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特開2022-102965多層階建築物用の避難用梯子装置及び避難用梯子システム
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  • 特開-多層階建築物用の避難用梯子装置及び避難用梯子システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102965
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】多層階建築物用の避難用梯子装置及び避難用梯子システム
(51)【国際特許分類】
   A62B 5/00 20060101AFI20220630BHJP
   E06C 9/14 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
A62B5/00 A
E06C9/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218056
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】518340108
【氏名又は名称】阿辻 茂夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169926
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康文
(72)【発明者】
【氏名】阿辻 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】小寺 博
(72)【発明者】
【氏名】中島 治
【テーマコード(参考)】
2E044
2E184
【Fターム(参考)】
2E044AA02
2E044BA14
2E044BB04
2E044CA13
2E044CB04
2E044EE12
2E184AA05
2E184DD01
2E184FF03
(57)【要約】
【課題】避難の際の安全性を向上することが可能であり、かつ、少ない運動量で非難することができる避難用梯子装置及び避難用梯子システムを提供する。
【解決手段】ベランダが各階に設けられた多層階建築物用の避難用梯子装置1であって、上層階のベランダ10の天井11に設置された上層側接続部12に接続される上方接続部3と、上層階の階下に位置する下層階のベランダ10に設置された下層側接続部13に接続される下方接続部4とを有し、かつ、少なくとも移動面に直交する方向に湾曲自在な梯子状部材2を備え、梯子状部材2は、上層階のベランダ側面14と梯子状部材との間に避難者Hが移動可能な避難移動空間Sを有する状態で上層階のベランダ側面14の外側を通って、上層側接続部12と下層側接続部13とに接続される。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベランダが各階に設けられた多層階建築物用の避難用梯子装置であって、
上層階のベランダの天井に設置された上層側接続部に接続される上方接続部と、前記上層階の階下に位置する下層階のベランダに設置された下層側接続部に接続される下方接続部とを有し、かつ、少なくとも移動面に直交する方向に湾曲自在な梯子状部材を備え、
前記梯子状部材は、前記上層階のベランダ側面と前記梯子状部材との間に避難者が移動可能な避難移動空間を有する状態で、前記上層階のベランダ側面の外側を通って、前記上層側接続部と前記下層側接続部とに接続されている避難用梯子装置。
【請求項2】
前記下層側接続部が、前記下層階のベランダ側面の上部に設けられている請求項1に記載の避難用梯子装置。
【請求項3】
前記梯子状部材を巻き取ることにより収容可能な梯子状部材収容部を備え、当該梯子状部材収容部が前記上層側接続部に設けられている請求項1又は2に記載の避難用梯子装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の避難用梯子装置を複数備え、
前記上層側接続部と前記下層側接続部とを、各階のベランダが延びる方向において隣接する位置に交互に配置する状態、かつ、前記上層階と前記下層階において鉛直方向において対応する状態で設け、
前記上層階と前記下層階において対応する前記上層側接続部と前記下層側接続部との間の夫々に前記避難用梯子装置が備えられている避難用梯子システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベランダが各階に設けられた多層階建築物用の避難用梯子装置及び避難用梯子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる避難用梯子装置及び避難用梯子システムは、火災発生時等の災害発生時において、多層階の建築物の中に取り残された大人数を階下もしくは上階に短時間にうちに同時に避難することを可能にするものである。
【0003】
