(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103089
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】生体情報計測装置用の流体収容体及び生体情報計測装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20220630BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220630BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20220630BHJP
A61B 5/113 20060101ALN20220630BHJP
【FI】
A61B5/11 100
A61B5/00 101R
A61G7/05
A61B5/113
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202817
(22)【出願日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2020216905
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】508189599
【氏名又は名称】株式会社リキッド・デザイン・システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】遠山 直也
(72)【発明者】
【氏名】浜野 晃一
【テーマコード(参考)】
4C038
4C040
4C117
【Fターム(参考)】
4C038SS08
4C038ST04
4C038SV01
4C038SX01
4C038VA04
4C038VB31
4C038VB32
4C038VB33
4C040AA17
4C040AA18
4C040CC03
4C040GG15
4C117XC02
4C117XE13
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE27
4C117XH06
(57)【要約】
【課題】使用時において、被計測体の背中等に違和感を極力与えないため、厚さを小さく薄型としても、被計測体の正確な生体情報を計測することができ、十分な性能が発揮できる生体情報計測装置用の流体収容体を提供する。
【解決手段】生体情報計測装置用の流体収容体1Aは、マット状の流体収容体本体部10と、流体収容体本体部10から導出されたチューブ2と、を備え、流体収容体本体部10内において、チューブ2とそれぞれ連通し、スポンジ材112及び流体としての空気が収容され、被計測体の体重で押し潰されない厚さ方向の可撓性を有する長物の流体層11が、面方向の幅側に複数間隔をあけて設けられ、流体層11,・・・の間隔位置には、これら流体層11,・・・よりも高い厚さ方向の可撓性を有するクッション層12,・・・が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マット状の流体収容体本体部と、前記流体収容体本体部から導出されたチューブと、を備えた生体情報計測装置用の流体収容体であって、
前記流体収容体本体部内において、前記チューブとそれぞれ連通し、スポンジ材及び流体が収容され、被計測体の体重で押し潰されない厚さ方向の可撓性を有する長物の流体層が、面方向の幅側に複数間隔をあけて設けられ、前記流体層の間隔位置には、これら流体層よりも高い厚さ方向の可撓性を有するクッション層が設けられていること
を特徴とする生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項2】
前記流体収容体本体部内において、複数の前記流体層にそれぞれ連通した前記チューブは、分岐ジョイントを介して、1本に集約されていること
を特徴とする請求項1に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項3】
前記流体収容体本体部内における前記チューブの配管が、長さ方向に左右対称とされていること
を特徴とする請求項2に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項4】
前記流体層は、長物の小袋体の内部に前記スポンジ材及び流体が収容され、前記小袋体の短部側に前記チューブが接続されてなる流体パッドが、前記流体収容体本体部内に収納固定され、形成されていること
を特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項5】
前記流体収容体本体部内において、前記流体層を形成する前記流体パッドの裏面側に、当該流体パッドの裏面と略同形で略同サイズの薄板が設けられていること
を特徴とする請求項4に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項6】
前記流体収容体本体部内において、前記流体層及び前記クッション層の裏面側に、薄板が設けられていること
を特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項7】
前記クッション層は、クッション材が、前記流体収容体本体部内に収納固定され、形成されていること
を特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項8】
複数の前記流体層は、非平行に設けられていること
を特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項9】
