(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102403
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
F04D 25/16 20060101AFI20220630BHJP
F04D 29/52 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
F04D25/16
F04D29/52 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217108
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000105659
【氏名又は名称】日本電産コパル電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹生 恭佑
(72)【発明者】
【氏名】大林 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】中田 佑希
(72)【発明者】
【氏名】内田 俊哉
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AB62
3H130AB66
3H130AB68
3H130AC30
3H130BA95A
3H130CA22
3H130DJ06X
3H130EA01A
3H130EA06A
3H130EB01A
3H130EB04A
3H130EC08A
3H130EC14A
3H130EC17A
(57)【要約】
【課題】 強い力を必要とせずに複数の送風機を確実に連結することが可能な送風機を提供する。
【解決手段】 第1ケース21は、第1フランジ25を有する。第2ケース31は、第2フランジ35を有し、第2フランジを第1ケースの第1フランジに接触させて第1ケースに連結される。第1係合部27は、第1フランジに設けられ、第2係合部28は、第1フランジに第1係合部から第1ケースの軸心に対して回転方向に離間して設けられている。第1係合部に係合される第3係合部37は、第2フランジに設けられている。弾性を有する第4係合部38は、第2フランジに第3係合部から軸心に対して回転方向に離間して配置され、一端部が第2フランジに設けられ、他端部が第2係合部に係合される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フランジを有する第1ケースと、
第2フランジを有し、前記第2フランジを前記第1ケースの第1フランジに接触させて前記第1ケースに連結される第2ケースと、
前記第1ケースの前記第1フランジに設けられた第1係合部と、
前記第1ケースの前記第1フランジに前記第1係合部から前記第1ケースの軸心に対して回転方向に離間して設けられた第2係合部と、
前記第2ケースの前記第2フランジに設けられ、前記第1ケースの前記第1係合部に係合される第3係合部と、
前記第2ケースの前記第2フランジに前記第3係合部から前記第2ケースの軸心に対して回転方向に離間して配置され、一端部が前記第2フランジに設けられ、他端部が第1ケースの前記第2係合部に係合される弾性を有する第4係合部と、
を具備することを特徴とする送風機。
【請求項2】
前記第1係合部は、前記第1フランジの周囲に設けられた第1凹部であり、
前記第2係合部は、前記第1フランジの前記第2フランジと対向する面に設けられた第2凹部であり、
前記第3係合部は、前記第2フランジの前記第1フランジと対向する表面に垂直に設けられたフックであり、
前記第4係合部は、一端部が前記第2フランジと一体的に設けられた突起であり、前記突起の他端部は、前記第2フランジに対して前記第2ケースの前記軸心と平行な方向に変形可能であることを特徴とする請求項1記載の送風機。
【請求項3】
前記第1係合部は、前記第1フランジの周囲に設けられた第1凹部であり、
前記第2係合部は、前記第1フランジの周囲に前記第1凹部と連続的に設けられた第3凹部であり、
前記第3係合部は、前記第2フランジの前記第1フランジと対向する表面に垂直に設けられたフックであり、
前記第4係合部は、前記第2フランジの前記第1フランジと対向する表面に垂直に設けられ、前記フックより厚みが薄く、前記第3凹部に係合可能な突起であることを特徴とする請求項1記載の送風機。
【請求項4】
前記第1係合部は、前記第1フランジの周囲に設けられた第1凹部であり、
前記第2係合部は、前記第1フランジの周囲に前記第1凹部と連続的に設けられた第3凹部であり、
前記第3係合部は、前記第2フランジの前記第1フランジと対向する表面と垂直に設けられたフックであり、
前記第4係合部は、前記第2フランジと平行で、一端部が前記第3係合部と一体的に設けられ、他端部が前記第3凹部に係合可能な突起であることを特徴とする請求項1記載の送風機。
【請求項5】
