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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102644
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】システムおよび制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
B66B3/00 G
B66B3/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217494
(22)【出願日】2020-12-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【テーマコード(参考)】
3F303
【Fターム(参考)】
3F303CB31
3F303DA08
3F303DB11
3F303DC32
(57)【要約】
【課題】エレベータ等の移動装置を利用する利用者に対し、移動装置を利用中に当該利用者に提供された情報を、該移動装置利用後にも視聴可能とする。
【解決手段】システム(100)は、エレベータ(4)を利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムであって、広告宣伝情報を出力する表示部(42)と、エレベータを利用した利用者を特定する利用者特定部(115)と、利用者が前記かごに乗車していた乗車期間中に表示部に表示されていた広告宣伝情報を特定する情報特定部(116)と、特定された広告宣伝情報を、利用者の端末装置(200)に提供する提供部と(117)、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータを利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムであって、
前記エレベータのかご内に設けられ、前記広告宣伝情報を出力する出力装置と、
前記エレベータを利用した利用者を特定する利用者特定部と、
特定された前記利用者が前記かごに乗車していた乗車期間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定する情報特定部と、
特定された前記広告宣伝情報を、特定された前記利用者の端末装置に提供する提供部と、を含むシステム。
【請求項2】
前記利用者の端末装置から、前記広告宣伝情報の提供要求を取得する取得部をさらに備え、
前記利用者特定部は、前記取得部が前記提供要求を取得したとき、前記提供要求を送信した前記端末装置の前記利用者を特定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記かご内およびエレベータ乗り場の少なくとも一方に設けられ、前記利用者を撮像する撮像装置と、
予め登録された登録者の顔画像と、当該登録者を識別する識別情報とを対応付けて記憶する記憶装置と、
前記撮像装置によって撮像された利用者の顔が、前記記憶装置に記憶されている前記顔画像と一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記顔画像と一致すると判定された場合、当該顔画像に対応付けられて前記記憶装置に記憶されている前記識別情報と、前記乗車期間とを対応付けて前記記憶装置に記憶する対応付け部と、をさらに含み、
前記提供要求は、前記利用者の識別情報を含み、
前記情報特定部は、前記取得部が前記提供要求を取得したとき、前記提供要求に含まれる識別情報と対応付けて前記記憶装置に記憶されている前記乗車期間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記かご内およびエレベータ乗り場の少なくとも一方に設けられ、前記利用者を撮像する撮像装置と、
予め登録された登録者の顔画像と、当該登録者を識別する識別情報とを対応付けて記憶する記憶装置と、
前記撮像装置によって撮像された利用者の顔が、前記記憶装置に記憶されている前記顔画像と一致するか否かを判定する判定部と、をさらに含み、
前記判定部により前記顔画像と一致すると判定された場合、
前記利用者特定部は、当該顔画像と対応付けて前記記憶装置に記憶されている前記識別情報を特定し、
前記情報特定部は、前記撮像された利用者の前記乗車期間中に前記出力装置に表示されていた前記広告宣伝情報を特定し、
前記提供部は、前記特定された広告宣伝情報を、前記特定された識別情報に基づき特定される前記登録者の端末装置に提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記かごに乗車する前記利用者を前記撮像装置が撮像した時刻と、前記かごから降車する当該利用者を前記撮像装置が撮像した時刻とを用いて、前記乗車期間を特定する乗車期間特定部をさらに含む、請求項3または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記情報特定部が特定する前記広告宣伝情報は、前記出力装置への出力開始時刻および出力終了時刻の少なくとも一方が前記乗車期間外であった前記広告宣伝情報である、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
エレベータを利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムであって、
前記エレベータの乗り場に設けられ、前記広告宣伝情報を出力する出力装置と、
前記エレベータの利用者が前記エレベータの乗り場でかごに乗車するまでの待ち時間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定する情報特定部と、
特定された前記広告宣伝情報を、特定された前記利用者の端末装置に提供する提供部と、を含むシステム。
【請求項8】
端末装置の制御プログラムであって、
請求項1または7に記載のシステムに、前記広告宣伝情報の提供要求を送信する送信ステップと、
前記提供要求に対する応答として、前記情報特定部により特定された前記広告宣伝情報を受信する受信ステップと、
受信した前記広告宣伝情報を、前記端末装置に出力する出力ステップと、を含む、端末装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエレベータを利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムおよび端末装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エレベータのかご内に設けられた表示装置に、かごに乗車した利用者向けの広告を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6744499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、利用者が広告の表示を見ている間に目的階に到着した場合、該広告の内容を最後まで確認することができない場合がある。
【0005】
また、特許文献1の技術では、利用者が広告の内容に興味を持ち、乗車後に再度確認したい場合、利用者自ら当該広告を探す必要がある。
【0006】
