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特開2022-102924シート積載装置及び画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102924
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】シート積載装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/00 20060101AFI20220630BHJP
   B65H 43/06 20060101ALI20220630BHJP
   B65H 31/10 20060101ALI20220630BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
B65H31/00 Z
B65H43/06
B65H31/10
G03G15/00 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217998
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】相原 裕一
【テーマコード(参考)】
2H072
3F048
3F054
【Fターム(参考)】
2H072AA26
2H072FB01
2H072FB09
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA01
3F048CB02
3F048CB06
3F048CB13
3F048DA09
3F048DB02
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA04
3F054BD02
3F054CA11
3F054CA16
3F054DA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異常積載状態であっても積載しているシートの有無を正しく検知し、積載トレイの過積載を防止し得るシート積載装置及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】紙面検知動作の終了を判定し、紙面検知を終了した状態から下積載トレイの上昇移動を開始して、シート高さ低減センサ714がOFF状態への変化を検知した後にON状態に変化したことを検知した場合、下積載トレイの積載面にシートが積載されていると認識することにより、シートの過積載を防止する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを排出するシート排出手段と、
前記シート排出手段により排出されたシートを積載するシート積載手段と、
前記シート積載手段を昇降させる昇降手段と、
前記シート積載手段の昇降方向に沿って設けられ、前記シート積載手段上のシート及び前記シート積載手段を検出可能な第1検出手段と、
前記第1検出手段の検出状態によって前記シート積載手段上のシートの有無を認識するためのシート有無認識処理を行うシート有無認識手段とを備え、
前記シート有無認識手段は、前記シート有無認識処理において、前記第1検出手段が前記シート積載手段上のシート又は前記シート積載手段を検出している検出状態で、前記昇降手段により前記シート積載手段が上昇しているとき、前記第1検出手段が前記検出状態から、前記シート積載手段上のシート及び前記シート積載手段を検出しない非検出状態になり、更にその後前記非検出状態から前記検出状態になる場合、前記シート積載手段上にシートがあると認識する、ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記昇降手段による前記シート積載手段の上昇量を認識する上昇量認識手段を更に備え、
前記シート有無認識手段は、前記シート有無認識処理において、前記第1検出手段が前記シート積載手段上のシート又は前記シート積載手段を検出している検出状態で、前記昇降手段により前記シート積載手段が上昇しているとき、前記第1検出手段が前記検出状態から前記非検出状態になった後、前記上昇量認識手段により認識される前記シート積載手段の上昇量が所定量を超えても、依然として記非検出状態である場合、前記シート積載手段上にシートが無いと認識する、請求項1記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記シート積載手段の積載面上のシートの有無を検出する第2検出手段を更に有し、
前記シート有無認識手段は、前記第2検出手段が前記シート積載手段の積載面上にシートが無いことを検出したとき、前記シート有無認識処理を実行する、請求項1又は請求項2記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記シート排出手段によって前記シート積載手段へ排出された排出シート数を認識する排出シート数認識手段と、
前記排出シート数認識手段が認識した排出シート数をクリアするか否かを決定し、クリアする場合は、前記排出シート数認識手段が認識した排出シート数を0にする排出シート数クリア手段と、を更に備え、
前記排出シート数クリア手段は、前記シート有無認識手段が前記シート有無認識処理において、前記シート積載手段上にシートが無いと認識した場合に前記排出シート数をクリアし、前記シート積載手段上にシートが有ると認識した場合に前記排出シート数をクリアしない決定をする、請求項1乃至3のいずれかに記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記シート排出手段は、前記排出シート数認識手段が認識した排出シート数が前記シート積載手段に積載可能なシート量の上限に達したとき、前記シート積載手段へのシート排出を停止し、その後、前記シート有無認識手段のシート有無認識処理により、前記シート積載手段上にシートが無いと認識されたとき、前記シート積載手段へのシート排出を再開する、請求項4記載のシート積載装置。
【請求項6】
前記第1検出手段が前記シート積載手段上のシートを検出した後、前記昇降手段によって上昇している前記シート積載手段上に積載されたシートの高さを認識する積載シート高さ認識手段と、
前記積載シート高さ認識手段が認識した前記シート積載手段上のシートの高さから、前記シート積載手段へ排出された排出シート数を予測する排出シート数予測手段と、
前記排出シート数認識手段が認識した排出シート数を更新する排出シート数更新手段と、
を備え、
前記排出シート数認識手段が認識した前記シート積載手段への排出シート数と、前記排出シート数予測手段が予測した排出シート数予測値との間に、所定の値以上の差異がある場合、前記排出シート数更新手段は、前記排出シート数認識手段が認識した前記シート積載手段への排出シート数を、前記排出シート数予測手段が予測した排出シート数予測値に更新する、請求項4に記載のシート積載装置。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記請求項1乃至6のいずれかに記載のシート積載装置とを備えた画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを積載するシート積載装置、及び該シート積載装置を備えた画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、積載トレイに積載されたシート束の高さを検知し、シート束の高さが所定の高さに達したか否かを判定して、満載状態を検知するシート積載装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、積載トレイへ積載するシートの枚数をカウントし、積載シート上限枚数と比較して積載トレイ上のシートが満載状態であることを検知する画像形成装置が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平02-270762号公報
【特許文献2】特開平03-013454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
積載トレイにシートを積載するシート積載装置には、シート積載面のシート搬送方向下流側の傾斜角度をシート搬送方向上流側の傾斜角度よりもなだらかに構成したものが存在する。このような構成の積載トレイ上に剛性の高いシートが排出されると、シートがシート積載面に沿って積載されないことがあり得る。
【0006】
