(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010256
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】コマーシャルの自動プレイバック・システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/433 20110101AFI20220106BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20220106BHJP
H04N 21/462 20110101ALI20220106BHJP
H04N 5/783 20060101ALI20220106BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H04N21/433
H04N21/442
H04N21/462
H04N5/783
H04N5/92 010
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184607
(22)【出願日】2021-11-12
(62)【分割の表示】P 2020170981の分割
【原出願日】2013-03-13
(31)【優先権主張番号】61/610,382
(32)【優先日】2012-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502099382
【氏名又は名称】ティヴォ ソリューションズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カーク ディー ウォン
【テーマコード(参考)】
5C053
5C164
【Fターム(参考)】
5C053GB06
5C053GB12
5C053HA21
5C053JA21
5C053LA11
5C053LA14
5C164FA25
5C164MA05S
5C164UB36P
5C164UB41P
5C164UB91S
5C164UC21P
5C164YA11
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】コマーシャルの自動プレイバック・システムの提供。
【解決手段】マルチメディア・デバイスが、早送りする間に、「戻るジャンプ」タグの存在を検出すると、マルチメディア・デバイスは特別な状態に入る。この特別な状態にいる間、マルチメディア・デバイスが、ユーザがマルチメディア・デバイスに早送りを停止するよう命令したことを検出すると、マルチメディア・デバイスは、記録されているコマーシャル・ブレーク内の指定された時間的位置を検索する。マルチメディア・デバイスは、マルチメディア・デバイスが係わっていた如何なる活動の実行も停止し、記録されているコマーシャル・ブレークの指定された時間的位置に「戻るジャンプ」をし、かつ指定された時間的位置から通常の速度で記録されているコンテンツ・ストリームの再生を再開する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ・ストリームからコンテンツを提示のために生成することと、
前記コンテンツの第1の提示ポイントにおいて、前記コンテンツの所望の提示ポイントに到達するまで前記コンテンツの一部をスキップするためのコマンドを受信することと、
前記コンテンツ・ストリームに関連付けられた情報に基づいて、
前記第1の提示ポイントよりも後であり、かつ、前記所望の提示ポイントよりも前である第2の提示ポイントにおいて、1つ以上の広告が提示のためにスケジュールされていることを決定することと、
前記1つ以上の広告のサブセットがスキップされることが可能であることを決定することと、
前記1つ以上の広告の前記サブセットがスキップされることを行わせることと、
前記所望の提示ポイントから前記コンテンツの提示を再開することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の広告のサブセットがスキップされることが可能であることを決定することは、前記コンテンツ・ストリームに関連付けられた前記情報が、
前記広告のうちの少なくとも1つが特定のエンティティに関連付けられていることを示す情報と、
前記特定のエンティティに関連付けられている前記広告がスキップされることが可能であることを示す情報と
を含むことを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記広告のうちの少なくとも1つがスキップされることが可能でないことを決定することと、
前記広告のうちの前記少なくとも1つが終了したことを決定することと、前記1つ以上の広告の前記サブセットがスキップされたこととに応答して、前記所望の提示ポイントから前記コンテンツの提示を再開することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記広告のうちの少なくとも1つがスキップされることが可能でないことを決定することは、
前記広告のうちの前記少なくとも1つが特定のエンティティに関連付けられていることを示す情報と、
前記特定のエンティティに関連付けられている前記広告がスキップされることが可能でないことを示す情報と
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記所望の提示ポイントから前記コンテンツの提示を再開することは、前記1つ以上の広告の終了点から前記所望の提示ポイントまで前方にスキップすることを含み、前記前方にスキップすることは、前記1つ以上の広告の前記終了点に続き、かつ、前記所望の提示ポイントに先行する前記コンテンツの一部をスキップすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の提示ポイントにおいて、前記1つ以上の広告が提示のためにスケジュールされていることを決定することは、
前記コンテンツ・ストリームに関連付けられた前記情報から特定のタグの存在を検出することと、
前記特定のタグが前記1つ以上の広告が提示のためにスケジュールされている前記第2の提示ポイントを指定することを決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記所望の提示ポイントから前記コンテンツの提示を再開することは、前記1つ以上の広告の提示が終了したかどうかを決定することを含み、
前記1つ以上の広告の提示が終了したかどうかを決定することは、
前記コンテンツ・ストリームに関連付けられた前記情報から特定のタグの存在を検出することと、
前記特定のタグによって指定された前記1つ以上の広告の期間を特定することと、
前記期間が経過したかどうかを決定することと
によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記特定のタグの存在を検出することは、前記コンテンツ・ストリームに対応する字幕ストリームに挿入されている指定されたコードを検出することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記特定のタグの存在を検出することは、
前記コンテンツ・ストリームに対応する字幕ストリームテキストからハッシュ値のシーケンスを計算することにより、ハッシュ値シーケンスを生成することと、
