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  • 特開-塗布部材及び塗布具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102182
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】塗布部材及び塗布具
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
A45D34/04 510A
A45D34/04 525Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020216766
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・レオナール
(72)【発明者】
【氏名】エノラ・マナック
(57)【要約】
【課題】様々な状況で化粧液を塗布することができる塗布部材及び塗布具を提供すること。
【解決手段】化粧液を収容する容器本体(3)に直接または間接的に装着され、容器本体(3)内の化粧液を塗布対象に塗布するための塗布部材(2)が設けられ、塗布部材(2)は、少なくとも1つの中央突出部(15)及び中央突出部(15)に隣接して配設されている少なくとも一対の側方突出部(16)を含む櫛歯部(17)が形成された頭部(12)を含み、中央突出部(15)の突出量が、側方突出部(16)の突出量よりも大きく、中央突出部(15)の前端部の幅が、側方突出部(16)の前端部の幅よりも大きくもしくは小さく、かつ/または、側方突出部(16)の前端部の厚さよりも大きいもしくは小さい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧液を収容する容器本体に直接または間接的に装着され、前記容器本体内の前記化粧液を塗布対象上に塗布するための塗布部材であって、
少なくとも1つの中央突出部及び前記中央突出部に隣接して配設されている少なくとも一対の側方突出部を含む櫛歯部を備えて形成されている頭部を含み、
前記中央突出部の突出量が、前記側方突出部の突出量よりも大きく、
前記中央突出部の前端部の幅が、前記側方突出部の前端部の幅よりも大きくもしくは小さく、かつ/または、前記側方突出部の前記前端部の厚さよりも大きいもしくは小さい、
塗布部材。
【請求項2】
一対の前記側方突出部の前記突出量及び前記厚さが、互いに同一である、請求項1に記載の塗布部材。
【請求項3】
前記側方突出部の前記幅及び前記厚さが、前部に向かうにしたがって漸減する、請求項1または2に記載の塗布部材。
【請求項4】
前記櫛歯部が、前記塗布部材の軸方向に沿って前方に突出している、請求項1から3のいずれか一項に記載の塗布部材。
【請求項5】
前記櫛歯部が、前記塗布部材の中心軸に関して線対称に配設されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の塗布部材。
【請求項6】
前記櫛歯部が、3つの突出部:前記中央突出部及び一対の前記側方突出部で構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の塗布部材。
【請求項7】
前記塗布部材が、前記化粧液としてのアイブロウまたはアイライナを塗布するためのものである、請求項1から6のいずれか一項に記載の塗布部材。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の塗布部材と、
化粧液を収容し、かつ前記塗布部材が直接または間接的に装着される容器本体と、
を含む、塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、アイブロウ及びアイライナなどの化粧液を塗布するための塗布部材及び塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アイブロウなどの化粧液を塗布するための塗布具として、例えば特許文献1に開示されているような塗布具が提案されている。この塗布具は、化粧液を収容する本体と、この本体内の化粧液を皮膚などの塗布対象に塗布するための塗布部材と、を含む。塗布部材の頭部には、前方に突出しておりかつ左右方向に配列されている複数の突出部を含む櫛歯部が設けられている。複数の突出部の各々の幅及び厚さが互いにほぼ等しく、それらが前方への突出量が左右方向の一側端にある突出部から左右方向の他側端にある突出部まで漸次減少する。