本発明の一態様は、エレベータ等の移動装置を利用する利用者に対し、移動装置を利用中に当該利用者に提供された情報を、該移動装置利用後にも視聴可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係るシステムは、エレベータを利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムであって、前記エレベータのかご内に設けられ、前記広告宣伝情報を出力する出力装置と、前記エレベータを利用した利用者を特定する利用者特定部と、特定された前記利用者が前記かごに乗車していた乗車期間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定する情報特定部と、特定された前記広告宣伝情報を、特定された前記利用者の端末装置に提供する提供部と、を含む。
【0008】
前記の構成によれば、利用者を特定し、当該利用者がかごに乗車しているときに出力されていた広告宣伝情報を、当該利用者の端末装置へ提供するので、当該利用者は、一部しか視聴できなかった広告宣伝情報や、興味を持った広告宣伝情報を、改めて自身の端末装置を用いて視聴することができる。
【0009】
本発明の態様2に係るシステムは、上記態様1において、前記利用者の端末装置から、前記広告宣伝情報の提供要求を取得する取得部をさらに備え、前記利用者特定部は、前記取得部が前記提供要求を取得したとき、前記提供要求を送信した前記端末装置の前記利用者を特定してもよい。
【0010】
前記の構成によれば、利用者からの要求に基づいて、当該利用者の乗車中に出力されていた広告宣伝情報を利用者に提供するので、広告宣伝情報の提供を望む利用者にのみ、広告宣伝情報を提供することができる。
【0011】
本発明の態様3に係るシステムは、上記態様2において、前記かご内およびエレベータ乗り場の少なくとも一方に設けられ、前記利用者を撮像する撮像装置と、予め登録された登録者の顔画像と、当該登録者を識別する識別情報とを対応付けて記憶する記憶装置と、前記撮像装置によって撮像された利用者の顔が、前記記憶装置に記憶されている前記顔画像と一致するか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記顔画像と一致すると判定された場合、当該顔画像に対応付けられて前記記憶装置に記憶されている前記識別情報と、前記乗車期間とを対応付けて前記記憶装置に記憶する対応付け部と、をさらに含み、前記提供要求は、前記利用者の識別情報を含み、前記情報特定部は、前記取得部が前記提供要求を取得したとき、前記提供要求に含まれる識別情報と対応付けて前記記憶装置に記憶されている前記乗車期間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定してもよい。
【0012】
前記の構成によれば、利用者が登録者である場合に、当該利用者と当該利用者の乗車期間とが対応付けられるので、利用者が登録者である場合に、利用者の乗車期間中に出力装置に出力されていた広告宣伝情報を特定することが可能となる。これにより、自身の端末装置で広告宣伝情報を視聴することを望む登録者から要求があったときのみ、広告宣伝情報を提供することができる。
【0013】
本発明の態様4に係るシステムは、上記態様1において、前記かご内およびエレベータ乗り場の少なくとも一方に設けられ、前記利用者を撮像する撮像装置と、予め登録された登録者の顔画像と、当該登録者を識別する識別情報とを対応付けて記憶する記憶装置と、前記撮像装置によって撮像された利用者の顔が、前記記憶装置に記憶されている前記顔画像と一致するか否かを判定する判定部と、をさらに含み、前記判定部により前記顔画像と一致すると判定された場合、前記利用者特定部は、当該顔画像と対応付けて前記記憶装置に記憶されている前記識別情報を特定し、前記情報特定部は、前記撮像された利用者の前記乗車期間中に前記出力装置に表示されていた前記広告宣伝情報を特定し、前記提供部は、前記特定された広告宣伝情報を、前記特定された識別情報に基づき特定される前記登録者の端末装置に提供してもよい。
【0014】
前記の構成によれば、利用者が登録者である場合に、当該利用者に広告宣伝情報を提供することとなるので、自身の端末装置で広告宣伝情報を視聴することを望む登録者にのみ、広告宣伝情報を提供することができる。
【0015】
本発明の態様5に係るシステムは、上記態様3または4において、前記かごに乗車する前記利用者を前記撮像装置が撮像した時刻と、前記かごから降車する当該利用者を前記撮像装置が撮像した時刻とを用いて、前記乗車期間を特定する乗車期間特定部をさらに含んでもよい。
【0016】
前記の構成によれば、乗車期間を正確に特定することができるので、利用者の乗車中に出力装置に出力された広告宣伝情報を正確に特定することができる。
【0017】
本発明の態様6に係るシステムは、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記情報特定部が特定する前記広告宣伝情報は、前記出力装置への出力開始時刻および出力終了時刻の少なくとも一方が前記乗車期間外であった前記広告宣伝情報であってもよい。
【0018】
前記の構成によれば、利用者の乗車期間を超えて出力された広告宣伝情報のみを利用者への提供対象とすることができる。つまり、利用者がエレベータのかご内で最初から最後まで視聴した広告宣伝情報は、利用者に提供する広告宣伝情報から除外されるので、利用者がすべて視聴することができなかった広告宣伝情報を提供することができる。
【0019】
また、上記の課題を解決するために、本発明の態様7に係るシステムは、エレベータを利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムであって、前記エレベータの乗り場に設けられ、前記広告宣伝情報を出力する出力装置と、前記エレベータの利用者が前記エレベータの乗り場でかごに乗車するまでの待ち時間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定する情報特定部と、特定された前記広告宣伝情報を、特定された前記利用者の端末装置に提供する提供部と、を含む。
【0020】
前記の構成によれば、利用者を特定し、当該利用者がエレベータの乗り場でエレベータのかごを待機しているときに出力されていた広告宣伝情報を、当該利用者の端末装置へ提供するので、当該利用者は、一部しか視聴できなかった広告宣伝情報や、興味を持った広告宣伝情報を、改めて自身の端末装置を用いて視聴することができる。
【0021】
本発明の各態様に係るシステムおよび端末装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記システムおよび端末装置をコンピュータにて実現させるシステムおよび端末装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、エレベータ等の移動装置を利用する利用者に対し、移動装置を利用中に当該利用者に提供された情報を、該移動装置利用後にも視聴可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態1に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図2】登録者データベースの一具体例を示す図である。
図3】利用履歴データベースの一具体例を示す図である。
図4】広告データベースの一具体例を示す図である。
図5】広告履歴データベースの一具体例を示す図である。
図6】システムに含まれる各装置が実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】システムに含まれる各装置が実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8】実施形態2に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図9】変形例に係る広告管理装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔実施形態1〕