前記フックは、一端部が前記第2フランジに一体的に設けられた柱部と、前記柱部の他端部に前記第1ケースの側面と反対側に突出して設けられた頭部を具備し、前記頭部は、前記第2フランジと対向する面に傾斜部を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1つに記載の送風機。
【請求項6】
前記突起は、一端部が前記第2フランジに設けられ、他端部が前記第2フランジの表面より高く、前記一端部と前記他端部の間に傾斜部を有することを特徴とする請求項2記載の送風機。
【請求項7】
前記突起は、L字型の切り込みを隔てて前記第2フランジに設けられることを特徴とする請求項2記載の送風機。
【請求項8】
前記突起は、一端部が前記第2フランジに設けられた柱部と、前記柱部の他端部に前記第1ケースの側面側に突出して設けられた頭部を具備し、前記頭部は、前記第1ケースと対向する側面に傾斜部を有することを特徴とする請求項3記載の送風機。
【請求項9】
前記突起は、前記第2フランジと平行で、一端部が前記第3係合部の側面に設けられたアームと、前記アームの他端部に前記第1ケースの側面側に突出して設けられた頭部を具備し、前記頭部は、前記第1ケースと対向する側面に傾斜部を有することを特徴とする請求項4記載の送風機。
【請求項10】
前記第1ケース及び第2ケース、又は第2ケースは、PBT(ポリブチレンテレフタレート)繊維強化樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維強化樹脂、及びアルミ合金の1つにより形成される請求項1記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば軸流ファンを含む送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば第1の単体軸流送風機と第2の単体軸流送風機とが結合構造を介して連結された送風機が開発されている(例えば特許文献1参照)。第1の単体軸流送風機は、例えば4つの第1の嵌合溝と、4つの第2の嵌合溝とを有し、第2の単体軸流送風機は、第1の嵌合溝にそれぞれ嵌合可能なフックと、第2の嵌合溝に嵌合可能な突起とを有している。第1の嵌合溝にフックが挿入され、第2の嵌合溝に突起が挿入されることにより、第2の単体軸流送風機が第1の単体軸流送風機の軸心に沿った方向と、軸心を中心として回転する方向に対して連結状態が保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記2つの送風機を連結する際、フックや突起が弾性変形することで溝に嵌合される。したがって、フックや突起を弾性変形させるために強い力が必要であった。
本実施形態は、強い力を必要とせずに複数の送風機を確実に連結することが可能な送風機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の送風機は、第1フランジを有する第1ケースと、第2フランジを有し、前記第2フランジを前記第1ケースの第1フランジに接触させて前記第1ケースに連結される第2ケースと、前記第1ケースの前記第1フランジに設けられた第1係合部と、前記第1ケースの前記第1フランジに前記第1係合部から前記第1ケースの軸心に対して回転方向に離間して設けられた第2係合部と、前記第2ケースの前記第2フランジに設けられ、前記第1ケースの前記第1係合部に係合される第3係合部と、前記第2ケースの前記第2フランジに前記第3係合部から前記第2ケースの軸心に対して回転方向に離間して配置され、一端部が前記第2フランジに設けられ、他端部が第1ケースの前記第2係合部に係合される弾性を有する第4係合部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】
図1に示す第1ケースの主要部を拡大して示す斜視図。
【
図4】
図1に示す第2ケースの主要部を拡大して示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。図面において、同一部分には、同一符号を付している。
図1、
図2は、本実施形態に係る送風機の一例を示している。
送風機10は、第1送風機20と第2送風機30が連結して配置されている。第1送風機20及び第2送風機30は、いずれも軸流ファンであり、これらは同一方向に送風するように配置されている。第1送風機20は、円筒形の第1ケース21を具備し、第1ケース21は、吸気口又は排気口としての第1開口部22を有している。第2送風機30も、円筒形の第2ケース31を具備し、第2ケース31も、吸気口又は排気口としての第2開口部32を有している。
【0008】
第1ケース21及び第2ケース31、又は第2ケース31は、高剛性材料、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)繊維強化樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維強化樹脂、又はアルミ合金により構成される。しかし、別の材料を適用することも可能である。