前記ハッシュ値のシーケンスが、ハッシュ値の指定された組のパターンにおけるハッシュ値のいずれかのパターンに対応するかどうかを決定することと、
前記ハッシュ値のシーケンスが、ハッシュ値の前記指定された組のパターンにおけるハッシュ値の第1のパターンに対応することを決定することに応答して、ハッシュ値の前記第1のパターンに関連付けられた情報に応じたアクションを実行することと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
システムであって、前記システムは、
コンテンツ・ストリームからコンテンツを提示のために生成するように構成されている制御回路と、
前記コンテンツの第1の提示ポイントにおいて、前記コンテンツの所望の提示ポイントに到達するまで前記コンテンツの一部をスキップするためのコマンドを受信するように構成されている入力/出力回路と
を備え、
前記制御回路は、
前記コンテンツ・ストリームに関連付けられた情報に基づいて、
前記第1の提示ポイントよりも後であり、かつ、前記所望の提示ポイントよりも前である第2の提示ポイントにおいて、1つ以上の広告が提示のためにスケジュールされていることを決定することと、
前記1つ以上の広告のサブセットがスキップされることが可能であることを決定することと、
前記1つ以上の広告の前記サブセットがスキップされることを行わせることと、
前記所望の提示ポイントから前記コンテンツの提示を再開することと
を行うようにさらに構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、広くは、マルチメディア・デバイスに関する。本発明の実施態様は、より詳しくは、マルチメディア・デバイスのユーザが早送りした広告の少なくとも一部を自動的に再生する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本節に記載された手法は追求可能であるが、必ずしも以前に着想されたか追求された手法とは限らない。したがって、本明細書に別途示されない限り、本節に記載された手法は本出願の請求項に対する従来技術ではなく、本節に含まれることによって従来技術と認められることはない。
【0003】
公にアクセス可能なケーブル局およびテレビ局で放送される大多数の番組は、コマーシャル・ブレークによって分離される多数の別々の番組インターバルに分割される。典型的に、コマーシャル・ブレークは、そのコマーシャル・ブレークに先行するおよび/またはそれに続く番組インターバルの期間より短い限定された期間である。コマーシャル・ブレークの間、この番組を今まで放送して来ている放送事業者は、一つ以上の広告(これらを、ひとまとめにして「コマーシャル・ポッド」と呼ぶ)を放送する。これらの広告は、番組の一部ではないので、このような広告は、番組の視聴者の理解に如何なる形態でも影響を与えずに、他の広告によって置換させることができる。
【0004】
典型的に、デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)のようなマルチメディア・デバイスは、DVRが今まで記録して来ている(または現在記録しつつある)コンテンツをそのユーザがプレイバックすることを可能にするのみならず、そのユーザが、このようなコンテンツを通常の表示速度より早くプレイバックする、つまり、早送りすることを可能にする。DVRがコンテンツを早送りしている間、もしDVRが、今まで通常の速度でコンテンツを再生して来たならば、DVRがユーザに提示することが出来たであろうコンテンツ・フレームの少なくともいくつかのフレームはスキップされる。DVRは、時々、ユーザが選択する異なる速度で早送りする能力を有する(この場合、より遅い速度に比較してより速い速度では、より多くのフレームがスキップされる)。DVRが相当な速度でコンテンツを早送りする際には、ユーザは、DVRが再生しつつあるコンテンツを明確に理解することができないかもしれない。実際、ユーザは、DVRが早送りしつつあるコンテンツを理解することさえ望まないかもしれない。ユーザは、しばしば、これらの番組インターバルの間のコマーシャル・ブレークの間に発生する広告コンテンツよりも、番組インターバルの間に発生する番組コンテンツにより興味を持つので、ユーザは、しばしば、ユーザが広告を見ることに時間を費やす必要がないように、コマーシャル・ブレークの間では、DVRの早送り機能を使用して、少なくとも部分的な早送りを試みる。
【0005】
このセクションにおいて記述される手法は、追求されることができる手法ではあるが、必ずしも以前に考えられたまたは追求された手法ではない。従って、特に明記しない限り、このセクションにおいて記述される如何なる手法も、それがこのセクション含まれていると言う理由のみで従来技術とみなすべきではない。同様に、一つ以上の手法に関して特定される問題が、特に明記しない限り、このセクションを根拠として、いかなる従来技術においても既に認識されていたとみなすべきではない。
【0006】
本発明は、具体例として、しかし限定するものではなく、かつ同一の参照符号が同一の要素を意味する添付の図面の図により、図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施態様による、マルチメディア・デバイスが既に早送りした記録されている広告を、自動的に再生する技術の具体例を示すフロー図である。
【
図2A】一実施態様による、マルチメディア・デバイスが既に早送りした記録されている広告を、自動的に再生するためのシステムの具体例を示す。
【
図2B】本発明の一実施態様による、デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)の構成要素の一般の概観を示すブロック図である。
【
図3】一実施態様を実行することができるデジタル・ビデオ・レコーダを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
マルチメディア・デバイスを使用して、ユーザが既に早送りした広告の少なくとも一部を自動的に再生する方法および装置が、記載されている。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特有な詳細が、説明の目的のために、記載されている。しかしながら、本発明がこれらの特有な詳細無しに実施することができることは、当業者にとっては明らであろう。他の例では、周知の構造およびデバイスは、本発明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、適切なブロック図の形態で示されている。
【0009】
実施態様は、本願明細書では以下の概略に従って記述される。
1.0 全体の概観
2.0 構造の概観
3.0 スキップされた広告の再生
4.0 実施の機構―ハードウェアの概観
5.0 拡張および変形例
【0010】
1.0 全体の概観
前述の背景技術において特定された必要性、並びに以下の記載により明らかになるであろう他の必要性及び目的は、(通常、その広告を早送りすると言うユーザのコマンドに応答して)マルチメディア・デバイスが既に早送りした広告の少なくとも一部を自動的に再生する技術を、一形態において、備える本発明により、達成される。
