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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102691
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】異常通報装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20220630BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220630BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20220630BHJP
   A61H 33/00 20060101ALI20220630BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
A61H33/00 C
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217568
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000155333
【氏名又は名称】株式会社木村技研
(71)【出願人】
【識別番号】391007460
【氏名又は名称】中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 朝映
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 賢一
(72)【発明者】
【氏名】熊崎 隆行
(72)【発明者】
【氏名】森下 卓哉
【テーマコード(参考)】
4C094
5C054
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
4C094AA01
4C094BA08
4C094FF17
4C094FF18
4C094GG05
4C094GG12
5C054CE16
5C054CH04
5C054CH05
5C054DA09
5C054EJ07
5C054FF06
5C054HA19
5C086AA22
5C086AA46
5C086AA49
5C086BA04
5C086CA11
5C086CA28
5C086CB26
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA33
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA17
5C087AA09
5C087AA32
5C087AA37
5C087DD03
5C087DD33
5C087EE07
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】利用者のプライバシーを確保しつつシャワー室又は更衣室内の異常を通報する技術を提供する。
【解決手段】異常通報装置が、シャワー室又は更衣室内に存在する人の高さ情報を検出する検出部と、前記高さ情報に基づいて、異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、前記異常が発生したと判定された場合に、前記シャワー室又は前記更衣室内を撮影する撮影部と、異常が発生したことを示す情報及び前記撮影部による撮影画像を所定の通報先へ出力する出力制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー室又は更衣室内に存在する人の高さ情報を検出する検出部と、
前記高さ情報に基づいて、異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、
前記異常が発生したと判定された場合に、前記シャワー室又は前記更衣室内を撮影する撮影部と、
異常が発生したことを示す情報及び前記撮影部による撮影画像を所定の通報先へ出力する出力制御部と、
を備える異常通報装置。
【請求項2】
人の存在を検出する検出範囲の高さを異ならせた複数の前記検出部を備え、各検出部によって検出した前記検出範囲毎の人の有無を前記高さ情報とする請求項1に記載の異常通報装置。
【請求項3】
前記検出部が、前記シャワー室又は前記更衣室内を光走査する空間スキャナである請求項1に記載の異常通報装置。
【請求項4】
前記異常判定部が、前記異常のレベルを判定し、
前記異常のレベルが低い場合と比べて、異常のレベルが高い場合に、前記通報先へ送信する画像の解像度を高くするように前記撮影画像を処理する画像処理部を更に備える請求項1~3の何れか1項に記載の異常通報装置。
【請求項5】
シャワー室又は更衣室内に存在する人の高さ情報を検出するステップと、
前記高さ情報に基づいて、異常が発生したか否かを判定するステップと、
前記異常が発生したと判定された場合に、前記シャワー室又は前記更衣室内を撮影部に撮影させるステップと、
