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  • 特開-包装用容器の容器本体又は蓋体 図1
  • 特開-包装用容器の容器本体又は蓋体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102707
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】包装用容器の容器本体又は蓋体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20220630BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20220630BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
B65D77/20 C
B65D43/08
B65D51/24 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217595
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 修嗣
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 眞樹
(72)【発明者】
【氏名】寺西 誠
【テーマコード(参考)】
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067AB09
3E067AB13
3E067BA10A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB17A
3E067BB25A
3E067BC02A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067CA07
3E067EA17
3E067EA32
3E067EB27
3E067EE02
3E067EE08
3E067FC01
3E067GA01
3E067GD01
3E067GD02
3E067GD09
3E084AA06
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084AB10
3E084CA10
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC03
3E084DC04
3E084DC05
3E084FA09
3E084FC04
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB12
3E084JA19
(57)【要約】
【課題】訴求力があって消費者の目に留まりやすく、思わず注目してしまう包装用容器の容器本体又は蓋体を提供する。
【解決手段】容器本体1は、周囲にフランジ部13を有する平面視多角形状であって、各辺のフランジ部13の上面13aを、周方向に傾斜する傾斜面状に形成し、各辺のフランジ部13を、段差部4を介して接続させ、フランジ部13の外縁部に下方に向くスカート部5を形成し、その下端部をフランジ部13の外縁部よりも外側に位置させ、フランジ部13の外縁部の外周形状とスカート部5の下端部の外周形状とを所定角度で回転させた回転対称状に形成したことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲にフランジ部を有する平面視多角形状の包装用容器の容器本体又は蓋体であって、
該容器本体又は該蓋体の各辺のフランジ部上面を、該容器本体又は該蓋体の周方向に傾斜する傾斜面状に形成し、該各辺のフランジ部を、段差部を介して接続させ、
該フランジ部の外縁部に下方に向くスカート部を形成し、該スカート部の下端部を該フランジ部の外縁部よりも外側に位置させ、該フランジ部の外縁部の外周形状と該スカート部の下端部の外周形状とを所定角度で回転させた回転対称状に形成した、
包装用容器の容器本体又は蓋体。
【請求項2】
前記各辺のフランジ部上面を一端部から他端部に向かい所定角度で傾斜する傾斜平面状とした請求項1に記載の包装用容器の容器本体又は蓋体。
【請求項3】
前記各辺のフランジ部上面を、該容器本体又は該蓋体の周方向に同じ向きに傾斜する傾斜面状とした請求項1又は2に記載の包装用容器の容器本体又は蓋体。
【請求項4】
