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  • 特開-キッチンユニット 図1
  • 特開-キッチンユニット 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102997
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】キッチンユニット
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/02 20060101AFI20220630BHJP
   A47B 77/08 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
A47B77/02
A47B77/08 B
A47B77/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020220086
(22)【出願日】2020-12-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】514024516
【氏名又は名称】関 美和
(72)【発明者】
【氏名】関 美和
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260DA04
3B260DA11
3B260DA13
3B260DA14
3B260GA01
3B260GB00
(57)【要約】
【課題】 より多くの使用状況に的確に対応可能とするとともに、どのような状態でも確実に換気ができるとともに、より安定した回転移動が可能なキッチンユニットを提供すること。
【解決手段】 上面に天板6が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器7が配設されたキッチンユニット本体30と、シンクを軸としてキッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱20からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、少なくとも加熱調理器の側方又は上方のいずれかに、キッチンユニット本体と一体に、又は加熱調理器に追随して移動可能な換気装置が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、前記シンクを軸として前記キッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、
少なくとも前記加熱調理器の側方又は上方のいずれかに、前記キッチンユニット本体と一体に、又は前記加熱調理器に追随して移動可能な換気装置が設けられていることを特徴とするキッチンユニット。
【請求項2】
上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、前記シンクを軸として前記キッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、
前記回転機構を駆動させる駆動機構が設けられていることを特徴とするキッチンユニット。
【請求項3】
上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、前記シンクを軸として前記キッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、
前記キッチンユニット本体の高さを変更させるための高さ調整機構が設けられていることを特徴とするキッチンユニット。
【請求項4】
前記キッチンユニット本体の下部に、前記円柱状の支柱を軸とする前記キッチンユニット本体の回転移動を補助する補助脚が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のキッチンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンユニットに関するものであり、詳しくは回転するキッチンユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、キッチンユニットのシンクや調理器具等を壁から離して設置するタイプのアイランド型キッチンや、一部を壁から離した形状のペニンシュラ型キッチンが普及し始めている。
【0003】
このようなアイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンは、キッチンの周囲に空間が確保でき、キッチンを囲んで複数の人が作業できるため、ホームパーティーや料理教室等に活用することができる点で優れている。
【0004】
しかしながら、このようなアイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチンは、部屋の広い面積を占有するため、比較的間取りに余裕のある部屋にしか設置しづらく、また、空間を有効に活用できないという問題があった。
【0005】
