(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102744
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】水の処理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20060101AFI20220630BHJP
B01J 3/00 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
C02F1/68 540Z
C02F1/68 510B
C02F1/68 510Z
C02F1/68 540D
B01J3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217657
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】520441187
【氏名又は名称】株式会社せばた集団
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】杉原 淳
(72)【発明者】
【氏名】瀬端 啓一
(57)【要約】
【課題】クラスターが小さい水を簡便に得ることができる水の処理方法を提供する。
【解決手段】海水、湖水、水道水、ミネラルウォーター、炭酸水、アルカリイオン水、RO水、精製水または海洋深層水の中から選ばれる少なくとも一つの水に、300MPaを超える圧力を10分以上加える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に、300MPaを超える圧力を10分以上加える加圧工程を備える
水の処理方法。
【請求項2】
前記加圧工程は、水に、300MPa超500MPa以下の圧力を加える工程である
請求項1に記載の水の処理方法。
【請求項3】
前記加圧工程は、水に、前記圧力を1時間以上2時間以下加える工程である
請求項1または請求項2に記載の水の処理方法。
【請求項4】
前記水は、海水、湖水、水道水、ミネラルウォーター、炭酸水、アルカリイオン水、RO水、精製水または海洋深層水の中から選ばれる少なくとも一つである
請求項1、請求項2または請求項3に記載の水の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水の処理方法に関する。詳しくは、例えば飲用して人体に良い影響を与える水が得られる、水の処理方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に水は、複数の水分子が互いに水素結合して、「クラスター」と呼ばれる集団を形成している。
そして、水分子同士の水素結合が何らかの方法で切断されて、クラスターにおける水分子の数が小さい、すなわちクラスターが小さい水が得られる。
【0003】
クラスターが小さい水を飲用すると、人体の代謝機能が改善されることが知られており、クラスターが小さい水を得るため、様々な技術が提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、クラスターが小さい水を得るために、水の中に遠赤外線放射率の極めて高いセラミックを、水の重量に対して10%以上の重量比となるように浸漬し、水に対して第1種アースが接続された電極を入れ、この状態で、一定時間放置する水の処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、遠赤外線放射率の極めて高いセラミックを用意しなければならず、もっと簡便にクラスターが小さい水を得ることができる方法が望まれていた。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、クラスターが小さい水を簡便に得ることができる水の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の水の処理方法は、水に、300MPaを超える圧力を10分以上加える加圧工程を備える。
【0009】
ここで、水に、300MPaを超える圧力を10分以上加える加圧工程によって、水分子同士の水素結合が切れて、分子でもイオンでもない仮想粒子(インフォトン)が生成されているので、ふたたび複数の水分子同士が水素結合した元の水には戻らない。
【0010】
この仮想粒子は、分子でもイオンでもないプラズマ状態となり、自由電子(エレクトン)と陽子(プロトン)を持つ。自由電子はオシレーション(振動)やスピンによる弱いエネルギーを放射して他の物質を活性化する。
【0011】
また、本発明の水の処理方法において、加圧工程は、水に、300MPa超500MPa以下の圧力を加える工程である構成とすることができる。
【0012】
この場合、効率よく仮想粒子を生成できる。
【0013】
また、本発明の水の処理方法において、加圧工程は、水に、圧力を1時間以上2時間以下加える工程である構成とすることができる。
【0014】
この場合、効率よく仮想粒子を生成できる。
【0015】
また、本発明の水の処理方法において、水は、海水、湖水、水道水、ミネラルウォーター、炭酸水、アルカリイオン水、RO水、精製水または海洋深層水の中から選ばれる少なくとも一つである構成とすることができる。
【0016】
この場合、様々な水を、仮想粒子が生成された処理後の水へと変えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る水の処理方法によって、クラスターが小さい水を簡便に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明を適用した水の処理方法によって生成した仮想粒子とセシウム核との間のポテンシャルの概念図である。
【
図2】本発明を適用した水の処理方法によって生成した仮想粒子、及び普通の水がそれぞれセシウム核へ近づく様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の水の処理方法は、水に、300MPaを超える圧力、具体的には例えば300MPa超500MPa以下の圧力を、10分以上、具体的には例えば1時間以上2時間以下加える加圧工程を備える。
【0020】
また、圧力を加えられる水は、水分子を含んだものであればどのようなものでもよく、例えば、海水、湖水、水道水、ミネラルウォーター、炭酸水、アルカリイオン水、RO水、精製水または海洋深層水の中から選ばれる少なくとも一つである。
【0021】
ここで、「RO水」とは、RO(=Reverse Osmosis:逆浸透)膜を通して不純物を除去された水である。