【0003】
塗布部材では、眉の眉頭から眉山までの部分に化粧液のラインを引く場合、塗布部材の突出部のすべてを塗布対象と接触させて塗布具を突出部の配列方向に対してほぼ垂直な方向に引くことによって、化粧液の複数のラインを同時に引く。次いで、眉山から眉尻までの部分に化粧液のラインを引く場合、塗布部材の突出部のすべてを塗布対象と接触させて塗布具を突出部の配列方向にほぼ平行な方向に引くことによって、化粧液の複数のラインを同時に引く。さらに、突出部のうちの1つを塗布対象と接触させて塗布具を引くことによって、化粧液の1本のラインを塗布対象上に引く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案登録第210581477号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近、そのような塗布具では、眉用の化粧液のラインを引く場合、より様々な状況で化粧液を塗布する必要がある。そこで、本願の発明の目的は、様々な状況で化粧液を塗布することができる塗布部材及び塗布具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するための次の手段を採用する。本発明による塗布部材は、化粧液を収容する容器本体に直接または間接的に装着され、前記容器本体内の前記化粧液を塗布対象上に塗布するための塗布部材であって、少なくとも1つの中央突出部及び前記中央突出部に隣接して配設されている少なくとも一対の側方突出部を含む櫛歯部を備えて形成されている頭部を含み、前記中央突出部の突出量が、前記側方突出部の突出量よりも大きく、前記中央突出部の前端部の幅が、前記側方突出部の前端部の幅よりも大きくもしくは小さく、かつ/または、前記側方突出部の前記前端部の厚さよりも大きいもしくは小さい。
【0007】
本発明によれば、少なくとも1つの中央突出部の突出量は少なくとも一対の側方突出部の突出量よりも大きく、かつ中央突出部の先端部の幅は側方突出部の先端部の幅及び/もしくは側方突出部の先端部の厚さよりも大きいまたは小さいので、より様々な状況で化粧液のラインを引くことが可能である。例えば、中央突出部と一対の側方突出部とを塗布対象と接触させることによって、化粧液の3本のラインを引くことができる。さらに、中央突出部と一対の側方突出部の一方とを塗布対象と接触させることによって、化粧液の2本のラインを引くことができる。この場合、側方突出部の突出量は中央突出部の突出量よりも小さいので、他方の側の突出部が塗布対象と接触しないようにすることが可能である。その上、側方突出部よりも大きく突出する中央突出部のみを塗布対象と接触させることによって、化粧液の1本の太いラインを引くことができる。さらに、一対の側方突出部のうちの一方のみを塗布対象と接触させることによって、化粧液の1本の細いラインを引くことができる。このようにして、化粧液を塗布される部分の形状に応じて、様々な状況でラインを容易に引くことができる。したがって、例えば、化粧液がアイブロウまたはアイライナである場合、より自然な外見をもたらすことができる。
【0008】
さらに、本発明による塗布部材では、一対の前記側方突出部の前記突出量及び前記厚さが、互いに同一であり得る。
本発明によれば、一対の側方突出部の突出量及び厚さを互いに等しくすることによって、一方の眉を引くために一対の側方突出部の一方を使用する場合と、他方の眉を引くために一対の側方突出部の他方を使用する場合とで、同様の方法で各眉を容易に引くことが可能である。
【0009】
さらに、本発明による塗布部材では、前記側方突出部の前記幅及び前記厚さが、前部に向かうにしたがって漸減し得る。
本発明によれば、側方突出部を用いて塗布対象上にラインを引く場合、側方突出部によって引かれるラインの太さは、側方突出部が塗布対象と接触する程度に応じて調節され得る。したがって、より様々な状況でラインを引くことが可能である。
【0010】
さらに、本発明による塗布部材では、前記櫛歯部が、前記塗布部材の軸方向に沿って前方に突出し得る。
本発明によれば、櫛歯部が前方に突出するので、別の方向に突出している櫛歯部を備えた塗布部材と比較して、当該塗布部材を備えている塗布具を使用して化粧液を塗布することがより容易になる。
【0011】