<システム100の概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るシステム100の構成を示すブロック図である。システム100は、エレベータを利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムである。なお、システム100は、一例としてクラウドサーバ上に構築されるシステムであってもよい。
【0025】
図1に示すように、システム100は、広告管理装置1、乗車期間特定装置(乗車期間特定部)2、エレベータ制御装置3およびエレベータ4を備える。本実施形態では、システム100は、乗車期間特定装置2、エレベータ制御装置3およびエレベータ4が設けられた建物を複数含んでいるものとする。また、本実施形態に係る建物は、複数のエレベータ4を含んでいるものとする。
【0026】
本実施形態に係る広告管理装置1は、エレベータ4のかご41内で、表示部(出力装置)42に広告を表示させる。また、広告管理装置1は、エレベータを利用した利用者の端末装置200からの要求に基づき、当該利用者がエレベータ4を利用している間に表示部42に表示されていた広告宣伝情報を当該端末装置200に送信する。なお、広告管理装置1の詳細については後述する。
【0027】
広告宣伝情報とは、利用者の消費活動を促す情報であり、例えばある店舗、商品またはサービスの広告、イベントの宣伝、またはクーポン等の情報である。本実施形態では、広告宣伝情報は、動画像であるものとして説明する。すなわち、本実施形態に係る広告宣伝情報は、店舗、商品、サービス、イベントなどの広告、宣伝のための動画像である。当該動画像がクーポンにアクセスするためのURLやQRコード(登録商標)を含んでいてもよい。
【0028】
<端末装置200>
端末装置200は、エレベータ4を利用する利用者の端末装置であり、広告管理装置1と通信可能に接続されている。端末装置200は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末であってもよいし、パーソナルコンピュータ等の据え置きの端末装置であってもよい。端末装置200には、広告管理装置1から広告宣伝情報を取得して表示するためのアプリケーションがインストールされている。なお、以降の説明において、端末装置200が実行する処理は、当該アプリケーションが起動された状態で行われる。また、以降の説明において、単に「アプリケーション」と記載する場合、広告宣伝情報を取得して表示するためのアプリケーションを指すものとする。
【0029】
端末装置200は、利用者の操作に従って広告管理装置1に広告宣伝情報の提供要求を送信する。提供要求とは、利用者が利用したエレベータ4で表示された広告宣伝情報を端末装置200へ送信することを要求する情報である。提供要求には、エレベータ4を利用した利用者であって、端末装置200を用いて提供要求を送信する利用者を識別可能な識別情報が含まれる。当該識別情報は、例えばアプリケーションの利用者ごとに付与されている識別番号(後述の利用者ID)である。
【0030】
一例として、端末装置200は、送信した提供要求に対する応答として、建物名およびエレベータ4の乗車時刻が対応付けられたレコードから成るリストを受信し、表示する。利用者の操作によって当該リストからいずれかのレコードが選択されると、端末装置200は、選択されたレコードに対応する広告宣伝情報、すなわち、選択されたレコードにおける建物で、選択された乗車時刻にエレベータ4に乗車したときに表示部42に表示されていた広告宣伝情報の提供要求(以降、「第2提供要求」と表記)を送信する。端末装置200は、当該提供要求に対応する応答として、当該広告宣伝情報のリストを受信し、表示する。当該リストは、各広告宣伝情報を識別する識別情報(後述の広告ID)のリストである。利用者の操作によって当該リストから広告IDが選択されると、端末装置200は、選択された広告IDが示す広告宣伝情報の提供要求(以降、「第3提供要求と表記」)を送信する。また、端末装置200は、当該提供要求の応答として、選択された広告宣伝情報を受信し、表示する。
【0031】
<エレベータ制御装置3およびエレベータ4>
エレベータ制御装置3は、エレベータ4と1対1で対応し、例えば、対応するエレベータ4の機械室または昇降路内に設けられた制御盤として実現される。エレベータ制御装置3は、広告管理装置1、乗車期間特定装置2、並びに、対応するエレベータ4の表示部42および撮像部43(撮像装置)と通信可能に接続されている。なお、図1では、エレベータ4が備える部材のうち、本開示の発明との関連性が低いものについては、記載を省略している。
【0032】
エレベータ制御装置3は、例えば、かご41の昇降を制御する。エレベータ乗り場ボタン(図1では不図示)が利用者によって押下され、当該押下を示す信号がエレベータ制御装置3に入力されると、エレベータ制御装置3は、当該信号に基づき利用者がいる出発階へかご41を移動させる。その後、かご41内の操作盤のボタン(図1では不図示)のいずれかが、かご41に乗車した利用者によって押下され、当該押下を示す信号がエレベータ制御装置3に入力されると、エレベータ制御装置3は、かご41を、当該信号が示す行先階まで移動させる。
【0033】
また、エレベータ制御装置3は、広告管理装置1から広告宣伝情報を受信し、エレベータ4の表示部42に表示させる。
【0034】
表示部42はエレベータ4のかご41内に設けられ、エレベータ制御装置3の制御に従って広告宣伝情報を表示する出力装置である。なお、本実施形態では、広告宣伝情報の出力装置として、エレベータ4が表示部42のみを備える構成を例に挙げて説明するが、当該出力装置は表示部42に限られない。例えば、エレベータ4は、かご41内に音声を出力するスピーカをさらに備え、広告宣伝情報を音声出力してもよい。
【0035】
撮像部43は、例えばかご41内における、かご41に乗車している利用者の顔を撮像可能な位置に設けられ、撮像した画像をエレベータ制御装置3に送信する。なお、本実施形態では、撮像部43は、かご41に設けられたドア全体を撮像可能な位置に設けられる。換言すれば、撮像部43は、かご41に乗車する利用者と、かご41から降車する利用者とを撮像可能な位置に設けられる。また、実施形態では、撮像部43は動画像を撮像するものとして説明するが、静止画像を撮像するものであってもよい。
【0036】
<乗車期間特定装置2>
乗車期間特定装置2は、広告管理装置1およびエレベータ制御装置3と通信可能に接続されている。乗車期間特定装置2は、エレベータ制御装置3から撮像部43によって撮像された画像を取得する。乗車期間特定装置2は、当該利用者がエレベータ4のかご41に乗車していた時間を示す乗車期間を特定する。一例として、乗車期間特定装置2は、取得した動画像において、利用者がかご41に乗車した乗車時刻と、当該利用者がかご41から降車した降車時刻とを特定する。
【0037】
一例として、乗車期間特定装置2は、或る利用者がかご41から降車しているフレームの撮像時刻を降車時刻として特定し、当該フレームより前に撮像された、当該利用者が映り始めたフレームを特定する。この特定処理は、既存の画像比較処理を行うことで実現することができる。そして、乗車期間特定装置2は、特定したフレームの撮像時刻を乗車時刻として特定する。乗車時刻から降車時刻までの期間が当該利用者の乗車期間である。乗車期間特定装置2は、撮像された利用者の顔画像と、特定した乗車時刻および降車時刻と、利用者が利用したエレベータ4の号機を示す情報(後述のエレベータID)と、当該エレベータ4が設けられている建物を示す情報(後述する建物ID)とを対応付けて広告管理装置1に送信する。なお、乗車期間特定装置2は、例えば、当該顔画像を、乗車時刻を特定したフレームから抽出する。