異常が発生したことを示す情報及び前記撮影部による撮影画像を所定の通報先へ送信するステップと、
を制御部に実行させる異常通報方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常通報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入浴者が転倒や疾患等で動けない状態になった場合に、外部へ通報する装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-164505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シャワー室や更衣室で異常が発生し、異常通報装置が外部の管理センタ等へ異常を通報した場合に、管理センタから異常の発生現場へ人を派遣して状況を確認したのでは、状況を把握できるまでに時間がかかり過ぎることがある。このため、外部から異常の発生現場の映像を見られるようにすれば、速やかに状況を把握できると考えられるが、シャワー室や更衣室内に監視カメラを設置して常に監視したのでは入浴者のプライバシーを確保できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、利用者のプライバシーを確保しつつシャワー室又は更衣室内の異常を通報する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る異常通報装置は、
シャワー室又は更衣室内に存在する人の高さ情報を検出する検出部と、
前記高さ情報に基づいて、異常が発生したか否かを判定する異常判定部と、
前記異常が発生したと判定された場合に、前記シャワー室又は前記更衣室内を撮影する撮影部と、
異常が発生したことを示す情報及び前記撮影部による撮影画像を所定の通報先へ出力する出力制御部と、を備える。
【0007】
前記異常通報装置は、人の存在を検出する検出範囲の高さを異ならせた複数の前記検出部を備え、各検出部によって検出した前記検出範囲毎の人の有無を前記高さ情報としてもよい。
【0008】
前記異常通報装置は、前記検出部が、前記シャワー室又は前記更衣室内を光走査する空間スキャナであってもよい。
【0009】
前記異常通報装置は、前記異常判定部が、前記異常のレベルを判定し、
前記異常のレベルが低い場合と比べて、異常のレベルが高い場合に、前記通報先へ送信する画像の解像度を高くするように前記撮影画像を処理する画像処理部を更に備えてもよい。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る異常通報方法は、
シャワー室又は更衣室内に存在する人の高さ情報を検出するステップと、
前記高さ情報に基づいて、異常が発生したか否かを判定するステップと、
前記異常が発生したと判定された場合に、前記シャワー室又は前記更衣室内を撮影部に撮影させるステップと、
異常が発生したことを示す情報及び前記撮影部による撮影画像を所定の通報先へ送信するステップと、
を制御部に実行させる。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る異常通報装置は、
シャワー室又は更衣室内に存在する人の状態を検出する検出部と、
前記人の状態に基づいて、異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したと判定した場合に当該前記異常のレベルを求める異常判定部と、
前記異常が発生したと判定された場合に、前記シャワー室又は前記更衣室内を撮影する撮影部と、
前記撮影画像を処理し、前記異常のレベルが低い場合と比べて、異常のレベルが高い場合に、前記撮影画像の解像度を高くする画像処理部と、
異常が発生したことを示す情報及び前記処理後の撮影画像を所定の通報先へ送信する送信制御部と、を備える。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係る異常通報方法は、
シャワー室又は更衣室内に存在する人の状態を検出するステップと、
前記人の状態に基づいて、異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したと判定した場合に当該前記異常のレベルを求めるステップと、
前記異常が発生したと判定された場合に、前記シャワー室又は前記更衣室内を撮影部に撮影させるステップと、
前記撮影画像を処理し、前記異常のレベルが低い場合と比べて、異常のレベルが高い場合に、前記撮影画像の解像度を高くするステップと、
異常が発生したことを示す情報及び前記処理後の撮影画像を所定の通報先へ送信するステップと、を制御部に実行させる。
【0013】
また、本発明は、上記異常通報方法をコンピュータに実行させるための異常通報プログラムであっても良い。更に、前記異常通報プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録されていても良い。
