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特開2022-102674画像処理装置及び画像処理装置のためのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102674
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理装置のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220630BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220630BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
B41J29/38 201
B41J29/42 F
B41J29/38 301
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217546
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 亮
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ34
2C061HK05
2C061HK06
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN05
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB46
5C062AC04
5C062AC15
5C062AC38
(57)【要約】
【課題】ジョブを画像処理装置に送信可能なサーバの処理負荷を軽減させるための技術を開示すること。
【解決手段】画像処理装置は、サービス状態が有効状態である状況において、サービス状態を無効状態に移行させるための無効化指示が取得される場合に、サービス状態を有効状態から無効状態に移行させる第2の状態移行部と、サービス状態が有効状態である状況において、無効化指示が取得される場合に、受付停止指示をサーバに送信する第1の受付停止指示送信部と、を備えてもよい。受付停止指示は、ジョブ送信要求の受け付けをサーバに停止させるための指示である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置であって、
画像処理エンジンと、
サーバからジョブ提供サービスを受けるためのサービス状態が無効状態である状況において、前記サービス状態を有効状態に移行させるための有効化指示が取得される場合に、前記サービス状態を前記無効状態から前記有効状態に移行させる第1の状態移行部であって、前記無効状態は、前記サーバから、画像処理の実行指示であるジョブを受信不可能な状態であり、前記有効状態は、前記サーバから前記ジョブを受信可能な状態である、前記第1の状態移行部と、
前記サービス状態が前記無効状態である状況において、前記有効化指示が取得される場合に、受付指示を前記サーバに送信する受付指示送信部であって、前記受付指示は、前記サーバを介して前記ジョブを前記画像処理装置に送信するためのジョブ送信要求の受け付けを前記サーバに実行させるための指示である、前記受付指示送信部と、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記サーバから前記ジョブが受信される場合に、前記ジョブに従った画像処理を前記画像処理エンジンに実行させるエンジン制御部と、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記サービス状態を前記無効状態に移行させるための無効化指示が取得される場合に、前記サービス状態を前記有効状態から前記無効状態に移行させる第2の状態移行部と、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記無効化指示が取得される場合に、受付停止指示を前記サーバに送信する第1の受付停止指示送信部であって、前記受付停止指示は、前記ジョブ送信要求の受け付けを前記サーバに停止させるための指示である、前記第1の受付停止指示送信部と、
を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置は、さらに、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記無効化指示が取得される場合に、第1の問合画面を表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記第1の問合画面は、前記サーバにおいて前記ジョブ送信要求の受け付けを停止すべきであるのか否かを問い合わせるための画面である、前記第1の表示制御部を備え、
前記第1の受付停止指示送信部は、前記第1の問合画面において、前記ジョブ送信要求の受け付けを停止すべきことが選択される場合に、前記受付停止指示を前記サーバに送信し、
前記第1の問合画面において、前記ジョブ送信要求の受け付けを停止すべきでないことが選択される場合に、前記受付停止指示は前記サーバに送信されない、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理装置は、さらに、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記無効化指示が取得される前に、第2の問合画面を表示部に表示させる第2の表示制御部であって、前記第2の問合画面は、第1種の前記無効化指示と第2種の前記無効化指示とのうちのどちらを選択するのかを問い合わせるための画面である、前記第2の表示制御部を備え、
前記第1の受付停止指示送信部は、前記第2の問合画面において前記第1種の無効化指示が選択されることに応じて、前記第1種の無効化指示が取得される場合に、前記受付停止指示を前記サーバに送信し、
前記第2の問合画面において前記第2種の無効化指示が選択されることに応じて、前記第2種の無効化指示が取得される場合に、前記受付停止指示は前記サーバに送信されない、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の受付停止指示送信部は、前記無効化指示が取得されることに応じて前記サービス状態が前記有効状態から前記無効状態に移行された後に、所定時間に亘って前記有効化指示が取得されない場合に、前記受付停止指示を前記サーバに送信する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置は、さらに、
