去できる。
【0034】
制御部20は、洗濯運転を1回つまり1サイクル実行する度に、洗濯運転毎の個別ポイントTを以下の式(1)に基いて算出する。式(1)は、記憶部23に記憶される。
個別ポイントT=基準ポイントN+状況ポイントK…式(1)
式(1)において、基準ポイントNは、どの洗濯運転でも共通である所定の数値である。状況ポイントKは、洗濯運転毎の洗濯機1の使用状況を表わす正又は負の数値であって、実験などによって定められて記憶部23に記憶される。式(1)では、制御部20は、算出手段の一例として、基準ポイントNに洗濯運転毎の状況ポイントKを加算することによって個別ポイントTを算出する。つまり、制御部30は、洗濯運転毎の状況に応じて重みづけすることによって個別ポイントTを算出する。また、制御部20は、個別ポイントTを算出する度に、前回に算出した個別ポイントTに今回の個別ポイントTを加算することによって個別ポイントTを累計する。制御部20が累計した個別ポイントTの累計値を、累計値Xという。この場合の制御部20は、累計手段の一例である。
【0035】
状況ポイントKは、洗濯槽5の汚れやすさを実験結果などに基いて数値化したものであり、様々な種類がある。例えば、洗い工程には、給水後の洗濯槽5内の水位が一定であるパターンと、給水後の洗濯槽5内の水位が変動するパターンとがあり、使用者は、洗濯運転の開始前に表示操作部10を操作することによって、いずれかのパターンを選択することができる。制御部30は、給水後も排水弁12及び給水弁18のそれぞれを開閉したり風呂水ポンプ19を作動させたりすることによって、洗濯槽5内の水位を変動させる。
【0036】
図3に示すように、洗濯槽5内の水位が一定であるパターン(実線のラインを参照)では、洗濯槽5内の水位が変動するパターン(破線のラインを参照)よりも早くカビレベルが増加する。洗濯槽5内の水位が変動するパターンでは、バイオフィルムの発生を遅らせることによって、カビレベルの増殖も遅らせることができる。このような傾向を踏まえて、状況ポイントKには、洗濯槽5内の水位に関する水位ポイントK1がある。洗い工程での洗濯槽5内の水位が一定である洗濯運転の水位ポイントK1Aは、洗い工程での洗濯槽5内の水位が変動する洗濯運転の水位ポイントK1Bよりも高い。「ポイントが高い」ということはバイオフィルムが増加しやすい、つまり、カビが発生しやすいことを意味する。
【0037】
使用者が表示操作部10を操作して洗濯槽5内の水位が一定である洗濯運転を選択した場合には、制御部30は、基準ポイントNに水位ポイントK1Aを加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。使用者が表示操作部10を操作して洗濯槽5内の水位が変動する洗濯運転を選択した場合には、制御部30は、基準ポイントNに水位ポイントK1Bを加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。
【0038】
使用者は、洗濯運転の開始前に表示操作部10を操作することによって、洗い工程での給水に風呂水を用いるか否か、つまり風呂水の有無を設定することができる。風呂水無しの場合の給水時には、制御部30は、給水弁18を開くことによって水道水による給水を実行する。風呂水有りの場合の給水時には、制御部30は、風呂水ポンプ19を動作させることによって風呂水による給水を実行する。
【0039】
図4に示すように、風呂水有りの設定(実線のラインを参照)では、風呂水無しの設定(破線のラインを参照)よりもバイオフィルムが発生しやすいのでカビレベルが早く増加する。このような傾向を踏まえて、状況ポイントKには、給水時に洗濯槽5内に供給される水の種類に関する種類ポイントK2がある。給水時に洗濯槽5内に風呂水が供給される洗濯運転の種類ポイントK2Aは、給水時に洗濯槽5内に水道水が供給される洗濯運転の種類ポイントK2Bよりも高い。使用者が表示操作部10を操作して風呂水有りの洗濯運転を選択した場合には、制御部30は、基準ポイントNに種類ポイントK2Aを加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。使用者が表示操作部10を操作して風呂水無しの洗濯運転を選択した場合には、制御部30は、基準ポイントNに種類ポイントK2Bを加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。
【0040】