【0022】
本発明の水の処理方法において水に圧力を加える場合、例えば、300MPaを超える圧力を水に加えることができる加圧機構を備える装置を用いて、水に300MPaを超える圧力を加える。
【0023】
すなわち、例えば、水槽に密閉状態で満たされた水に、圧縮空気供給源から圧縮空気を水槽内の水に送り込み、圧縮空気の圧力により、水槽内の水に圧力を加える。
水槽は密閉状態であるので、パスカルの原理により水槽内の水全体にその圧力を加えることができる。
【0024】
本発明の水の処理方法で処理された処理後の水は、水分子同士の水素結合が切れて、分子でもイオンでもない仮想粒子(インフォトン)が生成されており、処理後の水は、処理後の水全量基準で90質量%以上の仮想粒子を含む。
そして、処理後の水は、動植物のタンパク質であるアクアポリンを通過できるほど、物理的な大きさが小さい。
【0025】
従って、本発明の水の処理方法で処理された処理後の水は、細胞に浸透し易く細胞を活性化し、老化防止につながる作用を有する。
また、本発明の水の処理方法で処理された処理後の水は、このように物理的な大きさが小さいので、洗浄効果及び剥離効果が増える。
このようなことから、本発明の水の処理方法で処理された処理後の水は、飲用や、塗布や、散布などによって様々な良い効果をもたらすと考えられる。
【0026】
また、分子でもイオンでもない仮想粒子はプラズマ状態となり、自由電子(エレクトン)と陽子(プロトン)を持ち、「H+~e-」として表される。
また、自由電子はオシレーション(振動)とスピンによる弱いエネルギーを発生させて他の物質を活性化し、エネルギーを伝達し得る物質となる。
また、仮想粒子の自由電子はオシレーション(振動)とスピンによって、光電磁波に近い横波成分とマイクロ波に近い縦波成分の両方を放射し、その弱いエネルギーはタンパク質に作用する。
【0027】
また、仮想粒子の自由電子と陽子によって、還元作用、防錆作用、燃焼効率改善作用、NOX処理作用、CO2削減作用、及び生体の酸化防止作用を発揮する。
【0028】
また、仮想粒子は、互いに水素結合した水分子同士の形態に戻らない。
【0029】
また、仮想粒子自身が放射性物質の放射エネルギーを受けて放射性物質の核に作用し無害化すると共に、放射性物質の半減期及び減衰時間を早くすることができる。
【0030】
図1は、本発明を適用した水の処理方法によって生成した仮想粒子とセシウム核との間のポテンシャルの概念図である。
図1において、「Κ(p)」は「ガウス曲線」を示し、「L
p(r)」は「測地線の長さ」を示し、「r」は「セシウム核と仮想粒子(H
+~e
-)の間の距離」を示す。
また、
図1は、鞍型ポテンシャルとして定義された、(x、y、z)座標におけるガウス曲線を示しており、ここで、セシウム原子が高いポテンシャルに存在し、仮想粒子(H
+~e
-)がこれより低いポテンシャルに存在している。
【0031】
セシウム(Cs)原子が放射能を出しながら作っているポテンシャル(エネルギーの様子)は、鞍型を作っていると仮定する。
Κ(p)すなわちガウス曲線は、鞍型ポテンシャルの一部をこの曲線で近似する。
【0032】
一例を挙げると、セシウム濃度が高い土壌の中へ、本発明の水の処理方法で処理された処理後の水を入れる。
そうすると、処理後の水の中の低いエネルギーの仮想粒子(H+~e-)が、高いエネルギーのセシウム原子へ近づき、仮想粒子はセシウム原子から放射線のエネルギーをもらい、運動エネルギーを大きくし、セシウム原子の高いところへ上っていく。
そして仮想粒子(H+~e-)は、セシウム核と反応する。
【0033】
図2は、本発明を適用した水の処理方法によって生成した仮想粒子、及び普通の水がそれぞれセシウム核へ近づく様子を示す概略図である。
図2において、太い矢印が、近づく方向を示している。
すなわち、
図2は、
図1の様子をさらにミクロ化したものを示しており、一個のセシウム原子の結晶へ、仮想粒子が近づいていくモデル図である。
【0034】
図2の左側において、二つの仮想粒子(H
+~e
-)がセシウム核へ近づく様子を示しており、
図2の右側において、普通の水分子がセシウム核へ近づく様子を示している。
ここで、仮想粒子は普通の水分子よりも小さいので、セシウム核へ近づき易く、仮想粒子とセシウム核との間の距離aが307pmであるのに対し、普通の水分子とセシウム核との間の距離aは897pmである。
【0035】
図1及び
図2から、本発明の水の処理方法で処理された処理後の水に含まれる仮想粒子が、放射性のセシウムと反応して、非放射性のバリウム(Ba)原子へ変えたことが判った。
すなわち、本発明の水の処理方法で処理された処理後の水は、処理後の水全量基準で、このような仮想粒子を90質量%以上含むので、セシウム濃度が高い土壌などに処理後の水を適用することで、放射能低減を実現できると言える。
【0036】
また、一般的な水は電磁波を吸収することが知られているが、本発明の水の処理方法で処理された処理後の水は、処理後の水全量基準で90質量%以上の仮想粒子を含むので、電磁波を透過する。
よって、処理後の水は、より多くの、自由電子のオシレーションとスピンによる、光電磁波に近い横波成分とマイクロ波に近い縦波成分の両方を放射する。
【0037】
本発明の水の処理方法に基づき、加圧機構を備える装置を用いて、水道水に400MPaの圧力を10分間加えた。
そして、本発明の水の処理方法によって処理された処理後の水、及び比較として一般的な水道水について、フーリエ変換赤外分光光度計試験(FT-IR試験)を行なった。
具体的には0.6~12THzの電磁波を照射し、その透過率を測定した。
【0038】
その結果、本発明の水の処理方法によって処理された処理後の水は、一般的な水道水と比較して、突出したスペクトル線(ピーク)が多くなった。
これはすなわち、クラスターが小さくなった場合に、光の粒子が透過し易くなり、突出したスペクトル線が多くなったためであると考えられる。
【0039】
この試験結果から、本発明の水の処理方法によって処理された処理後の水は、一般的な水道水と比べて、クラスターが小さくなっていることが判った。
【0040】
以上のように、本発明の水の処理方法は、水に、300MPaを超える圧力を10分以上加える加圧工程を備えるので、水分子同士の水素結合が切れて、分子でもイオンでもない仮想粒子(インフォトン)を、処理後の水全量基準で90質量%以上生成でき、ふたたび複数の水分子同士が水素結合した元の水には戻らないようにすることができる。
【0041】
従って、処理後の水は、水分子同士の水素結合が切れた状態となっているので、本発明の水の処理方法によって、クラスターが小さい水を簡便に得ることができる。