図14は、シート積載面のシート搬送方向下流側の傾斜角度をシート搬送方向上流側の傾斜角度よりもなだらかに構成した積載トレイを備えるシート積載装置における積載トレイの断面図である。図14(A)は、シートがシート積載面に沿って積載された正常な積載状態を示している。図14(B)は、シートがシート積載面に沿って積載されていない異常な積載状態を示している。
【0007】
通常、積載トレイのシート積載面には、シート積載面に沿って積載されたシートを検知するシート有無センサが設けられている。しかしながら、シート積載面に沿ってシートが積載されない異常な積載状態であると、シートがシート有無センサに接触しないために、シートの有無を検知できない虞がある。
【0008】
そのような場合、積載シート枚数に基づいて満載を検知するモードでは、積載されたシート数のカウントをクリアしてしまい、適切なタイミングで満載を検知できなくなる。その結果、積載トレイに積載可能なシート数以上にシートを積載してしまう過積載を引き起こす虞があり、この状態になるとシートを良好に積載できなくなる。
【0009】
そこで、本発明は、上述した従来の問題点を解消するためになされたもので、その目的は、異常積載状態であっても積載しているシートの有無を正しく検知し、積載トレイの過積載を防止し得るシート積載装置及び画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のシート積載装置は、
シートを排出するシート排出手段と、
前記シート排出手段により排出されたシートを積載するシート積載手段と、
前記シート積載手段を昇降させる昇降手段と、
前記シート積載手段の昇降方向に沿って設けられ、前記シート積載手段上のシート及び前記シート積載手段を検出可能な第1検出手段と、
前記第1検出手段の検出状態によって前記シート積載手段上のシートの有無を認識するシート有無認識手段とを備え、
前記シート有無認識手段は、前記第1検出手段が前記シート積載手段上のシート又は前記シート積載手段を検出している検出状態で、前記昇降手段により前記シート積載手段が上昇しているとき、前記第1検出手段が前記検出状態から、前記シート積載手段上のシート及び前記シート積載手段を検出しない非検出状態になり、更にその後前記非検出状態から前記検出状態になる場合、前記シート積載手段上にシートがあると認識する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シート有無認識手段の検出状態・非検出状態の変化から、シート積載手段に積載されたシートの満載状態を検知することができ、シート積載面に設けられたセンサがシートの有無を検知できない場合でも、シート積載手段に積載可能なシート量以上にシートを積載してしまう過積載を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るシート積載装置を備えた画像形成システムの概略構成を示す断面図である。
図2】(a)図は図1の画像形成システムのフィニッシャを正面から見た図、(b)図は上方から見た図である。
図3図1の画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
図4図3のフィニッシャ制御部の構成を示すブロック図である。
図5】エリア検知部の実装状態を示す斜視図である。
図6】積載トレイの位置検知に用いるフラグの説明図である。
図7】(a)図はエリア検知部の後支柱を上から見た図、(b)図は後支柱を上から見た図である。
図8】積載トレイの移動エリアの説明図である。
図9】積載トレイの昇降動作を検知する構成を示す図である。
図10】第1の満載検知処理の手順を示すフローチャートである。
図11】第2の満載検知処理の手順を示すフローチャートである。
図12】第3の満載検知処理の手順を示すフローチャートである。
図13】シート有無検知処理の手順を示すフローチャートである。
図14】シート積載面が平面でない積載トレイを備えたシート積載装置における積載トレイの断面図であり、(A)図はシートがシート積載面に沿って積載された正常な積載状態を、(B)図は剛性の高いシートが排出された際にシートがシート積載面に沿って積載されていない異常な積載状態を示している。
図15】シートが積載トレイに積載されている状態における、シート有無検知処理の各状態を示す積載トレイの断面図であり、(a)図は紙面検知を終了しシート有無検知処理を開始する状態を、(b)図は(a)図の状態からシート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化した状態を、(c)図は(b)図の状態からシート高さ低減センサ714がON状態へ変化した状態を示している。
図16】シートが積載トレイに積載されていない状態における、シート有無検知処理の各状態を示す積載トレイの断面図であり、(d)図は紙面検知を終了しシート有無検知処理を開始する状態を、(e)図は(d)図の状態からシート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化した状態を、(f)図は(d)図の状態から積載トレイが上限位置へ到達した状態を示している。
図17】第3の満載検知処理において実施される満載状態を解除する満載解除処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しつつ、その好適な実施態様について詳細に説明する。添付図面において、同一又は類似の構成要素には、同一又は類似の参照符号を付して表すものとする。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るシート積載装置を備えた画像形成システムの概略構成を示す断面図である。図1において、画像形成システム1000は、主として画像形成装置100、シート積載装置(フィニッシャ)500、及び操作表示装置400から構成されている。画像形成装置100は、原稿から画像を読み取るイメージリーダ200、原稿をイメージリーダ200に給送する原稿給送装置300、及び読み取った画像をシート上に形成するプリンタ350を備えている。
【0015】
原稿給送装置300は、原稿トレイ101、プラテンガラス102、及び、排紙トレイ112を備えている。原稿給送装置300は、原稿トレイ101上に上向きにセットされた原稿を先頭頁から順に1枚ずつ図1中、左方向へ給紙し、湾曲した搬送パスを介してプラテンガラス102上を左から所定の読み取り位置を経て右方向へ搬送する。そして、その後、原稿を排紙トレイ112に排出する。
【0016】
イメージリーダ200は、ランプ103を備えたスキャナユニット104、ミラー105、106、107、レンズ108、及びイメージセンサ109を備えている。イメージリーダ200は、原稿がプラテンガラス102上の所定の読み取り位置を図1中、左から右へ向かって通過するときに、イメージセンサ109によって原稿画像を読み取る。このような読み取り方法を流し読みという。
【0017】
読み取り位置とは、プラテンガラス102上で原稿の読み取りを行う所定の位置であり、スキャナユニット104が固定される位置に対向するプラテンガラス102上の位置をいう。原稿が、プラテンガラス102上の読み取り位置を左から右へ向けて通過するときに、読み取り位置に対向するように保持されたスキャナユニット104を介して原稿画像が読み取られる。このとき、スキャナユニット104のランプ103から出射された光が原稿面に照射され、原稿からの反射光がミラー105、106、107を介してレンズ108に導かれる。レンズ108を通過した光がイメージセンサ109の撮像面に結像することによって原稿画像が読み取られる。
【0018】
光学的に読み取られた画像は、イメージセンサ109によって画像データに変換されて出力される。イメージセンサ109から出力された画像データは、後述するプリンタ350の露光装置110にビデオ信号として入力される。
【0019】
次に、プリンタ350の構成について説明する。
プリンタ350は、画像形成部と、画像形成部に記録用紙としてのシートPを搬送する搬送パスと、シートPを収容する用紙収容部とを備えている。画像形成部は、像担持体としての感光ドラム111と、該感光ドラム111に対向するように配置され、ポリゴンミラー119を備えた露光装置110、及び現像装置113を備えている。用紙収容部は、上カセット114、及び下カセット115、並びに手差給紙部125で構成されている。
【0020】
搬送路としての搬送パスは、上カセット114又は下カセット115からシートPを感光ドラム111の転写部116まで搬送する供給パス131と、画像形成後のシートPを、定着装置117を経て機外に排出する排出パス132を備えている。排出パス132の定着装置117の下流側には反転パス122が接続されており、反転パス122には、両面搬送パス124が接続されている。
