(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102595
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
B65B 17/00 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
B65B17/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217422
(22)【出願日】2020-12-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1-1)展示日 令和2年11月16日、17日、18日 (1-2)展示会名、開催場所 食品開発展2020 (1-3)公開者 株式会社三協 (2-1)展示日 令和2年11月25日、26日、27日 (2-2)展示会名、開催場所 第22回インターフェックスジャパン (2-3)公開者 株式会社三協 (3-1)ウェブサイトの掲載日 令和2年11月20日 (3-2)ウェブサイトのアドレス https://www.youtube.com/channel/UCaj0bJw6PdrCT6LQ31Hoc9g (3-3)公開者 株式会社三協
(71)【出願人】
【識別番号】594069580
【氏名又は名称】株式会社三協
(71)【出願人】
【識別番号】599060847
【氏名又は名称】株式会社ウイスト
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 康太郎
(72)【発明者】
【氏名】中西 達也
(72)【発明者】
【氏名】前川 文武
(72)【発明者】
【氏名】浜田 敏彦
(57)【要約】
【課題】収納装置において、容器内のワークの収納状態を良好なものとする。
【解決手段】上下方向に積層するようにワークを容器内に収納する収納装置1において、所定の場所からワーク10を取り出して容器20の開口部30から容器20内に移動させてワーク10を容器20内に積層する収納部5と、容器20内に収納されたワーク10の縁部12に当接可能に構成され、ワーク10の縁部12に当接することによって容器20内に収納されたワーク10がワーク10の積層方向に対してできるだけ傾斜しないようにワーク10の配置姿勢を案内するガイド部6と、を備えるものとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に積層するようにワークを容器内に収納する収納装置であって、
前記ワークは、二つの面体の縁部同士を張り合わせるようにして連接されて袋状に構成されるものであり、内部に収納物が収納されて中央部分が上下に膨出して前記縁部よりも盛り上がったように構成され、
前記容器は、開口部を備え、上下方向に複数段積層された状態で前記ワークを収納可能に構成され、
所定の場所から前記ワークを取り出して前記容器の開口部から容器内に移動させて前記ワークを前記容器内に積層する収納部と、
前記容器内に収納された前記ワークの前記縁部に当接可能に構成され、前記ワークの前記縁部に当接することによって前記容器内に収納された前記ワークが前記ワークの積層方向に対してできるだけ傾斜しないように前記ワークの配置姿勢を案内するガイド部と、を備える、
収納装置。
【請求項2】
前記ガイド部における前記容器内に配置された状態において前記ワークの前記縁部と対向する面は、前記容器内に収納された前記ワークの前記縁部と当接する当接面として構成され、
前記当接面は、凹部と凸部とを備え、前記容器内に収納される前記ワークの前記縁部が前記当接面の前記凸部に当接するように構成される、
請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記当接面は、上下方向に複数個の前記凹部及び前記凸部を有するように構成される、
請求項2に記載の収納装置。
【請求項4】
前記容器の前記開口部の上方に配置されて、前記容器内に収納された前記ワークの前記縁部が前記容器の前記開口部から上方に突出しないように、前記容器内に積層された前記ワークのうち最も上方に配置される前記ワークを押える押え部を備える、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の収納装置。
【請求項5】
前記押え部は、前記容器の前記開口部の上方に配置された状態で、前記収納部によって前記ワークを前記容器内に収納可能に構成される、
請求項4に記載の収納装置。
【請求項6】
前記押え部は、基部と、押え体と、を備え、
前記押え体は、前記基部から突出するように構成され、
前記押え体は、前記押え部が前記容器の前記開口部の上方に配置された状態で、前記容器内に積層された前記ワークのうち最も上方に配置される前記ワークの前記縁部のうち少なくとも一部の縁部の上方に配置される、
請求項4または請求項5に記載の収納装置。
【請求項7】
前記収納部によって前記容器内に収納される前記ワークが所定量積層された状態で、前記ガイド部は移動して前記容器内に配置される、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の収納装置。
【請求項8】
前記ガイド部が前記容器内に配置された状態で、前記押え部は移動して前記容器の開口部の上方に配置される、
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向に積層するようにワークを容器内に収納する収納装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを容器内に収納する収納装置に関する技術は公知となっている(特許文献1参照)。
前記収納装置には、上下方向に積層するようにワークを容器内に収納するものがある。