【0011】
高機能の、最新マルチメディア・デバイス(例えば、デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)、メディア・プレーヤ、パーソナル・コンピュータ、ハンドヘルド・デバイス(例えば
、携帯電話、高度自動機能電話、タブレット、等)、等)は、マルチメディア・コンテンツをプレイバックし、かつこれらに限定されないが、早送り、可変早送り、巻戻し、可変巻戻し、休止、フレーム・ステッピング、スローモーション再生または再生機能の何れかを含む、特別な効果の機能をユーザが実行することを可能にする能力を有する。DVRは、
例えば、将来のある時間に放送される予定の番組の記録を予約することができる。DVRユ
ーザが、テレビ放送されるシリーズの全てのエピソードを記録することに興味を持っている場合、DVRユーザは、彼のDVRにそのシリーズの「シーズン・パス」を得ることを命令することができる。このような命令に応答して、DVRは、例えば、電子番組ガイド「EPG」データから、そのシリーズのエピソードが将来テレビ放送される予定時刻を自動的に決定する。典型的には、選択されたシリーズのエピソードが放送されようとするときにはいつでも、DVRは、自動的に、エピソードが放送される予定のチャンネルに同調しかつDVRの少なくとも一つの格納デバイスにそのエピソードを記録する。記録されているエピソードがDVRの格納デバイスに保存されている限り、DVRのユーザは、ユーザのテレビジョンにこのエピソードを再生するようDVRに命令することができる。これにより、ユーザが、これらの番組の放送時刻以外の時間に、ユーザが興味を持つ番組を見ることが可能になることは有利である。DVRユーザは、それらの番組の正確な放送予定時刻を、前もって知っておくことは全く不必要である。
【0012】
本願明細書において使用される「番組」は、ディスプレイ・システムのディスプレイおよび/またはスピーカによって提供される、見えるおよび/または聞くことが出来る任意のコンテンツである。例えば、番組は、マルチ・エピソード・シリーズ、映画、スポーツ競技、またはニュース・プレゼンテーション(この「番組」リストに限定されることはないが)の、エピソードであるかもしれない。DVRが将来の記録のために番組を予約すると、DVRは、この番組を、DVRがDVR自体の格納機構内に維持する記録予約に追加することを試みる。DVRが記録予約した番組が放送されるまたは利用可能となると、常に、DVRは自動的にその番組を記録する。
【0013】
DVRが、記録されているコマーシャル・ブレークを完全に通過して早送りすることにより、ユーザが見ていた記録されている番組の次の番組インターバルを(通常のプレイバック速度で)視聴することができることになることをユーザが望む場合、通常、コマーシャル・ブレークが既に終わっていることをユーザが検出する瞬間に、ユーザは、早送りを停止しかつ通常の速度で再生を始めるようDVRに命令することを試みるであろう。しかしながら、人間の反応時間は、相対的に遅い。その結果、DVRが、コマーシャル・ブレークの終了点を通り過ぎて早送りしていることを、ユーザが検出することが可能である時間までに、DVRは、このコマーシャル・ブレークの後に続く番組インターバルの少なくとも一部を既に早送りしてしまっている。典型的なユーザは、番組インターバルのいかなる部分の視聴も見落としたくないので、ユーザは、DVRに、この番組の開始点に到達するまで、記録されているコンテンツ・ストリームのそのポイントからこの記録されているコンテンツを巻き戻すように命令するであろう。DVRが記録されているコンテンツを巻き戻しつつある間、典型的なユーザは、表示されつつあるものを見てかつこのコマーシャル・ブレークに続く番組インターバルの正確な開始点を検出することを試みるであろう。ユーザがそのポイントを視覚的に検出すると、ユーザは、DVRに、記録されているコンテンツを通常の速度で再生することを開始するよう命令する。
【0014】
本発明の一実施態様によると、DVRが(広告コンテンツおよび番組コンテンツを含むことができる)コンテンツを早送りしつつある間、DVRは、バンド内のタグまたはバンド内のデータを読込む。このバンド内のタグまたはバンド内のデータは、例えば、コンテンツに関連する字幕または私的データ・ストリームに含まれる情報によりその存在が表されるまたはそれから導出されるタグ情報を検索するために、使用される。本発明の一実施態様によると、広告主は、DVRサービスが、DVRに、コンテンツ・ストリーム内の明示されたポイントで特定のタグの存在を認識させることの対価として、DVRサービスに料金を払う。
例えば、指定されたポイントは、コマーシャル・ブレーク内または番組インターバル内に配置させることができる。DVRが、早送りする間に特定のタグの存在を検出すると、DVRは特別な状態に入る。本発明の一実施態様によると、DVRがこの特別な状態にある場合に、もし、(例えば、ユーザが、DVRに通常の速度でコンテンツの再生を開始するようまたはコンテンツの巻き戻しを開始するよう命令したことにより)ユーザがDVRに早送りを停止するように命令したことをDVRが検出すると、DVRは、記録されているコマーシャル・ブレーク内の指定された時間的位置を検索する。例えば、この指定された時間的位置は、特定のタグによって指定させることができる。典型的には、指定された時間的位置は、DVRサービスに料金を払った広告主の広告内またはその広告の開始点で発生し、かつその広告主により選択される。DVRは、DVRが係わっていたいかなる活動の実行も停止し、記録されているコマーシャル・ブレークの指定された時間的位置に「戻るジャンプ」をしかつ指定された時間的位置から通常の速度で記録されているコンテンツ・ストリームを再生することを開始する。
【0015】
本発明の一実施態様では、DVRが指定された時間的位置に「戻るジャンプ」をしてから少なくとも指定された時間が経過するまで、DVRは特別な状態に留まり、その後、DVRは特別な状態から退出する。通常、この指定された時間は、指定された時間的位置が発生する広告の少なくとも一部を再生することに必要となるであろう時間に等しい。本発明のこのような実施態様では、DVRが「戻るジャンプ」をしかつDVRが特別な状態に留まる間、DVRがユーザから受け入れるであろうコマンドの組は、何らかの要因で、限定される(例えば、DVRは、早送りするまたは休止するユーザ・コマンドを無視するかもしれない)。したがって、本発明の一実施態様では、コマーシャル・ブレークを通過して早送りするよう命令するDVRユーザは、ユーザが、コマーシャル・ブレークに続く番組の視聴を再開することができる前のコマーシャル・ブレークの間に発生する広告の少なくとも一部を視聴することが、強制される。
【0016】
他の実施態様として、本発明の実施態様は、前述の技術を実行するように構成されているコンピュータ装置およびコンピュータ可読の記憶メディアを含む。
【0017】
2.0 構造の概観