そこで、アイランド型キッチンやペニンシュラ型キッチン特有の上記のような問題を解決するために、本発明者は、より多くの使用状況に適切に対応が可能なキッチンユニットを提案している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5896364号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のキッチンユニットは、平面視が細長形状であり、上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成され、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、キッチンユニット本体を回転自在に嵌着支持する、シンク下部に設けられた円柱状の支柱からなる回転機構により構成されており、キッチンユニット本体がシンク下部に設けられた円柱状の支柱を軸として回転し、所望の角度位置で固定することができるキッチンユニットである。
【0008】
上記の構成のキッチンユニットによれば、キッチンユニットに設けられた回転機構を中心として、キッチンユニット本体を回転移動することができるため、使用状況に応じて種々のレイアウト変更が可能となる点で優れたキッチンユニットである。
【0009】
一方、上記キッチンユニットにおいては、換気装置や個々の使用者の使用形態等については具体的に考慮されておらず、これらの点において改良の余地を残すものであった。また、キッチンユニット本体が円柱状の支柱に片持ちで回転自在に支持されているため、安定して回転させるためには支柱を太くする等の設計上の制限があり、これらの点においても改良の余地を残していた。
【0010】
本発明は、上記の通りの事情に鑑みてなされたものであり、より多くの使用状況に的確に対応可能とするとともに、どのような位置でも確実に換気ができるとともに、より簡単に、かつ安定した移動が可能なキッチンユニットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
【0012】
第1に、本発明のキッチンユニットは、上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、前記シンクを軸として前記キッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、少なくとも前記加熱調理器の側方又は上方のいずれかに、前記キッチンユニット本体と一体に、又は前記加熱調理器に追随して移動可能な換気装置が設けられていることを特徴とする。
【0013】
第2に、本発明のキッチンユニットは、上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、前記シンクを軸として前記キッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、前記回転機構を駆動させる駆動機構が設けられていることを特徴とする。
【0014】
第3に、本発明のキッチンユニットは、上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、前記シンクを軸として前記キッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、前記キッチンユニット本体の高さを変更させるための高さ調整機構が設けられていることを特徴とする。
【0015】
第4に、上記第1から第3の発明のキッチンユニットにおいて、前記キッチンユニット本体の下部に、前記円柱状の支柱を軸とする前記キッチンユニット本体の回転移動を補助する補助脚が設けられていることが好ましく考慮される。
【発明の効果】
【0016】
上記の本発明によれば、より多くの使用状況に適切に対応可能とするとともに、どのような位置でも確実に換気ができるとともに、より簡単に、かつ安定した移動が可能なキッチンユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のキッチンユニットの一実施形態を示す概略断面図である。
図2】本発明のキッチンユニットの他の実施形態を示す概略図であり、(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。
図3】本発明のキッチンユニットの回転状態を示す概略説明図であり、(A)は通常の使用位置、(B)は45°回転した使用位置、(C)は180°回転した使用位置を示す。る。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のキッチンユニットの基本構成は、上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、シンクを軸としてキッチンユニット本体を回転自在に支持する回転機構を備えている。
【0019】
以下に本発明のキッチンユニットについて、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明のキッチンユニットの一実施形態を示す概略断面図である。
【0020】
図1に示す本発明の実施形態のキッチンユニット1は、キッチンユニット本体30と、該キッチンユニット本体30を回転自在に嵌着支持するための、床21に固定して設置された円柱状の支柱20(以下、単に支柱と略称する)からなる回転機構により構成されている。
【0021】