前記フランジ部上面に該容器本体又は該蓋体の周方向に沿う凸条又は凹溝を形成した請求項1~3のいずれかに記載の包装用容器の容器本体又は蓋体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の前記容器本体に、請求項1~4のいずれかに記載の前記蓋体を被せた包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費者への訴求力がある包装用容器の容器本体又は蓋体に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店などの小売店では、お弁当、お惣菜、お寿司、カットフルーツなどが薄肉の合成樹脂(プラスチック)シートからなる容器に収容されて販売されていることがよく見かけられる。
従来では、このような容器は、単に包装として用いられ、収容物を収容して持ち運ぶために使用されるものであった。
【0003】
しかし、最近では各小売店でのお総菜やお弁当売り場は充実し、低価格で美味しいものが数多あるため、消費者はどれを選択するか迷うところである。選択してもらうには容器も工夫し、消費者の目に留まる工夫を施すことも一案である。
【0004】
そこで、例えば、下記特許文献1~2には、消費者の目に留まる工夫を施した容器が開示されている。
下記特許文献1には、『収納部を有する容器本体と、これに嵌合または載置される蓋体とを、合成樹脂シートの真空または圧空成形によって形成するようにした包装用容器であって、前記合成樹脂シートを部分的に凹ませるか突出させることにより、前記蓋体のフランジ部の全体に、互いに独立した小突起を多数形成して、これら各小突起により光を乱反射させ得るようにしたことを特徴とする包装用容器』が開示され、収納したサラダやカットフルーツといった商品に豪華さを与えることのできるようにしてある。
【0005】
下記特許文献2には、『左右方向を長手方向とする容器本体を備え、 前記容器本体は、内容物の載置部の周縁に設けられたフランジ部を少なくとも有し、前記フランジ部は、前記載置部を挟んで点対称に配置された一対の視線誘導部を有し、前記視線誘導部は、前記容器本体の長手方向に対して前記フランジ部の左上及び右下に位置することを特徴とする包装用容器』が開示され、消費者の購買意欲を向上させる商品の最適な配列効果を引き立てることができるようにしてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-254756号公報
【特許文献2】特開2018-131218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示された容器は、小突起が光を乱反射させて商品に豪華さを与えるものであるが、光の入射方向によっては反射しにくい場合もあり、また薄暗い場所では効果を発揮しにくいといえ、あらゆる場所で商品に豪華さを与えるものとはいえなかった。
上記特許文献2に開示された容器は、視線誘導部を設け、その付近に盛り付けた収容物により購買意欲を刺激するものであり、容器自体により購買意欲を刺激するものではなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、訴求力があって消費者の目に留まりやすく、思わず注目してしまう包装用容器の容器本体又は蓋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態の包装用容器の容器本体又は蓋体は、周囲にフランジ部を有する平面視多角形状の包装用容器の容器本体又は蓋体であって、容器本体又は蓋体の各辺のフランジ部上面を、容器本体又は蓋体の周方向に傾斜する傾斜面状に形成し、各辺のフランジ部を、段差部を介して接続させ、フランジ部の外縁部に下方に向くスカート部を形成し、スカート部の下端部をフランジ部の外縁部よりも外側に位置させ、フランジ部の外縁部の外周形状とスカート部の下端部の外周形状とを所定角度で回転させた回転対称状に形成したことを特徴とする。
【0010】
上記形態の包装用容器の容器本体又は蓋体は、各辺のフランジ部上面を傾斜面状にして段差部を設けて接続することにより、フランジ部が三次元的な形状になり、従来にはない視覚的効果を発揮し、消費者の目に留まりやすくなる。また、フランジ部の外縁部の外周形状とスカート部の下端部の外周形状とを回転対称状に形成して、あえてアンバランスに見せることにより、消費者の目に留まりやすく、思わず注目してしまう容器本体又は蓋体となる。
【0011】
上記形態の包装用容器の容器本体又は蓋体において、各辺のフランジ部上面を一端部から他端部に向かい所定角度で傾斜する傾斜面状とするのが好ましく、また、各辺のフランジ部上面を、容器本体又は蓋体の周方向に同じ向きに傾斜する傾斜面状とするのが好ましい。