前記流体収容体本体部内における複数の前記流体層及び前記クッション層が、長さ方向に左右対称に形成されていること
を特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項10】
前記流体収容体本体部が、長さ方向の中間部で折畳み可能とされていること
を特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の生体情報計測装置用の流体収容体。
【請求項11】
上側に乗った被計測体から直接又は間接に圧力を受ける流体収容体と、前記流体収容体から導出されたチューブを介して行き来する流体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサから出力される電気信号を信号処理する信号処理部と、を備え、被計測体の生体情報を計測可能な生体情報計測装置であって、
前記流体収容体は、請求項1~10の何れか1項に記載の生体情報計測装置用の流体収容体であること
を特徴とする生体情報計測装置。
【請求項12】
上側に乗った被計測体から直接又は間接に圧力を受ける流体収容体と、前記流体収容体から導出されたチューブを介して行き来する流体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサから出力される電気信号を信号処理する信号処理部と、を備え、被計測体の生体情報を計測可能な生体情報計測装置であって、
前記流体収容体は、請求項1に記載の生体情報計測装置用の流体収容体であり、
前記圧力センサは、メイン制御基板上に複数個設けられ、
前記流体収容体と前記圧力センサとは、前記チューブを介してそれぞれ個別に接続されており、
演算処理部が、前記複数個の圧力センサの検出値から計測値を算出すること
を特徴とする生体情報計測装置。
【請求項13】
上側に乗った被計測体から直接又は間接に圧力を受ける流体収容体と、前記流体収容体から導出されたチューブを介して行き来する流体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサから出力される電気信号を信号処理する信号処理部と、を備え、被計測体の生体情報を計測可能な生体情報計測装置であって、
前記流体収容体は、請求項1に記載の生体情報計測装置用の流体収容体であり、
前記圧力センサは、メイン制御基板上に複数個設けられ、
前記流体収容体と前記圧力センサとは、前記流体収容体から導出されたチューブを分岐ジョイントで集約させ、さらにこの集約させた分岐ジョイントから再度分岐させたチューブを介してそれぞれ個別に接続されており、
演算処理部が、前記複数個の圧力センサの検出値から計測値を算出すること
を特徴とする生体情報計測装置。
【請求項14】
前記生体情報計測装置は、中継器に接続可能とされ、通信網を介して、測定した計測値のデータを送信可能であること
を特徴とする請求項11~13の何れか1項に記載の生体情報計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人や動物等の被計測体の心拍数や呼吸数等の生体情報を計測する生体情報計測装置用の流体収容体、及びこの流体収容体が用いられた生体情報計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1に開示された生体情報計測装置が知られている。このような生体情報計測装置は、上側に乗った人や動物等の被計測体から直接又は間接に圧力を受ける流体収容体と、この流体収容体から導出されたチューブを介して行き来する空気等の流体の入力室等内における圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサから出力される電気信号を信号処理する信号処理部と、を備え、被計測体の心拍数や呼吸数等の生体情報を計測可能な構成である。
【0003】
この種の生体情報計測装置では、使用時において、被計測体の背中等に違和感を極力与えないため、流体収容体を構成する流体収容体本体部をマット状とし、その厚さを小さくして薄型としても、被計測体の心拍数や呼吸数等の正確な生体情報を計測することができ、十分な性能を発揮することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような従来の生体情報計測装置に用いられる流体収容体では、流体収容体本体部における内部の空隙に空気等の流体が収容される流体層と、これら流体層間の部分と、の可撓性等まで考慮されていない。そのため、このような従来の流体収容体では、被計測体の背中等に違和感を極力与えないため、厚さを小さくして薄型とすると、厚さ方向の可撓性が高すぎ、使用時において、例えば、被計測体の体重で流体収容体のかなり広い部分が大きく押し潰されたりして感度が悪くなり、正確な生体情報を計測することができず、十分な性能が発揮できないおそれがあった。