前記サービス状態が前記無効状態から前記有効状態に移行される場合に、前記画像処理装置の現在のステータスを示す第1のステータス情報を前記サーバに送信する第1のステータス情報送信部と、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記画像処理装置のステータスが変更される毎に、前記画像処理装置の変更後のステータスを示す第2のステータス情報を前記サーバに送信する第2のステータス情報送信部と、
を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像処理装置は、さらに、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記無効化指示が取得されなくても、所定条件が満たされる場合に、前記受付停止指示を前記サーバに送信する第2の受付停止指示送信部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置の所定のリソースが閾値以下になる場合に、前記所定条件が満たされる、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記画像処理装置は、
画像処理エンジンと、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
サーバからジョブ提供サービスを受けるためのサービス状態が無効状態である状況において、前記サービス状態を有効状態に移行させるための有効化指示が取得される場合に、前記サービス状態を前記無効状態から前記有効状態に移行させる第1の状態移行部であって、前記無効状態は、前記サーバから、画像処理の実行指示であるジョブを受信不可能な状態であり、前記有効状態は、前記サーバから前記ジョブを受信可能な状態である、前記第1の状態移行部と、
前記サービス状態が前記無効状態である状況において、前記有効化指示が取得される場合に、受付指示を前記サーバに送信する受付指示送信部であって、前記受付指示は、前記サーバを介して前記ジョブを前記画像処理装置に送信するためのジョブ送信要求の受け付けを前記サーバに実行させるための指示である、前記受付指示送信部と、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記サーバから前記ジョブが受信される場合に、前記ジョブに従った画像処理を前記画像処理エンジンに実行させるエンジン制御部と、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記サービス状態を前記無効状態に移行させるための無効化指示が取得される場合に、前記サービス状態を前記有効状態から前記無効状態に移行させる第2の状態移行部と、
前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記無効化指示が取得される場合に、受付停止指示を前記サーバに送信する第1の受付停止指示送信部であって、前記受付停止指示は、前記ジョブ送信要求の受け付けを前記サーバに停止させるための指示である、前記第1の受付停止指示送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、サーバからジョブを受信する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタとサーバとを備えるクラウドプリントシステムが開示されている。プリンタは、印刷ジョブがサーバに追加される場合に、サーバから印刷ジョブを受信して印刷を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-54412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、ジョブを画像処理装置に送信可能なサーバの処理負荷を軽減させるための技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像処理装置は、画像処理エンジンと、サーバからジョブ提供サービスを受けるためのサービス状態が無効状態である状況において、前記サービス状態を有効状態に移行させるための有効化指示が取得される場合に、前記サービス状態を前記無効状態から前記有効状態に移行させる第1の状態移行部であって、前記無効状態は、前記サーバから、画像処理の実行指示であるジョブを受信不可能な状態であり、前記有効状態は、前記サーバから前記ジョブを受信可能な状態である、前記第1の状態移行部と、前記サービス状態が前記無効状態である状況において、前記有効化指示が取得される場合に、受付指示を前記サーバに送信する受付指示送信部であって、前記受付指示は、前記サーバを介して前記ジョブを前記画像処理装置に送信するためのジョブ送信要求の受け付けを前記サーバに実行させるための指示である、前記受付指示送信部と、前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記サーバから前記ジョブが受信される場合に、前記ジョブに従った画像処理を前記画像処理エンジンに実行させるエンジン制御部と、前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記サービス状態を前記無効状態に移行させるための無効化指示が取得される場合に、前記サービス状態を前記有効状態から前記無効状態に移行させる第2の状態移行部と、前記サービス状態が前記有効状態である状況において、前記無効化指示が取得される場合に、受付停止指示を前記サーバに送信する第1の受付停止指示送信部であって、前記受付停止指示は、前記ジョブ送信要求の受け付けを前記サーバに停止させるための指示である、前記第1の受付停止指示送信部と、を備えてもよい。
【0006】
上記の構成によると、画像処理装置は、無効化指示を取得する場合に、受付停止指示をサーバに送信する。この結果、サーバは、ジョブ送信要求の受け付けを停止する。このため、サーバは、ジョブ送信要求に応じてジョブを生成する処理を実行せずに済む。従って、サーバの処理負荷を軽減させることができる。
【0007】