【0014】
ここで、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記憶媒体をいう。このような記憶媒体の内コンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD(登録商標)、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記憶媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、利用者のプライバシーを確保しつつシャワー室又は更衣室内の異常を通報する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に係る異常通報システムの構成を示す図である。
図2】シャワー施設の一例を示す平面図である。
図3】個室の正面図である。
図4図3の個室を扉及び前壁を省略して示した図である。
図5】個室を側方から見た縦断面図である。
図6】撮影ユニットの構成を示す模式図である。
図7】ユーザIFの構成を示す図である。
図8】異常通報装置のハードウェア構成を示す図である。
図9】異常の発生条件を格納した条件テーブルの一例を示す図である。
図10】各個室の異常通報装置が、異常を検出して警報を発する処理を示す図である。
図11】変形例1の構成を示す図である。
図12】変形例2の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〈実施形態1〉
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態は本発明の一例であり、本発明の構成は以下の例には限られない。
【0018】
図1は、本実施形態1に係る異常通報システム100の構成を示す図である。本実施の形態に係る異常通報システム100は、撮影ユニット(撮影部)11や、検出部13、異常通報装置44、ユーザIF(Interface)45、管理サーバ2を有し、これらがインタ
ーネットやLAN(Local Area Network)等の通信回線5を介して接続されている。異常通報システム100は、シャワー施設10に設けられた個室14を管理対象とし、個室14において異常が生じた場合に、この異常を通知する情報(異常通知情報)を所定の通知先、例えばシャワー施設を管理する管理会社の管理サーバ2や、管理者の用いる管理者端末3へ通知する。また、異常通報システム100は、異常が発生した際、個室に備えた撮影ユニット11で個室14内を撮影し、撮影画像から状況を把握できるようにしている。なお、図1では、異常通報システム100が管理者端末3を含まない例を示したが、異常通報システム100が、管理者端末3を含んでも良い。
【0019】
シャワー施設10は、例えばトレーニングジムやフィットネスクラブ、プール等、不特定多数の利用者が利用する設備である。本実施形態のシャワー施設10は、複数の個室14を有し、各個室14にシャワー設備1、撮影ユニット11、検出部13、異常通報装置44及びユーザIF45を備えている。
【0020】
図2は、シャワー施設10の一例を示す平面図、図3は、個室14の正面図、図4は、図3の個室14を扉19及び前壁14Rを省略して示した図、図5は、個室14を側方から見た縦断面図である。
【0021】
シャワー施設10は、複数の個室14を備えている。なお、図2に示した個室14の個数や配置は一例であり、これに限らず任意に設定できる。
【0022】
各個室14は、シャワー前室(更衣室)141と、シャワー室142とを有している。シャワー前室141は、左右が側壁14Sによって仕切られ、奥側がシャワー室142の前面によって仕切られている。また、シャワー前室141は、正面の出入り口以外の部分に前壁14Rを備えると共に、出入り口を開閉する扉19を備えている。
【0023】
シャワー前室141には、空間スキャナ131や、開閉センサ132、ユーザIF45が設けられている。空間スキャナ131は、室内に存在する人(以下、ユーザとも称す)の情報を検出するためのセンサである。空間スキャナ131は、例えば、シャワー前室内をレーザ光で光走査し、当該レーザ光が室内の物体に当たって反射した位置(空間座標)を検出するLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)である。なお、空間スキャナ131は、LIDARに限らず、ToFセンサによって、シャワー前室内の物体の空間座標を
検出するものでもよい。
【0024】
空間スキャナ131は、シャワー前室141のうち、図2に示す破線L31から破線L32までの空間を検出対象としている。また、空間スキャナ131は、シャワー前室141のうち、図3に示す破線L33から破線L34までの空間を検出対象としている。図3において破線L33は、検出対象空間の上限を示し、破線L33は、検出対象とする空間の下限を示す。空間スキャナ131は、少なくとも検出対象空間においてユーザが存在している高さを示す情報(高さ情報)を検出する。