このような避難はしご及び避難装置システムとして、火災発生時等の災害発生時において、多層階の建築物としてのビルの前面に、屋上から地上まで、ビルの全幅にわたって梯子を設置するものがある(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この特許文献1では、予め屋上に設置したネット状のはしごを、災害時に屋上から地上に垂らしてビルの前面に設置するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-128290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、上層階から非難する場合は、避難はしごを使用して地上まで降りることになるため、避難者が運動能力を有することが必要であるという問題がある。また、避難の際にはしごから落下した場合の安全対策がなされていないので、避難に危険性を伴うという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、避難の際の安全性を向上することが可能であり、かつ、少ない運動量で非難することができる避難用梯子装置及び避難用梯子システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る避難用梯子装置は、
ベランダが各階に設けられた多層階建築物用の避難用梯子装置であって、
上層階のベランダの天井に設置された上層側接続部に接続される上方接続部と、前記上層階の階下に位置する下層階のベランダに設置された下層側接続部に接続される下方接続部とを有し、かつ、少なくとも移動面に直交する方向に湾曲自在な梯子状部材を備え、
前記梯子状部材は、当該上層階のベランダ側面と前記梯子状部材との間に避難者が移動可能な避難移動空間を有する状態で、前記上層階のベランダ側面の外側を通って、前記上層側接続部と前記下層側接続部とに接続されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、上層階のベランダ側面と梯子状部材との間に避難者が移動可能な避難移動空間を有するので、避難者はベランダ側面と梯子状部材との間を通って上層階又は下層階に移動できる。よって、避難時に梯子状部材から落下することを防止することができる。また仮に梯子状部材から転落した場合でも、避難者は梯子状部材の内側を移動しており、梯子状部材の下方接続部が下層階のベランダに設置された下層側接続部に接続されているので、下層階のベランダへの転落にとどまり、地上へ落下を防止することができる。これにより、避難の際の安全性を向上することができる。
【0009】
また、上記特徴構成によれば、避難用梯子装置が上層側接続部と前記下層側接続部とに接続されているので、火災等の災害の発生時に、避難用梯子装置によって上層階又は下層階に移動することで、避難することができる。よって、例えば、火災等の災害の発生時に、梯子等により地上にまで避難する必要がないので、少ない運動量で非難することができる。
【0010】
本発明に係る避難用梯子装置の更なる特徴構成は、
前記下層階接続部が、前記下層階のベランダ側面の上部に設けられている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、下層階接続部が下層階のベランダ側面の上部に設けられるので、避難用梯子装置の上方接続部から下方接続部までの長さを短く構成することができる。これにより、避難者が避難のために避難用梯子装置によって移動する距離を短くすることができるので、少ない運動量で非難することができる。また、下層階接続部が下層階のベランダ側面の上部に設けられることにより、下層階のベランダを避難用のスペースとして有効に使用することができる。
【0012】
本発明に係る避難用梯子装置の更なる特徴構成は、
前記梯子状部材を巻き取ることにより収容可能な梯子状部材収容部を備え、前記梯子状部材収容部が前記上層側接続部に設けられている点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、梯子状部材を巻き取ることにより収容可能な梯子状部材収容部を備えているので、火災等の災害発生時に梯子状部材を梯子状部材収容部から巻き出すことにより、梯子状部材をムーズに設置することができる。また、火災等の災害発生時以外のときには、梯子状部材を梯子状部材収容部に収容することができるので、災害発生時以外の日常生活において、梯子状部材が日常生活の妨げとなることを防止することができる。
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係る避難用梯子システムは、
前記上層側接続部と前記下層側接続部とを、各階のベランダが延びる方向において隣接する位置に交互に配置する状態、かつ、前記上層階と前記下層階において鉛直方向において対応する状態で設け、
前記上層階と前記下層階において対応する前記上層側接続部と前記下層側接続部との間の夫々に前記避難用梯子装置が備えられている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、上層側接続部と下層側接続部とを、各階のベランダが延びる方向において隣接する位置に交互に配置する状態、かつ、上層階と下層階において鉛直方向において対応する状態で設けられているので、災害時の時間的制約下、複数の階層から多人数が同時に迅速に避難することができる。例えば、上層階において火災が発生しているときは、上層階から直近の下層階に避難することでき、下層階において火災が発生していることきは、上層階に避難することができる。
【0016】
また、災害時に複数の避難用梯子装置を使用しつつ移動することにより、災害が発生している箇所を回避しつつ、適切な経路で所望の避難先として適切な階層に移動することができる。このようにして、緊急を要する災害時の時間的制約のなか、短時間に多人数が同時に迅速に避難することができるので、災害時の人的被害を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】避難用梯子装置の使用状態の概略図
図2】避難用梯子装置の不使用状態の概略図
図3】上方接続部の上層側接続部への接続を示す図
図4】下方接続部の下層側接続部への接続を示す図
図5】避難用梯子システムを示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1及び図2に、本発明の一実施形態に係る避難用梯子装置1の概略図を示す。図1は、火災等の災害発生時において、避難用梯子装置1が使用されている時の状態(使用状態)を示す概略図であり、図2は、火災等の災害発生時以外において、避難用梯子装置1が使用されてない時の状態(不使用状態)を示す概略図である。
【0019】
本発明に係る避難用梯子装置1は、ベランダ10が各階に設けられた多層階建築物に適用されるものである。火災等の災害発生時において、梯子状部材2が梯子状部材収容部6から送出された使用状態(図1参照)として、梯子状部材2を使用して避難者Hが多層階建築物の階下又は階上に避難することができる。そして、火災等の災害が発生してない時には、梯子状部材2が後述する梯子状部材収容部6に収容された不使用状態として(図2参照)、日常生活において多層階建築物の住人がベランダ10を使用する際、梯子状部材2が妨げとならないように構成されている。
【0020】
図1に示すように、避難用梯子装置1は、上層階のベランダ10の天井11に設置された上層側接続部12に接続される上方接続部3と、上層階の階下に位置する下層階のベランダ10としての下層階のベランダ10に設置された下層側接続部13に接続される下方接続部4とを有する梯子状部材2を備えている。なお、上層階の階下とは、一階層下であることを意味するものであり、本実施形態においては、4階のベランダ10を上層階のベランダ10として、3階のベランダ10を下層階のベランダ10として説明する。
【0021】
梯子状部材2は、少なくとも移動面に直交する方向Wに湾曲自在に構成されている。具体的には、ネット状の縄梯子で構成されており、人体が通過しない程度の網目で構成されている。また、梯子状部材2の鉛直方向の長さ、つまり、上方接続部3から下方接続部4までの長さは上層階のベランダ10の天井11から下層階のベランダ10の床15までの長さ程度とされ、水平方向の長さは、避難者3名が水平方向に並ぶ状態で同時に移動できる距離である約6m程度とされる。
【0022】
詳しくは後述するが、梯子状部材2の上方接続部3は梯子状部材収容部6の回転軸20に固定するための固定具であり、下方接続部4は下層階のベランダ10のベランダ側面14の上部に接続するための着脱可能な固定具で構成されている。
【0023】
そして、梯子状部材2は、その上層階のベランダ側面14と梯子状部材2との間に避難者Hが移動可能な避難移動空間Sが形成される状態で、上層階のベランダ側面14の外側を通って上層側接続部12と下層側接続部13とに接続されている(図1参照)。
【0024】
図3を参照して梯子状部材収容部6について説明する。避難用梯子装置1は、梯子状部材2を巻き取ることにより収容可能な梯子状部材収容部6を備えている。梯子状部材収容部6は、上方接続部3が接続されて、回転することにより梯子状部材2を巻き取る回転軸20と、梯子状部材収容部6及び回転軸20を上層側接続部12に固定する支持体21と、回転軸20により巻き取られた梯子状部材2を収容するカバー22とにより構成されている。
【0025】
また、回転軸20には駆動手段5が接続されている。駆動手段5には図示しないモータが設けられ、そのモータの駆動により回転軸20が回転するように構成されている。例えば、モータの駆動は、多層階建築物に設けられた火災警報装置と連動するように構成されて、火災等の発生により火災警報装置等から警報が発令された時にモータが回転し、梯子状部材2が梯子状部材収容部6から送出されるように構成されている。
【0026】
図3を参照して上層側接続部12への上方接続部3の接続について説明する。上層側接続部12は、上層階のベランダ10の天井11の一部であり、上層階のベランダ10の天井11において梯子状部材収容部6が設けられた範囲を意味する。上述の如く、梯子状部材収容部6は、支持体21により天井11に固定されているので、梯子状部材2の上方接続部3は、回転軸20及び支持体21を介して上層側接続部12に接続されている。
【0027】
図4を参照して下方接続部4の下層側接続部13への接続について説明する。下層側接続部13は、下層階のベランダ10のベランダ側面14の上部に設けられている。本実施形態では、ベランダ側面14の上部に設けられたベランダ手摺が下層側接続部13として機能する。また、下層側接続部13の範囲は、下方接続部4により接続されている梯子状部材2の横幅の範囲が下層側接続部13の範囲である。
【0028】
梯子状部材2の下方接続部4である着脱可能な環状の固定具を下層側接続部13として機能するベランダ手摺に固定することにより、下方接続部4を下層側接続部13に接続することができる。この下方接続部4の下層側接続部13への続作業は、火災等の災害発生時において、梯子状部材収容部6から梯子状部材2が送出された際に下層階にいる避難者等により行われる。
【0029】
上層階のベランダ10の天井11の上層側接続部12と、下層階のベランダ10のベランダ側面14の上部の下層側接続部13は水平方向において同じ位置に形成され且つ略同等の長さになるように構成されている(図1参照)。以下、このように設けられた上層側接続部12と下層側接続部13を鉛直方向において対応する位置に設けられた上層側接続部12と下層側接続部13という。
【0030】
次に、図5を参照して避難用梯子装置1を複数備えた避難用梯子システム30について説明する。避難用梯子システム30は、避難用梯子装置1を複数備え、上層側接続部12と下層側接続部13とが、各階のベランダ10において、ベランダ10が延びる方向において隣接する位置に交互に配置する状態で、上層階側と下層階側で鉛直方向において対応する位置に設けられている。そして、鉛直方向において対応する位置に設けられた上層側接続部12と下層側接続部13との間の夫々に避難用梯子装置1が備えられている。
【0031】
具体的には、図5に示すように、例えば、3階においては、3階のベランダ10が延びる方向において隣接する位置に、図面左側より、第1下層側接続部13a、第1上層側接続部12a、第2下層側接続部13b、第2上層側接続部12bの順で、4つの接続部が隣接する位置に交互に配置する状態で設けられている。そして、第1下層側接続部13a及び第2下層側接続部13bは、夫々、上層階としての4階の第5上層側接続部12e及び第6上層側接続12fと鉛直方向において対応する位置で設けられ、第1上層側接続部12a及び第2上層側接続部12bは、夫々、下層階としての2階の第3下層側接続部13c及び第4下層側接続部13dと鉛直方向において対応する位置に設けられている。
【0032】
また、2階においては、ベランダ10が延びる方向において隣接する位置に、図面左側より、第3下層側接続部13c、第3上層側接続部12c、第4下層側接続部13d、第4上層側接続部12dの順で、4つの接続部が隣接する位置に交互に配置する状態で設けられている。そして、上述の如く、第3下層側接続部13c及び第4下層側接続部13dは、夫々、上層階としての3階の第1上層側接続部12a及び第2上層側接続部12bと鉛直方向において対応する位置に設けられ、第3上層側接続部12c及び第4上層側接続部12dは、夫々、下層階としての1階の第5下層側接続部13e及び第6下層側接続部13fと鉛直方向において対応する位置に設けられている。
【0033】
そして、上記の対応する位置に設けられた6対の上層側接続部12と下層側接続部13との間の夫々に避難用梯子装置1が備えられている。本実施形態における避難用梯子システム30では、火災等の災害発生時に各階に設けられた夫々の避難用梯子装置1から梯子状部材2が送出される。
【0034】
このように、各階のベランダ10が延びる方向において隣接する位置に複数の上層側接続部12と複数の下層側接続部13とが交互に設けられていることにより、火災等の災害発生時に所望の階のベランダ10を経由して複数の梯子状部材2を使用しつつ移動することにより、火災等の災害が発生している箇所を回避することができる経路で所望の避難先として適切な階層に移動することができる。これにより、緊急を要する災害時の時間的制約のなか、短時間に多人数が同時に迅速に避難することができるので、災害時の人的被害を減少させることができる。
【0035】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を列挙する。
(1)上記実施形態では、避難用梯子装置1は、梯子状部材2を巻き取ることにより収容可能な梯子状部材収容部6を備えたが、これに限らず、梯子状部材収容部6は、梯子状部材2を折り畳むことにより収容可能に構成されていてもよい。
【0036】
(2)上記実施形態では、梯子状部材2の上方接続部3は、梯子状部材収容部6の回転軸20及び支持体21を介して上層側接続部12に接続されたが、これに限らず、梯子状部材収容部6を設けずに梯子状部材2の上方接続部3を上層側接続部12に直接に接続してもよい。
【0037】
(3)上記実施形態では、上層階を4階として避難用梯子装置1を設置したが、これに限らず、上層階は2階以上の階層であればいずれの階に避難用梯子装置1を設置してもよい。
【0038】
(4)上記実施形態では、避難用梯子装置1に駆動手段5が設けれ、駆動手段5により梯子状部材2が送出されるように構成されたが、これに限らず、避難用梯子装置1から梯子状部材2の送出を手動で行うように構成してもよい。例えば、回転軸20を回転可能なハンドル等を設けることができる。この場合、ハンドルの回転をロックするハンドルロック機構を設け、ハンドルロック機構を火災警報装置と連動させて、火災警報装置により火災警報が発令された時にロックが解除され手動によるハンドルの回転が可能となるように構成してもよい。
【0039】
(5)上記実施形態では、下層階のベランダ側面14の上部に設けられたベランダ手摺を下層側接続部13として機能させたが、これに限らず、下方接続部4に接続するための接続部等を下層階のベランダ側面14の上部に設けてもよい。その他、下層側接続部13を下層階のベランダ10の床15に設けてもよい。
【0040】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、避難の際の安全性を向上することが可能であり、かつ、少ない運動量で非難することができる避難用梯子装置及び避難用梯子システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 避難用梯子装置
2 梯子状部材
3 上方接続部
4 下方接続部
6 梯子状部材収容部
10 ベランダ
11 天井
12 上層側接続部
13 下層側接続部
14 ベランダ側面
15 床
30 避難用梯子システム
H 避難者
S 避難移動空間
W 方向
図1
図2
図3
図4
図5