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特開2022-102346セクターギア、およびそれが組み込まれたエアソフトガン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102346
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】セクターギア、およびそれが組み込まれたエアソフトガン
(51)【国際特許分類】
   F41B 11/57 20130101AFI20220630BHJP
   F41B 11/643 20130101ALI20220630BHJP
   F16H 55/17 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
F41B11/57
F41B11/643
F16H55/17 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217027
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】318009078
【氏名又は名称】石岡 大樹
(71)【出願人】
【識別番号】520513277
【氏名又は名称】ダニー ピー. ホアン
【氏名又は名称原語表記】Danny P. Huang
【住所又は居所原語表記】636 RocK Rose Ln, San Ramon, CA 94582,United States America
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(72)【発明者】
【氏名】ダニー ピー. ホアン
【テーマコード(参考)】
3J030
【Fターム(参考)】
3J030BA01
3J030BD09
3J030CA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造工程を大幅に削減することができる上、耐久強度を格段に高めることができる新たなセクターギアを提供する。
【解決手段】全周囲に亘って入力歯20,20,……が配列された全周歯車部2が設けられ、該全周歯車部2の一側に対し、該全周歯車部2の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高、および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部2の軸心4C回りに複数の出力歯32,32,……が配列された1つの出力歯帯31、および、該1つの出力歯帯31に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心側となる範囲に出力歯31が配されない1つの欠歯域帯33からなる単位歯域30が、該軸心4C回りの等角度置き毎に複数配された間欠歯車部3が一体に設けられた上、該全周歯車部2および間欠歯車部3が一個の金属塊からなるものとされたセクターギア1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全周囲に亘って入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りに沿って少なくとも1つ配された間欠歯車部が一体に設けられた上、これら全周歯車部および間欠歯車部が一個の金属塊からなるものとされたことを特徴とするセクターギア。
【請求項2】
全周囲に亘って入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの等角度置き毎に複数配された間欠歯車部が一体に設けられた上、全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から夫々同心上の回転軸が一体に突設され、これら全周歯車部、間欠歯車部および回転軸が一個の金属塊からなるものとされたことを特徴とするセクターギア。
【請求項3】
全周囲に亘って入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの等角度置き毎に複数配された間欠歯車部が一体に設けられた上、全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸が一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか一方の外側壁の、各出力歯帯の回転方向の後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内にタペットカムが一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか他方の外側壁の、該回転軸の近傍に、各出力歯帯の回転方向の前端の出力歯に相当する角度位置に、カットオフカムが一体に突設され、これら全周歯車部、間欠歯車部、回転軸、タペットカムおよびカットオフカムが一個の金属塊からなるものとされたことを特徴とするセクターギア。
【請求項4】
全周囲に亘って入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの180°置き毎に合計2つ配された間欠歯車部が、互いに重なり合うよう一体に設けられた上、全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸が一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか一方の外側壁の、2つの出力歯帯の回転方向の各後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内の夫々に、該回転軸に平行な合計2個のタペットカムが一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか他方の外側壁の、該回転軸の近傍に、2つの出力歯帯の回転方向の前端の出力歯に相当する角度位置に、合計2個のカットオフカムが該回転軸から遠心方向に一体に突設され、これら全周歯車部、間欠歯車部、回転軸、タペットカムおよびカットオフカムが一個の金属塊からなるものとされたことを特徴とするセクターギア。
【請求項5】
上部にシリンダー装着部、該シリンダー装着部の前方下部にトリガーユニット装着部、該シリンダー装着部の後方下部に駆動ギア装着部が夫々確保されたメカボックスを有し、該メカボックスのシリンダー装着部には、前方のシリンダーヘッドにシリンダーノズルが配されたシリンダーが設けられ、該シリンダーノズルの基端から駆動ギア装着部に延伸され、同シリンダーノズルと一体的に前後動自在とされたタペットプレートが設けられ、後端寄り外周壁にラックが設けられたピストンが、該シリンダーの後端開口より進退自在に挿着され、該ピストンには、前方に向けて付勢するピストンスプリングが設けられ、該トリガーユニット装着部には、トリガースイッチを有するトリガーが配され、該駆動ギア装着部には、駆動モーターからの入力を受けるスパーギア、該スパーギアからの入力を全周歯車部に受けると共に、間欠歯車部の出力を該ピストンのラックに伝える前記請求項1ないし請求項3何れか一記載のセクターギア、および、該セクターギアのカットオフカムに係合し、セレクターレバーのセーフティ、セミオートマチックまたはフルオートマチックの各ポジションに応じて、トリガースイッチを操作するカットオフレバーが設けられ、該セクターギアのタペットカムに当該タペットプレートの後端のスリッパー部が係合するよう配されてなることを特徴とする、前記請求項1ないし請求項4何れか一記載のセクターギアが組み込まれたエアソフトガン。
【請求項6】
カットオフレバーの代わりに、セクターギアのカットオフカムに接触して操作される電子スイッチを有し、該電子スイッチに連動しトリガースイッチを操作する機械的な駆動機構、または、電気的な電子制御装置の少なくとも何れか一方が設けられた電気的カットオフ機構に置き換えられた前記請求項5記載のエアソフトガン。
【請求項7】
カットオフレバーの代わりに、セクターギアのカットオフカムの回転軌道に臨むよう対をなして対峙された発光素子と受光素子とからなる光学スイッチを有し、該光学スイッチに連動し、トリガースイッチを操作する機械的な駆動機構、または、電気的な電子制御装置の少なくとも何れか一方が設けられた光学的カットオフ機構に置き換えられた前記請求項5記載のエアソフトガン。
【請求項8】
カットオフレバーの代わりに、セクターギアの外側面に設けられた凹欠部に埋設された永久磁石と、該永久磁石の回転軌道に対峙するメカボックスの内壁に固着された磁気センサとからなる電磁スイッチを有し、該電磁スイッチに連動し、トリガースイッチを操作する機械的な駆動機構、または、電気的な電子制御装置の少なくとも何れか一方が設けられた電磁的カットオフ機構に置き換えられた前記請求項5記載のエアソフトガン。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、安全な発射パワーでプラスチック弾などを発射する遊戯銃の技術に関連するものであり、特に、駆動モーターが駆動するピストンによって圧縮された空気で弾丸を発射するエアソフトガン、および、その機関部に組み込まれるセクターギアを製造、提供する分野を初め、その分野には属していないが、そこでの技術的思想の創作内容を取り入れたと同定されるような類いのものを製造、提供する分野についてまでをも含むのは勿論のこと、それらの分野に係って行う輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