洗剤や柔軟剤といった処理剤の使用量に起因して、カビレベルの増加具合が変化する。例えば、図5に示すように、洗濯物Qの量に応じた規定量の洗剤が投入される洗濯運転(実線のラインを参照)を基準として、規定量より少ない洗剤が投入される洗濯運転(破線のラインを参照)ではカビレベルの増加が遅く、規定量よりも多い洗剤が投入される洗濯運転(1点鎖線のラインを参照)ではカビレベルの増加が早い。また、図6に示すように、すすぎ工程に柔軟剤が用いられない柔軟剤無しの洗濯運転(実線のラインを参照)ではカビレベルの増加が遅い。一方、すすぎ工程に柔軟剤が用いられる柔軟剤有りの洗濯運転(破線のラインを参照)でのカビレベルの増加は、柔軟剤無しの洗濯運転の場合に比べて2倍程度早い。
【0041】
このような傾向を踏まえて、状況ポイントKには、洗濯運転に用いられる処理剤に関する処理剤ポイントK3がある。所定量を上回る量の処理剤が用いられる洗濯運転の処理剤ポイントK3Aは、前記所定量以下の量の処理剤が用いられる洗濯運転の処理剤ポイントK3Bよりも高い。柔軟剤に着目すると、前記所定量は零である。使用者が表示操作部10を操作して柔軟剤有りの洗濯運転を選択した場合には、制御部30は、基準ポイントNに処理剤ポイントK3Aを加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。使用者が表示操作部10を操作して柔軟剤無しの洗濯運転を選択した場合には、制御部30は、基準ポイントNに処理剤ポイントK3Bを加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。
【0042】
洗剤に着目すると、前記所定量は、前述した規定量であり、洗濯機1には、洗剤の投入量を検出する洗剤センサが設けられる。洗剤の投入量が規定量よりも少ない場合、洗剤の投入量が規定量である場合、及び洗剤の投入量が規定量よりも多い場合のそれぞれの洗濯運転において、この順番に高くなる処理剤ポイントK3が設定され、制御部30は、洗剤の投入量に応じた処理剤ポイントK3を基準ポイントNに加算して個別ポイントTを算出する。
【0043】
すすぎ工程には、洗濯槽5内に所定水位まで水を溜めるためすすぎと、排水しながら給水する注水すすぎと、があり、使用者は、洗濯運転の開始前に表示操作部10を操作することによって、ためすすぎ及び注水すすぎのどちらかを選択することができる。制御部30は、ためすすぎでは給水後に排水弁12及び給水弁18の両方を閉じた状態にするが、注水すすぎでは給水後に排水弁12及び給水弁18の両方を開いた状態にする。
【0044】
図7に示すように、ためすすぎ(実線のラインを参照)では、注水すすぎ(破線のラインを参照)よりも早くカビレベルが増加する。逆に言えば、注水すすぎであれば、カビレベルの増加を遅らせることができる。このような傾向を踏まえて、状況ポイントKには、すすぎ方式に関するすすぎポイントK4がある。ためすすぎを行う洗濯運転のすすぎポイントK4Aは、注水すすぎを行う洗濯運転のすすぎポイントK4Bよりも高い。使用者が表示操作部10を操作してためすすぎを選択した洗濯運転については、制御部30は、基準ポイントNにすすぎポイントK4Aを加算して個別ポイントTを算出する。使用者が表示操作部10を操作して注水すすぎを選択した洗濯運転について、制御部30は、基準ポイントNにすすぎポイントK4Bを加算して個別ポイントTを算出する。
【0045】
例えば洗濯運転後の停止期間における扉9の開閉状態に起因してカビレベルの増加具合が変化する。図8に示すように、扉9が開いた状態で放置された後の洗濯運転(実線のラインを参照)ではカビレベルの増加が遅く、扉9が閉じた状態で放置された後の洗濯運転(破線のラインを参照)ではカビレベルの増加が1.5倍程度早い。このような傾向を踏まえて、状況ポイントKには、扉9の開閉状態する開閉ポイントK5がある。扉9が閉じた状態で放置された後の洗濯運転の開閉ポイントK5Aは、扉9が開いた状態で放置された後の洗濯運転の開閉ポイントK5Bよりも高い。洗濯運転の開始前の状態において扉センサ21が扉9の閉状態を検出した場合には、制御部30は、基準ポイントNに開閉ポイントK5Aを加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。洗濯運転の開始前の状態において扉センサ21が扉9の開状態を検出した場合には、制御部30は、基準ポイントNに開閉ポイントK5Bを加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。