上記の画像処理装置のためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、及び、画像処理装置によって実行される方法も新規で有用である。また、上記の画像処理装置とサーバとを備えるシステムも新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】登録処理のシーケンス図を示す。
図3図2の続きのシーケンス図を示す。
図4】第1実施例のシーケンス図を示す。
図5】第2実施例のシーケンス図を示す。
図6】第3実施例のシーケンス図を示す。
図7】第4実施例のシーケンス図を示す。
図8】第5実施例のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システムの構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、プリンタ10と端末50と印刷仲介サーバ100とを備える。各デバイス10,50,100は、インターネット6に接続されており、インターネット6を介して相互に通信可能である。
【0010】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば、端末50の周辺装置)である。プリンタ10には、プリンタ10を識別するためのプリンタID「P1」が割り当てられている。プリンタ10は、操作部12と、表示部14と、通信インターフェース16と、印刷エンジン18と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0011】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。通信I/F16は、インターネット6に接続されている。印刷エンジン18は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。
【0012】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、さらに、サーバ100からIPP(Internet Printing Protocolの略)に従ったジョブ提供サービス(換言するとクラウド印刷サービス)を受けるためのサービス状態を記憶する。
【0013】
サービス状態は、プリンタ10がサーバ100からジョブを受信可能であることを示す「有効」と、プリンタ10がサーバ100からジョブを受信不可能であることを示す「無効」と、のいずれか一方を示す。以下では、メモリ34内のサービス状態が「有効」を示す状態、メモリ34内のサービス状態が「無効」を示す状態を、それぞれ、「プリンタ10のサービス状態が有効状態である」、「プリンタ10のサービス状態が無効状態である」と表現することがある。
【0014】
(端末50の構成)
端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートPC、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。なお、変形例では、端末50は、デスクトップPC等の据置型の端末装置であってもよい。
【0015】
(印刷仲介サーバ100の構成)
以下では、印刷仲介サーバ100のことを「サーバ100」と短縮して記載する。サーバ100は、クラウド印刷サービスを提供するサーバである。サーバ100は、プリンタ10のベンダとは異なる事業者(例えばクラウド印刷サービスを提供する事業者)によってインターネット6上に設置されるサーバである。変形例では、サーバ100は、プリンタ10のベンダによって設置されてもよい。サーバ100は、例えば端末50から画像データを受信する場合に、ジョブを生成し、当該ジョブをプリンタ10に送信する。ジョブは、画像データをプリンタ10が解釈可能なデータ形式に変換することによって生成される印刷データを含む。
【0016】
サーバ100は、通信I/F116と制御部130とを備える。各部116~130は、バス線(符号省略)に接続されている。通信I/F116は、インターネット6に接続されている。
【0017】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ134は、さらに、プリンタテーブル138を記憶する。
【0018】
プリンタテーブル138は、プリンタIDと、アクセストークンと、accepting-jobsと、ステータスと、を対応付けて記憶するテーブルである。アクセストークンは、プリンタとサーバ100との間でIPPに従ったリクエストが通信される際に、プリンタを認証するためにサーバ100によって利用される情報である。また、アクセストークンは、プリンタとサーバ100との間に常時接続を確立するために利用される。本実施例では、プリンタ10は、HTTP(Hypertext Transfer Protocolの略)に従った持続的接続を利用して、常時接続のような挙動を実現する。変形例では、常時接続は、XMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocolの略)に従った接続であってもよい。accepting-jobsは、IPPに従ったプリンタ属性を示す情報であり、具体的には、サーバ100が印刷要求を受け付けるのか否かを示す情報である。accepting-jobsは、印刷要求を受け付けることを示すyesと、印刷要求を受け付けないことを示すnoと、のいずれか一方を示す。ここで、「印刷要求を受け付ける」とは、サーバ100が印刷要求を受信することに応じてジョブを生成することを意味する。「印刷要求を受け付けない」とは、サーバ100が印刷要求を受信してもジョブを生成しないことを意味する。ステータスは、プリンタの現在のステータス(例えばIdle、Error等)を示す。
【0019】
(登録処理;図2
図2を参照して、サーバ100からクラウド印刷サービスの提供を受けるために、プリンタ10に関する情報をサーバ100に登録するための処理を説明する。なお、以下では、理解の容易化のために、各デバイスのCPU(例えばCPU32等)が実行する動作を、CPUを主体として記載せずに、各デバイス(例えばプリンタ10)を主体として記載する。また、各デバイス10,100によって実行される全ての通信は、通信I/F16,116を介して実行される。このため、以下では、「通信I/F16(又は116)を介して」という記載を省略する。
【0020】
端末50は、ユーザからの操作を受け付けることに応じて、プリンタ10内のウェブサーバにアクセスする。そして、端末50は、ユーザから、さらに、クラウド印刷サービスを受けるための操作を受け付けることに応じて、T10において、登録指示をプリンタ10に送信する。