【0006】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、使用時において、被計測体の背中等に違和感を極力与えないため、厚さを小さくして薄型としても、被計測体の正確な生体情報を計測することができ、十分な性能が発揮できる生体情報計測装置用の流体収容体、及びこの流体収容体が用いられた生体情報計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、第1発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、マット状の流体収容体本体部と、前記流体収容体本体部から導出されたチューブと、を備えた生体情報計測装置用の流体収容体であって、前記流体収容体本体部内において、前記チューブとそれぞれ連通し、スポンジ材及び流体が収容され、被計測体の体重で押し潰されない厚さ方向の可撓性を有する長物の流体層が、面方向の幅側に複数間隔をあけて設けられ、前記流体層の間隔位置には、これら流体層よりも高い厚さ方向の可撓性を有するクッション層が設けられていることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第1発明において、前記流体収容体本体部内において、複数の前記流体層にそれぞれ連通した前記チューブは、分岐ジョイントを介して、1本に集約されていることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第2発明において、前記流体収容体本体部内における前記チューブの配管が、長さ方向に左右対称とされていることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第1発明~第3発明の何れかにおいて、前記流体層は、長物の小袋体の内部に前記スポンジ材及び流体が収容され、前記小袋体の短部側に前記チューブが接続されてなる流体パッドが、前記流体収容体本体部内に収納固定され、形成されていることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第4発明において、前記流体収容体本体部内において、前記流体層を形成する前記流体パッドの裏面側に、当該流体パッドの裏面と略同形で略同サイズの薄板が設けられていることを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第1発明~第4発明の何れかにおいて、前記流体収容体本体部内において、前記流体層及び前記クッション層の裏面側に、薄板が設けられていることを特徴とする。
【0013】
第7発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第1発明~第6発明の何れかにおいて、前記クッション層は、クッション材が、前記流体収容体本体部内に収納固定され、形成されていることを特徴とする。
【0014】
第8発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第1発明~第7発明の何れかにおいて、複数の前記流体層は、非平行に設けられていることを特徴とする。
【0015】
第9発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第1発明~第8発明の何れかにおいて、前記流体収容体本体部内における複数の前記流体層及び前記クッション層が、長さ方向に左右対称に形成されていることを特徴とする。
【0016】
第10発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体は、第1発明~第9発明の何れかにおいて、前記流体収容体本体部が、長さ方向の中間部で折畳み可能とされていることを特徴とする。
【0017】
第11発明に係る生体情報計測装置は、上側に乗った被計測体から直接又は間接に圧力を受ける流体収容体と、前記流体収容体から導出されたチューブを介して行き来する流体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサから出力される電気信号を信号処理する信号処理部と、を備え、被計測体の生体情報を計測可能な生体情報計測装置であって、前記流体収容体は、第1発明乃至第10発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体のいずれかであることを特徴とする。
【0018】
第12発明に係る生体情報計測装置は、上側に乗った被計測体から直接又は間接に圧力を受ける流体収容体と、前記流体収容体から導出されたチューブを介して行き来する流体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサから出力される電気信号を信号処理する信号処理部と、を備え、被計測体の生体情報を計測可能な生体情報計測装置であって、前記流体収容体は、第1発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体であり、前記圧力センサは、メイン制御基板上に複数個設けられ、前記流体収容体と前記圧力センサとは、前記チューブを介してそれぞれ個別に接続されており、演算処理部が、前記複数個の圧力センサの検出値から計測値を算出することを特徴とする。
【0019】
第13発明に係る生体情報計測装置は、上側に乗った被計測体から直接又は間接に圧力を受ける流体収容体と、前記流体収容体から導出されたチューブを介して行き来する流体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサから出力される電気信号を信号処理する信号処理部と、を備え、被計測体の生体情報を計測可能な生体情報計測装置であって、前記流体収容体は、第1発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体であり、前記圧力センサは、メイン制御基板上に複数個設けられ、前記流体収容体と前記圧力センサとは、前記流体収容体から導出されたチューブを分岐ジョイントで集約させ、さらにこの集約させた分岐ジョイントから再度分岐させたチューブを介してそれぞれ個別に接続されており、演算処理部が、前記複数個の圧力センサの検出値から計測値を算出することを特徴とする。
【0020】
第14発明に係る生体情報計測装置は、第11発明~第13発明の何れかにおいて、前記生体情報計測装置は、中継器に接続可能とされ、通信網を介して、測定した計測値のデータを送信可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
上述した構成からなる第1発明~第10発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、マット状の流体収容体本体部内において、スポンジ材及び流体が収容され、被計測体の体重で押し潰されない厚さ方向の可撓性を有する長物の流体層が、複数間隔をあけて設けられ、流体層の間隔位置には、これら流体層よりも高い厚さ方向の可撓性を有するクッション層が設けられている。このため、被計測体の体重で流体収容体のかなり広い部分が大きく押し潰されたりする弊害が無くなるので、被計測体の背中等に違和感を極力与えないため、厚さを小さくして薄型としても、被計測体の正確な生体情報を計測することができ、十分な性能が発揮できる生体情報計測装置用の流体収容体を提供することができる。
【0022】
特に、第2発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、流体収容体本体部内において、複数の流体層にそれぞれ連通したチューブは、分岐ジョイントを介して、1本に集約されているので、1台の生体情報計測装置を構成するのに、1個の圧力センサを使用するだけで済み、スマートな構造で、且つ、低コストで実施することができる。
【0023】
特に、第3発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、流体収容体本体部内におけるチューブの配管が、長さ方向に左右対称とされているので、複数の流体層による受圧精度が略同一となり、安定した高精度の生体情報計測装置を構成することができる。
【0024】
特に、第4発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、流体層は、長物の小袋体の内部にスポンジ材及び流体が収容され、小袋体の短部側にチューブが接続されてなる流体パッドが、流体収容体本体部内に収納固定され、形成されているので、高精度の流体層の形成が容易であるため、流体層の部分を容易且つ高精度に製造することができる。
【0025】
特に、第5発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、固い布団等の寝床ではなく、柔らかい絨毯やマット等の寝床の上に流体収容体本体部を敷き、使用した際、被計測体の体重で流体収容体本体部の一部分だけが局所的に大きく押されすぎたりして感度が悪くなり、正確な生体情報を計測することができず、十分な性能が発揮できないおそれがあったが、これを回避することができる。すなわち、第5発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体では、流体収容体本体部内において、流体層を形成する流体パッドの裏面側に、流体パッドの裏面と略同形で略同サイズの薄板が設けられているので、被計測体の体重による圧力を薄板で分散でき、流体収容体本体部の一部分だけが局所的に大きく押されすぎたりして感度劣化を引き起こすおそれを回避することができる。
【0026】
特に、第6発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、固い布団等の寝床ではなく、柔らかい絨毯やマット等の寝床の上に流体収容体本体部を敷き、使用した際、被計測体の体重で流体収容体本体部の一部分だけが局所的に大きく押されすぎたりして感度が悪くなり、正確な生体情報を計測することができず、十分な性能が発揮できないおそれがあったが、第5発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体と同様に、これを回避することができる。すなわち、第6発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体では、流体収容体本体部内において、流体層及びクッション層の裏面側に、薄板が設けられているので、被計測体の体重による圧力をより広い面積の薄板で分散でき、流体収容体本体部の一部分だけが局所的に大きく押されすぎたりして感度劣化を引き起こすおそれを回避することができる。
【0027】
特に、第7発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、クッション層は、クッション材が、流体収容体本体部内に収納固定され、形成されているので、高精度のクッション層の形成が容易であるため、クッション層の部分を容易且つ高精度に製造することができる。
【0028】
特に、第8発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、複数の流体層は、非平行に設けられているので、隣り合う流体層が相対的に傾斜している分、使用時における被計測体の背中等が流体層を押す総面積の大きさをより高めることができ、より安定した高精度の生体情報計測装置を構成することができる。
【0029】
特に、第9発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、流体収容体本体部内における複数の流体層及びクッション層が、長さ方向に左右対称に形成されている。このため、使用時における被計測体の背中等が中心部から左右いずれかにずれても対応可能とする生体情報計測装置側の生体情報を計測するための回路やプログラム等を簡易且つ正確に作成でき、更により安定した高精度の生体情報計測装置を構成することができる。
