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  • 特開-床用タイルの搬送貼着装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102642
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】床用タイルの搬送貼着装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/08 20060101AFI20220630BHJP
   E04F 21/22 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
E04F15/08 Z
E04F21/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217490
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】591249231
【氏名又は名称】株式会社西岡製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100074723
【弁理士】
【氏名又は名称】野原 利雄
(72)【発明者】
【氏名】西岡 理夫
(72)【発明者】
【氏名】石井 國男
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA51
2E220AC01
2E220BA03
2E220GA26X
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タイルの搬送から貼着までの一連の作業を作業者に負荷なく行えることを可能とした床用タイルの搬送貼着装置を提供する。
【解決手段】移動自在な電動台車1にタイルストック部2と、タイル昇降ユニット3、タイル前後スライドユニット4及びタイル水平回転ユニット5及びバキュームエアの減圧作用によって吸引力を発揮する吸盤10をタイル昇降ユニット3の昇降用支持アーム17下端に取り付けてなるタイル移動機構とを主な構成要素とし、吸盤10によって吸着保持されたタイル11を各ユニットの動作により床面所定位置に移動載置し貼着する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動自在な電動台車にタイルストック部と、タイル昇降ユニット、タイル前後スライドユニット及びタイル水平回転ユニットからなるタイル移動機構と、制御盤及び操作ボックスとを備え、吸引ポンプと急速排気弁によるバキュームエアの減圧作用による吸盤の吸引力によってタイルを吸着保持し、前記各ユニットの複合動作により該吸着タイルを床面所定箇所に移載して貼着することを特徴とする床用タイルの搬送貼着装置。
【請求項2】
前記電動台車は、前記タイルストック部と前記各ユニットと複数のフレームとによって全体が支持構設された台車であって、その後方部には手押用ハンドル部材、その後方下部両側には動力タイヤ、前方下部両側には自在キャスターをそれぞれ取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の床用タイルの搬送貼着装置。
【請求項3】
前記タイルストック部を、上部が開口し、貼着用タイルが多数枚積載収納可能で、尚且つ、吸着されたタイルがタイル昇降ユニットにより引き上げられた際に、該タイルストック部の外側に完全に露出するサイズからなる匣体としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の床用タイルの搬送貼着装置。
【請求項4】
前記タイル昇降ユニットは、上下にスライド伸縮する上部伸縮アーム、吸盤をその下端に取り付けた下部固定アームとからなる昇降用支持アーム、該昇降用支持アームを垂設する支持プレート、昇降用支持アームに取り付けられた上部連結部材及び下部連結部材からなり、全体がギアユニットの動きに連動して昇降するとともに回動可能となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の床用タイルの搬送貼着装置。
【請求項5】
前記ギアユニットは、タイル昇降用モータの駆動により回転するギアと、該ギアの回転軸方向を直交方向に変換して回転するピニオンギアと、該ピニオンギアの回転運動を上下直線運動に変換するラックギアとの組合せからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床用タイルの搬送貼着装置。
【請求項6】