電動型のエアソフトガンは、セレクターレバーがセミオートマチックのポジションに操作された場合に、トリガーが引かれると、トリガースイッチがバッテリーからの電力を駆動モーターに供給し、該駆動モーターの駆動力を受けたベベルギアおよびスパーギアに従動するセクターギアを回転し、該セクターギアの間欠歯車の出力歯帯がピストンを後退させ、続いて同間欠歯車の欠歯域帯がピストンを解放し該ピストンがピストンスプリングの付勢力を受けて前進し、シリンダー内の圧縮エアを瞬時にシリンダーノズルへ送り出し、プラスチック弾を発射し、該トリガースイッチが一発の発射毎に駆動モーターへの電力の供給を自動的に切断するものとされており、また、セレクターレバーがフルオートマチックのポジションに操作された場合には、トリガーが引き操作され続けている間に亘り、 該セクターギアが連続回転され、間欠歯車の出力歯帯と欠歯域帯とが連続的にピストンの後退と解放とを繰り返し、弾丸を1秒間に約15~20発の速度で連続発射するものとなっており、さらに、こうした発射動作に伴い、当該セクターギアの回転に連動するタペットプレートが、ピストンの前進、後退の往復動作毎に、シリンダーノズルを進退させ、インナーバレルのチャンバーに次弾を自動的に装填するという動作も行われるから、機関部の各動作部品には、高い精度と耐久性能とが求められるものとなっており、さらに、エアソフトガンに組み込むことによって連射性能をより高めることが可能となるセクターギアおよびタペットプレートなどのカスタムパーツへの市場ニーズが高まっている。
【0003】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、ピストンとシリンダーからなる一種のポンプを駆動モーターの回転によって駆動するようにし、それにより毎回圧縮エアをシリンダーノズルより噴射させ、これに同期した給弾を行なえるようにし、トリガーを引くだけで確実に弾丸を発射させることができるのであって、これらの給弾ないし発射動作が駆動モーターのー回転だけで行なわれるから、その駆動モーターの回転時間、タイミングを制御するだけで単発も連発も容易に行なえ、より小型高性能のものが得られるという効果を奏するオートマチック式エアガンが既に開発済みとされ、さらに、同特許文献1(1)には、出力歯帯および欠歯域帯を1個ずつ備えたセクターギアが開示されており、また、同特許文献1(2)に見られるような、セクターギアは主としてギア本体を含み、ギア本体にはピストンに当接する接合トーラスを有し、接合トーラスには少なくともピストンに噛み合わせて動かすための二区間の歯形アーク区間(出力歯帯)を有すると共に、接合トーラスにはこの二区間の歯形アーク区間(出力歯帯)を隔てた二区間の解除アーク区間(欠歯域帯)を設け、その他、ギア本体の片側の端にさらにカムを結合させ、該カムには二個の引きピンを設けて、タペットプレートを移動させ、各伝動ギアが一回転するたびに、ピストンおよびタペットプレートは二回の回転動作を完了することで、玩具ピストルのトリガーを引く動作効率を高めることができるものとされた玩具ピストルの電動ギアなどが散見される。
【0004】
しかし、前者特許文献1(1)および特許文献1(2)に開示されたエアソフトガンのセクターギアは、基本的に駆動モーターの回転力が、ベベルギアおよびスパーギアを経て入力される全周歯車と、該全周歯車から入力された回転力を、ピストンのラックに間欠的に出力する間欠歯車とを有するものとなっており、例えば、図22に示すように、従来型のセクターギアC1は、全周歯車C2の軸方4C向の一側壁面に対し、同全周歯車C2とは歯底円直径、ピッチ円直径、刃先円直径、有効歯高、全歯高および歯厚などの各部寸法の異なる間欠歯車C3が重ね合わせられた状態に配された上、これら全周歯車C2および間欠歯車C3の何れか一方の外側壁面から他方に向けて複数本の六角穴付きボルトHS,HSが貫通するよう螺着され、両者の歯車(C2,C3)が互いに軸心4C回りにズレ動かないよう強固に結合されたものとなっており、こうした別部品の全周歯車C2および該間欠歯車C3を個別の部品として製造した上、精密且つ強固に組み立てるという複数の製造工程を経なければならないために高価なカスタムパーツとなってしまい、しかもエアソフトガンに組み込まれ、激しく回転と停止とを繰り返す中に、当該六角穴付きボルトHS,HSが緩んだり破損して脱落してしまったりする虞があるという欠点を残すものであった。
【特許文献1】(1)特公平7-43238号公報 (2)実用新案登録第3139943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種エアソフトガンは、何れのセクターギアもその構造上、夫々個別に製造された全周歯車および該間欠歯車を組み合わせ一体化されてなるから、製造工数が嵩み、高価なものとなってしまう上、組み立て部分が緩んだり、破損したりしてしまう虞があり、耐久性に課題を残すものであり、より構造を簡素化すると共に、製造工数を削減して低廉化し、耐久性にも優れる新たな構造のセクターギア、および、それが組み込まれたエアソフトガンの開発の可能性を痛感するに至ったものである。
【0006】
(発明の目的)
そこで、この発明は、製造工程を大幅に削減することができる上、耐久強度を格段に高めることができる新たなセクターギア技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に亘って試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のセクターギア、およびそれが組み込まれた新規な構造のエアソフトガンを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のセクターギアは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、全周囲に亘って入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りに沿って少なくとも1つ配された間欠歯車部が一体に設けられた上、これら全周歯車部および間欠歯車部が一個の金属塊からなるものとされた構成を要旨とするセクターギアである。
【0008】
この発明の基本をなすセクターギアは、より具体的なものとして示すと、全周囲に亘って入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの等角度置き毎に複数配された間欠歯車部が一体に設けられた上、該全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸が一体に突設され、これら全周歯車部、間欠歯車部および回転軸が一個の金属塊からなるものとされた構成からなるセクターギアとなる。
【0009】
この発明の基本をなすセクターギアは、さらに具体的なものとして示すならば、全周囲に亘って入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの等角度置き毎に複数配された間欠歯車部が一体に設けられた上、全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸が一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか一方の外側壁の、各出力歯帯の回転方向の後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内にタペットカムが一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか他方の外側壁の、該回転軸の近傍に、各欠歯域帯の回転方向の前端に相当する角度位置に、カットオフカムが一体に突設され、これら全周歯車部、間欠歯車部、回転軸、タペットカムおよびカットオフカムが一個の金属塊からなるものとされた構成からなるセクターギアとなる。
【0010】
そして、この発明の基本をなすセクターギアは、その表現を変えて示すならば、全周囲に亘って入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの180°置き毎に合計2つ配された間欠歯車部が、互いに重なり合うよう一体に設けられた上、全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸が一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか一方の外側壁の、2つの出力歯帯の回転方向の各後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内の夫々に、該回転軸に平行な合計2個のタペットカムが一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか他方の外側壁の、該回転軸の近傍に、2つの欠歯域帯の回転方向の前端に相当する角度位置に、合計2個のカットオフカムが該回転軸から遠心方向に一体に突設され、これら全周歯車部、間欠歯車部、回転軸、タペットカムおよびカットオフカムが一個の金属塊からなるものとされた構成からなるセクターギアとなる。
【0011】
(関連する発明1)
上記したこの発明の基本をなすセクターギアに関連し、この発明には、それが組み込まれたエアソフトガンも包含している。