【0021】
プリンタ10は、T10において、端末50から登録指示を受信すると、T12において、プリンタID「P1」を含む登録要求をサーバ100に送信する。
【0022】
サーバ100は、T12において、プリンタ10から登録要求を受信すると、T14において、PINコード「C」を生成する。変形例では、サーバ100は、T14において、パスワード(即ち文字列)を生成してもよい。そして、サーバ100は、登録要求に含まれるプリンタID「P1」と生成済みのPINコード「C」とを対応付けてメモリ134に記憶する。次いで、サーバ100は、T20において、PINコード「C」とログイン用URL(Uniform Resource Locatorの略)とをプリンタ10に送信する。ログイン用URLは、サーバ100内の後述の認証画面データの位置を示す情報である。
【0023】
プリンタ10は、T20において、サーバ100からPINコード「C」とURLとを受信すると、T22において、それらを端末50に送信する。
【0024】
端末50は、T22において、プリンタ10からPINコード「C」とURLとを受信すると、T30において、それらを表示する。次いで、端末50は、T32において、ユーザからURLを選択する操作を受け付けると、T40において、URLを含む認証要求をサーバ100に送信する。
【0025】
サーバ100は、T40において、端末50から認証要求を受信すると、T42において、認証要求に含まれるURLによって特定される認証画面データを端末50に送信する。認証画面データは、PINコードを入力するための認証画面を表わすデータである。
【0026】
端末50は、T42において、サーバ100から認証画面データを受信すると、T44において、認証画面を表示する。次いで、端末50は、T46において、ユーザから、T30で表示されたPINコード「C」の入力を受け付ける。この場合、端末50は、T50において、入力済みのPINコード「C」をサーバ100に送信する。
【0027】
サーバ100は、T50において、端末50からPINコード「C」を受信すると、T52において、受信済みのPINコード「C」の認証を実行する。具体的には、サーバ100は、受信済みのPINコード「C」を記憶済みであるのか否かを判断する。サーバ100は、受信済みのPINコード「C」を記憶済みであると判断する場合、即ち、認証が成功する場合に、T54において、ユニークな文字列であるアクセストークンAT1を生成する。そして、サーバ100は、T56において、T14で記憶されたプリンタID「P1」に対応付けて、生成済みのアクセストークンAT1をプリンタテーブル138に記憶する。その後、サーバ100は、T60において、生成済みのアクセストークンAT1を含む認証通知をプリンタ10に送信する。
【0028】
プリンタ10は、T60において、サーバ100から認証通知を受信すると、T62において、認証通知に含まれるアクセストークンAT1をメモリ34に記憶する。
【0029】
(具体的なケース;図3
図3は、図2の続きのケースであり、具体的には、プリンタ10のサービス状態を無効状態から有効状態に移行させるケースである。
【0030】
端末50は、ユーザからの操作を受け付けることに応じて、プリンタ10内のウェブサーバにアクセスする。そして、端末50は、T100において、ユーザから設定変更操作を受け付けることに応じて、T102において、設定変更画面要求をプリンタ10に送信する。
【0031】
プリンタ10は、T102において、端末50から設定変更画面要求を受信すると、設定変更画面SC1を表わす設定変更画面データを端末50に送信する。
【0032】
端末50は、T104において、プリンタ10から設定変更画面データを受信すると、T106において、設定変更画面SC1を表示する。設定変更画面SC1は、プリンタのサービス状態を変更するための画面であり、プリンタID「P1」と、サービス状態を有効に設定するためのチェック欄と、サービス状態を無効に設定するためのチェック欄と、OKボタンと、を含む。現時点ではプリンタ10のサービス状態が無効状態であるので、設定変更画面SC1では、無効のチェック欄にチェックが付されている。
【0033】
端末50は、T110において、ユーザから、設定変更画面SC1内の有効のチェック欄にチェックを入れる操作を受け付けた後に、OKボタンの選択を受け付ける。この場合、端末50は、T112において、有効化指示をプリンタ10に送信する。
【0034】
プリンタ10は、T112において、端末50から有効化指示を受信すると、T114において、サービス状態を無効状態から有効状態に移行させる。具体的には、プリンタ10は、メモリ34内のサービス状態を無効から有効に変更する。そして、プリンタ10は、T116において、完了画面SC2を表わす完了画面データを端末50に送信する。
【0035】
端末50は、T116において、プリンタ10から完了画面データを受信すると、T118において、完了画面SC2を表示する。完了画面SC2は、プリンタ10のサービス状態が変更されたことを示すメッセージを含む。このため、ユーザは、完了画面SC2を見ることによって、プリンタ10のサービス状態の変更が完了したことを確認することができる。
【0036】
プリンタ10は、T114で有効状態に移行すると、T120において、記憶済みのアクセストークンAT1(図2のT62参照)を利用して、常時接続をサーバ100と確立する。サーバ100は、常時接続を利用すれば、プリンタ10から要求を受信しなくても、プリンタ10が所属するLANのファイヤウォールを越えて、プリンタ10に信号を送信することができる。即ち、常時接続は、サーバプッシュ型の通信を実行可能な接続である。プリンタ10のサービス状態が無効状態に移行されるまで、常時接続が維持される。
【0037】
次いで、プリンタ10は、T122において、プリンタID「P1」を含むコマンドをサーバ100に送信する。当該コマンドは、accepting-jobsとして「yes」をサーバ100に登録するためのコマンドである。さらに、プリンタ10は、T124において、プリンタ10の現在のステータスを示すステータス情報をサーバ100に送信する。当該ステータス情報は、プリンタID「P1」と、プリンタ10にエラーが発生していることを示す情報(即ちError)と、を含む。
【0038】
