(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102570
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】入金取引システム、入金装置、入金取引方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/18 20120101AFI20220630BHJP
【FI】
G06Q20/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217382
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】難波 紀久子
(72)【発明者】
【氏名】松本 重雄
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA38
(57)【要約】
【課題】店舗内に設置された自動機を利用する顧客の利便性を向上させることができる入金取引システム等を提供する。
【解決手段】顧客自らにより投入された貨幣の収納を行うロビー入金機50と、ロビー入金機50が収納した貨幣に係る金額について勘定系処理を実行可能なオンライン端末30と、を含む入金取引システム1であって、貨幣の収納及び勘定系処理をロビー入金機50にて実行させる第一入金取引手段と、貨幣の収納をロビー入金機50にて実行させ、勘定系処理をオンライン端末30にて実行させる第二入金取引手段とを実行可能な入金取引システム1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客自らにより投入された貨幣の収納を行う自動機と、前記自動機が収納した貨幣に係る金額について勘定系処理を実行可能な係員用端末と、を含む入金取引システムであって、
前記貨幣の収納及び前記勘定系処理を前記自動機にて実行させる第一入金取引手段と、前記貨幣の収納を前記自動機にて実行させ、前記勘定系処理を前記係員用端末にて実行させる第二入金取引手段とを実行可能な
入金取引システム。
【請求項2】
予め定められた所定条件に基づき、前記第一入金取引手段により取引を実行するか、前記第二入金取引手段により取引を実行するかを切り替える
請求項1に記載の入金取引システム。
【請求項3】
前記所定条件は、前記自動機が収納した貨幣に係る金額が予め定められた所定金額を超えることであり、
前記自動機が収納した貨幣に係る金額が予め定められた所定金額を超えることを条件に、前記第二入金取引手段により取引を実行する
請求項2に記載の入金取引システム。
【請求項4】
前記所定条件は、前記自動機と前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置との間で、正常に勘定系処理を実行できないことであり、
前記自動機と前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置との間で、正常に勘定系処理を実行できないことを条件に、取引を前記第二入金取引手段により実行する
請求項2に記載の入金取引システム。
【請求項5】
前記自動機は、前記貨幣の収納を行った後に取引が取り消された場合には、当該自動機が設置された店舗の窓口へ案内する報知を行う
請求項1から4のいずれか1項に記載の入金取引システム。
【請求項6】
予め定められた所定取引時間内に行われた取引である場合には、前記第一入金取引手段及び前記第二入金取引手段を実行可能とし、当該所定取引時間外に行われた取引である場合には、当該第二入金取引手段のみ実行可能とする
請求項1から5のいずれか1項に記載の入金取引システム。
【請求項7】
予め定められた規定取引時間内に行われた取引である場合には、前記第一入金取引手段及び前記第二入金取引手段を実行可能とし、当該規定取引時間外に行われた取引である場合には、当該第一入金取引手段のみ実行可能とする
請求項1から5のいずれか1項に記載の入金取引システム。
【請求項8】
顧客自らにより投入された貨幣を収納する収納部と、
前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置との間で通信を行う通信部と、
情報を表示する表示部と、
前記収納部が収納した貨幣に係る金額が予め定められた所定金額以下である場合には、当該収納部が収納した貨幣に係る金額ついてのデータを前記勘定系装置に対して前記通信部を介して送信させ、当該収納部が収納した貨幣に係る金額が当該所定金額を超える場合には、店舗の窓口への案内を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える入金装置。
【請求項9】
顧客自らにより投入された貨幣を収納する収納部と、
情報を表示する表示部と、
前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置との間で正常に勘定系処理を実行できる場合には、前記収納部が収納した貨幣に係る金額ついての勘定系処理を前記勘定系装置との間で行い、当該勘定系装置との間で正常に勘定系処理を実行できない場合には、店舗の窓口への案内を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える入金装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記貨幣の収納を行った後に取引が取り消された場合には、前記窓口への案内を前記表示部に表示させる
請求項8又は9に記載の入金装置。
【請求項11】
入金取引システムにおける入金取引方法であって、
顧客自らにより投入された貨幣の収納を行う自動機にて当該貨幣の収納を行う工程と、
前記収納を行う工程にて収納した貨幣に係る金額の入金についてのデータであって、前記自動機から前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置に対して送信されたデータに基づいて勘定系処理を行う工程と、
前記自動機が設置された店舗の窓口へ案内する報知を行い、当該店舗の係員のみが操作可能な係員用端末を介して前記収納を行う工程にて収納した貨幣に係る金額の入金についての前記勘定系処理を行う工程と、
を有する入金取引方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入金取引システム、入金装置及び入金取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関では、窓口担当者の人数を低減するために、店舗内に各種自動機を配設することが多い。自動機としては、金融機関と契約している法人顧客が売上金などの大口の入金を行うためのロビー入金機が知られている。
例えば、特許文献1に記載されたロビー入金機は、顧客が挿入した顧客カードから入金伝票に記載する必要のある入金先の口座に係る情報を取得し、投入された貨幣を計数して装置内部に収納し、受付機で採番された受付番号を取得して、受付番号に関連付けられた入金伝票に係る情報を自動生成してサーバに登録し、取得した受付番号が記載された番号札を発行する。窓口端末は、ロビー入金機によりサーバに登録された入金伝票に係る情報に基づいて入金伝票を出力し、勘定系端末は、該入金伝票に基づいて入金取引を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたロビー入金機は、顧客の預金口座を管理する勘定系ホストと(呼ばれる管理装置と)接続されておらず、オフライン運用がなされている。それゆえ、顧客は、ロビー入金機において入金処理を行った後に、窓口において該ロビー入金機に入金した金額を所望の預金口座へ入金する入金取引を依頼しなければならず、ロビー入金機を利用する顧客の利便性が低かった。