【0030】
特に、第10発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体によれば、流体収容体本体部が、長さ方向の中間部で折畳み可能とされているので、使用時には、展開し、運搬時には折り畳めばよいため、特に運搬時は折り畳まれたコンパクトサイズとなり、持ち運びが便利で使い勝手がよい。
【0031】
第11発明に係る生体情報計測装置によれば、第1発明~第10発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体が用いられているので、上記した第1発明~第10発明に係る生体情報計測装置用の流体収容体のいずれかの効果を奏する生体情報計測装置を提供することができる。
【0032】
特に、第12発明に係る生体情報計測装置によれば、圧力センサは、メイン制御基板上に複数個設けられ、流体収容体と圧力センサとは、チューブを介してそれぞれ個別に接続されており、演算処理部が、複数個の圧力センサの検出値から計測値を算出する。これにより、第12発明に係る生体情報計測装置によれば、例えば、複数個の圧力センサの検出値の平均を計測値として算出したり、複数個の圧力センサの最大の検出値から計測値を算出したりすることができるため、より正確な計測値とすることができる。
【0033】
特に、第13発明に係る生体情報計測装置によれば、圧力センサは、メイン制御基板上に複数個設けられ、流体収容体と圧力センサとは、流体収容体から導出されたチューブを分岐ジョイントで集約させ、さらにこの集約させた分岐ジョイントから再度分岐させたチューブを介してそれぞれ個別に接続されており、演算処理部が、複数の圧力センサの検出値から計測値を算出する。これにより、第13発明に係る生体情報計測装置によれば、分岐ジョイントから再度分岐させたチューブを介して各圧力センサ内に略均一の圧力の空気等の流体が流入し、例えば、複数個の圧力センサの検出値の平均を計測値として算出したり、複数個の圧力センサの最大の検出値から計測値を算出したりすることができるため、より正確な計測値とすることができる。
【0034】
特に、第14発明に係る生体情報計測装置によれば、生体情報計測装置は、中継器に接続可能とされ、通信網を介して、測定した計測値のデータを送信可能であるので、生体情報計測装置で計測した計測値のデータを、例えば、インターネット等の通信網を介してサーバのデータベース等の記憶部に記憶させることができる。そして、通信網を介してアクセス可能なパーソナルコンピュータやスマートフォン等の通信網を介してアクセス可能な端末によって、医者等の専門家が人や動物等の被計測体の呼吸器系や循環器系等の疾病の検査を行ったり、家族や飼主等が人や動物等の被計測体の健康状態を把握したりすること等ができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体の構成を一部破断して示す平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体に用いられる流体パッドの構成を示す平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体の使用例として、生体情報計測装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る生体情報計測装置が使用可能な情報処理システムの一例の概略構成を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体の構成を一部破断して示す平面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体の構成を一部破断して示す平面図である。
【
図7】
図7は、第4実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体の構成を一部破断して示す平面図である。
【
図8】
図8は、第5実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体の構成を一部破断して示す平面図である。
【
図9】
図9は、第6実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体を備えた生体情報計測装置の概略構成を示す平面図である。
【
図10】
図10は、第7実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体を備えた生体情報計測装置の概略構成を示す平面図である。
【
図11】
図11は、その他の例の生体情報計測装置用の流体収容体の構成を一部破断して示す平面図である。
【
図12】
図12は、その他の例の生体情報計測装置用の流体収容体の構成を一部破断して示す平面図である。
【
図13】
図13(a)~
図13(g)は、生体情報計測装置用の流体収容体に用いられるその他の流体パッドの概略構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
[第1実施形態]
先ず、
図1~
図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aの構成を一部破断して示す平面図である。