【0009】
第1ケース21の第1開口部22の内部には、第1インペラ23と、第1インペラ23を駆動する第1モータ24が設けられている。
図1において、第1モータ24のシャフトのみが示されている。
【0010】
第2ケース31の第2開口部32の内部には、第2インペラ33と、第2インペラ33を駆動する第2モータ34が設けられている。
図2において、第2モータは、図示されていない。
【0011】
第1ケース21の軸心(
図2に破線で示す)に沿った方向の両端部、すなわち、第1開口部22の両端部且つその周囲には、例えば四角形状の第1フランジ25と第2フランジ26が設けられている。
【0012】
第2ケース31の軸心に沿った方向の両端部、すなわち、第2開口部32の両端部且つその周囲には、例えば四角形状の第3フランジ35と、第4フランジ36が設けられている。
【0013】
第1フランジ25、第2フランジ26、第3フランジ35、第4フランジ36のそれぞれの四隅には、穴25a、26a、35a、36aがそれぞれ設けられている。
【0014】
第1送風機20と第2送風機30とを連結する場合、第1ケース21の第1フランジ25と第2ケース31の第3フランジ35が接触され、第1ケース21と第2ケース31がこれらの中心を通る軸に対して相対的に回転される。第1ケース21と第2ケース31は、連結状態を保持するため、第1ケース21は、複数の第1係合部27と複数の第2係合部28を具備し、第2ケース31は、複数の第3係合部37と複数の第4係合部38を具備している。第3係合部37のそれぞれは、第1係合部27のそれぞれに係合可能であり、第4係合部38のそれぞれは、第2係合部のそれぞれに係合可能とされている。
【0015】
第1ケース21に設けられた複数の第1係合部27は、第1フランジ25の各穴25aの近傍に設けられた切欠き27aに含まれている。切欠き27aは、第1フランジ25の側面から第1ケース21の側面に亘り、且つ第1ケース21の中心を通る軸の周囲に沿って設けられている。
【0016】
具体的には、
図2、
図3に示すように、切欠き27aは、第1凹部27bと第3凹部27c(第2凹部は後述する)を含んでいる。第1凹部27bは、穴25aの近傍で、第1ケース21が軸を中心として図示矢印A方向に向かって開いており、第3係合部37が進入可能とされている。第3凹部27cは、第1凹部27bと連続し、第1ケース21の側面に沿って設けられている。
【0017】
図3に示すように、第1ケース21の複数の第2係合部28は、第1フランジ25の第3フランジ35と対向する面(裏面とも言う)に設けられている。第2係合部28は、第1フランジ25の各穴25aの近傍に設けられたほぼ矩形状の第2凹部28aであり、第2凹部28aは、第1ケース21の回転方向に沿って設けられている。第2凹部28aは、第2ケース31の第4係合部38と係合可能であり、第4係合部38が進入可能な幅と、長さと、深さを有している。
【0018】
図4に示すように、第2ケース31の複数の第3係合部37は、第3フランジ35の第1フランジ25と対向する面(表面とも言う)に設けられている。第3係合部37は、所謂フック37aである。フック37aは、柱部37bと頭部37cを有している。柱部37bは、第3フランジ35の表面に対して垂直に設けられ、頭部37cは、第3フランジ35の表面とほぼ平行で、第3フランジ35の外側に向けて設けられている。フック37aの柱部37bの幅と厚みは、第1フランジ25の第1凹部27bの幅、及び奥行きとほぼ等しく、柱部37bの長さは、第1フランジ25の厚みとほぼ等しい。このため、フック37aの柱部37bが第1フランジ25の第1凹部27b内に収容された状態において、フック37aの頭部37cが第1フランジ25の表面に係合され、第1ケース21と第2ケース31は、軸心に沿った方向にロックされる。
【0019】
また、フック37aの頭部37cは、第3フランジ35と対向する面の一部に傾斜部37dを有している。傾斜部37dは、第2ケース31の回転方向一方(
図1に示す矢印B)側に向かうに従って、頭部37cの厚みが薄くなるように傾斜されている。このため、第1ケース21と第2ケース31とを連結する際、第1ケース21の第1フランジ25がフック37aに対して移動し易くされている。
【0020】
図4に示すように、第2ケース31に設けられた複数の第4係合部38は、第3フランジ35の一部に設けられた弾性を有する突起38aであり、所謂片持ち梁である。具体的には、突起38aの一端部は、第3フランジ35に一体的に設けられ、他端部は、第3フランジ35の厚み方向(図示矢印C、D方向)に回転するように変形可能とされている。このため、突起38aは、ほぼL字型の切り込み38bを隔てて、第3フランジ35に設けられる。突起38aは、第2ケース31の周囲に沿って配置され、突起38aの長さは、第2係合部28としての第2凹部28aの長さにほぼ等しい。