本発明は、店舗内に設置された自動機を利用する顧客の利便性を向上させることができる入金取引システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的のもと完成させた本発明は、顧客自らにより投入された貨幣の収納を行う自動機と、前記自動機が収納した貨幣に係る金額について勘定系処理を実行可能な係員用端末と、を含む入金取引システムであって、前記貨幣の収納及び前記勘定系処理を前記自動機にて実行させる第一入金取引手段と、前記貨幣の収納を前記自動機にて実行させ、前記勘定系処理を前記係員用端末にて実行させる第二入金取引手段とを実行可能な入金取引システムである。
ここで、予め定められた所定条件に基づき、前記第一入金取引手段により取引を実行するか、前記第二入金取引手段により取引を実行するかを切り替えても良い。
また、前記所定条件は、前記自動機が収納した貨幣に係る金額が予め定められた所定金額を超えることであり、前記自動機が収納した貨幣に係る金額が予め定められた所定金額を超えることを条件に、前記第二入金取引手段により取引を実行しても良い。
また、前記所定条件は、前記自動機と前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置との間で、正常に勘定系処理を実行できないことであり、前記自動機と前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置との間で、正常に勘定系処理を実行できないことを条件に、取引を前記第二入金取引手段により実行しても良い。
また、前記自動機は、前記貨幣の収納を行った後に取引が取り消された場合には、当該自動機が設置された店舗の窓口へ案内する報知を行っても良い。
また、予め定められた所定取引時間内に行われた取引である場合には、前記第一入金取引手段及び前記第二入金取引手段を実行可能とし、当該所定取引時間外に行われた取引である場合には、当該第二入金取引手段のみ実行可能としても良い。
また、予め定められた規定取引時間内に行われた取引である場合には、前記第一入金取引手段及び前記第二入金取引手段を実行可能とし、当該規定取引時間外に行われた取引である場合には、当該第一入金取引手段のみ実行可能としても良い。
他の観点から捉えると、本発明は、顧客自らにより投入された貨幣を収納する収納部と、前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置との間で通信を行う通信部と、情報を表示する表示部と、前記収納部が収納した貨幣に係る金額が予め定められた所定金額以下である場合には、当該収納部が収納した貨幣に係る金額ついてのデータを前記勘定系装置に対して前記通信部を介して送信させ、当該収納部が収納した貨幣に係る金額が当該所定金額を超える場合には、店舗の窓口への案内を前記表示部に表示させる制御部と、を備える入金装置である。
また、他の観点から捉えると、本発明は、顧客自らにより投入された貨幣を収納する収納部と、情報を表示する表示部と、前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置との間で正常に勘定系処理を実行できる場合には、前記収納部が収納した貨幣に係る金額ついての勘定系処理を前記勘定系装置との間で行い、当該勘定系装置との間で正常に勘定系処理を実行できない場合には、店舗の窓口への案内を前記表示部に表示させる制御部と、を備える入金装置である。
ここで、前記制御部は、前記貨幣の収納を行った後に取引が取り消された場合には、前記窓口への案内を前記表示部に表示させても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、入金取引システムにおける入金取引方法であって、顧客自らにより投入された貨幣の収納を行う自動機にて当該貨幣の収納を行う工程と、前記収納を行う工程にて収納した貨幣に係る金額の入金についてのデータであって、前記自動機から前記顧客の預金口座を管理する勘定系装置に対して送信されたデータに基づいて勘定系処理を行う工程と、前記自動機が設置された店舗の窓口へ案内する報知を行い、当該店舗の係員のみが操作可能な係員用端末を介して前記収納を行う工程にて収納した貨幣に係る金額の入金についての前記勘定系処理を行う工程と、を有する入金取引方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、店舗内に設置された自動機を利用する顧客の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る入金取引システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】ロビー入金機の概略構成の一例を示す図である。
【
図3】ロビー入金機の構成を示すブロック図の一例である。
【
図4】制御部が行う入金受付処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】制御部が行う入金受付処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】入金上限金額確認画面の一例を示す図である。
【
図8】窓口での返却案内画面の一例を示す図である。
【
図11】レシート発行確認画面の一例を示す図である。
【
図12】オフライン入金移行確認画面の一例を示す図である。
【
図13】制御部が行う異常発生時処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】オフライン入金移行確認画面の一例を示す図である。
【
図16】オンライン入金確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る入金取引システム1の概略構成の一例を示す図である。
入金取引システム1は、金融機関の店舗のロビー等、顧客が立ち入り可能なエリアに設置され、顧客が入金を行う場合に利用する装置であるロビー入金機50と、窓口端末40と、サーバ20と、プリンタ95とを有する。窓口端末40、サーバ20、及び、プリンタ95は、それぞれ、特許文献1に記載された、窓口端末、サーバ、及び、プリンタと同様であるので、同じ機能を有する部位については同じ名称及び符号を付し、その詳細な説明は省略する。ロビー入金機50は、顧客が大量の入金を行う場合に利用する装置であり、例えば、金融機関やコンビニエンスストア等に設定されている現金自動預払機(Automated Teller Machine)に入金可能な金額よりも多くの現金を入金することが可能になっていることが一般的である。ロビー入金機50については後で詳述する。
【0009】
ロビー入金機50と、窓口端末40及びプリンタ95とは、ネットワーク2を介して、互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク2は、ロビー入金機50と、窓口端末40及びプリンタ95との間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)等であることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。
【0010】
ロビー入金機50とサーバ20とは、ネットワーク3を介して、互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク3は、ロビー入金機50とサーバ20との間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されない。ネットワーク3は、ネットワーク2と同一であっても良い。
【0011】
また、入金取引システム1は、顧客の預金口座等を管理する装置である勘定系ホスト7と、勘定系ホスト7と互いに通信を行うことが可能なオンライン端末30とを有している。勘定系ホスト7とサーバ20とは、ネットワーク5を介して、互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク5は、勘定系ホスト7とサーバ20との間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えば、LAN、WAN、インターネット、Wi-Fi等であることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。サーバ20は、上位機である勘定系ホスト7と、ロビー入金機50とを連携可能な端末であれば特に限定されず、ノートPC、デスクトップPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)等であっても良い。