【0046】
ちなみに、図9に示すように、洗剤が液体洗剤及び粉末洗剤のどちらでもあっても、カビレベルの増加具合は同等である。図10は、洗濯槽5を洗浄した後の経過時間とカビレベルとの関係を表わすグラフである。このグラフにおいて、横軸は、経過時間を表わし、その単位は「時間」であり、縦軸は、カビレベルを表わす。洗濯槽5を洗浄するために用いられる槽洗浄クリーナには、塩素系のものと、酸素系のものとがある。塩素系の槽洗浄クリーナを用いて洗濯槽5を洗浄した場合(破線のラインを参照)、槽洗浄クリーナの洗浄効果が早く発揮されることにより、洗濯槽5の洗浄後から24時間ほど経過すると、洗濯槽5内のカビレベルがほとんど零の状態まで低下する。一方、酸素系の槽洗浄クリーナを用いて洗濯槽5を洗浄した場合(実線のラインを参照)には、72時間経過後も、洗濯槽5内のカビレベルが零まで低下せず、黒カビが残留する。
【0047】
図11は、温度と湿度と洗濯槽5内のカビレベルとの関係を表わす図である。洗濯機1は、周囲の温度、つまり環境温度を検出する温度センサ24と、周囲の湿度、つまり環境湿度を検出する湿度センサ25とを含んでもよい(図2参照)。温度センサ24及び湿度センサ25のそれぞれの検出結果は、リアルタイムで制御部20に入力される。周囲の温度が25度以上38度以下である場合には、カビレベルは中程度である。周囲の湿度が80%以上である場合にも、カビレベルは中程度である。そして、周囲の温度が25度以上38度以下であり、かつ、周囲の湿度が80%以上である場合には、カビレベルは高く、100に近い。一方、周囲の温度が25度未満であり、かつ、周囲の湿度が80%未満である場合には、カビレベルは低く、零に近い。
【0048】
このような傾向を踏まえて、状況ポイントKには、温度や湿度に関する環境ポイントK6がある。周囲の温度が25度以上38度以下であり、かつ、周囲の湿度が80%以上である場合の環境ポイントK6Aは、周囲の温度が25度以上38度以下又は周囲の湿度が80%以上である場合の環境ポイントK6Bよりも高い。また、環境ポイントK6Bは、周囲の温度が25度未満であり、かつ、周囲の湿度が80%未満である場合の環境ポイントK6Cよりも高い。制御部30は、洗濯運転における所定のタイミングにおける温度センサ24及び湿度センサ25のそれぞれの検出結果に基いて環境ポイントK6を決定し、この環境ポイントK6を基準ポイントNに加算して、この洗濯運転についての個別ポイントTを算出する。
【0049】
以上のように、制御部20は、洗濯運転の度に、今回の洗濯運転における様々な状況ポイントKを決定して、決定後の状況ポイントKを基準ポイントNに加算して個別ポイントTを算出し、算出後の個別ポイントTを記憶部23に記憶する。この個別ポイントTは、洗濯運転毎に異なり得る個別の値である。なお、状況ポイントKは、正の値とは限らず、負の値であることもあるので、個別ポイントTが基準ポイントNよりも小さいこともあり得る。なお、状況ポイントKが零である場合があってもよい。そして、制御部20は、個別ポイントTを算出する度に、今回算出した個別ポイントTを記憶部23に記憶済の前回の個別ポイントTに加算することによって、個別ポイントTを累計し、個別ポイントTの累計値Xを記憶部23に記憶する。累計値Xは、洗濯運転が繰り返されることによって増加する。
【0050】
図12は、洗濯運転の回数と累計値Xとの関係を表わすグラフである。このグラフにおいて、横軸は、運転回数を表わし、縦軸は、個別ポイントTの累計値Xを表わす。累計値Xについての所定の閾値Yが、実験などによって予め定められて記憶部23に記憶される。閾値は、カビが発生する直前の状態、又は、カビが発生したものの十分の除去できる状態にあるとき洗濯槽5を表わす値である。本実施形態における閾値の一例は、1600ポイントである。
【0051】
使用者が、想定される普通の使い方で洗濯機1を使用した場合(図12の実線のラインを参照)には、洗濯運転の運転回数が40回程度になると、個別ポイントTの累計値Xが閾値Yに到達する。一方、使用者が、カビレベルが低くなるような最良の使い方で洗濯機1を使用した場合(図12の破線のラインを参照)には、累計値Xの増加が緩やかなので、洗濯運転の運転回数が54回程度になるまで、累計値Xが閾値Yに到達しない。しかし、使用者が、カビレベルが高くなるような最悪の使い方で洗濯機1を使用した場合(図12の1点鎖線のラインを参照)には、累計値Xの増加が早いので、洗濯運転の運転回数が30回程度になると、累計値Xが閾値Yに到達する。
