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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102365
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】光接続構造及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/26 20060101AFI20220630BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20220630BHJP
   F21V 29/502 20150101ALI20220630BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20220630BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220630BHJP
【FI】
G02B6/26
F21V8/00 270
F21V8/00 223
F21V29/502 100
F21V29/76
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217054
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】明石 朋義
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AA10
2H137AB01
2H137BA04
2H137BA06
2H137BA08
2H137BA13
2H137BA20
2H137BA22
2H137BB02
2H137BC32
2H137BC51
2H137BC80
2H137DB12
(57)【要約】
【課題】波長変換部が発する光を効率良く光ファイバに入射することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】波長変換部は、第1光ファイバが伝送するレーザ光の照射に応じて光を発する。波長変換部の表面は、第1光ファイバからレーザ光が直接照射される第1領域と、第1部材が位置する第2領域とを有する。第1光ファイバは、第1光ファイバの軸方向と交差する方向に沿ってレーザ光を第1領域に出射する出射端部を有する。波長変換部が発する光は、波長変換部から直接出射される成分であって、第1領域から出射されて第2光ファイバに直接入射する第1成分と、第2領域から出射されて第1部材で反射して第2光ファイバに入射する第2成分とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を伝送する第1光ファイバと、
前記レーザ光が照射され、前記レーザ光の照射に応じて前記レーザ光の波長スペクトルとは異なる波長スペクトルを有する光を発する波長変換部と、
前記光が入射され、入射された前記光を伝送する第2光ファイバと、
前記光を反射する第1部材と
を備え、
前記波長変換部の表面は、
前記第1光ファイバから前記レーザ光が直接照射される第1領域と、
前記第1部材が位置する第2領域と
を有し、
前記第1光ファイバは、前記第1光ファイバの軸方向と交差する方向に沿って前記レーザ光を前記第1領域に出射する出射端部を有し、
前記光は、
前記波長変換部から直接出射される成分であって、前記第1領域から出射されて前記第2光ファイバに直接入射する第1成分と、
前記第2領域から出射されて前記第1部材で反射して前記第2光ファイバに入射する第2成分と
を含む、光接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載の光接続構造であって、
前記出射端部は、前記軸方向に垂直な面に対して傾斜する傾斜端面を有する、光接続構造。
【請求項3】
請求項2に記載の光接続構造であって、
前記傾斜端面上に位置し、前記レーザ光を反射する第2部材をさらに備える、光接続構造。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の光接続構造であって、
前記傾斜端面は傾斜凸面である、光接続構造。
【請求項5】
請求項4に記載の光接続構造であって、
前記第1光ファイバは、
コアと、当該コアを覆うクラッドとを有するファイバと、
前記ファイバの出射側の端面に接続され、前記出射端部を有するコアレスファイバと
を有する、光接続構造。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の光接続構造であって、
前記出射端部は、前記第1領域に対して前記レーザ光を斜めに照射する、光接続構造。
【請求項7】
請求項6に記載の光接続構造であって、
前記第2光ファイバのコアの入射端面に垂直な方向に当該入射端面を見た場合、前記第1光ファイバは当該入射端面と重ならない、光接続構造。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の光接続構造であって、
前記第2光ファイバのコアの入射端面は、前記第1領域に対して、前記第1領域に斜めに照射される前記レーザ光の傾斜と同じ向きに傾斜している、光接続構造。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の光接続構造であって、
前記第2光ファイバのコアの入射端面に垂直な方向に当該入射端面を見た場合に当該入射端面と重なる部分を有し、前記光を透過し前記レーザ光を反射する光学フィルタをさらに備える、光接続構造。
【請求項10】
請求項9に記載の光接続構造であって、
前記光学フィルタは、前記第2光ファイバのコアの入射端面と接触する、光接続構造。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の光接続構造であって、
前記第2光ファイバのコア径は、前記第1光ファイバのコア径よりも大きい、光接続構造。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の光接続構造であって、
前記レーザ光の前記第1領域でのスポット径は、前記第2光ファイバのコア径以下である、光接続構造。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の光接続構造であって、
前記第2光ファイバのコアの入射端面と前記波長変換部との間の距離は、前記第2光ファイバのコア径以下である、光接続構造。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の光接続構造であって、
前記第1部材の表面は、前記第2成分が照射される第3領域を有し、
前記第1部材の前記第3領域での前記光の反射率は、前記波長変換部の前記第2領域での前記光の反射率よりも大きい、光接続構造。
【請求項15】
請求項14に記載の光接続構造であって、
前記第3領域には、前記レーザ光における前記波長変換部を透過する透過成分が照射され、
前記第3領域での前記レーザ光の反射率は、前記波長変換部の前記第2領域での前記レーザ光の反射率よりも大きい、光接続構造。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一つに記載の光接続構造であって、
前記第1部材の熱伝導率は、前記波長変換部の熱伝導率よりも大きい、光接続構造。
【請求項17】
請求項16に記載の光接続構造であって、
前記第1部材が固定される放熱部材をさらに備え、
前記放熱部材の熱伝導率は、前記波長変換部の熱伝導率よりも大きい、光接続構造。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか一つに記載の光接続構造を備え、前記光接続構造の前記波長変換部が発する前記光を照明光として放射する照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーザ光の照射に応じて光を発する波長変換部が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-15001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
波長変換部が発する光を光ファイバで伝送する場合には、波長変換部が発する光を効率良く光ファイバに入射することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
光接続構造及び照明システムが開示される。一の実施の形態では、光接続構造は、第1光ファイバと、波長変換部と、第2光ファイバと、第1部材とを有する。第1光ファイバはレーザ光を伝送する。波長変換部は、レーザ光が照射され、レーザ光の照射に応じてレーザ光の波長スペクトルとは異なる波長スペクトルを有する光を発する。第2光ファイバは、波長変換部が発する光が入射され、入射された光を伝送する。第1部材は波長変換部が発する光を反射する。波長変換部の表面は、第1光ファイバからレーザ光が直接照射される第1領域と、第1部材が位置する第2領域とを有する。第1光ファイバは、第1光ファイバの軸方向と交差する方向に沿ってレーザ光を第1領域に出射する出射端部を有する。波長変換部が発する光は、波長変換部から直接出射される成分であって、第1領域から出射されて第2光ファイバに直接入射する第1成分と、第2領域から出射されて第1部材で反射して第2光ファイバに入射する第2成分とを含む。
【0006】
また、一の実施の形態では、照明システムは、上記の光接続構造を備え、当該光接続構造の波長変換部が発する光を照明光として放射する。
【発明の効果】
【0007】
波長変換部が発する光を効率良く光ファイバに入射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】光接続構造の一例を示す概略図である。
図2】光接続構造の一例を示す概略図である。
図3】光接続構造の一例を示す概略図である。
図4】光接続構造の一例を示す概略図である。
図5】光接続構造の一例を示す概略図である。
図6】光接続構造の一例を示す概略図である。
図7】光接続構造の一例を示す概略図である。
図8】光接続構造の一例を示す概略図である。
図9】光接続構造の一例を示す概略図である。
図10】光接続構造の一例を示す概略図である。
図11】光接続構造の一例を示す概略図である。