【0038】
<広告管理装置1>
以下、広告管理装置1の詳細な構成について説明する。図1に示すように広告管理装置1は制御部11、通信部12および記憶部13を備える。なお、本実施形態では、広告管理装置1が1つの装置である構成を例に挙げて説明するが、広告管理装置1は各部としての機能を有する複数の装置同士が接続された広告管理システムとして構成されていてもよい。制御部11は、広告管理装置1の各部を制御する。また、通信部12は、広告管理装置1が乗車期間特定装置2、エレベータ制御装置3、および端末装置200と通信を行うための通信モジュールである。
【0039】
記憶部(記憶装置)13は広告管理装置1が実行する各種プログラムや、広告管理装置1が使用する各種データを記憶している。本実施形態に係る記憶部13は、少なくとも、登録者データベース131、利用履歴データベース132、広告データベース133、および広告履歴データベース134を記憶している。なお、記憶部13は、広告管理装置1と通信可能に接続された、広告管理装置1とは別体の記憶装置であってもよい。
【0040】
図2は、登録者データベース131の一具体例を示す図である。図2に示すように、登録者データベース131は、予め登録された登録者の顔画像データと、当該登録者を識別する利用者IDとが対応付けられたレコードによって構成されている。ここで、「登録者」とは、端末装置200でアプリケーションを利用している人物を指す。すなわち、登録者データベース131は、アプリケーションの利用者のIDである利用者IDと、当該利用者の顔画像とを対応付けて記憶するデータベースである。
【0041】
端末装置200は、アプリケーションの利用者の操作に基づき、顔画像データを広告管理装置1へ送信する。このとき、顔画像データには利用者IDが対応付けられて送信される。広告管理装置1は、受信した顔画像データと利用者IDとを登録者データベース131に格納する。
【0042】
図3は、利用履歴データベース132の一具体例を示す図である。利用履歴データベース132は、エレベータ4を利用した利用者の利用履歴によって構成されている。具体的には、図3に示すように、利用履歴データベース132には、各利用者IDに、利用者IDが示す利用者が利用したエレベータ4を識別するエレベータIDと、エレベータIDが示すエレベータ4が設けられている建物を識別する建物IDと、当該利用者の乗車時刻および降車時刻とが対応付けられたレコードが格納されている。利用履歴データベース132の更新の詳細については後述する。
【0043】
図4は、広告データベース133の一具体例を示す図である。図4に示すように、広告データベース133は、広告宣伝情報と、当該広告宣伝情報を識別するための広告IDと、当該広告宣伝情報における動画像の時間的な長さを示す広告時間とが対応付けられたレコードによって構成されている。なお、広告データベース133の各レコードは、広告時間を含んでいなくてもよい。
【0044】
図5は、広告履歴データベース134の一具体例を示す図である。広告履歴データベース134は、各建物における各エレベータ4に表示された広告宣伝情報を時系列順に並べたデータベースである。図5の例では、広告履歴データベース134には、広告IDと、当該広告IDが示す広告宣伝情報を表示したエレベータ4を示すエレベータIDと、当該エレベータIDが示すエレベータ4が設けられている建物を示す建物IDと、当該広告IDが示す広告宣伝情報の、当該エレベータIDが示すエレベータ4での表示開始時刻(出力開始時刻)とが対応付けられたレコードが格納されている。
【0045】
<制御部11の構成>
再度図1を参照すると、制御部11は、広告決定部111、判定部112、利用履歴更新部(対応付け部)113、取得部114、利用者特定部115、情報特定部116および提供部117を含んでいる。
【0046】
広告決定部111は、エレベータ4の表示部42に表示させる広告宣伝情報を決定する。具体的には、広告決定部111は、広告データベース133に格納されている広告宣伝情報を取得し、通信部12を介してエレベータ制御装置3に当該広告宣伝情報を送信する。広告決定部111が広告宣伝情報を決定する方法は特に限定されない。例えば広告決定部111は、表示部42に表示させる広告宣伝情報をランダムに決定してもよい。または、表示部42に表示させる広告宣伝情報は、予め表示される順番が設定されていてもよい。この場合、広告決定部111は、設定された順番に広告宣伝情報を取得し、エレベータ制御装置3に送信する。
【0047】
また、広告決定部111は、エレベータ制御装置3に送信した広告宣伝情報を示す広告IDと、当該広告宣伝情報の表示開始時刻と、当該広告宣伝情報が表示されたエレベータ4のエレベータIDと、当該エレベータ4が設けられている建物の建物IDとを対応付けて広告履歴データベース134に記憶する。広告決定部111は、エレベータ制御装置3に当該広告宣伝情報を送信した時刻を表示開始時刻としてもよい。または、エレベータ制御装置3が広告宣伝情報を表示部42に表示させ始めた時刻を示す情報を広告管理装置1に送信し、広告決定部111は、当該情報が示す時刻を表示開始時刻としてもよい。なお、後者の例の場合、エレベータ制御装置3は、広告宣伝情報を表示させ始めた時刻を示す情報に、エレベータID、建物IDおよび広告IDを対応付けて広告管理装置1へ送信する。
【0048】
判定部112は、エレベータ4を利用した利用者が、アプリケーションを利用している利用者(登録者)であるか否かを判定する。判定部112は、乗車期間特定装置2から受信した顔画像について、登録者データベース131に格納されている顔画像データのいずれかと一致するか否かを判定する。受信した顔画像が登録者データベース131に格納されている顔画像データのいずれかと一致する場合、判定部112は、登録者データベース131において当該顔画像データに対応付けられている利用者IDを取得する。そして、判定部112は、取得した利用者IDを、顔画像とともに受信した建物ID、エレベータID、乗車時刻および降車時刻に対応付け、利用履歴更新部113に出力する。一方、受信した顔画像が登録者データベース131に格納されている顔画像のいずれとも一致しない場合、判定部112は、処理を終了する。なお、受信した顔画像と、各顔画像データとが一致するか否かの判定は、既存の画像比較処理で実現することができる。
【0049】
利用履歴更新部113は、判定部112から取得した情報を、利用履歴データベース132へ格納し、利用履歴データベース132を更新する。具体的には、利用履歴更新部113は、判定部112から取得した利用者IDと一致する利用者IDを、利用履歴データベース132から特定する。そして、特定した利用者IDに、判定部112から取得した建物ID、エレベータID、乗車時刻および降車時刻を対応付けて格納する。これにより、受信した利用者IDが示す利用者の、エレベータ4の利用履歴が更新される。
【0050】
取得部114は、端末装置200から、通信部12を介して広告宣伝情報の提供要求を受信する。取得部114は、提供要求を受信すると、当該提供要求を利用者特定部115に出力する。なお、当該提供要求には、利用者IDが含まれている。
【0051】
