(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102766
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】車両用駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02K 7/116 20060101AFI20220630BHJP
B60K 6/442 20071001ALI20220630BHJP
B60K 6/26 20071001ALI20220630BHJP
B60K 6/40 20071001ALI20220630BHJP
H02K 11/225 20160101ALI20220630BHJP
【FI】
H02K7/116
B60K6/442 ZHV
B60K6/26
B60K6/40
H02K11/225
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217702
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達也
【テーマコード(参考)】
3D202
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
3D202AA02
3D202EE02
3D202EE23
3D202FF13
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC05
5H607CC07
5H607DD04
5H607EE34
5H607EE36
5H607HH01
5H607HH09
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB06
5H611PP07
5H611QQ03
5H611RR01
5H611UA04
(57)【要約】
【課題】回転電機を備えた構成において、軸方向の寸法の小型化を図ることができると共に、回転センサに対するステータ及びロータからの磁界の影響を低減することができる車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】ロータ支持部材13Bは、ロータ12Bに対して径方向Rの内側から接する第1筒状部131Bと、それよりも径方向Rの内側に配置された第2筒状部132Bと、それらを連結する連結部133Bと、を備え、ケース9は、第1筒状部131Bと第2筒状部132Bとの径方向Rの間であって、径方向視でそれらと重複する位置に配置された筒状支持部92dを備え、筒状支持部92dと第2筒状部132Bとの径方向Rの間であって、径方向視でそれらと重複する位置に支持軸受B3が配置され、筒状支持部92dと第1筒状部131Bとの径方向Rの間であって、径方向視で第1筒状部131Bと重複する位置に回転センサ8Bが配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ、及び前記ステータに対して径方向の内側に配置されたロータを備えた回転電機と、
前記回転電機を収容するケースと、を備え、
前記回転電機は、前記ロータを支持するロータ支持部材を備え、
前記ロータ支持部材は、前記回転電機の軸方向に沿う軸心を有する筒状に形成され、前記ロータに対して前記径方向の内側から接する第1筒状部と、前記第1筒状部と同軸の筒状に形成され、前記第1筒状部よりも前記径方向の内側に配置された第2筒状部と、前記径方向に沿って延在するように形成され、前記第1筒状部と前記第2筒状部とを連結する連結部と、を備え、
前記ケースは、前記第1筒状部及び前記第2筒状部と同軸の筒状に形成され、前記第1筒状部と前記第2筒状部との前記径方向の間に配置された筒状支持部を備え、
前記筒状支持部は、前記径方向に沿う径方向視で、前記第1筒状部及び前記第2筒状部の双方と重複するように配置され、
前記筒状支持部と前記第2筒状部との前記径方向の間であって、前記径方向視で前記筒状支持部及び前記第2筒状部の双方と重複する位置に、前記ロータ支持部材を前記ケースに対して回転可能に支持する支持軸受が配置され、
前記筒状支持部と前記第1筒状部との前記径方向の間であって、前記径方向視で前記第1筒状部と重複する位置に、前記ロータの回転を検出する回転センサが配置されている、車両用駆動装置。
【請求項2】
前記支持軸受の前記軸方向の配置領域と、前記回転センサの前記軸方向の配置領域とが、前記径方向視で重複している、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記支持軸受は、前記第2筒状部の外周面に取り付けられたインナレースと、前記筒状支持部の内周面に取り付けられたアウタレースと、を備え、
前記回転センサは、前記筒状支持部の外周面から前記径方向の外側に突出するように前記筒状支持部に取り付けられたセンサステータと、前記第1筒状部の内周面から前記径方向の内側に突出するように前記第1筒状部に取り付けられたセンサロータと、を備えている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記径方向視で、前記回転センサの全体が、前記ロータのロータコアと重複している、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記回転電機を、前記ステータである第2ステータ、及び前記ロータである第2ロータを備えた第2回転電機とし、
前記第2回転電機に加えて、第1ステータ、及び前記第1ステータに対して前記径方向の内側に配置された第1ロータを備えた第1回転電機を更に備え、
前記第1回転電機と前記第2回転電機とが、前記軸方向に並ぶように同軸に配置され、
前記軸方向における、前記第2回転電機に対して前記第1回転電機が配置された側を、第1回転電機配置側として、
前記連結部は、前記筒状支持部、前記支持軸受、及び前記回転センサに対して、前記第1回転電機配置側に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機と、当該回転電機を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような車両用駆動装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、「背景技術」及び「発明が解決しようとする課題」の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
【0003】
特許文献1の車両用駆動装置(100)は、第1回転電機(60)と、第2回転電機(70)と、それらを収容するケース(52)と、を備えている。第1回転電機(60)は、第1ステータ(65)と、当該第1ステータに対して径方向の内側に配置された第1ロータ(64)と、当該第1ロータを支持する第1ロータ支持部材(2c)と、を備えている。また、第2回転電機(70)は、第2ステータ(75)と、当該第2ステータに対して径方向の内側に配置された第2ロータ(74)と、当該第2ロータを支持する第2ロータ支持部材(2b)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/128288号(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の車両用駆動装置(100)は、第1ロータ支持部材(2c)をケース(52)に対して回転可能に支持する一対の第1軸受(61,62)と、第1ロータ(64)の回転を検出する第1回転センサ(63)と、第2ロータ支持部材(2b)をケース(52)に対して回転可能に支持する一対の第2軸受(71,72)と、第2ロータ(74)の回転を検出する第2回転センサ(73)と、を更に備えている。