図12】光接続構造の一例を示す概略図である。
図13】光ファイバの構造の一例を示す概略図である。
図14】光ファイバの構造の一例を示す概略図である。
図15】光ファイバの構造の一例を示す概略図である。
図16】光ファイバの構造の一例を示す概略図である。
図17】光ファイバの等価構成の一例を示す概略図である。
図18】光接続構造の一例を示す概略図である。
図19】光接続構造の一例を示す概略図である。
図20】光接続構造の一例を示す概略図である。
図21】光接続構造の一例を示す概略図である。
図22】光接続構造の一例を示す概略図である。
図23】光接続構造の一例を示す概略図である。
図24】光接続構造の一例を示す概略図である。
図25】光接続構造の一例を示す概略図である。
図26】光接続構造の一例を示す概略図である。
図27】光接続構造を備えるシステムの一例を示す概略図である。
図28】光接続構造を備えるシステムの一例を示す概略図である。
図29】光接続構造を備えるシステムの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び2は光接続構造1の一例を示す概略図である。以下では、図1及び2に示されるXYZ直交座標系を用いて光接続構造1について説明する。以下の説明では、-Z側を下側とし、+Z側を上側とする。図2には、図1に示される構造を+X側から見た様子の一例が示されている。
【0010】
図1及び2に示されるように、光接続構造1は、例えば、光ファイバ2(第1光ファイバともいう)と、光ファイバ3(第2光ファイバともいう)と、波長変換部4と、基板5と、放熱部材6とを備える。光接続構造1は、光ファイバ2から出射されるレーザ光L1を波長変換部4に照射し、波長変換部4がレーザ光L1の照射に応じて出射する光L2を光ファイバ3に入射する。図1及び2には、光ファイバ2及び3の軸方向(光軸方向ともいう)に沿った断面が示されている。
【0011】
光ファイバ2は、レーザ光L1が入射され、入射されたレーザ光L1を伝送する。レーザ光L1は、光ファイバ2から波長変換部4に直接照射される。光ファイバ2の軸方向に垂直な方向の断面は、例えば円形を成している。光ファイバ2は、例えば、波長変換部4よりも+Z側に位置する。
【0012】
光ファイバ2は、例えば、レーザ光L1を伝送するコア20と、当該コア20の周囲を覆うクラッド21とを備える。光ファイバ2は、例えば、石英ガラスから成る石英ファイバであってもよいし、プラスッチックから成るプラスチックファイバであってもよいし、他の材料から成る光ファイバであってもよい。光ファイバ2は、シングルモードファイバであってもよいし、マルチモードファイバであってもよい。図1及び2の例では、光ファイバ2は、例えばX軸方向に沿って延在している。
【0013】
光ファイバ2は、光ファイバ2の軸方向(本例ではX軸方向)と交差する方向に沿ってレーザ光L1を波長変換部4に出射する出射端部200を有している。出射端部200は波長変換部4の真上に位置する。+Z側から見た場合、出射端部200は、例えば波長変換部4と重なっている。出射端部200は波長変換部4の近傍に位置する。出射端部200は、例えば、光ファイバ2の軸方向に垂直な方向(本例では-Z方向)に沿ってレーザ光L1を波長変換部4に出射する。
【0014】
出射端部200は、光ファイバ2の軸方向に垂直な面(本例ではYZ平面)に対して傾斜する傾斜端面201を有している。傾斜端面201は、例えば、光ファイバ2の出射側の端面が斜め(例えば約45度)に研磨加工されることによって形成されている。傾斜端面201は傾斜研磨面とも言える。傾斜端面201は、光ファイバ2の出射側の傾斜した端面であると言える。本例では、傾斜端面201は、コア20及びクラッド21に形成されているが、コア20のみに形成されてもよい。つまり、クラッド21の出射側の端面は光ファイバ2の軸方向に垂直であって、コア20の出射側の端面は光ファイバ2の軸方向に垂直な面に対して傾斜してもよい。
【0015】
傾斜端面201は、例えば、Y軸方向と平行を成す楕円状の平面(楕円平面ともいう)である。傾斜端面201が成す楕円平面の短軸方向はY軸方向と平行である。傾斜端面201が成す楕円平面の長軸方向はZ軸方向に対して傾斜している。傾斜端面201は、光ファイバ2の軸方向に垂直な平面(本例ではYZ平面)を、-Y側から見て反時計周りに90度未満回転させて得られる面と平行を成している。傾斜端面201は、XZ平面上の+X方向と+Z方向の間の方向に向いている。傾斜端面201は、+Z側から見ると視認可能であって、-Z側から見ると視認不可である。
【0016】
コア20を伝達するレーザ光L1の少なくとも一部は、傾斜端面201のコア20の部分(コア部分ともいう)で反射して、出射端部200から-Z方向に出射されて波長変換部4に照射される。光ファイバ2がシングルモードファイバである場合、例えば、コア20を伝達するレーザ光L1の大部分が、傾斜端面201のコア部分で反射して、出射端部200から出射されて波長変換部4に照射される。傾斜端面201の向き及び傾斜角の少なくとも一方を変更することによって、出射端部200からレーザ光L1が出射される方向を調整することができる。本例では、傾斜端面201の向き及び傾斜角は、傾斜端面201で反射して出射端部200から出射されるレーザ光L1が直接波長変換部4に照射されるように調整されている。傾斜端面201は、光ファイバ2を伝達するレーザ光L1が当該傾斜端面201で反射して波長変換部4に照射されるように傾斜していると言える。
【0017】
レーザ光L1としては、例えば、波長が460nm以下の短波長レーザ光が採用される。レーザ光L1は、440nm以下の短波長レーザ光であってもよい。この場合、レーザ光L1は、例えば405nmの紫色のレーザ光であってもよい。
【0018】
光ファイバ2は、クラッド21の周囲を覆う部材を備えてもよい。クラッド21の周囲を覆う部材は、1層で構成されてもよいし、複数層で構成されてもよい。クラッド21の周囲を覆う部材には保護層が含まれてもよい。
【0019】
波長変換部4は、光ファイバ2からのレーザ光L1の照射に応じて、当該レーザ光L1の波長スペクトルとは異なる波長スペクトルを有する光L2を発することが可能である。光L2は例えば可視光である。波長変換部4は例えば平板状を成している。波長変換部4の表面40は、互いに対向する平坦な第1主面41及び第2主面42を含む。第1主面41及び第2主面42は例えばXY平面に平行を成している。
【0020】
第1主面41は、レーザ光L1が照射される第1領域41a(被照射領域41aともいう)を含む。被照射領域41aは、光照射・受光計測装置等で画像の取得等をすることで特定することができる。光ファイバ2の出射端部200は、光ファイバ2の軸方向と交差する方向に沿ってレーザ光L1を第1領域41aに出射する。第2主面42(第2領域42ともいう)上には、光L2を反射する部材(第1部材ともいう)が位置する。以後、第1部材を高反射率部材と呼ぶことがある。また、光L2を変換光L2と呼ぶことがある。本例では、高反射率部材として基板5が採用されている。
【0021】
波長変換部4としては、例えば、蛍光体を含む蛍光体部分400が採用される。蛍光体部分400が含む蛍光体は、レーザ光L1の照射に応じて蛍光を発することができる。蛍光体が発する蛍光の波長スペクトルにおけるピークを示す波長(ピーク波長ともいう)は、レーザ光L1の波長スペクトルのピーク波長よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0022】
蛍光体部分400は例えば多数の蛍光体を含む。多数の蛍光体には、例えば1種類以上の蛍光体が含まれる。蛍光体部分400には、互いに異なるピーク波長を有する複数種類の蛍光体が含まれてもよい。この場合、蛍光体部分400には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて赤色(R)の蛍光を発する蛍光体(赤色蛍光体ともいう)と、レーザ光L1の照射に応じて緑色(G)の蛍光を発する蛍光体(緑色蛍光体ともいう)と、レーザ光L1の照射に応じて青色(B)の蛍光を発する蛍光体(青色蛍光体ともいう)とが含まれてもよい。赤色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が620nmから750nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。緑色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が495nmから570nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。青色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が450nmから495nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。
【0023】
蛍光体部分400に複数種類の蛍光体が含まれる場合には、当該複数種類の蛍光体が発する蛍光が、蛍光体部分400が発する変換光L2を構成する。つまり、変換光L2は複数種類の色成分で構成される。蛍光体部分400に、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が含まれる場合には、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が発する蛍光が変換光L2を構成する。
【0024】
蛍光体部分400に複数種類の蛍光体が含まれる場合には、変換光L2の波長スペクトルは、互いに異なる複数の波長ピークを有する。例えば、蛍光体部分400に3種類以上の蛍光体が含まれる場合には、変換光L2の波長スペクトルは、互いに異なる3つ以上の波長ピークを有する。蛍光体部分400に、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が含まれる場合には、変換光L2の波長スペクトルは、赤色蛍光体が発する蛍光の波長ピークと、緑色蛍光体が発する蛍光の波長ピークと、青色蛍光体が発する蛍光の波長ピークとが含まれる。変換光L2は、疑似的な白色光であってもよいし、他の色温度の可視光であってもよい。
【0025】