【0012】
オンライン端末30は、ネットワーク6を介して、勘定系ホスト7と互いに通信を行うことが可能であり、顧客の預金口座への入金取引に関する情報等をオンラインで取得等することが可能である。オンライン端末30は、ノートPC、デスクトップPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、多機能携帯電話、携帯電話等であることを例示することができる。ネットワーク6は、オンライン端末30と勘定系ホスト7との間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されない。ネットワーク6は、ネットワーク5と同一であっても良い。
【0013】
以上のように構成された入金取引システム1においては、ロビー入金機50は、オンライン入金を可能とする。つまり、ロビー入金機50に入金されたデータが、サーバ20を介して、勘定系ホスト7に伝送され、顧客の預金口座のデータが更新される。このように、オンライン入金は、ロビー入金機50で入金されたデータがオンラインで処理されて、勘定系の処理が完了する入金である。
【0014】
ただし、顧客がロビー入金機50でオンライン入金を行っている途中に、エラーが発生した場合等においては、ロビー入金機50は、オンライン入金を中止する。入金取引システム1においては、ロビー入金機50にてオンライン入金を行うことができない場合には、ロビー入金機50に収納した貨幣を、オフラインで入金可能とする。オフラインで入金可能とする際には、ロビー入金機50は、後述する受付番号を記載したレシートを出力する。そして、係員が、レシートに記載された受付番号や入金額等の情報やプリンタ95にて印字されたロビー入金機50への入金に係る受付番号や入金額等の情報に基づいて、勘定系の処理を行う。つまり、オフライン入金は、顧客がロビー入金機50に入金した(ロビー入金機50が収納した)後に出力されたレシートに記載された受付番号等の情報やプリンタ95にて印字された受付番号等の情報に基づいて、係員が、オンライン端末30を用いて勘定系の処理を行う入金である。係員は、少なくとも、レシートに記載された受付番号とプリンタ95にて印字された受付番号とが一致するか否かを照合し、一致する場合にオフライン入金を行う。なお、ロビー入金機50への入金に係る情報は、プリンタ95にて印字されなくても良く、窓口端末40のディスプレイに表示されても良い。オフライン入金を行うために使用するという観点から言えば、窓口端末40は、ロビー入金機50から送信されてきた情報を表示する機能を有していれば十分であり、単なるディスプレイであっても良い。また、ロビー入金機50への入金に係る情報を表示するのは、窓口端末40のディスプレイに限定されず、タブレットPC、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)等であっても良い。
あるいは、係員は、窓口端末40のディスプレイに表示された、ロビー入金機50から送信された受付番号や入金額等の入金に係る情報を確認した旨を示す操作を窓口端末40に対して行う。そして、窓口端末40は、この確認操作を受け付けると、ロビー入金機50から送信された入金に係る情報をプリンタ95に出力指示を行い、プリンタ95がこの情報を印字する。その後、係員は、プリンタ95にて印字された入金に係る情報をオンライン端末30のイメージスキャナに読み取らせる。そして、オンライン端末30は、イメージスキャナで読み取った入金に係る情報を取得し、取得した入金に係る情報を用いて、勘定系ホスト7に対する入金取引の電文を生成して送信する。このようにして、ロビー入金機50から入金された貨幣を顧客の預金口座に入金する勘定系処理が実行されても良い。
【0015】
また、入金取引システム1においては、予め定められた入金上限金額を超えた入金を顧客が行う場合には、ロビー入金機50でのオンライン入金は不可能とし、オフライン入金のみを可能とする。ただし、ロビー入金機50は、入金上限金額を超える貨幣の収納は可能とし、ロビー入金機50に収納された入金上限金額を超える貨幣の入金を、係員が、オフライン入金を行うことを可能とする。
【0016】
(ロビー入金機50)
次に、ロビー入金機50について詳述する。
以下の説明において、ロビー入金機50と、特許文献1に記載されたロビー入金機とで、同じ形状、機能を有する部材及び部位については同じ名称及び符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図2は、ロビー入金機50の概略構成の一例を示す図である。
ロビー入金機50は、レシート等を排出するレシート排出口53aと、顧客カードを挿入するためのカード挿入口52aを有している。顧客カードは、入金専用のカードでも良いし、入金及び出金が可能な所謂キャッシュカードであっても良い。また、ロビー入金機50は、顧客操作用の画面の表示及び当該画面上でのタッチ操作を受け付ける表示操作部51を有している。また、ロビー入金機50は、硬貨を投入するための硬貨投入口55aと、真正な硬貨と判定できなかった硬貨を排出するリジェクト硬貨返却口55cと、所定の操作を受け付けた場合に投入された真正と判定された硬貨を返却する硬貨返却箱55bとを有している。また、ロビー入金機50は、紙幣を投入及び投入した紙幣を返却するための紙幣投入・返却口54aと、紙幣投入・返却口54aに投入されたクリップなどの異物を返却する異物返却口54bとを有している。
【0017】
図3は、ロビー入金機50の構成を示すブロック図の一例である。
ロビー入金機50は、表示操作部51と、カードリーダ52と、レシートプリンタ53と、紙幣入金部54と、硬貨入金部55と、通信部56と、記憶部57と、制御部58とを有する。
表示操作部51は、タッチパネル式の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等にて構成され、操作受付画面等の表示を行うとともに、ユーザの入力操作を受け付ける。
【0018】
紙幣入金部54は、紙幣を受け付けて真偽判定、真正と判定された紙幣の計数、及び、計数済み紙幣の内部への収納を行う。紙幣入金部54は、投入された真正と判定された紙幣を収納する紙幣収納部54sと、投入された真正と判定された紙幣を紙幣収納部54sへ収納するのを一時的に保留する紙幣一時保留部54hとを有している。紙幣入金部54は、紙幣一時保留部54hに投入された紙幣の入金を行うことを顧客が了承した場合に、紙幣一時保留部54hに投入された紙幣を紙幣収納部54sに収納する。また、紙幣入金部54は、紙幣一時保留部54hにて保留可能な枚数として予め定められた枚数の紙幣が投入された場合には、顧客の了承なしに、紙幣一時保留部54hに投入された紙幣を紙幣収納部54sに収納する。
【0019】
硬貨入金部55は、硬貨を受け付けて真偽判定、真正と判定された硬貨の計数及び計数済み硬貨の内部への収納を行う。硬貨入金部55は、投入された真正と判定された硬貨を収納する硬貨収納部55sと、投入された真正と判定された硬貨を硬貨収納部55sへ収納するのを一時的に保留する硬貨一時保留部55hとを有している。硬貨入金部55は、硬貨一時保留部55hに投入された硬貨の入金を行うことを顧客が了承した場合に、硬貨一時保留部55hに投入された硬貨を硬貨収納部55sに収納する。また、硬貨入金部55は、硬貨一時保留部55hにて保留可能な枚数として予め定められた枚数の硬貨が投入された場合には、顧客の了承なしに、硬貨一時保留部55hに投入された硬貨を硬貨収納部55sに収納する。
通信部56は、サーバ20、窓口端末40、及び、プリンタ95と、ネットワーク2、3を介してデータ通信を行うインタフェースである。
【0020】