さらに、本発明による塗布部材では、前記櫛歯部が、前記塗布部材の中心軸に関して線対称に配設され得る。
本発明によれば、塗布部材が装着されている塗布具を保持する方法を大きく変えることなく、右眉のラインを引くための一の状態から左眉のラインを引くための別の状態へ、塗布部材の態勢を変えることが可能である。したがって、塗布具はより便利になる。
【0012】
さらに、本発明による塗布部材では、前記櫛歯部が、3つの突出部:前記中央突出部及び一対の前記側方突出部で構成され得る。
本発明によれば、突出部の数を3つまでに制限することによって、塗布対象と接触する突出部の数をより容易に変えることが可能であり、化粧液の3本のラインを引く状態、化粧液の2本のラインを引く状態、及び化粧液の1本のラインを引く状態の間で、塗布部材の態勢を変えることがより容易になる。
【0013】
さらに、本発明による塗布部材では、前記塗布部材が、前記化粧液としてのアイブロウまたはアイライナを塗布するためのものである。
本発明によれば、より自然な外観を眉または目元にもたらすことができる。
【0014】
さらに、本発明による塗布具は、上記塗布部材と、化粧液を収容し、かつ前記塗布部材が直接または間接的に装着される容器本体と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、前述と同じように、化粧液を塗布される部分の形状に応じて、様々な状況でラインを容易に引くことができる。したがって、例えば、化粧液がアイブロウまたはアイライナである場合、より自然な外見をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態による塗布具を示す上方からの斜視図である。
図2図1の塗布部材を示す上面図である。
図3図1の塗布部材を示す上側面図である。
図4】使用中の塗布具を示す上概略図である。
図5】使用中の塗布具を示す別の概略図である。
図6】同じく、使用中の塗布具を示す別の概略図である。
図7】同じく、使用中の塗布具を示す別の概略図である。
図8】同じく、使用中の塗布具を示す別の概略図である。
図9】同じく、使用中の塗布具を示す別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による塗布具の一実施形態を図に基づいて説明する。以下の説明で使用される図では、各要素をわかりやすくするために、各要素が相応に縮尺で製図されている。本発明による塗布具1は、図1に示すように、円柱状の塗布部材2と、円筒状の装着部材(図示せず)が塗布部材2に装着されている容器本体3と、塗布部材2を覆いかつ容器本体3に取外し可能に装着される有頂円筒状のキャップ(図示せず)と、を含む。塗布部材2、容器本体及び前記キャップは、塗布具軸に沿って配設されている。以下、塗布具軸Oに沿って前記キャップに向かう方向を前方、その反対方向は後方と称する。
【0017】
図1から図3に示す通り、塗布部材2はナイロンによって形成されており、円柱状の軸部11と、軸部11の前端部から前方に延在している頭部12と、を含む。ここで、塗布部材2の中心軸は、塗布具軸Oと一致している。軸部11の外径は、軸部11の長さに沿ってほぼ一定である。さらに、軸部の部分が容器本体3から突出しており、容器本体3から露出されている。
【0018】
頭部12は、軸部11の前端部と接続されている円柱状の狭窄部13と、狭窄部13の前端部と接続している塗布部14と、を含む。狭窄部13の外径は、狭窄部13の前後方向に中央部に向かって、狭窄部13の前端部及び後端部の各々から漸減する。さらに、狭窄部13の後端部の外径は、狭窄部13の前端部の外径よりも大きい。
【0019】
図1及び図2に示されている通り、塗布部14の左右方向の幅は、その後端部からその前端部に向かって漸減する。さらに、図3に示されている通り、上下方向の塗布部14の厚さは、その後端部からその前端部に向かって漸減する。したがって、塗布部14の上面14Aが凹面を有しており、塗布部14は、十分な可撓性を有する。その上、図1から図3に示すように、塗布部14には、塗布具方向Oに沿ってその前端部から後方に延在している一対のスリット14Bが形成されており、スリットは、左右方向に間隔を空けられている。したがって、塗布部14では、中央突出部15及び中央突出部15の両側に間隔を有して配置されている一対の側方突出部16が示されている。中央突出部15及び一対の側方突出部16は、櫛歯部17を構成する。