即ち、上部にシリンダー装着部、該シリンダー装着部の前方下部にトリガーユニット装着部、該シリンダー装着部の後方下部に駆動ギア装着部が夫々確保されたメカボックスを有し、該メカボックスのシリンダー装着部には、前方のシリンダーヘッドにシリンダーノズルが配されたシリンダーが設けられ、該シリンダーノズルの基端から駆動ギア装着部に延伸され、同シリンダーノズルと一体的に前後動自在とされたタペットプレートが設けられ、後端寄り外周壁にラックが設けられたピストンが、該シリンダーの後端開口より進退自在に挿着され、該ピストンには、前方に向けて付勢するピストンスプリングが設けられ、該トリガーユニット装着部には、トリガースイッチを有するトリガーが配され、該駆動ギア装着部には、駆動モーターからの入力を受けるスパーギア、該スパーギアからの入力を全周歯車部に受けると共に、間欠歯車部の出力を該ピストンのラックに伝える前記何れか一記載のセクターギア、および、該セクターギアのカットオフカムに係合し、セレクターレバーのセーフティ、セミオートマチックまたはフルオートマチックの各ポジションに応じて、トリガースイッチを操作するカットオフレバーが設けられ、該セクターギアのタペットカムに当該タペットプレートの後端のスリッパー部が係合するよう配されてなる前記何れか一記載のセクターギアが組み込まれたエアソフトガンである。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、この発明の基本をなすセクターギアによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、全周歯車部と間欠歯車部の出力歯帯との歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定されているから、該全周歯車部および間欠歯車部を一個の金属塊から容易且つ効率的に加工することができ、格段に効率的且つ経済的に製造することができる上、従来型の別部品からなる全周歯車部と間欠歯車部とがボルト結合などによって一体に組み立てられたものに比較して部品点数を大幅に削減し、遙に高い耐久強度が得られ、より優れた耐摩耗性および耐衝撃性を達成することができるという秀でた特徴が得られるものである。
【0013】
加えて、全周歯車部、間欠歯車部および回転軸が一個の金属塊からなるものは、さらに部品点数を削減すると共に、回転軸と全周歯車部および間欠歯車部との間のズレや脱落などの故障の問題を解消し、より耐久性に優れた高精度のセクターギアを提供できるものとなり、さらに、全周歯車部、間欠歯車部、回転軸、タペットカムおよびカットオフカムが一個の金属塊からなるものとされた、この発明のセクターギアによれば、それら複数の部品を個別に製造する必要がなく、多数の部品の製造および在庫管理、組み立て作業などの工数を大幅に削減することができる上、該セクターギアの耐久強度を大幅に高めたものとすることができるという効果を発揮するものとなる。
【0014】
そして、この発明のセクターギアが組み込まれたエアソフトガンによれば、従来型のセクターギアが組み込まれたものに比較して、格段に経済的に製造することができる上、より耐久性に優れたものとすることができ、さらに、この発明の基本をなすセクターギアの間欠歯車部に、出力歯帯と歯域帯とからなる単位歯域が複数個設けられたものが組み込まれたものの場合には、該セクターギアが1回転される間に、単位歯域の個数分の回数、ピストンが往復動され、単位歯域の個数分の弾丸が発射されるものとなり、より速射性能に優れたものとすることができるという利点が得られる。
【0015】
カットオフレバーが電気的カットオフ機構に置き換えられた、この発明のエアソフトガンによれば、電子スイッチの配置や角度姿勢などを容易に変更し、検知タイミングを自由に調整することが可能となり、さらに、電子スイッチの検知信号を処理する電子回路やプログラムなどにおいて、検知タイミングを前後調整し、トリガースイッチの操作タイミングをより高度且つ高精度に調整することができるものとなる。
【0016】
また、カットオフレバーが光学的カットオフ機構に置き換えられた、この発明のエアソフトガンによれば、発光素子と受光素子とからなる光学スイッチが、セクターギアのカットオフカムを非接触で検知することができるから、機械的接触を伴って動作するものに比較してより耐摩耗性および耐衝撃性に優れたものとすることができ、光学スイッチの検知信号を処理する電子回路やプログラムなどにおいて、検知タイミングを前後調整し、トリガースイッチの操作タイミングをより高度且つ高精度に調整することができるものとなる。
【0017】
さらにまた、カットオフレバーが電磁的カットオフ機構に置き換えられた、この発明のエアソフトガンによれば、永久磁石と磁気センサとからなる電磁スイッチを有するから、該永久磁石を非接触で検知することができ、耐摩耗性および耐衝撃性に優れたものとすることができ、電磁スイッチの検知信号を処理する電子回路やプログラムなどにおいて、検知タイミングを前後調整し、トリガースイッチの操作タイミングをより高度且つ高精度に調整することができ、より簡単且つ自在にエアソフトガンの操作性を高めることができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
エアソフトガンは、内部に取り込んだ気体が噴出する力を利用し、例えば、プラスチック製の球形弾であるBB(Ball BulletまたはBall bearing)弾を発射する遊戯銃であり、より具体的には、電力の供給を受けた駆動モーターが、ピストンを駆動し、弾丸を発射する所謂電動ガンということができ、セミオートマチックまたはフルオートマチックの少なくとも何れか一方の動作が可能なものであるということができる。
【0019】
メカボックスは、この発明の基本を成しているセクターギアを含む機関部品類が組み込まれ、エアソフトガンの内部の正確な位置に納まるよう内装される機能を分担し、上部にシリンダー装着部、該シリンダー装着部の前方下部にトリガーユニット装着部、該シリンダー装着部の後方下部に駆動ギア装着部が夫々確保されたものとすることができ、より具体的には、シリンダー装着部にシリンダー、ピストンが、また、駆動ギア装着部にセクターギアおよびタペットプレートが、互いに正確に動作可能な位置に組み込まれるものとしなければならず、後述する実施例にも示すように、さらに、トリガーユニット装着部にトリガー、トリガースイッチが、また、駆動ギア装着部にカットオフレバー、スーパーギア、ベベルギアおよび逆転防止ラッチなどが組み込まれたものとするのが良い。
【0020】
シリンダーは、ピストンの往復動を受け、エアソフトガンが弾丸を発射するための圧縮エアをシリンダーノズルに供給可能とするよう密閉状の空間を確保する機能を分担し、より具体的には、シリンダーの基端寄りとなる周壁に給気口が開口され、シリンダーの先端中央に突設された射出管部にシリンダーノズルの基端が進退自在に遊嵌されたものとすべきであり、後述する実施例にも示すように、シリンダーの先端の外周囲には、タペットプレートの前端がわを前後進退自在に案内可能な枠形状のシリンダーヘッドが一体化されたものとすることができる。
【0021】
シリンダーノズルは、ピストンの往復動のタイミングに合わせ、シリンダーの射出管部の前端がわに配されたインナーバレルの後端のチャンバー内に、一発ずつ次弾を自動的に供給する機能を担い、より具体的には、セクターギアの回転に従動するタペットプレートによって前後方向に進退動作され、ピストンが後退を始めると、これに連動するようにシリンダーノズルが後退し、チャンバー内に次弾が供給され、ピストンが前進を開始する直前に同シリンダーノズルが前進してチャンバーが閉鎖され、ピストンが前進して弾丸が発射されるという動作を行うものとすべきであり、後述する実施例にも示しているように、シリンダーノズルの基端の外周壁には、タペットプレートの先端に嵌合可能な嵌合溝が刻設されたものとなっている。
【0022】
ピストンは、セクターギアの間欠的な回転力を受け、ピストンスプリングの前方に向けた付勢力に抗して後退するものとされ、シリンダー内に吸気し、セクターギアから解放されると、ピストンスプリングの付勢力を受けて前進し、シリンダーノズルから圧縮エアを噴射して弾丸を発射する機能を分担し、より具体的には、ピストンヘッドの外周囲に凹設された環状溝に対し、シリンダーの内壁との間を密に保つ合成ゴム製、天然ゴム、またはその他の弾性素材製のOリングが、空気圧縮の性能を確保するよう嵌装され、また、ピストンのセクターギアの間欠歯車部に面することとなる外周壁に沿って該セクターギアの間欠歯車部に噛合するラックが刻設され、同ピストンの後端からピストンスプリングの先端がわが挿着されたものとされており、後述する実施例にも示しているように、該ラックの全体か、または、該ラックの中のピストンヘッド寄りに配され、最も剪断荷重が加わることとなる1個の歯(または数個の歯の何れか一方)が、強化された金属製のものとされ、ピストンの周壁に対し、一体的且つ強固に植設されたものとすることができる。
【0023】
ピストンのラックは、セクターギアの間欠歯車部の出力歯帯に噛合し、同セクターギアからの回転力を受けてピストンの直線的な方向の後退力に変換可能とすると共に、同セクターギアの間欠歯車部の欠歯域帯に対峙した場合には、同セクターギアとピストンとの係合を解き放ち、ピストンスプリングの弾性的付勢力を受けたピストンを前進可能とする機能を分担し、より具体的には、ピストンのセクターギアの間欠歯車部に対応するピストンヘッド寄りから後端付近までのピストンの進退移動の長さ寸法に相当する前後範囲に亘って 設けられたものとするのが良く、後述する実施例にも示しているが、ピストンの前後方向に向かう軸心に対し、同ピストンが周回り方向に回転動しないよう規制可能な前後方向の案内レールが刻設され、メカボックスまたはエアソフトガンの外装フレームの何れか一方に設けられた規制凸条部が、該案内レールに摺動自在に係合され、ピストンの不用意な周回りの回転動を防止可能とされたものとすることができる。
【0024】
ピストンスプリングは、ピストンの後退移動に伴い、該ピストンを前進動させるための付勢力を蓄積する上、該ピストンを瞬時且つ強制的に前進移動させてシリンダー内の空気を圧縮エアにすると共に、シリンダーノズルがわへ該圧縮エアを送出可能とする機能を分担し、より具体的には、先端がピストンの後端開口から挿着され、後端が、メカボックス、エアソフトガンの外装フレームまたはストック部品やグリップなどのその他の部品類の何れかに係合されたものとするのが良く、後端に図示しないスプリングガイドが嵌着された、圧縮コイルバネとされたものとすることができる。
【0025】