【0021】
供給パス131には、上カセット114及び下カセット115にそれぞれ対応するピックアップローラ127及び128、搬送ローラ129及び130、レジストレーションローラ(レジストローラ)126が設けられている。排出パス132には、定着装置117の下流側に接続された反転パス122との分岐部に設けられた切換フラッパ121、及び、シートPを下流側のフィニッシャ500に向けて排出する搬送ローラ118が設けられている。
【0022】
このような構成のプリンタ350において、露光装置110は、イメージリーダ200から入力されたビデオ信号に基づいてレーザ光を変調し、ポリゴンミラー119で感光ドラム111の表面を露光走査しながらビデオ信号に応じた静電潜像を形成する。感光ドラム111に形成された静電潜像に対し、現像装置113が現像剤としてのトナーを供給してトナー像として可視化する。
【0023】
一方、上カセット114又は下カセット115からピックアップローラ127又は128によって給紙されたシートPは、搬送ローラ129又は130によって、停止中のレジストローラ126まで搬送される。シートPがレジストローラ126に到達すると、画像形成装置100から下流側装置であるフィニッシャ500に対し、シートPのシート情報が通信手段を介して通知される。シート情報には、シートサイズ、坪量、シート材種別(シートマテリアル)、後処理モードなどの情報が含まれる。
【0024】
供給パス131を経て搬送されたシートPの先端がレジストローラ126に当接して停止した後、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、レジストローラ126がシートPを感光ドラム111の転写部116まで搬送する。感光ドラム111に形成されたトナー像は、転写部116によってシートPに転写される。トナー像が転写されたシートPは、定着装置117に搬入され、ここで、シートPが加熱及び加圧されることによってトナー像がシートPに定着される。定着装置117から排出されたシートPは、例えば、切換フラッパ121及び搬送ローラ118を経てフィニッシャ500に向けて排出される。
【0025】
シートPの画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン)で排出する際は、定着装置117を通過したシートPが切換フラッパ121の切換動作により一旦、反転パス122内に導かれる。そして、シートPの後端が切換フラッパ121を通過した後、シートPがスイッチバックされ、その後、搬送ローラ118によって機外に排出される。このような反転排出は、原稿給送装置300を使用して読み取った画像を形成するとき、又はコンピュータから出力された画像を形成するときなどのように、先頭頁から順に画像形成するときに実行される。このとき、排出後のシートの順序は、昇順になる。
【0026】
また、手差給紙部125から給紙されたOHPシートなどの硬いシートPに画像を形成するときには、シートPを反転パス122に導くことなく、画像形成面を上向きにした状態で、搬送ローラ118によってシートPが機外に排出される。
【0027】
一方、シートPの両面に画像を形成する両面印刷が実行される場合は、切換フラッパ121の切換動作によって第1面に画像が形成されたシートPが反転パス122に導かれ、その後、スイッチバックされ、さらに両面搬送パス124に搬入される。そして、両面搬送パス124から所定のタイミングで再度感光ドラム111の転写部116まで搬送され、シートPの第2面に画像が形成される。
【0028】
次に、フィニッシャ500の構成について説明する。図2は、フィニッシャ500の構成図である。図2(a)は、図1のフィニッシャ500を正面から見た図である。図2(b)は、図1のフィニッシャ500を上方から見た図である。
【0029】
フィニッシャ500は、プリンタ350から排出されたシートPを取り込んで搬送する搬送パス520と、搬送パス520に接続されシートPを上積載トレイ701まで搬送する上搬送パス521及び下積載トレイ702まで搬送する下搬送パス522を備えている。
【0030】
搬送パス520には、シートPの搬送方向に沿って順次、搬送ローラ511、512、513、及び、514が配置されている。搬送ローラ511の上流側に搬送センサ570が配置され、搬送ローラ512の下流側に搬送センサ571が配置されている。また、搬送ローラ514の下流側に搬送センサ572が配置されている。
【0031】
搬送パス520は、搬送センサ572の下流側で上搬送パス521と下搬送パス522に分岐している。上搬送パス521と下搬送パス522との分岐点には切換フラッパ541が配置されている。切換フラッパ541は、後述するソレノイドSL1によって駆動される。
【0032】
上搬送パス521には、搬送ローラ515が設けられており、搬送ローラ515の上流側に搬送センサ573が配置されている。また、下搬送パス522には、搬送ローラ516、517、518、及び519が設けられており、搬送ローラ519の上流側に搬送センサ574が配置されている。搬送センサ573及び574は、それぞれ上積載トレイ701及び下積載トレイ702へ排出されるシートPを検知する。
【0033】
上積載トレイ701及び下積載トレイ702は、それぞれシート積載面のシート搬送方向下流側の傾斜角度がシート搬送方向上流側の傾斜角度よりもなだらかになるように構成されている。すなわち、上積載トレイ701及び下積載トレイ702は、シート搬送方向下流側がシート搬送方向上流側に比べ、該上積載トレイ701及び下積載トレイ702が取り付けられている装置側面に対する傾斜角度が大きくなるように傾斜している。
【0034】
上積載トレイ701及び下積載トレイ702のシート積載面には、それぞれシート積載面上のシート積載面に沿って積載されたシートの有無を検知するシート検知手段としてのシート有無センサ712及び715が設けられている。上積載トレイ701及び下積載トレイ702は、それぞれトレイ昇降モータM5及びM6によって昇降可能に構成されている。
【0035】
上積載トレイ701におけるシート搬送方向上流側の装置壁面には、上積載トレイ701上のシートの上面を検知する紙面センサ710及び上積載トレイ701に積載されたシートの高さの減少を検知するシート高さ低減センサ711が配置されている。また、下積載トレイ702における搬送方向上流側の装置壁面には、下積載トレイ702上のシートの上面を検知する紙面センサ713及び下積載トレイ702に積載されたシートの高さの減少を検知するシート高さ低減センサ714が配置されている。紙面センサ710及び紙面センサ713は、それぞれ、シート高さ低減センサ711及びシート高さ低減センサ714の上方に配置されている。
【0036】
シート高さ低減センサ711、714は、そのセンサ出力が対応する上積載トレイ701、下積載トレイ702それぞれに積載されたシートを検知する検知状態からシートを検知しない非検知状態に変化することによって積載トレイに積載されたシートの取出し又は散乱を検知する。
【0037】
紙面センサ710とシート高さ低減センサ711、及び、紙面センサ713とシート高さ低減センサ714の出力に基づいて紙面検知動作が行われる。紙面検知動作に関しては後で、詳細に説明する。
【0038】
上積載トレイ701及び下積載トレイ702はそれぞれ、昇降時の移動方向の位置検知を行うエリア検知部600、601を備える。図5は、上積載トレイ701及び下積載トレイ702のエリア検知部600、601の実装状態を示す斜視図である。上積載トレイ701及び下積載トレイ702のエリア検知部の構成は共通であるので、代表してエリア検知部600について説明する。
【0039】
エリア検知部600は、4つのエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4を有する。これらエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4は、例えばフォトインタラプタであり、図5の例ではU字の形状をしている。上積載トレイ701及び下積載トレイ702の移動方向の位置は、これら4つのエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4からの出力の組み合わせに基づいて検知される。
【0040】