サーバ100は、T122において、プリンタ10からコマンドを受信し、T124において、ステータス情報を受信する。この場合、サーバ100は、T126において、プリンタテーブル138を更新する。具体的には、サーバ100は、T122のコマンドに含まれるプリンタID「P1」に対応付けて、accepting-jobsとしてyesを記憶する。さらに、サーバ100は、プリンタID「P1」に対応付けて、ステータス「Error」を記憶する。
【0039】
その後、T130において、プリンタ10のエラーが解消すると、プリンタ10は、T132において、プリンタ10が待機状態(即ちIdle)であることを示すステータス情報をサーバ100に送信する。T134の処理は、「Error」に代えて「Idle」が記憶される点を除いて、T126の処理と同様である。
【0040】
その後、端末50は、ユーザから、印刷を実行すべきプリンタ(本ケースではプリンタ10)の指定と、印刷対象の画像の指定と、を含む指示を受け付けることに応じて、T140において、印刷要求をサーバ100に送信する。印刷要求は、ユーザによって指定されたプリンタ10を識別するプリンタID「P1」と、印刷対象の画像を表わす画像データと、を含む。
【0041】
サーバ100は、T140において、端末50から印刷要求を受信すると、まず、プリンタテーブル138から、当該要求に含まれるプリンタID「P1」を特定する。そして、プリンタ10は、プリンタテーブル138において、プリンタID「P1」に対応付けられているaccepting-jobsがyesを示すのかnoを示すのかを判断する。本ケースでは、プリンタID「P1」に対応付けられているaccepting-jobsがyesを示すので、サーバ100は、印刷要求を受け付ける。即ち、サーバ100は、T142において、ジョブID「Job1」によって識別されるジョブを生成する。具体的には、サーバ100は、まず、端末50から受信済みの画像データを変換して、プリンタ10が解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成する。そして、サーバ100は、プリンタID「P1」とジョブID「Job1」と印刷データとを対応付けてメモリ134に記憶する。その後、サーバ100は、T144において、常時接続を利用して、ジョブが生成されたことを示すジョブ通知をプリンタ10に送信する。当該ジョブ通知は、T142で生成されたジョブのジョブID「Job1」を含む。
【0042】
プリンタ10は、T144において、サーバ100からジョブ通知を受信すると、T146において、ジョブID「Job1」を含むジョブ要求をサーバ100に送信する。
【0043】
サーバ100は、T146において、プリンタ10からジョブ要求を受信すると、当該ジョブ要求に含まれるジョブID「Job1」に対応付けて記憶されている印刷データを特定する。そして、サーバ100は、T148において、当該印刷データを含むジョブをプリンタ10に送信する。
【0044】
プリンタ10は、T148において、サーバ100から印刷データを含むジョブを受信すると、T150において、当該印刷データによって表わされる画像の印刷を実行する。このように、プリンタ10のサービス状態が有効状態である状況では、プリンタ10は、クラウド印刷サービスを利用して画像の印刷を実行することができる。
【0045】
図3の続き;図4
図4は、図3の続きのケースであり、具体的には、プリンタ10のサービス状態を有効状態から無効状態に移行させるケースである。図4のT200~T206の処理は、図3のT100~T106の処理と同様である。なお、図示省略しているが、プリンタ10のサービス状態が有効状態であるので(図3のT114参照)、T206で表示される設定変更画面SC1では、有効のチェック欄にチェックが付されている。
【0046】
端末50は、T210において、ユーザから、設定変更画面SC1内の無効のチェック欄にチェックを入れる操作を受け付けた後に、OKボタンの選択を受け付ける。この場合、端末50は、T212において、無効化指示をプリンタ10に送信する。
【0047】
プリンタ10は、T212において、端末50から無効化指示を受信すると、T214において、サービス状態を有効状態から無効状態に移行させる。具体的には、プリンタ10は、メモリ34内のサービス状態を有効から無効に変更する。T216及びT218の処理は、図3のT116及びT118の処理と同様である。さらに、プリンタ10は、T214で無効状態に移行すると、T220において、サーバ100との常時接続(図3のT120参照)を切断する。このため、プリンタ10とサーバ100との間で常時接続を維持するための各種通信を実行せずに済む。この結果、プリンタ10とサーバ100との間の通信負荷が低減される。
【0048】
次いで、プリンタ10は、T222において、プリンタID「P1」を含むコマンドをサーバ100に送信する。当該コマンドは、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録するためのコマンドである。
【0049】
サーバ100は、T222において、プリンタ10からコマンドを受信すると、T224において、プリンタテーブル138を更新する。具体的には、サーバ100は、T222のコマンドに含まれるプリンタID「P1」に対応付けて、accepting-jobsとしてyesに代えてnoを記憶する。この結果、サーバ100は、プリンタ10に印刷を実行させるための印刷要求の受け付けを停止する。
【0050】
T230の処理は、図3のT140の処理と同様である。サーバ100は、印刷要求の受け付けを停止しているので、端末50から印刷要求を受信してもジョブを生成しない。そして、サーバ100は、T232において、エラー画面SC3を表わすエラー画面データを端末50に送信する。
【0051】
端末50は、T232において、サーバ100からエラー画面データを受信すると、T234において、エラー画面SC3を表示する。エラー画面SC3は、プリンタID「P1」と、印刷要求の受け付けが停止されていることを示すメッセージと、を含む。このため、ユーザは、エラー画面SC3を見ることによって、プリンタ10がクラウド印刷サービスを利用できないことを知ることができる。
【0052】