図2Aは、一実施態様による、DVRのようなマルチメディア・デバイスが通過して早送りした広告またはコンテンツを自動的に再生するためのシステムの具体例を示す。このシステムは、イーサネット(登録商標)・インタフェースまたは無線通信ポートのような任意の通信インタフェースを介してネットワーク205に通信で結合されているDVR202のような少なくとも一つのクライアント・マルチメディア・デバイスを含む。DVRの典型的な機能は、本出願人が所有しかつ本願明細書に引用されているものとする米国特許第6,233,389号に記載されている。このシステムは、サービス・プロバイダ204、コンテンツ・プロバイダ206、パーソナル・コンピュータ208および携帯デバイス210も含む。
【0018】
パーソナル・コンピュータ208は、デスクトップ・コンピュータまたはラップトップ・コンピュータのようなパーソナル・コンピューティング・デバイスとすることができ、かつ無線を含む任意の通信インタフェースを介してネットワーク205にも結合されている。携帯デバイス210は、任意のハンドヘルド・コンピューティング・デバイス、携帯電話、携帯メディア・プレーヤ、またはマルチメディア・コンテンツを表示することが出来る他の任意の携帯デバイスとすることができ、かつ無線を含む任意の通信インタフェースを介してネットワーク205に結合することができる。DVR202、パーソナル・コンピュータ208および携帯デバイス210は、各々、ネットワーク205によりサービス・プロバイダ204と通信する。別の実施態様では、DVR202、パーソナル・コンピュータ208および携帯デバイス210は、各々、ネットワーク205によりコンテンツ・プロバイダ210と通信する。
【0019】
ネットワーク205は、通信システムのデバイス間でのデータ交換を提供する任意のメディアまたは機構によって実行させることができる。ネットワーク205の具体例としては、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット、一つ以上の地上、衛星または無線リンク等のようなネットワークが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これに代えてまたは加えて、ネットワーク205に接続されているいかなる数のデバイスも、通信リンクにより互いに直結させることもできる。
【0020】
一実施態様では、コンテンツ・プロバイダ206は、ケーブル、衛星、地上の通信、ネットワークまたは他の転送方法によりDVR 202に放送番組コンテンツを提供する。放送番組コンテンツは、音声、画像、ビデオ・コンテンツ等の任意のマルチメディア・コンテンツを含むことができる。別の実施態様では、コンテンツ・プロバイダ206は、DVR202、パーソナル・コンピュータ208または携帯デバイス210に対して、ネットワーク205により、任意のダウンロード可能なコンテンツのようなマルチメディア・コンテンツを提供する。
【0021】
一実施態様では、DVR 202は、これらに限定されないが、番組ガイド・データ、フォント、画像、ブランド・アイコン、プリクチャ等のようなグラフィック・リソース、サービス情報、ソフトウェア、広告、イベント識別データ、ユーザ利益等を満足させるためにサービス・プロバイダ204と独立してDVR202が作動することを可能にする他の形態のデータ等の、何れかを提供するサービス・プロバイダ204 と通信する。別の実施態様では、DVR202、パーソナル・コンピュータ208および携帯デバイス210は、ネットワーク205、通信接続または任意のローカル・ネットワークを介して、コンテンツ、メタデータまたは任意の他のデータを転送するために、互いに、通信することができる。
【0022】
別の実施態様では、コンテンツ・プロバイダ206は、サービス・プロバイダ204に、これらに限定されるものではないが、販促用のデータ、アイコン、ウェブ・データまたは他の情報の何れかを含む、コンテンツ・データまたは任意のメタデータを提供することができる。サービス・プロバイダ204は、次で、メタデータを解釈しかつDVR202、パーソナル・コンピュータ208または携帯デバイス210にコンテンツ・データ・メタデータを提供することができる。
【0023】
図2Bを参照すると、一実施態様では、DVR 202は、通常、アナログ・テレビジョン信号をデジタル化しかつそれをデジタル・データ・ストリームに変換するまたはデジタル・データ・ストリームを受け入れるのに必要な符号変換器254によって示される複数の構成要素を備える。DVRの内部構造および動作の具体例は、米国特許第6,233,389号に詳細に記載されている。
【0024】
DVR 202は、アンテナから、ケーブル・テレビジョン・システムから、衛星受信機等から、入力252Aを介して放送信号を受信する。入力252Aは、複数の信号を受信しかつ同時に記録することを可能にする複数の同調モジュールを備えることができる。例えば、入力252Aによって受信されるTV入力ストリームは、国家テレビジョン標準委員会(NTSC)対応の信号またはPALに対応した放送信号の形態をとることができる。別の具体例では、入力252Aによって受信されるTV入力ストリームは、デジタル・サテライト・システム対応(DSS)の信号、デジタル放送サービス(DBS)対応の信号または高度テレビジョン標準委員会(ATSC)対応の信号のようなデジタル形式をとることができる。DBS、DSSおよびATSCは、動画専門家グループ2(MPEG-2)およびMPEG-2トランスポートと呼ばれる標準に基づいている。MPEG-2トランスポートは、テレビ受像機が多重化信号の番組を見いだすために入力ストリームを分解することができるように、TVソース送信器からデジタル・データ・ストリームをフォーマットするための標準である。別の具体例では、ネットワークからダウンロードされたまたはストリーム配信されたデジタル・ストリームは、MPEG-2、MPEG-4、WMV、AVCHD等のようなデジタル形式をとることができる。
【0025】
一実施態様では、MPEG-2トランスポート多重は、多重ビデオおよびオーディオ・フィードおよび私的データにより、同じ放送チャネルでの多重番組をサポートする。入力252Aは、チャンネルの特定の番組に同調し、指定されたMPEGストリームをチャンネルから抽出し、かつシステムの他の部分にMPEGストリームを供給する。一実施態様では、入力252Aは、インターネット全体のソースからデジタル・ストリームをダウンロードし、かつシステムの他の部分にデジタル・ストリームを供給する。アナログ・テレビ信号は、システムの残りが信号がどのように取得されたかについて知らないようにして、別々のビデオおよびオーディオ・エンコーダを使用して、類似のMPEG形式に符合化される。情報は、多くの標準手段でアナログ・テレビ信号の垂直帰線消去期間(VBI)に変調させることができる。例えば、北アメリカ放送テレテキスト標準(NABTS)は、NTSC信号の若干のラインに情報を変調するために使用することができる(FCCは、字幕(CC)および拡張データサービス(EDS)のために他の若干のラインを使用することを強制している)。このような信号は、入力252Aによってデコードされ、かつあたかもこれらの信号が、MPEG-2私的データ・チャンネルを介して配信されてきたかのように、他のモジュールに渡される。
【0026】