【0025】
扉19の側方端部には、利用者によって操作される錠91(図5)が設けられ、施錠時に前壁14Rの受け具(不図示)と係合して開扉を抑止する。なお、錠91は、操作するノブが扉19の室内側に設けられているため、施錠されている場合、室内に利用者が存在する、即ち利用中である。また、扉19には、錠91が施錠されているか否か、或は扉19が閉じられているか否かを検出する開閉センサ132が備えられている。
【0026】
撮影ユニット11は、異常が発生した場合に、室内を撮影し、撮影画像を異常通報装置44に提供する。即ち、撮影ユニット11は、通常時には撮影を行わず、異常の発生時のみ異常通報装置44の制御によって撮影を行う。撮影ユニット11は、各個室14の天井14Cに設けられ、主にシャワー前室141内を撮影する。
【0027】
シャワー室142は、出入り口以外の側面を囲む側壁14mと、出入り口を開閉する扉18とを備えている。扉18には、扉18が閉じられているか否かを検出する開閉センサ132が備えられている。扉18は、フレーム181に半透明な平板182が嵌められている。扉18は、左右二つに分かれたフレーム181が中央で蝶着された中折れ式のスライドドアである。扉18は、平板182が曇りガラスのように、表面形状等によって透明性(視認性)を有し且つ平板182の向こう側がボケて見える材料から構成されている。このため、シャワー前室141側からシャワー室142内のユーザが、動いているか、倒れているか等の状態が確認でき、シャワー室142内の撮影ユニット11により、シャワー室142内のユーザの状態を撮影できる。なお、平板182は、ユーザの状態が確認できる程度の透明性を有しているのが望ましいが、完全に透明、又は不透明であってもよい。
【0028】
開閉センサ132は、ユーザによって扉18が開閉されたことを検出するので、ユーザがシャワー室142を使用したタイミングを検出することができる。空間スキャナ131及び開閉センサ132,133は、個室14内に存在するユーザの状態を検出するための検出部13の一形態である。
【0029】
図6は、撮影ユニット11の構成を示す模式図である。撮影ユニット11は、筐体111内に、カメラ112や、ヒータ114、シャッター116、駆動部117を備えている。筐体111は、一部に開口115を備え、この開口115を開閉するシャッター116を備えている。シャッター116は、駆動部117によって駆動され、図6(A)に示すように開口115を塞いだ状態(閉状態)、又は図6(B)に示すように開口115から外れた状態(開状態)とされる。
【0030】
カメラ112は、撮影レンズ112Aを開口115側に向けて配置され、シャッター116が開いている場合に開口115を介してシャワー前室141内を撮影する。ヒータ114は、カメラ112の撮影レンズ112Aに取り付けられ、撮影レンズ112Aを温めることで撮影レンズ112Aの曇りを防止する。また、シャッター116の裏面には、ゴムやスポンジ等の弾性部材によって構成されたワイパー116Aが備えられ、シャッター116の開閉時には、ワイパー116Aが撮影レンズ112Aの室内側の表面を拭くように摺動移動する。このため、撮影レンズ112Aに水滴や汚れが付いた場合でもシャッター116の開閉動作により、撮影レンズ112A表面の汚れを拭きとることができる。な
お、管理サーバ2及び管理者端末3からシャッター116を開閉させる命令(制御信号)を異常通報装置44へ送ることで、シャッター116の開閉動作を行わせてもよい。なお、管理サーバ2及び管理者端末3からシャッター116を開閉させる命令は、異常が発生した場合にのみ有効とし、異常が発生していない場合は、この命令を無効とし、開閉動作を行わない。
【0031】
図7は、ユーザIF45の構成を示す図である。ユーザIF45は、ユーザに対して通知する手段、及び通知に対する応答等をユーザが異常通報装置44に対して入力する手段である。ユーザIF45は、例えば、操作部451、表示部452、スピーカ453、及びマイク454を有している。なお、ユーザIF45を検出部13の一形態とし、操作部451に対する操作やマイク454で取得したユーザに関する音を対象ブース内の人(ユーザ)の状態を検出するために用いてもよい。
【0032】
表示部452は、ユーザに対する問合せや警告等、異常通報装置44から受信した情報の表示を行う。スピーカ453は、操作部451を操作した際の操作音や、後述の警告に係る音、ユーザに対する音声メッセージ等を出力する。
【0033】
マイク454は、ユーザの音声や、ユーザが動いた際の音、ユーザが使用しているシャワーの音等を電気信号として異常通報装置44へ入力する。
【0034】
異常通報装置44は、検出部13やユーザIF45等と電気的に接続し、検出部13で検出した情報に基づいて、ユーザの状態を判定し、判定結果に基づいてユーザIF45を制御する。また、異常通報装置44は、ユーザの状態が異常と判定した場合、通報先の装置へ通報する。