このようにすることにより、上方のみからならず斜め方向から視ても変化が目に付きやすく、目に留まりやすくなるため、訴求力のある容器本体又は蓋体となる。
【0012】
上記形態の包装用容器において、フランジ部上面に容器本体又は蓋体の周方向に沿う凸条又は凹溝を形成することが好ましい。
このようにすることにより、フランジ部上面に変化があるため訴求力が増すとともにフランジ部の強化になり容器本体又は蓋体の剛性を向上させることができる。
【0013】
上記形態の包装用容器の容器本体又は蓋体は、どちらか一方を上記構成にすればよいが、両方を上記構成にし、その蓋体をその容器本体に被せる包装用容器にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の包装用容器の容器本体又は蓋体それぞれの一実施形態を示し、容器本体と蓋体を分離した状態の斜視図である。
図2図1の容器本体又は蓋体を示し、容器本体と蓋体とを分離した状態での正面図である。
図3図1の容器本体の平面図である。
図4図1の容器本体を示し、(A)は平面図であり、(B)はフランジ部上面の外縁部の外周形状及びスカート部の下端部の外周形状を仮想的に示した図である。
図5図1の蓋体の平面図である。
図6図1の蓋体において、フランジ部上面の外縁部の外周形状及びスカート部の下端部の外周形状を仮想的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の包装用容器の容器本体又は蓋体の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
本発明の一実施形態の包装用容器の容器本体1を図1図3に示す。
容器本体1は、内部に収容物を収容する浅鉢状であり、平面視において、横長長方形状に形成した薄型扁平状としてある。特に限定するものではないが、長さ200mm×130mm×高さ25mm程度の大きさにするのが好ましい。収容物としては、例えば、お惣菜、お寿司などの食料品を挙げることができる。
容器本体1の形状は、上記形状に限定されるものではなく、様々な形状をとることができ、例えば、平面視三角形、正方形・台形・平行四辺形などの四角形、五角形、六角形や八角形などの平面視多角形状などにしてもよい。また、深鉢状、カップ状やボール状に形成してもよい。
【0017】
容器本体1は、より詳しく説明すると、図1図3に示すように、平面視横長長方形状の底面部11と、底面部11の外縁から立ち上がる周壁面部12と、周壁面部12の上端部から容器本体1の外方に張り出す本体フランジ部13と、本体フランジ部13の外縁部から下方に延びる本体スカート部5と、を備える。
【0018】
底面部11は、平面視横長長方形状の水平面状をなす載置面11aとその周囲の凹溝部11bとを備える。
載置面11aの面上には、僅かに凹ませた小溝部11cが設けてあり、載置面11aの面上に載せた収容物をずれにくくするとともに収容物の位置決めがしやすくしてある。小溝部11cは、本実施形態では、図3に示すように、約45°の斜めに並行して四条設けるとともに底面部11の幅方向の中心線上に一条設けてある。
【0019】
底面部11の周囲には、溝状に下方に凹ませた凹溝部11bが設けてあり、食料品などを収容したときに滲出してきた水分などを貯めておくことができる。凹溝部11bの四隅付近は下方にさらに凹ませ、下方に平面視L字状に突き出す脚部11dが設けてある。脚部11d間の凹溝部11b面上には、容器周方向に延びる並行状に配した筋状突起11eが設けてあり、容器本体1の剛性を高めることができる。
載置面11aの外縁には、断面逆U字状に突き出た微小凸部11fが設けてあり、収容物が載置面11aからはみ出しにくいようにしてある。
【0020】
周壁面部12は、底面部11の周縁から上方に立ち上がり、底面部11とで食料品などを収容する収容部を形成する。
周壁面部12は、上方に向かい拡がる傾斜面状に形成し、各面の一本の対角線を境にして傾斜角度が変わる傾斜面状とし、下側の傾斜面は略垂直面状にし、その上側の傾斜面が緩やかな傾斜になるようにしてある。
【0021】
本体フランジ部13は、周壁面部12の上端部から容器本体1の外方に張り出すように形成し、各辺の本体フランジ部13の上面13aを、容器本体1の周方向に傾斜する傾斜面状に形成してある。本実施形態では、図2に示すように、正面において、左端部から右端部に向かい上方傾斜するようにしてある。そして、各辺の本体フランジ部13を、段差部4を介して接続させ、本体フランジ部13の上面13aが、平面状ではなく三次元の立体状になるようにしてある。
【0022】
