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特開2022-102242パウチ容器及びその製造方法並びにこれに使用する袋体
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  • 特開-パウチ容器及びその製造方法並びにこれに使用する袋体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102242
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】パウチ容器及びその製造方法並びにこれに使用する袋体
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/38 20060101AFI20220630BHJP
   B65D 30/16 20060101ALN20220630BHJP
【FI】
B65D33/38
B65D30/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216864
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000216195
【氏名又は名称】天龍化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 仁昭
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA14
3E064AB25
3E064AD14
3E064BA22
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA30
3E064FA03
3E064GA01
3E064HM01
3E064HN06
(57)【要約】
【課題】スリムでかつ注出装置の取付けが容易なスタンディングパウチを提供する。
【解決手段】袋体1は前後のフィルム3,4と底フィルム5とを備えており、注出装置2を取り付ける前の中間段階では上向きに開口した状態に形成される。袋体1の本体部を注出装置2の固定部7と同じ程度の断面積に設定しつつ、袋体1の上部に外向き張り出し部18を形成することにより、袋体1の上部を、膨らませた状態で注出装置2の固定部7が余裕を持って挿入できる大きさに形成している。従って、スリムなスタンディングパウチを容易に製造できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋体と、その上部に取り付けられた注出装置とから成り、
前記袋体は、重なり合った状態で縁部が溶着された前後のフィルムを備えており、前記前後のフィルムの上部間に前記注出装置の下部を挟んで三者が溶着されており、
かつ、前記袋体のうち上部を除いた本体部は、その内部に前記注出装置の下部を挿入しにくいか又は挿入できない大きさになっている構成であって、
前記袋体の上部に、前記注出装置の下部を容易に挿入できるように左右方向に突出した外向き張り出し部を設けている、
パウチ容器。
【請求項2】
前記袋体は、前記前後のフィルムの下部に挟み固定された底フィルムを有しており、内容物を充填すると自立するようになっている、
請求項1に記載したパウチ容器。
【請求項3】
前記袋体は、前記外向き張り出し部を左右両側に設けてT形になっているか、又は、前記外向き張り出し部を左右の片側のみに設けて逆L形になっている、
請求項1又は2に記載したパウチ容器。
【請求項4】
前後のフィルムによって上向きに開口した状態に形成された袋体と、下部が前記袋体の内部に挿入される注出装置とを用意して、前記袋体を偏平な状態から膨らませて上部に前記注出装置の下部を挿入し、次いで、前記前後のフィルムの上部と前記注出装置の下部との三者を溶着する構成であって、
前記袋体は、その上部を除いた本体部が前記注出装置の下部を挿入しにくいか又は挿入できない大きさに形成されており、前記袋体の上部に外向き張り出し部を形成しておくことにより、当該袋体を膨らませた状態でその上部に前記注出装置の下部を挿入することを容易化している、
パウチ容器の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のうちのいずれかに記載したパウチ容器に使用する袋体であって、