【0035】
異常通報装置44は、例えば図8に示すように、制御部440や、補助記憶装置443、通信IF(Interface)444、入出力IF(Interface)445、通信バス446を備えたコンピュータである。
【0036】
制御部440は、異常判定部401、撮影制御部402、出力制御部403を備える。制御部440は、Central Processing Unit(CPU)441と、メインメモリ(主記憶装置)442とを有し、このメインメモリ442に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにしたがって、上記異常判定部401、撮影制御部402、出力制御部403、画像処理部404等の各部としての処理を実行する。CPU441は、MPU(Micro Processor Unit)、マイクロプロセッサ、プロセッサとも呼ばれる。CPU441は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU441がマルチコア構成を有していても良い。上記各部の少なくとも一部の処理は、CPU441以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われても良い。また、上記各部の少なくとも一部の処理は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路であっても良い。また、上記各部の少なくとも一部にアナログ回路が含まれても良い。集積回路は、LSI,Application Specific Integrated Circuit(ASIC),プログラマブルロジックデバイス(
PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。上
記各部は、プロセッサと集積回路との組み合わせであっても良い。組み合わせは、例えば、MCU(Micro Controller Unit),SoC(System-on-a-chip),システムLSI,
チップセットなどと呼ばれる。
【0037】
メインメモリ442は、CPU441が読み出したプログラムやデータのキャッシュや、CPUの作業領域として用いられる。メインメモリ442は、具体的には、RAM(Ra
ndom Access Memory)やROM(Read Only Memory)等である。
【0038】
補助記憶装置443は、CPU441により実行されるプログラムや、本実施の形態で用いる設定情報、条件テーブル471などを記憶する。補助記憶装置443は、具体的には、HDDやSSD、フラッシュメモリ等である。
【0039】
通信IF444は、他のコンピュータ装置との間でデータを送受信する。通信IF444は、具体的には、有線又は無線のネットワークカード等である。入出力IF445は、入出力装置と接続され、ユーザから入力を受け付けたり、ユーザへ情報を出力したりする。本実施形態の入出力IF445は、入出力装置としてユーザIF45と接続され、操作部451及びマイク454による入力を受けたり、表示部452への表示出力、スピーカ453への音出力を行ったりする。上記のような各構成要素が、通信バス446で接続されている。なお、これらの構成要素は複数設けられていても良いし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。
【0040】
異常通報装置44は、個室14毎に設けられていても良いが、複数の個室14に対して一つの異常通報装置44を設けて、複数の個室14の異常を一つの異常通報装置44で検出し、各個室14におけるユーザIF45の制御や管理サーバ2への通報を行う構成としても良い。
【0041】
異常判定部401は、検出部13による検出結果を所定のタイミングで取得し、当該検出結果に基づいて、異常が発生したか否かを判定する。例えば、異常判定部401は、検出部13による検出結果が異常の発生条件を満たしているか否かによって、異常の発生を判定する。図9は、異常の発生条件を格納した条件テーブル471の一例を示す図である。なお、図9においては、説明の便宜上、条件が自然言語で示されているが、これに限らず、異常判定部401によって判定可能な情報であればよい。例えば本実施形態では、異常判定部401の機能を提供するCPU441によって処理可能な命令やデータとして設定される。
【0042】