また、前記収納装置によって上下方向に積層するように容器に収納される対象となるワークには、例えば、袋状に構成されて複数個の錠剤やカプセル剤等の収納物が内部に収納される分包袋がある。前記容器は、例えば、紙素材からなる六面体状の箱であり開口部を備え、上下方向に複数段積層された状態でワークを収納可能に構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記収納装置によって上下方向に積層するように容器に収納されるワーク(分包袋)は、二つの面体の縁部同士を張り合わせるようにして連接されて袋状に構成され、内部に収納物が収納されて中央部分が上下に膨出して縁部よりも盛り上がったように構成される。
このように、ワークは中央部分が上下に膨出して縁部よりも盛り上がったように構成されることから、前記収納装置においてワークを容器内に積層していくと、ワークの積層方向(上下方向)に対してワークが傾斜してしまう場合がある。そして、容器内に収納されたワークがワークの積層方向に対して傾斜すると、ワークの積層された状態が崩れたり、また、所望の量(例えば十段)のワークを積層することができない場合があり、容器内のワークの収納状態が良好なものとならない場合があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、容器内のワークの収納状態を良好なものとすることができる収納装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、上下方向に積層するようにワークを容器内に収納する収納装置であって、前記ワークは、二つの面体の縁部同士を張り合わせるようにして連接されて袋状に構成されるものであり、内部に収納物が収納されて中央部分が上下に膨出して前記縁部よりも盛り上がったように構成され、前記容器は、開口部を備え、上下方向に複数段積層された状態で前記ワークを収納可能に構成され、所定の場所から前記ワークを取り出して前記容器の開口部から容器内に移動させて前記ワークを前記容器内に積層する収納部と、前記容器内に収納された前記ワークの前記縁部に当接可能に構成され、前記ワークの前記縁部に当接することによって前記容器内に収納された前記ワークが前記ワークの積層方向に対してできるだけ傾斜しないように前記ワークの配置姿勢を案内するガイド部と、を備えるものである。
【0008】
請求項2においては、前記ガイド部における前記容器内に配置された状態において前記ワークの前記縁部と対向する面は、前記容器内に収納された前記ワークの前記縁部と当接する当接面として構成され、前記当接面は、凹部と凸部とを備え、前記容器内に収納される前記ワークの前記縁部が前記当接面の前記凸部に当接するように構成されるものである。
【0009】
請求項3においては、前記当接面は、上下方向に複数個の前記凹部及び前記凸部を有するように構成されるものである。
【0010】
請求項4においては、前記容器の前記開口部の上方に配置されて、前記容器内に収納された前記ワークの前記縁部が前記容器の前記開口部から上方に突出しないように、前記容器内に積層された前記ワークのうち最も上方に配置される前記ワークを押える押え部を備えるものである。
【0011】
請求項5においては、前記押え部は、前記容器の前記開口部の上方に配置された状態で、前記収納部によって前記ワークを前記容器内に収納可能に構成されるものである。
【0012】
請求項6においては、前記押え部は、基部と、押え体と、を備え、前記押え体は、前記基部から突出するように構成され、前記押え体は、前記押え部が前記容器の前記開口部の上方に配置された状態で、前記容器内に積層された前記ワークのうち最も上方に配置される前記ワークの前記縁部のうち少なくとも一部の縁部の上方に配置されるものである。
【0013】
請求項7においては、前記収納部によって前記容器内に収納される前記ワークが所定量積層された状態で、前記ガイド部は移動して前記容器内に配置されるものである。
【0014】
請求項8においては、前記ガイド部が前記容器内に配置された状態で、前記押え部は移動して前記容器の開口部の上方に配置されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、容器内のワークの収納状態を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る収納装置の全体的な構成を示した斜視図。
【
図2】同じく収納装置によって容器に収納される対象となるワークを示す平面図、(b)同じく収納装置によって容器に収納される対象となるワークを示す正面図。
【
図3】同じく収納装置によってワークが収納される容器を示す斜視図。
【
図7】同じく収納装置の収納部による容器内へのワークを収納する動作を開始する状態を示す模式図。
【
図8】同じく収納装置のガイド部を容器内に配置した状態を示す模式図。
【
図9】同じく収納装置の収納部(吸着部)によってワークを下方に押え付ける直前の状態を示す模式図。
【
図10】同じく収納装置の収納部(吸着部)によってワークを下方に押え付ける直前の状態を示す拡大模式図。
【
図11】同じく収納装置の収納部(吸着部)によってワークを下方に押え付けた状態を示す模式図。
【
図12】同じく収納装置の収納部(吸着部)によってワークを下方に押え付けた状態を示す拡大模式図。
【
図13】同じく収納装置の収納部(吸着部)によってワークを下方に押え付けた後の状態を示す模式図。
【
図14】同じく収納装置の収納部(吸着部)によってワークを下方に押え付けた状態を示す拡大模式図。
【
図15】同じく収納装置の押え部を容器の開口部の上方に配置した状態を示す模式図。
【
図16】同じく収納装置の押え部を容器の開口部の上方に配置した状態を示す平面図。
【
図17】同じく収納装置の容器内にワークを積層して収納した状態を示す模式図。
【
図18】同じく収納装置のガイド部を容器内から退避させた状態を示す模式図。
【
図19】同じく収納装置の押え部を容器の開口部の上方に配置した状態を示す平面図。
【
図21】同じく収納装置の押え部を容器の開口部の上方に配置した状態を示す平面図。
【
図24】同じく収納装置の蓋閉め部に容器が配置された状態を示す平面図。
【