その上部を除いて本体部は前記注出装置の下部を挿入しにくいか又は挿入できない大きさに形成されて、上部には、膨らませた状態で前記注出装置の下部を容易に挿入できる大きさと成す外向き張り出し部が形成されている、
パウチ容器の袋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、袋体に合成樹脂製の注出装置が取り付けて成るパウチ容器、及び、このパウチ容器を構成する袋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば液体飲料やシャンプー、ゼリー状飲料等の流体物品の包装体として、ガスバリアー性の高い積層構造のフィルムより成る袋に注出装置を取り付けたパウチ容器が多く使用されている。このパウチ容器において、注出装置は、一般に、袋体に溶着された本体とこれを塞ぐキャップとから成っており、キャップとしては一般にねじ蓋が使用されている。
【0003】
パウチ容器を構成する袋体には、前後のフィルムと底部フィルムとを有して、前後のフィルムの縁部が溶着されたタイプと、前後のフィルムの間に、V形に折り曲げられた左右のサイドフィルムを配置したガゼットタイプとがあり、前者は、内容物を充填すると底部フィルムが広がって自立するためスタンディングパウチと称されている。
【0004】
スタンディングパウチでは、前後のフィルムはその縁部が溶着されているため、内容物を充填した状態では、側面視で見ると上に向けて窄まる形態になる。他方、ガゼットタイプは、内容物を充填すると、全高にわたって角形の形態が維持されている。
【0005】
いずれにしても、袋体は偏平に畳んだ状態に製造されており、注出装置を取り付けるに当たっては、袋体を膨らませてからその上部に注出装置の下部を挿入して、前後のフィルムの上部と注出装置の下部とを高周波ホーンや超音波ホーン若しくは熱盤で挟むことにより、三者を一体に溶着(接合)している。
【0006】
従って、袋体の上部は、膨らませた状態で注出装置の下部を容易に挿入できる大きさが必要であるが、これでは、スリムな形態の袋体を欲するユーザーの要求に応えることができないという問題がある。
【0007】
この点について、特許文献1には、ガゼットタイプのパウチ容器において、前後フィルムのうち片方のフィルムとサイドフィルムとの間に注出装置の下部を挿入することにより、袋体の横幅を小さくしつつ注出装置の取付けを容易にすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018-39569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1では、ガゼットタイプのパウチ容器に関して、スリム化しつつ注出装置を容易に取付けできると云えるが、ガゼットタイプは底フィルムを設けにくいため、スリムでありながら自立できるパウチ容器は実現できていなかった。そこで、前後のフィルムを溶着したタイプのパウチ容器について、注出装置の取付けを容易化しつつスリムな形態を実現できる技術が要請されていた。
【0010】
本願発明は、このような要請に応えんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は様々な構成を含んでおり、典型的な構成を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明はパウチ容器に関するもので、このパウチ容器は、
「袋体と、その上部に取り付けられた注出装置とから成り、
前記袋体は、重なり合った状態で縁部が溶着された前後のフィルムを備えており、前記前後のフィルムの上部間に前記注出装置の下部を挟んで三者が溶着されており、
かつ、前記袋体のうち上部を除いた本体部は、その内部に前記注出装置の下部を挿入しにくいか又は挿入できない大きさになっている」
という基本構成において、
「前記袋体の上部に、前記注出装置の下部を容易に挿入できるように左右方向に突出した外向き張り出し部を設けている」
という特徴を有している。
【0012】
本願発明では、方向を特定するための前後・上下・左右の文言を使用しているが、前後方向はフィルムの重ね合わせ方向であり、上下は、注出装置が取り付く側を上で、これと反対側を下としている。左右は、フィルムの重ね合わせ方向から見た左右方向である。
【0013】
請求項2の発明は請求項1を好適に具体化したもので、
「前記袋体は、前記前後のフィルムの下部に挟み固定された底フィルムを有しており、内容物を充填すると自立するようになっている」