タペットプレートは、セクターギアの回転動に連動し、シリンダーノズルをシリンダーヘッドに対して前後動させる機能を分担し、より具体的には、セクターギアの回転動に従い、ピストンが後退を始めるタイミングでシリンダーノズルの後退を開始し、ピストンが前進を始める直前に、シリンダーノズルの前進を完了するよう動作する機能を担い、さらに具体的には、後述する実施例にも示しているように、セクターギアのタペットカムに滑動自在に係合されるスリッパー部、シリンダーノズルの基端に嵌脱自在に嵌着されるノズル嵌着部、および、該スリッパー部とノズル嵌着部とを一体に繋ぎ、メカボックスの案内に沿って進退自在に支持されたスライダープレート部を有し、さらに、該タペットプレートをメカボックスおよびシリンダーに対し、前方方向に弾性付勢する弾性付勢機部が設けられたものとするのが良い。
【0026】
セクターギアは、この発明の基本を成すものであり、セレクターレバーがセミオートマチクックのポジションに操作された場合に、トリガーが引かれ、トリガースイッチがON操作され、該セクターギアは、駆動モーターの駆動力を受けると一定方向に回転動し、ピストンを後退させ、前進させて1ストローク動作した後、自動的にトリガースイッチがOFF操作されて回転が停止されるものとなり、セレクターレバーがフルオートマチックのポジションに操作された場合には、トリガーが引かれている間に亘ってトリガースイッチがONとなり、セクターギアは、駆動モーターの駆動力を受けると一定方向に回転動し、ピストンを後退させ、前進させる1ストロークの動作を連続(継続)的に(複数ストローク)繰り返し、トリガーの引き操作が解除されると、トリガースイッチがOFF操作されて回転が停止されるという機能を分担し、より具体的には、セクターギアが回転動されている間に亘り、 、タペットカムがタペットプレートを動作し、また、セレクターレバーがセーフティのポジションに操作された場合に、カットオフレバーがカットオフカムから離脱され、トリガースイッチをOFF操作し、トリガーの操作に拘わらず発射動作が停止され、また、セレクターレバーがセミオートマチックのポジションに操作された場合に、カットオフレバーがカットオフカムに対し、セミオートマチックの姿勢で滑動自在に係合され、トリガーが引かれ、一発発射(1ストローク動作)を完了する毎にトリガースイッチをOFF操作して発射動作が停止され、さらにまた、セレクターレバーがフルオートマチックの各ポジションに操作された場合には、カットオフレバーがカットオフカムに対し、フルオートマチックの姿勢で滑動自在に係合され、トリガーが引かれている間に亘り、連発発射(複数ストローク動作)を継続し、トリバーの引き操作が解除されると、トリガースイッチをOFF操作してしまい、発射動作が停止されるよう動作する機能を分担するものである。
【0027】
より具体的なものとして示すならば、この発明の基本をなすセクターギアは、全周囲に亘り、 入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りに沿って少なくとも1つ配された間欠歯車部が一体に設けられ、全周歯車部および間欠歯車部の出力歯帯は、互いの歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高、および歯厚が同じに設定された上、該全周歯車部および間欠歯車部が一個の金属塊からなるものとしなければならず、さらに具体的には、全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸が一体に突設され、該全周歯車部、間欠歯車部および回転軸が一個の金属塊からなるものとされたセクターギアとすべきであり、例えば、全周囲に亘って 入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、この全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの360°に亘って 1個のみ配された間欠歯車部が一体に設けられた上、該全周歯車部および間欠歯車部が一個の金属塊からなるものとされたセクターギアとすることが可能である。
【0028】
この発明の基本をなすセクターギアは、後述する実施例にも示してあるように、全周囲に亘って 入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、該全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高、および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの等角度置き毎に複数配された間欠歯車部が一体に設けられた上、該全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸が一体に突設され、該全周歯車部または間欠歯車部の何れか一方の外側壁の、各出力歯帯の回転方向の後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内に、該回転軸に平行なタペットカムが一体に突設され、該全周歯車部または間欠歯車部の何れか他方の外側壁の該回転軸の近傍に、各欠歯域帯の回転方向の前端に相当する角度位置に、カットオフカムが当該回転軸から遠心方向に一体に突設され、これら全周歯車部、間欠歯車部、回転軸、タペットカムおよびカットオフカムが一個の金属塊からなるものとされたセクターギアとするのが望ましい。
【0029】
また、この発明の基本をなすセクターギアは、後述する実施例にも示すように、全周囲に亘り、 入力歯が配列された全周歯車部が設けられ、該全周歯車部の一側に対し、この全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高、および歯厚が同じに設定され、同全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りの180°置き毎に合計2つ配された間欠歯車部が、互いに重なり合うよう一体に設けられた上、これら全周歯車部および間欠歯車部の該軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸が一体に突設され、全周歯車部または間欠歯車部の何れか一方の外側壁の、2つの出力歯帯の回転方向の各後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内の夫々に、該回転軸に平行な合計2個のタペットカムが一体に突設され、これら全周歯車部または間欠歯車部の何れか他方の外側壁の該回転軸の近傍に、2つの欠歯域帯の回転方向の前端に相当する角度位置に、合計2個のカットオフカムが該回転軸から遠心方向に一体に突設され、これら全周歯車部、間欠歯車部、回転軸、タペットカムおよびカットオフカムが一個の金属塊からなるものとすることができる外、前記単位歯域が該軸心回りの120°置き毎の合計3箇所に設けられたものとすることや、前記単位歯域が該軸心回りの90°置き毎に交互に配するよう設けられたものとすることが可能であり、さらに、多くの単位歯域が該軸心回りの等角度置き毎に配されたものとすることができる。
【0030】
セクターギアの全周歯車部は、スパーギアからのモーター駆動力を受けて該セクターギアを連続的に回転駆動可能とする機能を分担し、スパーギアの出力歯に効率的に噛合する歯が全周囲に設けられたものとし、さらに、間欠歯車部の出力歯帯の出力歯の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚と同じ寸法に設定されたものとしなければならず、少なくとも間欠歯車部と一体化され、より具体的には、間欠歯車部および全周歯車部が一個の金属塊からなるものとすべきであり、該全周歯車部の軸心に相当する各外側壁から、同心上の回転軸が一体に突設されたものとするのが望ましく、該全周歯車部外側壁の該回転軸の近傍であって、間欠歯車部の各欠歯域帯の回転方向の前端に相当する角度位置にカットオフカムが一体に突設されたものとすることができる外、後述する実施例にも示しているように、該全周歯車部の外側壁の、間欠歯車部の各出力歯帯の回転方向の後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内にタペットカムが一体に突設されたものとすることができる。
【0031】
セクターギアの間欠歯車部は、ピストンのラックに対し間欠的に噛合し、該セクターギアの回転中に該ラックに噛合した場合は、このセクターギアの回転力をピストンに伝え、ピストンスプリングの弾発力に抗してピストンを後退させ、噛合しない場合には、ピストンを前進可能に開放するという機能を分担し、全周歯車部の歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高、および歯厚が同じに設定され、該全周歯車部の軸心回りに複数の出力歯が配列された1つの出力歯帯、および、該1つの出力歯帯に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない1つの欠歯域帯からなる単位歯域が、該軸心回りに沿って少なくとも1つ配され、少なくとも該全周歯車部および間欠歯車部が一個の金属塊からなるものとしなければならず、より具体的には、該間欠歯車部の軸心に相当する各外側壁から、同心上の回転軸が一体に突設されたものとするのが望ましく、該間欠歯車部の外側壁の該回転軸の近傍であって、間欠歯車部の各欠歯域帯の回転方向の前端に相当する角度位置にカットオフカムが一体に突設されたものとすることができる外、後述する実施例にも示しているように、該間欠歯車部の外側壁の、同間欠歯車部の各出力歯帯の回転方向の後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内にタペットカムが一体に突設され、該全周歯車部、間欠歯車部、回転軸、タペットカムおよびカットオフカムが一個の金属塊からなるものとすることができる。
【0032】