キッチンユニット本体30には、床21に固定された支柱20と嵌着する外周部材31が設けられており、支柱20の上から外周部材31を被せることにより、支柱20を軸としてキッチンユニット本体30の回転を可能としている。また、支柱20上部と外周部材31が接する部分には、キッチンユニット本体30の回転を良好にするために、ベアリング48や車輪、コロ等が設けられている。なお、図1に示す実施形態のキッチンユニット1では、別体の円筒状外周部材31をキッチンユニット本体30に固定して設けているが、外周部材31をキッチンユニット本体30の一部として一体に設けてもよい。
【0022】
また、キッチンユニット本体30のがたつきを防止するとともに回転をスムーズにするために、支柱20の外面と外周部材31の内面との隙間にベアリングや車輪、コロ等を設けたり、滑り助長材料としてポリテトラフルオロエチレンシートや超高分子量ポリエチレンシート等を貼着することもできる。
【0023】
本発明のキッチンユニット1においては、キッチンユニット本体30の外周部材31の上部にシンク40が設けられている。即ち、本発明のキッチンユニット1は、シンクの位置を軸としてキッチンユニット本体30が回転自在となるように構成されている。また、シンク40の排水口41から下方に延びる排水管42は、支柱20の断面中心部の空間を通して床下に延設されており、排水管42の中間部分には、軸方向に回転可能なジョイント部43が設けられている。
【0024】
回転可能なジョイント部43を設けることにより、キッチンユニット本体30が支柱20を軸にして回転し、ジョイント部43より上部が回転しても、排水管42の下部は回転しないため、排水管42は捻じれず、排水管42の破損を防止することができる。ジョイント部43の構造は特に制限はないが、例えば、消火栓等に用いられるような可動式の継手等を採用することができる。
【0025】
また、本発明のキッチンユニット1には、水栓50が設けられており、シンク40に対して水栓50から湯水が供給される。湯水を供給するための湯水供給管51は、支柱20断面中心の空間を通して排水管42に沿って配管されており床下に繋がっている。また、支柱20下部の外から見えない場所に穴を設けてそこから床下に配設することもできる。
【0026】
湯水供給管51は、キッチンユニット1の回転に応じて可動可能なフレキシブルな材質のものを用いることが好ましい。また、キッチンユニット1の回転を阻害しないように、長さに余裕を持たせるのが望ましい。
【0027】
上記の構成とすることにより、シンク40を中心にキッチンユニット1を回転自在にすることができる。なお、この際の回転角度は特に制限はないが、例えば、最大回転角度を左回転、右回転それぞれ180°の範囲で設定することが好ましい。また、キッチンユニット本体30の縁には、図2に示すように、キッチンユニット1の回転作業を補助するためのバー32(手すり)を設けることができる。
【0028】
また、キッチンユニット本体30の上部には、天板6及び加熱調理器7が設けられている。天板6は、通常のキッチンユニットに用いられている材質の天板であれば特に限定なく用いることができ、例えば、ステンレス板、大理石板、硬質樹脂等からなる人造大理石等を例示することができる。また、加熱調理器7としては、IHコンロ80やガスコンロ、バーベキューグリル81等を例示することができる。これらは複数を設けることができ、キッチンユニット1のデザインや仕様に応じて、大きさや位置を適宜設定することができる。
【0029】
なお、上記加熱調理器7のうち、IHコンロ80やガスコンロのように、電気線やガス管の配線、配管等の配線が必要なものを設置する場合には、これらの配線や配管は、キッチンユニット本体30下部を通して支柱20の断面中心部の空間に導入し、排水管42に沿って床下に配設したり、支柱20下部の外から見えない場所に穴を設けてそこから床下に配設することができる。
【0030】
本発明のキッチンユニット1においては、加熱調理器7の側方又は上方に、加熱調理器7を使用したときに発生する煙や蒸気、熱を外部に排出するための換気装置71が設けられている。換気装置71としては、図1に示すような加熱調理器7の側方から換気する換気扇や、図2(B)に示すような加熱調理器7の上方に設けるレンジフード等を例示することができる。換気装置71は、外部に煙や蒸気、熱を排出するための排気ダクト72を含む。排気ダクト72は、ホース型配管や角型配管、丸形配管等を用いることができる。
【0031】
また、加熱調理器7の上方にレンジフードを設ける場合には、排気ダクト72の一部を支柱20の回転軸上に設け、支柱20の回転軸上の排気ダクト72の一部に、排気ダクト72を軸方向に回転可能とするジョイント部73を設けることが好ましい。これにより、支柱20を軸として回転するキッチンユニット本体30と同様に換気装置71も移動可能とすることができる。
【0032】
なお、排気ダクト72の配設位置は換気装置71の配設位置に応じて適宜設定することができ、図1に示すように換気装置71を加熱調理器7の上方に設けた場合には、排気ダクト72をキッチンユニット1上方に、平行又は傾斜を設け、その一部を支柱20の回転軸方向に向けて配設したり、図2(B)に示すように換気装置71を加熱調理器7の側方に設けた場合には、排気ダクト72の一部をキッチンユニット本体30の内部に配設し、途中からキッチンユニット本体30外に導出して一部を支柱20の回転軸方向に向けて配設することができる。
【0033】
また、図1に示すように、加熱調理器7の上方に換気装置71を設けた場合には、換気装置71とキッチンユニット本体30を接続部材等により接続しておくのが好ましい。接続部材を設けることにより、安定して換気装置71を配設することができるとともに、支柱20を軸としてキッチンユニット本体30を回転したときに、換気装置71をキッチンユニット本体30の加熱調理器7に追随して移動させることが可能となる。