図9の条件1によれば、異常判定部401は、施錠状態で、空間スキャナ131が第一閾値未満の高さでユーザを検知し、第一閾値以上の高さでユーザを検出していない場合、ユーザが床に倒れている可能性があるため、異常と判定する。図9の条件2によれば、異常判定部401は、施錠状態で、第一閾値より高く設定した第二閾値以上の高さでユーザを検知し、第一閾値未満でユーザ者を検出していない場合、ユーザが側壁14Sを上っている或いはユーザが宙吊りになっている可能性があるため、異常と判定する。図9の条件3によれば、異常判定部401は、ユーザが入室した状態が所定時間(例えば50分)以上継続した場合、ユーザが急病等で助けを必要としている可能性があるため、異常と判定する。条件4によれば、異常判定部401は、開閉センサ132が開閉を検知せず、施錠状態が所定時間(例えば20分)以上継続した場合、ユーザがシャワー以外のことを行っている可能性があるため、異常と判定する。条件5によれば、ユーザに動きがない状態が所定時間(例えば50分)以上継続した場合、利用者が急病等で動けなくなっている可能性があるため、異常と判定する。また、異常判定部401は、マイク454で検出した音に基づいて異常を判定してもよい。例えば、空間スキャナ131によってユーザの高さが急に低くなったタイミングで閾値以上の大きな音(ユーザが倒れた音)を検出した場合に異常と判定する。また、マイク454で検出した音を音声認識し、ユーザのうめき声や、「助けて」「救急車」「苦しい」等、特定のワードを検出した場合に、異常と判定する。
【0043】
また、異常判定部401は、検出部13の検出結果に基づいて、異常のレベルを判定してもよい。例えば、条件テーブル471の条件毎に異常のレベルを設定しておき、異常判定部401は、検出部13による検出結果が異常の発生条件を満たしているか否かによっ
て、異常の発生と共に、そのレベルを判定する。図9の例では、レベルの数値が高い程、異常の程度が高く、レベルの数値が低い程、異常の程度が低く設定されている。
【0044】
撮影制御部402は、異常判定部401の判定結果に基づいて撮影ユニット11を制御し、異常が発生した場合に撮影を開始させる。例えば、撮影制御部402は、異常が発生していない状態であれば撮影ユニット11のシャッター116を閉じた状態、即ち撮影できない状態とし、異常が発生した場合にシャッター116を開けて撮影を開始させる。
【0045】
出力制御部403は、異常判定部401の判定結果に基づいて、異常が発生したと判定された場合に、当該異常の発生を示す通知をユーザIF45から出力させると共に、管理サーバへ通報する。出力制御部403は、撮影ユニット11で撮影した撮影画像を通報時の情報に含めて管理サーバ2へ送信する。また出力制御部403は、例えば「異常を検出しました。異常でない場合には取り消し操作を行ってください」のように、誤検知が否かを確認するメッセージをユーザIF45の表示部452に表示させる又はスピーカ453から音声出力させる。
【0046】
画像処理部404は、異常のレベルが低い場合と比べて、異常のレベルが高い場合に、前記通報先へ送信する画像の解像度を高くするように撮影画像を処理する。
【0047】
〈異常通報方法〉
図10は、各個室14の異常通報装置44が、異常を検出して警報を発する処理を示す図である。異常通報装置44は、周期的に或は所定のタイミングで図10の処理を繰り返し実行する。
【0048】
ステップS10にて、異常通報装置44は、検出部13により個室14内のユーザの状態を検出した結果を取得する。例えば、異常通報装置44は、空間スキャナ131で検出した結果を規定の状態(ユーザが入室していない状態)と比較し、既定の状態では存在していなかった物体を検出した場合に、この物体の位置情報をユーザの情報として検出する。この場合、物体の輪郭を抽出し、輪郭の形状や大きさによって人(ユーザ)と荷物(鞄等)とを区別してもよい。
【0049】
ステップS20にて、異常通報装置44は、ステップS10で検出した結果に基づいて、異常が発生したか否かを判定する。例えば、例えば、異常通報装置44は、ステップS10の検出結果が条件テーブル471の条件を満たしているか否かによって、異常の発生を判定する。ステップS20で否定判定であれば、図10の処理を終了し、肯定判定であればステップS30へ移行する。
【0050】
ステップS30にて、異常通報装置44は、ユーザIF45からユーザに対して、異常が検出されたことを通知し、誤検知であれば取り消し操作を行うように促す。
【0051】
ステップS40にて、異常通報装置44は、取り消し操作が行われたか否かを判定する。例えば、ユーザIF45の操作部451に対して取り消しボタンが押される等の取り消し操作が行われた場合、異常通報装置44は、肯定判定する。ステップS40で否定判定であれば、図10の処理を終了し、肯定判定であればステップS50へ移行する。
【0052】
ステップS50にて、異常通報装置44は、撮影ユニット11による撮影を開始させる。
【0053】
ステップS60にて、異常通報装置44は、ステップS10で判定した異常のレベルに応じて撮影画像の解像度を変更し、異常のレベルが高い場合には撮影画像の解像度を高く
し、異常のレベルが引く場合には解像度を低くする。
【0054】