記憶部57は、情報を記憶する装置であり、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等にて構成される。記憶部57は、カードリードデータ57a、貨幣在高データ57e、受付番号データ57f、オンライン入金データ57g、及び、オフライン入金データ57hを有する。カードリードデータ57aは、カードリーダ52で顧客カードから読み取った顧客に係る情報である。貨幣在高データ57eは、当該ロビー入金機50に収納されている貨幣の金種別の枚数の情報である。受付番号データ57fは、ロビー入金機50で受け付けた処理に対して採番された番号の情報である。オンライン入金データ57gは、当該ロビー入金機50で行われた貨幣のオンライン入金処理の履歴情報である。オフライン入金データ57hは、当該ロビー入金機50で行われた貨幣のオフライン入金処理の履歴情報である。
【0021】
制御部58は、ロビー入金機50の全体を制御する制御部であり、CPU(Central Processing Unit)(不図示)、ROM(Read Only Memory)(不図示)、RAM(Random Access Memory)(不図示)等を有している。制御部58のROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部57から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。CPUがプログラムを実行することにより、以下に述べる、制御部58の機能が実現される。
【0022】
制御部58は、認証処理部58a、入金処理部58b及び登録データ送信部58eを有する。また、制御部58は、表示操作部51の表示画面の表示を制御する表示制御部58gと、表示操作部51の操作に応じた入力を受け付ける入力受付部58hと、サーバ等に対して情報を出力する出力部58iとを有している。
【0023】
入金処理部58bは、紙幣入金部54に投入された紙幣の真偽を判定し、真正と判定された紙幣を計数し内部に収納する。また、入金処理部58bは、硬貨入金部55に投入された硬貨の真偽を判定し、真正と判定された硬貨を計数し内部に収納する。
また、入金処理部58bは、内部に収納された紙幣及び硬貨の枚数に基づいて貨幣在高データ57eを更新する。また、入金処理部58bは、当該ロビー入金機50で行われた入金処理ごとに、カードリードデータ57aと、受付番号データ57fと、紙幣入金部54で収納された紙幣の金種別枚数と、硬貨入金部55で収納された硬貨の金種別枚数とを関連付けた情報を生成して、オンライン入金データ57g又はオフライン入金データ57hに登録する。
【0024】
表示制御部58gは、表示操作部51の表示画面に表示させるためのデータを表示操作部51に出力し、表示画面の表示を制御する。
入力受付部58hは、表示操作部51の表示画面に表示された画像を介して、ユーザが操作した状態の入力をユーザから受け付ける。
出力部58iは、後述する情報を、窓口端末40、サーバ20及びプリンタ95に出力する。
【0025】
また、入金取引システム1においては、紙幣収納部54sに紙幣が収納された後に入金取引が取消された場合、又は、硬貨収納部55sに硬貨が収納された後に入金取引が取消された場合には、ロビー入金機50が紙幣投入・返却口54aや硬貨返却箱55bを介して投入された貨幣を返却するのではなく、係員が、返却するようにする。ロビー入金機50は、紙幣一時保留部54hに投入された紙幣を、紙幣投入・返却口54aを介して顧客に返却することが可能であるが、紙幣収納部54sに収納された紙幣を顧客に返却することはできないからである。また、ロビー入金機50は、硬貨一時保留部55hに投入された硬貨を、硬貨返却箱55bを介して顧客に返却することが可能であるが、硬貨収納部55sに収納された硬貨を顧客に返却することはできないからである。それゆえ、入金取引システム1においては、紙幣収納部54sに紙幣が収納された後に入金取引が取消された場合、及び、硬貨収納部55sに硬貨が収納された後に入金取引が取消された場合の少なくともいずれかの場合には、ロビー入金機50が受付番号等を記載したレシートを出力する。そして、係員が、レシートに記載された情報と、窓口端末40のディスプレイに表示された情報やプリンタ95にて印字された情報とに基づいて、顧客に貨幣を返却する。
【0026】
以下では、紙幣収納部54sと硬貨収納部55sとをまとめて収納部59s、紙幣一時保留部54hと硬貨一時保留部55hとをまとめて一時保留部59hと称する場合がある。
【0027】
次に、ロビー入金機50の制御部58が行う入金受付処理を、フローチャートを用いて説明する。
図4、
図5は、制御部58が行う入金受付処理の一例を示すフローチャートである。制御部58は、この処理を、予め設定された一定時間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図6は、入金上限金額確認画面60の一例を示す図である。
図7は、貨幣投入待ち画面70の一例を示す図である。
図8は、窓口での返却案内画面80の一例を示す図である。
図9は、入金継続確認画面90の一例を示す図である。
図10は、入金確認画面100の一例を示す図である。
図11は、レシート発行確認画面110の一例を示す図である。
図12は、オフライン入金移行確認画面120の一例を示す図である。
【0028】
制御部58は、先ず、カード挿入口52aに顧客のカードが挿入されたか否かを判定する(S1)。カードが挿入されていない場合(S1でNO)、本処理を終了する。他方、カードが挿入された場合(S1でYES)、制御部58は、当該カードを用いてロビー入金機50にて入金できるか否かを判定する(S2)。例えば、挿入されたカードのフォーマット等の設定が予め定められた設定ではない場合や、ロビー入金機50が設置されている金融機関では使用できない場合には、制御部58は、当該カードを用いてロビー入金機50にて入金できないと判定し(S2でNO)、カードを返却して(S3)、本処理を終了する。
【0029】
他方、入金できると判定した場合(S2でYES)、制御部58は、通信部56を用いて通信可能であるか否かを判定する(S4)。この処理は、例えば、制御部58が、通信部56に対して開局要求を行って、サーバ20に対して開局要求を行い、予め定められた期間(例えば5秒)内にサーバ20から開局応答があった場合に、通信可能であると判定する処理である。通信可能ではないと判定した場合(S4でNO)、表示操作部51に異常が発生している旨を表示し(S5)、本処理を終了する。
【0030】
他方、通信可能であると判定した場合(S4でYES)、制御部58は、入金上限金額確認が必要であるか否かを判定する(S6)。S6の処理は、ロビー入金機50に入金上限金額が設定されている場合に、顧客に入金上限金額を確認してもらう必要があると判定し、入金上限金額が設定されていない場合には確認してもらう必要がないと判定する処理である。そして、入金上限金額確認が必要である場合(S6でYES)、制御部58は、表示操作部51に、
図6に示した入金上限金額確認画面60を表示する(S7)。S7の処理は、表示制御部58gが表示操作部51に表示する処理である。
図6に示すように、表示制御部58gは、入金上限金額確認画面60に、入金上限金額を確認してもらうべく、「1,000,000円を超える入金は窓口での手続きが必要となります。よろしければ「確認」を押してください。」との文言を表示するとともに、「確認」と記載された確認画像61を表示する。また、
図6に示すように、表示制御部58gは、入金上限金額確認画面60に、入金取引を取り消すことを受け付ける「取消」と記載された取消画像62を表示する。その後、入金上限金額確認画面60に表示された取消画像62が押された場合、制御部58は、カードを返却して本処理を終了する(S3)。
【0031】
他方、入金上限金額確認が必要ではない場合(S6でNO)、又は、入金上限金額確認画面60に表示された確認画像61が押された場合、制御部58は、入金する場合に顧客の電話番号の入力が必要であるか否かを判定する(S8)。電話番号の入力が必要である場合(S8でYES)、制御部58は、表示操作部51に、電話番号を入力するための入力画面(不図示)を表示する(S9)。その後、入力画面に表示された「取消」と記載された画像が押された場合、制御部58は、カードを返却して(S3)、本処理を終了する。
【0032】
他方、電話番号の入力が必要ではない場合(S8でNO)、又は、入力画面に電話番号が入力された後に「確認」と記載された画像が押された場合、制御部58は、表示操作部51に、
図7に示した、貨幣の投入を待つ貨幣投入待ち画面70を表示する(S10)。S10の処理は、表示制御部58gが表示操作部51の表示する処理である。
図7に示すように、表示制御部58gは、貨幣投入待ち画面70に、「紙幣・硬貨を入れて「計数開始」を押してください」との文言を表示するとともに、「計数開始」と記載された開始画像71と、「計数終了」と記載された終了画像72とを表示する。また、
図7に示すように、表示制御部58gは、貨幣投入待ち画面70に、入金取引を取り消すことを受け付ける「取消」と記載された取消画像73を表示する。
【0033】
貨幣投入待ち画面70に表示された取消画像73が押された場合、制御部58は、収納部59sに収納された貨幣があるか否かを判定する(S11)。収納部59sに収納された貨幣がない場合(S11でNO)、制御部58は、返却処理を行い(S12)、本処理を終了する。返却処理においては、制御部58は、カードを返却するとともに、一時保留部59hに保留された貨幣がある場合にはその貨幣を返却する。他方、収納部59sに収納された貨幣がある場合(S11でYES)、制御部58は、表示操作部51に、
図8に示した、窓口で返却するために窓口へ案内するための窓口での返却案内画面80を表示する(S13)。S13の処理は、表示制御部58gが表示操作部51の表示する処理である。
図8に示すように、表示制御部58gは、窓口での返却案内画面に、「返金は窓口で行います。カードを受け取り後、窓口までおこしください。「確認」を押してください。」との文言を表示するとともに、「確認」と記載された確認画像81を表示する。
【0034】
一方、貨幣投入待ち画面70に表示された開始画像71が押された場合、制御部58は、投入された貨幣を数える計数処理を行う(S14)。計数処理を行った後、制御部58は、これまでの入金額を貨幣投入待ち画面70に表示し、再度、貨幣が投入されて開始画像71が押された場合、制御部58は、投入された貨幣を数える計数処理を行う。他方、貨幣投入待ち画面70に表示された終了画像72が押された場合、制御部58は、入金上限金額の確認が必要であるか否かを判定する(S15)。入金上限金額確認が必要である場合(S15でYES)、制御部58は、計数した金額が予め定められた入金上限金額以下であるか否かを判定する(S16)。入金上限金額より多い場合(S16でNO)、制御部58は、表示操作部51に、
図9に示した入金継続確認画面90を表示する(S17)。S17の処理は、表示制御部58gが表示操作部51に表示する処理である。
図9に示すように、表示制御部58gは、入金継続確認画面90に、窓口での手続きが必要となる旨を確認してもらうべく、「限度額を超えるため入金することができません。手続きが必要となりますので、カードを受け取り後、窓口までおこしください。よろしければ「確認」を押してください。」との文言を表示するとともに、入金額と、予め定められた入金上限金額とを表示する。また、
図9に示すように、表示制御部58gは、入金継続確認画面90に、「確認」と記載された確認画像91と、入金取引を取り消すことを受け付ける「取消」と記載された取消画像92とを表示する。
【0035】
入金継続確認画面90に表示された取消画像92が押された場合、制御部58は、収納部59sに収納された貨幣があるか否かを判定する(S18)。収納部59sに収納された貨幣がない場合(S18でNO)、制御部58は、返却処理を行い(S12)、本処理を終了する。他方、収納部59sに収納された貨幣がある場合(S18でYES)、制御部58は、表示操作部51に、
図8に示した窓口での返却案内画面80を表示する(S13)。
【0036】
一方、入金上限金額確認が必要ではない場合(S15でNO)、又は、入金上限金額以下である場合(S16でYES)、制御部58は、表示操作部51に、
図10に示した入金確認画面100を表示する(S19)。S19の処理は、表示制御部58gが表示操作部51に表示する処理である。
図10に示すように、表示制御部58gは、入金確認画面100に、入金額とともに、入金額を確認してもらうべく、「入金額を確認してください。よろしければ「完了」を押してください。」との文言を表示する。また、
図10に示すように、表示制御部58gは、入金確認画面100に、「完了」と記載された完了画像101と、入金取引を取り消すことを受け付ける「取消」と記載された取消画像102とを表示する。
【0037】
入金確認画面100に表示された取消画像102が押された場合、制御部58は、S11以降の処理を行う。他方、入金確認画面100に表示された完了画像101が押された場合、制御部58は、
図11に示したレシート発行確認画面110を表示する(S20)。S20の処理は、表示制御部58gが表示操作部51に表示する処理である。
図11に示すように、表示制御部58gは、レシート発行確認画面110に、レシートを発行するのかしないのかを確認してもらうべく、「レシートが必要な場合は「発行する」を押してください。不要な場合は「発行しない」を押してください。」との文言を表示する。また、
図11に示すように、表示制御部58gは、レシート発行確認画面110に、「発行しない」と記載された発行しない画像111と、「発行する」と記載された発行する画像112とを表示する。
【0038】
レシート発行確認画面110に表示された発行しない画像111又は発行する画像112が押された場合、制御部58は、投入された貨幣を収納部59sに収納する収納処理を行う(S21)。
その後、制御部58は、ロビー入金機50に入金された入金データを勘定系ホスト7に送信する送信処理を行う(S22)。
【0039】
その後、制御部58は、送信結果が正常であるか否かを判定する(S23)。送信結果が異常である場合(S23でNO)、制御部58は、表示操作部51に異常が発生している旨を表示し(S24)、異常発生時処理を行う(S25)。異常発生時処理については後で詳述する。
他方、送信結果が正常である場合(S23でYES)、制御部58は、オンライン入金データを更新する(S26)。その後、制御部58は、レシート発行確認画面110に表示された発行する画像112が押されていた場合にはレシートを印字し(S27)、又は、発行しない画像111が押されていた場合にはレシートを印字することなしに、オンライン入金明細の印字を行う(S28)。S27及びS28の処理では、制御部58は、印字したレシート等をロビー入金機50のレシート排出口53aから排出する。その後、制御部58は、表示操作部51に、カードや、印字されたオンライン入金のレシートや明細の抜き取りを促すための抜取り待ち画面を表示し(S29)、抜き取られたら本処理を終了する。
【0040】
なお、オンライン入金の際に発行されるレシートには、処理日時、金融機関の企業名及び支店名、金融機関番号、入金額、税務署承認済み印字等が印字される。また、オンライン入金明細には、オンライン入金である旨が印字されるとともに、処理日時、入金に用いられたカード番号、顧客の電話番号、金種別入金明細等が印字される。
【0041】
一方、入金継続確認画面90に表示された確認画像91が押された場合、制御部58は、表示操作部51に、
図12に示したオフライン入金移行確認画面120を表示する(S30)。S30の処理は、表示制御部58gが表示操作部51の表示する処理である。
図12に示すように、表示制御部58gは、オフライン入金移行確認画面120に、オフライン入金への移行を確認してもらうべく、「この入金は窓口で手続きをします。カードを受け取り後、窓口までおこしください。「確認」を押してください。」との文言を表示するとともに、「確認」と記載された確認画像121を表示する。
【0042】
オフライン入金移行確認画面120の確認画像121が押された場合、制御部58は、投入された貨幣を収納部59sに収納する収納処理を行う(S31)。
その後、制御部58は、オフライン入金データを更新する(S32)。その後、制御部58は、オフライン入金用のレシートを印字する(S33)。また、制御部58は、オフライン入金明細の印字を行う(S34)。S34の処理では、制御部58は、印字したオフライン入金明細を、ロビー入金機50のレシート排出口53aから排出するとともに、プリンタ95から排出する。その後、制御部58は、表示操作部51に、カードや、印字されたレシート及びオフライン入金の情報の抜き取りを促すための抜取り待ち画面を表示し(S35)、抜き取られたら本処理を終了する。
【0043】
なお、オフライン入金の際に発行されるレシートには、処理日時、金融機関の企業名及び支店名、カード番号等が印字されるともに、受付番号が印字される。また、オフライン入金明細には、オフライン入金に移行する旨が印字されるとともに、処理日時、入金に用いられたカード番号、受付番号、金種別入金明細等が印字される。
【0044】
次に、異常発生時処理について説明する。
上述したS23にて送信結果が異常であると判定される場合の異常内容は、以下の事項が考えられる。
異常(1):サーバ20との接続に失敗した異常。
異常(2):ロビー入金機50が送信したデータの異常。
異常(3):サーバ20から勘定系ホスト7へデータを送信する際に発生した異常。
異常(4):勘定系ホスト7からサーバ20へデータを送信する際に発生した異常。
異常(5):サーバ20からロビー入金機50へデータを送信する際に発生した異常。
異常(6):勘定系ホスト7が取り引きできない異常。
【0045】
ロビー入金機50の制御部58は、サーバ20に対してデータを送信した後、予め定められた期間内にサーバ20と接続できなかった場合には、異常(1)が発生したと認識し、オンライン入金が未成立であると認識する。
また、制御部58は、サーバ20に対してデータを送信した後にサーバ20から送信されてきた、勘定系ホスト7が取り引きできない状態である旨の情報を受信した場合には、異常(6)が発生したと認識し、オンライン入金が未成立であると認識する。
【0046】
また、制御部58は、例えば、サーバ20に対してデータを送信した後、予め定められた期間内に応答を受信しない場合等に送信結果が異常であると判定する。ここで、異常(2)及び異常(3)である場合には、ロビー入金機50が送信したデータが勘定系ホスト7に到達していないため、オンライン入金は未成立である。一方、異常(4)及び異常(5)である場合には、ロビー入金機50が送信したデータが勘定系ホスト7に到達しているため、オンライン入金は成立している可能性がある。しかしながら、制御部58は、応答を受信しなかった場合には、上記異常(2)~(5)の内のどの異常であるかを認識することができず、オンライン入金が成立しているのか未成立であるのかを定めることができない。
【0047】
以下に、制御部58が行う異常発生時処理を、フローチャートを用いて説明する。
図13は、制御部58が行う異常発生時処理の一例を示すフローチャートである。
図14は、オフライン入金移行確認画面140の一例を示す図である。
図15は、レシート発行画面150の一例を示す図である。
図16は、オンライン入金確認画面160の一例を示す図である。
制御部58は、先ず、オンライン入金が未成立であるか否かを判定する(S51)。S51の処理は、上記異常(1)又は(6)が発生したと認識できたか否かを判定し、上記異常(1)又は(6)が発生したと認識できた場合には、オンライン入金が未成立であると判定する処理である。
【0048】
オンライン入金が未成立である場合(S51でYES)、制御部58は、オフライン入金処理に移行するとして、オフライン入金明細の印字を行う(S52)。S52の処理では、制御部58は、レシートプリンタ53にて印字したオフライン入金明細を、ロビー入金機50のレシート排出口53aから排出するとともに、プリンタ95にて印字したオフライン入金明細を、プリンタ95から排出する。その後、制御部58は、オンライン入金未成立時の異常解除処理を行う(S53)。S53の異常解除処理として、制御部58は、オフライン入金成立の印字を行うとともに、リセット処理等を行う。
【0049】
その後、制御部58は、
図14に示したオフライン入金移行確認画面140を表示する(S54)。S54の処理は、表示制御部58gが表示操作部51に表示する処理である。
図14に示すように、表示制御部58gは、オフライン入金移行確認画面140に、「オフライン入金として処理確定します。「確認」を押してください。」との文言を表示するとともに、「確認」と記載された確認画像141を表示する。その後、オフライン入金移行確認画面140に表示された確認画像141が押された場合、制御部58は、上述したオフライン入金の際に発行されるレシートを印字し(S55)、カードを返却する(S56)。
【0050】
オンライン入金が未成立ではない場合(S51でNO)、制御部58は、上記異常(2)~(5)の内のどの異常であるかを認識することができないため、先ず、オンライン入金不定時の異常解除処理を行う(S57)。S57の異常解除処理として、制御部58は、オンライン入金不定の印字を行うとともに、リセット処理等を行う。その後、制御部58は、表示操作部51に、オンライン入金が成立しているか否かを確認するための
図15に示したレシート発行画面150を表示する(S58)。
図15に示すように、制御部58は、レシート発行画面150に、「入金を行ったカードの口座情報を印字します。「印字」を押してください。」との文言を表示するとともに、「印字」と記載された印字画像151を表示する。
【0051】
その後、レシート発行画面150に表示された印字画像151が押された場合、制御部58は、入金を行ったカードのカード番号等の口座情報を印字する(S59)。その後、制御部58は、表示操作部51に、
図16に示したオンライン入金確認画面160を表示する(S60)。
図16に示すように、制御部58は、オンライン入金確認画面160に、「端末でレシートに印字されている口座の入金が成立しているか確認し、「成立」又は「未成立」を押してください。」との文言を表示する。また、
図16に示すように、制御部58は、オンライン入金確認画面160に、「成立」と記載された成立画像161と、「未成立」と記載された未成立画像162とを表示する。
【0052】
係員は、オンライン端末30を用いて勘定系ホスト7と通信を行い、S59にて印字されたカードの口座情報に記載された口座のオンライン入金処理が成立しているか否かを確認する。そして、係員は、成立していることを確認した場合には、オンライン入金確認画面160に表示された成立画像161を押し、成立していることを確認できなかった場合には、オンライン入金確認画面160に表示された未成立画像162を押す。
【0053】
制御部58は、オンライン入金が成立しているか否かを判定する(S61)。制御部58は、成立画像161が押された場合にオンライン入金が成立していると判定し(S61でYES)、オンライン入金明細を印字する(S62)。その後、制御部58は、レシート発行確認画面110に表示された発行する画像112が押されていた場合にはレシートを印字し(S63)、カードを返却して(S64)、本処理を終了する。他方、制御部58は、レシート発行確認画面110に表示された発行しない画像111が押されていた場合にはレシートを印字することなしに、カードを返却し(S64)、本処理を終了する。
【0054】
他方、制御部58は、未成立画像162が押された場合にオンライン入金が成立していないと判定し(S61でNO)、オフライン入金明細の印字を行い(S65)、S54以降の処理を行う。S65の処理では、制御部58は、レシートプリンタ53にて印字したオフライン入金明細を、ロビー入金機50のレシート排出口53aから排出するとともに、プリンタ95にて印字したオフライン入金明細を、プリンタ95から排出する。
【0055】