なお、蛍光体部分400には、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体以外の蛍光体が含まれてもよい。蛍光体部分400には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて青緑色の蛍光を発する蛍光体(青緑色蛍光体ともいう)が含まれてもよい。また、蛍光体部分400には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて黄色の蛍光を発する蛍光体(黄色蛍光体ともいう)が含まれてもよい。蛍光体部分400には、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体、青緑色蛍光体及び黄色蛍光体の少なくとも1種類の蛍光体が含まれてもよい。
【0026】
青緑色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が495nm程度の蛍光体が適用される。黄色蛍光体には、例えば、レーザ光L1の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が570nmから590nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。
【0027】
蛍光体部分400は、例えば、多数の蛍光体を含む低融点ガラスで構成されてもよい。あるいは、蛍光体部分400は、多数の蛍光体を含む結晶化ガラスで構成されてもよい。あるいは、蛍光体部分400は、多数の蛍光体を含むセラミックで構成されてもよい。あるいは、蛍光体部分400は、蛍光性を有するバルク状のセラミックで構成されてもよい。この場合には、蛍光体部分400は蛍光体だけで構成されていると言える。
【0028】
基板5は、波長変換部4(言い換えれば蛍光体部分400)を支持する。基板5は、波長変換部4の第2主面42に接合されている。基板5の表面50は、互いに対向する平坦な第1主面51及び第2主面52を含む。波長変換部4は基板5の第1主面51に接合されている。第1主面51及び第2主面52は例えばXY平面と平行を成している。
【0029】
高反射率部材としての基板5は、波長変換部4が発する変換光L2を反射することが可能である。また基板5は、例えばレーザ光L1を反射することが可能である。基板5は、変換光L2及びレーザ光L1を反射する部材として機能する。
【0030】
基板5は例えば金属で構成されている。基板5は、例えば、アルミニウムを主成分としたアルミニウム合金で構成されてもよいし、アルミニウムで構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。
【0031】
波長変換部4は、基板5に対して、直接接合されてもよいし、接合材が使用されて接合されてもよい。例えば、波長変換部4が多数の蛍光体を含む低融点ガラスで構成される場合、波長変換部4は基板5に対して酸素結合によって直接接合されてもよい。つまり、加熱により基板5の第1主面51に形成された酸化膜の酸素と、波長変換部4の低融点ガラス(言い換えれば酸化物ガラス)の酸素とが結合する酸化結合によって、波長変換部4は基板5に直接接合されてもよい。あるいは、基板5の第1主面51に例えば数μmの微小な凹凸が設けられて、当該凹凸が利用されたアンカー効果により、波長変換部4が基板5に直接接合されてもよい。つまり、波長変換部4の低融点ガラスが流動して基板5の第1主面51の凹凸に入り込んで硬化することによって、波長変換部4が基板5に直接接合されてもよい。また、波長変換部4は、例えば、レーザ光L1及び変換光L2が透過する透明樹脂から成る接合材が用いられて基板5に接合されてもよい。
【0032】
変換光L2は、波長変換部4から直接出射される成分であって、波長変換部4の第1領域41aから出射されて光ファイバ3に直接入射する第1成分L2aを含む。第1成分L2aは、変換光L2のうち、基板5で反射されずに第1領域41aから出射されて光ファイバ3に入射する成分である。さらに、変換光L2は、波長変換部4の第2領域42から出射されて基板5で反射して光ファイバ3に入射される第2成分L2bを含む。第2成分L2bは、基板5の第1主面51で反射され、その後、波長変換部4を透過して光ファイバ3に入射される。第2成分L2bには、波長変換部4を透過して第1領域41aから出射されて光ファイバ3に直接入射する成分が含まれる。基板5の第1主面51は、第2成分L2bが照射される第3領域51a(被照射領域51aともいう)を含む。変換光L2は、第1成分L2a及び第2成分L2b以外にも、光ファイバ3に入射されない成分も含まれる。変換光L2は、第1成分L2a及び第2成分L2b以外の、光ファイバ3に入射される成分を含んでもよい。
【0033】
基板5の表面50での変換光L2の反射率は、例えば、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きい。被照射領域51aは表面50に含まれ、第2領域42は表面40に含まれることから、被照射領域51aでの変換光L2の反射率は、波長変換部4の第2領域42での変換光L2の反射率よりも大きいと言える。波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率は例えば数%である。基板5の表面50での変換光L2の反射率は、例えば35%以上である。基板5の表面50でのレーザ光L1の反射率は、これに限られず、例えば、40%以上であってもよいし、50%以上であってもよいし、60%以上であってもよいし、70%以上であってもよいし、80%以上であってもよい。なお、反射率は、対象物の材料から特定することもできるし、測色計等で測定することもできる。
【0034】
また、基板5の表面50でのレーザ光L1の反射率は、例えば、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きい。被照射領域51aは表面50に含まれ、第2領域42は表面40に含まれることから、被照射領域51aでのレーザ光L1の反射率は、波長変換部4の第2領域42でのレーザ光L1の反射率よりも大きいと言える。波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率は例えば数%である。基板5の表面50でのレーザ光L1の反射率は例えば35%以上である。基板5の表面50でのレーザ光L1の反射率は、これに限られず、例えば、40%以上であってもよいし、50%以上であってもよいし、60%以上であってもよいし、70%以上であってもよいし、80%以上であってもよい。
【0035】
なお、基板5の表面50での変換光L2の反射率は、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率以下であってもよい。また、基板5の表面50でのレーザ光L1の反射率は、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率以下であってもよい。
【0036】
光ファイバ2から出射されるレーザ光L1には、波長変換部4を透過して基板5の第3領域51a(言い換えれば被照射領域51a)に照射される透過成分が含まれる。この透過成分は、基板5の第3領域51aで反射されて、波長変換部4に再度照射される。波長変換部4は、透過成分の照射に応じて光を発する。この光を、透過成分に応じた光と呼ぶことがある。透過成分に応じた光の一部は、第1成分L2aの一部となり、第1領域41aから出射して光ファイバ3に直接入射する。また、透過成分に応じた光の他の一部は、第2成分L2bの一部となり、第2領域42から出射して基板5で反射した後、光ファイバ3に入射する。
【0037】
光ファイバ3(第2光ファイバともいう)は、入射される変換光L2を伝送する。光ファイバ3の軸方向に垂直な方向の断面は、例えば円形を成している。光ファイバ3は、例えば、波長変換部4及び光ファイバ2よりも+Z側に位置する。
【0038】
光ファイバ3は、例えば、コア30と、当該コア30の周囲を覆うクラッド31とを備える。コア30は、変換光L2が入射され、入射された変換光L2を伝送する。光ファイバ3は、例えば、石英ガラスから成る石英ファイバであってもよいし、プラスチックから成るプラスチックファイバであってもよいし、他の材料から成る光ファイバであってもよい。光ファイバ3は、例えば、シングルモードファイバであってもよいし、マルチモードファイバであってもよい。
【0039】
コア30は、変換光L2が入射される入射端面30aを有する。入射端面30aは例えば円形の平面である。入射端面30aは波長変換部4の被照射領域41aの近傍に位置する。入射端面30aは波長変換部4の方を向いている。詳細には、入射端面30aは波長変換部4の被照射領域41aの方を向いている。入射端面30aは、例えば、波長変換部4の被照射領域41aの直上に位置する。入射端面30aには、変換光L2の第1成分L2a及び第2成分L2bが入射する。光ファイバ3は、クラッド31の周囲を覆う部材を備えてもよい。クラッド31の周囲を覆う部材は、1層で構成されてもよいし、複数層で構成されてもよい。クラッド31の周囲を覆う部材には保護層が含まれてもよい。
【0040】
光ファイバ2及び3は、例えば、波長変換部4に対して同じ側に位置する。光ファイバ2及び3は波長変換部4に対して第1主面41側に位置する。基板5は波長変換部4に対して光ファイバ2及び3とは反対側に位置する。基板5は波長変換部4に対して第2主面42側に位置する。
【0041】
光ファイバ3のコア30の入射端面30aは例えばXY平面に平行を成している。入射端面30aは、例えば、波長変換部4の第1領域41aと平行を成している。入射端面30aは、例えば第1領域41aに対向している。光ファイバ3は、例えばZ軸方向に沿って延在している。光ファイバ3は、例えば第1領域41aに垂直な方向に沿って延びている。光ファイバ2と光ファイバ3は、例えば互いに交差しないように配置されている。-Z側から見た場合、光ファイバ2の出射端部200は光ファイバ3の入射端面30aと重なっている。入射端面30aに垂直な方向から入射端面30aを見たとき、出射端部200は入射端面30aと重なっている。出射端部200は、光ファイバ3の入射端面30aと波長変換部4との間に位置する。第1領域41aに垂直な方向(つまりZ軸方向)において、出射端部200の位置は、例えば、入射端面30aの位置よりも第1領域41aに近い。
【0042】