セクターギアの間欠歯車部の出力歯帯は、ピストンのラックに対して確実に噛合するようにし、該セクターギアの回転に伴い該ピストンを後退させる機能を分担し、該ピストンを充分な距離後退させるに足りる歯数を有するものとしなければならず、それよりも歯数が少ない場合には、ピストンの後退不足が発生してしまい、また、それよりも歯数が過剰に多い場合には、ピストンの後退量が多くなり過ぎてしまったり、出力歯がピストンのラックの範囲を超えて該ピストンの外周壁に干渉してしまったりする虞があり、また、当該セクターギアの間欠歯車部の欠歯域帯は、該出力歯帯に続き、該セクターギアの回転に伴って該ピストンを前進可能に開放する機能を分担し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯が配されない範囲が確保されたものとしなければならず、該欠歯域帯が、歯底円の接線から遠心がわとなる範囲を僅かに円周方向に超えて配された場合には、ピストンのラックおよびピストンの外周壁と出力歯とが干渉してしまうのをより確実に防止することができるが、該欠歯域帯が円周方向に過剰に広く配されると、単位歯域が広がり、ピストンの進退に要する時間が多くなって速射性能が損なわれてしまう虞があり、また、歯底円の接線から遠心がわとなる範囲内に出力歯が配された場合には、ピストンのラックまたはピストンの外周壁の何れかに出力歯が干渉し、同ピストンの進退動作が円滑に行われなくなってしまう虞がある。
【0033】
回転軸は、セクターギアを、エアソフトガンの本体がわの所定の位置に対し、回転自在に軸着する機能を分担し、該セクターギアの全周歯車部および間欠歯車部の回転の軸心に相当する各外側壁から、夫々同心上に一体化された状態に突設されたものとしなければならず、例えば、全周歯車部および間欠歯車部の回転の軸心に相当する各外側壁の夫々に対し、夫々同心上となるよう植設されたものとすることができる外、全周歯車部および間欠歯車部の回転の軸心に相当する箇所に、夫々の外側壁より両端が突出するよう貫通された状態に一体化されたものとすることが可能であり、さらにまた、後述する実施例にも示すように、該全周歯車部、間欠歯車部および回転軸が一個の金属塊からなるものとすることが可能である。
【0034】
一個の金属塊からなるものとされたセクターギアは、例えば、鋳造、ダイカスト、焼成または鍛造などの少なくとも何れか一つによって一個の金属塊からなるものとするよう製造されたものであるということができる外、金属塊に対し、切削加工や放電加工、レーザー加工、ウォータージェット加工、または、その他の加工を施し、一個の金属塊からなるものとするよう製造されたものであるということができ、特に、この発明の基本をなすセクターギアは、全周歯車部および間欠歯車部が、互いの歯底円、ピッチ円、刃先円、有効歯高、全歯高および歯厚が同じに設定されているから、切削加工によって製造された場合に生産効率を格段に高めることが可能である。
【0035】
タペットカムは、タペットプレートのスリッパー部に滑動自在に係合され、該タペットプレートを、セクターギアの回転に連動させ、ピストンの後退に伴ってシリンダーノズルを進退動作し、ピストンが前進を開始する前にシリンダーノズルを前進動作するよう作動する機能を担い、より具体的には、全周歯車部または間欠歯車部の何れか一方の外側壁の、各出力歯帯の回転方向の後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内に一体に突設されたものとしなければならず、タペットプレートのスリッパー部に対し、最も近い1個のみが滑動自在に係合されるよう配されたものとすべきであり、後述する実施例にも示すように、全周歯車部または間欠歯車部の何れか一方の外側壁の、各出力歯帯の回転方向の各後端の出力歯の1枚ないし数枚に相当する角度範囲内の夫々に、該回転軸に平行に突出した姿勢に一体化されたものとするのが望ましい。
【0036】
カットオフカムは、カットオフレバーに対して滑動自在に係合され、セレクターレバーがセーフティのポジションに操作された場合に、該カットオフレバーとカットオフカムとの係合が離脱され、トリガーの操作に拘わらずトリガースイッチがOFF操作されるものとなり、セレクターレバーがセミオートマチックのポジションに操作された場合に、トリガーが引かれると、該カットオフレバーが、カットオフカムと一発の発射分に相当する1回のみ係合された後に、トリガースイッチがOFF操作されるものとなり、セレクターレバーがフルオートマチックのポジションに操作された場合に、トリガーが引かれると、同トリガーが引き続けられている間に亘り、 該カットオフレバーが、各カットオフカムと滑動自在に係合され続け、トリガースイッチのON状態が維持され、トリガーの引き操作が解除されると、トリガースイッチがOFF操作されるよう動作する機能を担い、より具体的には、全周歯車部または間欠歯車部の何れか他方の外側壁の、該回転軸の近傍に、各出力歯帯の回転方向の前端の出力歯に相当する角度位置に一体に突設されたものとしなければならず、カットオフレバーの係合されるべき箇所に最も近い1個のみが滑動自在に係合されるよう配されたものとすべきであり、後述する実施例にも示すように、全周歯車部または間欠歯車部の何れか他方の外側壁の、該回転軸の近傍に、各出力歯帯の回転方向の前端の出力歯に相当する角度位置に該回転軸から遠心方向に一体に突設されたものとするのが望ましい。
【0037】
トリガーは、この発明の基本をなすセクターギアが組み込まれたエアソフトガンの利用者が、同エアソフトガンから弾丸を発射しようとする場合に操作し、引き操作を受けた場合に、同エアソフトガンが弾丸を発射するよう制御可能とする機能を担い、該トリガーは、セレクターレバーのポジションに応じて機能が変化され、該セレクターレバーがセーフティのポジションにある場合には、トリガースイッチがOFF操作され、トリガーを引いた場合であっても弾丸が発射されず、また、該セレクターレバーがセミオートマチックのポジションにある場合に、トリガーを引くと、トリガースイッチがON操作され、一発発射された後、トリガースイッチがOFF操作され、同トリガーの引き操作を一旦解除した後、再度トリガーを引くと、トリガースイッチがON操作され、一発発射された後、トリガースイッチがOFF操作されるという動作が繰り返され、さらにまた、該セレクターレバーがフルオートマチックのポジションにある場合に、トリガーを引くと、同トリガーを引き続けている間に亘ってトリガースイッチがON操作され続け、その間連射され、トリガーの引き操作を解除すると、トリガースイッチがOFF操作され、弾丸の発射が停止され、再びトリガーを引くと、同トリガーを引き続けている間に亘り、トリガースイッチがON操作され続け、その間連射され、トリガーの引き操作が解除されると、トリガースイッチがOFF操作されて弾丸の発射が停止されるよう機能し、該トリガーは、その基端がメカボックスまたはエアソフトガンのフレームの何れか適所に軸着され、セレクターレバーがセーフティのポジション以外にあり、しかも該トリガーが引き操作された場合にON操作されるトリガースイッチが設けられ、さらに、同トリガーの引き操作力が解除された場合に、同トリガーの引き始めの姿勢まで弾性的に復帰可能とするトリガースプリングが設けられたものとするのが良い。
【0038】
カットオフレバーは、該セレクターレバーのセーフティ、セミオートマチックまたはフルオートマチックの各ポジションに応じて、この発明の基本をなすセクターギアの回転動に連携し、該セレクターレバーがセーフティのポジションにある場合には、トリガーの引き操作の有無に拘わらず、トリガースイッチをOFFとし、該セレクターレバーがセミオートマチックのポジションにある場合に、トリガーが引き操作されると、セクターギアの回転動に連携し、トリガースイッチを一発発射するようON操作した後に、同トリガースイッチを自動的にOFF操作し、該セレクターレバーがフルオートマチックのポジションにある場合には、セクターギアの回転動に連携し、トリガーが引き操作されると、同トリガーが引き操作されている間に亘って トリガースイッチをON操作し続け、連射するものとなり、該トリガーの引き操作が解除されると、該トリガースイッチをOFF操作するという機能を担うものであり、例えば、カットオフレバーの中途部がメカボックスに軸支され、同カットオフレバーの前端がトリガースイッチに対しOFF操作可能に配され、同カットオフレバーの後端がセクターギアのカットオフカムに滑動自在に係合され、同カットオフレバーのメカボックスに軸支された該中途部と、同カットオフレバーの該前端との間に、セーフティ、セミオートマチックおよびフルオートマチックの各ポジションに応じて該カットオフレバーの姿勢を変化させるセレクターレバーが係合されたものとするのが良い。
【0039】
また、カットオフレバーは、後述する実施例にも示すように、カットオフカムに機械的に接触する電子スイッチを有する電気的カットオフ機構に置き換えられたものとすることができる外、カットオフカムを非接触で検知可能な発光素子と受光素子とからなる光学スイッチを有する光学的カットオフ機構に置き換えられたものや、カットオフカムを非接触で検知可能な永久磁石と磁気センサとからなる電磁スイッチを有する電磁的カットオフ機構に置き換えられたものなどとすることが可能である。
【0040】
スパーギアは、ベベルギアからの入力を受けて従動回転すると共に、セクターギアに対して回転駆動力を出力する機能を分担し、一枚の入出力歯車からなるものとすることができる外、互いにピッチ円直径の異なる入力歯車と出力歯車とが、同一軸心上に重ね合わせられた状態に一体化されたものとすることが可能であり、一枚の入出力歯車からなる場合には入出力歯車が、また、入力歯車と出力歯車とからなる場合には出力歯車が、夫々セクターギアの少なくとも全周歯車部に噛合するものとしなければならず、さらにまた、一枚の入出力歯車からなる場合には入出力歯車が、また、入力歯車と出力歯車とからなる場合には出力歯車が、夫々セクターギアの全周歯車部および間欠歯車部の出力歯帯の双方に跨がるよう噛合されたものとすることができ、メカボックスに軸支されたものとするのが望ましい。
【0041】