以上説明したように、入金取引システム1は、顧客自らにより投入された貨幣の収納を行う自動機の一例としてのロビー入金機50と、ロビー入金機50が収納した貨幣に係る金額について勘定系処理を実行可能な係員用端末の一例としてのオンライン端末30と、を含む入金取引システムである。そして、入金取引システム1は、貨幣の収納及び勘定系処理をロビー入金機50にて実行させる第一入金取引手段の一例としてのオンライン入金を実行可能である。例えば、ロビー入金機50がS21の収納処理で貨幣を収納部59sに収納するとともに、ロビー入金機50がS22で送信した入金データの送信処理の結果が正常である場合、勘定系ホスト7において、顧客の預金口座の入金データが更新される。また、入金取引システム1は、貨幣の収納をロビー入金機50にて実行させ、勘定系処理をオンライン端末30にて実行させる第二入金取引手段の一例としてのオフライン入金を実行可能である。例えば、ロビー入金機50がS31の収納処理で貨幣を収納部59sに収納するとともに、ロビー入金機50が印字したレシートやプリンタ95にて印字された情報に基づいて、係員が、オンライン端末30を用いて勘定系の処理を実行可能である。
【0056】
以上のように構成された入金取引システム1においては、店舗内に設置された自動機の一例としてのロビー入金機50を利用する顧客の利便性を向上させることができる。つまり、顧客は、オンライン入金を実行することができない自動機に対して入金する場合には、店舗の窓口に赴き、係員を介して勘定系処理を行わなければならないが、オンライン入金を実行可能なロビー入金機50を利用することで、店舗の窓口に赴く必要がないので、顧客の利便性が向上する。また、入金取引システム1においては、顧客は、ロビー入金機50に収納させた貨幣を、オンライン端末30を用いて勘定系の処理を実行可能であるので、例えば入金上限金額を超えた入金であっても、ロビー入金機50に貨幣を投入することができる。それゆえ、入金取引システム1によれば、入金に係る処理全てを店舗の窓口にて行わなければならない場合よりも、店舗の窓口での処理待ち時間を短縮させることができる。また、店舗側は、入金に係る処理全てを窓口にて行わなければならない場合よりも、ロビー入金機50に貨幣を収納させる分の手間を削減することができる。
【0057】
入金取引システム1は、予め定められた所定条件に基づき、オンライン入金により取引を実行するか、オフライン入金により取引を実行するかを切り替える。例えば、入金取引システム1は、言い換えれば、入金取引システム1は、所定条件に基づき、オンライン入金により取引を実行するか、オフライン入金により取引を実行するかを選択する。所定条件は、例えば、ロビー入金機50が収納した貨幣に係る金額が予め定められた所定金額の一例としての入金上限金額を超えることであり、ロビー入金機50が収納した貨幣に係る金額が入金上限金額を超えることを条件に、オフライン入金により取引を実行する。これにより、例えばマネーロンダリングを目的として、入金上限金額を超える入金が行われることを抑制することができる。すなわち、店舗の係員が、勘定系処理を行う前に、本人確認等を目視で行うことができるので、マネーロンダリングを目的とした入金をより確実に抑制することができる。
【0058】
例えば、上記所定条件は、ロビー入金機50と顧客の預金口座を管理する勘定系装置の一例としての勘定系ホスト7との間で、正常に勘定系処理を実行できないことであり、ロビー入金機50と勘定系ホスト7との間で正常に勘定系処理を実行できないことを条件に、取引をオフライン入金により実行する。例えば、ロビー入金機50と勘定系ホスト7との間で通信を行うことが不可能である場合であっても、オンライン端末30を介してロビー入金機50が収納した貨幣に係る金額について勘定系処理を実行可能とする。これにより、入金に係る処理全てを店舗の窓口にて行わなければならない場合よりも、店舗の窓口での処理待ち時間を短縮させることができるので、顧客の利便性を向上させることができる。また、店舗側は、入金に係る処理全てを窓口にて行わなければならない場合よりも、ロビー入金機50に貨幣を収納させる分の手間を削減することができる。
【0059】
ロビー入金機50は、貨幣の収納を行った後に取引が取り消された場合には、ロビー入金機50が設置された店舗の窓口へ案内する報知を行う。例えば、ロビー入金機50の制御部58は、収納部59sに収納された貨幣がある場合(S11又はS18でYES)、表示操作部51に、
図8に示した窓口での返却案内画面80を表示する(S13)。これにより、ロビー入金機50が収納部59sに貨幣を収納した後に収納された紙幣を顧客に返却することはできない構成であったとしても、利便性を低下させることを抑制することができる。
【0060】
また、入金取引システム1が実行可能な入金取引方法は、顧客自らにより投入された貨幣の収納を行うロビー入金機50にて当該貨幣の収納を行う工程と、当該収納を行う工程にて収納した貨幣に係る金額の入金についてのデータであって、ロビー入金機50から勘定系ホスト7に対して送信されたデータに基づいて勘定系処理を行う工程と、を有する。また、入金取引システム1が実行可能な入金取引方法は、ロビー入金機50が設置された店舗の窓口へ案内する報知を行い、当該店舗の係員のみが操作可能なオンライン端末30を介して収納した貨幣に係る金額の入金についての勘定系処理を行う工程を有する。
【0061】
また、ロビー入金機50は、顧客自らにより投入された貨幣を収納する収納部59sと、顧客の預金口座を管理する勘定系装置の一例としての勘定系ホスト7との間で通信を行う通信部56と、情報を表示する表示部の一例としての表示操作部51とを備える入金装置の一例である。また、ロビー入金機50は、収納部59sが収納した貨幣に係る金額が入金上限金額以下である場合には、収納部59sが収納した貨幣に係る金額ついてのデータを勘定系ホスト7に対して通信部56を介して送信させる制御部58を備える。そして、制御部58は、収納部59sが収納した貨幣に係る金額が入金上限金額を超える場合には、店舗の窓口への案内を表示操作部51に表示させる。
【0062】
また、ロビー入金機50は、勘定系ホスト7との間で正常に勘定系処理を実行できる場合、例えば、通信を行うことが可能である場合には、収納部59sが収納した貨幣に係る金額ついての勘定系処理を勘定系ホスト7との間で行う制御部58を備える。そして、制御部58は、勘定系ホスト7との間で正常に勘定系処理を実行できない場合には、店舗の窓口への案内を表示操作部51に表示させる。
【0063】
また、上述した入金取引システム1においては、ロビー入金機50の制御部58は、
図11に示したレシート発行確認画面110を表示し(S20)、発行する画像112が押された場合にはレシートを印字する(S27)。これにより、レシートが不要な顧客は、発行しない画像111を押して発行しないことを選択可能であるので、印紙税の課税対象のレシート枚数を減らすことができる。
【0064】
なお、レシートに、入金額、税務署承認済み印字それぞれについて、印字ありかなしかを選択可能にしても良い。また、入金額について印字ありかなしかを選択可能にする場合には、設定した入金額以上の場合のみ、印字するようにしても良い。これにより、印紙税の課税対象/対象外を設定できるため、印紙税対策がとれる。設定パターンは以下の通りであることを例示することができる。
(イ)入金額、税務署承認済み印字ともに印字あり。
(ロ)入金額のみ印字し、税務署承認済み印字は印字なし。
(ハ)入金額、税務署承認済み印字ともに印字なし。
レシート印字のタイトル、入金額のタイトルは、設定により自由に決定(変更)できるようにしても良い。
【0065】
また、印紙税の課税対象となるレシートを発行した枚数を、ロビー入金機50で月別管理し、月単位でのレシート発行(作成)数量を表示操作部51で確認、印字可能としても良い。
また、制御部58は、レシート発行確認画面110を表示してレシートを発行するのかしないのかを確認することなく、レシートを発行するようにしても良いし、レシートを発行しないようにしても良い。
【0066】
なお、入金取引システム1において、窓口端末40は、店舗の窓口になくても良い。例えば、店舗の係員が携帯しても良い。
また、ロビー入金機50の制御部58は、顧客から貨幣の投入を受け付ける前、少なくとも