前記タイル前後スライドユニットは、電動台車の上部両側に配設された一対のガイドレール、該ガイドレールにその内側に沿って取り付けられた一対の固定ラックギア、該固定ラックギアと噛み合って回転する一対の平ギア、フレーム枠及び該フレーム枠の前方内側部に横架された支持プレートからなり、タイル前後用モータの駆動により前後にスライドすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の床用タイルの搬送貼着装置。
【請求項7】
前記タイル水平回転ユニットは、タイル前後スライドユニットの支持プレートと連結し、タイル回転用モータの駆動により前記タイル昇降ユニットの昇降用支持アームを回動させる回転体が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の床用タイルの搬送貼着装置。
【請求項8】
タイル昇降ユニットの昇降用支持アームの下方部にタイルストック部に積載された最上段のタイルを検知し、吸盤によるタイル吸着動作を開始するのに適した降下位置を決定するためのタイル検出センサと、タイル貼着位置においてタイルの下降限度位置を検出するタイル下限センサが配設されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の床用タイルの搬送貼着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層したタイル材を適宜位置まで搬送するとともに、該タイル材を所定箇所に載置し貼着する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイル材の運搬及び貼着に当たっては、人の手によって或いは台車等を用いて貼着付近まで運び、それを一枚ずつ所定の箇所に載置し貼着するのが通例の作業手順で、そのため、重量のあるタイル材にあっては、作業者に与える負担が大きく、時にはタイル材を落とすなどして破損させてしまうことも多々生じていた。
【0003】
タイル貼り装置に関しては、下記の発明(特許文献1ないし特許文献3)等が開示されている。しかしながら、いずれの発明も、タイル又は複数タイルを予め貼着したタイル貼り平板(パネル)の製造やその工程、或いは、タイル貼着面に対する適切な位置決めなどに関する発明であって、タイルの搬送から貼着までの一連の作業を作業者に負荷なく行えることを目的としたものではない。
【0004】
特許文献1の発明(釉薬タイル自動匣詰装置)は、釉薬を施す工程よりタイルを連続的に送る移送機構、移送機構上に配置されたタイル配列整理機構、個数を検知し運搬盤にタイルを吸引保持してサヤ匣内に収納する保持機構、運搬盤の移動と同期して空サヤ函をタイルを送り込むサヤ匣移送機構とからなり、釉薬を施したタイルを連続的に移送しつつ焼成工程を行うためのサヤ匣内に一定個数のタイルを収容する作業を自動化することによって、タイル製造工程の人的作業量の減少を目的としたものである。
【0005】
特許文献2の発明(タイル移載装置)は、タイルを供給元から供給先に移載する装置に関するもので、水平、上下方向に移動可能な吸引箱を有し、該吸引箱の下面に吸盤を設けてなるタイル移載装置において、該吸引箱の下面の吸盤側傍に弾性シートを固定し、かつ該吸盤に上下方向の弾発性を具備する構成としたものである。これにより、供給元で整列されたタイルを供給先にずれなく移載可能とすることによって、乱れのないタイル貼り平板(パネル)を得ることを目的としたものである。
【0006】
特許文献3の発明(ネット貼りタイルの製造工程におけるネット貼りタイルの搬送方法及び搬送装置)は、モザイクタイルのようなネット貼りタイルの製造工程におけるネット貼りタイルの搬送方法及びその方法に用いられるタイルの搬送装置に関するもので、タイルの配列が形成された型枠にタイルを配列する工程、タイル裏面に形成された凹溝にタイルを支持するための支持爪を挿入する工程、支持状態を保ったままタイルを型枠から持ち上げタイル裏面にシート材に接着する工程、接着後に支持爪をタイル凹溝から引き抜く工程を備えてなり、これらにより、タイルの厚さの異同や表面模様の有無に関係なく各タイルの底面を同一平面に保ったままベースシート上に搬送することを可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭48-21828号公報
【特許文献2】特開平06-24553号公報