放熱部材6は、波長変換部4で発生する熱を放出することが可能である。放熱部材6は、例えば、電源を不要とする部材で構成される。例えば、放熱部材6は、放熱フィンを有する金属製のヒートシンクで構成される。放熱部材6は、例えば、アルミニウムを主成分としたアルミニウム合金で構成されてもよいし、アルミニウムで構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。放熱部材6は、基板5と同じ材料で構成されてもよいし、基板5と異なる材料で構成されてもよい。放熱部材6の熱伝導率は、例えば、波長変換部4の熱伝導率よりも大きい。また、基板5の熱伝導率は、例えば、波長変換部4の熱伝導率よりも大きい。放熱部材6の熱伝導率は、基板5の熱伝導率よりも大きくてもよいし、小さくてもよいし、同じであってもよい。なお、熱伝導率は、例えば、定常法と非定常法の2つの方法で測定できる。非定常法の中には、レーザフラッシュ法、ASTM E1530(準拠)の円板熱流計法、JIS R 2616(準拠)、ASTM D5930(準拠)の熱線(プローブ)法、ISO 22007-6の交流定常法等がある。
【0043】
放熱部材6には基板5が固定されている。波長変換部4が発する熱は、基板5を通じて放熱部材6に伝達し、放熱部材6から空間に放出される。基板5の放熱部材6への固定の方法としては様々な方法が考えられる。例えば、基板5と放熱部材6との間に放熱グリスを介在させた状態で基板5を放熱部材6にネジ止めしてもよい。あるいは、高熱伝導フィラーを含む接着剤で基板5を放熱部材6に固定してもよい。あるいは、シンタリングペーストで基板5を放熱部材6に固定してもよい。
【0044】
なお、放熱部材6は、電源を不要とする他の部材で構成されてもよい。例えば、放熱部材6は、ヒートシンクの一種であるヒートパイプで構成されてもよい。ヒートパイプでは、例えば、加熱部で作動液が蒸発して蒸気が発生し、その蒸気がヒートパイプの低温部に高速移動して当該低温部で凝縮し、その凝縮で得られた作動液が毛細管現象で加熱部に還流する。ヒートパイプでは、これらの相変化が連続的に行われることによって、放熱機能が実現される。また、放熱部材6は、電源を必要とする部材で構成されてもよい。例えば、放熱部材6は、ペルチェ素子で構成されてもよし、ファンで構成されてもよい。
【0045】
以上のように、本例の光接続構造1では、光ファイバ2からのレーザ光L1が波長変換部4に直接照射される。これにより、例えば、レーザ光L1を波長変換部4に照射するための、光学ミラー等を含む光学系(照射用光学系ともいう)が不要となる。本例とは異なり、光接続構造1が照射用光学系を備える場合、光接続構造1の組み上げ時に照射用光学系の各部品の位置調整が必要となり、光接続構造1の組み上げ作業が複雑となる。本例では、照射用光学系を不要にすることができることから、光接続構造1の組み上げ作業を簡素化することができる。また、光接続構造1の構成を簡素化することができる。
【0046】
また、本例の光接続構造1では、波長変換部4が発する変換光L2が光ファイバ3に直接入射する。これにより、例えば、変換光L2を光ファイバ3に入射するための、光学ミラー等を含む光学系(ファイバ入射用光学系ともいう)が不要となる。本例とは異なり、光接続構造1がファイバ入射用光学系を備える場合、光接続構造1の組み上げ時にファイバ入射用光学系の各部品の位置調整が必要となり、光接続構造1の組み上げ作業が複雑となる。本例では、ファイバ入射用光学系を不要にすることができることからら、光接続構造1の組み上げ作業を簡素化することができる。また、光接続構造1の構成を簡素化することができる。
【0047】
また、本例では、光ファイバ2は、光ファイバ2の軸方向と交差する方向に沿ってレーザ光L1を波長変換部4の第1領域41aに出射する出射端部200を有することから、光ファイバ2と光ファイバ3の両方を波長変換部4に近づけて配置することが可能となる。以下にこの点について説明する。
【0048】
例えば、図3のように、光ファイバ2の出射側の端面が傾斜しておらず、光ファイバ2がその軸方向に沿ってレーザ光L1を出射する場合を考える。この場合、光ファイバ2からレーザ光L1が波長変換部4の第1主面41に直接照射されるためには、光ファイバ2は、その出射側の端部が下側に位置するように斜めにあるいはZ軸方向に沿って配置する必要がある。これにより、光ファイバ2を波長変換部4に近づけて配置すると、図3に示されるように、光ファイバ3は、光ファイバ2との干渉を避けるために波長変換部4から離して配置する必要がある。
【0049】
これに対して、本例のように、光ファイバ2が、光ファイバ2の軸方向と交差する方向に沿ってレーザ光L1を波長変換部4の第1領域41aに出射する出射端部200を有する場合には、図3の場合とは異なり、光ファイバ2をその出射側の端部が下側に位置するように配置することなく、光ファイバ2からレーザ光L1を直接波長変換部4に照射することができる。例えば、図1及び2に示されるように、光ファイバ2を波長変換部4の第1主面41と平行に配置することで、光ファイバ2からレーザ光L1を直接波長変換部4に照射することができる。これにより、光ファイバ2を波長変換部4に近づけて配置したとしても、光ファイバ3を波長変換部4に近づけて配置することができる。つまり、光ファイバ2と光ファイバ3の両方を波長変換部4に近づけて配置することができる。光ファイバ3が波長変換部4に近づけて配置されることによって、光ファイバ3に入射する変換光L2の光量を大きくすることができる。また、光ファイバ2が波長変換部4に近づけて配置されることによって、レーザ光L1の被照射領域41aでのスポットの大きさを小さくすることができる。スポットの大きさを小さくすることによって、波長変換部4での変換光L2の発光径を小さくすることができる。これにより、変換光L2が光ファイバ3に入射しやすくなる。よって、光ファイバ2と光ファイバ3の両方を波長変換部4に近づけて配置することにより、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。
【0050】
また、本例では、光ファイバ2の出射端部200は、光ファイバ2の軸方向に垂直な面に対して傾斜する傾斜端面201を有する。これにより、光ファイバ2は、傾斜端面201でレーザ光L1を反射させることによって、光ファイバ2の軸方向に交差する方向に沿ってレーザ光L1を簡単に出射することができる。
【0051】
また、本例の光接続構造1では、高反射率部材としての基板5の被照射領域51aでの変換光L2の反射率が、波長変換部4の第2領域42での変換光L2の反射率よりも大きくなっている。このため、変換光L2のうち、波長変換部4の第2領域42から出射して基板5の被照射領域51aで反射して光ファイバ3に入射する第2成分L2bの光量を大きくすることができる。これにより、波長変換部4が発する変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。その結果、接続ロスの少ない光接続構造1を実現することができる。
【0052】
また、本例では、基板5の被照射領域51aでのレーザ光L1の反射率が、波長変換部4の第2領域42でのレーザ光L1の反射率よりも大きくなっている。このため、レーザ光L1のうち、波長変換部4を透過して基板5の被照射領域51aで反射される透過成分の光量を大きくすることができる。よって、波長変換部4が発する、透過成分の照射に応じた光の量を大きくすることができる。その結果、波長変換部4の発光効率が向上する。
【0053】
また、本例の光接続構造1は、波長変換部4の熱伝導率よりも大きい基板5及び放熱部材6を備えることから、波長変換部4の発熱によりその性能が劣化する可能性を低減することができる。
【0054】
また、本例では、光ファイバ2及び3は波長変換部4に対してともに被照射領域41a側に位置することから、例えば図1及び2の例のように、波長変換部4に対して被照射領域41a側とは反対側(つまり第2領域42側)に、放熱部材6を配置するスペースを確保することができる。よって、波長変換部4の放熱を簡単に実現することができる。
【0055】
また、本例では、光ファイバ3のコア30の入射端面30aは、波長変換部4の被照射領域41aと平行をなしていることから、光ファイバ3の入射端面30aの位置調整が容易となる。例えば、光ファイバ3をその軸方向に沿って移動させるだけで、波長変換部4の被照射領域41aに対する、光ファイバ3の入射端面30aの位置合わせを行うことができる。
【0056】
<光接続構造の他の例>
光接続構造1は、光ファイバ2の傾斜端面201上に位置し、レーザ光L1を反射する第2部材7を備えてもよい。第2部材7でのレーザ光L1の反射率は、例えば、80%以上であってもよいし、90%以上であってもよいし、95%以上であってもよい。第2部材7は、傾斜端面201のクラッド21の部分に設けられなくてもよい。第2部材7は、傾斜端面201のコア部分に対して部分的に設けられてもよい。第2部材7は、例えば、シート状、膜状あるいは板状に形成されてもよい。第2部材7は、例えば、誘電体多層膜で構成されてもよい。この場合、第2部材7は反射膜であると言える。第2部材7は、誘電体多層膜以外の材料で構成されてもよい。第2部材7は、例えば、ピーク波長が比較的大きい変換光L2を透過し、ピーク波長が比較的小さいレーザ光L1を反射する光学的フィルタであってもよい。このような光学的フィルタはロングパスフィルタと呼ばれる。
【0057】
図4の例のように、光ファイバ2の傾斜端面201上に、レーザ光L1を反射する第2部材7が設けられることによって、傾斜端面201を透過するレーザ光L1を第2部材7で反射することができる。これにより、出射端部200から出射されるレーザ光L1の光量を大きくすることができる。よって、波長変換部4に照射されるレーザ光L1の光量を大きくすることができる。その結果、波長変換部4の発光効率が向上する。
【0058】
光ファイバ2の出射端部200は、波長変換部4の被照射領域41aに対してレーザ光L1を斜めに照射してもよい。図5及び6は、この場合の光接続構造1の一例を示す概略図である。図6は、図5に示される構造を+X側から見た様子の一例が示されている。
【0059】
図5及び6の例では、図1及び2の例と比較して、光ファイバ2が、その中心軸を回転軸として、+X側から見て反時計周りに45度未満回転している。これにより、図6に示されるように、光ファイバ2の出射端部200から、-Z方向よりも+Y側寄りの斜め方向にレーザ光L1が出射されて、波長変換部4に対してレーザ光L1が斜めに照射される。そして、光ファイバ2は、図1及び2の例と比較して、-Y側にずれて配置されている。図5及び6の例では、波長変換部4の第1主面41での被照射領域41aの位置は、図1及び2の例とほぼ同じとなっている。