【0020】
中央突出部15は、側方突出部16よりも前方に延在している。さらに、中央突出部15の左右方向の幅及び上下方向の厚さは、中央突出部15の長さに沿ってほぼ一定である。中央突出部15の突出量は、0.5mmと5mmとの間であり、例えば1.5mmであることが好ましい。中央突出部15の突出量は、0.5mm未満、または5mm超であってもよい。中央突出部15の左右方向の幅は、0.5mmと4mmとの間であり、例えば0.5mmと1.5mmとの間であることが好ましい。中央突出部15の左右方向の幅は、0.5mm未満、または4mm超であってもよい。側方突出部16の左右方向の幅は、前方に向かうにしたがって漸減する。さらに、側方突出部16の上下方向の厚さは、前方に向かうにしたがって漸減する。したがって、側方突出部16は先鋭形状を有する。側方突出部16の突出量は、0.5mmと5mmとの間であり、例えば1mmであることが好ましい。側方突出部16の突出量は、0.5mm未満、または5mm超であってもよい。側方突出部16の左右方向の幅は0.5mmと4mmとの間であり、例えば0.5mmと1.5mmとの間であることが好ましい。側方突出部16の左右方向の幅は、0.5mm未満、または4mm超であってもよい。塗布部材2は、上面図において、塗布具軸Oに関して線対称の形状を有する。櫛歯部17の線対称軸と塗布具軸Oとの間の角度は、-40°と40°との間であってもよく、0°であることが好ましい。櫛歯部17の線対称軸と塗布具軸Oとの間の角度は、-40°未満、または40°超であってもよい。
【0021】
容器本体3は、液体アイブロウまたはアイライナなどの化粧液を収容する。図1に示されている通り、容器本体3は、有底円筒状のベース21と、ベース21の前端部から前方に延在する円筒状のネック22と、を含む。ベース21及びネック22は、塗布具軸Oに沿って配設されている。ネック22の内径及び外径はそれぞれ、ベース21の内径及び外径よりも小さく、ネック22とベース21とを接続する部分には、段部が形成されている。キャップは、ネック22の外側に嵌合される。
【0022】
次に、上記の構造を有する塗布具1を使用する方法を説明する。まず、図4に示すように、中央突出部15及び一対の側方突出部16の全部で3つの突出部をユーザの皮膚などの塗布対象と接触させて塗布具1の塗布部材2を矢印A1の方向に引くことによって、化粧液の3本のラインを塗布対象上に引く。これは、眉毛の眉頭から眉山までの部分を引くために使用される。矢印A1の方向が中央突出部15及び側方突出部16の配列方向に対してほぼ垂直であるが、矢印A1の方向は異なる方向とすることができる。ラインを引くための手段として、塗布部材2には、容器本体3内の化粧液が供給されている。塗布部材2に供給される化粧液は、塗布部材2の後端部から前方に導入される。さらに、図5及び図6に示すように、中央突出部15と一対の側方突出部16とを塗布対象と接触させて塗布部材2を矢印A2または矢印A3の方向に引くことによって、間隙が図4に示されている間隙よりも狭いか少なくとも部分的に互いに重なっている、化粧液の3本のラインを塗布対象上に引く。これは、眉山から眉尻までの部分を引くために使用される。矢印A1の方向が中央突出部15及び側方突出部16の配列方向に対してほぼ垂直であるが、矢印A1の方向は異なる方向とすることができる。
【0023】
その上、図7に示すように、中央突出部15と一対の側方突出部16の一方とを塗布対象と接触させて塗布部材2を矢印A4の方向に引くことによって、化粧液の2本のラインを塗布対象上に同時に引く。さらに、図8に示すように、中央突出部15のみを塗布対象と接触させて塗布部材2を矢印A5の方向に引くことによって、化粧液の1本のラインを塗布対象上に引く。その上、図9に示すように、一対の側方突出部16の一方のみを塗布対象と接触させて塗布部材2を矢印A6の方向に引くことによって、1本のラインを塗布対象上に引くことができる。側方突出部16によって引かれるラインは、中央突出部15によって引かれるラインよりも細い。
【0024】