一実施態様では、記録モジュール260は、デジタル・データ・ストリームのセグメントを保有するように設計されているストレージ264A/164Bによって示される少なくとも一つの格納機能にデジタル・データ・ストリームを格納することによって、入力データ・ストリームを記録する。ストレージ264A/164Bは、内部264Aおよび/または外部264Bである一つ以上の不揮発性格納デバイス(例えば、ハード・ディスク、ソリッドステート・ドライブ、USB外部ハードドライブ、USB外部メモリースティック、USB外部ソリッドステート・ドライブ、ネットワーク・アクセス可能な格納デバイス等)とすることができる。信号変換器254は、データ・ストリームのセグメントを検索し、データ・ストリームをアナログ信号に変換し、次で、信号が標準のテレビ受像機に配信される出力252Bを介して、RF搬送波に信号を変調する。出力252Bは、これに代えて、デジタル信号をテレビ受像機またはビデオモニタに配信することができる。例えば、DVR202は、DVIケーブル、HDMI(登録商標)、VGA、などを介してデジタル信号を表示モニタに送信するためのデジタル視覚インタフェース・ポート(DVI)の何れかを利用することができる。
【0027】
DVR 202は、DVR 202がイーサネット(登録商標)、ワイヤレス・ネットワーク、モデムまたは他の通信標準を介してネットワーク205と通信する通信インタフェース262も含む。更に、DVR202は、上述した構成要素が、DVR202の各構成要素の機能を実行することができるテレビ受像機に収容されているようなテレビジョン・システムに組み込むことができる。
【0028】
別の実施態様では、DVR 202は、通常、PC、DVR、サービス・プロバイダ、コンテンツ・サーバ等のような複数のソースから、デジタル・データ信号を、受信し、記録し、格納し、転送し、かつプレイバックするのに必要な複数の構成要素を備える。DVR202は、別のDVRまたはPCにデジタル・データ信号を転送することができる。DVR 202は、デジタル信号を、プレイバック、格納または転送するために、エンコーダ256Aおよびデコーダ256Bを介して複数の形式にエンコードまたはデコードすることができる。本発明の一実施態様によれば、エンコーダ256Aは、MPEGストリームを生成する。本発明の他の実施態様によれば、エンコーダ256Aは、異なるコーデックを使用して符合化されるストリームを生成する。デコーダ256Bは、エンコーダ256Aによって符合化されるストリーム、またはストリームが適切なデコーダを使用して受信されたフォーマットで格納されているストリームをデコードする。DVR202は、デジタル・データ信号の格納、転送またはプレイバックのために、暗号化器/解読器258を使用して、デジタル・データ信号を暗号化または解読することもできる。
【0029】
一実施態様では、DVR 202は、番組ガイド・データ、(フォント、画像、ブランド・アイコン、プリクチャ等のような)グラフィック・リソース、サービス情報、ソフトウェア、広告、イベント識別データ、DVR202がサービス・プロバイダ204とは独立して自立記録機能を実行することを可能にする他の形態のデータ等の何れか(これらに限定されるものではないが)を提供するサービス・プロバイダ204と通信する。DVR202とサービス・プロバイダ204との間の通信は、サービス・データおよびユーザのプライバシの両方が保護されるように、DVR202とサービス・プロバイダ204との間にデータを転送する安全な分散アーキテクチャを利用する。
【0030】
3.0 スキップされた広告の再生
図1は、本発明の一実施態様による、DVRのようなマルチメディア・デバイスが、今までに早送りした広告またはコンテンツを自動的に再生する技術の具体例を示すフローチャートである。本発明の一実施態様では、図示された技術のステップの少なくとも幾つかは、
図2Bに示されるDVRによって実行される。本発明のさまざまな別の実施態様によるこれに代わる技術は、
図1において図示される技術より、より少ない、より多い、またはそれらとは異なるステップを備えることができる。
【0031】
次に
図1を参照すると、一実施態様では、ブロック102においてDVRサービスは、広告主との契約を結ぶことができる。この契約は、DVRサービスが、DVRサービス(例えば、DVRに情報をアップロードすることができるDVRサービス)の影響の下で、コンテンツ・ストリームに付随する情報に由来する、またはそれから特定されるものの何れかである一つ以上の「戻るジャンプ」タグの存在を、DVRに認識させることを規定する。例えば、指定された「戻るジャンプ」タグは、将来放送される予定の番組および/または広告に伴う字幕または私的データ・ストリームに含まれる情報内に表すまたはそれから導出することができる。契約は、更に、DVRサービスによるこれらのアクションの実行と引きかえに、広告主はDVRサービスに指定された料金または他の有価約因を支払うことを規定することができる。
【0032】
ブロック104において、一実施態様では、DVRサービスおよび広告主が契約することに応答してまたは全般的または特有の構成理由により、DVRサービスは、DVRサービスの影響の下で、特定コンテンツ・ストリームまたは任意のコンテンツ・ストリームにおける一つ以上のポイントで、広告主のために一つ以上の指定された「戻るジャンプ」タグの存在を認識するよう、DVRに命令する。一実施態様では、DVRサービスは、例えば、ある(例えば、指定された特有な広告主等を示す)識別子を含むタグを無視または認識する、または全てのタグを認識するように、DVRに命令することができる。
【0033】
例えば、DVRサービスは、指定されたポイントで指定されたタグ・コードを字幕または私的データ・ストリームに挿入させることができる。これらのコードを、他の字幕テキストと共に表示されることは無いであろうが、DVRは検出することができるであろうタイプのコードとすることができる。タグに含まれるデータは、それがどのようなタイプのタグであるかを示すデータ、どのアクションが実行されるべきか(例えば、戻るジャンプ時間の長さ、戻るジャンプ・タイム・スタンプ、あるユーザ・コマンドが無視される時間の長さ、無視されるべきユーザ・コマンド、受け入れられるべきユーザ・コマンド等)を示すデータ、表示することができる任意のアイコン等、の任意の組合せを含むことができる。字幕ストリームにDVRが検出可能なタグを挿入するテクニックの具体例は、米国特許第7,889,964号(発明の名称「字幕タグ付けシステム」)に開示されていて、これは全ての目的に対して、本願明細書で完全に開示されているかのように引用により取込まれているものとする。
【0034】
別の具体例に対しては、DVRサービスは、字幕ストリームの指定されたポイントで(またはその近傍で)発生する字幕テキストをハッシュ関数に供給することにより、ハッシュ値のパターンを計算することができる。DVRサービスは、ハッシュ値のパターンと指定されたタグ・コードおよび情報との間のマッピング(例えば、リスト、テーブル、データベースの一部等)を、DVRにアップロードすることができる。その後、DVRは、受け取った字幕テキストをハッシュ関数に入れ、DVRサービスによって指定されたハッシュ値のパターンにマッチングした結果として生じたハッシュ値の指定シーケンスに対応するポイントが、いつ字幕ストリームにおいて到達していたかを検出し、かつ(例え、この字幕ストリームが、指定されたタグ・コードを実際には含まない場合であっても)これらの指定されたタグ・コードが、実際に字幕ストリーム内のそのポイントに含まれていたかのように、そのハッシュ値にマップされているものとして、それらの指定されたタグ・コードを、扱うことができる。如何なるタグも実際には字幕ストリームに挿入せずに、字幕ストリームに含まれる情報から、ハッシュ・タグの存在を導出するテクニックの具体例は、全ての目的に対し本願明細書において完全に開示されているかのように、引用により取込まれているものとする米国特許第7,661,121号(発明の名称「バンド内データの認識および同期システム」)において開示されている。