【0034】
また、本発明のキッチンユニット1の他の実施形態として、回転機構を駆動させる駆動機構が設けられる。具体的な駆動機構としては、例えば、キッチンユニット本体30内部にモーター44を配設し、該モーター44の回転軸と円柱状の支柱20を伝達手段45により接続して、モーター44の回転により円柱状の支柱20を軸として回転可能とする駆動機構を例示することができる。上記伝達手段45としては、例えば、ギヤ、ベルト、チェーン等を例示することができる。また、モーター44の回転を適切なトルクと回転数で安定して支柱20に伝達させるために、モーター44や伝達手段45にギヤボックスを設けることもできる。
【0035】
モーター44の駆動操作、即ち、キッチンユニット1の回転操作は、モーター44への電気の供給を制御するスイッチやリモコンにより行うことができる。また、スイッチの位置は、キッチンユニット1の動作にともなって比較的移動しないシンク40近傍に配設するのが好ましい。
【0036】
モーター44と伝達手段45を配設した構成とすることにより、モーター44の駆動制御のみにより、より軽く、楽にキッチンユニット1を回転移動させることができる。なお、本発明のキッチンユニット1の回転操作においては、駆動機構を設けていても、状況に応じて手動で操作可能であることは言うまでもない。
【0037】
また、本発明のキッチンユニット1の他の実施形態として、キッチンユニット本体30の高さを変更させるための高さ調整機構46が設けられる。キッチンユニット本体30の高さの変更については、少なくとも天板6の高さが変更できればその機構は特に限定されないが、例えば、天板6のみをリフト機構で上下させたり、キッチンユニット本体30全体を上下させる電動昇降装置が例示される。
【0038】
キッチンユニット本体30全体を上下させる高さ調整機構46の実施形態としては、例えば、図1に示すように、円柱状の支柱20の内部に電動昇降装置を設けることによりキッチンユニット本体30全体を上下させることができる。なお、この場合には、円柱状の支柱20の内部に入れ子状の円環部材47や柱部材を設け、該円環部材47や柱部材の上端部でキッチンユニット本体30を支持するとともに、円環部材47や柱部材に電動昇降装置を取り付る構成とすることが望ましい。なお、電動昇降装置としては、オイル式電動昇降装置(スガツネ工業社製E-D1A型)を好適に用いることができる。また、この構成では、円環部材47や柱部材の上端部にベアリング48や車輪、コロ等を設けることにより、支持したキッチンユニット本体30を回転可能に支持することが可能となる。
【0039】
また、電動昇降装置の操作盤をキッチンユニット本体30の側面又は上面に設けることにより、上下動操作を容易に行うことができる。なお、天板6の高さの稼働範囲は使用者の要望等に応じて適宜設定することが可能であるが、通常、床21から天板6までの高さが60~1000cmの範囲で上下動可能であることが好ましい。
【0040】
上記構成のキッチンユニット1によれば、シンク40を中心に容易に回転移動させることが可能となるとともに、使用者の身長や使用状況に応じてキッチンユニット1を適切な高さに調整することが可能となる。
【0041】
また、本発明のキッチンユニット1においては、キッチンユニット本体30の下部に、該キッチンユニット本体30を支持する補助脚33を設けることができる。補助脚33は、加熱調理器7や後述する換気装置71等の重量を含むキッチンユニット本体30の重量を安定して支持するとともに、キッチンユニット1のスムーズな移動をアシスト可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、脚部の端部に車輪を有するキャスターを設けた補助脚33や、脚部の端部にボールキャスターを設けた補助脚33等を例示することができる。補助脚33を設けることにより、支柱20にかかる重量負荷を軽減させることができるため、支柱20を細く設計することができ、よりデザイン性に優れたキッチンユニット1とすることができる。また、図1図2(B)に示すように、補助脚33を折り畳み可能に設けることにより、よりデザイン性に優れたキッチンユニット1とすることができる。
【0042】
なお、キッチンユニット本体30の高さを変更させるための高さ調整機構46を採用した場合には、上記補助脚33が天板6の高さの変更に対応できない場合が考慮される。そのため、高さ調整機構46を採用した場合には、補助脚33の一部にダンパーを設けたり、高さ調整機構46で用いた電動昇降装置を組み込むことにより、高さの変更に対応可能な補助脚33とすることができる。
【0043】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0044】
例えば、上記実施形態では、キッチンユニット本体30下部には特に設備は設けていないが、このスペースに、調理道具や食器の収納棚を設けたり、オーブングリル等の調理機器を設けることもできる。
【0045】
また、キッチンユニット本体30の下部に、回転後のキッチンユニット1の位置を固定するためのストッパー機構を設けることもできる。
【0046】
以下に、本発明のキッチンユニット1の設置及び使用について詳述する。