【0060】
図7は、出射端部200が被照射領域41aに対してレーザ光L1を斜めに照射する場合の光接続構造1の他の一例を示す概略図である。図7の例では、図1及び2の例と比較して、光ファイバ2の傾斜端面201の傾斜角が大きく設定されている。これにより、光ファイバ2の出射端部200から、-Z方向よりも+X側寄りの斜め方向にレーザ光L1が出射されて、波長変換部4に対してレーザ光L1が斜めに照射される。そして、光ファイバ2は、図1及び2の例と比較して、-X方向にずれて配置されている。
【0061】
このように、光ファイバ2の出射端部200が被照射領域41aに対してレーザ光L1を斜めに照射する場合には、波長変換部4が発する変換光L2の光ファイバ3への入射を光ファイバ2が邪魔しにくくなる。これにより、光ファイバ3に入射する変換光L2の光量を大きくすることができる。その結果、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。
【0062】
出射端部200が被照射領域41aに対してレーザ光L1を斜めに照射する場合には、光ファイバ2を、光ファイバ3のコア30の入射端面30aと重ならないように配置することが可能となる。具体的には、光ファイバ2を、入射端面30aを当該入射端面30aに垂直な方向から見た場合に当該入射端面30aと重ならないように配置することが可能となる。図8はこの場合の光接続構造1の一例を示す概略図である。図8の破線内の領域100は、入射端面30aを当該入射端面30aに垂直な方向から見た場合に、当該入射端面30aと重なる領域を示している。
【0063】
図8の例では、図5及び6の例と比較して、光ファイバ2が、その中心軸を回転軸として、+X側から見て反時計周りにさらに回転している。そして、図8の例では、図5及び6の例と比較して、光ファイバ2がさらに-Y側にずれて配置されており、光ファイバ2は、光ファイバ3の入射端面30aと波長変換部4との間に位置していない。これにより、光ファイバ2は、入射端面30aを当該入射端面30aに垂直な方向(図8の例ではZ軸方向)から見た場合に、当該入射端面30aと重ならない。
【0064】
なお、上述の図7の例において、光ファイバ2の傾斜端面201の傾斜角をさらに大きくし、光ファイバ2をさらに-X側にずらして配置して、光ファイバ2が、入射端面30aを当該入射端面30aに垂直な方向から見た場合に、当該入射端面30aと重ならないようにしてもよい。
【0065】
このように、光ファイバ2が、入射端面30aを当該入射端面30aに垂直な方向から見た場合に、当該入射端面30aと重ならない場合には、波長変換部4から出射される変換光L2が光ファイバ3にさらに入射されやすくなる。これにより、光ファイバ3に入射する変換光L2の光量をさらに大きくすることができる。その結果、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。
【0066】
光ファイバ2の出射端部200が被照射領域41aに対してレーザ光L1を斜めに照射する場合には、光ファイバ3の入射端面30aは、被照射領域41aに対して、被照射領域41aに斜めに照射されるレーザ光L1の傾斜と同じ向きに傾斜してもよい。図9はこの場合の光接続構造1の一例を示す概略図である。
【0067】
図9に示される光接続構造1は、上述の図6に示される光接続構造1において、光ファイバ3の入射端面30aを、被照射領域41aに対して、被照射領域41aに斜めに照射されるレーザ光L1の傾斜と同じ向きに傾斜したものである。図9の例では、入射端面30aは、被照射領域41aに入射するレーザ光L1の正反射方向、詳細には、レーザ光L1のうちその中心線を通る光成分(中心成分ともいう)の正反射方向に位置している。光ファイバ3は、被照射領域41aに入射するレーザ光L1の中心成分の正反射方向に対して入射端面30aが例えば垂直あるいは略垂直を成すように、配置されている。入射端面30aは、被照射領域41aの方に向くように、被照射領域41aに対してレーザ光L1の傾斜と同じ向きに傾斜している。入射端面30aは、被照射領域41aに垂直な方向に対して傾斜しているとも言える。また、光ファイバ3の軸方向は、被照射領域41aに垂直な方向に対して傾斜しているとも言える。
【0068】
ここで、被照射領域41aに対してレーザ光L1が照射される場合、変換光L2の強度のピークは、例えば、被照射領域41aの直上方向付近に現れる。図9の例のように、被照射領域41aに対してレーザ光L1が斜めに照射される場合には、変換光L2の強度のピークは、被照射領域41aの直上方向付近に現れるものの、被照射領域41aの直上方向よりも少し正反射方向寄りにずれた方向に現れる。そのため、図9の例のように、光ファイバ3の入射端面30aを傾斜させることによって、波長変換部4が発する変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。なお、図7の例においても、入射端面30aを、被照射領域41aに対して、被照射領域41aに斜めに照射されるレーザ光L1の傾斜と同じ向きに傾斜させてもよい。
【0069】
図9の例では、光ファイバ2は、傾斜した入射端面30aをその垂直な方向から見た場合に入射端面30aと部分的に重なっているが、図10に示されるように重なっていなくてもよい。
【0070】
光ファイバ3のコア径d3は、図1等の例のように、光ファイバ2のコア径d2よりも大きくてもよい。また、コア径d3はコア径d2よりも小さくてもよい。また、コア径d3はコア径d2と同じであってもよい。光ファイバのコア径とは、光ファイバのコアの直径を意味する。図1においてコア径d2及びd3を図示した様子を図11に示す。コア径d3は、例えば直径1.0mm以上5.0mm以下であってもよく、例えば直径1.5mm以上2.0mm以下であってもよい。コア径d2は、例えば直径0.05mm以上0.8mm以下であってもよく、例えば直径0.1mm以上0.2mm以下であってもよい。
【0071】
図1~11に示されるように、光ファイバ2のコア径d2よりも大きいコア径d3を有する光ファイバ3を採用することによって、光ファイバ3に入射する変換光L2の光量を大きくすることができる。よって、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。
【0072】
光ファイバ3の変換光L2の開口数(光ファイバ3の開口数ともいう)は、光ファイバ2のレーザ光L1の開口数(光ファイバ2の開口数ともいう)よりも大きくてもよい。また、光ファイバ3の開口数は光ファイバ2の開口数よりも小さくてもよい。また、光ファイバ3の開口数は光ファイバ2の開口数と同じであってもよい。光ファイバ3の開口数は例えば0.38以上0.90以下であってもよい。光ファイバ2の開口数は例えば0.15以上0.30以下であってもよい。
【0073】
光ファイバ2の開口数よりも大きい開口数の光ファイバ3を採用することによって、光ファイバ3に入射する変換光L2の光量を大きくすることができる。よって、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。見方を変えれば、光ファイバ3の開口数以下の開口数の光ファイバ2を採用することによって、レーザ光L1の被照射領域41aでのスポットの大きさを小さくすることができる。スポットの大きさを小さくすることによって、波長変換部4での変換光L2の発光径を小さくすることができる。これにより、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。なお、光ファイバ3に変換光L2を効率よく入射できるような所望のスポット径(後述するレーザ光L1の被照射領域41aでのスポット径d4)になるように、光ファイバ2はその先端にレンズを有したり、光ファイバ2の出射端部200の先端の形状あるいは傾斜端面201の傾斜角を調整したりすることで、光ファイバ2及び光ファイバ3の開口数の関係を制御してもよい。
【0074】
レーザ光L1の被照射領域41aでのスポット径d4は、図1~11の例のように光ファイバ3のコア径d3以下であってもよい。また、スポット径d4はコア径d3よりも大きくてもよい。また、スポット径d4はコア径d3と同じであってもよい。スポット径d4が小さいほど、光ファイバ2の出射端部200が波長変換部4に近いことを意味する。図11にはスポット径d4が図示されている。
【0075】
ここで、スポット径とは、レーザ光L1等の光が照射される径のことである。本開示でいうスポット径とは、レーザ光L1等の光が照射される被照射領域におけるビーム強度分布(ガウス分布)形状の中心部のピーク強度に対し半値となる部分の径(半値全幅ともいう)をいう。また、本開示では、被照射領域でのスポットの形状が楕円等の非円形のときには、当該スポットの最大の半値全幅をスポット径とする。スポット径は、例えば、カメラ等で被照射領域の画像を取得して、算出することができる。
【0076】
図1~11の例のように、光ファイバ2の出射端部200を波長変換部4に近づけてスポット径d4をコア径d3以下にすることによって、波長変換部4での変換光L2の発光径を小さくすることができる。これにより、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。見方を変えれば、スポット径d4よりも大きいコア径d3を有する光ファイバ3を採用することによって、光ファイバ3に入射する変換光L2の光量を大きくすることができる。よって、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。
【0077】
光ファイバ3の入射端面30aと波長変換部4との間の距離d5は、図1~11の例のように、光ファイバ3のコア径d3以下であってもよい。この場合、距離d5は、コア径d3と同じであってもよいし、コア径d3未満であってもよい。また、距離d5はコア径d3よりも大きくてもよい。図11には距離d5が図示されている。図12は、上述の図9に対して距離d5を図示したものである。
【0078】