さらに、櫛歯部17は、上面図において、塗布具軸Oに関して線対称の形状を有する。したがって、例えば、眉を描く場合、一対の側方突出部16の一方が右眉を描くために使用され、一対の側方突出部16の他方が左眉を描くために使用される。したがって、眉を描いて右眉と左眉との間のバランスを確認する場合、塗布具1の保持方法を大きく変えることなく、右眉を描く状態から左眉を描く他の状態へ円滑に変えることが可能である。このようにして、塗布部材2及び塗布具1は、化粧液のラインを引くための5種類の状況を実現する。詳細には、化粧液のラインを1本だけ引く場合、太いラインを引くために中央突出部15を使用し、細いラインを引くために側方突出部16を使用する。ラインを引いた後、容器本体3のネック22上に上記キャップを装着する。上記の方法で、塗布部材2及び塗布具1を使用する。
【0025】
前述されている通り、本実施形態の塗布部材2及び塗布具1によれば、化粧液が塗布される部分の形状及びユーザからの要求に応じて、様々な状況でラインを容易に引くことができる。詳細には、中央突出部15を側方突出部16よりも前方に突出させることによって、かつその前端部における中央突出部15の幅をそれらの前端部における側方突出部16の幅及び厚さよりも大きくすることによって、中央突出部15のみを使用することによって1本の太いラインを引くことが可能であり、側方突出部16の一方のみを使用することによって1本の細いラインを引くことが可能である。したがって、例えば、化粧液がアイブロウまたはアイライナである場合、より自然な外見をもたらすことができる。さらに、一対の側方突出部16の突出量及び厚さを互いに等しくすることによって、同様の方法で眉の各々を容易に引くことが可能である。その上、塗布部材2の幅及び厚さを前方に向かうにしたがって漸減させることによって、ラインの太さは、側方突出部16が塗布対象と接触する程度に応じて調節されることが可能であり、したがって、より様々な状況でラインを引くことが可能である。その上、櫛歯部17を塗布具軸Oに関して線対称にすることによって、塗布具1を塗布具軸Oを中心として180°回転させるなどの塗布具1の取扱い方法を変えることなく右眉から左眉へ引くことを切り替えるために、塗布部材2の態勢を容易に変えることが可能である。さらに、突出部の数を3つに制限することによって、塗布対象と接触させる突出部の数をより容易に変えることが可能であり、塗布具1はより便利になる。
【0026】
本願の発明は前述の実施形態に限定されず、前述の実施形態に対する様々な修正が、本願の発明の概念から逸脱することなく、施されてもよい。例えば、上記の実施形態における塗布部材は眉用の化粧液を塗布するためのものであるが、塗布部材はアイライナなどの他の化粧液を塗布するためのものであり得る。同様に、塗布具は眉用の化粧液を収容するが、塗布具はアイライナなどの他の化粧液を収容することができる。塗布部材の形状は円柱形状に限定されず、楕円柱形状または多角柱形状などの他の形状であり得る。同様に、容器本体の形状は、有底円筒状に限定されず、有底楕円筒状または有底多角筒状などの他の形状であり得る。中央突出部の前端部の幅は、側方突出部の前端部の幅よりも大きく、側方突出部の前端部の厚さよりも小さい可能性がある、または側方突出部の前端部の幅よりも小さく、側方突出部の前端部の厚さよりも大きくてもよい。言い換えれば、中央突出部の前端部の幅は、側方突出部の前端部の幅及び厚さの少なくとも一方と異なる。中央突出部の幅及び厚さは必ずしも一定である必要がない。さらに、側方突出部の幅及び厚さも、必ずしもその後端部から前方に向かうにしたがって漸減する必要がない。中央突出部及び一対の側方突出部は塗布具軸に沿って前方に突出するが、中央突出部及び一対の側方突出部は塗布具軸以外の方向に沿って前方に突出してもよく、塗布具軸と交差する方向に突出してもよい。さらに、櫛歯部は、塗布具軸に関して線対称に配設される必要がない。塗布部材は3つの突出部すなわち中央突出部及び一対の側方突出部を有するが、塗布部材は2以上の中央突出部を含むことができ、2対以上の側方突出部を有し得る。塗布部材は装着部材によって容器本体に装着されるが、塗布部材は、装着部材なしで、容器本体に直接装着されることが可能である。塗布具は、容器本体から塗布部材へ供給される化粧液の量を調節するための弁を設けられることが可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 塗布具、2 塗布部材、3 容器本体、11 軸部、12 頭部、13 狭窄部、14 塗布部、14A 上面、14B 一対のスリット、15 中央突出部、16 一対の側方突出部、17 櫛歯部、21 ベース、22 ネック、O 塗布具軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】