【特許文献3】特開2014-91926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記各特許文献で開示されている発明のように、タイル又は複数タイルを貼着したタイル貼りパネルの製造やその工程、或いは、タイル貼着面に対する位置決めに関する発明ではなく、タイルの搬送から貼着までの一連の作業を作業者に負荷なく行えることを可能とした装置の提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、移動自在な電動台車に、タイルストック部と、タイル昇降ユニット、タイル前後スライドユニット及びタイル水平回転ユニットからなるタイル移動機構と、制御盤及び操作ボックスとを備え、吸引ポンプと急速排気弁によるバキュームエアの減圧作用による吸盤の吸引力によってタイルを吸着保持し、前記各ユニットの複合動作によって該吸着タイルを床面所定箇所に移載し貼着することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記電動台車を、タイルストック部と各ユニットを複数のフレームとによって支持構設し、その後方に手押用ハンドル部材、後方下両側に動力タイヤ、前方下両側には自在キャスターがそれぞれ取り付けられ、自走且つ移動自在な台車となっていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記タイルストック部の形状を、上部が開口し、貼着用タイルが多数枚積載収納可能で、尚且つ、吸着されたタイルが前記タイル昇降ユニットにより引き上げられた際に外に完全に露出するサイズ(W・D・H)からなる匣体としたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、タイル昇降ユニットを、上下にスライド伸縮する上部伸縮アームと吸盤をその下端部に取り付けた下部固定アームとからなる昇降用支持アーム、該昇降用支持アームを垂設する支持プレート、前記昇降用支持アームの適宜箇所に取り付けられた上部連結部材及び下部連結部材により構成し、全体がギアユニットの動きに連動して昇降するとともに回動可能としたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のギアユニットを、タイル昇降用モータの駆動により回転するギアと、該ギアの回転軸方向を直交方向に変換して回転するピニオンギアと、該ピニオンギアの回転運動を上下直線運動に変換するラックギアとの組合せからなることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1記載のタイル前後スライドユニットを、前記電動台車の上部両側に配設された一対のガイドレール、該ガイドレールにその内側に沿って取り付けられた一対の固定ラックギア、該固定ラックギアと噛み合って回転する一対の平ギア、フレーム枠及び該フレーム枠の前方内側部に横架された支持プレートから構成し、タイル前後用モータの駆動により前後にスライドすることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1記載のタイル水平回転ユニットを、前記スライドユニットの支持プレートと連結し、タイル水平回転ユニットの所定箇所にタイル回転用モータの駆動により前記タイル昇降ユニットの昇降用支持アームを回動させる回転体を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1記載のタイル昇降ユニットの昇降用支持アームの下方部に前記タイルストック部に積載された最上段のタイルを検知して前記吸盤によるタイル吸着動作を開始するのに適した降下位置を決定するためのタイル検出センサと、タイル貼着位置においてタイルの下降限度位置を検出するタイル下限センサを配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、移動自在な電動台車に備えたタイル昇降ユニット、タイル前後スライドユニット及びタイル水平回転ユニット等からなるタイル移動機構の複合動作により、吸着タイルを自動且つ連続的に床面所定箇所に移載して貼着することでき、タイルの搬送から貼着までの一連の作業者が行っていた作業の殆どを削減することを可能にした。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、電動台車の全体を、タイルストック部と前記各ユニットと複数のフレーム等によりバランスよく支持構設され、後方両側に取り付けた動力タイヤ及び前方両側に取り付けた自在キャスターの動作により、自走可能で移動自在な台車とすることができる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、請求項1記載のタイルストック部を、適正位置に設置するとともに、吸着されたタイルが引き上げられ搬送される際にタイルストック部に引っ掛かることのない寸法形状にしてあることにより、吸着保持されたタイルのスムーズな移送を可能としている。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、請求項1記載のタイル昇降ユニットを、全体がギアユニットの動きに連動して昇降するとともに、後記タイル水平回転ユニットの回転動作に連動して回動する構成となっているため、タイル昇降ユニットの的確な昇降動作と回転動作を可能としている。