【0035】
さらにもう一つの具体例では、DVRサービスは、ビデオ・フレーム(またはその一部)の実際のコンテンツおよび/またはビデオ・フレームに付随するオーディオ・トラックを、ハッシュ関数に供給することによって、ハッシュ値を生成することができる。上述した方法と同様にして、DVRサービスは、このハッシュ値と指定されたタグ・コードとの間のマッピングをDVRにアップロードすることができる。その後、DVRは、ビデオ・フレーム・データおよび/またはオーディオ・データをハッシュ関数に入れ、指定された結果として生じるハッシュ値に対応するポイントが、いつビデオまたはオーディオ・コンテンツにおいて到達していたかを検出し、かつこれらの指定されたタグ・コードが、ストリームのそのポイントに実際に含まれていたかのように、そのハッシュ値にマップされる指定されたタグ・コードを扱う。したがって、タグは、記録されているビデオストリームの指定されたオブジェクトの外観から、および/または付随するオーディオ・トラック内の指定された音声の存在から、導出させることができる。
【0036】
「戻るジャンプ」タグの存在が認識されるべきポイントは、広告主の広告が提供されることが予約されるコマーシャル・ブレーク内で発生することができる。これに加えてまたはこれに代えて、「戻るジャンプ」タグの存在が認識されるべきポイントは、このようなコマーシャル・ブレークに続く番組インターバル内(例えば、この開始点)で発生することができる。本発明の一実施態様では、広告主、ブロードキャスタ、DVRサービス等の何れかが、DVRが「戻るジャンプ」タグの存在を認識すべき字幕ストリーム内のポイントを選択する。
【0037】
本発明の一実施態様では、「戻るジャンプ」タグで指定されるタグ・コードは、(a) DVRが「戻るジャンプ」をすべき、コンテンツ・ストリーム内の指定された時間的位置、タイム・スタンプ、時間量等の何れか、および(b)DVRが、指定された時間的位置に「戻るジャンプ」した後に、少なくともいくつかの指定されたユーザ・コマンドを無視すべき時間の量、の少なくとも何れかを示す。これらのタグ・コードにより指定された値の使用は、以下に論じられる。
【0038】
ブロック 106において、DVR(例えば、DVRサービスが既に「戻るジャンプ」タグの存在を認識するよう命令したDVRの1つ)が、ユーザのコマンドに応答して、記録されているコンテンツの早送りを始める。DVRが、記録されているコンテンツを早送りする間、DVRは、(例えば、ハッシュ値等により)表されたまたは(例えば、ハッシュ値等から)導出された「戻るジャンプ」タグの存在に対する、字幕ストリーム、私的データ・ストリーム等の任意の組合せを観察する。
【0039】
ブロック108において、DVRが記録されているコンテンツを早送りしている間に、DVRは、字幕ストリームから示されたまたは導出された「戻るジャンプ」タグの存在を検出する。「戻るジャンプ」タグの存在を検出することに応答して、DVRは、(例えば、記録されているコンテンツを通常の速度で再生することを開始するようまたは記録されているコンテンツの巻き戻しを開始するようユーザがDVRに命令したため)記録されているコンテンツの早送りを停止するようにユーザがDVRに命令したかどうかを、DVRが、連続的に検出する特別な状態に入る。
【0040】
ブロック110において、DVRが特別な状態にある間、DVRは、ユーザが記録されているコンテンツの早送りを停止するよう既に命令したことを検出する。例えば、DVRは、ユーザがDVRの遠隔制御の「再生」ボタンを既に押したことを検出することができる。
【0041】
ブロック112において、ユーザが、記録されているコンテンツの早送りを停止するようDVRに命令したことを検出することに応答して、DVRは、DVRがブロック108において以前にその存在を検出した「戻るジャンプ」タグによって指定された時間的位置を、記録されているコンテンツ内で、見つける。DVRは、すぐに、コンテンツ・ストリーム内のこの指定された時間的位置から、記録されているコンテンツの再生を開始する。本発明の一実施態様では、DVRが、記録されているコンテンツ内の「戻るジャンプ」すべき時間的位置は、広告主、ブロードキャスタ、DVRサービス等の何れかによって以前に選択されていて、かつタグの範囲内にまたはタグに関連している情報内に示すことができる。一実施態様では、指定された時間的位置は、ブロック102に関連して上述された契約を結んだ広告主の広告の開始点またはその途中で、発生する。DVRが特別な状態に留っている間、DVRは、DVRが指定された時間的位置へ戻るジャンプしてから、指定された時間量が既に経過したかどうかを決定する。本発明の一実施態様では、この時間量は、DVRが以前にブロック108内でその存在を検出したまたは導出した「戻るジャンプ」タグによって指定される。
【0042】
本発明の一実施態様では、DVRが、ブロック110に関して上述した早送りモードからの退出を検出した後には、DVRがユーザから受け入れるであろうコマンドの組は、何らかの形で限定される(例えば、DVRは、早送りするまたは休止するユーザ・コマンドを無視するかもしれない)。本発明の一実施形態では、DVRが、早送りモードからの退出の検出後に特別な状態に留っている限り、DVRは、ユーザから受信される全てのコマンドを無視する。
【0043】
ブロック114において、DVRがブロック112で指定された時間的位置へ戻るジャンプをしてから、指定された時間が既に経過したとの決定に応答して、DVRは、DVRがブロック108で入った特別な状態から退出する。上述したように、本発明の一実施態様では、時間量は、DVRが以前ブロック108でその存在を検出した「戻るジャンプ」タグによって指定される。本発明の一実施態様では、時間量は、広告主、ブロードキャスタ、DVRサービス等の何れかによって選択され、かつDVRユーザが視聴することを広告主、ブロードキャスタ、DVRサービス等が望む広告(またはその一部)の長さを十分にカバーするように選択することが可能である。広告が、ユーザが早送りした番組インターバルに先行するコマーシャル・ブレークの最後の広告である本発明の一実施形態では、コマーシャル・ブレークの終了点および番組インターバルの開始点に達すると、DVRは、特別な状態から退出する。DVRは、例えば、記録されているコンテンツ内の黒いフレーム、指紋を使用したビデオ・フレームのハッシング、字幕データ等の一つ以上を検索することによって、コマーシャル・ブレークの終了点を検出することができる。DVRが、受け入れ可能なユーザ・コマンドの組を事前に限定している場合には、DVRは、特別な状態から退出した後、以前受け入れなかったユーザ・コマンドの受け入れを開始する。
【0044】