上積載トレイ701及び下積載トレイ702を支持する後支柱610b(図2(b))内には、図6(a)に示すように、4種類のフラグF1、F2、F3、F4が上積載トレイ701及び下積載トレイ702の移動方向(上下方向)に配置されている。図7(a)は、後支柱610bを上から見た図である。図7(b)は、後支柱610b及びエリアセンサPI1~PI4の係合の様子を上から見た図である。フラグF1、F2、F3、F4は、各先端部がエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4の中央の空隙部に位置するように配置される。
【0041】
上積載トレイ701及び下積載トレイ702が昇降することで、エリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4は、フラグF1、F2、F3、F4の有無を検知する。エリア検知部600は、エリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4の4つの検知結果の組み合わせによって、図6(b)に示すように、上積載トレイ701及び下積載トレイ702の移動範囲を移動方向における9つの移動エリアに区分して検知する。これら9つの移動エリアを、図8にエリア1~エリア9として示す。
【0042】
このような構成のフィニッシャ500は、画像形成装置100から排出されたシートPを入口モータM1によって駆動される搬送ローラ511によって搬送パス520に順に取り込む。搬送ローラ511によって取り込まれたシートPは、同じく入口モータM1によって駆動される搬送ローラ512、513を経て搬送される。このとき、搬送センサ570、571は、それぞれシートPの通過を検知する。
【0043】
シートPが上積載トレイ701に積載される場合、切換フラッパ541は、搬送先を上搬送パス521側に切り換える。これにより、シートPは、搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ514によって上搬送パス521へと導かれ、排出モータM4によって駆動される搬送ローラ515によって上積載トレイ701へ排出される。搬送センサ572及び573は、シートPの通過を検知する。
【0044】
シートPが下積載トレイ702に積載される場合、切換フラッパ541は、搬送先を下搬送パス522側に切り換える。これにより、シートPは、搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ514によって下搬送パス522へと導かれる。その後、シートPは、排出モータM4によって駆動される搬送ローラ516、517、518により搬送され、排出モータM4により駆動される搬送ローラ519によって下積載トレイ702へ排出される。このとき、搬送センサ574は、シートPの通過を検知する。
【0045】
次に、図1の画像形成システム1000全体の制御を司るコントローラを備えた画像形成システム全体の構成について説明する。
【0046】
図3は、図1の画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。図3において、画像形成システム1000は、制御部としてのコントローラCPU回路部900を備えている。コントローラCPU回路部900は、システム制御手段としてのCPU901、ROM902、RAM903を内蔵する。CPU901は、画像形成システム1000全体の基本制御を行うCPUであり、制御プログラムが書き込まれたROM902、及び処理を行うためのRAM903とそれぞれアドレスバス、又はデータバスにより接続されている。
【0047】
CPU901は、各制御部911、921、922、904、931、941、及び951とそれぞれ接続されており、これらをROM902に格納されている制御プログラムに従って総括的に制御する。各制御部としては、原稿給送装置制御部911、イメージリーダ制御部921、画像信号制御部922、外部I/F904、プリンタ制御部931、操作表示装置制御部941、及び、フィニッシャ制御部951が挙げられる。RAM903は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
【0048】
原稿給送装置制御部911は、原稿給送装置300をコントローラCPU回路部900からの指示に基づき駆動制御する。イメージリーダ制御部921は、上述のスキャナユニット104、イメージセンサ109などに対する駆動制御を行い、イメージセンサ109から出力された画像信号を画像信号制御部922に転送する。
【0049】
画像信号制御部922は、イメージセンサ109からのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後、各処理を施し、デジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部931に出力する。また、画像信号制御部922は、コンピュータ905から外部I/F904を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、このデジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部931に出力する。画像信号制御部922による処理動作は、コントローラCPU回路部900により制御される。プリンタ制御部931は、入力されたビデオ信号に基づき露光装置110を含むプリンタ350を制御し、画像形成及びシート搬送を行う。
【0050】
操作表示装置制御部941は、操作表示装置400とコントローラCPU回路部900との間で情報のやり取りを行う。操作表示装置400は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示するための表示部などを有する。操作表示装置400は、また、各キーの操作に対応するキー信号をコントローラCPU回路部900に出力するとともに、コントローラCPU回路部900からの信号に基づき対応する情報を操作表示装置400に表示する。
【0051】
フィニッシャ制御部951は、フィニッシャ500に搭載され、コントローラCPU回路部900と情報のやり取りを行うことによってフィニッシャ500全体の駆動制御を行う。この制御内容については後述する。
【0052】
次に、フィニッシャ500の制御構成について説明する。図4は、図3におけるフィニッシャ制御部951の構成を示すブロック図である。
【0053】
図4において、フィニッシャ制御部951は、CPU952、ROM953、RAM954を内蔵する。フィニッシャ制御部951は、通信ICを介して画像形成装置100側に設けられたコントローラCPU回路部900と通信してデータ交換を行う。また、フィニッシャ制御部951は、コントローラCPU回路部900からの指示に基づきROM953に格納されている各種プログラムを実行してフィニッシャ500の駆動制御を行う。
【0054】
フィニッシャ制御部951のCPU952は、入口モータM1、搬送モータM2、M3、排出モータM4、搬送センサ570~574、及びソレノイドSL1とそれぞれ接続されている。また、CPU952は、トレイ昇降モータM5、M6、トレイ駆動センサ750、751、紙面センサ710、713、シート高さ低減センサ711、714、エリアセンサPI1~PI4、及びシート有無センサ712、715とそれぞれ接続されている。CPU952は、コントローラCPU回路部900からの指示に基づきROM953に格納されている各種プログラムを実行してフィニッシャ500の駆動制御を行う。
【0055】
入口モータM1は、シートの搬送を行うために、搬送ローラ511、512、513を駆動する。搬送モータM2は、搬送ローラ514を駆動する。搬送モータM3は、搬送ローラ516、517、518を駆動する。排出モータM4は、搬送ローラ515、519を駆動する。搬送センサ570~574は、シートの通過を検知する。ソレノイドSL1は、シートの搬送先(排出先)を切り替えるために、切換フラッパ541を駆動する。
【0056】
また、トレイ昇降モータM5は、上積載トレイ701を昇降し、トレイ昇降モータM6は、下積載トレイ702を昇降する。シート有無センサ712、715は、それぞれ上積載トレイ701、及び下積載トレイ702上のシートを検知する。紙面センサ710、713は、それぞれ上積載トレイ701、及び下積載トレイ702における積載シートの最上部のシート面を検知する。シート高さ低減センサ711、714は、それぞれ上積載トレイ701、及び下積載トレイ702における積載シートの高さの減少を検知する。シート高さ低減センサ711、714の検知結果に基づいて上積載トレイ701、及び下積載トレイ702を上昇させるか否かの決定がなされる。