各辺の本体フランジ部13の上面13aを、本実施形態では、一端部から他端部に向かい所定角度で傾斜する傾斜平面状としてある。上面13aは、傾斜面状に形成してあればよく、例えば、凸曲面状、凹曲面状や階段状などに形成してもよく、途中で傾斜角度が変わるようにしてもよい。
また、各辺の本体フランジ部13の上面13aを、容器本体1の周方向に同じ向きに傾斜する傾斜面状とするのが好ましく、例えば、図3に示すように、各辺の本体フランジ部13の上面13aを、矢印の方向に上方傾斜する傾斜平面とし、各辺の本体フランジ部13を、段差部4を介して接続するのが好ましい。
【0023】
段差部4は、各辺の本体フランジ部13の上面13aを繋ぐ箇所であり、傾斜面又は垂直面などとして形成してある。
【0024】
本体フランジ部13の上面13aには、容器本体1の周方向に沿う凹溝13bが形成してある。凹溝13bは、本実施形態では三条を並行に配して形成してあり、これにより容器本体1の剛性を高めることができる。凹溝13bは凸条としてもよい。
【0025】
本体フランジ部13の外縁部には、下方に向く本体スカート部5が形成してある。
本体スカート部5は、下方に傾斜する傾斜平面状とし、本体スカート部5の下端部が本体フランジ部13の外縁部よりも外側に位置するようにしてある。本体スカート部5は、その下端部が本体フランジ部13の外縁部よりも外側に位置し、本体フランジ部13の外縁部よりも一回り大きい相似形状にしてある。また、その断面形状は、いずれの形状でもよく、例えば、凸曲面状、凹曲面状や階段状にしてもよい。
【0026】
本体スカート部5の下端部の外周形状は、本体フランジ部13の外縁部の外周形状を所定角度で回転させた回転対称状に形成してある。例えば、図4に示すように、本体スカート部5の下端部の外周形状Xは、本体フランジ部13の外縁部の外周形状Yに対し、0.25°≦θ≦2°の範囲内になるようにするのが好ましい。より好ましくは、0.5°≦θ≦1.75°、特に好ましくは0.75°≦θ≦1.5°、さらに好ましくは1°≦θ≦1.5°である。このようにあえてアンバランスにすることにより、消費者への訴求力を向上させることができる。θ<0.25°であると変化が分かりづらく消費者への訴求力が上がらず、また、θ>2°であると容器本体1の外周形状が大きくなり過ぎ陳列スペースの占有率が大きくなってしまう。
【0027】
次に、本発明の一実施形態の包装用容器の蓋体2を図1図2又は図5に示す。
蓋体2は、横長直方体状としてあり、特に限定するものではないが、長さ200mm×130mm×高さ40mm程度の大きさにするのが好ましい。
蓋体2の形状は、上記形状に限定されるものではなく、様々な形状をとることができ、例えば、平面視三角形、正方形・台形・平行四辺形などの四角形、五角形、六角形や八角形などの平面視多角形状などにしてもよい。また、厚みのない平板状、厚みのある嵩高状やドーム状にしてもよい。
【0028】
蓋体2は、より詳しく説明すると、図1図2又は図5に示すように、天面部21と、天面部21の外縁から下方に向く周壁面部22と、周壁面部22の下端部から蓋体2の外方に張り出す蓋体フランジ部23と、蓋体フランジ部23の外縁部から下方に延びる蓋体スカート部7と、を備える。
【0029】
天面部21は、平面視横長丸隅長方形状の水平面状としてある。
【0030】
周壁面部22は、天面部21の周縁から下方に傾斜する傾斜平面としてあり、天面部21と周壁面部22との境界は微小半径のR状に形成してある。
【0031】
蓋体フランジ部23は、周壁面部22の下端部から蓋体2の外方に張り出すように形成し、各辺の蓋体フランジ部23の上面23aを、蓋体2の周方向に傾斜する傾斜面状に形成してある。本実施形態では、図2に示すように、正面において、左端部から右端部に向かい上方傾斜するようにしてある。そして、各辺の蓋体フランジ部23を、段差部6を介して接続させ、蓋体フランジ部23の上面23aが、平面状ではなく、高さ方向にも変化のある三次元の立体状になるようにしてある。
【0032】
各辺の蓋体フランジ部23の上面23aを、本実施形態では、一端部から他端部に向かい所定角度で傾斜する傾斜平面状としてある。上面23aは、傾斜面状に形成してあればよく、例えば、凸曲面状、凹曲面状や階段状などに形成してもよく、途中で傾斜角度が変わるようにしてもよい。
また、各辺の蓋体フランジ部23の上面23aを、蓋体2の周方向に同じ向きに傾斜する傾斜面状とするのが好ましく、例えば、図5に示すように、各辺の蓋体フランジ部23の上面23aを、矢印の方向に上方傾斜する傾斜平面とし、各辺の蓋体フランジ部23を、段差部6を介して接続するのが好ましい。