利用者特定部115は、取得部114から提供要求を取得すると、提供要求に含まれる利用者IDと一致する利用者IDを、利用履歴データベース132から特定する。つまり、利用者特定部115は、利用履歴データベース132において、提供要求を送信した端末装置200の利用者(アプリケーションの利用者)を特定する。また、利用履歴データベース132は、アプリケーションの利用者による、エレベータ4の利用履歴であるため、エレベータ4を利用した利用者から一人の利用者を特定すると表現することもできる。利用者特定部115は、特定した利用者IDを含むレコードを情報特定部116へ出力する。なお、当該レコードは、建物ID、エレベータID、乗車時刻および降車時刻の組み合わせを複数含んでいてもよい。
【0052】
情報特定部116は、利用者特定部115からレコードを取得すると、利用者特定部115によって特定された利用者がかご41に乗車していた乗車期間中に表示部42に表示されていた広告宣伝情報を特定する。具体的には、情報特定部116は、広告履歴データベース134を参照し、取得したレコードに含まれる乗車時刻から降車時刻までの乗車期間に、表示開始時刻および表示終了時刻(出力終了時刻)の少なくとも一方が含まれる広告宣伝情報を特定する。より具体的には、情報特定部116は、取得したレコードに含まれる建物IDおよびエレベータIDの組み合わせと一致する、建物IDおよびエレベータIDの組み合わせを、広告履歴データベース134から特定する。続いて、情報特定部116は、特定した組み合わせに対応付けられた表示開始時刻のうち、取得したレコードに含まれる乗車時刻から降車時刻までの乗車期間内の表示開始時刻に対応付けられた広告IDを特定する。特定した広告IDは、表示開始時刻、または、表示開始時刻および表示終了時刻の両方が乗車期間内の広告宣伝情報を示す。また、情報特定部116は、広告履歴データベース134から、表示開始時刻が乗車時刻以前のレコードを抽出する。情報特定部116は、抽出したレコードのうち、最も表示開始時刻が遅いレコードを特定する。特定したレコードの表示開始時刻が乗車時刻と同じである場合、当該レコードについては上述した処理によって既に広告IDを特定されているため、情報特定部116は、当該レコードに対してこれ以上の処理を行わない。一方、特定したレコードの表示開始時刻が乗車時刻よりも前である場合、情報特定部116は、当該レコードに含まれる広告IDを特定する。この広告IDは、その一部が乗車期間内に表示されていた広告宣伝情報を示す。情報特定部116は、特定した広告IDに、取得した利用者ID、建物IDおよび乗車時刻を対応付けて提供部117へ出力する。
【0053】
例えば、図3に示す利用者IDが「u001」の利用者は、建物IDがb001の建物において、エレベータIDがe1のエレベータ4に、2020年8月1日8時00分10秒に乗車し、同30秒に降車した。当該利用者が、端末装置200を使用して広告管理装置1に利用要求を送信した場合、情報特定部116は、2020年8月1日8時00分10秒から同30秒までの間に、表示開始時刻および表示終了時刻の少なくとも一方が含まれる広告宣伝情報の広告IDを特定する。図5に示す例の場合、情報特定部116は、広告IDとして「a001」および「a002」を特定する。
【0054】
また、例えば、図3に示す利用者IDが「u002」の利用者は、建物IDがb001の建物において、エレベータIDがe1のエレベータ4に、2020年8月1日8時00分20秒に乗車し、同30秒に降車した。また、当該利用者は、建物IDがb002の建物において、エレベータIDがe1のエレベータ4に、2020年8月1日10時00分35秒に乗車し、同50秒に降車した。当該利用者が、端末装置200を使用して広告管理装置1に利用要求を送信した場合、情報特定部116は、2020年8月1日8時00分10秒から同30秒までの間に、表示開始時刻および表示終了時刻の少なくとも一方が含まれる広告宣伝情報の広告IDを特定する。図5に示す例の場合、情報特定部116は、広告IDとして「a002」を特定する。また、情報特定部116は、2020年8月1日10時00分35秒から同50秒までの間に、表示開始時刻および表示終了時刻の少なくとも一方が含まれる広告宣伝情報の広告IDを特定する。図5に示す例の場合、情報特定部116は、広告IDとして「a012」を特定する。
【0055】
提供部117は、広告宣伝情報を、提供要求を送信した端末装置200に提供する。具体的には、提供部117は、情報特定部116から取得した建物IDから特定される建物名と乗車時刻とを含むレコードから成るリストを生成し、提供要求を送信した端末装置200へ送信する。当該リストに含まれる建物名は、記憶部13に記憶されている、建物IDと建物名とを対応付けたデータベース(図1では不図示)を参照して特定すればよい。また、提供部117は、当該端末装置200から、選択されたレコードを示す情報を含む第2提供要求を受信すると、当該レコードから建物IDおよび乗車時刻を特定し、特定したこれら情報に対応付けられた広告IDをさらに特定する。そして、提供部117は特定した広告IDのリストを生成し、第2提供要求を送信した端末装置200へ送信する。また、提供部117は、当該端末装置200から、選択された広告IDを含む第3提供要求を受信すると、広告データベース133から、当該広告IDに対応付けられた広告宣伝情報を読み出し、第3提供要求を送信した端末装置200へ送信する。
【0056】
<システム100における処理の流れの一例>
図6および図7は、システム100に含まれる各装置が実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図6は、利用履歴データベース132を更新する処理の流れを示す。図7は、広告管理装置1が広告宣伝情報を端末装置200に送信する処理の流れを示す。
【0057】
利用者がエレベータ4を利用すると、まず、図6に示す処理、すなわち利用履歴データベース132を更新する処理が行われる。具体的には、まず、エレベータ制御装置3は、エレベータ4の撮像部43によって撮像された動画像を取得し(S1)、乗車期間特定装置2に送信する。乗車期間特定装置2は、取得した動画像に基づき、利用者の乗車期間として乗車時刻および降車時刻を特定する(S11)。乗車期間特定装置2は、利用者の顔画像と、利用者の乗車期間と、利用者が利用したエレベータ4の号機を示すエレベータIDと、当該エレベータ4が設けられている建物を示す建物IDとを対応付けて広告管理装置1に送信する。
【0058】
広告管理装置1の判定部112は、登録者データベース131を参照し、乗車期間特定装置2から受信した利用者の顔画像が、登録者データベース131に格納されている顔画像データのいずれかと一致するか否かを判定する(S21)。利用者の顔画像が、登録者データベース131に格納されている顔画像データのいずれとも一致しない場合(S21でNO)、判定部112は、処理を終了する。
【0059】
受信した顔画像が登録者データベース131に格納されている顔画像データのいずれかと一致する場合(S21でYES)、判定部112は、登録者データベース131において当該顔画像データに対応付けられている利用者IDを取得する。判定部112は、取得した利用者IDを、顔画像とともに受信した建物ID、エレベータID、乗車時刻および降車時刻に対応付け、利用履歴更新部113に出力する。
【0060】
利用履歴更新部113は、判定部112から取得した情報に基づき、利用履歴データベース132を更新する(S22)。具体的には、利用履歴更新部113は、利用者IDと一致する利用者IDを、利用履歴データベース132から特定し、特定した利用者IDに、判定部112から取得した建物ID、エレベータID、乗車時刻および降車時刻を対応付けて格納する。以上で、利用履歴データベース132を更新する処理は終了する。
【0061】