という構成になっている。
【0014】
請求項3の発明は請求項1又は2を具体化したもので、
「前記袋体は、前記外向き張り出し部を左右両側に設けてT形になっているか、又は、前記外向き張り出し部を左右の片側のみに設けて逆L形になっている」
という構成になっている。
【0015】
請求項4の発明はパウチ容器の製法に係るもので、
「前後のフィルムによって上向きに開口した状態に形成された袋体と、下部が前記袋体の内部に挿入される注出装置とを用意して、前記袋体を偏平な状態から膨らませて上部に前記注出装置の下部を挿入し、次いで、前記前後のフィルムの上部と前記注出装置の下部との三者を溶着する」
という基本構成において、
「前記袋体は、その上部を除いた本体部が前記注出装置の下部を挿入しにくいか又は挿入できない大きさに形成されており、前記袋体の上部に外向き張り出し部を形成しておくことにより、当該袋体を膨らませた状態でその上部に前記注出装置の下部を挿入することを容易化している」
という特徴を有している。
【0016】
請求項5の発明は、パウチ容器を構成する袋体に関するもので、
「請求項1~4のうちのいずれかに記載したパウチ容器に使用する袋体であって、
その上部を除いて本体部は前記注出装置の下部を挿入しにくいか又は挿入できない大きさに形成されて、上部には、膨らませた状態で前記注出装置の下部を容易に挿入できる大きさと成す外向き張り出し部が形成されている」
という構成になっている。
【0017】
本願発明においては、袋体の外向き張り出し部は注出装置の取付け工程の段階において存在しておればよく、注出装置を取り付けた後に外向き張り出し部を切除してもよい。この場合は、袋体は全高に亙ってスリムな形態になるため、美観を向上できると共に包装等において手間を省くことができる。
【0018】
或いは、外向き張り出し部を表裏いずれかに折り返して、接着剤等によって折り返し状態を保持しておいてもよい。この場合も、美観を向上できると共に包装等において手間を省くことができる。また、この場合は、外向き張り出し部が補強の役割を果たすため、袋体の剛性を向上できる利点もある。
【発明の効果】
【0019】
本願発明では、袋体の上部のみに外向き張り出し部を設けたことにより、前後のフィルムを直接に溶着した簡単なタイプの袋体を有するパウチ容器でありながら、袋体をスリム化しつつ注出装置を容易に取付けできる。従って、パウチ容器のバリエーションを豊富化して、ユーザーの選択枝を広げることができる。
【0020】
袋体は底フィルムを持たない形態であってもよく、この場合は、チューブ容器と同様に使用できるが、請求項2のように底フィルムを有するスタンディングパウチに適用すると、ボトルと同様の状態で使用できるため、商品価値を格段に向上できる。すなわち、スリムなボトルの代替品として、様々な内容物の包装に適用できる。
【0021】
外向き張り出し部は左右両側に設けてもよいし、左右のうち片側のみに設けてもよい。外向き張り出し部を片側のみに設ける場合は、注出装置は袋体の軸心からずらして配置することができる。このように形態の自由性が高い点も、本願発明の特徴の一つである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態を示す図で、(A)は全体の分離正面図、(B)(C)は注出装置の取付け手順を示す部分図である。
図2】(A)は図1(C)のIIA-IIA 視平断面図、(B)は充填後の正面図、(C)は第2実施形態の部分破断正面図、(C)は第3実施形態の部分破断正面図である。
図3】(A)は第4実施形態の正面図、(B)は第5実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(1).第1実施形態の構造
まず、図1,2(A)(B)に示す第1実施形態を説明する。パウチ容器は、積層フィルムから成る袋体1と、袋体1の上端部に取り付けられた注出装置2とで構成されている。
【0024】
袋体1は正面視で上下長手の略四角形に形成されており、注出装置2は袋体1の上部の左右中間部に取り付けられている。袋体1は、前後のフィルム3,4と底フィルム5との3枚のフィルムから成っており、内容物を充填すると底フィルム5が水平状に広がる。従って、本実施形態のパウチ容器は、テーブル等の平坦面上に自立できるスタンディングパウチである。
【0025】