【0057】
エリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4は、上述したようにフラグF1、F2、F3、F4の有無を検知し、それらの検知結果により上積載トレイ701及び下積載トレイ702の位置を把握することができる。トレイ駆動センサ750、751は、それぞれ、上積載トレイ701及び下積載トレイ702が所定量昇降するごとに出力のON/OFFが切り替わる検知手段であり、これらにより上積載トレイ701及び下積載トレイ702の昇降検知が実現される。
【0058】
図9(a)、(b)は、トレイ駆動センサ751により下積載トレイ702の昇降動作を検知する構成を示す。トレイ昇降モータM6が動作すると、図示しないプーリを介してエンコーダ760が回転する。トレイ駆動センサ751はフォトインタラプタであり、エンコーダ760の回転により、遮光と非遮光とを繰り返す。図9(a)はトレイ駆動センサ751がエンコーダ760により遮光されてONとなった状態を示し、図9(b)はトレイ駆動センサ751がエンコーダ760により遮光されない(非遮光)でOFFとなった状態を示す。このようにトレイ駆動センサ751は、ON/OFFが切り替わる。トレイ駆動センサ750とトレイ昇降モータM5との関係も同様である。
【0059】
(第1の満載検知処理)
次に、図1の画像形成システムで実行される第1の満載検知処理について、下積載トレイ702にシートを排出するシート積載処理に基づいて説明する。第1の満載検知処理は、積載トレイの高さに基づいて積載トレイの満載状態を検知する処理である。
【0060】
図10は、第1の満載検知処理の手順を示すフローチャートである。第1の満載検知処理は、フィニッシャ500におけるフィニッシャ制御部951のCPU952がROM953に格納された第1の満載検知処理プログラムに従って実行する。
【0061】
図10において、第1の満載検知処理が開始されると、CPU952は、通信ICを介して画像形成装置100のコントローラCPU回路部900からシート処理のジョブデータを受信したか否か判定し(ステップS101)、受信するまで待機する(ステップS101で「NO」)。コントローラCPU回路部900からシート処理のジョブデータを受信した後(ステップS101で「YES」)、CPU952は、処理をステップS102に進める。すなわち、CPU952は、受信したジョブデータにおけるシート坪量[g/m2]、シートマテリアル、後処理情報等に基づいて、図8に示すエリア1~エリア9の中から何れかを満載検知エリアHに決定する(ステップS102)。
【0062】
満載検知エリアHは、フィニッシャ500における後処理の有無、後処理の種類等によって異なる。例えば、ステイプル処理が施されたシート束を積載する場合は、ステイプル処理が施されないシート又はシート束を積載する場合よりも満載検知エリアH(積載トレイ位置)は、高く設定される。ステイプル処理が施されたシート束を積載する場合、針がある部分のシート高さが増すので、満載検知エリアHを高くして、シート束の満載検知の遅れを防止し、シート束の崩れ等を回避するためである。
【0063】
満載検知エリアHを決定した後、CPU952は、紙面検知動作が終了したか否か判定し(ステップS103)、終了するまで待機する(ステップS103で「NO」)。
【0064】
紙面検知動作とは、積載トレイに積載されたシート束における最上部のシート面を検知し、積載トレイへシートを排出するシート排出口と積載トレイ上のシート束の最上部のシート面との間隔が一定になるように積載トレイの上下位置を調整する動作をいう。
【0065】
以下、フィニッシャ500で実行される積載トレイ上の紙面検知動作について、上述した図14(A)を用いて説明する。以下、図14(A)の積載トレイを下積載トレイ702として説明する。
【0066】
図14(A)において、下積載トレイ702が設けられた装置壁面には、シート排出口の下方に、積載トレイ702上の最上部のシート面を検知する紙面センサ713及びシート束の高さの減少を検知するシート高さ低減センサ714が、所定の間隔で配置されている。
【0067】
紙面センサ713及びシート高さ低減センサ714が設けられた下積載トレイ702において、CPU952は、常に、下積載トレイ702の位置が下記の状態になるように制御する。すなわち、CPU952は、紙面センサ713がシート束の最上部位のシート面を検知しない状態(OFF状態)で、かつシート高さ低減センサ714がシート束又は下積載トレイ702を検知している状態(ON状態)になるように、下積載トレイ702の上下位置を制御する。
【0068】
具体的には、CPU952は、下積載トレイ702へのシートの積載が進み、紙面センサ713がON状態になると、トレイ昇降モータM6を駆動して下積載トレイ702を下降させる。そして、CPU952は、紙面センサ713がOFF状態で、かつシート高さ低減センサ714がON状態になると、トレイ昇降モータM6の駆動を停止して下積載トレイ702の下降を停止させる。
【0069】
また、CPU952は、下積載トレイ702に積載されているシートがユーザによって取り除かれてシート高さ低減センサ714がOFF状態になると、トレイ昇降モータM6を駆動して下積載トレイ702を上昇させる。そして、CPU952は、紙面センサ713がOFF状態で、かつシート高さ低減センサ714がON状態になると、トレイ昇降モータM6の駆動を停止して下積載トレイ702の上昇を停止させる。
【0070】
このようにして、CPU952は、下搬送パス522のシート排出口と下積載トレイ702上のシート束の最上部シートとの間隔が常に一定になるように紙面検知動作を行う。上積載トレイ701における紙面検知動作も同様に行われる。
【0071】
図10に戻り、ステップS103の判定の結果、紙面検知動作が終了した場合(ステップS103で「YES」)、CPU952は、エリア検知部600によって検知された積載トレイ検知エリアhが、所定高さである満載検知エリアHに到達したか否か判定する。そして、CPU952は、満載検知エリアHに到達するまで、ステップS103、S104の処理を繰り返す(ステップS104で「NO」)。
【0072】
ステップS104の判定の結果、積載トレイ検知エリアhが満載検知エリアHに到達した場合(ステップS104で「YES」)、CPU952は、下積載トレイ702が満載状態であると判定し、処理をステップS105に進める。すなわち、CPU952は、通信ICを介して画像形成装置100のCPU901に対し、ジョブの停止要求及び満載アラームを通知し、本処理を終了する(ステップS105、S106)。
【0073】
図10の処理によれば、受信したジョブデータにおけるシート坪量[g/m2]、シートマテリアル、後処理情報等に基づいて満載検知エリアHを決定する(ステップS102)。そして、積載トレイ検知エリアhが満載検知エリアHに到達したか否か判定し(ステップS104)、満載検知エリアHに到達した場合に、ジョブを停止し(ステップS105)、満載アラームを通知する(ステップS106)。これによって、適正高さのシート束を形成することができる。
【0074】
本実施の形態によれば、積載トレイに積載された最上部のシート面を検知する紙面検知手段を備える。これによって、積載トレイの上下方向位置と、シート束の最上部のシート面との間隔を一定に保ち、既に積載されたシートと、これから積載トレイに積載されるシートとの衝突を回避してシートを良好に積載することができる。
【0075】
また、本実施の形態によれば、シート高さ低減検知手段がシートの減少を検知すると、前記昇降手段によって前記シート高さ低減検知手段がシート又は前記積載トレイを検知するまで前記積載手段を上昇させる。これによって、積載トレイ上のシートが、ユーザによって取り除かれたこと等を検知することができる。
【0076】
(第2の満載検知処理)
次に、図1の画像形成システムで実行される第2の満載検知処理について、下積載トレイ702にシートを積載するシート積載処理に基づいて説明する。第2の満載検知処理は、シートの積載枚数に基づいて積載トレイの満載状態を検知する処理であり、第1の満載検知処理と並行して実行される。
【0077】
図11は、第2の満載検知処理の手順を示すフローチャートである。第2の満載検知処理は、フィニッシャ500におけるフィニッシャ制御部951のCPU952がROM953に格納された第2の満載検知処理プログラムに従って実行する。
【0078】