図25】同じく収納装置おけるワークを容器に収納する動作を示すフロー図。
【
図26】同じく収納装置おけるワークを容器に収納する動作を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態に係る収納装置1について、
図1から
図24を用いて説明する。
【0018】
図1に示すように、収納装置1は、搬送路上に整列して配置されたワーク10を自動制御によって取り出して上下方向に積層するように容器20内に収納する。収納装置1は、下方から順に容器20内に収納する。
【0019】
ワーク10は、収納装置1によって容器20に収納される対象となるものである。以下において、ワーク10は、袋状に構成されて複数個の錠剤やカプセル剤等の収納物11が内部に収納される分包袋であるものとして説明する。
図2に示すように、ワーク10は、二つの四角形の面体の各縁部12・12・・・同士を張り合わせるようにして連接されて略面状に構成される。ワーク10は、薬剤等の収納物11が収納された状態において、樹脂素材からなる透明または半透明フィルム材からなるの二枚の略正四角形のシートのそれぞれの四つの縁部12・12・・・同士をヒートシール等によって張り合わせて構成される。
ワーク10の縁部12は、薬剤等の収納物11が収納される袋状の部分から前後左右に突出するように構成される。
ワーク10は、薬剤等の収納物11が収納されることから、中央部分が上下に膨出して縁部12よりも盛り上がったように構成される。また、ワーク10内には、若干のエアーが入り込んだ状態となっている。
【0020】
なお、ワーク10は、一枚のシート材を折り畳んで縁部12同士を張り合わせて構成して、二個または三個の縁部12を備える構成とすることもできる。
また、ワーク10は、薬剤等が収納される分包袋であることに限定されず、収納物11が収納されることによって中央部分が縁部12よりも盛り上がったように構成され、少なくとも一つの縁部12を備えるものであればよいものとする。また、ワーク10に収納される収納物11が固体状のものであることに限定されず、液体状または気体状のものであってもよいものとする。ワーク10に収納される収納物11は、薬剤や錠剤等以外のもの(例えば、食品類、化粧品類、または景品等)であってもよいものとする。
ワーク10の縁部12を構成するにあたって、ヒートシール以外の他の手段(例えば、接着剤)によってワーク10の縁部12を構成するものであってもよいものとする。
【0021】
図3に示すように、容器20は、紙素材からなる六面体状の箱であり、上下方向に積層された複数個のワーク10を内部に収納可能に構成される。ワーク10は、その二枚のシートのうち一方が上方(他方が下方)を向くように、容器20内に収納される。容器20は、ワーク10が前後左右に四個並べて収納されるように構成される。容器20は、ワーク10が上下方向に複数段(例えば、十段)積層された状態で収納可能に構成される。
容器20は、底板21と、前側板22と、後側板23と、左側板24と、右側板25と、左側板24及び右側板25の上端にそれぞれ連接される左右一対のフラップ26・26と、前側板22の上端に連接される蓋板27と、蓋板27の前端に連接されるタップ28と、収納空間内に配置される仕切板29と、を備える。
底板21と前側板22と後側板23と左側板24と右側板25と蓋板27とで囲まれた空間は、ワーク10が収納される収納空間として構成される。収納空間内には、収納空間を四つの領域に分割してワーク10が上方から見て前後左右に四個並べて配置可能なように、仕切板29が配置される。
前側板22と後側板23と左側板24と右側板25とのそれぞれの上端部で囲まれた部分は、開口部30として構成される。蓋板27は、回動されることによって開口部30(収納空間)を開閉可能に構成される。タップ28は、蓋板27で開口部30を閉じた状態において後側板23の内側に入り込ませることによって、蓋板27が閉じた状態を保持可能に構成される。
【0022】
なお、容器20は、紙素材で構成されることに限定されず、例えば樹脂素材等の他の素材で構成することもできる。また、容器20におけるワーク10が収納される個数については、仕様や用途等に応じて適宜設定されるものであって、これに限定されるものではない。例えば、容器20は、ワーク10が前後または左右に二個並べて収納される構成でもよく、また、ワーク10が前後または左右に二個以上並べて構成でもよく、ワーク10が一個収納される構成でもよいものとする。また例えば、容器20は、ワーク10が十段以上または十段以下に積層された状態で収納可能に構成されるものでもよいものとする。
【0023】
図1に示すように、収納装置1は、ワーク搬送部2と、容器供給部3と、容器搬送部4と、収納部5と、ガイド部6と、押え部7と、蓋閉め部8と、を備える。
【0024】
ワーク搬送部2は、ベルトコンベア装置であり、ベルト上にワーク10を配置した状態で上流側から下流側に搬送する。ワーク搬送部2は、収納部5においてワーク10を取り出し易くワーク10を整理して並べて配置した状態で、収納部5及び容器搬送部4近傍にワーク10を搬送する。ワーク搬送部2は、ベルト上に二列に並べた状態でワーク10を搬送する。
【0025】
容器供給部3は、ベルトコンベア装置であり、ベルト上に空の状態(ワーク10が収納されていない状態)の容器20を配置した状態で上流側から下流側に搬送する。
容器供給部3は、容器搬送部4を挟んでワーク搬送部2の反対側に配置される。容器供給部3の下流側端部は、容器搬送部4近傍に配置される。
容器供給部3は、容器20の蓋板27がワーク搬送部2側を向いた状態で、容器搬送部4に所定タイミングで一個ずつ容器20を供給する。
【0026】
容器搬送部4は、ベルトコンベア装置であり、容器供給部3から供給された容器20をベルト上に配置した状態で上流側から下流側に搬送する。
【0027】