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、請求項4記載のギアユニットを、回転運動を上下直線運動に変換するラックギアと組合せることにより、前記タイル昇降ユニットの的確な昇降動作を可能としている。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、請求項1記載のタイル前後スライドユニットを、前記電動台車の上部両側に配設した一対のガイドレール、該ガイドレールの内側に沿って取り付けた一対の固定ラックギア及び該固定ラックギアと噛み合って回転する一対の平ギアの動作によって、ユニット全体を前後に摺動させる構成としたことにより、タイル前後スライドユニットの的確な前後スライド動作を可能としている。
【0023】
請求項7に係る発明によれば、請求項1記載のタイル水平回転ユニットを、回転体を介して前記昇降用支持アームを回動させることにより、吸着保持されたタイルの角度を適宜調整することが可能となっている。
【0024】
請求項8に係る発明によれば、請求項1記載のタイル昇降ユニットの昇降用支持アームの下方部にタイル検出センサを、また、昇降用支持アームの中間部にタイル下限センサを配設したことにより、吸盤によるタイル吸着動作を開始するのに適した降下位置及びタイル貼着位置においてタイルの下降限度位置を的確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の係る床用タイルの搬送貼着装置の側面説明図。
図2】同上装置の平面説明図。
図3】同上装置の側面動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、移動自在な電動台車1に、タイルストック部2と、タイル昇降ユニット3、タイル前後スライドユニット4及びタイル水平回転ユニット5からなるタイル移動機構からなり、制御盤6及び操作ボックス7を備え、吸引ポンプ8と急速排気弁9によるバキュームエアの減圧作用による吸盤10の吸引力によって被吸着物であるタイル11を吸着保持し、前記各ユニットの複合動作により該吸着タイル11を床面所定位置に移動載置し貼着するものである。
【0027】
電動台車1には、後方下部両側に動力タイヤ13を、前方下部両側に自在キャスター14が取り付けられていて、自走且つ移動自在な台車となっている。また、タイルストック部2と前記各ユニット2乃至5と複数のフレームとによって全体が支持構設されていて、後方にはハンドルバー15aの両端部から下方に延びる一対のハンドルハンドル支柱部15bからなる門形の手押用ハンドル部材15が取り付けられ、ハンドルバー15aには本装置の動作をコントロールする操作ボックス7が着脱自在に取り付けられている。
【0028】
タイルストック部2は、上部が開口された匣体形状をなし、電動台車1全体の荷重バランスを考慮して載置台12上に設置されている。本実施形態におけるタイルストック部2のサイズ(W・D・H)は、縦600mm×横600mm×厚さ6mmのタイルが20枚程積載収納でき、尚且つ、吸着されたタイルがタイル昇降ユニット3により引き上げられた際にタイルストック部2の外側に完全に露出するサイズとなっている。
【0029】
タイル昇降ユニット3は、上下にスライドする上部伸縮アーム17aと吸盤10をその下端部に取り付けた下部固定アーム17bとから構成され全体が回動可能となっている昇降用支持アーム17と、該昇降用支持アーム17を垂設する支持プレート18とからなり、昇降用支持アーム17には後記するギアユニット19の動きに連動して吸盤10を昇降させるための上部連結部材20及び下部連結部材21が取り付けられている。また、昇降用支持アーム17の下方部にはタイルストック部2に積載された最上段のタイルを検知し、吸盤10によるタイル吸着動作を開始するのに適した降下位置を決定するためのタイル検出センサ22と、タイル貼着位置においてタイル11の下降限度位置を検出するためのタイル下限センサ16が配設されている。
【0030】
ギアユニット19は、タイル昇降用モータ23の駆動により回転するギア24と、該ギア24の回転軸方向を直交方向に変換して回転するピニオンギア25と、該ギア24の回転運動を上下直線運動に変換するラックギア26との組合せからなり、該ラックギア26には前記昇降用支持アーム17に取り付けた上部連結部材20と下部連結部材21に対応させ連結する上部連結部材27と下部連結部材28とが取り付けられている。
【0031】
タイル前後スライドユニット4は、上部両側に配設されたガイドレール29、30と、該ガイドレールに沿って取り付けられた固定ラックギア31、32と、該固定ラックギア31、32と噛み合ってタイル前後用モータ33の駆動により支軸34を介して回転する平ギア35、36と、支軸34の前後動に連動してスライドするフレーム枠37と、該フレーム枠37の前方内側部に横架された支持プレート38からなり、該支持プレート38は、前記タイル昇降ユニット3の支持プレート18と連結している。