【0033】
段差部6は、各辺の蓋体フランジ部23の上面23aを繋ぐ箇所であり、傾斜面又は垂直面などとして形成してある。
【0034】
蓋体フランジ部23の上面23aには、蓋体2の周方向に沿う凹溝23bが形成してある。凹溝23bは、本実施形態では三条を並行に配して形成してあり、これにより蓋体2の剛性を高めることができる。凹溝23bは凸条としてもよい。
【0035】
蓋体フランジ部23の外縁部には、下方に向く蓋体スカート部7が形成してある。
蓋体スカート部7は、下方に傾斜乃至垂下する傾斜平面状乃至垂下面状とし、蓋体スカート部7の下端部が蓋体フランジ部23の外縁部よりも外側に位置するようにしてある。蓋体スカート部7は、その下端部が蓋体フランジ部23の外縁部よりも外側に位置し、蓋体フランジ部23の外縁部よりも一回り大きい相似形状としてある。また、その断面形状は、いずれの形状でもよく、例えば、凸曲面状、凹曲面状や階段状にしてもよい。
【0036】
蓋体スカート部7の下端部の外周形状は、蓋体フランジ部23の外縁部の外周形状を所定角度で回転させた回転対称状に形成してある。例えば、図6に示すように、蓋体スカート部7の下端部の外周形状Zは、蓋体フランジ部23の外縁部の外周形状Wに対し、0.25°≦θ≦2°の範囲内になるようにするのが好ましい。より好ましくは、0.5°≦θ≦1.75°、特に好ましくは0.75°≦θ≦1.5°、さらに好ましくは1°≦θ≦1.5°である。このようにあえてアンバランスにすることにより、消費者への訴求力を向上させることができる。θ<0.25°であると変化が分かりづらく消費者への訴求力が上がらず、また、θ>2°であると容器本体1の外周形状が大きくなり過ぎ陳列スペースの占有率が大きくなってしまう。
【0037】
蓋体2は、容器本体1に被せることができるようにしてある。つまり、蓋体フランジ部23及び蓋体スカート部7が、本体フランジ部13及び本体スカート部5に沿う対応する形状としてあり、蓋体2を容器本体1に被せて包装用容器9になるようにしてある。
【0038】
蓋体スカート部7の下端部付近に、蓋体2の内側に向かい突き出る係合部8が設けてあり、本体スカート部5の下端部に係り、蓋体2が容器本体1に外嵌合するようにしてある。
係合部8は、蓋体2の周方向に間隔をおいて適宜長さで形成してある。係合部8は設けなくてもよく、蓋体2を容器本体1に被せてセロハンテープやステープラで固定するようにしてもよい。
【0039】
容器本体1に、蓋体2とは別の蓋体を被せて包装用容器にしてもよい。この蓋体は蓋体フランジ部23及び蓋体スカート部7の構成を備えてなくてもよい。
また、蓋体2を、容器本体1とは別の容器本体に被せて包装用容器にしてもよい。この容器本体は本体フランジ部13及び本体スカート部5の構成を備えてなくてもよい。
容器本体1、蓋体2のいずれかを用いた包装用容器とした場合には、閉蓋構造は、外嵌合、内嵌合、内外嵌合のいずれかの嵌合構造にするのが好ましく、単に被せてセロハンテープやステープラで固定するようにしてもよい。
【0040】
以下、容器本体1及び蓋体2の製造方法の一例を説明する。
容器本体1及び蓋体2は、特に限定するものではないが、合成樹脂シートを熱成形して製造することができる。合成樹脂シートは、薄肉の非発泡樹脂シート、薄肉の発泡樹脂シートのいずれでもよいが、非発泡樹脂シートが好ましい。
非発泡樹脂シートの場合には、具体的には、厚みが0.1mm~2.0mmの範囲内、特に0.2mm~1.2mmの範囲内のシートを用いるのが好ましい。
発泡樹脂シートの場合には、厚みが0.5mm~4.0mmの範囲内、特に0.7mm~2.2mmの範囲内のシートを用いるのが好ましい。また、発泡樹脂シートの場合には、発泡倍率を1.05倍~20.0倍、特に1.5倍~15.0倍にするのが好ましい。
【0041】
非発泡樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂シート・ポリプロピレン系樹脂シートなどのポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート系樹脂シート・耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどのポリエステル系樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートを用いることができる。また、電子レンジの加熱に耐え得るもの、例えば、耐熱性ポリスチレン系樹脂シート、ポリプロピレン系樹脂シート、耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートを用いてもよい。