収納部5は、ワーク搬送部2上(所定の場所)からワーク10を取り出して容器搬送部4上に配置された容器20内に当該ワーク10を収納する。収納部5は、ロボットアーム(不図示)の先端部に吸着部50を備えて構成される。収納部5は、エアーの吸引力によって吸着部50にワーク10(ワーク10の上面)を吸着した状態でワーク搬送部2上のワーク10を取り出し、前記吸着部50及び前記吸着部50に吸着されたワーク10を容器20の開口部30から容器20内に移動させ、容器20内において前記吸着部50におけるエアーの吸引力を解除することによって容器20内に前記ワーク10を収納する。このようにして、収納部5は、一段分ずつワーク10を容器20内に収納していき、容器20内にワーク10を積層する。容器20内に収納されたワーク10の積層状態に応じた、収納部5における吸着部50の容器20内への移動位置(移動深さ)及び容器20内において収納部5の吸着部50におけるエアーの吸引力を解除するタイミン等について予め設定される。
収納部5は、複数個(四個)の吸着部50を備え、複数個(四個)のそれぞれの吸着部50がワーク搬送部2上の複数個(四個)のワーク10(一段分のワーク10)を同時に吸着可能に構成され、また、容器20内に前記複数個(四個)のワーク10を収納可能に構成される。
【0028】
図1、
図4、または
図7から
図12に示すように、ガイド部6は、容器20内に収納されたワーク10の縁部12に当接可能に構成される。ガイド部6は、ワーク10の縁部12に当接することによって、容器20内に収納されたワーク10がワーク10の積層方向(上下方向)に対してできるだけ傾斜しないように、ワーク10の配置姿勢を案内する。ガイド部6は、ワーク10の縁部12が突出する方向が容器20の底板21(底部)に対して概ね平行となるように、ワーク10の配置姿勢を案内する。
ガイド部6は、ロボットアーム(不図示)の先端部に接続されて、容器20外(待機位置)と容器20内とを移動可能に構成される。ガイド部6は、容器20の開口の上方から下方に移動して、容器20の開口部30から容器20内に侵入可能に構成される。ガイド部6は、容器20内から上方に移動して、容器20外に移動可能に構成される。
ガイド部6は、容器20外において、容器20の開口部30の上方に配置される。ガイド部6は、容器20内において、ワーク10の縁部12の外側に配置される。
ガイド部6は、樹脂素材からなる部材であって平板状にされる。ガイド部6は、上下方向を長手方向とする側面視長方形に構成される。ガイド部6は、容器20内に配置された状態においてワーク10(ワーク10の縁部12)と対向する面は、容器20内に収納されたワーク10の縁部12と当接する当接面60として構成される。
【0029】
ガイド部6の当接面60は、凹凸状に構成され、凹部61と凸部62とを備えるように構成される。ガイド部6の凹部61が前後方向に延びる溝状に構成されて上下方向に複数個形成されることによって、当接面60が概ね蛇腹状に構成される。
ガイド部6の当接面60は、収納部5の吸着部50によって容器20内にワーク10を上方から下方に移動させて容器20内に収納するときに、当該ワーク10の縁部12が当接面60の凸部62に当接するように構成される。また、ガイド部6の当接面60は、容器20内において収納部5の吸着部50におけるエアーの吸引力を解除して容器20内にワーク10を収納した後、容器20内に収納される当該ワーク10の縁部12がガイド部6の凸部62(凸部62の下端)に当接して引っかかった状態となるように構成される。
ガイド部6の当接面60は、上下方向に複数個(各六個)の凹部61及び凸部62を有するように構成される。ガイド部6の当接面60の複数個の凹部61及び凸部62は、上下方向に均等に配置される。ガイド部6の当接面60の凹部61及び凸部62は、外上下中に傾斜するように略山状に切り欠かれるようにして構成される。ガイド部6の凸部62の下端(凹部61の上端)は、収納部5の吸着部50の移動方向(容器20の積層方向)と直交する面で構成される。
なお、ガイド部6の当接面60は、蛇腹状に構成されることに限定されず、例えば凸部62が複数個の角状等に構成されて凹凸状に構成されるもの(
図5参照)であってもよいものとする。
【0030】
ガイド部6は、本実施形態では四個備えられ、一つのワーク10の積層(容器20における収納空間の四つの領域に分割されるうち一つの領域)に対して一個ずつ配置して構成される。
前左方のガイド部6と前右方のガイド部6とは、互いの当接面60が対向するように配置される。後左方のガイド部6と後右方のガイド部6とは、互いの当接面60が対向するように配置される。四個の一対のガイド部6・6・・のうち容器20の前左方または後左方の収納空間に配置されるものは、容器20の収納空間において左側板24の近傍に配置され、それぞれの収納空間に配置されるワーク10の左方の縁部12にそれぞれ当接可能に構成される。四個の一対のガイド部6・6・・のうち容器20の前右方または後右方の収納空間に配置されるものは、容器20の収納空間において右側板24の近傍に配置され、それぞれの収納空間に配置されるワーク10の右方の縁部12にそれぞれ当接可能に構成される。
なお、ガイド部6は、一つのワーク10の積層に対して一個配置されることに限定されず、容器20の仕様(例えば、容器20の大きさやワーク10の収納位置等)やワーク10の縁部12の場所に応じて適宜その個数が設定されるものであり、一つのワーク10の積層に対して二個以上配置される構成とすることもできる。例えば、一つのワーク10の積層に対してガイド部6が二個配置されるときには、容器20内においてワーク10の左右の縁部12を挟むようにガイド部6が配置される構成とされる。
【0031】
図1、
図6、または
図15から
図18に示すように、押え部7は、ガイド部6が容器20内に配置された状態で(ガイド部6が容器20内に配置された後)、容器20の開口部30の上方に配置されて、容器20内に収納されたワーク10(積層されたワーク10のうちもっとも上方に配置されるワーク10の縁部12)が容器20の開口部30から上方に突出しないように、当該容器20内に積層されたワーク10のうち最も上方に配置されるワーク10を上方から下方に押える。