【0006】
一対の第1軸受(61,62)、第1回転センサ(63)、第1ロータ(64)、一対の第2軸受(71,72)、第2回転センサ(73)、及び第2ロータ(74)は、軸方向に並んで配置されている。そのため、車両用駆動装置(100)の軸方向の寸法が大型化し易いという課題があった。
【0007】
また、第1回転センサ(63)は、第1ステータ(65)のコイルエンド部に、径方向に対向するように配置されている。そして、第2回転センサ(73)は、第2ステータ(75)のコイルエンド部に、径方向に対向するように配置されている。そのため、第1回転センサ(63)は、第1ステータ(65)及び第1ロータ(64)からの磁界の影響を受け易く、第2回転センサ(73)は、第2ステータ(75)及び第2ロータ(74)からの磁界の影響を受け易いという課題もあった。
【0008】
そこで、回転電機を備えた構成において、軸方向の寸法の小型化を図ることができると共に、回転センサに対するステータ及びロータからの磁界の影響を低減することができる車両用駆動装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑みた、車両用駆動装置の特徴構成は、
ステータ、及び前記ステータに対して径方向の内側に配置されたロータを備えた回転電機と、
前記回転電機を収容するケースと、を備え、
前記回転電機は、前記ロータを支持するロータ支持部材を備え、
前記ロータ支持部材は、前記回転電機の軸方向に沿う軸心を有する筒状に形成され、前記ロータに対して前記径方向の内側から接する第1筒状部と、前記第1筒状部と同軸の筒状に形成され、前記第1筒状部よりも前記径方向の内側に配置された第2筒状部と、前記径方向に沿って延在するように形成され、前記第1筒状部と前記第2筒状部とを連結する連結部と、を備え、
前記ケースは、前記第1筒状部及び前記第2筒状部と同軸の筒状に形成され、前記第1筒状部と前記第2筒状部との前記径方向の間に配置された筒状支持部を備え、
前記筒状支持部は、前記径方向に沿う径方向視で、前記第1筒状部及び前記第2筒状部の双方と重複するように配置され、
前記筒状支持部と前記第2筒状部との前記径方向の間であって、前記径方向視で前記筒状支持部及び前記第2筒状部の双方と重複する位置に、前記ロータ支持部材を前記ケースに対して回転可能に支持する支持軸受が配置され、
前記筒状支持部と前記第1筒状部との前記径方向の間であって、前記径方向視で前記第1筒状部と重複する位置に、前記ロータの回転を検出する回転センサが配置されている点にある。
【0010】
この特徴構成によれば、回転電機のロータを支持するロータ支持部材の第1筒状部と第2筒状部との径方向の間の空間を利用して、支持軸受及び回転センサを配置することができる。更に、支持軸受と回転センサとを、ケースの筒状支持部に対して径方向の両側に分けて配置することができる。これにより、支持軸受と回転センサとロータとを、互いに軸方向に寄せて配置することができる。したがって、回転電機を備えた構成において、車両用駆動装置の軸方向の寸法の小型化を図ることができる。
また、本特徴構成によれば、回転センサが、回転電機のロータに対して径方向の内側から接する第1筒状部に対して径方向の内側であって、径方向視で第1筒状部と重複する位置に配置されている。つまり、第1筒状部を隔ててステータ及びロータとは径方向の反対側に、回転センサが配置されている。そのため、ステータ及びロータからの磁界の影響を受け難い位置に回転センサを配置できている。したがって、回転センサに対するステータ及びロータからの磁界の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る車両用駆動装置の軸方向に沿う断面図
【
図2】実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
【
図3】実施形態に係る車両用駆動装置における第1回転電機及び第2回転電機の周辺の構成を示す断面図
【
図4】実施形態に係る車両用駆動装置における分配用差動歯車機構及び減速用差動歯車機構の周辺の構成を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、実施形態に係る車両用駆動装置100について、図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置100は、第1回転電機1Aと、第2回転電機1Bと、入力部材21と、一対の出力部材22と、出力用差動歯車機構3と、分配用差動歯車機構5と、減速用差動歯車機構6と、カウンタギヤ機構7と、ケース9と、を備えている。
【0013】
第2回転電機1Bは、その回転軸心としての第1軸X1上に配置されている。本実施形態では、第1回転電機1A、入力部材21、分配用差動歯車機構5、及び減速用差動歯車機構6も、第1軸X1上に配置されている。また、本実施形態では、カウンタギヤ機構7は、その回転軸心としての第2軸X2上に配置されている。そして、出力用差動歯車機構3及び一対の出力部材22は、それらの回転軸心としての第3軸X3上に配置されている。
【0014】
以下の説明では、第1軸X1に平行な方向を、車両用駆動装置100の「軸方向L」とする。そして、軸方向Lにおいて、第2回転電機1Bに対して第1回転電機1Aが配置される側を「軸方向第1側L1」とし、その反対側を「軸方向第2側L2」とする。また、上記の軸X1~X3のそれぞれに直交する方向を、各軸を基準とした「径方向R」とする。なお、どの軸を基準とするかを区別する必要がない場合や、どの軸を基準とするかが明らかである場合には、単に「径方向R」と記す場合がある。なお、本例では、上記の軸X1~X3は、互いに平行に配置されている。
【0015】
本実施形態では、ケース9は、入力部材21の一部、第1回転電機1A、第2回転電機1B、出力用差動歯車機構3、分配用差動歯車機構5、減速用差動歯車機構6、及びカウンタギヤ機構7を収容している。また、本実施形態では、ケース9は、第1ケース部材91と、当該第1ケース部材91に対して軸方向第2側L2から接合された第2ケース部材92と、当該第2ケース部材92に対して軸方向第2側L2から接合された第3ケース部材93と、を備えている。
【0016】
本実施形態では、第1ケース部材91は、第1周壁部91aと、第2周壁部91bと、第1側壁部91cと、を備えている。第1周壁部91aは、第1回転電機1Aの径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。第2周壁部91bは、第2回転電機1Bの径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。本実施形態では、第2周壁部91bは、第1周壁部91aに対して軸方向第2側L2に配置されている。そして、第2周壁部91bは、第1周壁部91aよりも大径に形成されている。第1側壁部91cは、第1周壁部91aの軸方向第1側L1の開口を閉塞するように形成されている。