【0052】
制御部20が累計した個別ポイントTの累計値Xが閾値Yに到達すると、制御部20は、表示操作部10に「槽洗浄サイン」を点滅表示するなどによって、洗濯槽5の洗浄の必要性、つまり洗濯槽5の洗浄タイミングが到来したことを、洗濯運転終了後から例えば2時間の所定期間にわたって使用者に報知する。この場合における制御部20及び表示操作部10は、報知手段の一例として機能する。なお、制御部20は、表示操作部10における表示に加えて、又は、この表示に代えて、ブザーなどを用いた音声によって、洗濯槽5の洗浄の必要性を使用者に報知してもよい。なお、このような報知機能は、洗濯機1の初期設定では有効とされ、使用者による表示操作部10の操作によって報知機能の有効又は無効を設定できてもよい。
【0053】
制御部20は、洗浄手段の一例として、洗濯槽5の洗浄運転を実行することができる。洗濯槽5の洗浄の必要性が報知された使用者が、表示操作部10を操作することによって洗浄運転の実行を命令すると、制御部20は、洗浄運転を実行する。具体的には、制御部20は、排水弁12を閉じた状態で給水弁18を所定時間開くことによって水道水を洗濯槽5内に溜める。その後、使用者が、前述した槽洗浄クリーナを洗濯槽5内に投入すると、制御部20は、槽洗浄クリーナが溶けた水が洗濯槽5内に溜まった状態をしばらく継続する。これにより、洗濯槽5内のカビやバイオフィルムが槽洗浄クリーナによって分解されて除去される。なお、制御部20は、途中で内槽4や回転翼6を回転させることによって洗濯槽5内の水を撹拌させ、これによって洗濯槽5内のカビやバイオフィルムの除去を促進してもよい。所定時間が継続すると、制御部20は、排水弁12を開いて洗濯槽5の排水を実行することによって洗浄運転を終了する。
【0054】
また、制御部20は、例えば洗浄運転を終了したタイミングにおいて記憶部23を更新し、記憶部23における個別ポイントTの累計値を零にリセットする。この場合の制御部20は、リセット手段の一例として機能する。
【0055】
以上のように、洗濯機1では、洗濯運転の度に、そのときの洗濯機1の使用状況を表わす状況ポイントKが基準ポイントNに加算されることによって個別ポイントTが算出される。このような個別ポイントTの累計値Xは、使用者の個別の使用状況に応じて汚れが進む洗濯槽5の汚れ具合を的確に示す。例えば、状況ポイントKの一例である水位ポイントK1が加算されることによって算出された個別ポイントTは、洗濯運転毎の洗濯槽5内の水位に起因した洗濯槽5の汚れ具合を的確に示す。また、状況ポイントKの一例である種類ポイントK2が加算されることによって算出された個別ポイントTは、洗濯運転毎の給水時の水の種類に起因した洗濯槽5の汚れ具合を的確に示す。状況ポイントKの一例である処理剤ポイントK3が加算されることによって算出された個別ポイントTは、洗濯運転毎の処理剤の量に起因した洗濯槽5の汚れ具合を的確に示す。
【0056】
そして、累計値Xが閾値Yに到達すると、洗濯槽5内の水位や給水時の水の種類や処理剤の量などに起因して汚れた洗濯槽5を洗浄するのに最適なタイミングになったので、洗濯機1は、このタイミングに洗濯槽5の洗浄の必要性を使用者に報知できる。そのため、バイオフィルムが発生したもののカビが大量に発生する前に早い段階において、使用者に洗濯槽5の洗浄を促すことができる。さらに、洗濯機1では、洗濯槽5の洗浄の必要性が報知された後に洗濯槽5の洗浄運転が実行されると、個別ポイントTの累計値Xが零にリセットされる。これにより、洗濯機1は、次回の洗濯槽5の洗浄の必要性も最適なタイミングに報知するために、個別ポイントTを新たに累計することができる。
【0057】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0058】
例えば、前述の実施形態では加点方式により増加する累計値Xが閾値Yまで増加した場合に洗濯槽5の洗浄の必要性が報知されるが、減点方式により減少する累計値Xが閾値Yまで減少した場合に洗濯槽5の洗浄の必要性が報知されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 洗濯機
5 洗濯槽
10 表示操作部
20 制御部
K 状況ポイント
K1 水位ポイント
K2 種類ポイント
K3 処理剤ポイント
N 基準ポイント
Q 洗濯物
T 個別ポイント
X 累計値
Y 閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12