押え部7は、サーボスライダユニット(不図示)の先端部に接続されて、ワーク搬送部2(待機位置)側から容器搬送部4側、また容器搬送部4側からワーク搬送部2側(容器搬送部4による容器20の搬送方向と直交する方向)に、移動可能に構成される。押え部7は、待機位置から容器20の開口部30近傍の上方に配置可能に構成され、容器搬送部4上の容器20の開口部30に蓋をするように構成される。このとき、押え部7は、容器20の開口部30の開口面と概ね平行に移動する。
また、押え部7は、収納部5によってワーク10が容器20内に積層された後、蓋閉め部8によって容器20の蓋板27を閉じた状態とされる直前まで、容器20の開口部30の上方に配置された状態とされる。押え部7は、容器20の開口部30の上方に配置された状態で、容器搬送部4による容器20の搬送方向に沿って、収納部5によって容器20内にワーク10を収納する場所から蓋閉め部8によって容器20の蓋板27を閉じた状態とする場所まで移動可能に構成される。
また、押え部7は、容器20の開口部30の上方に配置された状態で、ガイド部6が容器20内に移動可能また容器20外に移動可能に構成されれる。
押え部7は、容器20の開口部30の上方に配置された状態で、収納部5によって容器20内にワーク10を収納する際に、収納部5の吸着部50および吸着部50に吸着されたワーク10が容器20外から容器20内に移動可能に構成され、収納部5によってワーク10を容器20内に収納可能に構成される。
【0032】
押え部7は、平板状の部材であって、基部70と、複数個(三個)の押え体71と、を備える。
押え部7の押え体71は、基部70から前方に向かって突出するように構成される。押え部7の押え体71は、押え部7が容器20の開口部30の上方に配置された状態で、容器20内に収納されたワーク10(容器20内に積層されたワーク10のうち最も上方に配置されるワーク10)の縁部12のうち少なくとも一部の縁部12の上方に(上方からみてワーク10の縁部12の少なくとも一部と重なるように)配置される。
押え部7の三個の押え体71は、ワーク10の左右幅よりも若干広く且つ収納部5の吸着部の左右幅よりも若干狭い間隔で左右方向に均等に配置され、容器20に収納されたワーク10の左右の縁部12を押える。押え部7の左右の長さ(左方の押え体71から右方の押え体71の長さ)は、一対のガイド部6の当接面60間の距離よりも若干短く構成さえる。押え部7の押え体71の突出方向長さは、少なくとも一つのワーク10の縁部12の長さよりも長く構成される。
押え部7の三個の押え体71が配置される間隔は、容器20内に収納されたワーク10(積層されたワーク10のうちもっとも上方に配置されるワーク10の縁部12)が容器20の開口部30から上方に突出しないように、ワーク10を上方から下方に押えることができ、且つ、容器20の開口部30の上方に配置された状態で、収納部5の吸着部50および吸着部50に吸着されたワーク10が容器20外から容器20内に移動可能となるように構成される。
【0033】
押え部7の押え体71は、押え部7が容器20の開口部30の上方に配置された状態で、容器20内に収納される後方のワーク10の左右の縁部12から前方のワーク10の左右の縁部12(縁部12の一部)の上方に配置される。
押え部7の左方の押え体71は、押え部7が容器20の開口部30の上方に配置された状態で、容器20における左側板24の若干内側(右側)上方に配置され、容器20内に収納される後方のワーク10の左側の縁部12、及び前方のワーク10の左側の縁部12の一部の上方に配置される。
押え部7の右方の押え体71は、押え部7が容器20の開口部30の上方に配置された状態で、右側板25の若干内側(左側)上方に配置され、容器20内に収納される後方のワーク10の右側の縁部12、及び前方のワーク10の右側の縁部12の一部の上方に配置される。
押え部7の中央の押え体71は、押え部7が容器20の開口部30の上方に配置された状態で、仕切板29の容器20内を左右に分割する板(容器20の左右中央)の上方に配置され、容器20内に収納される後左方のワーク10の右側の縁部12、後右方のワーク10の左側の縁部12、前左方のワーク10の右側の縁部12の一部、及び前右方のワーク10の左縁部12の一部の上方に配置される。
また、基部70の前端部は、押え部7が容器20の開口部30の上方に配置された状態で、容器20の前側板22の上方に配置され、容器20内に収納される後方のワーク10の後側の縁部12の上方に配置される。
【0034】
なお、ワーク10が三個の縁部12を備える構成とした場合には、例えば
図19に示すように、ワーク10は左方、右方、及び後方に縁部12をそれぞれ備える構成とされ、押え部7が容器20の開口部30の上方に配置された状態において、押え部7の押え体71または基端部70が当該ワーク10の三個の縁部12の上方に配置される。
【0035】
なお、押え部7の押え体71は、三個であることに限定されず、容器20の仕様(例えば、容器20の大きさやワーク10の収納位置等)やワーク10の縁部12の場所に応じて適宜その数量を選択して設定されるものであり、例えば、一個また四個以上であってもよいものとする。
また、押え部7の押え体71は、容器20の仕様(例えば、容器20の大きさやワーク10の収納位置等)やワーク10の縁部12の場所に応じて適宜その突出方向長さが設定されるものであり、例えば、ワーク10の縁部12よりも若干短く構成することもできる。
また、押え部7は、左右方向に延出してワーク10の前方の縁部12または後方の縁部12を押える押え体71を単数個または複数個備える構成とすることもできる。このとき例えば、
図20または
図21に示すように、押え部7の押え体71は、基部70から前方に向かって突出する三個の押え部7に加えて、左右方向に延出する押え体71を二個備え、平面視略田字状に構成することもできる。また例えば、
図22または
図23に示すように、押え部7の押え体71は、基部70から前方に向かって突出する三個の押え部7に加えて、左右方向に延出する押え体71を一個備える構成とすることもできる。