底フィルム5は、折り目を上にして2つ折りされた状態で前後のフィルム3,4の下部に挟まれており、底フィルム5の左右側部と前後のフィルム3,4の左右側部との三者が一体に溶着されると共に、左右側部の間では、袋体1はそれぞれ前後のフィルム3,4に溶着されている。
【0026】
図では、前後のフィルム3,4同士の溶着エリアは右上がりの平行斜線で表示して、底フィルム5と前後のフィルム3,4との溶着エリアは左下がりの平行斜線で表示している。平行斜線がクロスして網かけ状態になっているエリアは、前後のフィルム3,4と底フィルム5との三者が一体に溶着されているエリアである。図(C)のようにドット表示しているエリアは、前フィルム3を剥がした状態での溶着箇所である。
【0027】
注出装置2は、筒状の本体6とこれに装着されたキャップ(ねじ蓋)7とで構成されており、本体6は、袋体1が溶着される固定部8(注出装置2の下部)と、固定部8の上方に位置して露出する円筒部9とを有しており、円筒部9の下端に上フランジ10を設けている一方、固定部8の上端には下フランジ11を設けており、上下フランジ10,11の間の部位は平断面四角形のガイド筒部12になっている。
【0028】
図2(A)に示すように、固定部8は底面視で目玉形になっており、上下のフランジ10,11はそれぞれ平面視でやや左右横長の8角形になっている。なお、上下フランジ10,11は、充填工程や運搬工程で使用するもので、平行に配置された一対の板状シュート(リブ)に上下フランジ10,11の間の溝を嵌め込むことにより、パウチ容器を回転不能でスライド自在に保持できる。本体6の円筒部9には、キャップ7がねじ込まれる雄ねじ13を形成している。
【0029】
図1(B)に示すように、キャップ7の下端には、複数本のブリッジ14を介してピルファープルーフリング15が連結されている。他方、注出装置2における本体6の円筒部9には、キャップをねじ込み切った状態でピルファープルーフリング15を上向き移動不能に保持する環状リブ16と、ピルファープルーフリング15を戻り回転不能に保持する突起17とが形成されている。なお、キャップ7はピルファープルーフリング15を備えていなくてもよい。
【0030】
袋体1の内部は、注出装置2の固定部8と同じ程度の大きさになっている。図1では、袋体1の内部の左右幅は、その上部を除いた本体部は注出装置2における固定部8の左右幅よりも少し大きめになっているが、袋体1は偏平な状態として表示しているが、袋体1を膨らませると、その内部は、上部を除いた本体部が注出装置2の固定部8と同じ程度の大きさになる。
【0031】
そして、袋体1の上部に、左右両側に突出した外向き張り出し部18を形成している。外向き張り出し部18は、注出装置2の固定部8が遊嵌する深さであり、かつ、図2(A)に示すように、袋体1の上部を膨らませた状態で注出装置2の固定部8がある程度の余裕を持って挿入できる程度の外向き突出寸法になっている。本実施形態では、注出装置2の取付け前の状態で、外向き張り出し部18の左右側部も溶着されている。
【0032】
注出装置2の取付けは、図2(A)に示すように、袋体1を膨らませてから注出装置2の固定部8を袋体1の上部に挿入し、次いで、前後のフィルム3,4の上部を一対のホーン又は熱盤で挟み付けるという工程で行われる。一対のホーン又は熱盤による挟み付けにより、前後のフィルム3,4が注出装置2の固定部8に接合されると共に、前後のフィルム3,4が注出装置2における固定部8の左右両側の部位において一体に接合される。
【0033】
なお、注出装置2の取付け工程を具体的に述べると、袋体1は、偏平な状態でシュートを治具に向けて間欠的に移送されており、偏平な姿勢でかつ上下長手の姿勢で治具にセットされてから、左右両側からプッシャによる押圧作用で膨らませられ、次いで上部に注出装置2の固定部8が挿入され、それから、前後一対のホーン又は熱盤による挟み付けによって袋体1と注出装置2とが接合される。
【0034】
さて、袋体1が外向き張り出し部18を備えていないストレート状であると、袋体1がスリムである場合、袋体1を膨らませてから注出装置2の固定部8を挿入するにおいて、固定部8が袋体1の開口縁に当たって挿入不能となり、結果として袋体1と注出装置2とが接合不能になってしまう事態が頻発する。
【0035】