次に、エレベータ4を利用した利用者が、自身の端末装置200を用いて提供要求を広告管理装置1に送信すると、図7に示す処理、すなわち広告管理装置1が広告宣伝情報を端末装置200に送信する処理が行われる。具体的には、まず、端末装置200が広告管理装置1に提供要求を送信する(S41)と、広告管理装置1の取得部114が当該提供要求を取得する。その後、取得部114は、当該提供要求を利用者特定部115に出力する。
【0062】
利用者特定部115は、取得部114から提供要求を取得すると、提供要求を送信した端末装置200の利用者を特定する(S31)。具体的には、利用者特定部115は、利用履歴データベース132を参照し、提供要求に含まれる利用者IDと一致する利用者IDを特定する。利用者特定部115は、特定した利用者IDを含むレコードを情報特定部116へ出力する。
【0063】
情報特定部116は、利用者特定部115からレコードを取得すると、広告履歴データベース134を参照し、利用者がかご41に乗車していた乗車期間中に表示部42に表示されていた広告宣伝情報の広告IDを特定する(S32)。情報特定部116は、特定した広告IDに、取得した利用者ID、建物IDおよび乗車時刻を対応付けて提供部117へ出力する。
【0064】
提供部117は、情報特定部116から取得した建物IDから特定される建物名と乗車時刻とを含むレコードから成るリストを生成し(S33)、提供要求を送信した端末装置200へ送信する。端末装置200は、広告管理装置1から建物名と乗車時刻とを含むレコードから成るリストを受信すると、当該リストを出力する(S42)。また、端末装置200は、いずれかのレコードを選択する利用者の操作に基づき、選択されたレコードを示す情報を含む第2提供要求を広告管理装置1に送信する。
【0065】
提供部117は、当該第2提供要求を受信すると、選択されたレコードが示す建物IDおよび乗車時刻に対応付けられた広告IDを特定する(S34)。提供部117は、特定した広告IDのリストを生成し、第2提供要求を送信した端末装置200へ送信する。端末装置200は、広告管理装置1から広告IDのリストを受信すると、当該リストを出力する(S43)。また、端末装置200は、いずれかの広告IDを選択する利用者の操作に従って、選択された広告IDを示す情報を含む第3提供要求を広告管理装置1に送信する(送信ステップ)。
【0066】
提供部117は、当該第3提供要求を受信すると、広告データベース133を参照し、選択された広告IDに対応付けられた広告宣伝情報を特定する(S35)。提供部117は、特定した広告宣伝情報を、第3提供要求を送信した端末装置200へ送信する。端末装置200は、広告管理装置1から広告宣伝情報を受信すると(受信ステップ)、当該宣伝情報を出力する(S44:出力ステップ)。
【0067】
<システム100の効果>
上述のように、本実施形態に係るシステム100は、エレベータ4を利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムであって、エレベータ4のかご41内に設けられ、広告宣伝情報を表示(出力)する表示部42と、エレベータ4を利用した利用者を特定する利用者特定部115と、特定された利用者がかご41に乗車していた乗車期間中に表示部42に表示されていた広告宣伝情報を特定する情報特定部116と、特定された広告宣伝情報を、特定された利用者の端末装置200に提供する提供部117と、を含む。
【0068】
前記構成によると、利用者を特定し、当該利用者がかごに乗車しているときに出力されていた広告宣伝情報を、当該利用者の端末装置へ提供するので、当該利用者は、一部しか視聴できなかった広告宣伝情報や、興味を持った広告宣伝情報を、改めて自身の端末装置を用いて視聴することができる。
【0069】
また、システム100は、利用者の端末装置200から、広告宣伝情報の提供要求を取得する取得部114をさらに備え、利用者特定部115は、前記取得部が前記提供要求を取得したとき、提供要求を送信した端末装置200の利用者を特定する。
【0070】
前記構成によると、利用者からの要求に基づいて、当該利用者の乗車中に出力されていた広告宣伝情報を利用者に提供するので、広告宣伝情報の提供を望む利用者にのみ、広告宣伝情報を提供することができる。
【0071】
また、システム100は、かご41内およびエレベータ乗り場の少なくとも一方に設けられ、利用者を撮像する撮像部43と、判定部112と、対応付け部113と、を備える。判定部112は、予め登録された登録者の顔画像と、当該登録者を識別する識別情報とを対応付けて記憶する記憶部13と、撮像部43によって撮像された利用者の顔が、記憶部13に記憶されている顔画像と一致するか否かを判定する。対応付け部113は、判定部112により、利用者の顔画像と登録者の顔画像とが一致すると判定された場合、当該登録者の顔画像に対応付けられて記憶部13に記憶されている利用者の識別情報と、利用者の乗車期間とを対応付けて記憶部13に記憶する。
【0072】
また、提供要求は、利用者の識別情報を含み、情報特定部116は、取得部114が前記提供要求を取得したとき、提供要求に含まれる識別情報と対応付けて記憶部13に記憶されている乗車期間中に表示部42に表示されていた広告宣伝情報を特定する。
【0073】
前記構成によると、利用者が登録者である場合に、当該利用者と当該利用者の乗車期間とが対応付けられるので、利用者が登録者である場合に、利用者の乗車期間中に出力装置に出力されていた広告宣伝情報を特定することが可能となる。これにより、自身の端末装置で広告宣伝情報を視聴することを望む登録者から要求があったときのみ、広告宣伝情報を提供することができる。
【0074】
また、システム100は、かご41に乗車する利用者を撮像部43が撮像した時刻と、かご41から降車する当該利用者を撮像部43が撮像した時刻とを用いて、利用者の乗車期間を特定する乗車期間特定装置2をさらに含む。
【0075】
前記構成によると、乗車期間を正確に特定することができるので、利用者の乗車中に表示部42に表示された広告宣伝情報を正確に特定することができる。
【0076】
また、端末装置200は、提供要求への応答として建物名と乗車時刻とを含むレコードから成るリストを受信し、出力する。これにより、利用者が1つの建物のエレベータ4を複数回利用した場合、いつ利用したエレベータ4に表示されていた広告宣伝情報を視聴するかを選択することができる。また、利用者が複数の建物のエレベータ4を利用した場合も、どの建物のエレベータ4で表示された広告宣伝情報を視聴するかを選択することができる。また、利用者がエレベータ4を利用してから時間が経過していたとしても、いつ利用したエレベータ4に表示されていた広告宣伝情報を視聴するかを選択することができる。
【0077】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0078】
図8は、実施形態2に係るシステム100Aの構成を示すブロック図である。図8に示すように、システム100Aは、広告管理装置1A、乗車期間特定装置2A、エレベータ制御装置3Aおよびエレベータ4Aを備える点においてシステム100と異なる。
【0079】
エレベータ4Aにおいて、表示部42Aは、かご41内ではなくエレベータ4Aの各乗り場に設けられている。エレベータ制御装置3Aは、利用者がエレベータ4Aの乗場でかご41を待機している待ち時間中、あるいは常時表示部42Aに広告宣伝情報を表示させる。利用者は、かご41を待機している間に広告宣伝情報を視聴することができる。
【0080】