【0021】
突起38aの厚みは、一端部(第1フランジ25の進入側)から他端部に次第に増加されており、他端部は、第3フランジ35の表面より高く、第3フランジ35の表面から突出されている。このため、突起38aの表面は、一端部から他端部に高くなるよう傾斜されており、突起38aは、一端部と他端部との間に傾斜部38cを有している。
【0022】
突起38aの一端部の厚みと他端部の厚みの差は、第3フランジ35の表面からの突出量にほぼ等しく、第2凹部28aの深さにほぼ等しくされている。このため、突起38aは、第2凹部28a内に進入した状態において、他端部が第2凹部28aの側面に係合され、第1ケース21と第2ケース31は、軸心に対して回転する方向にロックされる。
【0023】
上記構成において、第1ケース21を第2ケース31に連結する場合、第1ケース21の第1フランジ25と第2ケース31の第3フランジ35が接触され、第1ケース21の第1フランジ25に設けられた複数の切欠き27aのそれぞれに第2ケース31の第3フランジ35に設けられた複数のフック37aのそれぞれが挿入される。この時、第3フランジ35の突起38aは、第1フランジ25の裏面に接触され、その弾性に抗して図示矢印C方向に変形される。
【0024】
この状態において、第1ケース21を第2ケース31に対して、
図1、
図2に示す矢印A方向に回転すると、第2ケース31のフック37aが第1ケースの第3凹部27cから第1凹部27b内に進入し、フック37aの頭部37cが第1ケース21の第1フランジ25の表面に係合される。
【0025】
一方、第1ケース21が第2ケース31に対して、
図1、
図2に示す矢印A方向に回転されると、突起38aは、第1フランジ25をスライドする。突起38aが第1ケース21の第2凹部28a内に到達すると、突起38aは、傾斜部38cが第2凹部28aの縁に接触した状態で、その弾性により先端部が矢印D方向に変形し、突起38aが第2凹部28a内に進入する。このため、突起38aと第2凹部28aとが係合され、第1ケース21と第2ケース31は、軸心に対して回転する方向に対してロックされる。
【0026】
このようにして、第1ケース21と第2ケース31は、第1係合部27、第2係合部28、第3係合部37、第4係合部38により、第1ケース21と第2ケース31の軸心に沿った方向と軸心に対して回転する方向に対してロックされる。
【0027】
一方、第1ケース21と第2ケース31が連結された状態から、第1ケース21と第2ケース31を分離する場合、第2ケース31の突起38aをその弾性に抗して、
図4に示す矢印C方向に変形させ、突起38aと第2凹部28aとの係合状態が解除される。この後、第1ケース21を第2ケース31に対して、
図1、
図2に示す矢印B方向に回転すると、突起38aは、傾斜部38cが第2凹部28aの縁により図示矢印C方向に変形しながら第2凹部28aから抜ける。突起38aが第2凹部28aから抜けると、フック37aと第1凹部27b(第1フランジ25)との係合状態が解除され、第1ケース21を第2ケース31から分離することができる。
【0028】
(第1実施形態の効果)
上記第1実施形態によれば、第1ケース21と第2ケース31は、第1係合部27、第2係合部28、第3係合部37、第4係合部38により、第1ケース21と第2ケース31の軸心に沿った方向と軸心に対して回転する方向に対してロックすることが可能であり、第4係合部38としての突起38aが回転するように変形することにより第2凹部28aに係合される。このため、強い力を必要とせずに第1ケース21と第2ケース31とを連結することができ、且つ、第1乃至第4係合部により、連結状態を確実に保持することができる。
【0029】
しかも、突起38aは、傾斜部38cを有しており、突起38aと第2凹部28aを係合するとき、及び突起38aと第2凹部28aとの係合を解除するとき、突起38aの弾性により傾斜部38cが第2凹部28aの縁に接触して移動する。したがって、突起38aの弾性を利用して、突起38aを変形させることができるため、第1ケース21と第2ケース31とを連結したり、分離したりする際の操作力を低減することが可能である。
【0030】
さらに、第4係合部38としての、突起38aは、一端部が第3フランジ35に設けられた片持ち梁であるため、突起38aをその弾性に抗して変形させることにより、突起38aと第2凹部28aとの係合状態を容易に解除することが可能である。したがって、第1送風機20と第2送風機30を必要に応じて連結したり分離したりすることが可能である。
【0031】
尚、第1実施形態において、2つの送風機を連結する場合について説明したが、上記の連結構造を利用することにより、3つ以上の送風機を連結することも可能である。
【0032】
(第2実施形態)
図5、
図6は、第2実施形態を示している。第2実施形態は、第2係合部41と第4係合部42の構成が第1実施形態と異なっている。