【0036】
蓋閉め部8は、蓋板27を閉じた状態とする。蓋閉め部8は、容器搬送部4による容器20の搬送方向において収納部5の下流側に配置される。蓋閉め部8は、収納部5による容器20内へのワーク10の収納動作が終了した後、当該容器20が容器搬送部4によって搬送されて蓋閉め部8近傍で停止した状態で、容器20の蓋閉め動作を行う。蓋閉め部8は、容器20の左右一対のフラップ26・26を閉じ、次いで蓋板27を前方から後方に回動させるとともに後側板23の内側に入り込ませて蓋板27を閉じた状態とする。
図24に示すように、蓋閉め部8は、左右一対のフラップ閉じ体80と、蓋板閉じ体81と、を備える。
蓋閉め部8のフラップ閉じ体80は、板状の部材であり、当該容器20が容器搬送部4によって搬送されて蓋閉め部8近傍で停止した状態で、容器20のフラップ26の下方に配置される。蓋閉め部8のフラップ閉じ体80は、下方から上方に移動して容器20のフラップ26に当接した状態で、さらに上方に移動するとともに内側に移動することによってフラップ26を回動させて閉じさせる。
蓋閉め部8の蓋板閉じ体81は、板状の部材であり、当該容器20が容器搬送部4によって搬送されて蓋閉め部8近傍で停止した状態で、容器20の蓋板27の下方に配置される。蓋閉め部8の蓋板閉じ体81は、下方から上方に移動して容器20の蓋板27に当接した状態で、さらに後方に移動することによって蓋板27を回動させて閉じさせる。
【0037】
次に、収納装置1おけるワーク10を容器20に収納する動作について、
図25等を用いて説明する。
【0038】
図7または
図25に示すように、収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を開始する(ステップS1)。このとき、収納部5は、ワーク搬送部2上のワーク10を取り出して、容器供給部3から供給された空の状態の容器搬送部4上に配置された容器20内に一段分ずつワーク10を収納していく。
収納部5による容器20内に収納されるワーク10が所定量積層された状態(例えば、ワーク10が三段積層された状態)となると、ステップS2に移行する。
【0039】
次に、
図8または
図25に示すように、収納部5による容器20内に収納されるワーク10が所定量積層された状態で、待機位置から移動させて容器20内にガイド部6を配置する(ステップS2)。
このようにガイド部6を容器20内に配置した状態で、収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を継続して、さらに収納部5内にワーク10を積層させる。
【0040】
ここで、収納部5の吸着部50によって容器20内においてワーク10を下方に移動させていき当該収納部5の吸着部50に吸着されたワーク10が容器20の底板21または直近下方のワーク10に当接した際に、当該収納部5の吸着部50に吸着されたワーク10で容器20の底板21または直近下方のワーク10を若干下方に押え付けた状態で、収納部5の吸着部50におけるエアーの吸引力を解除して容器20内にワーク10を収納する(
図9から
図12参照)。
また、収納部5の吸着部50に吸着されたワーク10及び容器20内に既に収納されているワーク10は、前述のように下方に押え付けられた状態では、上下方向に若干収縮した状態となっている(
図11から
図12参照)。そして、容器20内において収納部5の吸着部50におけるエアーの吸引力を解除して容器20内にワーク10を収納した際には、容器20内のワーク10は内部のエアーの内圧によって前記ワーク10が下方に押え付けられた状態と比べて上下方向に若干膨張することとなり、ワーク10の縁部12の上下位置は前記ワーク10が下方に押え付けられた状態と比べて若干上方に移ることとなる(
図13または
図14参照)。
このように、ガイド部6の当接面60は、ワーク10の縁部12の上下位置は前記ワーク10が下方に押え付けられた状態と比べて若干上方に移った際に、容器20内に収納される当該ワーク10の縁部12が当接面60の凸部62(凸部62の下端)に当接して引っかかったような状態となるように構成される。
収納部5による容器20内に収納されるワーク10がさらに積層されてステップS2におけるワーク10の積層量よりも多い所定量積層された状態(例えば、ワーク10が七段積層されて容器20の開口部30近傍に近づいた状態)となると、ステップS3に移行する。
【0041】
次に、
図15、
図16、または
図25に示すように、収納部5による容器20内に収納されるワーク10が所定量積層された状態で、且つ、ガイド部6が容器20内に配置された状態で、待機位置から前方に移動させて押え部7を容器20の開口部30の上方に配置する(ステップS3)。
このように押え部7を容器20の開口部30の上方に配置した状態で、収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を継続して、さらに収納部5内にワーク10を積層させる。
収納部5による容器20内に収納されるワーク10がさらに積層されて、予め設定される容器20内へのワーク10の積層量となった状態(ワーク10が十段積層された状態)となると、ステップS4に移行する。
【0042】
次に、
図25に示すように、予め設定される容器20内へのワーク10の積層量となった状態(ワーク10が十段積層された状態)となると、収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を停止する(ステップS4)。
収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を停止すると、ステップS5に移行する。
【0043】
次に、
図17、
図18、または
図25に示すように、ガイド部6を容器20内から移動させて待機位置に移動(退避)させる(ステップS5)。このとき、押え部7は、容器20の開口部30の上方に配置されて容器20内に収納されるワーク10を押えた状態とされる。
ガイド部6を待機位置に移動させると、ステップS6に移行する。
【0044】
次に、
図25に示すように、容器搬送部4を可動させてワーク10が積層されて収納された容器20を、下流側に移動させて蓋閉め部8近傍に搬送する(ステップS6)。このとき、押え部7は、前記容器20の下流側の搬送に伴って容器20の開口部30の上方に配置されて容器20内に収納されるワーク10を押えた状態で、蓋閉め部8近傍に移動する。
ワーク10が積層されて収納された容器20を蓋閉め部8近傍に搬送すると、ステップS7に移行する。
【0045】
次に、
図24または
図25に示すように、蓋閉め部8による容器20の蓋板27を閉じる動作を行う(ステップS7)。
このとき、蓋閉め部8によって容器20の左右一対のフラップ26・26を閉じると、押え部7が容器20の開口部30の上方から後方に退避(ワーク搬送部2側に退避)するように移動し、次いで、蓋閉め部8によって蓋板27を前方から後方に回動させるとともに後側板23の内側に入り込ませて蓋板27を閉じる。
このように、蓋閉め部8によって容器20の左右一対のフラップ26・26を閉じる動作と蓋板27を閉じる動作との間において(蓋閉め部8によるフラップ26及び容器20の蓋板27を閉じる動作に合わせるようにして)、押え部7は、容器20の開口部30の上方から後方に退避(ワーク搬送部2側に退避)するように移動する。押え部7は、退避するように移動した後に、さらに待機位置に移動する。
以上のようにして、収納装置1おけるワーク10を容器20に収納する動作が行われる。
【0046】
なお、ステップS2において容器20内に収納されるワーク10が所定量積層された状態で容器20内にガイド部6を配置する動作については、容器20内にワーク10が収納される前に容器20内にガイドを配置する構成とすることもできる。
また、ステップS3において容器20内に収納されるワーク10が所定量積層された状態で押え部7を容器20の開口部30の上方に配置する動作については、容器20内にワーク10が収納される前に押え部7を容器20の開口部30の上方に配置する構成とすることもできる。
【0047】
以上のように、所定の場所からワーク10を取り出して容器20の開口部30から容器20内に移動させてワーク10を容器20内に積層する収納部5と、容器20内に収納されたワーク10の縁部12に当接可能に構成され、ワーク10の縁部12に当接することによって容器20内に収納されたワーク10がワーク10の積層方向に対してできるだけ傾斜しないようにワーク10の配置姿勢を案内するガイド部6と、を備えることから、容器20内においてワーク10の積層された状態が崩れること等を抑制することができ、容器20内のワーク10の収納状態を良好なものとすることができる。
【0048】
以上のように、ガイド部6の当接面60は、凹部61と凸部62とを備え、容器20内に収納されるワーク10の縁部12が当接面60の凸部62に当接するように構成されることから、容器20内のワーク10の収納状態を良好なものとすることができるものを簡易な構成で実現することができる。
【0049】
以上のように、ガイド部6の当接面60は、上下方向に複数個の凹部61及び凸部62を有するように構成されることから、比較的広範囲に亘ってワーク10の縁部12に当接することによって容器20内に収納されたワーク10がワーク10の積層方向に対してできるだけ傾斜しないようにワーク10の配置姿勢を案内することができ、より確実に、容器20内においてワーク10の積層された状態が崩れること等を抑制することができ、容器20内のワーク10の収納状態を良好なものとすることができる。
【0050】
以上のように、収納部5によって容器20内においてワーク10を下方に移動させていき当該ワーク10が容器20の底板21または直近下方のワーク10に当接した際に、当該ワーク10で容器20の底板21または直近下方のワーク10を下方に押え付けた状態で、収納部5の吸着部50におけるエアーの吸引力を解除して容器20内にワーク10を収納する。このように、収納部5の吸着部50に吸着されたワーク10で容器20の底板21または直近下方のワーク10を若干下方に押え付けた状態とすることによって、容器20内に収納されたワーク10がワーク10の積層方向に対してできるだけ傾斜しないように、ワーク10の配置姿勢を整えることができる。
【0051】
以上のように、容器20内において収納部5の吸着部50におけるエアーの吸引力を解除して容器20内にワーク10を収納した際には、容器20内のワーク10は内部のエアーの内圧によって前記ワーク10が下方に押え付けられた状態と比べて上下方向に若干膨張することとなり、ワーク10の縁部12の上下位置は前記ワーク10が下方に押え付けられた状態と比べて若干上方に移ることとなる。
このようにワーク10の縁部12の上下位置は前記ワーク10が下方に押え付けられた状態と比べて若干上方に移った際に、ガイド部6の当接面60は、容器20内に収納される当該ワーク10の縁部12がガイド部6の凸部62(凸部62の下端)に当接して引っかかった状態となるように構成されることから、より確実に容器20内に収納されるワーク10の縁部12がガイド部6の凸部62に当接して引っかかったような状態とすることができ、より確実に容器20内のワーク10の収納状態を良好なものとすることができる。
【0052】
また、ガイド部6は、ステップS2において容器20内に配置された後、上下に微動(振動)するように構成することもできる。このとき、ガイド部6は、サーボスライダユニット(不図示)に設けられたシリンダーユニットに設けられて構成される。シリンダーユニットは、所定のタイミングでガイド部6を上下に微動させるように構成される。
このように、ガイド部6が容器20内に配置された後、上下に微動するように構成することによって、より確実に容器20内に収納される当該ワーク10の縁部12が当接面60の凸部62(凸部62の下端)に当接して引っかかったような状態とすることができ、より確実に容器20内のワーク10の収納状態を良好なものとすることができる。
【0053】
以上のように、容器20の開口部30の上方に配置されて、容器20内に収納されたワーク10の縁部12が容器20の開口部30から上方に突出しないように、容器20内に積層されたワーク10のうち最も上方に配置されるワーク10を押える押え部7を備えることから、容器20の開口部30近傍までワーク10が積層された状態においても容器20内のワーク10の収納状態を良好なものとすることができる。
【0054】
以上のように、押え部7は、容器20の開口部30の上方に配置された状態で、収納部5によってワーク10を容器20内に収納可能に構成されることから、押え部7によって容器20内に積層されたワーク10を押えながら容器20内にワーク10を収納することができ、例えば、容器20の開口部30近傍までワーク10が積層された状態においても容器20内においてワーク10の積層された状態が崩れること等を抑制することができる。
【0055】
以上のように、押え部7は基部70と押え体71とを備え、押え部7の押え体71は基部70から突出するように構成され、押え部7の押え体71は、押え部7が容器20の開口部30の上方に配置された状態で、容器20内に積層されたワーク10のうち最も上方に配置されるワーク10の縁部12のうち少なくとも一部の縁部12の上方に配置されることから、簡易な構成で、容器20内に収納されたワーク10の縁部12が容器20の開口部30から上方に突出しないように容器20内に積層されたワーク10のうち最も上方に配置されるワーク10を押える押え部7を備えるものを実現することができる。
【0056】
以上のように、ワーク10が積層されて収納された容器20を下流側に移動させて蓋閉め部8近傍に搬送するとき、押え部7は、前記容器20の下流側の搬送に伴って容器20の開口部30の上方に配置されて容器20内に収納されるワーク10を押えた状態で、蓋閉め部8近傍に移動し、蓋閉め部8による容器20の蓋板27を閉じる動作に合わせて容器20の開口部30の上方から退避する。このように、押え部7は、収納部5によってワーク10が容器20内に積層された後、蓋閉め部8によって容器20の蓋板27を閉じた状態とされる直前まで、容器20の開口部30の上方に配置された状態とされことから、容器20の開口部30近傍までワーク10が積層された状態においても容器20内においてワーク10の積層された状態が崩れること等をより確実に抑制することができる。
【0057】
また、ステップS3において押え部7を容器20の開口部30の上方に配置した後、予め設定される容器20内へのワーク10の積層量になる前に、ガイド部6を待機位置に移動(退避)させる構成とすることもできる。
このような構成における収納装置1におけるワーク10を容器20に収納する動作について以下において
図26を用いて説明する。なお、
図26において収納装置おけるワークを容器に収納する動作の説明については、
図25において収納装置おけるワークを容器に収納する動作の説明と同様の部分は適宜省略し異なる部分を中心に説明する。
【0058】
図26に示すように、ステップS3において押え部7を容器20の開口部30の上方に配置した後、予め設定される容器20内へのワーク10の積層量になる前に(ワーク10の積層量に近づいた状態で(例えば、ワーク10が八段積層された状態で))、ガイド部6を容器20内から移動させて待機位置に移動(退避)させる(ステップ14)。
このとき、押え部7は、容器20の開口部30の上方に配置されて容器20内に収納されるワーク10を押えた状態とされる。
そして、このように押え部7を容器20の開口部30の上方に配置した状態で、収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を継続して、さらに収納部5内にワーク10を積層させる。ガイド部6を容器20内から待機位置への移動動作については、収納部5の吸着部50が容器20内に位置していないタイミングで行われ、収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作間隔は、ガイド部6を容器20内から待機位置への移動動作による影響なく一定の間隔で行われるように設定される。
収納部5による容器20内に収納されるワーク10がさらに積層されて、予め設定される容器20内へのワーク10の積層量となった状態(ワーク10が十段積層された状態)となると、ステップS15に移行する。
【0059】
次に、
図26に示すように、予め設定される容器20内へのワーク10の積層量となった状態(ワーク10が十段積層された状態)となると、収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を停止する(ステップS15)。
収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を停止すると、ステップS6に移行する。
【0060】
以上のように、押え部7を容器20の開口部30の上方に配置した後、予め設定される容器20内へのワーク10の積層量になる前に、ガイド部6を容器20内から移動させて待機位置に移動させ、収納部5による容器20内へのワーク10を収納する動作を継続して行うことから、予め設定される容器20内へのワーク10の積層量になった後にガイド部6を容器20内から待機位置に移動させる構成のものに比べて、収納装置1おけるワーク10を容器20に収納する一連の動作時間を短くすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 収納装置
2 ワーク搬送部
3 容器供給部
4 容器搬送部
5 収納部
6 ガイド部
7 押え部
8 蓋閉め部
10 ワーク
11 収納物
12 縁部
20 容器
21 底板
22 前側板
23 後側板
24 左側板
25 右側板
26 フラップ
27 蓋板
28 タップ
29 仕切板
30 開口部
50 吸着部
60 当接面
61 凹部
62 凸部
70 基部
71 押え体
80 フラップ閉じ体
81 蓋板閉じ体