乗車期間特定装置2Aは、利用者の乗車期間に加えて、利用者がエレベータ乗り場のボタンを押してからかご41に乗車するまでの待ち時間を特定する。具体的には、乗車期間特定装置2Aは、エレベータ乗り場に設けられた撮像部43に利用者が映り始めたフレームを特定し、当該フレームが撮像された時刻を待ち開始時刻として特定する。あるいは乗車期間特定装置2Aは、利用者がエレベータ乗り場のボタンを押したことを示す情報をエレベータ制御装置3Aから受信し、当該情報を受信した時刻を待ち開始時刻として特定してもよい。また、乗車期間特定装置2Aは、利用者がかご41に乗車したフレーム、すなわち利用者が撮像部43に映らなくなったフレームを特定し、当該フレームが撮像された時刻を待ち終了時刻として特定する。乗車期間特定装置2Aは、待ち開始時刻から待ち酋長時刻までの時間を利用者の待ち時間として特定する。
【0081】
広告管理装置1Aは、利用履歴更新部113Aおよび情報特定部116Aを有する制御部11A、および利用履歴データベース132Aを記憶する記憶部13Aを備える。利用履歴データベース132Aには、各利用者IDに、利用者IDが示す利用者が利用したエレベータ4を識別するエレベータIDと、エレベータIDが示すエレベータ4が設けられている建物を識別する建物IDと、当該利用者の待ち開始時刻および待ち終了時刻とが対応付けられたレコードが格納されている。
【0082】
利用履歴更新部113Aは、利用者IDに、当該利用者が利用した建物の建物ID、エレベータID、待ち開始時刻および待ち終了時刻を対応付けて格納し、利用履歴データベース132Aを更新する。
【0083】
情報特定部116Aは、利用者特定部115からレコードを取得すると、利用者特定部115によって特定された利用者がエレベータの乗り場でかご41を待ち始めてからかご41に乗車するまでの待ち時間中に表示部42Aに表示された広告宣伝情報を特定する。具体的には、情報特定部116Aは、広告履歴データベース134を参照し、取得したレコードに含まれる待ち開始時刻から待ち終了時刻までの待ち時間中に、表示開始時刻および表示終了時刻の少なくとも一方が含まれる広告宣伝情報を特定する。より具体的には、情報特定部116Aは、取得したレコードに含まれる建物IDおよびエレベータIDの組み合わせと一致する、建物IDおよびエレベータIDの組み合わせを、広告履歴データベース134から特定する。続いて、情報特定部116Aは、特定した組み合わせに対応付けられた表示開始時刻のうち、取得したレコードに含まれる待ち開始時刻から待ち終了時刻までの待ち時間中の表示開始時刻に対応付けられた広告IDを特定する。特定した広告IDは、表示開始時刻、または、表示開始時刻および表示終了時刻の両方が待ち時間中であった広告宣伝情報を示す。また、情報特定部116Aは、特定した広告IDを含むレコードのうち、最も表示開始時刻が早いレコードの1つ上のレコードを特定し、特定したレコードに含まれる広告IDを特定する。この広告IDは、表示終了時刻が待ち時間中であった広告宣伝情報を示す。
【0084】
実施形態2に係るシステム100Aでは、利用者がエレベータ4Aを利用するとき、かご41を待っている間に表示部42Aに表示された広告宣伝情報を、自身の端末装置200を用いて改めて視聴することができる。
【0085】
〔変形例〕
上述した各実施形態では、広告管理装置1は、端末装置200から提供要求を受信したときに、その応答として広告宣伝情報を送信していた。しかしながら、広告管理装置1は、提供要求を受信せずに、利用者の乗車期間中に表示されていた広告宣伝情報を当該利用者の端末装置200に自動的に送信してもよい。
【0086】
図9は、本変形例に係る広告管理装置1Bを含むシステム100Bの構成を示すブロック図である。図9に示すように、広告管理装置1Bは、制御部11Bを備える。制御部11Bは、取得部114を備えず、判定部112に代えて判定部112Bを備え、利用者特定部115に代えて利用者特定部115Bを備える点において広告管理装置1の制御部11と異なる。
【0087】
広告管理装置1Bにおいて、判定部112Bは、乗車期間特定装置2から受信したエレベータ4を利用した利用者の顔画像が、登録者データベース131に記憶されている登録者の顔画像のいずれかと一致するか否かを判定する。判定部112Bは、エレベータ4を利用した利用者が、アプリケーションを利用している利用者であると判定した場合、当該判定結果を示す情報を利用者特定部115Bに出力する。利用者特定部115Bは、当該判定結果を示す情報を取得すると、利用者の顔画像に対応する利用者IDを取得し、乗車期間特定装置2から受信した乗車時刻、降車時刻、エレベータIDおよび建物IDとともに、情報特定部116へ出力する。その他の処理は実施形態1に係るシステム100における処理と同様である。
【0088】
以上のように、広告管理装置1Bにおいて、撮像された利用者の顔画像が登録者データベース131に登録されている場合、情報特定部116は、提供要求を取得する必要なく利用者を特定する。
【0089】
前記構成によると、撮像された利用者が登録者である場合に、当該利用者に自動的に広告宣伝情報を提供することができる。これにより、自身の端末装置で広告宣伝情報を視聴することを望む登録者、すなわち、アプリケーションの利用者にのみ、広告宣伝情報を提供することができる。
【0090】
なお、本変形例に係る記憶部13は、利用履歴データベース132を記憶していなくてもよい。この場合、制御部11Bは、利用履歴更新部113を含んでいなくてもよい。
【0091】
また、上述の実施形態1では、広告管理装置1は、利用者の乗車期間中に表示部42に表示された広告宣伝情報の広告IDのすべてを該利用者に提供していたが、利用者が乗車期間中にすべてを視聴した広告宣伝情報の広告IDを提供しなくともよい。具体的には、情報特定部116は、表示部42への表示開始時刻および表示終了時刻の少なくとも一方が利用者の乗車期間外であった広告宣伝情報の広告IDのみを特定してもよい。より具体的には、情報特定部116は、利用者特定部115から取得したレコードに含まれる建物IDおよびエレベータIDの組み合わせと一致する、建物IDおよびエレベータIDの組み合わせを、広告履歴データベース134から特定する。続いて、情報特定部116は、特定した組み合わせに対応付けられた表示開始時刻および表示終了時刻のうち、いずれか一方が乗車期間内に含まれ、もう一方が乗車期間外である表示開始時刻および表示終了時刻に対応付けられた広告IDを特定する。
【0092】
前記構成によると、利用者の乗車期間を超えて表示された広告宣伝情報のみを利用者へ提供することができる。つまり、利用者がエレベータ4のかご41内で最初から最後まで視聴した広告宣伝情報は、利用者に提供する広告宣伝情報から除外されるので、利用者がすべて視聴することができなかった広告宣伝情報のみを提供することができる。
【0093】
また、実施形態1において、乗車期間特定装置2は、取得した利用者の顔画像以外の情報に基づいて乗車期間を特定してもよい。例えば、乗車期間特定装置2は、エレベータ制御装置3から利用者が利用するエレベータ4の動作に関する情報を取得し、当該情報に基づいて乗車期間を特定してもよい。具体的には、乗車期間特定装置2は、エレベータ制御装置3から、利用者の出発階、行先階、利用者が利用するエレベータ4の号機を示す情報、および当該号機の状況を示す情報を取得する。乗車期間特定装置2は、取得した各情報に基づき、エレベータ4が出発階に到着する時刻および行先階に到着する時刻を算出し、エレベータ4が出発階に到着する時刻を乗車時刻とし、エレベータ4が行先階に到着する時刻を降車時刻として特定してもよい。
【0094】
なお、以降の変形例については、実施形態1に適用した例を説明するが、これら変形例は実施形態2にも適用可能である。
【0095】