図11において、第2の満載検知処理が開始されると、CPU952は、通信ICを介して画像形成装置100のコントローラCPU回路部900からシート処理のジョブデータを受信したか否か判定し(ステップS201)、受信するまで待機する(ステップS201で「NO」)。コントローラCPU回路部900からシート処理のジョブデータを受信した後(ステップS201で「YES」)、CPU952は、処理をステップS202に進める。すなわち、CPU952は、受信したジョブデータにおけるシート坪量[g/m2]、シートマテリアル、後処理情報等に基づいて満載検知枚数X[枚]を決定する(ステップS202)。
【0079】
満載検知枚数Xは、フィニッシャ500における後処理の有無、後処理の種類等によって異なる。例えば、折り処理が施されたシート束が積載される場合は、折り処理が施されないシートが積載される場合よりも満載検知枚数Xは、少なく設定される。折り処理が施されたシート束を積載する場合はシート1枚の厚さが増すので、シート束の満載検知の遅れを防止し、シート束の崩れ等を回避するためである。
【0080】
満載検知枚数X[枚]を決定した後、CPU952は、シート有無センサ715がONか否か判定する(ステップS203)。ステップS203の判定の結果、シート有無センサ715がシートを検知している状態(ON状態)である場合(ステップS203で「YES」)、CPU952は、ステップS201のジョブデータ受信後に画像形成装置100からフィニッシャ500へ排出され、その後にフィニッシャ500の搬送ローラ519によって下積載トレイ702へ排出されるシートPの、下積載トレイ702への排出が完了したか否かを判定する(ステップS205)。
【0081】
ステップS205の判定の結果、シートPの下積載トレイ702への排出が完了した場合(ステップS205で「YES」)、CPU952は、積載枚数カウントCNT[枚]に1を加えて(ステップS206)、処理をステップS207へ進める。すなわち、CPU952は、積載枚数カウントCNT[枚]が満載検知枚数X[枚]に到達したか否か判定する(ステップS207)。ステップS207の判定の結果、積載枚数カウントCNT[枚]が満載検知枚数X[枚]に到達した場合(ステップS207で「YES」)、CPU952は、下積載トレイ702が満載状態であると判定し、処理をステップS208に進める。すなわち、CPU952は、通信ICを介して画像形成装置100のCPU901に対し、ジョブの停止要求及び満載アラームを通知し、本処理を終了する(ステップS208、209)。
【0082】
一方、ステップS207の判定の結果、積載枚数カウントCNT[枚]が、所定枚数である満載検知枚数X[枚]に達していない場合(ステップS207で「NO」)、CPU952は、処理をステップS203に戻す。すなわち、CPU952は、シート有無センサ715の監視と下積載トレイ702へのシート排出の監視を継続し、積載枚数カウントCNTが満載検知枚数X[枚]に到達するまで、ステップS203~S207の処理を繰り返す。
【0083】
また、ステップS203の判定の結果、シート有無センサ715がONでない場合(ステップS203で「NO」)、CPU952は、積載枚数カウントCNT[枚]を0にクリアした後、処理をステップS205へ進める(ステップS204)。
【0084】
また、ステップS205の判定の結果、シートPの下積載トレイ702への排出が完了していない場合(ステップS205で「NO」)、CPU952は、処理をステップS203に戻す。
【0085】
図11の処理によれば、受信したジョブデータにおけるシート坪量[g/m2]、シートマテリアル、後処理情報等に基づいて最適な満載検知枚数X[枚]を決定する(ステップS202)。そして、積載枚数カウントCNT[枚]が満載検知枚数X[枚]に到達したか否か判定し(ステップS207)、満載検知枚数X[枚]に到達した場合に、ジョブを停止し(ステップS208)、満載アラームを通知する(ステップS209)。これによって、適正枚数のシートを適正に積載したシート束を形成することができる。
【0086】
(第3の満載検知処理)
次に、図1の画像形成システムで実行される第3の満載検知処理について、下積載トレイ702にシートを排出するシート積載処理に基づいて説明する。第3の満載検知処理は、剛性の高いシートの積載枚数に基づいて積載トレイの満載状態を検知する処理であり、第1の満載検知処理と並行して実行される。 第3の満載検知処理は、図14(B)に示すように、積載トレイへ排出されたシートがシート積載面に沿って積載されないことで、シート有無センサ712、715がOFFの状態になるような、剛性の高いシートが排出された際に実行される。
【0087】
このような剛性の高いシートが排出された際に、第2の満載検知処理を実行すると、ジョブ実行毎に、図11に示すステップS204で積載枚数カウントCNT[枚]を0にクリアすることから、ステップS207で満載検知枚数を判定する条件を満たすことができず、積載トレイは過積載状態となってしまう。この状態になると、シートを良好に積載することができなくなる。そこで、剛性の高いシートが排出される場合に、後述する第3の満載検知処理を実行し、積載トレイに適正枚数を積載した状態で満載検知を行う。
【0088】
図12は、第3の満載検知処理の手順を示すフローチャートである。第3の満載検知処理は、フィニッシャ500におけるフィニッシャ制御部951のCPU952が、ROM953に格納された第3の満載検知処理プログラムに従って実行する。
【0089】
図12において、第3の満載検知処理が開始されると、CPU952は、通信ICを介して画像形成装置100のコントローラCPU回路部900からシート処理のジョブデータを受信したか否か判定し(ステップS301)、受信するまで待機する(ステップS301で「NO」)。コントローラCPU回路部900からシート処理のジョブデータを受信した後(ステップS301で「YES」)、CPU952は、処理をステップS302に進める。すなわち、CPU952は、受信したジョブデータにおけるシート坪量[g/m2]、シートマテリアル、後処理情報等に基づいて満載検知枚数X[枚]を決定する(ステップS302)。
【0090】
満載検知枚数X[枚]を決定した後、CPU952は、ステップS301のジョブデータ受信後に画像形成装置100からフィニッシャ500へ排出され、その後にフィニッシャ500の搬送ローラ519によって下積載トレイ702へ排出されるシートPの、下積載トレイ702への排出が完了したか否か判定し(ステップS303)、完了するまで待機する(ステップS303で「NO」)。
【0091】
ステップS303の判定の結果、シートPの下積載トレイ702への排出が完了した場合(ステップS303で「YES」)、CPU952は、紙面検知動作が終了したか否か判定し(ステップS304)、終了するまで待機する(ステップS304で「NO」)。
【0092】
ステップS304の判定の結果、紙面検知動作が終了した場合(ステップS304で「YES」)、CPU952は、シート有無センサ715がONか否か判定する(ステップS305)。ステップS305の判定の結果、シート有無センサ715がシートを検知している状態(ON状態)である場合(ステップS305で「YES」)、CPU952は、積載枚数カウントCNT[枚]に1を加えて(ステップS309)、処理をステップS310へ進める。すなわち、CPU952は、積載枚数カウントCNT[枚]が満載検知枚数X[枚]に到達したか否か判定する(ステップS310)。
【0093】
ステップS310の判定の結果、積載枚数カウントCNT[枚]が満載検知枚数X[枚]に到達した場合(ステップS310で「YES」)、CPU952は、下積載トレイ702が満載状態であると判定し、処理をステップS311に進める。すなわち、CPU952は、通信ICを介して画像形成装置100のCPU901に対し、ジョブの停止要求及び満載アラームを通知し、本処理を終了する(ステップS311、312)。
【0094】
一方、ステップS305の判定の結果、シート有無センサ715がONでない場合(ステップS305で「NO」)、CPU952は、後述するシート有無検知処理において下積載トレイ702の積載面にシートが積載されているか否かを判断し、処理をステップS307へ進める(ステップS306)。
【0095】
CPU952は、後述するシート有無検知処理において判断された下積載トレイ702の積載面にシートが積載されているか否かの情報に基づいて、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されているか否かを判定する(ステップS307)。
【0096】