上述した本発明の一実施態様は、(例えば、記録されている、ライブの、ストリーム中の等の)コンテンツ・ストリームの指定された位置へ戻るジャンプをすることに関するものであるが、本発明の他の実施態様は、これに代えて、コンテンツ・ストリーム内の指定された位置に進むジャンプをすることに関係させることができる。本発明の他の代替実施態様は、上述したタグを検出することに応答して、DVRの少なくとも一つの格納デバイスに格納されているが、実際には記録されているコンテンツ・ストリームには含まれていないコンテンツを再生することのようないくつかの他のアクションを、DVRが実行することに関係させることができる。加えて、上述した本発明の一実施態様は、指定された位置へジャンプし、記録されている広告をその位置で再生させることに関係するが、本発明の他の実施態様は、これに代えて、記録されている広告を再生すること以外の目的で、指定された位置へジャンプすることに関係させることができる。
【0045】
前述したように、本発明の一実施態様では、DVRサービスおよび広告主は、DVRが、広告主のタグを認識し、かつそれらの広告がスキップされると、広告主の広告に戻るジャンプをするように、DVRサービスが命令する契約を結ぶ。本発明の一実施態様では、DVRサービスは、広告主に、このような行動をDVRに取らせることに対して料金を請求する。本発明の他の一実施態様では、DVRサービスが、DVRが戻るジャンプをしかつ広告主の広告の一つを再生したとDVRサービスが決定する度に、広告主に料金を請求する(これらのイベントを(例えば、インターネットにより)DVRサービスに報告するようにDVRを構成することができる)。一実施態様では、DVRは、どのタグが完全に実行されたか、実行されつつある間にどのタグが(例えば、チャンネル変更等によって)中断されたか等の、何れかのような如何なる操作上のデータも、DVRサービスへ報告することができる。
【0046】
ここまでは、本発明の実施態様がDVRに関して記述されているが、本発明の代替実施態は、DVR以外のマルチメディア・デバイスに関係させることができる。例えば、記録されているコンテンツを格納しかつ再生することができる携帯メモリ・デバイスも、本発明の一実施態様で同様に使用することができる。このような携帯メモリ・デバイスは、例えば、インターネットから、ケーブル・テレビ信号から、衛星テレビ信号から、コンピュータまたはDVR等からのHDMI(登録商標)を介して、の任意の組合せから、コンテンツを取得することができる。
【0047】
本発明の一実施態様では、タグは、他の可能な情報に加えて、タグが発生する時間的位置を越えてタグが有効である時間量(またはフレーム、特有タイム・スタンプ等の数)を指定する。本発明のこのような実施態様では、DVRが特別な状態にある間に、DVRユーザが(
図1のブロック110に関して上述したように)早送りを停止すると、DVRは、(a)タグの位置と(b)早送りが停止されたポイントとの間に発生した記録されているコンテンツのセグメントの再生に必要であったであろう時間量(またはフレーム、特定タイム・スタンプ、等の数)が、タグにより指定された時間量(またはフレームの数)より大きいかどうかを決定する。もし大きい場合には、タグは無視され、かつDVRは、記録されているストリームのタグ指定されたポイントに戻るジャンプをしない。このような条件では、広告を視聴するためにユーザを呼び戻すことを正当化するためにはコンテンツが多過ぎるので、ユーザは、コンテンツをスキップしてしまったと考えられる。さもなければ、上述したように、DVRは、記録されているストリームのタグ指定されたポイントに戻るジャンプをする。
【0048】
本発明の一実施態様では、ユーザが、タグが有効であるとみなされた時間的領域を越えて早送りしたので、タグが上述したように無視され、かつユーザが続いて記録されているコンテンツを巻き戻し、そして次で、タグが有効である時間的領域内(例えば、タグが発生する場所を越えた、タグにより指定された時間量、フレームの数、タイム・スタンプ等の範囲内)で巻き戻しオペレーションを停止すると、DVRは、上述した態様で、記録されているストリーム内のタグにより指定されたポイントに戻るジャンプをする。このような状況では、ユーザが記録されているコンテンツの通常速度での再生を再開することを望むポイントを、ユーザが、不注意にも行き過ぎてしまったと考えられる。ユーザは、この行き過ぎ(オーバーシュート)を補正するためだけに、記録されているコンテンツをタグの時間的有効領域まで巻き戻したと考えられる。このような状況の下でのユーザのこのような集積されたアクションは、広告のみをスキップし、かつコマーシャル・ブレークの直後から再生を開始したいと言う動機により行われたと考えられるので、DVRがスキップされた広告を強制的に再生することは、正当である。
【0049】
4.0 実施の機構-ハードウェアの概観
図3は、本発明の実施態様を実施することができるコンピュータ・システム300を示すブロック図である。コンピュータ・システム300は、情報を通信するためのバス302または他の通信メカニズムおよび情報を処理するためのバス302に結合されているプロセッサ304を含む。コンピュータ・システム300は、プロセッサ304によって実行されるべき情報および命令を格納するためにバス302に結合されている、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)または他のダイナミック格納デバイスのようなメイン・メモリ306も含む。メイン・メモリ306は、プロセッサ304によって実行されるべき命令の実行中に、一時変数または他の中間情報を格納するためにも用いることができる。コンピュータ・システム300は、更に、プロセッサ304のためのスタティック情報および命令を格納するためのバス302に結合されている読取り専用メモリ(「ROM」)308または他のスタティック格納デバイスを含む。磁気ディスクまたは光ディスクのような格納デバイス310は、情報および命令を格納するためにバス302に設けられかつ結合されている。
【0050】
コンピュータ・システム300は、コンピュータ・ユーザに情報を表示するための、陰極線管(「CRT」)または液晶ディスプレイ(「LCD」)のようなディスプレイ312にバス302を介して結合させることができる。英数字および他のキーを含む入力デバイス314は、プロセッサ304に情報およびコマンド選択を通信するためにバス302に結合されている。他のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ304に対し方向情報およびコマンド選択を通信しかつディスプレイ312上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラック・ボール、スタイラスまたはカーソル方向キーのようなカーソル制御316である。この入力デバイスは、典型的には、このデバイスが平面内の位置を特定することを可能にする、二本の軸(第一軸(例えば、x)および第二軸(例えば、y)の二つの自由度を有する。
【0051】