【0017】
本実施形態では、第2ケース部材92は、第3周壁部92aと、第2側壁部92bと、区画部92cと、を備えている。第3周壁部92aは、入力部材21と、一対の出力部材22と、出力用差動歯車機構3と、分配用差動歯車機構5と、減速用差動歯車機構6と、カウンタギヤ機構7との径方向Rの外側を囲む筒状に形成されている。本実施形態では、第3周壁部92aは、入力部材21と、分配用差動歯車機構5と、減速用差動歯車機構6と、カウンタギヤ機構7との径方向Rの外側を囲む第1部分と、一対の出力部材22と、出力用差動歯車機構3との径方向Rの外側を囲む第2部分とを含む。第3周壁部92aの第1部分は、第2周壁部91bに対して軸方向第2側L2から接合されている。第2側壁部92bは、第3周壁部92aの第2部分における軸方向第1側L1の開口を閉塞するように形成されている。区画部92cは、第3周壁部92aの第1部分における軸方向第1側L1の開口を閉塞するように形成されている。
【0018】
本実施形態では、第3ケース部材93は、第3側壁部93aを備えている。第3側壁部93aは、第3周壁部92aの軸方向第2側L2の開口を閉塞するように形成されている。本実施形態では、第3側壁部93aは、第3周壁部92aに対して軸方向第2側L2から接合されている。
【0019】
本実施形態では、ケース9には、第1室9Aと、当該第1室9Aに対して軸方向第2側L2に配置された第2室9Bとが形成されている。第1室9Aには、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bが収容されている。第2室9Bには、入力部材21、一対の出力部材22、出力用差動歯車機構3、分配用差動歯車機構5、減速用差動歯車機構6、及びカウンタギヤ機構7が収容されている。ただし、入力部材21は、その一部がケース9の外部に露出した状態で、第2室9Bに収容されている。
【0020】
本実施形態では、第1ケース部材91の第1周壁部91a、第2周壁部91b、及び第1側壁部91cと、第2ケース部材92の区画部92cとによって、第1室9Aが形成されている。また、第2ケース部材92の第3周壁部92a、第2側壁部92b、及び区画部92cと、第3ケース部材93の第3側壁部93aとによって、第2室9Bが形成されている。つまり、区画部92cは、第1室9Aと第2室9Bとを軸方向Lに区画するように設けられている。
【0021】
第1回転電機1Aは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。そのため、第1回転電機1Aは、蓄電装置(図示を省略)と電気的に接続されている。この蓄電装置としては、バッテリやキャパシタ等の公知の各種の蓄電装置を用いることができる。本実施形態では、第1回転電機1Aは、内燃機関EGの駆動力により発電を行って、蓄電装置を充電し、或いは第2回転電機1Bを駆動するための電力を供給するジェネレータとして機能する。ただし、第1回転電機1Aは、車両の高速走行時や内燃機関EGの始動時等には、力行して駆動力を発生するモータとして機能する場合もある。内燃機関EGは、燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。
【0022】
第1回転電機1Aは、第1ステータ11Aと、当該第1ステータ11Aに対して径方向Rの内側に配置された第1ロータ12Aと、を備えている。
【0023】
第1ステータ11Aは、第1ステータコア111Aと、第1コイルエンド部112Aと、を備えている。第1ステータコア111Aは、非回転部材に固定されている。本実施形態では、第1ステータコア111Aは、第1ケース部材91の第1周壁部91aに固定されている。第1コイルエンド部112Aは、軸方向Lに延在する筒状に形成されている。第1コイルエンド部112Aは、第1ステータコア111Aから軸方向Lに突出したコイル部分である。具体的には、第1ステータコア111Aには、当該第1ステータコア111Aから軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)にそれぞれ突出するようにコイルが巻装されている。そして、このコイルにおける第1ステータコア111Aから軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2に突出する部分のそれぞれが、第1コイルエンド部112Aに相当する。
【0024】
第1ロータ12Aは、第1ステータコア111Aに対して回転自在に支持された第1ロータコア121Aを備えている。なお、図示は省略するが、第1ロータコア121Aの内部には、永久磁石が配置されている。
【0025】
第2回転電機1Bは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。そのため、第2回転電機1Bも、第1回転電機1Aと同様に、上記の蓄電装置と電気的に接続されている。本実施形態では、第2回転電機1Bは、主に車両を走行させるための駆動力を発生するモータとして機能する。ただし、車両の減速時等には、第2回転電機1Bは、車両の慣性力を電気エネルギとして回生するジェネレータとして機能する場合もある。
【0026】
第2回転電機1Bは、第2ステータ11Bと、当該第2ステータ11Bに対して径方向Rの内側に配置された第2ロータ12Bと、を備えている。
【0027】
第2ステータ11Bは、第2ステータコア111Bと、第2コイルエンド部112Bと、を備えている。第2ステータコア111Bは、非回転部材に固定されている。本実施形態では、第2ステータコア111Bは、第1ケース部材91の第2周壁部91bに固定されている。第2コイルエンド部112Bは、軸方向Lに延在する筒状に形成されている。第2コイルエンド部112Bは、第2ステータコア111Bから軸方向Lに突出したコイル部分である。具体的には、第2ステータコア111Bには、当該第2ステータコア111Bから軸方向Lの両側(軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2)にそれぞれ突出するようにコイルが巻装されている。そして、このコイルにおける第2ステータコア111Bから軸方向第1側L1及び軸方向第2側L2に突出する部分のそれぞれが、第2コイルエンド部112Bに相当する。
【0028】
第2ロータ12Bは、第2ステータコア111Bに対して回転自在に支持された第2ロータコア121Bと、当該第2ロータコア121Bを保持する保持体122B(
図3参照)と、を備えている。本実施形態では、保持体122Bは、第2ロータコア121Bを軸方向Lの両側から把持する一対の板部材(所謂、エンドプレート)である。なお、図示は省略するが、第2ロータコア121Bの内部には、永久磁石が配置されている。
【0029】
本実施形態では、第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとが、軸方向Lに並ぶように配置されている。また、上述したように、第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとが、第1軸X1上に配置されている。つまり、本実施形態では、第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとが、同軸に配置されている。
【0030】
図3に示すように、本実施形態では、第1回転電機1Aの第1コイルエンド部112Aと、第2回転電機1Bの第2コイルエンド部112Bとは、径方向Rの寸法が互いに異なっている。そして、第1コイルエンド部112Aは、第2コイルエンド部112Bに対して径方向Rの内側又は外側であって、径方向Rに沿う径方向視で第2コイルエンド部112Bと重複する位置に配置されている。本例では、第1コイルエンド部112Aは、第2コイルエンド部112Bよりも径方向Rの寸法が小さく、第2コイルエンド部112Bに対して径方向Rの内側に配置されている。ここで、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを指す。
【0031】
この構成によれば、第1コイルエンド部112Aと第2コイルエンド部112Bとを径方向視で互いに重複させて配置しているため、第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとを軸方向Lに近付けて配置することができる。その結果、車両用駆動装置100の軸方向Lの寸法の小型化を図ることができる。
【0032】
第2回転電機1Bは、第2ロータ12Bを支持する第2ロータ支持部材13Bを備えている。第2ロータ支持部材13Bは、第2ロータ12Bと一体的に回転するように連結されている。第2ロータ支持部材13Bは、第1筒状部131Bと、第2筒状部132Bと、連結部133Bと、を備えている。
【0033】
第1筒状部131B及び第2筒状部132Bのそれぞれは、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成されている。第1筒状部131Bと第2筒状部132Bとは、同軸に配置されている。本実施形態では、第1筒状部131Bと第2筒状部132Bとは、第1軸X1上に配置されている。
【0034】
第1筒状部131Bは、第2ロータ12Bに対して径方向Rの内側から接するように配置されている。第2筒状部132Bは、第1筒状部131Bよりも径方向Rの内側に配置されている。つまり、第2筒状部132Bは、第1筒状部131Bよりも径方向Rの寸法が小さい。連結部133Bは、径方向Rに沿って延在するように形成されている。そして、連結部133Bは、第1筒状部131Bと第2筒状部132Bとを連結している。本実施形態では、連結部133Bは、第1筒状部131Bの軸方向第1側L1の端部と、第2筒状部132Bの軸方向第1側L1の端部とを連結するように形成されている。
【0035】
第1回転電機1Aは、第1ロータ12Aを支持する第1ロータ支持部材13Aを備えている。第1ロータ支持部材13Aは、第1ロータ12Aと一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、第1ロータ支持部材13Aは、軸状部131Aを備えている。軸状部131Aは、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、軸状部131Aは、第2ロータ支持部材13Bの第2筒状部132Bを軸方向Lに貫通するように、第2筒状部132Bに対して径方向Rの内側に配置されている。また、本実施形態では、軸状部131Aは、第1軸X1上に配置されている。
【0036】
図1に示すように、入力部材21は、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、入力部材21は、第3ケース部材93の第3側壁部93aから軸方向第2側L2に突出するように、第3側壁部93aを軸方向Lに貫通している。
【0037】
図2に示すように、入力部材21は、内燃機関EGに駆動連結されている。本実施形態では、入力部材21は、ダンパ装置DPを介して、内燃機関EGの出力軸(クランクシャフト等)に駆動連結されている。ダンパ装置DPは、伝達されるトルクの変動を減衰する装置である。本実施形態では、ダンパ装置DPには、出力側から過大なトルクが入力される等した場合に、一対の出力部材22から内燃機関EGまでの動力伝達経路に過大な負荷が作用することを制限するためのトルクリミッタが設けられている。
【0038】
ここで、本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等が含まれていても良い。
【0039】
分配用差動歯車機構5は、入力部材21に伝達される内燃機関EGの駆動力を、第1回転電機1Aと、第2回転電機1B及び出力用差動歯車機構3とに分配するように構成されている。このように、本実施形態に係る車両用駆動装置100は、所謂、スプリット型のハイブリッド車両用の駆動装置として構成されている。
【0040】
図4に示すように、分配用差動歯車機構5は、第1回転要素E1と、第2回転要素E2と、第3回転要素E3と、を備えている。本実施形態では、分配用差動歯車機構5の回転要素の回転速度の順は、第1回転要素E1、第2回転要素E2、第3回転要素E3の順となっている。
【0041】
第1回転要素E1は、第1ロータ12Aに駆動連結されている。本実施形態では、第1回転要素E1は、シングルピニオン型の遊星歯車機構を構成する第1サンギヤS5である。本実施形態では、第1サンギヤS5は、第1ロータ12Aと一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第1サンギヤS5は、当該第1サンギヤS5に対して径方向Rの内側に第1ロータ支持部材13Aの軸状部131Aが配置された状態で、スプライン係合により軸状部131Aに連結されている。
【0042】
第2回転要素E2は、入力部材21に駆動連結されている。本実施形態では、第2回転要素E2は、シングルピニオン型の遊星歯車機構を構成する第1キャリヤC5である。第1キャリヤC5は、第1サンギヤS5に噛み合う第1ピニオンギヤP5を回転可能に支持している。本実施形態では、第1キャリヤC5は、入力部材21と一体的に回転するように連結されている。第1ピニオンギヤP5は、その軸心回りに回転(自転)すると共に、第1サンギヤS5を中心として回転(公転)する。第1ピニオンギヤP5は、その公転軌跡に沿って複数設けられている。
【0043】
第3回転要素E3は、第2ロータ12B及び出力用差動歯車機構3に駆動連結されている。本実施形態では、第3回転要素E3は、シングルピニオン型の遊星歯車機構を構成する第1リングギヤR5である。第1リングギヤR5は、第1サンギヤS5よりも径方向Rの外側に配置されている。第1リングギヤR5は、第1ピニオンギヤP5に噛み合っている。本実施形態では、第1リングギヤR5は、軸方向Lに沿って延在する筒状のギヤ形成部材51と一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第1リングギヤR5は、ギヤ形成部材51と一体的に形成されている。
【0044】
減速用差動歯車機構6は、第2ロータ12Bの回転を減速して、分配用差動歯車機構5の第3回転要素E3に伝達するように構成されている。本実施形態では、減速用差動歯車機構6は、第2サンギヤS6と、第2キャリヤC6と、第2サンギヤS6よりも径方向Rの外側に配置されて第2ピニオンギヤP6に噛み合う第2リングギヤR6と、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構である。
【0045】
本実施形態では、第2サンギヤS6は、減速用差動歯車機構6の入力要素であり、第2ロータ12Bと一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第2サンギヤS6は、第2ロータ支持部材13Bの第2筒状部132Bと一体的に形成されている。
【0046】
第2キャリヤC6は、第2サンギヤS6に噛み合う第2ピニオンギヤP6を回転可能に支持している。本実施形態では、第2キャリヤC6は、ケース9に対して相対回転不能に連結されている。図示の例では、第2キャリヤC6は、第2ケース部材92の区画部92cに固定されている。第2ピニオンギヤP6は、減速用差動歯車機構6の回転軸心(ここでは、第1軸X1)周りに複数設けられている。
【0047】
第2リングギヤR6は、第2サンギヤS6よりも径方向Rの外側に配置されている。第2リングギヤR6は、第2ピニオンギヤP6に噛み合っている。本実施形態では、第2リングギヤR6は、減速用差動歯車機構6の出力要素であり、分配用差動歯車機構5の第1リングギヤR5と一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第2リングギヤR6は、ギヤ形成部材51の内周面に形成されている。
【0048】
本実施形態では、減速用差動歯車機構6は、軸方向Lにおける第2ロータ12Bと分配用差動歯車機構5との間において、分配用差動歯車機構5に隣接して配置されている。図示の例では、減速用差動歯車機構6は、分配用差動歯車機構5に対して軸方向第1側L1に隣接すると共に、第2ロータ12Bに対して軸方向第2側L2に隣接して配置されている。
【0049】
図1に示すように、カウンタギヤ機構7は、カウンタ入力ギヤ71と、カウンタ出力ギヤ72と、これらが一体的に回転するように連結するカウンタ軸73と、を備えている。
【0050】
カウンタ入力ギヤ71は、カウンタギヤ機構7の入力要素である。カウンタ入力ギヤ71は、カウンタ駆動ギヤ52に噛み合っている。本実施形態では、カウンタ駆動ギヤ52は、ギヤ形成部材51と一体的に回転するように連結されている。図示の例では、カウンタ駆動ギヤ52は、ギヤ形成部材51の外周面に形成されている。
【0051】
カウンタ出力ギヤ72は、カウンタギヤ機構7の出力要素である。本実施形態では、カウンタ出力ギヤ72は、カウンタ入力ギヤ71よりも小径に形成されている。また、本実施形態では、カウンタ出力ギヤ72は、カウンタ入力ギヤ71よりも軸方向第1側L1に配置されている。
【0052】
カウンタ軸73は、軸方向Lに沿って延在するように形成されている。図示の例では、カウンタ入力ギヤ71は、スプライン係合によりカウンタ軸73に連結されている。そして、カウンタ出力ギヤ72は、カウンタ軸73と一体的に形成されている。
【0053】
出力用差動歯車機構3は、当該出力用差動歯車機構3に入力される回転を、一対の出力部材22に分配するように構成されている。本実施形態では、出力用差動歯車機構3は、当該出力用差動歯車機構3の入力要素である差動入力ギヤ31を備えている。差動入力ギヤ31は、カウンタギヤ機構7のカウンタ出力ギヤ72に噛み合っている。つまり、本実施形態では、出力用差動歯車機構3は、差動入力ギヤ31の回転を一対の出力部材22に分配する。
【0054】
本実施形態では、出力用差動歯車機構3は、上記の差動入力ギヤ31に加えて、差動ケース32と、一対の差動ピニオンギヤ33と、一対のサイドギヤ34と、を更に備えている。ここでは、一対の差動ピニオンギヤ33、及び一対のサイドギヤ34は、いずれも傘歯車である。
【0055】
差動ケース32は、差動入力ギヤ31と一体的に回転するように連結されている。差動ケース32は、中空の部材である。差動ケース32の内部には、一対の差動ピニオンギヤ33、及び一対のサイドギヤ34が収容されている。
【0056】
一対の差動ピニオンギヤ33は、第3軸X3を基準とした径方向Rに沿って互いに間隔を空けて対向するように配置されている。そして、一対の差動ピニオンギヤ33のそれぞれは、差動ケース32と一体的に回転するように支持された差動ピニオンシャフト33aに取り付けられている。一対の差動ピニオンギヤ33のそれぞれは、差動ピニオンシャフト33aを中心として回転(自転)可能、かつ、第3軸X3を中心として回転(公転)可能に構成されている。
【0057】
一対のサイドギヤ34は、出力用差動歯車機構3の出力要素である。一対のサイドギヤ34は、互いに軸方向Lに間隔を空けて、一対の差動ピニオンシャフト33aを挟んで対向するように配置されている。一対のサイドギヤ34は、一対の差動ピニオンギヤ33に噛み合っている。一対のサイドギヤ34のそれぞれは、出力部材22と一体的に回転するように連結されている。
【0058】
一対の出力部材22のそれぞれは、車輪W(
図2参照)に駆動連結されている。本実施形態では、一対の出力部材22のそれぞれは、サイドギヤ34と一体的に回転するように連結されている。図示の例では、一対の出力部材22のそれぞれは、サイドギヤ34と一体的に形成されている。また、本実施形態では、一対の出力部材22のそれぞれは、車輪Wに駆動連結されたドライブシャフトDSと一体的に回転するように連結されている。図示の例では、一対の出力部材22のそれぞれは、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成され、サイドギヤ34に対して径方向Rの内側に配置されている。そして、出力部材22に対して径方向Rの内側にドライブシャフトDSが挿入され、それらがスプライン係合によって互いに連結されている。
【0059】
図1に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置100は、第1ロータ支持部材13Aを回転可能に支持する第1軸受B1及び第2軸受B2と、第2ロータ支持部材13Bを回転可能に支持する第3軸受B3と、入力部材21を回転可能に支持する第4軸受B4と、ギヤ形成部材51を回転可能に支持する第5軸受B5及び第6軸受B6と、カウンタギヤ機構7のカウンタ軸73を回転可能に支持する第7軸受B7及び第8軸受B8と、出力用差動歯車機構3の差動ケース32を回転可能に支持する第9軸受B9及び第10軸受B10と、を備えている。
【0060】
図3に示すように、第1軸受B1は、第1ロータ12Aに対して軸方向第1側L1に配置されている。第1軸受B1は、ケース9が備える第1筒状支持部91dに支持されている。第1筒状支持部91dは、第1ロータ支持部材13Aと同軸の筒状に形成されている。図示の例では、第1筒状支持部91dは、第1側壁部91cから軸方向第2側L2に突出するように形成されている。
【0061】
本実施形態では、第1軸受B1は、第1ロータ支持部材13Aの軸状部131Aの外周面13aに取り付けられた第1インナレースB11と、ケース9の第1筒状支持部91dの内周面91eに取り付けられた第1アウタレースB12と、第1インナレースB11と第1アウタレースB12との径方向Rの間に配置された第1転動体B13と、を備えている。本例では、第1転動体B13は球体である。つまり、本例では、第1軸受B1は、玉軸受である。
【0062】
本実施形態では、第1インナレースB11は、軸状部131Aの外周面13aに形成された軸方向第1側L1を向く第1段差面14aに対して、軸方向第1側L1から対向するように配置されている。また、第1アウタレースB12は、第1筒状支持部91dの内周面91eに形成された軸方向第2側L2を向く第1ケース段差面91fに対して、軸方向第2側L2から対向するように配置されている。これにより、第1ロータ支持部材13Aは、第1軸受B1を介して、ケース9に対して軸方向Lに支持されている。その結果、第1ロータ支持部材13Aの軸方向第1側L1への移動が規制される。
【0063】
第2軸受B2は、第1ロータ12Aに対して軸方向第2側L2に配置されている。第2軸受B2は、第2ロータ支持部材13Bに支持されている。本実施形態では、第2軸受B2は、第1ロータ支持部材13Aを第2ロータ支持部材13Bに対して相対的に回転可能に支持している。
【0064】
本実施形態では、第2軸受B2は、第1ロータ支持部材13Aの軸状部131Aの外周面13aに取り付けられた第2インナレースB21と、第2ロータ支持部材13Bの第2筒状部132Bの内周面13bに取り付けられた第2アウタレースB22と、第2インナレースB21と第2アウタレースB22との径方向Rの間に配置された第2転動体B23と、を備えている。本例では、第2転動体B23は球体である。つまり、本例では、第2軸受B2は、玉軸受である。
【0065】
本実施形態では、第2インナレースB21は、軸状部131Aの外周面13aに形成された軸方向第2側L2を向く第2段差面14bに対して、軸方向第2側L2から対向するように配置されている。また、第2アウタレースB22は、第2ロータ支持部材13Bの第2筒状部132Bの内周面13bに形成された軸方向第1側L1を向く第3段差面14cに対して、軸方向第1側L1から対向するように配置されている。後述するように、第2ロータ支持部材13Bは、第3軸受B3を介してケース9に対して軸方向Lに支持されている。そのため、第1ロータ支持部材13Aは、第2軸受B2、第2ロータ支持部材13B、及び第3軸受B3を介して、ケース9に対して軸方向Lに支持されている。その結果、第1ロータ支持部材13Aの軸方向第2側L2への移動が規制される。
【0066】
第3軸受B3は、ケース9が備える第2筒状支持部92dに支持されている。第2筒状支持部92dは、第2ロータ支持部材13Bの第1筒状部131B及び第2筒状部132Bと同軸の筒状に形成されている。第2筒状支持部92dは、第1筒状部131Bと第2筒状部132Bとの径方向Rの間であって、径方向Rに沿う径方向視で第1筒状部131B及び第2筒状部132Bの双方と重複する位置に配置されている。図示の例では、第2筒状支持部92dは、区画部92cから軸方向第1側L1に突出するように形成されている。
【0067】
第3軸受B3は、ケース9の第2筒状支持部92dと第2ロータ支持部材13Bの第2筒状部132Bとの径方向Rの間であって、径方向Rに沿う径方向視で第2筒状支持部92d及び第2筒状部132Bの双方と重複する位置に配置されている。第3軸受B3は、第2ロータ支持部材13Bをケース9に対して回転可能に支持する「支持軸受」である。図示の例では、一対の第3軸受B3が互いに軸方向Lに隣接して配置されている。
【0068】
本実施形態では、第3軸受B3は、第2ロータ支持部材13Bの第2筒状部132Bの外周面13cに取り付けられた第3インナレースB31と、ケース9の第2筒状支持部92dの内周面92eに取り付けられた第3アウタレースB32と、第3インナレースB31と第3アウタレースB32との径方向Rの間に配置された第3転動体B33と、を備えている。本例では、第3転動体B33は球体である。つまり、本例では、第3軸受B3は、玉軸受である。
【0069】
本実施形態では、第3インナレースB31は、第2筒状部132Bの外周面13cに形成された軸方向第2側L2を向く第4段差面14dに対して、軸方向第2側L2から対向するように配置されている。また、第3アウタレースB32は、第2筒状支持部92dの内周面92eに形成された軸方向第1側L1を向く第2ケース段差面92fに対して、軸方向第1側L1から対向するように配置されている。これにより、第2ロータ支持部材13Bは、第3軸受B3を介して、ケース9に対して軸方向Lに支持されている。その結果、第2ロータ支持部材13Bの軸方向第2側L2への移動が規制される。また、前述の通り、第1ロータ支持部材13Aは、第1軸受B1を介してケース9に対して軸方向Lに支持されている。そのため、第2ロータ支持部材13Bは、第2軸受B2、第1ロータ支持部材13A、及び第1軸受B1を介して、ケース9に対して軸方向Lに支持されている。その結果、第2ロータ支持部材13Bの軸方向第1側L1への移動も規制される。なお、本例では、一対の第3軸受B3のうち、軸方向第1側L1の第3軸受B3の方が、軸方向第2側L2の第3軸受B3よりも大径とされている。したがって、第4段差面14d及び第2ケース段差面92fのそれぞれも、軸方向第1側L1の方が大径となる2段階の段差面となっている。
【0070】
図1に示すように、第4軸受B4は、第3側壁部93aに支持されている。本実施形態では、第4軸受B4は、第3側壁部93aにより径方向Rの外側から支持されている。そして、第4軸受B4は、径方向Rの外側から入力部材21を回転可能に支持している。
【0071】
第5軸受B5は、区画部92cに支持されている。第6軸受B6は、第3側壁部93aに支持されている。本実施形態では、第5軸受B5は、区画部92cにより径方向Rの外側から支持され、第6軸受B6は、第3側壁部93aにより径方向Rの内側から支持されている。そして、第5軸受B5が径方向Rの外側から、第6軸受B6が径方向Rの内側から、ギヤ形成部材51を回転可能に支持している。
【0072】
第7軸受B7は、区画部92cに支持されている。第8軸受B8は、第3側壁部93aに支持されている。本実施形態では、第7軸受B7は、区画部92cにより径方向Rの外側から支持され、第8軸受B8は、第3側壁部93aにより径方向Rの外側から支持されている。そして、第7軸受B7及び第8軸受B8は、径方向Rの外側からカウンタギヤ機構7のカウンタ軸73を回転可能に支持している。
【0073】
第9軸受B9は、第2側壁部92bに支持されている。第10軸受B10は、第3側壁部93aに支持されている。本実施形態では、第9軸受B9は、第2側壁部92bにより径方向Rの外側から支持され、第10軸受B10は、第3側壁部93aにより径方向Rの外側から支持されている。そして、第9軸受B9及び第10軸受B10は、径方向Rの外側から出力用差動歯車機構3の差動ケース32を回転可能に支持している。
【0074】
図3に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置100は、第1ロータ12Aの回転を検出する第1回転センサ8Aと、第2ロータ12Bの回転を検出する第2回転センサ8Bと、を備えている。
【0075】
第1回転センサ8Aは、ケース9の第1筒状支持部91dと第1ロータ支持部材13Aの軸状部131Aとの径方向Rの間であって、径方向Rに沿う径方向視で軸状部131Aと重複する位置に配置されている。図示の例では、第1回転センサ8Aは、径方向Rに沿う径方向視で、第1筒状支持部91dと軸状部131Aとの双方に重複する位置に配置されている。
【0076】
本実施形態では、第1回転センサ8Aは、第1センサステータ81Aと、第1センサロータ82Aと、を備えている。本例では、第1回転センサ8Aは、レゾルバとして構成されている。よって、第1回転センサ8Aは、第1センサステータ81Aに設けられたコイルに交流電流を通した場合における、第1センサステータ81Aに対する第1センサロータ82Aの相対角度に応じた交流電圧の位相を検出して、第1ロータ12Aの回転位置を検出する。なお、第1回転センサ8Aは、レゾルバに限らず、例えば、ホール素子センサ、エンコーダ、磁気式回転センサ等の各種センサにより構成することができる。
【0077】
本実施形態では、第1センサステータ81Aは、ケース9の第1筒状支持部91dの内周面91eから径方向Rの内側に突出するように、第1筒状支持部91dに取り付けられている。また、第1センサロータ82Aは、第1ロータ支持部材13Aの軸状部131Aの外周面13aから径方向Rの外側に突出するように、軸状部131Aに取り付けられている。
【0078】
第2回転センサ8Bは、ケース9の第2筒状支持部92dと第2ロータ支持部材13Bの第1筒状部131Bとの径方向Rの間であって、径方向Rに沿う径方向視で第1筒状部131Bと重複する位置に配置されている。図示の例では、第2回転センサ8Bは、径方向Rに沿う径方向視で、第2筒状支持部92dと第1筒状部131Bとの双方に重複する位置に配置されている。
【0079】
本実施形態では、第2回転センサ8Bは、第2センサステータ81Bと、第2センサロータ82Bと、を備えている。本例では、第2回転センサ8Bは、レゾルバとして構成されている。よって、第2回転センサ8Bは、第2センサステータ81Bに設けられたコイルに交流電流を通した場合における、第2センサステータ81Bに対する第2センサロータ82Bの相対角度に応じた交流電圧の位相を検出して、第2ロータ12Bの回転位置を検出する。なお、第2回転センサ8Bは、レゾルバに限らず、例えば、ホール素子センサ、エンコーダ、磁気式回転センサ等の各種センサにより構成することができる。
【0080】
本実施形態では、第2センサステータ81Bは、ケース9の第2筒状支持部92dの外周面92gから径方向Rの外側に突出するように、第2筒状支持部92dに取り付けられている。また、第2センサロータ82Bは、第2ロータ支持部材13Bの第1筒状部131Bの内周面13dから径方向Rの内側に突出するように、第1筒状部131Bに取り付けられている。
【0081】
以上のように、車両用駆動装置100は、
第2ステータ11B、及び当該第2ステータ11Bに対して径方向Rの内側に配置された第2ロータ12Bを備えた第2回転電機1Bと、
第2回転電機1Bを収容するケース9と、を備え、
第2回転電機1Bは、第2ロータ12Bを支持する第2ロータ支持部材13Bを備え、
第2ロータ支持部材13Bは、第2回転電機1Bの軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成され、第2ロータ12Bに対して径方向Rの内側から接する第1筒状部131Bと、第1筒状部131Bと同軸の筒状に形成され、第1筒状部131Bよりも径方向Rの内側に配置された第2筒状部132Bと、径方向Rに沿って延在するように形成され、第1筒状部131Bと第2筒状部132Bとを連結する連結部133Bと、を備え、
ケース9は、第1筒状部131B及び第2筒状部132Bと同軸の筒状に形成され、第1筒状部131Bと第2筒状部132Bとの径方向Rの間に配置された第2筒状支持部92dを備え、
第2筒状支持部92dは、径方向Rに沿う径方向視で、第1筒状部131B及び第2筒状部132Bの双方と重複するように配置され、
第2筒状支持部92dと第2筒状部132Bとの径方向Rの間であって、径方向Rに沿う径方向視で第2筒状支持部92d及び第2筒状部132Bの双方と重複する位置に、第2ロータ支持部材13Bをケース9に対して回転可能に支持する第3軸受B3が配置され、
第2筒状支持部92dと第1筒状部131Bとの径方向Rの間であって、径方向Rに沿う径方向視で第1筒状部131Bと重複する位置に、第2ロータ12Bの回転を検出する第2回転センサ8Bが配置されている。
【0082】
この構成によれば、第2回転電機1Bの第2ロータ12Bを支持する第2ロータ支持部材13Bの第1筒状部131Bと第2筒状部132Bとの径方向Rの間の空間を利用して、第3軸受B3及び第2回転センサ8Bを配置することができる。更に、第3軸受B3と第2回転センサ8Bとを、ケース9の第2筒状支持部92dに対して径方向Rの両側に分けて配置することができる。これにより、第3軸受B3と第2回転センサ8Bと第2ロータ12Bとを、互いに軸方向Lに寄せて配置することができる。したがって、第2回転電機1Bを備えた構成において、車両用駆動装置100の軸方向Lの寸法の小型化を図ることができる。
また、本構成によれば、第2回転センサ8Bが、第2回転電機1Bの第2ロータ12Bに対して径方向Rの内側から接する第1筒状部131Bに対して径方向Rの内側であって、径方向Rに沿う径方向視で第1筒状部131Bと重複する位置に配置されている。つまり、第1筒状部131Bを隔てて第2ステータ11B及び第2ロータ12Bとは径方向Rの反対側に、第2回転センサ8Bが配置されている。そのため、第2ステータ11B及び第2ロータ12Bからの磁界の影響を受け難い位置に第2回転センサ8Bを配置できている。したがって、第2回転センサ8Bに対する第2ステータ11B及び第2ロータ12Bからの磁界の影響を低減することができる。
【0083】
本実施形態では、第3軸受B3の軸方向Lの配置領域と、第2回転センサ8Bの軸方向Lの配置領域とが、径方向Rに沿う径方向視で重複している。ここで、「第3軸受B3の軸方向Lの配置領域」とは、本例のように第3軸受B3が軸方向Lに複数並んで配置されている場合、最も軸方向第1側L1の第3軸受B3における軸方向第1側L1の端部から、最も軸方向第2側L2の第3軸受B3における軸方向第2側L2の端部までの領域を指す。また、「第2回転センサ8Bの軸方向Lの配置領域」とは、第2回転センサ8Bを構成する第2センサステータ81B及び第2センサロータ82Bの双方の配置領域のうちの軸方向第1側L1の端部から軸方向第2側L2の端部までの領域を指す。
【0084】
この構成によれば、第3軸受B3と第2回転センサ8Bとが軸方向Lに並んで配置された構成に比べて、車両用駆動装置100の軸方向Lの寸法を小さくすることができる。
【0085】
また、本実施形態では、径方向Rに沿う径方向視で、第2回転センサ8Bの全体が、第2ロータ12Bの第2ロータコア121Bと重複している。つまり、第2ロータコア121Bの軸方向Lの寸法が第2回転センサ8Bの軸方向Lの寸法よりも大きく、第2回転センサ8Bの軸方向Lの配置領域1が第2ロータコア121Bの軸方向Lの配置領域内に完全に収まっている。
【0086】
この構成によれば、第2回転センサ8Bが第2ロータコア121Bに対して軸方向Lの外側に位置しないように配置されている。したがって、第2回転センサ8Bと第2ロータコア121Bとが軸方向Lにずらして配置された構成に比べて、車両用駆動装置100の軸方向Lの寸法を小さくすることができる。また、本構成によれば、第2回転センサ8Bに対する第2ステータ11B及び第2ロータ12Bからの磁界の影響を更に低減することができる。
【0087】
また、本実施形態では、第2ロータ支持部材13Bの連結部133Bは、第2筒状支持部92d、第3軸受B3、及び第2回転センサ8Bに対して、軸方向第1側L1に配置されている。ここで、本実施形態では、軸方向第1側L1が、軸方向Lにおける第2回転電機1Bに対して第1回転電機1Aが配置された側である「第1回転電機配置側」に相当する。
【0088】
このように、本実施形態では、第2回転電機1Bに加えて、第1ステータ11A、及び当該第1ステータ11Aに対して径方向Rの内側に配置された第1ロータ12Aを備えた第1回転電機1Aを更に備え、
第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとが、軸方向Lに並ぶように同軸に配置され、
連結部133Bは、第2筒状支持部92d、第3軸受B3、及び第2回転センサ8Bに対して、軸方向第1側L1に配置されている。
【0089】
この構成によれば、第2ロータ支持部材13Bの連結部133Bを隔てて第1回転電機1Aとは軸方向Lの反対側に、第2回転センサ8Bが配置されている。そのため、第1回転電機1Aの第1ステータ11A及び第1ロータ12Aからの磁界の影響を受け難い位置に第2回転センサ8Bを配置できている。したがって、第2回転センサ8Bに対する第1ステータ11A及び第1ロータ12Aからの磁界の影響を低減することができる。
【0090】
また、上述したように、本実施形態では、第3軸受B3は、第2ロータ支持部材13Bの第2筒状部132Bの外周面13cに取り付けられた第3インナレースB31と、第2筒状支持部92dの内周面92eに取り付けられた第3アウタレースB32と、を備え、
第2回転センサ8Bは、第2筒状支持部92dの外周面92gから径方向Rの外側に突出するように第2筒状支持部92dに取り付けられた第2センサステータ81Bと、第2ロータ支持部材13Bの第1筒状部131Bの内周面13dから径方向Rの内側に突出するように第1筒状部131Bに取り付けられた第2センサロータ82Bと、を備えている。
【0091】
この構成によれば、第2ロータ支持部材13Bを支持する第3軸受B3の第3アウタレースB32と、第2ロータ12Bの回転を検出する第2回転センサ8Bの第2センサステータ81Bとの双方を、第2筒状支持部92dによって支持することができる。つまり、第3軸受B3を介して第2回転電機1Bの第2ロータ12Bを支持するのと同じ第2筒状支持部92dにより、第2回転センサ8Bの第2センサステータ81Bを支持することができる。したがって、第2回転センサ8Bの測定精度を高く確保することができる。
【0092】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bを備えた構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1回転電機1Aを備えていない構成としても良い。この構成では、当然ながら、第1回転電機1Aの第1ロータ12Aの回転を検出する第1回転センサ8Aが設けられていなくても良い。
【0093】
(2)上記の実施形態では、内燃機関EGに駆動連結される入力部材21と、分配用差動歯車機構5と、減速用差動歯車機構6と、カウンタギヤ機構7と、を備えた構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、入力部材21を備えていない構成、つまり、車両用駆動装置100が電気自動車用の駆動装置として構成されていても良い。また、分配用差動歯車機構5、減速用差動歯車機構6、及びカウンタギヤ機構7の少なくとも1つを備えていない構成としても良い。
【0094】
(3)上記の実施形態では、第3軸受B3の軸方向Lの配置領域と、第2回転センサ8Bの軸方向Lの配置領域とが、径方向Rに沿う径方向視で重複している構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第3軸受B3の軸方向Lの配置領域と、第2回転センサ8Bの軸方向Lの配置領域とが、径方向Rに沿う径方向視で重複していない構成としても良い。
【0095】
(4)上記の実施形態では、一対の第3軸受B3が互いに軸方向Lに隣接して配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、1つの第3軸受B3を備えた構成であっても良いし、3つ以上の第3軸受B3が互いに軸方向Lに隣接して配置された構成としても良い。
【0096】
(5)上記の実施形態では、第2ロータ支持部材13Bを支持する第3軸受B3の第3アウタレースB32と、第2ロータ12Bの回転を検出する第2回転センサ8Bの第2センサステータ81Bとの双方が、ケース9の第2筒状支持部92dによって支持された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第3軸受B3の第3アウタレースB32が第2筒状支持部92dによって支持され、第2回転センサ8Bの第2センサステータ81Bがケース9における第2筒状支持部92dとは異なる部分によって支持された構成としても良い。
【0097】
(6)上記の実施形態では、径方向Rに沿う径方向視で、第2回転センサ8Bの全体が、第2ロータ12Bの第2ロータコア121Bと重複している構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2回転センサ8Bの一部が第2ロータコア121Bと重複していても良い。或いは、第2回転センサ8Bが第2ロータコア121Bよりも軸方向Lの一方側に位置していても良い。
【0098】
(7)上記の実施形態では、連結部133Bが、第2筒状支持部92d、第3軸受B3、及び第2回転センサ8Bに対して、軸方向第1側L1に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、連結部133Bが、第2筒状支持部92d、第3軸受B3、及び第2回転センサ8Bに対して、軸方向第2側L2に配置されていても良い。
【0099】
(8)上記の実施形態では、分配用差動歯車機構5がシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、第1回転要素E1が第1サンギヤS5であり、第2回転要素E2が第1キャリヤC5であり、第3回転要素E3が第1リングギヤR5である構成を例として説明した。しかし、この構成は単なる一例であり、遊星歯車機構の具体的構成、並びに第1回転要素E1、第2回転要素E2、及び第3回転要素E3の割り当ては適宜変更可能である。例えば、分配用差動歯車機構5がダブルピニオン型の遊星歯車機構であり、第1回転要素E1が第1サンギヤS5であり、第2回転要素E2が第1リングギヤR5であり、第3回転要素E3が第1キャリヤC5である構成としても良い。
【0100】
(9)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。したがって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示に係る技術は、回転電機と、当該回転電機を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0102】
100:車両用駆動装置、1B:第2回転電機(回転電機)、11B:第2ステータ(ステータ)、12B:第2ロータ(ロータ)、13B:第2ロータ支持部材(ロータ支持部材)、131B:第1筒状部、132B:第2筒状部、133B:連結部、8B:第2回転センサ(回転センサ)、9:ケース、92d:第2筒状支持部(筒状支持部)、B3:第3軸受(支持軸受)、L:軸方向、R:径方向