ステップS307の判定の結果、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていないと判定した場合(ステップS307で「NO」)、CPU952は、積載枚数カウントCNT[枚]を0にクリアした後、処理をステップS310へ進める(ステップS308)。また、ステップS307の判定の結果、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていると判定した場合(ステップS307で「YES」)、CPU952は、積載枚数カウントCNT[枚]を0にクリアせずに、処理をステップS309へ進める。
【0097】
(シート有無検知処理)
次に、図1の画像形成システムで実行されるシート有無検知処理について説明する。シート有無検知処理は、下積載トレイ702にシートを排出するシート積載処理に基づき、ステップS305の判定の結果、シート有無センサ715がONでない場合(ステップS305で「NO」)、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されているか否かを判断する。
【0098】
図13は、シート有無検知処理の手順を示すフローチャートである。シート有無検知処理は、フィニッシャ500におけるフィニッシャ制御部951のCPU952が、ROM953に格納されたシート有無検知処理プログラムに従って実行する。
【0099】
図13において、シート有無検知処理が実行されると、CPU952は、シート有無情報Yを初期化するためシート有無情報Yに0を代入し(ステップS401)、その後、下積載トレイ702の上昇を開始する(ステップS402)。
【0100】
ここで、図15(a)は、ステップS304によって紙面検知を終了し、ステップS402によって下積載トレイ702の上昇を開始する状態を示している。下積載トレイ702の上昇により、シート高さ低減センサ714は、上述した通り紙面検知動作によってON状態となる。
【0101】
ステップS402によって下積載トレイ702の上昇が開始されると、CPU952は、下積載トレイ702が上限位置へ達したか否か判定する(ステップS403)。ここで、積載トレイ高さの上限位置とは、エリア検知部600によって検知される下積載トレイ702の高さが、図8に示すエリア4からエリア3へ到達したと検知された位置である。
【0102】
ステップS403の判定の結果、下積載トレイ702が上限位置へ達していないと判定した場合(ステップS403で「NO」)、CPU952は、後述するステップS405、S407によって判断される、シート高さ低減センサ714のレベルがON状態からOFF状態へ変化したことを表すRAM954内の情報を基に、シート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化したか否かを判定する(ステップ404)。
【0103】
ステップS404の判定の結果、シート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化していないと判定した場合(ステップS404で「NO」)、CPU952は、シート高さ低減センサ714のレベルがON状態か否かの判定を行う(ステップS405)。シート高さ低減センサ714のレベルがON状態と判定された場合(ステップS405で「YES」)、CPU952は、シート高さ低減センサ714のレベルがON状態における、下積載トレイ702の上昇量を計測すべく、エンコーダ760によってトレイ駆動センサ751が遮光から非遮光に変化する数aをシート高さ低減センサ714ON幅カウントAに加算する(ステップ406)。
【0104】
ステップS405の判定の結果、シート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化したと判定した場合(ステップS405で「NO」)、CPU952は、シート高さ低減センサ714のレベルがON状態からOFF状態へ変化したことを表す情報をRAM954内へ保存する(ステップS407)。ステップS406、S407のそれぞれの処理を実行すると、CPU952は、ステップS403へ戻る。
【0105】
ここで、図15(b)は、図15(a)の下積載トレイ702の上昇を開始した状態から、シート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化した際の下積載トレイ702およびシート束の位置を示している。ステップS407では、この状態へ変化したことをRAM954内へ保存する。また、ステップS406で加算するシート高さ低減センサ714ON幅カウントAは、図15(b)に示すようにシート束の厚さを意味する。
【0106】
ステップS404の判定の結果へ戻り、ステップS404の判定の結果、シート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化していると判定した場合(ステップS404で「YES」)、CPU952は、シート高さ低減センサ714のレベルがON状態か否かの判定を行う(ステップS408)。シート高さ低減センサ714のレベルがON状態と判定された場合(ステップS408で「YES」)、CPU952は、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていると判断し、シート有無情報Yに1を代入する(ステップS409)。また、シート高さ低減センサ714のレベルがON状態でないと判定された場合(ステップS408で「NO」)、CPU952は、ステップS403へ戻る。
【0107】
ここで、図15(c)は、図15(b)のシート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化してから、シート高さ低減センサ714がON状態へ変化した際の下積載トレイ702およびシート束の位置を示している。ステップS409で、この状態へ変化したことにより、CPU952は、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていると判断し、シート有無情報Yに1を代入する。
【0108】
このように、図15(a)~(c)に示す下積載トレイ702の上昇移動と共に、シート高さ低減センサ714の状態は、ONからOFFへ、OFFからONへと変化することになる。このONからOFF、OFFからONへの状態の変化を検知することで、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていると判断する。
【0109】
図16(d)~(f)は、積載トレイ702に積載されている全てのシート束がユーザによって取り除かれた際に、シート有無検知処理を行った場合の下積載トレイ702の位置を示している。
【0110】
図16(d)は、ステップS304によって紙面検知を終了し、ステップS402によって下積載トレイ702の上昇を開始する状態を示している。シート高さ低減センサ714は、上昇する下積載トレイ702によってON状態となる。図16(e)は、図16(d)の下積載トレイ702の上昇を開始した状態から、シート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化した際の下積載トレイ702の位置を示している。シート高さ低減センサ714は、下積載トレイ702の上昇によってON状態からOFF状態へと変化する。図16(f)は、図16(e)のシート高さ低減センサ714がOFF状態へ変化してから、下積載トレイ702が上述した上限位置へ到達した際の位置を示している。このとき、シート高さ低減センサ714は、図16(e)の位置と変わらず、OFF状態である。
【0111】
このように、図16の(d)~(f)に示す下積載トレイ702の上昇移動と共に、シート高さ低減センサ714の状態は、ONからOFFへと変化することになる。従って、図15(a)~(c)に示すONからOFF、OFFからONへの変化と区別することが可能となる。
【0112】
従って、図15(a)~(c)に示すONからOFF、OFFからONへ変化を検知した場合は、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていると判断し、図16(d)~(f)で示すONからOFFの変化を検知した場合は、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていないと判断することが可能となる。
【0113】
ステップS410の処理へ戻り、CPU952は、下積載トレイ702の積載面に積載されているシート束の厚さを示すシート高さ低減センサ714ON幅カウントAと、ステップS301にて受信したジョブデータにおけるシート坪量[g/m2]、シートマテリアル、後処理情報等に基づいて、シート積載枚数予測値CNT’[枚]を算出する(ステップS410)。