第2実施形態において、第2係合部41は、切欠き27a内の第3凹部27cであり、第4係合部42は、第3フランジ35の表面に設けられた弾性を有する突起42aである。
【0033】
図6に示すように、突起42aは、第3フランジ35の表面において、フック37aから第1ケース21の回転方向(図示矢印A方向)に所定距離離れて配置される。具体的には、フック37aと突起42aは、第1ケース21に設けられた第3凹部27cの第1ケース21の周囲に沿った長さと同一の範囲内に配置される。
【0034】
突起42aは、柱部42bと頭部42cを含んでいる。柱部42bは、第3フランジ35の表面に垂直に設けられ、突起42aの高さ(長さ)は、第1ケース21の第3凹部27cの高さの範囲内とされている。柱部42bは、頭部42cが図示矢印E、F方向に回転するように変形可能となるよう弾性を有している。
【0035】
突起42aの頭部42cは、第3フランジ35の表面とほぼ平行で、第3フランジ35の内側(第1ケース21の側面)に向けて突出されている。頭部42cの軸と交差する方向の厚みは、第1ケース21の第3凹部27cの深さ(軸と交差する方向の奥行)より大きく、頭部42cの先端が第3凹部27c内に進入可能とされている。
【0036】
頭部42cは、第1ケース21の側面と対向する側面の一部に傾斜部42dを有している。傾斜部42dは、第2ケース31の回転方向の一方(矢印B)側に向かうに従って、頭部37cの厚みが薄くなるように傾斜されている。このため、第1ケース21と第2ケース31とを連結する際、第1ケース21の側面に対して移動し易くされている。
【0037】
上記構成において、第1ケース21を第2ケース31に連結する場合、第1ケース21の第1フランジ25と第2ケース31の第3フランジ35が接触され、第1ケース21の第1フランジ25に設けられた複数の切欠き27aに第2ケース31の第3フランジ35に設けられた複数のフック37aのそれぞれが挿入される。さらに、突起42aの頭部42cが第1ケース21の側面に接触され、柱部42bは、その弾性に抗して図示矢印E方向に変形される。
【0038】
この状態において、第1ケース21を第2ケース31に対して、図示矢印A方向に回転すると、第2ケース31のフック37aが第1ケースの第3凹部27cから第1凹部27b内に進入し、
図5に示すように、フック37aの頭部37cが第1ケース21の第1フランジ25の表面に係合される。
【0039】
一方、第1ケース21の側面に頭部42cが当接された第2ケース31の突起42aは、第1ケース21が第2ケース31に対して、図示矢印A方向に回転されると、第1ケース21の側面をスライドする。
【0040】
この状態において、突起42aが第1ケース21の第2係合部28としての第3凹部27c内に到達すると、突起42aはその弾性により先端部が矢印F方向に変形し、突起42aが第3凹部27c内に進入する。このため、
図5に示すように、突起42aと第3凹部27cとが係合され、第1ケース21と第2ケース31は、軸心に対して回転する方向に対してロックされる。
【0041】
このようにして、第1ケース21と第2ケース31は、第1係合部27、第2係合部41、第3係合部37、第4係合部42により、第1ケース21と第2ケース31の軸心に沿った方向と軸心に対して回転する方向に対してロックされる。
【0042】
一方、第1ケース21と第2ケース31が連結された状態から、第1ケース21と第2ケース31を分離する場合、第2ケース31の突起42aをその弾性に抗して、
図6に示す矢印E方向に変形させ、突起42aと第3凹部27cとの係合状態を解除する。この後、第1ケース21を第2ケース31に対して、図示矢印B方向に回転すると、フック37aと第3凹部27c(第1フランジ25)との係合状態が解除され、第1ケース21を第2ケース31から分離することができる。
【0043】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、第4係合部42としての突起42aが第3係合部37としてのフック37aと同一の面に設けられているため、第1ケース21と第2ケース31の連結作業及び分離作業を容易に行うことができる
さらに、突起42aは、傾斜部42dを有しており、突起42aと第3凹部27cを係合するとき、及び突起42aと第3凹部27cとの係合を解除するとき、突起42aの弾性により傾斜部42dが第3凹部27cの縁に接触して移動する。したがって、突起42aの弾性を利用して、突起42aを変形させることができるため、第1ケース21と第2ケース31とを連結したり、分離したりする際の操作力を低減することが可能である。
【0044】
(第3実施形態)
図7、
図8は、第3実施形態を示している。第3実施形態は、第4係合部51の構成が第2実施形態と異なっている。
第3実施形態において、第4係合部51は、第3係合部37としてのフック37aに設けられている。
【0045】