これに対して、本実施形態では、外向き張り出し部18を設けたことにより、注出装置2の固定部8は余裕を持って袋体1の上部に挿入されるため、袋体1のうち内容物が充填される本体部が注出装置2の固定部8と同じ程度の大きさ(断面積)であったり、注出装置2の固定部8より小さかったりしても、注出装置2をトラブル無く取り付けることができる。従って、スリムな形状のスタンディングパウチを容易に提供できる。
【0036】
(2).他の実施形態
第1実施形態では、注出装置2は袋体1と略同心に配置しており、そこで、外向き張り出し部18を左右に設けていたが、図2(B)に示す第2実施形態では、注出装置2を袋体1の左右方向の片側に偏心して配置しており、これに伴って、外向き張り出し部18は左右方向の片側のみに突設している。
【0037】
この場合、点線で示すように、外向き張り出し部18を、その付け根を通る線を折り目19として折り返して、接着剤等で袋体1の本体部に固定してもよい。このように外向き張り出し部18を折り返すと、袋体1はストレート状になるため、美観において優れると共に、箱詰め等の取り扱いも容易になる。固定手段としては、両面粘着テープや溶着も採用できる。
【0038】
外向き張り出し部18を左右両側に突設した場合においても、外向き張り出し部18を前又は後ろに折り返して固定することは可能である。また、外向き張り出し部18を左右両側に設ける場合、左右外向き張り出し部18の突出寸法を異ならせることも可能である。
【0039】
図2(D)に示す第3実施形態では、袋体1は、注出装置2を取り付ける前の中間段階で、外向き張り出し部18は接合していない。この状態では、袋体1の本体部を左右から押すと上部も全体として膨れるため、注出装置2の固定部8を挿入することに支障はない。この実施形態では、外向き張り出し部18の突出寸法をできるだけ小さくしつつ、注出装置2を容易に接合できる。
【0040】
なお、この実施形態では、外向き張り出し部18を設けなくても、注出装置2の固定部8を容易に挿入することが可能になる。従って、独立した発明たり得る。瓶のように首部を有するパウチ容器は市場で見あたらないが、この実施形態を適用すると、細い首部を有するパウチ容器についても注出装置2を容易に取付けできつつ、注出装置2の取付け後は外向き張り出し部18を切除して細い首部を実現できる。
【0041】
図2(D)に一点鎖線で示すように、前後のフィルム3,4の外向き張り出し部13を溶着によって接合しつつ、その接合部の内面20を上に向けて外側に広がるように傾斜させることも可能である。このように形成すると、注出装置2の固定部7を誘い込みできるため、外向き張り出し部18の突出寸法をできるだけ小さくできる。
【0042】
図3(A)に示す第4実施形態では、袋体1の本体部は注出装置2の固定部8よりも小さい大きさに設定している。このように非常に細いパウチ容器にも適用できるのは、本願発明の大きな利点である。
【0043】
図3(B)に示す第5実施形態では、注出装置2を取り付けてから外向き張り出し部18を切除している。切除は、取付けと同時に行うことも可能であるし、取付け工程の後に別工程として行うことも可能である。この形態では、製品化された状態で外向き張り出し部18は存在しないため、美観及び取り扱いの手間の面で優れている。
【0044】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、本願発明は底フィルム5を備えていないチュープタイプのパウチ容器にも適用できる。また、注出装置2は必ずしもねじ蓋方式である必要はないのであり、ヒンジキャップ方式や、引き千切り方式なども採用できる。本願出願人が特願2019-192538号において開示したように、軸心と直交した方向から挟圧してキャップを取り外す方式も採用できる。
【0045】
外向き張り出し部の上面又は下面若しくは両方を斜め上向きに傾斜させることが可能である。従って、左右両側の張り出し部を傾斜させて、全体としてY字形に形成したり、片側だけを傾斜させて、全体としてく字形に形成したりすることが可能である。張り出し部の下面又は上面若しくは両面を下向きに傾斜させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本願発明はパウチ容器に適用できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0047】
1 袋体
2 注出装置
3,4 フィルム
5 底フィルム
6 注出装置の本体
7 キャップ(蓋)
8 注出装置の下部を構成する固定部
10,11 フランジ
18 外向き張り出し部
図1
図2
図3