図7に示した貨幣投入待ち画面70を表示する前に、今回の入金取引でいくら分の貨幣を投入予定であるかを入力してもらうための画面を表示操作部51に表示しても良い。そして、顧客が入力した投入予定の貨幣が予め定められた金額を超える場合には、窓口での手続きとなる旨を表示操作部51に表示すると良い。ロビー入金機50の収納部59sに収納可能な貨幣の量には制限があるため、多額の貨幣を投入予定である場合には、窓口での手続きを促し、ロビー入金機50の収納部59sに収納された貨幣が早期に上限を超えること、あるいは、上限に近くなることを抑制するためである。
【0067】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る入金取引システムは、第1の実施形態に係る入金取引システム1に対して、ロビー入金機50にてオンライン入金を可能とする時間が限定されている点が異なる。以下、第1の実施形態に係る入金取引システム1と異なる点について説明し、第1の実施形態に係る入金取引システム1と同じ点についての説明は省略する。
【0068】
第2の実施形態に係る入金取引システムは、予め定められた所定取引時間内に処理が完了する場合はオンライン入金を可能とするとともにオフライン入金を可能とし、所定取引時間外は、オフライン入金のみを可能とし、オンライン入金は不可能とする。所定取引時間は、店舗の窓口が開いている時間、例えば9:00~15:00であることを例示することができる。あるいは、所定取引時間は、9:00~17:00であることを例示することができる。あるいは、所定取引時間は、店舗に設けられたATMが稼働している時間と同じ時間、例えば8:00~23:00であることを例示することができる。このように構成された第2の実施形態に係る入金取引システムによれば、所定取引時間外であっても、顧客は、ロビー入金機50を夜間金庫の代わりとして使用することが可能となり、利便性が向上する。
【0069】
なお、ロビー入金機50の制御部58は、表示操作部51に、所定取引時間内である場合にはオンライン入金及びオフライン入金が可能であり、所定取引時間外である場合の入金は窓口での手続きが必要である旨を表示すると良い。
【0070】
また、第2の実施形態に係る入金取引システムにおいて、オンラインにて取引可能なカード(所謂キャッシュカード)である第一カードと、入金専用のカードである第二カードとを定め、顧客が用いるカードの種類に応じて、取引可能な態様を変更しても良い。例えば、所定取引時間内である場合には、第一カードの利用でオンライン入金、言い換えれば、顧客の預金口座に直接入金できるようにし、第二カードの利用はオフライン入金、言い換えれば、店舗の窓口での入金のみ取引可能にしても良い。また、所定取引時間外である場合には、第二カードの利用でオフライン入金を可能とし、第一カードは利用できないようにしても良い。また、ロビー入金機50の制御部58は、所定取引時間内である場合には、表示操作部51に、第一カードの利用でオンライン入金であり、第二カードの利用はオフライン入金のみ取引可能である旨を表示しても良い。また、制御部58は、所定取引時間外である場合には、表示操作部51に、第二カードの利用でオフライン入金可能であり、第一カードは利用できない旨を表示しても良い。そして、制御部58は、所定取引時間外である場合、第二カードがカード挿入口52aに挿入されたときにはオフライン入金を開始し、第一カードがカード挿入口52aに挿入されたときには、表示操作部51に、「このカードはただいまご利用できません」、又は、「カードをお取りください」と表示すると良い。
【0071】
また、第2の実施形態に係る入金取引システムにおいて、オンライン入金を可能とするのを、所定取引時間内にロビー入金機50の収納部59sが貨幣を収納した場合にしても良い。
上述したように、第2の実施形態に係る入金取引システムにおいては、所定取引時間内に行われた取引である場合には、オンライン入金及びオフライン入金を実行可能とし、所定取引時間外に行われた取引である場合には、オフライン入金のみ実行可能とする。
【0072】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る入金取引システムは、第1の実施形態に係る入金取引システム1に対して、ロビー入金機50にてオフライン入金を可能とする時間が限定されている点が異なる。以下、第1の実施形態に係る入金取引システム1と異なる点について説明し、第1の実施形態に係る入金取引システム1と同じ点についての説明は省略する。
【0073】
第3の実施形態に係る入金取引システムは、予め定められた規定取引時間内は、オンライン入金及びオフライン入金を可能とし、規定取引時間外は、オンライン入金のみを可能とし、オフライン入金は不可能とする。規定取引時間は、店舗の窓口が開いている時間(例えば9:00~15:00)であることを例示することができる。規定取引時間外である場合には、窓口が閉じているためロビー入金機50に貨幣を投入した日にオフライン入金を行うことができないからである。あるいは、規定取引時間は、ロビーに係員がいる時間(例えば9:00~17:00)であっても良い。
【0074】
また、第3の実施形態に係る入金取引システムにおいて、規定取引時間外であっても、夜間や早朝はオンライン入金を不可能としても良い。例えば、店舗に設けられたATMが稼働している時間と同じ時間、例えば8:00~23:00である場合にはオンライン入金可能として、8:00~23:00以外に処理が完了する場合又はロビー入金機50の収納部59sが貨幣を収納した場合はオンライン入金不可能としても良い。これにより、夜間や早朝に、ロビー入金機50が置かれたロビーを閉じてセキュリティを高めることが可能となる。このように構成された第3の実施形態に係る入金取引システムによれば、規定取引時間外であっても、顧客は、ロビー入金機50を用いてオンライン入金可能となり、利便性が向上する。
【0075】
なお、ロビー入金機50の制御部58は、表示操作部51に、規定取引時間内である場合にはオンライン入金及びオフライン入金が可能であり、規定取引時間外である場合にはオンライン入金のみ可能である旨を表示すると良い。
【0076】
また、第3の実施形態に係る入金取引システムにおいて、オンラインにて取引可能なカード(所謂キャッシュカード)である第一カードと、入金専用のカードである第二カードとを定め、顧客が用いるカードの種類に応じて、取引可能な態様を変更しても良い。例えば、規定取引時間内である場合には、第一カードの利用でオンライン入金できるようにし、第二カードの利用はオフライン入金のみ取引可能にしても良い。また、規定取引時間外である場合には、第一カードの利用でオンライン入金を可能とし、第二カードは利用できないようにしても良い。また、ロビー入金機50の制御部58は、規定取引時間内である場合には、表示操作部51に、第一カードの利用でオンライン入金であり、第二カードの利用はオフライン入金のみ取引可能である旨を表示しても良い。また、制御部58は、規定取引時間外である場合には、表示操作部51に、第一カードの利用でオンライン入金可能であり、第二カードは利用できない旨を表示しても良い。例えば、「キャッシュカードを入れてください。口座に直接入金できます。」と表示しても良い。そして、制御部58は、規定取引時間外である場合、第一カードがカード挿入口52aに挿入されたときにはオンライン入金を開始し、第二カードがカード挿入口52aに挿入されたときには、表示操作部51に、「このカードはただいまご利用できません」、又は、「カードをお取りください」と表示すると良い。
【0077】
上述したように、第3の実施形態に係る入金取引システムにおいては、規定取引時間内に行われた取引である場合には、オンライン入金及びオフライン入金を実行可能とし、規定取引時間外に行われた取引である場合には、オンライン入金のみ実行可能とする。
【符号の説明】
【0078】
1…入金取引システム、2,3,5,6…ネットワーク、7…勘定系ホスト、20…サーバ、30…オンライン端末、40…窓口端末、50…ロビー入金機、51…表示操作部、56…通信部、58…制御部、58g…表示制御部、95…プリンタ