図8に示すように、第4係合部51は、弾性を有する突起37eであり、突起37eは、アーム37fと頭部37gを含んでいる。アーム37fは、第3フランジ35の表面と平行に設けられ、その一端部は、フック37aの側面に一体的に設けられ、頭部37gを含む他端部は、第1ケース21の回転方向(図示矢印A方向)に延出されている。
【0046】
フック37aを含む突起37eの長さは、第1ケース21の第3凹部27cの長さとほぼ一致されており、フック37aと突起37eは、第3凹部27c内に収容可能とされている。アーム37fの厚みは、頭部37gの厚みより薄く、弾力を有している。このため、頭部37gは、図示矢印G、H方向に回転するように変形可能とされている。
【0047】
頭部37gの第1ケース21の側面と対向する面には傾斜部37hが設けられている。傾斜部37hは、第2ケース31の回転方向一方(矢印B)側に向かうに従って、頭部37cの厚みが薄くなるように傾斜されている。このため、第1ケース21と第2ケース31とを連結する際、第1ケース21の側面に対して移動し易くされている。
【0048】
上記構成において、第1ケース21を第2ケース31に連結する場合、第1ケース21の第1フランジ25と第2ケース31の第3フランジ35が接触され、第1ケース21の第1フランジ25に設けられた複数の切欠き27aのそれぞれに第2ケース31の第3フランジ35に設けられたフック37aのそれぞれが挿入される。さらに、突起37eの頭部37gは、第1ケース21の側面に接触され、アーム37fはその弾性に抗して図示矢印H方向に変形される。
【0049】
この状態において、第1ケース21を第2ケース31に対して、図示矢印A方向に回転すると、第2ケース31のフック37aが第1ケースの第3凹部27cから第1凹部27b内に進入し、
図7に示すように、フック37aの頭部37cが第1ケース21の第1フランジ25の表面に係合される。
【0050】
一方、第1ケース21の側面に頭部37gが接触された第2ケース31の突起37eは、第1ケース21が第2ケース31に対して、図示矢印A方向に回転されると、第1ケース21の側面をスライドされる。頭部37gが第1ケース21の第3凹部27cに到達すると、突起37eはその弾性により先端部が矢印G方向に変形され、突起37eが第3凹部27c内に進入する。このため、
図7に示すように、突起37eと第3凹部27cとが係合され、第1ケース21と第2ケース31は、軸心に対して回転する方向に対してロックされる。
【0051】
このようにして、第1ケース21と第2ケース31は、第1係合部27、第2係合部41、第3係合部37、第4係合部51により、第1ケース21と第2ケース31の軸心に沿った方向と軸心に対して回転する方向に対してロックされる。
【0052】
一方、第1ケース21と第2ケース31が連結された状態から、第1ケース21と第2ケース31を分離する場合、第2ケース31の突起37eをその弾性に抗して、
図8に示す矢印H方向に変形させ、突起37eと第3凹部27cとの係合状態を解除する。この後、第1ケース21を第2ケース31に対して、図示矢印B方向に回転すると、フック37aと第3凹部27c(第1フランジ25)との係合状態が解除され、第1ケース21を第2ケース31から分離することができる。
【0053】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態によっても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、第3実施形態によれば、第4係合部51としての突起37eは、第3係合部37としてのフック37aに一体的に設けられている。このため、第1ケース21と第2ケース31を連結する際、各係合部の位置合わせを容易化することができ、作業工数を低減することが可能である。
【0054】
さらに、突起37eは、傾斜部37hを有しており、突起37eと第3凹部27cを係合するとき、及び突起37eと第3凹部27cとの係合を解除するとき、突起37eの弾性により傾斜部37hが第3凹部27cの縁に接触して移動する。したがって、突起37eの弾性を利用して、突起37eを変形させることができるため、第1ケース21と第2ケース31とを連結したり、分離したりする際の操作力を低減することが可能である。
【0055】
その他、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…送風機、20…第1送風機、30…第2送風機、21…第1ケース、31…第2ケース、25…第1フランジ、26…第2フランジ、35…第3フランジ、36…第4フランジ、27…第1係合部、27a…切欠き、27b…第1凹部、27c…第3凹部、28、41…第2係合部、28a…第2凹部、37…第3係合部、37a…フック、37b…柱部、37c…頭部、37d…傾斜部、37e…突起、37f…アーム、37g…頭部、37h…傾斜部、38、42、51…第4係合部、38a…突起、42a…突起、42b…柱部、42c…頭部、42d…傾斜部。