ベベルギアは、駆動モーターの回転出力をスパーギアに伝達する機能を分担しており、後述する実施例にも示してあるように、駆動モーターの傘歯歯車型のピニオンギアに噛合する傘歯歯車部、および、該傘歯歯車部と同一軸心上に配され、スパーギアに噛合する出力歯車とからなり、メカボックスに軸支されたものとするのが望ましい。
【0042】
逆転防止ラッチは、セクターギアの逆転を防止する機能を分担し、例えば、セクターギア、スパーギア、ベベルギア、または、駆動モーターのピニオンギアの少なくとも何れか一の逆転を阻止するものとすることができ、より具体的には、セクターギア、スパーギア、ベベルギア、または、駆動モーターのピニオンギアの少なくとも何れか一に対し、逆転を阻止可能に係合するよう、メカボックスに軸支されたラチェット爪と、該ラチェット爪を係合方向に弾性的に付勢するラチェットスプリングとからなるものとすることができ、後述する実施例にも示すように、駆動モーターの回転をより効果的に逆転防止できるよう、より駆動モーターに近いベベルギアの出力歯車に係合するラチェット爪およびラチェットスプリングからなるものとするのが良い。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図面は、この発明のセクターギア、およびそれが組み込まれたエアソフトガンの技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
図1】この発明の基本をなすセクターギアを示す斜視図である。
図2】この発明の基本をなすセクターギアを別の角度から見た斜視図である。
図3】この発明の基本をなすセクターギアを示す正面図である。
図4】この発明の基本をなすセクターギアを示す背面図である。
図5】この発明の基本をなすセクターギアを示す平面図である。
図6】この発明の基本をなすセクターギアを示す側面図である。
図7】この発明のエアソフトガンのメカボックス内を示す側面図である。
図8】ピストンが後退されたメカボックス内を示す側面図である。
図9】ピストンが前進したメカボックス内を示す側面図である。
図10】セクターギアとカットオフレバーを示す斜視図である。
図11】トリガースイッチをOFFするカットオフレバーを示す斜視図である。
図12】カットオフレバーに置き換えられた電気的カットオフ機構を示す斜視図である。
図13】電気カットオフ機構の動作状態を示す斜視図である。
図14】カットオフレバーに置き換えられた光学的カットオフ機構を示す斜視図である。
図15】光学的カットオフ機構の動作状態を示す斜視図である。
図16】カットオフレバーに置き換えられた電磁的カットオフ機構を示す斜視図である。
図17】電磁的カットオフ機構の動作状態を示す斜視図である。
図18】単位歯域が合計3個配されたセクターギアを示す正面図である。
図19】単位歯域が合計3個配されたセクターギアを示す背面図である
図20】単位歯域が合計4個配されたセクターギアを示す正面図である。
図21】単位歯域が合計4個配されたセクターギアを示す背面図である。
図22】従来型のセクターギアを示す斜視図である。
【実施例0044】
図1ないし図6に示す事例は、全周囲に亘って 入力歯20,20,……が配列された全周歯車部2が設けられ、該全周歯車部2の一側に対し、該全周歯車部2の歯底円BC、ピッチ円PC、刃先円TC、有効歯高EH、全歯高TH、および歯厚TTが同じに設定され、該全周歯車部2の軸心4C回りに複数の出力歯32,32,……が配列された1つの出力歯帯31、および、該1つの出力歯帯31に連続し、少なくとも歯底円の接線から遠心がわとなる範囲に出力歯31が配されない1つの欠歯域帯33からなる単位歯域30が、該軸心4C回りの等角度置き毎に複数配された間欠歯車部3が一体に設けられた上、該全周歯車部2および間欠歯車部3が一個の金属塊からなるものとされた、この発明のセクターギアにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0045】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明のセクターギア1は、全周囲に亘り、 、直径DAの歯底円BC、直径DBのピッチ円PC、直径DCの刃先円TC、有効歯高EH、全歯高THおよび歯厚TTの入力歯20,20,……が配列された全周歯車部2が設けられ、該全周歯車部2の一側に対し、間欠歯車部3が互いに重なり合うよう一体に設けられたものとされ、該間欠歯車部3は、該全周歯車部2の直径DAの歯底円BC、直径DBのピッチ円PC、直径DCの刃先円TC、有効歯高EH、全歯高THおよび歯厚TTが同じに設定され、該全周歯車部2の軸心4C回りに複数の出力歯32,32,……が配列された1つの出力歯帯31、および、該1つの出力歯帯31に連続し、少なくとも直径DAの歯底円BCの接線TGから遠心がわとなる範囲CSに出力歯32が配されない1つの欠歯域帯33からなる単位歯域30が、該軸心4C回りの180°置き毎に合計2つ配されたものとなっている。
【0046】
該全周歯車部2および間欠歯車部3の該軸心4Cに相当する各外側壁から、夫々同心上の回転軸4,4が一体に突設され、該間欠歯車部3の外側壁の、2つの出力歯帯31,31の回転方向αの各後端の出力歯32の数枚(例えば1ないし4枚)に相当する角度範囲β内の夫々に、該回転軸4の周回り方向の円弧状となり、しかも該回転軸4に平行に立設された合計2個のタペットカム5,5が一体に配され、また、該全周歯車部2の外側壁の、当該回転軸4の近傍に、2つの欠歯域帯33,33の回転方向αの夫々の前端に相当する角度位置に、合計2個のカットオフカム6,6が、各先端を遠心方向に向けられた姿勢となるよう、該回転軸4から遠心方向に一体に突設されており、該全周歯車部2、間欠歯車部3、回転軸4,4、タペットカム5,5およびカットオフカム6,6が一個の金属塊から切削加工されてなるものとなっている。
【0047】
また、この発明の基本をなすセクターギア1は、例えば、図18および図19に示すように、1個の出力歯帯31と1個の欠歯域帯33とが連なってなる単位歯域30が、間欠歯車部3の回転軸4回りの120°置き毎に配され、該間欠歯車部3の外側壁の、3つの出力歯帯31,31,31の回転方向αの各後端の出力歯32の数枚(例えば1ないし4枚)に相当する角度範囲β内の夫々に、該回転軸4の周回り方向の円弧状となり、しかも該回転軸4に平行に立設された合計3個のタペットカム5,5,5が一体に配され、また、該全周歯車部2の外側壁の、当該回転軸4の近傍に、3つの欠歯域帯33,33,33の回転方向αの夫々の前端に相当する角度位置に、合計3個のカットオフカム6,6,6が、各先端を遠心方向に向けられた姿勢となるよう、該回転軸4から遠心方向に一体に突設されており、これら全周歯車部2、間欠歯車部3、回転軸4,4、タペットカム5,5,5およびカットオフカム6,6,6が一個の金属塊から切削加工されてなるものとすることができる。
【0048】
さらにまた、この発明の基本をなすセクターギア1は、例えば、図20および図21に示すように、1個の出力歯帯31と1個の欠歯域帯33とが連なってなる単位歯域30が、間欠歯車部3の回転軸4回りの90°置き毎に配され、該間欠歯車部3の外側壁の、4つの出力歯帯31,31,31,31の回転方向αの各後端の出力歯32の数枚(例えば1ないし4枚)に相当する角度範囲β内の夫々に、該回転軸4の周回り方向の円弧状となり、しかも同回転軸4に平行に立設された合計4個のタペットカム5,5,5,5が一体に配され、また、該全周歯車部2の外側壁の、当該回転軸4の近傍に、4つの欠歯域帯33,33,33,33の回転方向αの夫々の前端に相当する角度位置に、合計4個のカットオフカム6,6,6,6が、各先端を遠心方向に向けられた姿勢となるよう、この回転軸4から遠心方向に一体に突設されており、これら全周歯車部2、間欠歯車部3、回転軸4,4、タペットカム5,5,5,5およびカットオフカム6,6,6,6が一個の金属塊から切削加工されてなるものとすることができる。
【0049】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の基本をなすセクターギア1は、図1ないし図6中に示すように、全周歯車部2の入力歯20,20,……、および、間欠歯車部3の出力歯32,32,……の歯底円BC、ピッチ円PC、刃先円TC、有効歯高EH、全歯高THおよび歯厚TTが同じに設定されているから、全周歯車部2、間欠歯車部3、回転軸4,4、タペットカム5,5およびカットオフカム6,6が一個の金属塊から切削加工されてなるものとすることができ、図22に示した従来品のように、個別に切削加工された全周歯車部2と間欠歯車部3とを六角穴付きボルトHS,HSで結合されたものに比較して、六角穴付きボルトHS,HSの破損や緩みなどに起因するトラブルを無くすことができる上に、部品点数を削減すると共に、切削加工の後の組み立て加工が一切不要となるから、製造工数および部品管理の負担を大幅に削減することができる。
【実施例0050】