【0042】
発泡樹脂シートとしては、例えば、発泡ポリオレフィン系樹脂シート、発泡ポリスチレン系樹脂シート、発泡ポリエチレンテレフタレートなどの発泡ポリエステル系樹脂シートを用いることができる。
合成樹脂シートを積層した積層シートを用いることもでき、積層シートとしては、例えば、非発泡樹脂シート又は発泡樹脂シートに樹脂フィルムを熱ラミネートした積層シート、共押出法による積層シート、押出ラミネート法による積層シートなどを挙げることができる。
【0043】
非発泡樹脂シート、発泡樹脂シート及び積層シートとして、バイオマスプラスチックを用いてもよい。
バイオマスプラスチックとは、原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み,化学的又は生物学的に合成することにより得られる高分子材料をいう。バイオマスプラスチックは、石油由来の樹脂と比して、大気中への二酸化炭素の排出量を抑えることができ、環境への負荷を低減できる。
バイオマスプラスチックとしては、例えば、ポリ乳酸樹脂、バイオマスポリエチレン、バイオマスポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0044】
熱成形としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱板成形などを挙げることができる。
【0045】
容器本体1及び蓋体2は、黒色や白色などの有色でもよいが、内部が視認できるように透明乃至半透明であることが好ましく、特に、蓋体2は透明乃至半透明、容器本体1は黒色などの非透明が好ましい。また、容器本体1及び蓋体2の表面に、透明乃至半透明の場合は視認性を妨げない程度に、文字、絵柄などの印刷や刻印を施してもよく、補強のためのリブを適宜位置に設けることや滑り止めのためのシボ加工を施してもよい。
容器本体1及び蓋体2に、立方体乃至直方体状などに膨出させたスタック用突起を設けることもできる。また、容器本体1及び蓋体2をヒンジ部で一体的に連結した、いわゆるフードパックにしてもよい。
【0046】
以下、容器本体1及び蓋体2を用いた包装用容器9の使用方法の一例を説明する。
包装用容器9は、例えば、容器本体1の収容部に食料品などの収容物を収容し、図1に示すように、蓋体2を容器本体1の上方から載せ、上側から押圧し、係合部8を嵌合させ、蓋体2を容器本体1に被せて使用することができる。
【0047】
包装用容器9は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売店の店頭に陳列することができ、陳列棚などに載せ置くことにより、フランジ部13,23が三次元的な立体形状になっているため、従来にはない視覚的効果を発揮し、消費者の目に留まりやすくなる。また、フランジ部13,23の外縁部の外周形状とスカート部5,7の下端部の外周形状とを回転対称状に形成してあるため、アンバランスに見せることにより錯覚を起こし、消費者の目に留まりやすく、思わず注目してしまうものとなる。
【0048】
包装用容器9に、フランジ部13,23の上面13a,23aに、容器本体1又は蓋体2の周方向に沿う凹溝13b,23b(又は凸条)を形成することにより、フランジ部13,23の上面13a,23aに変化があるため消費者への訴求力が増すだけでなく、フランジ部13,23が補強されて包装用容器9の剛性を向上させることができるため、包装用容器9のフランジ部13,23を摘み持ち上げたとしても変形しにくいものになる。
【0049】
包装用容器9は、蓋体スカート部7の下端部を外側に引きながらを上方に上げ、係合部8の嵌合を解除して蓋体2を外し、開封することができる。
【0050】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にする限り変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。
【符号の説明】
【0051】
1 容器本体
11 底面部
11a 載置面
11b 凹溝部
11c 小溝部
11d 脚部
11e 筋状突起
11f 微小凸部
12 周壁面部
13 本体フランジ部
13a 上面
13b 凹溝
2 蓋体
21 天面部
22 周壁面部
23 蓋体フランジ部
23a 上面
23b 凹溝
4 段差部
5 本体スカート部
6 段差部
7 蓋体スカート部
8 係合部
9 包装用容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6