また、撮像部43は、かご41以外の場所に設けられていてもよい。例えば、撮像部43はエレベータ4の各乗り場に設けられてもよい。この場合、乗車期間特定装置2は、出発階の撮像部43に利用者が映らなくなった時刻を乗車時刻として、到着階の撮像部43に利用者が映り始めた時刻を降車時刻として特定する。
【0096】
撮像部43がエレベータ4の乗り場に設けられる場合、撮像部43はそれぞれのエレベータ4に1対1対応するように設けられてもよいし、いくつかのエレベータ4の乗り場を纏めて撮像するように設けられていてもよい。
【0097】
また、システム100において、エレベータ4が設けられた建物は1つのみであってもよく、また、当該建物にはエレベータ4が1基のみ設けられていてもよい。システム100において、1基のエレベータ4が設けられた建物が1つのみである場合、利用者が利用した建物およびエレベータ4を特定する必要がなくなるため、建物IDおよびエレベータIDは不要となる。
【0098】
また、端末装置200において、利用者が広告宣伝情報を選択するためのリストには、広告ID以外の情報が含まれていてもよい。例えば、端末装置200では、広告IDに代えて、あるいは加えて、各広告宣伝情報を示すサムネイル画像、または各広告宣伝情報の概要を説明するテキストのリストが表示されてもよい。
【0099】
また、システム100において、それぞれのエレベータ4には全て異なるエレベータIDが付与されていてもよい。この場合、建物IDがなくとも利用者が利用したエレベータ4を特定することが可能となるため、建物IDは不要となる。
【0100】
また、端末装置200は、送信した提供要求に対する応答として広告宣伝情報を受信し、端末装置200に当該広告宣伝情報を表示してもよい。あるいは、端末装置200は、送信した提供要求に対する応答として、建物名および乗車時刻のリストに代えて、広告宣伝情報のリストを受信し、表示してもよい。
【0101】
〔ソフトウェアによる実現例〕
システム100、100A、および100Bの制御ブロック(特に乗車期間特定装置2、判定部112、112B、利用履歴更新部113、113A、取得部114、利用者特定部115、115B、情報特定部116、116A、および提供部117)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0102】
後者の場合、システム100、100A、および100Bは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0103】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0104】
1、1A、1B 広告管理装置
2、2A 乗車期間特定装置(乗車期間特定部)
4、4A エレベータ
41 かご
42、42A 表示部(出力装置)
43 撮像部(撮像装置)
100、100A、100B システム
114 取得部
112、112B 判定部
113、113A 利用履歴更新部(対応付け部)
115、115B 利用者特定部
116、116A 情報特定部
117 提供部
200 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータを利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムであって、
前記エレベータのかご内およびエレベータ乗り場の少なくとも一方に設けられ、前記利用者を撮像する撮像装置と、
記かご内に設けられ、前記広告宣伝情報を出力する出力装置と、
前記エレベータを利用した利用者を特定する利用者特定部と、
特定された前記利用者が前記かごに乗車していた乗車期間を、前記撮像装置によって撮像された画像に基づいて特定する乗車期間特定部と、
特定された乗車期間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定する情報特定部と、
特定された前記広告宣伝情報を、特定された前記利用者の端末装置に提供する提供部と、を含むシステム。
【請求項2】
前記利用者の端末装置から、前記広告宣伝情報の提供要求を取得する取得部をさらに備え、
前記利用者特定部は、前記取得部が前記提供要求を取得したとき、前記提供要求を送信した前記端末装置の前記利用者を特定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
め登録された登録者の顔画像と、当該登録者を識別する識別情報とを対応付けて記憶する記憶装置と、
前記撮像装置によって撮像された利用者の顔が、前記記憶装置に記憶されている前記顔画像と一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記顔画像と一致すると判定された場合、当該顔画像に対応付けられて前記記憶装置に記憶されている前記識別情報と、前記乗車期間とを対応付けて前記記憶装置に記憶する対応付け部と、をさらに含み、
前記提供要求は、前記利用者の識別情報を含み、
前記情報特定部は、前記取得部が前記提供要求を取得したとき、前記提供要求に含まれる識別情報と対応付けて前記記憶装置に記憶されている前記乗車期間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
め登録された登録者の顔画像と、当該登録者を識別する識別情報とを対応付けて記憶する記憶装置と、
前記撮像装置によって撮像された利用者の顔が、前記記憶装置に記憶されている前記顔画像と一致するか否かを判定する判定部と、をさらに含み、
前記判定部により前記顔画像と一致すると判定された場合、
前記利用者特定部は、当該顔画像と対応付けて前記記憶装置に記憶されている前記識別情報を特定し
記提供部は、前記特定された広告宣伝情報を、前記特定された識別情報に基づき特定される前記登録者の端末装置に提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記乗車期間特定部は、前記かごに乗車する前記利用者を前記撮像装置が撮像した時刻と、前記かごから降車する当該利用者を前記撮像装置が撮像した時刻とを用いて、前記乗車期間を特定する、請求項3または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記情報特定部が特定する前記広告宣伝情報は、前記出力装置への出力開始時刻および出力終了時刻の少なくとも一方が前記乗車期間外であった前記広告宣伝情報である、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
エレベータを利用する利用者に広告宣伝情報を提供するシステムであって、
前記エレベータの乗り場に設けられ、前記利用者を撮像する撮像装置と、
前記エレベータの乗り場に設けられ、前記広告宣伝情報を出力する出力装置と、
前記エレベータの利用者を特定する利用者特定部と、
特定された前記利用者が前記エレベータの乗り場でかごに乗車するまでの待ち時間を、前記撮像装置によって撮像された画像に基づいて特定する待ち時間特定部と、
特定された待ち時間中に前記出力装置に出力されていた前記広告宣伝情報を特定する情報特定部と、
特定された前記広告宣伝情報を、特定された前記利用者の端末装置に提供する提供部と、を含むシステム。
【請求項8】
端末装置の制御プログラムであって、
請求項1または7に記載のシステムに、前記広告宣伝情報の提供要求を送信する送信ステップと、
前記提供要求に対する応答として、前記情報特定部により特定された前記広告宣伝情報を受信する受信ステップと、
受信した前記広告宣伝情報を、前記端末装置に出力する出力ステップと、を含む、端末装置の制御プログラム。