図1ないし図11に示す事例は、該メカボックスMBに対し、前方のシリンダーヘッドSHにシリンダーノズルSNが配されたシリンダーSが設けられ、該シリンダーノズルSNと一体的に前後動自在とされたタペットプレートTPが設けられ、ラックRが設けられたピストンPが、同シリンダーSの後端開口RPより進退自在に挿着され、該ピストンPにはピストンスプリングPSが設けられ、該メカボックスMBに対してトリガースイッチTSを有するトリガーTRが配され、同メカボックスMBに対し、スパーギアSG、該スパーギアSGからの入力を全周歯車部2に受けると共に、間欠歯車部3の出力を該ピストンPのラックRに伝える、この発明の基本をなすセクターギア1、および、該セクターギア1のカットオフカム6,6に係合するカットオフレバーCRが設けられ、該セクターギア1のタペットカム5,5に当該タペットプレートTPの後端が係合するよう配されてなる、この発明の基本をなすセクターギア1が組み込まれたエアソフトガンにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0051】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の基本をなすセクターギア1が組み込まれたエアソフトガンGは、アサルトライフルの外観を模したアウターフレームに内装されるメカボックスMBを有し、該メカボックスMBは、左右間中央から半裁状に分割され、部品が組み込まれた上、左右を閉じ合わせられ、ネジ結合される形状のものとされ、同メカボックスMB内は、その上部にシリンダー装着部B1、該シリンダー装着部B1の前方下部にトリガーユニット装着部B2、該シリンダー装着部B1の後方下部に駆動ギア装着部B3が夫々確保されており、当該メカボックスMBのシリンダー装着部B1には、先端中央に射出管部TBが突設され、基端寄りの周壁に給気口AP、および、後端に後部開口RPが夫々開口されたシリンダーSが配され、同シリンダーSの下方を除く外周壁の先端から、該射出管部TBの周囲を包囲するよう短筒状のシリンダーヘッドSHが延伸され、該射出管部TBには、シリンダーノズルSNの基端が進退自在に外装され、該シリンダーノズルSNの基端の外周囲の下半分には、半円弧形の嵌合溝FGが刻設されている。
【0052】
タペットプレートTPは、そのスライダープレート部SPが、メカボックスMBの案内部に沿ってシリンダーSに平行な前後方向に進退自在に支持され、該スライダープレート部SPの前端から上向きに立ち上げられ、上端に概略U字形の嵌合溝が凹設された舌片状のノズル嵌着部NFが、シリンダーノズルSNの基端の嵌合溝FGに嵌着され、該タペットプレートTPのスライダープレート部SPの駆動ギア装着部B3まで延伸された後端にはスリッパー部SLが垂下されたものとなっており、該スライダープレート部SPの中途部と、メカボックスMBの対向箇所との間には、小型の引張コイルバネからなる弾性付勢機部EUが張設され、該タペットプレートTPおよび該シリンダーノズルSNを常時前方に向けて弾性的に付勢するものとなっている。
【0053】
ピストンヘッドPHの外周囲に凹設された環状溝CGに対し、シリンダーSの内壁との間を密に保つ弾性素材製のOリングRGが嵌装され、同ピストンPのセクターギア1の間欠歯車部3に面するよう下向きとなる外周壁のピストンヘッドPH寄りからピストンPの後端付近までの同ピストンPの進退移動の長さ寸法に相当する前後範囲に亘って 該セクターギア1の間欠歯車部3に噛合するラックRが刻設されると共に、同ピストンPの後端開口から、圧縮コイルバネからなるピストンスプリングPSの先端がわが挿着されたものとされ、該ラックRの複数の歯の中の最もピストンヘッドPH寄りに配された1個の歯R1が、強化された金属製のものとされ、ピストンPの周壁に対して一体的且つ強固に植設されたものとされ、該ピストンヘッドPH付近から後端に至る左右周壁には、夫々前後方向に向かう直線溝状の案内レールGR,GRが刻設され、該ピストンヘッドPHがわが、シリンダーSの後端開口RPより摺動自在に挿着され、該ピストンPの左右の各案内レールGR,GRが、左右のメカボックスMB,MBの対応箇所の夫々に前後方向に向かう直接突条をなして設けられた規制凸条部RR,RRに対して前後摺動自在に嵌合され、該ピストンPの不用意な周回りの回転動を防止可能なものとされている。
【0054】
そして、メカボックスMBのトリガーユニット装着部B2には、トリガースイッチTSを有するトリガーTRを有するトリガーユニットTUが配され、また、駆動ギア装着部B3には、駆動モーターDMからの入力を、ベベルギアBGを介して受けるスパーギアSG、該スパーギアSGからの入力を全周歯車部2に受けると共に、間欠歯車部3の出力を該ピストンPのラックRに伝えるセクターギア1、および、該セクターギア1のカットオフカム6,6に係合し、図示しないセレクターレバーのセーフティ、セミオートマチックまたはフルオートマチックの各ポジションに応じて、トリガースイッチTSを操作するカットオフレバーCRが、該セクターギア1から、図示しないセレクターレバーを経てトリガースイッチTSに至るよう、メカボックスMBに対し揺動自在に軸着され、該セクターギア1のタペットカム5,5に当該タペットプレートTPの後端のスリッパー部SLが係合するよう配されてなるものとなっており、トリガーTR、ベベルギアBG、該ベベルギアBGに係合する逆転防止ラッチPL、スパーギアSGおよびセクターギア1の各回転軸4,4は、何れも左右のメカボックスMB,MBの各軸受け部間に架け渡された状態に回転自在に組み込まれたものとなっている。
【0055】
図7ないし図11に示す、カットオフレバーCRは、セクターギア1のカットオフカム6,6とトリガースイッチTSとを機械的に連携するものであるが、例えば、図12および図13に示すように、メカボックスMBの内壁に固着され、セクターギア1のカットオフカム6,6に接触して操作される電子スイッチESを有し、該電子スイッチESに連動しトリガースイッチTSを操作する、モーター駆動による電動機構を用いた機械的な駆動機構、または、電子回路を介する電気的な電子制御装置(何れも図示せず)の少なくとも何れか一方が設けられた電気的カットオフ機構F1に置き換えられたものとすることができる。
【0056】
また、カットオフレバーCRは、図14および図15に示すように、メカボックスMBの内壁に固着され、セクターギア1のカットオフカム6,6の回転軌道に臨むよう対をなして対峙された発光素子LEと受光素子REとからなる光学スイッチ(光学センサ:フォトインタラプタ)LSを有し、該光学スイッチLSに連動しトリガースイッチTSを操作するモーター駆動による電動機構を用いた機械的な駆動機構、または、電子回路を介する電気的な電子制御装置(何れも図示せず)の少なくとも何れか一方が設けられた光学的カットオフ機構F2に置き換えられたものとすることができる。
【0057】
さらにまた、カットオフレバーCRは、図16および図17に示すように、セクターギア1の外側面に設けられた凹欠部または貫通孔の何れかに埋設された永久磁石PMと、該永久磁石PMの回転軌道に対峙するメカボックスMBの内壁に固着された磁気センサMCとからなる電磁スイッチMSを有し、該電磁スイッチMSに連動し、トリガースイッチTSを操作するモーター駆動による電動機構を用いた機械的な駆動機構、または、電子回路を介する電気的な電子制御装置(何れも図示せず)の少なくとも何れか一方が設けられた電磁的カットオフ機構F3に置き換えられたものとすることができる。
【0058】
(実施例2の作用・効果)
この発明のエアソフトガンGは、セレクターレバー(図示せず)がセーフティポジションからセミオートマチックのポジションに操作された場合、図1ないし図11に示すように、射手がトリガーTRを(図7の実線矢印に示すように)引き操作すると、トリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが回転を開始し、ベベルギアBGおよびスパーギアSGを回転させ、該スパーギアSGが、セクターギア1の全周歯車部2を回転駆動し、同セクターギア1の間欠歯車部3の出力歯帯31がピストンPのラックRに噛合し、ピストンスプリングPSの弾発力に抗してピストンPを後退する動作を開始し、該ピストンPの後退に伴い、同セクターギア1のタペットカム5がタペットプレートTPのスリッパー部SLを後方に向け牽引し、図8に示すように、該セクターギア1の回転に従い、タペットプレートTPおよびシリンダーノズルSNが後退され、その間もピストンPがさらに後退され、同ピストンPが完全に後退される前に、タペットプレートTPのスリッパー部SLが該セクターギア1のタペットカム5から離脱し、弾性付勢機部EUの弾性復帰力を受けたタペットプレートTPおよびシリンダーノズルSNが前進し、インナーバレルのチャンバー(何れも図示せず)に次弾を装填する。
【0059】
図1ないし図6および図9に示すように、セクターギア1の間欠歯車部3の出力歯帯31がピストンPのラックRから外れ、欠歯域帯33が同ラックRに対峙すると、同ラックRの後退力が解除され、ピストンスプリングPSの弾性復帰力を受けているピストンPが勢い良く前進し、シリンダーS内の空気を圧縮すると共に、射出管部TBおよびシリンダーノズルSNを通じ、チャンバーおよびインナーバレル(何れも図示せず)に向け圧縮エアを噴射し、該チャンバー内の弾丸を発射し、図10に示すように、セミオートマチックのポジションに配されたカットオフレバーCRは、図11の実線矢印に示すように、セクターギア1のカットオフカム6の操作力を受けて揺動し、トリガーユニットTUのトリガースイッチTSをOFF操作し、駆動モーターDMを停止する。
【0060】
セレクターレバー(図示せず)がセーフティのポジションに操作された場合には、トリガーTRの引き操作の有無に拘わらず、セーフティのポジションに配されたカットオフレバーCRが、トリガーユニットTUのトリガースイッチTSをOFF操作し、また、同セレクターレバー(図示せず)がフルオートマチックのポジションに操作された場合には、トリガーTRが引き操作されている間に亘り、フルオートマチックのポジションに配されたカットオフレバーCRが、トリガーユニットTUのトリガースイッチTSのON操作を継続し、トリガーTRの引き操作が解除されたときに、フルオートマチックのポジションに配された同カットオフレバーCRが、トリガーユニットTUのトリガースイッチTSをOFF操作するものとなる。
【0061】
図1ないし図9に示す、エアソフトガンGのカットオフレバーCRが、図12および図13に示す、電気的カットオフ機構F1に置き換えられたものは、セレクターレバー(図示せず)がセーフティのポジションに有る場合に、トリガーTRの引き操作の有無に拘わらず、また、セクターギア1のカットオフカム6に電子スイッチESが接触したか否かに拘らず、該セレクターレバーか、または該電気的カットオフ機構F1かの何れか一方がトリガースイッチTSをOFF操作するよう制御される。
【0062】