上記の構成によると、プリンタ10は、端末50から無効化指示を取得する場合(図4のT212)に、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録する(T222)。この結果、サーバ100は、印刷要求の受け付けを停止する。従って、プリンタ10のサービス状態が無効状態に移行して、プリンタ10とサーバ100との間の常時接続が切断されるにも関わらず(即ちサーバ100がジョブ通知をプリンタ10に送信することができないにも関わらず)、サーバ100が印刷要求を受け付けてジョブを生成するという事象が発生するのを抑制することができる。サーバ100が印刷要求を受け付けてジョブを生成せずに済むので、サーバ100の処理負荷を軽減させることができる。
【0053】
(対応関係)
プリンタ10、印刷仲介サーバ100が、それぞれ、「画像処理装置」、「サーバ」の一例である。印刷エンジン18が、「画像処理エンジン」の一例である。図3のT122で送信されるコマンド、図4のT222で送信されるコマンドが、それぞれ、「受付指示」、「受付停止指示」の一例である。図3のT140で送信される印刷要求(及び図4のT230で送信される印刷要求)が、「ジョブ送信要求」の一例である。図3のT124で送信されるステータス情報、T132で送信されるステータス情報が、それぞれ、「第1のステータス情報」、「第2のステータス情報」の一例である。図3のT150で実行される印刷が、「画像処理」の一例である。
【0054】
図3のT114の処理、T122の処理、T124の処理、T132の処理、T150の処理が、それぞれ、「第1の状態移行部」、「受付指示送信部」、「第1のステータス情報送信部」、「第2のステータス情報送信部」、「エンジン制御部」によって実行される処理の一例である。図4のT214の処理、T222の処理が、それぞれ、「第2の状態移行部」、「第1の受付停止指示送信部」によって実行される処理の一例である。
【0055】
(第2実施例;図5
続いて、図5を参照して、第2実施例を説明する。第2実施例では、プリンタ10が無効化指示を取得することに応じて問合画面データを端末50に送信する点が、第1実施例とは異なる。図5は、図3の続きのケースである。図5では、まず、図4のT200~T210と同様の処理が実行される。この結果、端末50は、T312において、無効化指示をプリンタ10に送信する。
【0056】
プリンタ10は、T312において、端末50から無効化指示を受信すると、T314において、サービス状態を有効状態から無効状態に移行させる。さらに、プリンタ10は、T314で無効状態に移行すると、T316において、サーバ100との常時接続(図3のT120参照)を切断する。次いで、プリンタ10は、T320において、問合画面SC4を表わす問合画面データを端末50に送信する。
【0057】
端末50は、T320において、プリンタ10から問合画面データを受信すると、T322において、問合画面SC4を、端末50の表示部に表示させる。問合画面SC4は、印刷要求の受け付けを停止すべきか否かを問い合わせるためのメッセージと、YESボタンと、NOボタンと、を含む。
【0058】
(第2実施例ケースA)
ケースAでは、端末50は、T330において、問合画面SC4内のYESボタンの選択を受け付ける。この場合、端末50は、T332において、YESボタンが選択されたことを示すYES選択情報をプリンタ10に送信する。
【0059】
プリンタ10は、T332において、端末50からYES選択情報を受信すると、T334において、accepting-jobsとして「no」を登録するためのコマンドをサーバ100に送信する。これにより、サーバ100において、プリンタテーブル138が更新(即ちaccepting-jobsとして「no」が登録)され(T336)、印刷要求の受け付けが停止される。
【0060】
(第2実施例ケースB)
一方、ケースBでは、端末50は、T340において、問合画面SC4内のNOボタンの選択を受け付ける。この場合、端末50は、T342において、問合画面SC4内のNOボタンが選択されたことを示すNO選択情報をプリンタ10に送信する。
【0061】
プリンタ10は、T342において、端末50からNO選択情報を受信すると、accepting-jobsとして「no」を登録するためのコマンドをサーバ100に送信しない。この結果、プリンタ10のサービス状態は無効状態に変更されるが、サーバ100において印刷要求の受け付けが実行され続ける。
【0062】
このように、プリンタ10は、無効化指示を取得する場合(図5のT312)に、問合画面データを端末50に送信する(T320)。この結果、端末50は、問合画面SC4を表示する(T322)。このため、ユーザは、問合画面SC4において、印刷要求の受け付けを停止させるのか否かを選択することができる。
【0063】
例えば、ユーザは、プリンタ10のサービス状態を無効状態に維持させる時間が比較的短いのか比較的長いのかに応じて、印刷要求の受け付けを停止させるのか否かを選択することができる。プリンタ10のサービス状態を無効状態に維持させる時間が比較的短い場合(例えばプリンタ10のメンテナンス等のケース)には、ユーザは、問合画面SC4内のNOボタンを選択して、印刷要求の受け付けを維持させることができる。これにより、プリンタ10は、サービス状態が有効状態に再び移行した後に、サービス状態が無効状態である間にサーバ100によって受信された印刷要求に応じた印刷を実行することができる。また、プリンタ10のサービス状態を無効状態に維持させる時間が比較的長い場合(例えばプリンタ10が設置されているオフィスの長期休暇等のケース)には、ユーザは、問合画面SC4内のYESボタンを選択して、印刷要求の受け付けを停止させることができる。これにより、サーバ100の処理負荷を軽減させることができる。
【0064】
(対応関係)
問合画面SC4が、「第1の問合画面」の一例である。端末50の表示部が、「表示部」の一例である。図5のT320の処理が、「第1の表示制御部」によって実行される処理の一例である。
【0065】
(第3実施例;図6
続いて、図6を参照して、第3実施例を説明する。第3実施例では、設定変更画面が問い合わせを含む点が、第1実施例とは異なる。図6は、図3の続きのケースである。図6のT400及びT402の処理は、図3のT100及びT102の処理と同様である。
【0066】
プリンタ10は、T404において、設定変更画面SC5を表わす設定変更画面データを端末50に送信する。即ち、T404で送信される設定変更画面データは、図3のT104で送信される設定変更画面データとは異なる。
【0067】
端末50は、T404において、プリンタ10から設定変更画面データを受信すると、T406において、設定変更画面SC5を表示する。設定変更画面SC5は、設定変更画面SC1(図3のT106参照)に含まれる各項目に加えて、印刷要求の受け付けを停止すべきか否かを選択するための選択欄を含む。