ここで、図11及び12に示されるように、入射端面30aに垂直な線Vを、入射端面30aの中心C3から波長変換部4に向けて延ばしたときに、線Vが波長変換部4の表面40と交わる点をP4とする。距離d5は、入射端面30aの中心C3から点P4までの直線距離を意味する。
【0079】
図1~12の例のように、光ファイバ3の入射端面30aを波長変換部4に近づけて、当該入射端面30aと波長変換部4との間の距離d5を光ファイバ3のコア径d3以下にすることによって、光ファイバ3に入射する変換光L2の光量を大きくすることができる。よって、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。見方を変えれば、入射端面30aと波長変換部4との間の距離d5よりも光ファイバ3のコア径d3を大きくすることによって、光ファイバ3に入射する変換光L2の光量を大きくすることができる。よって、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。
【0080】
上記の例では、光ファイバ2の傾斜端面201は、傾斜平面であったが、傾斜凸面であってもよい。つまり、傾斜端面201は凸状となっていてもよい。図13~15は、傾斜端面201が傾斜凸面(言い換えれば傾斜した研磨凸面)である様子の一例を示す概略図である。図13の例では、傾斜端面201が半扁球状に形成されている。扁球とは、楕円をその短軸を回転軸として回転させることで得られる回転体である。図14の例では、図1及び2等に示される傾斜端面201を構成する楕円平面をその長軸方向に沿って凸状に湾曲させることによって得られる凸状湾曲面が、凸状の傾斜端面201を構成している。図15の例では、図1及び2等に示される傾斜端面201を構成する楕円平面をその短軸方向に沿って凸に湾曲させることによって得られる凸状湾曲面が、凸状の傾斜端面201を構成している。
【0081】
なお、図1及び2等に示される傾斜端面201を構成する楕円平面を、その長軸方向に沿って凸状に湾曲させるとともに、その短軸方向に沿って凸状に湾曲させることによって得られる凸状曲面が、凸状の傾斜端面201を構成してもよい。この場合、長軸方向に沿った湾曲の曲率と、短軸方向に沿った湾曲の曲率とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。
【0082】
このように、光ファイバ2の傾斜端面201が傾斜凸面である場合、当該傾斜凸面は凸レンズとして機能する。これにより、傾斜端面201が構成する傾斜凸面の形状を変更することによって、レーザ光L1の被照射領域41aでのスポットの形状(スポット径など)を簡単に調整することができる。
【0083】
出射端部200の傾斜端面201が傾斜凸面である場合には、光ファイバ2は、出射端部200を構成するコアレスファイバを備えてよい。図16はこの場合の光ファイバ2の構成の一例を示す概略図である。
【0084】
図16に示される光ファイバ2(光ファイバ2Aともいう)は、上述のコア20及びクラッド21を有するファイバ210(光ファイバ210あるいはファイバ本体210ともいう)と、ファイバ210の出射側の端面210aに接続されたコアレスファイバ220とを備える。ファイバ210は、レーザ光L1が入射され、入射されたレーザ光L1を伝送する。コアレスファイバ220には、ファイバ210で伝送されるレーザ光L1が入射する。コアレスファイバ220は、入射されたレーザ光L1を伝送し、その端部から外側に出射する。コアレスファイバ220は、光ファイバ2Aの軸方向と交差する方向に沿ってレーザ光L1を出射する出射端部200を有する。コアレスファイバ220は、例えば、コア20の出射側の端面及びクラッド21の出射側の端面に対して接続される。
【0085】
ファイバ210の出射側の端面210aは、例えば、ファイバ210の軸方向に垂直となっており、傾斜していない。ファイバ210は、例えば、図1及び2等に示される光ファイバ2において出射側の端面が傾斜していないものと同じである。
【0086】
コアレスファイバ220は、例えば、コア20でのレーザ光L1に対する屈折率と同じか、あるいはそれに近い屈折率を有する材料で構成されている。コアレスファイバ220は、コア20と同じ材料で構成されてもよいし、コア20と異なる材料で構成されてもよい。コア20が例えば石英ガラスで構成される場合、コアレスファイバ220は例えば石英ガラスで構成されてもよい。コアレスファイバ220の直径は、例えばファイバ210の直径と同じである。コアレスファイバ220は、ファイバ210の出射側の端面210aに対して、例えば融着接続される。コアレスファイバ220の出射側の端面が凸状の傾斜端面201を構成する。コアレスファイバ220内ではレーザ光L1は広がりながら伝搬する。そして、レーザ光L1は、コアレスファイバ220の先端の凸状の傾斜端面201で反射して、光ファイバ2Aの軸方向と交差する方向に沿って出射される。
【0087】
ここで、コアレスファイバ220の凸状の傾斜端面201は、凸レンズとして機能するとともに、反射ミラーとして機能する。したがって、図17に示されるように、等価的には、光ファイバ2を、ファイバ210、凸レンズ250及び反射ミラー260で表現することができる。
【0088】
図16及び17に示されるように、コアレスファイバ220の長さ(d10)は、等価的には、ファイバ210と凸レンズ250との距離(d10)を表している。したがって、コアレスファイバ220の長さを変更することは、等価的には、ファイバ210と凸レンズ250との距離を変更することになる。図17の等価構成において、ファイバ210と凸レンズ250との距離を変更することによって、レーザ光L1の被照射領域41aでのスポットの形状を調整することができる。したがって、コアレスファイバ220を有する光ファイバ2Aを採用した場合には、コアレスファイバ220の長さを変更することで、レーザ光L1の被照射領域41aでのスポットの形状を簡単に調整することができる。
【0089】
なお、図16に示されるように、光ファイバが、コア及びクラッドを有するファイバ(コア有リファイバともいう)とコアレスファイバとを備える場合、本開示では、光ファイバのレーザ光の開口数は、コア有りファイバのレーザ光の開口数とする。
【0090】
光接続構造1は、光ファイバ3の入射端面30aを当該入射端面30aに垂直な方向から見た場合に当該入射端面30aと重なる部分80(第1部分80ともいう)を有し、変換光L2を透過しレーザ光L1を反射する光学フィルタ8を備えてもよい。図18は光学フィルタ8を備える光接続構造1の一例を示す概略図である。図18に示される光接続構造1は、上述の図6に示される光接続構造1に光学フィルタ8を追加したものである。
【0091】
光学フィルタ8は、例えば、板状、シート状あるいは膜状に形成されてもよい。光学フィルタ8でのレーザ光L1の反射率は、例えば、80%以上であってもよいし、90%以上であってもよいし、95%以上であってもよい。光学フィルタ8での変換光L2の透過率は、例えば、80%以上であってもよいし、90%以上であってもよいし、95%以上であってもよい。光学フィルタ8は、例えば、ガラスで構成されてもよいし、ガラス以外の材料で構成されてもよい。図18の例では、光学フィルタ8が有する第1部分80は、入射端面30aと波長変換部4との間に位置すると言える。
【0092】
図18の例では、光学フィルタ8は、例えば、入射端面30aと接触している。光学フィルタ8は、図18に示されるように、コア30の入射端面30aだけではなく、クラッド31の入射側の端面に接触してもよい。光学フィルタ8は、例えば、入射端面30aに対して膜状にコーティングされることによって形成されてもよい。また、例えば、光ファイバ3と別体の光学フィルタ8が入射端面30aに貼り付けられてもよい。
【0093】
図18の例では、光ファイバ2は、例えば、光学フィルタ8よりも下側に位置する。光ファイバ2は、図18の例のように光学フィルタ8に接触してもよいし、接触しなくてもよい。また、光ファイバ2は、光学フィルタ8に固定されてもよいし、固定されなくてもよい。
【0094】
このように、光接続構造1が光学フィルタ8を備える場合には、図18に示されるように、波長変換部4の表面40(具体的には第1主面41)で反射して入射端面30aに向かうレーザ光L1を光学フィルタ8で反射させて、再度波長変換部4に照射することができる。さらに、基板5で反射して波長変換部4を透過して入射端面30aに向かうレーザ光L1を光学フィルタ8で反射させて、再度波長変換部4に照射することができる。これにより、波長変換部4の発光効率が向上する。光学フィルタ8が設けられることによって、少なくとも第2成分L2bの光量を大きくすることができる。
【0095】
また、図18の例のように、光学フィルタ8が入射端面30aと接触する場合には、入射端面30aから光ファイバ3内にレーザ光L1が入射されにくくなる。よって、変換光L2を伝送する光ファイバ3からレーザ光L1が出射される可能性が低減する。
【0096】
上述の図9等のように、傾斜した入射端面30aを有する光ファイバ3を備える光接続構造1にも光学フィルタ8が設けられてもよい。図19は、この場合の光接続構造1の一例を示す概略図である。図19の例においても、光学フィルタ8は、傾斜した入射端面30aを当該入射端面30aの垂直な方向から見た場合に当該入射端面30aと重なる第1部分80を有している。
【0097】
図18及び19の例では、光学フィルタ8は、入射端面30aと接触しているが、図20に示されるように入射端面30aと接触していなくてもよい。また、図18~20の例では、光学フィルタ8は、入射端面30aを当該入射端面30aに垂直な方向から見た場合に当該入射端面30aと重ならない部分(第2部分ともいう)を備えているが、図21に示されるように、光学フィルタ8は第2部分を備えなくてもよい。言い換えれば、光学フィルタ8は第1部分80だけで構成されてもよい。また、図21に示されるように、光学フィルタ8は入射端面30aと部分的に接触してもよい。図21の例では、光ファイバ2は光ファイバ3の入射側の端面(具体的には、クラッド21の入射側の端面とコア30の入射端面30aとで構成された領域)に対して固定されている。なお、図1等のように、光接続構造1が光学フィルタ8を備えていない場合であっても、光ファイバ2は光ファイバ3の入射側の端面に固定されてもよい。
【0098】