本発明は、DVRの選択されたトリック・プレー・モードに従って、表示のために、マルチフレーム・ビデオ番組のフレームを選択するためのコンピュータ・システム300の使用に関する。本発明の一実施態様によれば、DVRの選択されたトリック・プレー・モードに従って、表示のために、マルチフレーム・ビデオ番組のフレームを選択することは、プロセッサ304がメイン・メモリ306に含まれる一つ以上の命令の一つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータ・システム300によって行われる。このような命令は、格納デバイス310のような他のコンピュータ可読メディアから、メイン・メモリ306に読み込ませることができる。メイン・メモリ306に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ304に、本願明細書において記載されるプロセス・ステップを実行させる。これに代わる実施態様では、本発明を実行するために、ハードワイヤード回路を、ソフトウェア命令の代わりにまたはそれと共に用いることができる。従って、本発明の実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの如何なる特有な組み合わせにも限定されない。
【0052】
「コンピュータ可読メディア」という本明細書で用いられる用語は、実行のためにプロセッサ304に命令を提供することに関する任意のメディアを意味する。このようなメディアは、これらに限定されるものではないが、不揮発性メディア、揮発性メディアおよび伝送メディアを含む多くの形態をとることができる。不揮発性メディアは、例えば、格納デバイス310のような光学または磁気ディスクを含む。揮発性メディアは、メイン・メモリ306のようなダイナミック・メモリを含む。伝送メディアは、バス302を備える、ワイヤを含む同軸ケーブル、銅線および光ファイバを含む。伝送メディアは、電波通信および赤外線通信の間に発生されるような、音響波または光波という形態をとることも可能である。
【0053】
一般のコンピュータ可読のメディアの形態は、例えば、フロッピ・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープまたは任意の他の磁気メディア、CD-ROM、任意の他の光メディア、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有する任意の他の物理メディア、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュ・メモリまたは任意の他のメモリ・チップまたはカートリッジを含む。
【0054】
コンピュータ可読メディアのさまざまな形態は、プロセッサ304に一つ以上の命令の一つ以上のシーケンスを実行のために担持することを含むことができる。例えば、命令は、最初、遠隔のコンピュータの磁気ディスクに担持させることができる。遠隔のコンピュータは、命令をそのダイナミック・メモリへロードすることができ、かつモデムを用いて電話線により命令を送信することができる。コンピュータ・システム300のローカル・モデムは、電話線上のデータを受信することができ、かつ赤外線信号にデータを変換するために、赤外線送信機を使用することができる。赤外線検出器は、赤外線信号で担持されるデータを受信することができ、そして適切な回路が、データをバス302に配置することができる。バス302は、メイン・メモリ306へのデータを担持し、そこからプロセッサ304が、命令を検索しかつ実行する。メイン・メモリ306によって受信される命令は、オプションとして、プロセッサ304による実行の前または後の何れかに、格納デバイス310に保存させることができる。
【0055】
コンピュータ・システム300は、バス302に結合されている通信インタフェース318も含む。通信インタフェース318は、ローカル・ネットワーク322に接続されているネットワーク・リンク320に、双方向データ通信結合を提供する。例えば、通信インタフェース318は、総合サービス・デジタル・ネットワーク(「ISDN」)カード、または電話線の対応するタイプにデータ通信接続を提供するモデムとすることができる。別の具体例として、通信インタフェース318は、互換性を持つLANにデータ通信接続を提供するローカル地域網(「LAN」)カードとすることができる。無線リンクを、実行することもできる。このような任意の実行において、通信インタフェース318は、様々な形態の情報を表すデジタル・データ・ストリームを担持する電気、電磁または光学信号を送信しかつ受信する。
【0056】
ネットワーク・リンク320は、典型的には、一つ以上のネットワークを介してデータ通信を他のデータ装置に提供する。例えば、ネットワーク・リンク320は、ホストコンピュータ324またはインターネット・サービス・プロバイダー(「ISP」)326によって作動されるデータ装置にローカル・ネットワーク322を介して接続を提供することができる。ISP326は、現在一般に「インターネット」328と呼ばれる世界的なパケット・データ通信網を介してデータ通信サービスを次々に提供する。ローカル・ネットワーク322およびインターネット328は、両方とも、デジタル・データ・ストリームを担持する、電気、電磁、または光学信号を使用する。さまざまなネットワークを介して信号およびネットワーク・リンク320上のそして(コンピュータ・システム300へ/からのデジタル・データを担持する)通信インタフェース318を介する信号は、情報を運搬している搬送波の典型的な形態である。
【0057】
コンピュータ・システム300は、ネットワーク、ネットワーク・リンク320および通信インタフェース318を介して、メッセージを送信しかつ番組・コードを含むデータを受信することができる。インターネットの具体例では、サーバ330は、インターネット328、ISP326、ローカル・ネットワーク322および通信インタフェース318を介して、アプリケーション・プログラム用の要求されたコードを転送するかもしれない。
【0058】
受信コードは、それが受信されている間に、プロセッサ304によって実行させることができ、および/または格納デバイス310に格納させ、または後の実行のために他の不揮発性記憶装置に格納させることができる。このようにして、コンピュータ・システム300は、搬送波の形態でアプリケーション・コードを得ることができる。
【0059】
5.0 拡張および変形例
前述の明細書において、本発明は、本発明の特定の実施態様に関して記載されて来た。しかしながら、より広い本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲で、さまざまな修正と変更をなすことができることは、明白であろう。したがって、明細書および図面は、限定する意味ではなく、例示するものとみなすべきである。
【0060】
関連出願についての相互参照
本出願は、以下の米国特許出願に関係している。そして、それぞれは、本願明細書において引用されたものとする:米国特許出願第09/665,921号(発明の名称「字幕タグ付けシステム」)、これは米国特許第7,889,964B1号として特許済;米国特許出願第11/182,135号(発明の名称「放送ストリームの広告による番組の記録の予約」)、これは米国特許第7,986,868B2号として特許済;米国特許出願第11/182,876号(発明の名称「字幕タグ付けシステム」)、これは米国特許第8,036,514B2号として特許済;および米国特許出願第11/473,543号(発明の名称「バンド内データ認識および同期システム」)、これは米国特許第7,661,121B2号として特許済。