【0047】
本発明のキッチンユニット1の設置は、少なくとも排水管42及び湯水供給管51及び、排気ダクト72の設置が可能な場所であれば特にその設置場所を限定することなく設置が可能である。
【0048】
本発明のキッチンユニット1の機能を、特に有効に使用できる設置場所としては、例えば図3に示すような設置場所が考慮される。
【0049】
この設計では、室内90から段差なく一体に繋がる屋外91のオープンデッキを有し、床21から天井近くまでの寸法の窓を引き込みサッシとして設けられ、窓を開くことにより室内90と屋外91のオープンデッキを合わせた広い空間として使用することを可能としている。
【0050】
このような設計に対しては、できるだけ窓際に近い場所に排水管42の口を取り出すととともに、排気ダクト72を設け、本発明のキッチンユニット1を設置するのが望ましい。
【0051】
そして、キッチンユニット1の構成として、シンク40と反対側の他端側にバーベキューグリル81を設けることにより、図3(A)に示す通常の使用位置から、シンク40の位置を中心として、図3(C)に示すように、キッチンユニット1を180°回転させた使用位置とすることにより、バーベキューグリル81部分を屋外91に移動させることができる。
【0052】
このような構成によれば、例えば、一般住宅でホームパーティー等を行う際に、室内90で通常の調理を行い、適切に換気を行うと同時に、屋外91のオープンデッキ部分でバーベキューを楽しむことができる。
【0053】
また、室内90のインテリア構成を変更する場合等には、例えば、図3(B)に示すように、キッチンユニット1を図3(A)の通常の使用位置から45°回転させた使用位置とすることによって、これまで不可能であったキッチンユニット1のレイアウトを簡単に変更することができ、大人数での調理としてのスペースも確保することができる。なお、この場合においても、可動式の換気装置71により、確実に換気を行うことが可能である。
【0054】
このような構成の、本発明のキッチンユニット1によれば、より多くの使用状況に的確に対応可能とするとともに、どのような状態でも確実に換気ができるとともに、より簡単に安定した移動が可能なキッチンユニット1とすることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 キッチンユニット
20 円柱状の支柱
21 床
30 キッチンユニット本体
31 外周部材
32 バー(手すり)
33 補助脚
40 シンク
41 排水口
42 排水管
43 ジョイント部
44 モーター
45 伝達手段
46 高さ調整機構
47 円環部材
48 ベアリング
50 水栓
51 湯水供給管
6 天板
7 加熱調理器
71 換気装置
72 排気ダクト
73 ジョイント部
80 IHコンロ
81 バーベキューグリル
90 室内
91 屋外
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-08-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、前記シンクを軸として前記キッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、
少なくとも前記加熱調理器の側方又は上方のいずれかに、前記キッチンユニット本体と一体に、又は前記加熱調理器に追随して移動可能な換気装置が設けられており、
さらに、前記キッチンユニット本体の高さを変更させるための高さ調整機構が設けられていることを特徴とするキッチンユニット。
【請求項2】
前記回転機構を駆動させる駆動機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキッチンユニット。
【請求項3】
前記キッチンユニット本体の下部に、前記円柱状の支柱を軸とする前記キッチンユニット本体の回転移動を補助する補助脚が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のキッチンユニット。
【請求項4】
前記キッチンユニット本体の高さ変更に伴って、長さの変更が可能な前記補助脚が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のキッチンユニット。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に天板が載置され、一端側にシンクが形成されるとともに、該シンクの他端側に加熱調理器が配設されたキッチンユニット本体と、前記シンクを軸として前記キッチンユニット本体を回転自在に支持する円柱状の支柱からなる回転機構を備えたキッチンユニットであって、
少なくとも前記加熱調理器の側方又は上方のいずれかに、前記キッチンユニット本体と一体に、又は前記加熱調理器に追随して移動可能な換気装置が設けられており、
前記キッチンユニット本体の高さを変更させるための高さ調整機構が設けられており、
前記キッチンユニット本体の下部に、前記円柱状の支柱を軸とする前記キッチンユニット本体の回転移動を補助するとともに、前記キッチンユニット本体の高さ変更に伴って、長さの変更が可能な補助脚が設けられていることを特徴とするキッチンユニット。
【請求項2】
前記回転機構を駆動させる駆動機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキッチンユニット。