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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102903
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】定着装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
G03G15/20 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217958
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】石田 圭
(72)【発明者】
【氏名】池野 雄一
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033BA26
2H033BB18
2H033BB21
(57)【要約】
【課題】ヒータと熱伝導部材との位置ずれを抑制できる定着装置を提供する。
【解決手段】
定着装置9は、筒状のベルト111と、ヒータ112と、ホルダ113と、熱伝導部材114とを備える。ヒータ112は、ベルト111を加熱する。ホルダ113は、ヒータ112を支持する。熱伝導部材114は、ヒータ112とホルダ113との間に位置する。ホルダ113は、突起1132を有する。熱伝導部材114は、溝1141を有する。溝1141は、ホルダ113の突起1132に対して位置決めされる。溝1141は、第1方向において熱伝導部材114の一端部と熱伝導部材の他端部との間に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のベルトと、
前記ベルトの内周面に接触し、前記ベルトを加熱するヒータであって、前記ベルトの回転軸方向と平行な第1方向に延びる板状の基板と、前記基板に配置される発熱体と、を有するヒータと、
前記ベルトの内側に位置し、前記ヒータを支持するホルダと、
前記ヒータと前記ホルダとの間に位置し、熱伝導率が前記基板よりも高い熱伝導部材であって、前記第1方向に延びる熱伝導部材と、
を備え、
前記ホルダは、
前記第1方向の両方で前記熱伝導部材に係合し、前記ホルダに対して前記熱伝導部材を位置決めする位置決め部を有し、
前記熱伝導部材は、
前記ホルダの前記位置決め部に対して位置決めされる被位置決め部であって、前記第1方向において前記熱伝導部材の一端部と前記熱伝導部材の他端部との間に位置する被位置決め部を有する、定着装置。
【請求項2】
前記位置決め部は、突起であり、
前記被位置決め部は、前記第1方向に直交する壁を有し、前記突起が嵌まる溝である、請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記熱伝導部材は、前記第1方向および前記熱伝導部材の厚み方向と交差する第2方向における一方のエッジである第1エッジと、前記第2方向における他方のエッジである第2エッジとを有し、
前記突起は、前記ホルダから前記第2方向に突出し、
前記溝は、前記第2方向において前記第1エッジから前記第2エッジに向かって凹む、請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記第1方向と直交する壁を有する溝であり、
前記被位置決め部は、前記溝に嵌まる突起である、請求項1に記載の定着装置。
【請求項5】
前記熱伝導部材は、前記第1方向および前記熱伝導部材の厚み方向と交差する第2方向における一方のエッジである第1エッジと、前記第2方向における他方のエッジである第2エッジとを有し、
前記溝は、前記ホルダを第2方向に凹み、
前記突起は、前記第1エッジから前記第2方向に突出する、請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記位置決め部は、突起であり、
前記被位置決め部は、前記突起が嵌まる穴である、請求項1に記載の定着装置。
【請求項7】
前記熱伝導部材は、前記第1方向および前記熱伝導部材の厚み方向と交差する第2方向における一方のエッジである第1エッジと、前記第2方向における他方のエッジである第2エッジとを有し、
前記突起は、前記熱伝導部材の厚み方向において前記ホルダから突出し、かつ、円柱形状であり、
前記穴は、前記第2方向において、前記第1エッジと前記第2エッジとの間に位置し、かつ、円形状である、請求項6に記載の定着装置。
【請求項8】
前記位置決め部は、穴であり、
前記被位置決め部は、前記穴に嵌まる突起である、請求項1に記載の定着装置。
【請求項9】
前記穴は、前記熱伝導部材の厚み方向において、前記ホルダの前記熱伝導部材側の表面に位置し、
前記突起は、前記熱伝導部材の厚み方向において、前記熱伝導部材の前記ホルダ側の表面から前記ホルダに向かって突出する、請求項8に記載の定着装置。
【請求項10】
前記ホルダは、前記第1方向に間隔を有する2つの前記穴を有し、
前記熱伝導部材は、前記第1方向に間隔を有する2つの前記突起を有する、請求項9に記載の定着装置。
【請求項11】
2つの前記穴、および、2つの前記突起は、それぞれ、前記第1方向において、画像形成装置が印刷可能な最大のシートが通る領域の端部に位置する、請求項10に記載の定着装置。
【請求項12】
前記被位置決め部は、前記第1方向において、画像形成装置が印刷可能な最大のシートが通る領域の外に位置する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の定着装置。
【請求項13】
前記被位置決め部は、前記第1方向において、前記熱伝導部材の中央に位置する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の定着装置。
【請求項14】
前記熱伝導部材は、
前記第1方向における前記熱伝導部材の一端部から前記熱伝導部材の中央に向かうにつれて、前記第1方向および前記熱伝導部材の厚み方向と交差する第2方向の長さが短くなる第1テーパ部と、
前記第1方向における前記熱伝導部材の他端部から前記熱伝導部材の中央に向かうにつれて前記第2方向の長さが短くなる第2テーパ部と、を有し、
前記ホルダは、前記第1テーパ部に沿う第3テーパ部と、前記第2テーパ部に沿う第4テーパ部と、を有し、
前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との接続部分が、前記被位置決め部であり、
前記第3テーパ部と前記第4テーパ部との接続部分が、前記位置決め部である、請求項1に記載の定着装置。
【請求項15】
前記熱伝導部材は、
前記第1方向における前記熱伝導部材の一端部から前記熱伝導部材の中央に向かうにつれて、前記第1方向および前記熱伝導部材の厚み方向と交差する第2方向の長さが長くなる第1テーパ部と、
前記第1方向における前記熱伝導部材の他端部から前記熱伝導部材の中央に向かうにつれて前記第2方向の長さが長くなる第2テーパ部と、を有し、
前記ホルダは、前記第1テーパ部に沿う第3テーパ部と、前記第2テーパ部に沿う第4テーパ部と、を有し、
前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との接続部分が、前記被位置決め部であり、
前記第3テーパ部と前記第4テーパ部との接続部分が、前記位置決め部である、請求項1に記載の定着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可撓性スリーブと、可撓性スリーブを加熱するヒータとを備える定着装置が知られている。定着装置は、ヒータホルダとヒータとの間に、熱伝導性のシート材を有する。ヒータは、長手方向一端部をヒータホルダのリブに突き当てることにより、ヒータホルダに位置決めされている。シート材は、長手方向一端部に設けられる凸部をヒータホルダの凹部に係合させることにより、ヒータホルダに位置決めされている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-54898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載の定着装置では、ヒータが発熱すると、ヒータは、ヒータの長手方向一端部を基点にして、長手方向他方へ膨張する。また、シート材は、シート材の長手方向一端部を基点にして、長手方向他方へ膨張する。このとき、ヒータは、ヒータとシート材との膨張率の差によって、シート材の膨張に追従して、長手方向他方へわずかに移動する。
【0005】
そして、ヒータの発熱が停止すると、シート材は、凸部をヒータホルダの凹部に係合していることにより、長手方向一端部を基点にして、収縮する。ヒータは、ヒータ自身が収縮するとともに、シート材の収縮に追従して、長手方向一方へ移動する。
【0006】
シート材は、シート材の長手方向一端部を基点として長手方向他方へ膨張、収縮するので、シート材に追従するヒータの長手方向への移動量が大きくなる。そのため、ヒータの位置と熱伝導部材の位置とが、ずれてしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本開示の目的は、ヒータと熱伝導部材との位置ずれを抑制できる定着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の定着装置は、筒状のベルトと、ヒータと、ホルダと、熱伝導部材とを備える。ヒータは、ベルトの内周面に接触する。ヒータは、ベルトを加熱する。ヒータは、板状の基板と、発熱体とを有する。基板は、第1方向に延びる。第1方向は、ベルトの回転軸方向と平行である。発熱体は、基板に配置される。ホルダは、ベルトの内側に位置する。ホルダは、ヒータを支持する。熱伝導部材は、ヒータとホルダとの間に位置する。熱伝導部材の熱伝導率は、基板の熱伝導率よりも高い。熱伝導部材は、第1方向に延びる。
【0009】
ホルダは、位置決め部を有する。位置決め部は、第1方向の両方で熱伝導部材に係合する。位置決め部は、ホルダに対して熱伝導部材を位置決めする。
【0010】
熱伝導部材は、被位置決め部を有する。被位置決め部は、ホルダの位置決め部に対して位置決めされる。被位置決め部は、第1方向において熱伝導部材の一端部と熱伝導部材の他端部との間に位置する。
【0011】
このような構成によれば、被位置決め部が熱伝導部材の一端部または熱伝導部材の他端部に設けられている場合と比べて、第1方向における熱伝導部材の膨張を小さくできる。
【0012】
これにより、熱伝導部材と接触するヒータが熱伝導部材の膨張によって第1方向に移動することを、抑制できる。
【0013】
その結果、ヒータと熱伝導部材との位置ずれを抑制できる。
【0014】
(2)位置決め部は、突起であってもよい。被位置決め部は、溝であってもよい。溝は、第1方向に直交する壁を有する。溝には、突起が、嵌まる。
【0015】
(3)熱伝導部材は、第1エッジと、第2エッジとを有する。第1エッジは、第2方向における一方のエッジである。第2方向は、第1方向および熱伝導部材の厚み方向と交差する。第2エッジは、第2方向における他方のエッジである。突起は、ホルダから第2方向に突出してもよい。溝は、第2方向において第1エッジから第2エッジに向かって凹んでもよい。
【0016】
(4)位置決め部は、溝であってもよい。溝は、第1方向と直交する壁を有する。被位置決め部は、突起であってもよい。突起は、溝に嵌まる。
【0017】
(5)溝は、ホルダを第2方向に凹んでもよい。突起は、第1エッジから第2方向に突出してもよい。
【0018】
(6)被位置決め部は、穴であってもよい。穴には、突起が、嵌まる。
【0019】
(7)突起は、熱伝導部材の厚み方向においてホルダから突出し、かつ、円柱形状であってもよい。穴は、第2方向において、第1エッジと第2エッジとの間に位置し、かつ、円形状であってもよい。
【0020】
(8)位置決め部は、穴であってもよい。被位置決め部は、突起であってもよい。突起は、穴に嵌まる。
【0021】
(9)穴は、熱伝導部材の厚み方向において、ホルダの熱伝導部材側の表面に位置してもよい。突起は、熱伝導部材の厚み方向において、熱伝導部材のホルダ側の表面からホルダに向かって突出してもよい。
【0022】
(10)ホルダは、2つの穴を有してもよい。2つの穴は、第1方向に間隔を有する。熱伝導部材は、2つの突起を有してもよい。2つの突起は、第1方向に間隔を有する。
【0023】
(11)2つの穴、および、2つの突起は、それぞれ、第1方向において、画像形成装置が印刷可能な最大のシートが通る領域の端部に位置してもよい。
【0024】
(12)被位置決め部は、第1方向において、画像形成装置が印刷可能な最大のシートが通る領域の外に位置してもよい。
【0025】
このような構成によれば、画像形成装置が印刷可能な最大のシートが通る領域内における熱伝導を、被位置決め部が阻害することを防止できる。
【0026】
その結果、画像形成装置が印刷可能な最大のシートが通る領域内において、定着温度の均一化を図ることができる。
【0027】
(13)被位置決め部は、第1方向において、熱伝導部材の中央に位置してもよい。
【0028】
このような構成によれば、熱伝導部材と接触するヒータが熱伝導部材の膨張によって第1方向に移動することを、より抑制できる。
【0029】
その結果、ヒータと熱伝導部材との位置ずれを、より抑制できる。
【0030】
(14)熱伝導部材は、第1テーパ部と、第2テーパ部とを有してもよい。第1テーパ部の第2方向の長さは、第1方向における熱伝導部材の一端部から熱伝導部材の中央に向かうにつれて、短くなる。第2テーパ部の第2方向の長さは、第1方向における熱伝導部材の他端部から熱伝導部材の中央に向かうにつれて、短くなる。ホルダは、第3テーパ部と、第4テーパ部とを有してもよい。第3テーパ部は、第1テーパ部に沿う。第4テーパ部は、第2テーパ部に沿う。第1テーパ部と第2テーパ部との接続部分が、被位置決め部であってもよい。第3テーパ部と第4テーパ部との接続部分が、位置決め部であってもよい。
【0031】
(15)第1テーパ部の第2方向の長さは、第1方向における熱伝導部材の一端部から熱伝導部材の中央に向かうにつれて、長くなってもよい。第2テーパ部の第2方向の長さは、第1方向における熱伝導部材の他端部から熱伝導部材の中央に向かうにつれて、長くなってもよい。
【発明の効果】
【0032】
本開示の定着装置によれば、ヒータと熱伝導部材との位置ずれを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、画像形成装置の概略構成図である。
図2図2は、定着装置の断面図である。
図3図3は、図2に示すヒータの平面図である。
図4図4は、ホルダに対する熱伝導部材の位置決めを説明するための説明図である。
図5図5は、第2の変形例を説明するための説明図である。
図6図6は、第3の変形例を説明するための説明図である。
図7図7Aは、第4の変形例を説明するための説明図である。図7Bは、図7Aに示す熱伝導部材を、ホルダ側から見た斜視図である。
図8図8は、第5の変形例を説明するための説明図である。
図9図9は、第6の変形例を説明するための説明図である。
図10図10は、第7の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
1.画像形成装置1の概略
図1を参照して、画像形成装置1の概略について説明する。
【0035】
画像形成装置1は、本体筐体2と、シート収容部3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写装置8と、定着装置9とを備える。
【0036】
1.1 本体筐体2
本体筐体2は、シート収容部3と、感光ドラム4と、帯電装置5と、露光装置6と、現像装置7と、転写装置8と、定着装置9とを収容する。
【0037】
1.2 シート収容部3
シート収容部3は、シートSを収容可能である。シートSは、例えば、印刷用紙である。シートSは、シート収容部3から感光ドラム4に向かって搬送される。
【0038】
1.3 感光ドラム4
感光ドラム4は、ドラム軸A1について回転可能である。ドラム軸A1は、第1方向に延びる。感光ドラム4は、第1方向に延びる。
【0039】
1.4 帯電装置5
帯電装置5は、感光ドラム4の表面を帯電させる。本実施形態では、帯電装置5は、帯電ローラである。帯電装置5は、スコロトロン型帯電器であってもよい。
【0040】
1.5 露光装置6
露光装置6は、帯電装置5によって帯電された感光ドラム4の表面を露光する。露光装置6は、具体的には、レーザースキャンユニットである。露光装置6は、LEDアレイであってもよい。
【0041】
1.6 現像装置7
現像装置7は、感光ドラム4上にトナーを供給する。詳しくは、現像装置7は、露光装置6によって露光された感光ドラム4の表面上にトナーを供給する。現像装置7は、現像筐体71と、現像ローラ72とを有する。
【0042】
1.6.1 現像筐体71
現像筐体71は、トナーを収容可能である。
【0043】
1.6.2 現像ローラ72
現像ローラ72は、現像筐体71内のトナーを感光ドラム4の表面に供給可能である。本実施形態では、現像ローラ72は、感光ドラム4と接触する。現像ローラ72は、所定の間隔をあけて感光ドラム4から離れていてもよい。現像ローラ72は、現像軸A2について回転可能である。現像軸A2は、第1方向に延びる。現像ローラ72は、第1方向に延びる。
【0044】
1.7 転写装置8
転写装置8は、感光ドラム4上のトナーをシートSに転写する。本実施形態では、転写装置8は、転写ローラ81を有する。転写ローラ81は、感光ドラム4と接触する。転写ローラ81は、所定の間隔をあけて感光ドラム4から離れていてもよい。シート収容部3内のシートSは、感光ドラム4と転写ローラ81との間を通って、定着装置9へ搬送される。転写ローラ81は、感光ドラム4上のトナーを、感光ドラム4と転写ローラ81との間を通るシートSに転写する。転写ローラ81は、転写軸A3について回転可能である。転写軸A3は、第1方向に延びる。転写ローラ81は、第1方向に延びる。転写装置8は、転写ベルトを有してもよい。
【0045】
1.8 定着装置9
定着装置9は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧して、シートSにトナーを定着させる。定着装置9を通過したシートSは、本体筐体2の上面に排紙される。
【0046】
2.定着装置9の詳細
次に、図2から図4を参照して、定着装置9の詳細について説明する。
【0047】
図2に示すように、定着装置9は、加熱ユニット11と、加圧ローラ12とを備える。
【0048】
2.1 加熱ユニット11
加熱ユニット11は、トナーが転写されたシートSを加熱する。加熱ユニット11は、ベルト111と、ヒータ112と、ホルダ113と、熱伝導部材114とを備える。言い換えると、定着装置9は、ベルト111と、ヒータ112と、ホルダ113と、熱伝導部材114とを備える。
【0049】
2.1.1 ベルト111
ベルト111は、トナーが転写されたシートSを加熱する。ベルト111は、筒状である。言い換えると、ベルト111は、エンドレスベルトである。ベルト111は、第1方向に延びる。ベルト111は回転軸A4について回転可能である。回転軸A4は、第1方向に延びる。つまり、第1方向は、ベルト111の回転軸方向と平行である。ベルト111は、内周面S1と外周面S2とを有する。
【0050】
2.1.2 ヒータ112
ヒータ112は、ベルト111を加熱する。ヒータ112は、ベルト111の内側に位置する。ヒータ112は、ベルト111の内周面S1に接触する。
【0051】
図3に示すように、ヒータ112は、第1方向に延びる。ヒータ112は、板状である。詳しくは、ヒータ112は、細長い平板状である。ヒータ112は、基板1121と、発熱体1122と、端子1123と、配線1124とを有する。
【0052】
2.1.2.1 基板1121
基板1121は、板状である。詳しくは、基板1121は、細長い平板状である。基板1121は、第1方向に延びる。基板1121は、例えば、ステンレスなどの金属からなる。基板1121の表面は、絶縁層で覆われている。基板1121は、アルミナまたは窒化アルミニウムを材料とするセラミックなどの耐熱性絶縁材からなってもよい。
【0053】
2.1.2.2 発熱体1122
発熱体1122は、基板1121に配置される。詳しくは、発熱体1122は、基板1121のうち、ベルト111の内周面S1(図2参照)側の面に設けられ、絶縁層の上にパターン形成される。発熱体1122は、銀・パラジウム合金等で形成される抵抗発熱体である。発熱体1122は、通電により発熱する。発熱体1122は、第1方向に延びる。発熱体1122の一端部は、第1方向において、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートSが通る領域Aの一端部に位置する。発熱体1122の他端部は、第1方向において、領域Aの他端部に位置する。
【0054】
2.1.2.3 端子1123
端子1123は、第1方向において、発熱体1122から離れて位置する。端子1123は、発熱体1122に電気を供給するための端子であり、図示しないコネクタを介して本体筐体2内の電源に接続される。
【0055】
2.1.2.4 配線1124
配線1124は、第1方向において、端子1123と発熱体1122との間に位置する。配線1124の一端は、端子1123と接続される。配線1124の他端は、発熱体1122と接続される。配線1124は、銀等で形成される。配線1124は、端子1123と発熱体1122とを電気的に接続する。
【0056】
2.1.3 ホルダ113
図2に示すように、ホルダ113は、ヒータ112と熱伝導部材114とを支持する。ホルダ113は、ベルト111の内側に位置する。ホルダ113は、第1方向に延びる。ホルダ113は、樹脂からなる。
【0057】
図4に示すように、ホルダ113は、支持部1131と、位置決め部の一例としての突起1132とを有する。
【0058】
2.1.3.1 支持部1131
支持部1131は、ヒータ112(図2参照)と熱伝導部材114とを支持する。支持部1131は、第2方向において、ホルダ113の中央部に位置する。なお、第2方向は、第1方向、および、熱伝導部材114の厚み方向と交差する。好ましくは、第2方向は、第1方向、および、熱伝導部材114の厚み方向と直交する。支持部1131は、支持面S10(図2参照)と、側面S11、S12、S13、S14とを有する。
【0059】
図2に示すように、支持面S10は、熱伝導部材114の厚み方向において、ヒータ112および熱伝導部材114に対して、加圧ローラ12の反対側に位置する。支持面S10は、ヒータ112および熱伝導部材114を支持する。支持面S10は、第2方向、および、第1方向に延びる。
【0060】
図4に示すように、側面S11は、第2方向において、支持部1131の一端部に位置する。側面S11は、熱伝導部材114の第1エッジE11に対向する。第1エッジE11については、後で説明する。側面S11と第1エッジE11との間には、隙間があってもよい。側面S11は、ヒータ112の第2方向一方のエッジE21(図2参照)にも対向する。側面S11とエッジE21との間には、隙間があってもよい。側面S11は、第1方向、および、熱伝導部材114の厚み方向に延びる。
【0061】
側面S12は、第2方向において、支持部1131の他端部に位置する。側面S12は、第2方向において、側面S11から離れて位置する。側面S12は、第2方向において、熱伝導部材114に対して、側面S11の反対側に位置する。側面S12は、熱伝導部材114の第2エッジE12に対向する。第2エッジE12については、後で説明する。側面S12と第2エッジE12との間には、隙間があってもよい。側面S12は、ヒータ112の第2方向他方のエッジE22(図2参照)にも対向する。側面S12とエッジE22との間には、隙間があってもよい。側面S12は、第1方向、および、熱伝導部材114の厚み方向に延びる。
【0062】
側面S13は、第1方向において、支持部1131の一端部に位置する。側面S13は、第1方向において、熱伝導部材114の第3エッジE13に対向する。第3エッジE13については、後で説明する。側面S13と第3エッジE13との間には、隙間があってもよい。側面S13は、ヒータ112の第1方向一方のエッジE23(図3参照)と接触する。エッジE23が側面S13に接触することにより、ヒータ112は、ホルダ113に対して、第1方向において位置決めされる。側面S13は、第2方向、および、熱伝導部材114の厚み方向に延びる。
【0063】
側面S14は、第1方向において、支持部1131の他端部に位置する。側面S14は、第1方向において、側面S13から離れて位置する。側面S14は、第1方向において、熱伝導部材114に対して、側面S13の反対側に位置する。側面S14は、熱伝導部材114の第4エッジE14に対向する。第4エッジE14については、後で説明する。側面S14と第4エッジE14との間には、隙間があってもよい。側面S14は、ヒータ112の第1方向他方のエッジE24(図3参照)にも対向する。側面S14とエッジE24との間には、隙間があってもよい。側面S14は、第2方向、および、熱伝導部材114の厚み方向に延びる。
【0064】
2.1.3.2 突起1132
突起1132は、ホルダ113の支持部1131に位置する。突起1132は、第1方向において、領域Aの外に位置する。
【0065】
本実施形態では、突起1132は、ホルダ113の側面S11から第2方向に突出する。突起1132は、第2方向において、側面S11から側面S12に向かって突出する。突起1132は、第2方向において、側面S12から離れて位置する。突起1132は、熱伝導部材114の厚み方向に延びる。突起1132は、支持面S10から延びる。
【0066】
突起1132は、第1方向の両方で熱伝導部材114に係合する。詳しくは、突起1132は、熱伝導部材114の溝1141に嵌まる。溝1141については、後で説明する。突起1132は、第1方向一方の側面1132Aと、第1方向他方の側面1132Bとを有する。本実施形態では、突起1132は、矩形状である。なお、突起1132の形状は、側面1132A、1132Bが有れば、限定されない。例えば、突起1132は、U字形状であってもよい。
【0067】
側面1132Aは、第1方向と交差する。好ましくは、側面1132Aは、第1方向と直交する。側面1132Aは、溝1141の壁1141Aと対向する。
【0068】
側面1132Bは、第1方向において、側面1132Aから離れて位置する。側面1132Bは、第1方向と交差する。好ましくは、側面1132Bは、第1方向と直交する。側面1132Bは、溝1141の壁1141Bと対向する。
【0069】
側面1132Aが壁1141Aと接触するか、または、側面1132Bが壁1141Bと接触することにより、熱伝導部材114は、ホルダ113に対して、第1方向において位置決めされる。言い換えると、突起1132は、ホルダ113に対して熱伝導部材114を位置決めする。
【0070】
2.1.4 熱伝導部材114
図2に示すように、熱伝導部材114は、ヒータ112とホルダ113との間に位置する。詳しくは、熱伝導部材114は、ヒータ112の裏面と、ホルダ113の支持面S10との間に位置する。熱伝導部材114は、ヒータ112と接触する。熱伝導部材114の熱伝導率は、ヒータ112の基板1121(図3参照)の熱伝導率よりも高い。熱伝導部材114は、アルミニウムなどの金属からなる。
【0071】
図4に示すように、熱伝導部材114は、第1方向に延びる。これにより、熱伝導部材114は、ヒータ112からの熱を第1方向に伝える。熱伝導部材114は、板状である。詳しくは、熱伝導部材114は、細長い平板状である。熱伝導部材114は、第1エッジE11と、第2エッジE12と、第3エッジE13と、第4エッジE14と、被位置決め部の一例としての溝1141とを有する。
【0072】
2.1.4.1 第1エッジE11から第4エッジE14
第1エッジE11は、第2方向における一方のエッジである。第1エッジE11は、第1方向に延びる。第2エッジE12は、第2方向における他方のエッジである。第2エッジE12は、第1方向に延びる。第3エッジE13は、第1方向における一方のエッジである。第3エッジE13は、第1方向において、熱伝導部材114の一端部である。第3エッジE13は、第2方向に延びる。第4エッジE14は、第1方向における他方のエッジである。第4エッジE14は、第1方向において、熱伝導部材114の他端部である。第4エッジE14は、第2方向に延びる。
【0073】
2.1.4.2 溝1141
溝1141は、第1方向において、熱伝導部材114の第3エッジE13と、熱伝導部材114の第4エッジE14との間に位置する。溝1141は、第1方向において、熱伝導部材114の一端部と熱伝導部材114の他端部との間に位置する。溝1141は、第1方向において、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートSが通る領域Aの外に位置する。これにより、領域A内における熱伝導を溝1141が阻害することを防止できる。その結果、領域A内において、定着温度の均一化を図ることができる。ホルダ113の突起1132が溝1141に嵌まった状態で、溝1141は、ホルダ113の突起1132に対して位置決めされる。
【0074】
溝1141は、第2方向において、第1エッジE11から第2エッジE12に向かって凹む。具体的には、溝1141は、矩形状である。詳しくは、溝1141は、壁1141Aと、壁1141Bとを有する。溝1141の形状は、壁114Aと壁114Bとを有し、突起1132の形状に対応していれば、限定されない。
【0075】
壁1141Aは、第1方向において、溝1141の一端部に位置する。壁1141Aは、第1方向と交差する。好ましくは、壁1141Aは、第1方向と直交する。
【0076】
壁1141Bは、第1方向において、溝1141の他端部に位置する。壁1141Bは、第1方向において、壁1141Aから離れて位置する。壁1141Aと壁1141Bとの間の距離は、突起1132の第1方向長さよりも長い。壁1141Bは、第1方向と交差する。好ましくは、壁1141Bは、第1方向と直交する。
【0077】
2.2 加圧ローラ12
図2に示すように、加圧ローラ12は、ベルト111の外周面S2に接触する。加圧ローラ12は、ヒータ112との間にベルト111を挟むことで、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧するためのニップ部を形成する。
【0078】
3.作用効果
(1)定着装置9によれば、図4に示すように、溝1141は、第1方向において、熱伝導部材114の一端部と熱伝導部材114の他端部との間に位置する。
【0079】
そのため、溝1141が熱伝導部材114の一端部または熱伝導部材114の他端部に設けられている場合と比べて、ヒータ112からの熱に伴う熱伝導部材114の膨張の基点を第1方向の中央側にでき、第1方向における熱伝導部材114の膨張を小さくできる。
【0080】
アルミニウム等からなる熱伝導部材114は、ステンレスまたはセラミック等からなる基板1121よりも線膨張率が大きく、熱伝導部材114と接触するヒータ112が熱伝導部材114の膨張によって第1方向に移動する。定着装置9によれば、第1方向における熱伝導部材114の膨張を小さくできるので、ヒータ112が熱伝導部材114の膨張によって第1方向に移動することを、抑制できる。
【0081】
その結果、ヒータ112と熱伝導部材114との位置ずれを抑制できる。
(2)定着装置9によれば、図4に示すように、溝1141は、第1方向において、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートSが通る領域Aの外に位置する。
【0082】
これにより、領域A内における熱伝導を溝1141が阻害することを防止できる。
【0083】
その結果、領域A内において、定着温度の均一化を図ることができる。
【0084】
4.変形例
次に、図5から図10を参照して、変形例について説明する。変形例において、上記した実施形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0085】
(1)上記した実施形態において、突起1132は、第1方向において、支持部1131の中央に位置してもよい。溝1141は、第1方向において、熱伝導部材114の中央に位置してもよい。
【0086】
この変形例によれば、熱伝導部材114と接触するヒータ112が熱伝導部材114の膨張によって第1方向に移動することを、より抑制できる。
【0087】
その結果、ヒータ112と熱伝導部材114との位置ずれを抑制できる。
【0088】
(2)図5に示すように、ホルダ113の位置決め部は、溝201であってもよい。熱伝導部材114の被位置決め部は、突起202であってもよい。
【0089】
溝201は、ホルダ113を第2方向に凹む。詳しくは、溝201は、支持部1131の側面S11を、側面S12から離れる方向へ凹む。溝201は、壁201Aと、壁201Bとを有する。
【0090】
壁201Aは、第1方向において、溝201の一端部に位置する。壁201Aは、第1方向と交差する。好ましくは、壁201Aは、第1方向と直交する。
【0091】
壁201Bは、第1方向において、溝201の他端部に位置する。壁201Bは、第1方向において、壁201Aから離れて位置する。壁201Aと壁201Bとの間の距離は、突起202の第1方向長さよりも長い。壁201Bは、第1方向と交差する。好ましくは、壁201Bは、第1方向と直交する。
【0092】
突起202は、第1エッジE11から第2方向に突出する。突起202は、溝201に嵌まる。突起202は、第1方向一方の側面202Aと、第1方向他方の側面202Bとを有する。
【0093】
側面202Aは、第1方向と交差する。好ましくは、側面202Aは、第1方向と直交する。側面202Aは、溝201の壁201Aと対向する。
【0094】
側面202Bは、第1方向において、側面202Aから離れて位置する。側面202Bは、第1方向と交差する。好ましくは、側面202Bは、第1方向と直交する。側面202Bは、溝201の壁201Bと対向する。
【0095】
側面202Aが壁201Aと接触するか、または、側面202Bが壁201Bと接触することにより、熱伝導部材114は、ホルダ113に対して、第1方向において位置決めされる。
【0096】
この変形例でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0097】
この変形例でも、溝201は、第1方向において、支持部1131の中央に位置してもよい。突起202は、第1方向において、熱伝導部材114の中央に位置してもよい。
【0098】
(3)図6に示すように、被位置決め部は、穴301であってもよい。穴301は、第2方向において、第1エッジE11と第2エッジE12との間に位置する。穴301は、円形状であり、熱伝導部材114を厚み方向に貫通する。
【0099】
突起302は、側面S11と側面S12との間に位置する。突起302は、側面S11および側面S12から離れて位置する。突起302は、熱伝導部材114の厚み方向において、ホルダ113の支持面S10(図2参照)から突出する。突起302は、円柱形状である。突起302は、穴301に嵌まる。突起302が穴301に嵌まることにより、熱伝導部材114は、ホルダ113に対して、第1方向において位置決めされる。
【0100】
この変形例でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0101】
なお、穴301および突起302の形状は、限定されない。例えば、多角形の穴301に、穴301と同じ多角形の突起302が嵌まってもよい。
【0102】
この変形例でも、突起302は、第1方向において、支持部1131の中央に位置してもよい。穴301は、第1方向において、熱伝導部材114の中央に位置してもよい。
【0103】
(4)図7Aに示すように、ホルダ113の位置決め部は、穴401であってもよい。熱伝導部材114の被位置決め部は、突起402であってもよい。
【0104】
穴401は、熱伝導部材114の厚み方向において、ホルダ113の熱伝導部材114側の表面、すなわち、支持面S10に位置する。穴401は、支持面S10から、熱伝導部材114の厚み方向に凹む。なお、穴401は、溝であってもよい。
【0105】
図7Bに示すように、突起402は、熱伝導部材114の厚み方向において、熱伝導部材114のホルダ113側の表面S20からホルダ113に向かって突出する。突起402は、穴401(図7A参照)に嵌まる。突起402が穴401に嵌まることにより、熱伝導部材114は、ホルダ113に対して、第1方向において位置決めされる。突起402の大きさは、穴401の大きさよりも小さい。
【0106】
この変形例でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0107】
この変形例でも、穴401は、第1方向において、支持部1131の中央に位置してもよい。突起402は、第1方向において、熱伝導部材114の中央に位置してもよい。
【0108】
(5)図8に示すように、ホルダ113は、2つの穴401A、401Bを有してもよい。熱伝導部材114は、2つの突起402A、402Bを有してもよい。
【0109】
穴401A、401Bのそれぞれは、熱伝導部材114の厚み方向において、ホルダ113の熱伝導部材114側の表面、すなわち、支持面S10に位置する。穴401A、401Bのそれぞれは、支持面S10から、熱伝導部材114の厚み方向に凹む。なお、穴401A、401Bのそれぞれは、溝であってもよい。穴401A、401Bは、第1方向に間隔を有する。言い換えると、穴401Bは、第1方向において、穴401Aと間隔をあけて位置する。穴401A、401Bは、第1方向において、画像形成装置1が印刷可能な最大のシートSが通る領域A(図4参照)の端部に位置する。詳しくは、穴401Aは、第1方向において、領域Aの一端部に位置する。穴401Bは、第1方向において、領域Aの他端部に位置する。
【0110】
突起402A、402Bは、熱伝導部材114の厚み方向において、熱伝導部材114のホルダ113側の表面S20からホルダ113に向かって突出する。この変形例では、突起402A、402Bのそれぞれは、熱伝導部材114を屈曲させることにより、形成される。これにより、突起402A、402Bのそれぞれは、熱伝導部材114の厚み方向において、ヒータ112との間に隙間を有する。
【0111】
突起402A、402Bは、第1方向に間隔を有する。言い換えると、突起402Bは、第1方向において、突起402Aと間隔をあけて位置する。突起402A、402Bは、第1方向において、領域A(図4参照)の端部に位置する。詳しくは、突起402Aは、第1方向において、領域Aの一端部に位置する。突起402Bは、第1方向において、領域Aの他端部に位置する。この変形例では、領域Aの一端部、および、領域Aの他端部において、熱伝導部材114とヒータ112との間に、隙間が形成される。そのため、第1方向において領域Aよりも外側への熱伝導を、突起402A、402Bによって抑制できる。その結果、領域A内において、定着温度の低下を抑制できる。
【0112】
突起402Aは、穴401Aに嵌まり、突起402Bは、穴401Bに嵌まる。突起402Aが穴401Aに嵌まり、突起402Bが穴401Bに嵌まることにより、熱伝導部材114は、ホルダ113に対して、第1方向において位置決めされる。突起402Aが穴401Aに嵌まった状態で、第1方向における突起402Aの外側において、突起402Aの周面と穴401Aの内面との間に隙間がある。突起402Bが穴401Bに嵌まった状態で、第1方向における突起402Bの外側において、突起402Bの周面と穴401Bの内面との間に隙間がある。突起402Aの周面と穴401Aの内面との間、および、突起402Bの周面と穴401Bの内面との間に隙間があることにより、ホルダ113に対する熱伝導部材114の姿勢を安定させることができる。詳しくは、熱伝導部材114が膨張したときに、熱伝導部材114がホルダ113に対して第1方向とねじれる方向にずれることを、抑制できる。
【0113】
この変形例でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0114】
(6)図9に示すように、熱伝導部材114は、第1テーパ部501Aと、第2テーパ部501Bとを有してもよい。ホルダ113の支持部1131は、第3テーパ部502Aと、第4テーパ部502Bとを有してもよい。
【0115】
第1テーパ部501Aは、熱伝導部材114の第1方向一方側の半分である。第1テーパ部501Aの第2方向の長さは、第1方向における熱伝導部材114の一端部から熱伝導部材114の中央に向かうにつれて、短くなる。
【0116】
第2テーパ部501Bは、熱伝導部材114の第1方向他方側の半分である。第2テーパ部501Bの第2方向の長さは、第1方向における熱伝導部材114の他端部から熱伝導部材114の中央に向かうにつれて、短くなる。第2テーパ部501Bは、第1方向における熱伝導部材114の中央において、第1テーパ部501Aと接続する。
【0117】
第3テーパ部502Aは、支持部1131の第1方向一方側の半分である。第3テーパ部502Aは、第1テーパ部501Aに沿う。詳しくは、第2方向における第3テーパ部502Aの長さは、第1方向における支持部1131の一端部から支持部1131の中央に向かうにつれて、短くなる。
【0118】
第4テーパ部502Bは、支持部1131の第1方向他方側の半分である。第4テーパ部502Bは、第2テーパ部501Bに沿う。詳しくは、第2方向における第4テーパ部502Bの長さは、第1方向における支持部1131の他端部から支持部1131の中央に向かうにつれて、短くなる。第4テーパ部502Bは、第1方向における支持部1131の中央において、第3テーパ部502Aと接続する。
【0119】
熱伝導部材114がホルダ113に対して第1方向に移動しようとすると、第1テーパ部501Aと第2テーパ部501Bとの接続部分P1が、第3テーパ部502Aと第4テーパ部502Bとの接続部分P2と接触する。接続部分P1が接続部分P2と接触することにより、熱伝導部材114は、ホルダ113に対して、第1方向において位置決めされる。つまり、第1テーパ部501Aと第2テーパ部501Bとの接続部分P1が、被位置決め部であり、第3テーパ部502Aと第4テーパ部502Bとの接続部分P2が、位置決め部である。
【0120】
この変形例でも、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0121】
(7)図10に示すように、熱伝導部材114は、第1テーパ部601Aと、第2テーパ部601Bとを有してもよい。ホルダ113の支持部1131は、第3テーパ部602Aと、第4テーパ部602Bとを有してもよい。
【0122】
第1テーパ部601Aは、熱伝導部材114の第1方向一方側の半分である。第1テーパ部601Aの第2方向の長さは、第1方向における熱伝導部材114の一端部から熱伝導部材114の中央に向かうにつれて、長くなる。
【0123】
第2テーパ部601Bは、熱伝導部材114の第1方向他方側の半分である。第2テーパ部601Bの第2方向の長さは、第1方向における熱伝導部材114の他端部から熱伝導部材114の中央に向かうにつれて、長くなる。第2テーパ部601Bは、第1方向における熱伝導部材114の中央において、第1テーパ部601Aと接続する。
【0124】
第3テーパ部602Aは、支持部1131の第1方向一方側の半分である。第3テーパ部602Aは、第1テーパ部601Aに沿う。詳しくは、第2方向における第3テーパ部602Aの長さは、第1方向における支持部1131の一端部から支持部1131の中央に向かうにつれて、長くなる。
【0125】
第4テーパ部602Bは、支持部1131の第1方向他方側の半分である。第4テーパ部602Bは、第2テーパ部601Bに沿う。第2方向における第4テーパ部602Bの長さは、第1方向における支持部1131の他端部から支持部1131の中央に向かうにつれて、長くなる。第4テーパ部602Bは、第1方向における支持部1131の中央において、第3テーパ部602Aと接続する。
【0126】
この変形例でも、図9に示す変形例と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0127】
9 定着装置
111 ベルト
112 ヒータ
1121 基板
1122 発熱体
113 ホルダ
1132 突起
1132A 側面
1132B 側面
114 熱伝導部材
1141 溝
1141A 壁
1141B 壁
A 領域
A4 回転軸
E11 第1エッジ
E12 第2エッジ
S シート
S1 内周面
S2 外周面
201 溝
201A 壁
201B 壁
202 突起
202A 側面
202B 側面
301 穴
302 突起
401 穴
402 突起
401A 穴
401B 穴
402A 突起
402B 突起
S10 支持面
S20 表面
501A 第1テーパ部
501B 第2テーパ部
502A 第3テーパ部
502B 第4テーパ部
601A 第1テーパ部
601B 第2テーパ部
602A 第3テーパ部
602B 第4テーパ部
P1 接続部分
P2 接続部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10