上記の各例では、光ファイバ2は、波長変換部4の第1主面41と平行に配置されているが、図22に示されるように、光ファイバ2の出射端部200が上側に位置するように第1主面41に対して傾斜してもよい。この場合であっても、光ファイバ2と光ファイバ3の両方を波長変換部4に近づけることができる。よって、変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。図22の例では、光ファイバ2が、その出射端部200が上側に位置するように第1主面41に対して傾斜することによって、出射端部200からレーザ光L1が被照射領域41aに斜めに照射される。
【0099】
上記の各例では、光ファイバ3の傾斜端面201の傾斜角あるいは向きが変更されることによって、レーザ光L1が波長変換部4の被照射領域41aに斜めに照射されているが、図23に示されるように、波長変換部4が傾斜されることによってレーザ光L1が被照射領域41aに斜めに照射されてもよい。図22の例では、光ファイバ2の出射端部200は-Z方向にレーザ光L1を出射している。そして、基板5の第1主面51がX軸方向に対して傾斜することによって、当該第1主面51上の波長変換部4がX軸方向に対して傾斜している。これにより、出射端部200から-Z方向に出射されたレーザ光L1は被照射領域41aに対して斜めに照射される。なお、基板5の第1主面51を傾斜させずに、放熱部材6における基板5の搭載面を傾斜させることによって、波長変換部4を傾斜させてもよい。
【0100】
波長変換部4を基板5に接合する方法は上記の例に限られない。例えば、波長変換部4の第2領域42に金属膜9を設けて、当該金属膜9に対して基板5をはんだ付けすることによって波長変換部4を基板5に接合してもよい。図24はこの場合の光接続構造1の一例を示す概略図である。
【0101】
金属膜9は波長変換部4の第2領域42に対して例えば蒸着されている。金属膜9は第2領域42上に位置する。金属膜9と放熱部材6との間にははんだ層10が存在し、金属膜9が放熱部材6にはんだ付けされている。金属膜9は、例えば、銀、アルミニウム、チタンあるいはクロムで構成されてもよい。
【0102】
金属膜9は、高反射率部材として機能してもよい。この場合、金属膜9の表面での変換光L2の反射率は、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きくてもよい。金属膜9の表面での変換光L2の反射率は、例えば35%以上であってもよいし、40%以上であってもよいし、50%以上であってもよい。あるいは、金属膜9の表面での変換光L2の反射率は、60%以上であってもよいし、70%以上であってもよいし、80%以上であってもよい。
【0103】
また、金属膜9は、レーザ光L1を反射する部材として機能してもよい。この場合、金属膜9の表面でのレーザ光L1の反射率は、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きくてもよい。金属膜9の表面でのレーザ光L1の反射率は、例えば35%以上であってもよいし、40%以上であってもよいし、50%以上であってもよい。あるいは、金属膜9の表面でのレーザ光L1の反射率は、60%以上であってもよいし、70%以上であってもよいし、80%以上であってもよい。
【0104】
なお、金属膜9の表面での変換光L2の反射率は、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率以下であってもよい。また、金属膜9の表面でのレーザ光L1の反射率は、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率以下であってもよい。
【0105】
金属膜9の表面での変換光L2の反射率が、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きい場合には、変換光L2のうち、波長変換部4の第2領域42から出射して金属膜9で反射して光ファイバ3に入射する第2成分L2bの光量を大きくすることができる。これにより、波長変換部4が発する変換光L2を効率良く光ファイバ3に入射することができる。
【0106】
また、金属膜9の表面でのレーザ光L1の反射率が、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きい場合には、レーザ光L1のうち、波長変換部4を透過して金属膜9で反射される透過成分の光量を大きくすることができる。よって、波長変換部4が発する、透過成分の照射に応じた光の量を大きくすることができる。その結果、波長変換部4の発光効率が向上する。
【0107】
なお、金属膜9は多層膜であってもよい。この場合、金属膜9は、例えば、波長変換部4側から、チタンから成る層、白金から成る層及び金から成る層がこの順で積層された多層膜であってもよい。あるいは、金属膜9は、クロムあるいは銀から成る層、白金から成る層及び金から成る層がこの順で積層された多層膜であってもよい。あるいは、金属膜9は、クロムあるいは銀から成る層、ニッケルから成る層及び金から成る層がこの順で積層された多層膜であってもよい。
【0108】
金属膜9での変換光L2の反射率が波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きい場合には、基板5での変換光L2の反射率は波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率以下であってもよい。また、金属膜9でのレーザ光L1の反射率が波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きい場合には、基板5でのレーザ光L1の反射率は波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率以下であってもよい。
【0109】
光接続構造1は、図25に示されるように、基板5を備えなくてもよい。図25の例では、波長変換部4の第2領域42上の金属膜9が放熱部材6にはんだ付けされている。金属膜9と放熱部材6との間にはんだ層10が存在する。図25の例であっても、金属膜9の表面での変換光L2の反射率が、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きい場合、金属膜9で反射して光ファイバ3に入射する第2成分L2bの光量を大きくすることができる。その結果、接続ロスの少ない光接続構造1を実現することができる。また、金属膜9の表面でのレーザ光L1の反射率が、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きい場合、レーザ光L1のうち、波長変換部4を透過して金属膜9で反射される透過成分の光量を大きくすることができる。その結果、波長変換部4の発光効率が向上する。
【0110】
光接続構造1が基板5を備えない場合には、図26に示されるように、波長変換部4は、放熱部材6に対して、はんだ等の接合材が使用されずに直接接合されてもよい。図26の例では、波長変換部4の第2領域42が放熱部材6に直接接合されている。放熱部材6は波長変換部4の第2領域42上に位置する。例えば、波長変換部4が基板5に接合されるときのように、波長変換部4は酸素結合によって放熱部材6に直接接合されてもよい。あるいは、放熱部材6の表面に例えば数μmの微小な凹凸が設けられて、当該凹凸が利用されたアンカー効果により、波長変換部4が放熱部材6に直接接合されてもよい。
【0111】
波長変換部4が放熱部材6に直接接合される場合には、放熱部材6は高反射率部材として機能してもよい。この場合、高反射率部材が、波長変換部4が発する熱を放出する放熱部材として機能すると言える。放熱部材6の表面での変換光L2の反射率は、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きくてもよい。放熱部材6の表面での変換光L2の反射率は、例えば35%以上であってもよいし、40%以上であってもよいし、50%以上であってもよい。あるいは、放熱部材6の表面での変換光L2の反射率は、60%以上であってもよいし、70%以上であってもよいし、80%以上であってもよい。放熱部材6の表面での変換光L2の反射率が、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きい場合には、放熱部材6で反射して光ファイバ3に入射する第2成分L2bの光量を大きくすることができる。その結果、接続ロスの少ない光接続構造1を実現することができる。
【0112】
また、放熱部材6は、レーザ光L1を反射する部材として機能してもよい。この場合、放熱部材6の表面でのレーザ光L1の反射率は、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きくてもよい。放熱部材6の表面でのレーザ光L1の反射率は、例えば35%以上であってもよいし、40%以上であってもよいし、50%以上であってもよい。あるいは、放熱部材6の表面でのレーザ光L1の反射率は、60%以上であってもよいし、70%以上であってもよいし、80%以上であってもよい。放熱部材6の表面でのレーザ光L1の反射率が、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きい場合、レーザ光L1のうち、波長変換部4を透過して放熱部材6で反射される透過成分の光量を大きくすることができる。その結果、波長変換部4の発光効率が向上する。
【0113】
なお、波長変換部4は、放熱部材6に直接接合されるのではなく、例えば、レーザ光L1及び変換光L2が透過する透明樹脂から成る接合材が用いられて放熱部材6に接合されてもよい。この場合においても、放熱部材6の表面での変換光L2の反射率が、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きいときには、接続ロスの少ない光接続構造1を実現することができる。また、放熱部材6の表面でのレーザ光L1の反射率が、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きいときには、波長変換部4の発光効率が向上する。
【0114】