セレクターレバー(図示せず)がセミオートマチックのポジションとされた場合、トリガーTRが引き操作されると、トリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが一発分の発射動作をし、セクターギア1のカットオフカム6に電子スイッチESが接触すると、電気的カットオフ機構F1がトリガースイッチTSをOFF操作し、駆動モーターDMが停止され、再度、トリガーTRが引き操作されると、トリガースイッチTSがON操作され、再び、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが一発分の発射動作をし、セクターギア1のカットオフカム6に電子スイッチESが接触すると、電気的カットオフ機構F1がトリガースイッチTSをOFF操作するよう制御される。
【0063】
このセレクターレバー(図示せず)がフルオートマチックのポジションとされた場合には、トリガーTRが引き操作され続けている間に亘り、トリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが連続して発射動作し、トリガーTRの引き操作が解除されると、セクターギア1のカットオフカム6に電子スイッチESが接触したのを検知した電気的カットオフ機構F1がトリガースイッチTSをOFF操作し、再びトリガーTRが引き操作されると、トリガーTRが引き操作され続けている間に亘り、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが連続して発射動作し、トリガーTRの引き操作が解除されると、セクターギア1のカットオフカム6に電子スイッチESが接触したのを検知した電気的カットオフ機構F1がトリガースイッチTSをOFF操作するよう制御される。
【0064】
図1ないし図9に示す、エアソフトガンGのカットオフレバーCRが、図14および図15に示すように、カットオフレバーCRが光学的カットオフ機構F2に置き換えられたものは、セレクターレバー(図示せず)がセーフティのポジションに有る場合に、トリガーTRの引き操作の有無に拘わらず、また、発光素子LEと受光素子REとからなる光学スイッチLSが、セクターギア1のカットオフカム6の通過を検知したか否かに拘らず、該セレクターレバーかまたは該光学的カットオフ機構F2かの何れか一方がトリガースイッチTSをOFF操作するよう制御される。
【0065】
このセレクターレバー(図示せず)がセミオートマチックのポジションとされた場合には、トリガーTRが引き操作されるとトリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが一発分の発射動作をし、光学スイッチLSが、セクターギア1のカットオフカム6の通過を検知すると光学的カットオフ機構F2がトリガースイッチTSをOFF操作し、駆動モーターDMが停止され、再度トリガーTRが引き操作されると、再び、トリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが一発分の発射動作をし、該光学スイッチLSがセクターギア1のカットオフカム6の通過を検知すると、光学的カットオフ機構F2がトリガースイッチTSをOFF操作するよう制御される。
【0066】
該セレクターレバー(図示せず)がフルオートマチックのポジションとされた場合、トリガーTRが引き操作され続けている間に亘り、トリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが連続して発射動作し、トリガーTRの引き操作が解除されると、該光学スイッチLSがセクターギア1のカットオフカム6の通過を検知し、該光学的カットオフ機構F2がトリガースイッチTSをOFF操作し、駆動モーターDMが停止され、再びトリガーTRが引き操作されると、トリガーTRが引き操作され続けている間に亘ってトリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが連続して発射動作し、トリガーTRの引き操作が解除されると、該光学スイッチLSがセクターギア1のカットオフカム6の通過を検知し、該光学的カットオフ機構F2がトリガースイッチTSをOFF操作するよう制御される。
【0067】
図1ないし図9に示す、エアソフトガンGのカットオフレバーCRが、図16および図17に示す、電磁的カットオフ機構F3に置き換えられたものは、セレクターレバー(図示せず)がセーフティのポジションに有る場合に、トリガーTRの引き操作の有無に拘わらず、また、永久磁石PMと磁気センサMCとからなる電磁スイッチMSの磁気センサMCが、セクターギア1の永久磁石PMの通過を検知したか否かに拘らず、該セレクターレバーか、または電磁的カットオフ機構F3かの何れか一方がトリガースイッチTSをOFF操作するよう制御される。
【0068】
このセレクターレバー(図示せず)がセミオートマチックのポジションとされた場合には、トリガーTRが引き操作されトリガースイッチTSがON操作されると、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが一発分の発射動作をし、該電磁スイッチMSの磁気センサMCがセクターギア1の永久磁石PMの通過を検知すると、電磁的カットオフ機構F3がトリガースイッチTSをOFF操作し、駆動モーターDMが停止され、再度トリガーTRが引き操作されると、再び、トリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが一発分の発射動作をし、該電磁スイッチMSの磁気センサMCがセクターギア1の永久磁石PMの通過を検知すると、電磁的カットオフ機構F3がトリガースイッチTSをOFF操作するよう制御される。
【0069】
そして、このセレクターレバー(図示せず)がフルオートマチックのポジションとされた場合、トリガーTRが引き操作され続けている間に亘って、トリガースイッチTSがON操作され、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが連続して発射動作し、トリガーTRの引き操作が解除されると、該電磁スイッチMSの磁気センサMCがセクターギア1の永久磁石PMの通過を検知し、当該電磁的カットオフ機構F3がトリガースイッチTSをOFF操作し、駆動モーターDMが停止され、再びトリガーTRが引き操作されると、トリガーTRが引き操作され続けている間に亘り、駆動モーターDMが起動しセクターギア1が回転され、ピストンPが連続して発射動作し、トリガーTRの引き操作が解除されると、該電磁スイッチMSの磁気センサMCがセクターギア1の永久磁石PMの通過を検知し、当該電磁的カットオフ機構F3がトリガースイッチTSをOFF操作し、駆動モーターDMを停止するよう制御される。
【0070】
(結 び)
叙述の如く、この発明のセクターギア、およびそれが組み込まれたエアソフトガンは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのエアソフトガンの機関部の技術に比較して大幅に耐久強度を高め、部品点数を削減すると共に軽量化し、低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、製造作業性を大幅に改善し得るものとなることから、従前までであれば、連射性能をより高めるには高価なカスタムパーツか、またはそれと同等の高価な部品を組み込まなければならなかったが、効率的に製造されたこの発明のセクターギアが組み込まれたエアソフトガンは、廉価にて連射速度および耐久強度を格段に高めたものとなるから、エアソフトガン業界や玩具業界はもとより、より高性能なエアソフトガンをよりリーズナブルな価格で購入したいと希望する消費者においても高く評価され、広範に亘って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0071】
G エアソフトガン
MB 同 メカボックス
B1 同 シリンダー装着部
B2 同 トリガーユニット装着部
B3 同 駆動ギア装着部
RR 同 規制凸条部
S シリンダー
TB 同 射出管部
SH 同 シリンダーヘッド
SN 同 シリンダーノズル
FG 同 嵌合溝
AP 同 給気口
RP 同 後部開口
P ピストン
R 同 ラック
R1 同 最もピストンヘッドPH寄りに配された1個の歯
PS 同 ピストンスプリング
PH 同 ピストンヘッド
CG 同 環状溝
RG 同 Oリング
GR 同 案内レール
TP タペットプレート
SL 同 スリッパー部
SP 同 スライダープレート部
NF 同 ノズル嵌着部
EU 同 弾性付勢機部
1 セクターギア
α 同 セクターギア1の回転方向
2 同 全周歯車部
20 同 入力歯
BC 同 歯底円
DA 同 歯底円BCの直径
TG 同 歯底円BCの接線
CS 同 歯底円BCの接線TGよりも遠心がわとなる範囲
PC 同 ピッチ円
DB 同 ピッチ円PCの直径
TC 同 刃先円
DC 同 刃先円TCの直径
EH 同 有効歯高
TH 同 全歯高
TT 同 歯厚
3 間欠歯車部
30 同 単位歯域
31 同 出力歯帯
32 同 出力歯
33 同 欠歯域帯
4 回転軸
4C 同 軸心
5 同 タペットカム
β 同 タペットカム5の角度範囲
6 同 カットオフカム
TR トリガー
TU 同 トリガーユニット
TS 同 トリガースイッチ
CR カットオフレバー
F1 電気的カットオフ機構
ES 同 電子スイッチ
F2 光学的カットオフ機構
LS 同 光学スイッチ
LE 同 発光素子
RE 同 受光素子
F3 電磁的カットオフ機構
MS 同 電磁スイッチ
PM 同 永久磁石
MC 同 磁気センサ
SG スパーギア
DM 駆動モーター
BG ベベルギア
PL 逆転防止ラッチ
C1 従来型のセクターギア
C2 従来の全周歯車部
C3 従来の間欠歯車部
HS 同 六角穴付きボルト

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22