【0032】
タイル水平回転ユニット5は、スライドユニット4の支持プレート38と連結し、タイル回転用モータ39の駆動によりタイル昇降ユニット3の昇降用支持アーム17を回動させる回転体40が設けられている。
【0033】
次に、本発明装置の動作について説明する。
先ず、タイルストック部2に適宜枚数のタイル11を積み込んだ電動台車1をタイル貼着付近まで移動する。タイルの積み込み作業は手作業であっても前記各ユニット3乃至5からなるタイル移動機構を利用してもよい。また、電動台車1の移動に当たっては、ハンドル部材15による手押しでも、操作ボックス7によるコントロール自走であってもよい。なお、この操作ボックス7は着脱可能となっているので、ハンドル部材15より取り外すことにより、本装置の全ての動作をリモートコントロールすることが可能となっている。
【0034】
電動台車1がタイル貼着付近まで移動しストッパ(図示せず)で停止固定されている状態で、タイル前後スライドユニット4の前後用モータ33の駆動により、タイル昇降ユニット3の昇降用支持アーム17を適宜前後方向に移動させ、その下端部に取り付けられている吸盤10をタイルストック部2に収納されたタイル11の中央位置に配した後、タイル昇降ユニット3のタイル昇降用モータ23を稼動させて昇降用支持アーム17の下端部に取り付けた吸盤10をタイル吸着動作を開始するの適した位置まで降下させる。吸着動作を開始するの適したタイル位置はタイル検出センサ22によって検出される。
【0035】
吸盤10の降下動作は、タイル昇降用モータ23の駆動により、ギアユニット19に取り付けた下部連結部材28が下方に降下するのに応じて昇降用支持アーム17の下部固定アーム17bを下部連結部材21を介して降下させることにより行われる。この時、ギアユニット19に取り付けた上部連結部材27と昇降用支持アーム17の上部連結部材20とは連結されているので、下部固定アーム17bは押し下げられ、その結果、昇降用支持アーム17の上部伸縮アーム17aは伸長する。
【0036】
吸盤10が所定位置まで降下されると、吸引ポンプ8と急速排気弁9によるバキュームエアの減圧作用による吸盤10の吸引力によって積載された最上段のタイル11が吸着保持される。その後、吸着保持されたタイル11はタイルストック部2の箱体より完全に露出する高さまでタイル昇降ユニット3によって上昇移動される。
【0037】
吸着保持されたタイル11が所定位置まで上昇移動されると、タイル前後スライドユニット4のタイル前後用モータ33が駆動し、タイル昇降ユニット3をガイドレール29、30に沿って前方に押し出してタイル11を貼着する床面の上方位置まで移動する。
【0038】
吸着保持されたタイル11が貼着する床面の上方位置に移動すると、タイル水平回転ユニット5のタイル回転用モータ39が作動してタイル11の床面への貼着角度を調整するとともに、昇降用ユニット3のタイル昇降用モータ23が作動し、下部固定アーム17bを押し下げて吸盤10を貼着床面近傍まで降下させる。その後、前記各ユニット3乃至5の動作により微調整を行った後に接着剤が塗布された床面上の所定位置にタイル11を下ろし貼着する。この時のタイル11の下降限度位置はタイル下限センサ16によって規制される。
【0039】
タイル11が所定の床面に貼着されると、吸盤10の減圧を解除しタイル昇降ユニット3を上昇させ、タイル前後スライドユニット4によりタイルストック部2に収納されたタイルの中央位置に戻す。上記動作を繰り返し行うことによって連続的なタイル貼着作業を可能としたものである。
【符号の説明】
【0040】
1:電動台車
2:タイルストック部
3:タイル昇降ユニット
4:タイル前後スライドユニット
5:タイル水平回転ユニット
6:制御盤
7:操作ボックス
8:吸引ポンプ
9:急速排気弁
10:吸盤
11:タイル
12:載置台
13:動力タイヤ
14:自在キャスター
15:手押用ハンドル部材
15a:ハンドルバー
15b:ハンドル支柱
16:タイル下限センサ
17:昇降用支持アーム
17a:上部伸縮アーム
17b:下部固定アーム
18:支持プレート
19:ギアユニット
20:上部連結部材
21:下部連結部材
22:タイル検出センサ
23:タイル昇降用モータ
24:ギア
25:ピニオンギア
26:ラックギア
27:上部連結部材
28:下部連結部材
29,30:ガイドレール
31,32:固定ラックギア
33:タイル前後用モータ
34:支軸
35,36:平ギア
37:フレーム枠
38:支持プレート
39:タイル回転用モータ
40:回転体
図1
図2
図3