なお、撮影画像の画像処理は、例えば、撮影画像の画素を所定の周期で間引くことによって画素数を少なくする。また、ユーザが写っている部分にモザイクをかけ、ユーザの身体が明瞭に視認できないようにする。なお、モザイクをかける場合、異常のレベルに応じて、モザイクをかける範囲やモザイクの粗さを変更してもよい。また、ユーザの頭、上肢、上体、下体、下肢等、身体のパーツをそれぞれ図形に置き換えた画像にする。図形に置き換える場合、異常のレベルに応じて、図形に置き換えるパーツや図形の抽象度を変更してもよい。なお、異常のレベルを複数段階に判定する場合、異常のレベルが最も高い場合には解像度を低下させる画像処理を行わず、異常のレベルが低い場合に解像度を低下させる画像処理を行うようにしてもよい。また、ステップS10で異常のレベルを判定しない場合は、ステップS60を省略してもよい。
【0055】
ステップS70にて、異常通報装置44は、異常が発生した個室の識別情報等と共に、撮影画像を管理サーバ2又は管理者端末3へ送信する。
【0056】
このように本実施形態によれば、異常が発生した場合にのみ個室内の画像を撮影し、異常が発生していない場合には撮影を行わないので、ユーザのプライバシーを確保し、且つ異常が発生した場合には、その状況を画像で伝えられるようにしている。
【0057】
また、本実施形態によれば、異常発生時、異常のレベルが高い場合にだけ解像度が高くなるように画像処理し、必要以上に鮮明に撮影を行わないようにして、ユーザのプライバシーを確保している。更に、本実施形態によれば、異常が発生した場合にのみ撮影ユニット11のシャッター116を開き、異常が発生していない場合にはシャッター116を閉じているので、シャワーの湯気が撮影レンズ112Aで結露し、撮影レンズ112Aにカビが生えるといった問題を防止できる。
【0058】
〈変形例1〉
前述の実施形態では、シャワー前室141に空間スキャナ131及び撮影ユニット11を設けたが、これに限らず、シャワー室142内に空間スキャナ131及び撮影ユニット11を設けてもよい。図11は、変形例1の構成を示す図である。図11に示すように、本変形例では、シャワー室142内に空間スキャナ131及び撮影ユニット11を設け、シャワー室142内でユーザの存在を検出すると共に、異常が発生した場合にシャワー室142内を撮影する。なお、この他の構成は前述の実施形態と同じである。
【0059】
本変形例によれば、シャワー室142内でのユーザの情報を検出でき、異常の発生の有無を精度良く判定できる。また、本変形例によれば、異常が発生した場合に、シャワー室142内の状況を画像で通常先へ伝えることができる。
【0060】
〈変形例2〉
前述の実施形態では、一つの空間スキャナ131でユーザを検出したが、これに限らず、高さ方向に検出対象範囲(検出範囲)を異ならせた複数の空間スキャナ131でユーザを検出してもよい。図12は、変形例2の構成を示す図である。図12に示すように、本変形例では、複数の空間スキャナ131を備え、高さの異なる検出対象範囲毎にユーザの存在を検出している。この場合、空間スキャナ131に代え、人感センサによってユーザの存在を検出してもよい。なお、この他の構成は前述の実施形態と同じである。また、図11に示す変形例1においてもシャワー室142内の空間スキャナ131を高さ方向に複数設け、高さの異なる検出対象範囲毎にユーザの存在を検出してもよい。
【0061】
本変形例によれば、ユーザの高さ情報を詳細に検出することができ、精度良くユーザの
状態を判定することができる。
【0062】
〈その他〉
本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記事項を組み合わせて用いても良い。また、上記実施形態では、個室14を対象ブースとした例を示したが、これに限らず、対象ブースは、シャワーブースや更衣室、フィッティングルーム、カプセルホテル等、利用者のプライバシーを確保するため、使用時の撮影が行えない場所であれば良い。
【符号の説明】
【0063】
1 :シャワー設備
2 :管理サーバ
3 :管理者端末
5 :通信回線
10 :シャワー施設
11 :撮影ユニット
13 :検出部
14 :個室
14C :天井
14R :前壁
14S :側壁
14m :側壁
18 :扉
19 :扉
44 :異常通報装置
45 :ユーザIF
100 :異常通報システム
111 :筐体
112 :カメラ
114 :ヒータ
115 :開口
116 :シャッター
117 :駆動部
131 :空間スキャナ
132 :開閉センサ
133 :開閉センサ
141 :シャワー前室
142 :シャワー室
401 :異常判定部
402 :撮影制御部
403 :出力制御部
404 :画像処理部
440 :制御部
図1
図2
図3
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図5
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図10
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図12