【0068】
(第3実施例ケースC)
ケースCでは、端末50は、T410において、ユーザから、設定変更画面SC5内の無効のチェック欄にチェックを入れる操作と、選択欄にチェックを入れる操作と、を受け付けた後に、OKボタンの選択を受け付ける。この場合、端末50は、T412において、第1種の無効化指示をプリンタ10に送信する。第1種の無効化指示は、プリンタ10のサービス状態を無効状態に移行させるための指示と、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録することをプリンタ10に要求するための指示と、を含む。T414~T424の処理は、図4のT214~T224の処理と同様である。
【0069】
(第3実施例ケースD)
一方、ケースDでは、端末50は、T430において、ユーザから、設定変更画面SC5内の無効のチェック欄にチェックを入れる操作を受け付けた後に、選択欄にチェックを入れる操作を受け付けることなく、OKボタンの選択を受け付ける。この場合、端末50は、T432において、第2種の無効化指示をプリンタ10に送信する。第2種の無効化指示は、プリンタ10のサービス状態を無効状態に移行させるための指示を含み、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録することをプリンタ10に要求するための指示を含まない。T434~T440の処理は、図4のT214~T220の処理と同様である。プリンタ10は、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録しない。この結果、プリンタ10のサービス状態が無効状態に変更されるが、プリンタテーブル138のaccepting-jobsはyesに維持される。
【0070】
このように、プリンタ10は、無効化指示を取得する前に、設定変更画面データを端末50に送信する(図6のT404)。この結果、端末50は、印刷要求の受け付けを停止すべきか否かを選択するための選択欄を含む設定変更画面SC5を表示する(T406)。このため、ユーザは、設定変更画面SC5において、印刷要求の受け付けを停止させるのか否かを選択することができる。
【0071】
(対応関係)
設定変更画面SC5が、「第2の問合画面」の一例である。図6のT404の処理が、「第2の表示制御部」によって実行される処理の一例である。設定変更画面SC5内の選択欄にチェックを入れることが、「第2の問合画面において第1種の無効化指示が選択される」ことの一例である。設定変更画面SC5内の選択欄にチェックを入れないことが、「第2の問合画面において第2種の無効化指示が選択される」ことの一例である。
【0072】
(第4実施例;図7
続いて、図7を参照して、第4実施例を説明する。第4実施例では、プリンタ10が、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録するためのコマンドを送信するタイミングが、第1実施例とは異なる。図7は、図3の続きのケースである。図7のT500~T520の処理は、図4のT200~T220の処理と同様である。
【0073】
プリンタ10は、常時接続を切断した直後に、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録しない。その後、プリンタ10は、有効化指示を取得することなく1時間が経過することを監視し、1時間が経過すると、T530において、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録する。T530及びT532の処理は、図4のT222及びT224の処理と同様である。なお、本実施例の「1時間」は一例であり、1時間未満であってもよいし、1時間以上であってもよい。また、プリンタ10が有効化指示を取得することを監視する時間をユーザが設定可能であってもよい。例えば、ユーザは、設定変更画面SC1を介して、プリンタ10が有効化指示を取得することを監視する時間を設定可能であってもよい。
【0074】
このように、プリンタ10は、プリンタ10のサービス状態を無効状態に移行してから1時間に亘って有効化指示を取得しない場合に、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録する(図7のT530)。このために、プリンタ10のサービス状態を無効状態に維持させる時間が比較的長い場合にのみ、サーバ100において印刷要求の受け付けを停止することができる。1時間が、「所定時間」の一例である。
【0075】
(第5実施例;図8
続いて、図8を参照して、第5実施例を説明する。第5実施例では、プリンタ10のサービス状態が無効状態に移行しなくても、accepting-jobsとして「no」をサーバ100に登録する点が、第1実施例とは異なる。図8は、図2の続きのケースである。図8では、まず、図3のT100~T134と同様の処理が実行される。また、T640~T644の処理は、図3のT140~T144の処理と同様である。
【0076】
プリンタ10は、T644において、サーバ100からジョブ通知を受信すると、印刷を実行するためのトナーが足りるのか否かを判断する。具体的には、まず、プリンタ10は、1個のジョブに従った印刷を実行するために必要なトナー量を推定する。プリンタ10は、例えば、過去に印刷を実行した複数個のジョブについて、1個のジョブに従った印刷を実行するために利用されたトナー量の平均値を算出することによって、1個のジョブに従った印刷を実行するために必要なトナー量を推定する。変形例では、プリンタ10は、1個のジョブに従った印刷を実行するために必要なトナー量の推定値を予め記憶しておいてもよい。そして、プリンタ10は、推定されたトナー量が、プリンタ10に装着されているトナーカートリッジ内のトナー残量以下であるのか否かを判断する。以下では、プリンタ10のトナーカートリッジのトナー残量が2%、1個のジョブあたりの印刷を実行するために必要なトナー量が5%であるケースについて説明する。本ケースでは、(必要なトナー量5(%))>(トナー残量2(%))を満たすので、プリンタ10は、T646において、印刷を実行するためのトナーが不足すると判断する。
【0077】