高反射率部材の表面の全領域において、変換光L2の反射率が、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きくなくてもよい。例えば、高反射率部材の表面において、変換光L2の反射率が、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きい領域は、変換光L2の第2成分L2bが照射される領域だけであってもよい。また、高反射率部材の表面の全領域において、レーザ光L1の反射率が、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きくなくてもよい。例えば、高反射率部材の表面において、レーザ光L1の反射率が、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きい領域は、レーザ光L1のうち波長変換部4を透過した透過成分が照射される領域だけであってもよい。例えば、図1等の例のように基板5が高反射率部材として機能し、基板5がアルミニウム合金あるいはアルミニウムで構成される場合、基板5の放熱性を高めるために、基板5の表面50のうち被照射領域51a以外の領域に対して黒アルマイト処理が行われてもよい。黒アルマイト処理された領域は黒色となり、変換光L2及びレーザ光L1を吸収する。これにより、基板5の表面50において、変換光L2の反射率が、波長変換部4の表面40での変換光L2の反射率よりも大きい領域が被照射領域51aだけとなる。また、基板5の表面50において、レーザ光L1の反射率が、波長変換部4の表面40でのレーザ光L1の反射率よりも大きい領域が被照射領域51aだけとなる。高反射率部材として機能する金属膜9に対しても同様の処理が行われてもよいし、高反射率部材として機能する放熱部材6に対しても同様の処理が行われてもよい。
【0115】
上記の各例では、光接続構造1は放熱部材6を備えているが、光接続構造1は放熱部材6を備えなくてもよい。
【0116】
以上のような光接続構造1は様々なシステムにおいて利用されることができる。以下に、光接続構造1を備えるシステムの構成例について説明する。
【0117】
図27は、光接続構造1を備えるシステム500Aの構成の一例を示す概略図である。図27に示されるシステム500Aは、例えば、光接続構造1の波長変換部4が発する変換光L2を照明光L5として放射する照明システムである。システム500Aが放射する照明光L5は、室内で利用されてもよい、屋外で利用されてもよい。
【0118】
図27に示されるように、システム500Aは、例えば、レーザ装置510と、照明光L5を放射する放射部520と、上述の光ファイバ2とを備える。放射部520は、光接続構造1における光ファイバ2以外の構成を備える。レーザ装置510と放射部520とは光ファイバ2で接続されている。
【0119】
レーザ装置510は、レーザ光L1を生成して光ファイバ2に入射することが可能である。レーザ装置510は光源511を備える。光源511はレーザ光L1を生成して出力することが可能である。光源511は例えばレーザダイオード(laser diode:LD)である。レーザダイオードは半導体レーザとも呼ばれる。光源511が出力するレーザ光L1は光ファイバ2に入射される。
【0120】
レーザ装置510のレーザ光L1の出力電力は、例えば、数W以上10W以下である。レーザ光L1の出力電力はこの限りではない。レーザ装置510が複数の光源511を備える場合、レーザ装置510のレーザ光L1の出力電力は、例えば10W以上であってもよい。
【0121】
光ファイバ2は、光源511が出力するレーザ光L1を放射部520まで伝送することが可能である。光ファイバ2は、光源511が出力するレーザ光L1を伝送して出射端部200から出射する。光ファイバ2の一端はレーザ装置510と接続され、光ファイバ2の他端は放射部520と接続されている。光ファイバ2は、レーザ装置510とコネクタ接続されてもよいし、他の方法で接続されてもよい。また、光ファイバ2は、放射部520とコネクタ接続されてもよいし、他の方法で接続されてもよい。
【0122】
光ファイバ2は放射部520の内部にまで進入している。光ファイバ2の出射端部200は、図1等に示されるように、放射部520内の波長変換部4の近傍に位置している。光ファイバ2の出射端部200から出射するレーザ光L1は、放射部520内の波長変換部4に照射される。放射部520には、例えば長さの短い光ファイバ3が設けられている。放射部520内の波長変換部4が発する変換光L2は、放射部520内の光ファイバ3に入射される。光ファイバ3は、その入射端面30aに入射された変換光L2を、放射部520内で伝送する。光ファイバ3から出射される変換光L2は照明光L5として放射部520の外部に放射される。放射部520は、光ファイバ3から出射される変換光L2が入射する光学系を備えてもよい。この光学系には、レンズ、拡散板及びリフレクタの少なくとも一つが含まれてもよい。放射部520が光学系を備える場合には、放射部520は、照明光L5の配光を調整する機能を有してもよい。
【0123】
図28は、光接続構造1を備える他のシステム500Bの構成の一例を示す概略図である。システム500Bは、システム500Aと同様に、光接続構造1の波長変換部4が発する変換光L2を照明光L5として放射する照明システムである。
【0124】
図28に示されるように、システム500Bは、例えば、レーザ光L1を生成し、生成したレーザ光L1を光L2に変換する変換装置550と、照明光L5を放射する放射部560と、上述の光ファイバ3とを備える。変換装置550は、光接続構造1における光ファイバ3以外の構成を備える。変換装置550と放射部560とは光ファイバ3で接続されている。光ファイバ3の一端は変換装置550と接続され、光ファイバ3の他端は放射部560と接続されている。光ファイバ3は、変換装置550とコネクタ接続されてもよいし、他の方法で接続されてもよい。また、光ファイバ3は、放射部560とコネクタ接続されてもよいし、他の方法で接続されてもよい。
【0125】
変換装置550は上記の光源511を備える。変換装置550には、例えば長さの短い光ファイバ2が設けられている。光源511が出力するレーザ光L1は、変換装置550内の光ファイバ2に入射される。光ファイバ2は、入射されたレーザ光L1を変換装置550内で伝送し、その出射端部200からレーザ光L1を出射する。光ファイバ2から出射されたレーザ光L1は、変換装置550内の波長変換部4に照射される。
【0126】
光ファイバ3は変換装置550内部にまで進入している。光ファイバ3の入射端面30aは、図1等に示されるように、変換装置550内の波長変換部4の近傍に位置している。波長変換部4が発する変換光L2は光ファイバ3の入射端面30aに入射される。光ファイバ3は、入射された変換光L2を放射部560まで伝送する。
【0127】
放射部560は、光ファイバ3から出射される変換光L2を照明光L5として外部に放射する。放射部560は、変換光L2が入射する光学系を備えてもよい。この光学系には、レンズ、拡散板及びリフレクタの少なくとも一つが含まれてもよい。放射部560が光学系を備える場合には、放射部560は、照明光L5の配光を調整する機能を有してもよい。
【0128】
図29は、光接続構造1を備える他のシステム500Cの構成の一例を示す概略図である。システム500Cは、システム500A及び500Bと同様に、光接続構造1の波長変換部4が発する変換光L2を照明光L5として放射する照明システムである。
【0129】
図29に示されるように、システム500Cは、例えば、上述のレーザ装置510及び放射部560と、中継器580と、光ファイバ2及び3とを備える。中継器580は、光接続構造1における光ファイバ2及び3以外の構成を備える。
【0130】
レーザ装置510と中継器580とは光ファイバ2で接続されている。光ファイバ2の一端はレーザ装置510と接続され、光ファイバ2の他端は中継器580と接続されている。光ファイバ2は、レーザ装置510とコネクタ接続されてもよいし、他の方法で接続されてもよい。また、光ファイバ2は、中継器580とコネクタ接続されてもよいし、他の方法で接続されてもよい。
【0131】
中継器580と放射部560とは光ファイバ3で接続されている。光ファイバ3の一端は中継器580と接続され、光ファイバ3の他端は放射部560と接続されている。光ファイバ3は、中継器580とコネクタ接続されてもよいし、他の方法で接続されてもよい。また、光ファイバ3は、放射部560とコネクタ接続されてもよいし、他の方法で接続されてもよい。
【0132】
光ファイバ2は、レーザ装置510の光源511が出力するレーザ光L1を中継器580まで伝送する。光ファイバ2は中継器580の内部にまで進入している。光ファイバ2の出射端部200は、図1等に示されるように、中継器580内の波長変換部4の近傍に位置している。光ファイバ2の出射端部200から出射するレーザ光L1は、中継器580内の波長変換部4に照射される。
【0133】
光ファイバ3は中継器580内部にまで進入している。光ファイバ3の入射端面30aは、図1等に示されるように、中継器580内の波長変換部4の近傍に位置している。波長変換部4が発する変換光L2は光ファイバ3の入射端面30aに入射される。光ファイバ3は、入射された変換光L2を放射部560まで伝送する。放射部560は、光ファイバ3から出射される変換光L2を照明光L5として外部に放射する。
【0134】
光接続構造1を備えるシステムは、上記の例に限られない。例えば、光接続構造1は、内視鏡システムにおいて使用されてもよい。この場合、波長変換部4が発する変換光L2は、胃腸内等の体内を照らす照明光として利用される。また、光接続構造1は、照明光L5を放射する照明システム以外で使用されてもよい。例えば、光接続構造1はプロジェクタで使用されてもよい。この場合、波長変換部4が発する変換光L2が、プロジェクタの光源の光として利用されてもよい。
【0135】
以上のように、光接続構造及びそれを備えるシステムは詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0136】
1 光接続構造
2,2A,3 光ファイバ
4 波長変換部
5 基板
6 放熱部材
7 第2部材
8 光学フィルタ
80 部分
9 金属膜
20,30 コア
30a 入射端面
41a 第1領域
42 第2領域
51a 第3領域
200 出射端部
201 傾斜端面
210 ファイバ
220 コアレスファイバ
500A,500B,500C システム(照明システム)
L1 レーザ光
L2 変換光
L2a 第1成分
L2b 第2成分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図29