【0114】
ステップS410によってシート積載枚数予測値CNT’[枚]を算出した後、CPU952は、ステップS309によって加算された積載枚数カウントCNT[枚]とシート積載枚数予測値CNT’[枚]とを比較し、シートの厚み方向の公差や積載トレイへ積載されるシートのカール量等を考慮して、これを超える差異がある場合(ステップS411で「YES」)は、積載枚数カウントCNT[枚]にシート積載枚数予測値CNT’[枚]を代入し、積載枚数カウントCNT[枚]を更新する(ステップS412)。これにより、例えば下積載トレイ702に積載されているシート束の一部をユーザが取り除いたとしても、積載枚数カウントCNT[枚]を更新するので、適正枚数のシートを下積載トレイ702に積載した状態で、ジョブを停止し(ステップS311)、満載アラームを通知できる(ステップS312)。
【0115】
ステップS411の判定の結果、差異がないと判定した場合(ステップS411で「NO」)、CPU952は、CPU952は、ステップS403へ戻る。
【0116】
ステップS403の判定の結果へ戻り、ステップS403の判定の結果、下積載トレイ702が上限位置へ達していると判定した場合(ステップS403で「YES」)、下積載トレイ702の上昇を停止し、ステップS402によって上昇を開始した位置へ下積載トレイ702を下降させ、本処理を終了する(ステップS413)。
【0117】
図12、13の処理によれば、図14(B)に示すように、積載トレイへ排出されたシートがシート積載面に沿って積載されないことで、シート有無センサ712、715がOFFの状態になるような、剛性の高いシートが排出される際に、シート有無センサ715がOFFの場合に、直ちに積載枚数カウントCNT[枚]を0にクリアせず、シート有無検知処理(ステップS306)によって、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていないと判断された場合にのみ、積載枚数カウントCNT[枚]を0にクリアする。そして、積載枚数カウントCNT[枚]が満載検知枚数X[枚]に到達したか否か判定し(ステップS310)、満載検知枚数X[枚]に到達した場合に、ジョブを停止し(ステップS311)、満載アラームを通知する(ステップS312)。これによって、剛性の高いシートが排出される場合においても、過積載状態になることなく適正枚数のシートを適正に積載したシート束を形成することができる。
【0118】
(満載解除処理)
次に、下積載トレイ702にシートを排出するシート積載処理に基づき、第3の満載検知処理にて下積載トレイ702が満載状態となった後、満載状態を解除して再び下積載トレイ702にシートを排出可能な状態にするための満載解除処理について説明する。
【0119】
図17は、満載解除処理の手順を示すフローチャートである。満載解除処理は、フィニッシャ500におけるフィニッシャ制御部951のCPU952が、ROM953に格納された満載解除処理プログラムに従って実行する。
【0120】
図17において、満載解除処理が実行されると、CPU952は、シート有無センサ715がONか否か判定する(ステップS501)。ステップS501の判定の結果、シート有無センサ715がシートを検知している状態(ON状態)である場合(ステップS501で「YES」)、取り除くべきシートが下積載トレイ702上に積載されていると判断し、満載状態を解除せずに満載解除処理を終了する。ステップS501の判定の結果、シート有無センサ715がシートを検知していない状態(OFF状態)である場合(ステップS501で「NO」)、シートが下積載トレイ702上に積載されている可能性があるため、処理をステップS502へ進める。
【0121】
CPU952は、ステップS502にて上述したシート有無検知処理を実施し、該シート有無検知処理で判断された、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されているか否かの情報に基づいて、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されているか否かを判定する(ステップS503)。ステップS503の判定の結果、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されている状態である場合(ステップS503で「YES」)、ステップS501にて「YES」と判断された場合と同様に、取り除くべきシートが下積載トレイ702上に積載されていると判断し、満載状態を解除せずに満載解除処理を終了する。
【0122】
ステップS503の判定の結果、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていない状態の場合(ステップS503で「NO」)、処理をステップS504に進める。すなわち、CPU952は、積載枚数カウントCNT[枚]を0にクリアし、通信ICを介して画像形成装置100のCPU901に対し、満載アラーム解除を通知し、本処理を終了する(ステップS504、S505)。
【0123】
本実施形態では、シートPが下積載トレイ702に排出された後に、シート有無検知処理によって下積載トレイ702の積載面にシートが積載されているか否かを判断する例について説明してきたが、本発明は、シートが積載トレイに排出された後に限られるものでない。別の実施形態では、電源投入時、ジョブ開始時、所定枚数の排出時、ジョブ終了時、シートがユーザに取り除かれたことをシート高さ低減センサ711、714で検知した時に、シート有無検知処理によって積載トレイの積載面にシートが積載されているか否かを判断するようにしてもよい。
【0124】
また、本実施形態では、図12のステップS305においてシート有無センサ715がONでない場合に、シート有無検知処理を実行する例について説明した。別の実施形態では、シート有無センサ715の検知結果によらず、シート有無検知処理を実行するようにしてもよい。
【0125】
また、本実施形態によれば、図15(a)~(c)に示す、シート有無センサ715がONしていない状態で、シートが積載トレイに積載される場合、および図16(d)~(f)に示す、シートがユーザに取り除かれて積載トレイに積載されていない場合に、それぞれに対してシート有無検知処理を実行する例について説明した。別の実施形態では、図14(A)に示すように、シートがシート積載面に沿って積載され、シート有無センサ715がONしている状態において、シート有無検知処理を実行するようにしてもよい。この場合、図13のステップS406において加算されるシート高さ低減センサ714ON幅カウントAのカウント結果を基に、図16(d)~(f)に示す、シートがユーザに取り除かれ積載トレイに積載されていない状態なのか、図14(A)に示す、シートがシート積載面に沿って積載されている状態なのかを判別し、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されているか否かを判断する。
【0126】
また、本実施形態では、シート有無検知処理において、下積載トレイ702をエリア検知部600によって検知される上限位置まで上昇する例について説明した。別の実施形態では、図13のステップS408およびS409において、下積載トレイ702の積載面にシートが積載されていると判断した際に、下積載トレイ702の上昇移動を終了し、ステップS413の下降移動の処理へ進むようにしてもよい。
【0127】
以上、本発明を好適な実施態様に関連して説明したが、本発明は上記実施態様に限定されるものでなく、その技術的範囲において、様々な変更又は変形を加えて実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0128】
100 画像形成装置
400 操作表示装置
500 シート積載装置(フィニッシャ)
515、519 搬送ローラ
600、601 エリア検知部
701 上積載トレイ
702 下積載トレイ
710 紙面センサ
711、714 シート高さ低減センサ
713 紙面センサ
750、751 トレイ駆動センサ
900 コントローラCPU回路部
901、952 CPU
951 フィニッシャ制御部
1000 画像形成システム
M4 排出モータ
M5、M6 トレイ昇降モータ
PI1、PI2、PI3、PI4 エリアセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17