プリンタ10は、T646において、印刷を実行するためのトナーが不足すると判断すると、T650において、accepting-jobsとして「no」を登録するためのコマンドをサーバ100に送信する。T650及びT652の処理は、図4のT222及びT224の処理と同様である。また、T654~T660の処理は、図3のT146~T150の処理と同様である。
【0078】
プリンタ10は、T662において、トナーが不足することに起因して、ジョブの印刷を中断する。その後、T664において、プリンタ10に装着されているトナーカートリッジが新品のトナーカートリッジに交換される。この場合、プリンタ10は、accepting-jobsとして「yes」を登録するためのコマンドをサーバ100に送信する。T670の処理は、図3のT122の処理と同様である。また、T672の処理は、ステータス情報が記憶されない点を除いて、図3のT126の処理と同様である。また、トナーカートリッジが新品のトナーカートリッジに交換されるので(T664参照)、T674において、T662で中断された印刷が再開される。
【0079】
仮に、トナーが不足すると判断されてもT650のコマンドが送信されないと、サーバ100は、その後も印刷要求を受け付けてジョブを生成する。即ち、サーバ100は、プリンタ10が印刷を実行できない可能性が高いジョブを生成することになる。本実施例では、プリンタ10は、トナーが不足すると判断する場合(図8のT646)に、T650のコマンドをサーバ100に送信する。このため、サーバ100は、プリンタ10が印刷を実行できない可能性が高いジョブを生成せずに済む。従って、サーバ100の処理負荷が軽減される。
【0080】
(対応関係)
トナーが、「所定のリソース」の一例である。T646でトナー不足と判断されることが、「所定条件」が満たされることの一例である。図8のT650の処理が、「第2の受付停止指示送信部」によって実行される処理の一例である。
【0081】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0082】
(変形例1)上記の各実施例では、プリンタ10のサービス状態が有効状態に移行すると、プリンタ10とサーバ100との間には常時接続が確立される(例えば図3のT120参照)。そして、サーバ100は、常時接続を利用して、ジョブ通知をプリンタ10に送信する(例えばT144参照)。これに代えて、プリンタ10は、常時接続を確立すること代えて、定期的にポーリングをサーバ100に送信する状態に移行しても良い。この場合、サーバ100は、プリンタ10からポーリングを受信する場合に、その応答としてジョブをプリンタ10に送信してもよい。本変形例では、ポーリングを送信する状態、ポーリングを送信しない状態が、それぞれ、「有効状態」、「無効状態」の一例である。
【0083】
(変形例2)プリンタ10は、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。また、上記の各実施例では、プリンタ10に印刷を実行させるためのジョブ提供サービスについて記載したが、変形例では、ジョブ提供サービスは、多機能機にFAX送信を実行させるためのジョブの提供サービスであってもよい。本変形例では、FAXの送信が「画像処理」の一例であり、FAX送信を実行するエンジンが「画像処理エンジン」の一例である。また、別の変形例では、ジョブ提供サービスは、多機能機にスキャンの実行を指示するためのジョブの提供サービスであってもよい。本変形例では、スキャンの実行が「画像処理」の一例であり、スキャンを実行するエンジンが「画像処理エンジン」の一例である。
【0084】
(変形例3)プリンタ10は、図5のT320の処理に代えて、問合画面SC4をプリンタ10の表示部14に表示させてもよい。本変形例では、T322の処理を省略可能である。本変形例では、問合画面SC4の表示が「第1の表示制御部」によって実行される処理の一例であり、プリンタ10の表示部14が「表示部」の一例である。また、プリンタ10は、図6のT404の処理に代えて、設定変更画面SC5をプリンタ10の表示部14に表示させてもよい。本変形例では、T406の処理を省略可能である。本変形例では、設定変更画面SC5の表示が「第2の表示制御部」によって実行される処理の一例であり、プリンタ10の表示部14が「表示部」の一例である。
【0085】
(変形例4)プリンタ10は、プリンタ10のステータス情報をサーバ100に送信しなくてもよい。本変形例では、図3のT124及びT132の処理を省略可能である。一般的に言うと、「第1のステータス情報送信部」及び「第2のステータス情報送信部」を省略可能である。
【0086】
(変形例5)プリンタ10は、T646の処理に代えて、印刷データを記憶するためのプリンタ10のメモリ34の容量が足りるのか否かを判断してもよい。本変形例では、プリンタのメモリが、「所定のリソース」の一例であり、プリンタ10のメモリ34の容量が不足していると判断されることが、「所定条件」が満たされることの一例である。また、別の変形例では、プリンタ10は、T646の処理に代えて、印刷が実行される印刷媒体(即ちプリンタ10に設置されている用紙枚数)が足りるのか否かを判断してもよい。本変形例では、プリンタ10に設置されている印刷媒体が、「所定のリソース」の一例であり、印刷が実行される印刷媒体が不足していると判断されることが、「所定条件」が満たされることの一例である。また、別の変形例では、プリンタ10は、T646の処理に代えて、プリンタ10のステータスがErrorであるのか否かを判断してもよい。本変形例では、プリンタ10のステータスがErrorであると判断されることが、「所定条件」が満たされることの一例である。
【0087】
(変形例6)上記の各実施例では、図2図8の処理がソフトウェア(例えばプログラム36,136)によって実行されるが、これらの各処理の少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0088】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0089】
2:通信システム、6:インターネット、10:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16,116:通信I/F、18:印刷エンジン、30,130:制御部、32,132:CPU、34,134:メモリ、36,136:プログラム、50:端末、138:プリンタテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8