図2は、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aに用いられる流体パッド110の構成を示す平面図である。
図3は、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aの使用例として、生体情報計測装置100の概略構成を示す斜視図である。
図4は、第1実施形態に係る生体情報計測装置100が使用可能な情報処理システムの一例の概略構成を示す模式図である。
【0038】
本発明の第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aは、
図1~
図3に示すように、流体収容体本体部10と、流体収容体本体部10から導出されたチューブ2と、を備えている。
【0039】
(流体収容体本体部10)
流体収容体本体部10は、
図1に示すように、不織布等の略長方形状の表側のシート状部材10aと裏側のシート状部材10bとを重ね合わせ、これらの周囲全体を縫合等で固定してなるマット状で薄型の袋体である。なお、
図1では、流体収容体本体部10の内部構成が分かるように、流体収容体本体部10における表側のシート状部材10aの一部は破断して示した。
【0040】
また、
図1に示すように、流体収容体本体部10は、その内部において、この流体収容体本体部10の幅方向に長い平面視が略長方形状の4つの流体層11が、面方向の幅側に略等間隔で間隔をあけて設けられている。
【0041】
これらの流体層11,・・・には、
図2に示すように、平面視で略長方形状の長物の塩化ビニル等からなる不透水性の小袋体111の内部にウレタン素材等からなるスポンジ材112及び流体としての空気が収容され、小袋体111の短部側にチューブ2の一部を構成する塩化ビニル等からなる第1のチューブ21が溶着等により固定して接続されてなる流体パッド110が用いられている。そして、これらの流体層11,・・・は、
図1に示すように、シート状部材10a,10b間の流体パッド110の周囲を縫合等により固定することで、流体収容体本体部10内に収納固定され、後で詳述するが、被計測体の体重で押し潰されない厚さ方向の可撓性を有するように形成されている。
【0042】
また、
図1に示すように、流体収容体本体部10は、その内部において、流体層11,・・・の間隔位置には、これら流体層11,・・・よりも高い厚さ方向の可撓性を有するクッション層12が設けられている。
【0043】
これらのクッション層12,・・・は、
図1に示すように、シート状部材10a,10b間に流体パッド110内のスポンジ材112よりも密度が低いウレタン素材等からなるクッション材としてのスポンジ材120の周囲を縫合等により固定することで、流体収容体本体部10内に収納固定され、形成されている。なお、これらのクッション層12,・・・の厚さは、流体層11,・・・の厚さ以下に設定されている。
【0044】
ここで、中間のクッション層12,12は、間隔をあけて半分の幅とされている。そして、この間隔部分の中間部、すなわち、流体収容体本体部10の長さ方向の中間部に、折目13が設けられており、流体収容体本体部10は、折目13の部分で折畳み可能とされている。また、流体収容体本体部10内における流体層11,・・・及びクッション層12,・・・が、長さ方向に左右対称に形成されている。
【0045】
(チューブ2)
図1に示すように、チューブ2の一部を構成する流体パッド110に一端がそれぞれ固定されたシリコンゴム等からなる第1のチューブ21,21は、同一の材質、長さ、外径、及び内径であり、これらの先端部は、左右ともに、第1の分岐ジョイント20aにそれぞれ接続されている。
【0046】
第1の分岐ジョイント20aに接続されたシリコンゴム等からなる第2のチューブ22は、同一の材質、長さ、外径、及び内径であり、これらの先端部は、左右ともに、流体収容体本体部10内の中間部に配置された第2の分岐ジョイント20bにそれぞれ接続されている。
【0047】
そして、第2の分岐ジョイント20bに接続されたシリコンゴム等からなる1本の第3のチューブ23は、流体収容体本体部10から導出されている。
【0048】
すなわち、流体収容体本体部10内において、複数の流体層11にそれぞれ連通した第1のチューブ21,・・・、第2のチューブ22,22、及び第3のチューブ23からなるチューブ2は、分岐ジョイント20a,20bを介して、1本の第3のチューブ23に集約されている。
【0049】
さらに、流体収容体本体部10内におけるチューブ2の配管が、長さ方向に左右対称とされている。
【0050】
第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aの各部分のサイズは、次の通りである。流体収容体本体部10は、縦が500mm、横が850mmである。流体層11は、幅が80mm、長さが390mm、厚さが10mmである。クッション層12は、幅が120mm、長さが390mm、厚さが9mmである。なお、中間のクッション層12,12は、幅が60mm、長さが390mm、厚さが9mmであり、両者間の隙間は、30mmである。チューブ2(第1のチューブ21、第2のチューブ22、及び第3のチューブ23)は、外径が4mm、内径が2mmである。勿論、これらのサイズは、単なる一例であり、異なるサイズで実施してもよい。
【0051】
次に、
図3及び
図4を用いて、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aの使用例として例示した生体情報計測装置100について説明する。
【0052】
生体情報計測装置100は、流体収容体1Aと、流体収容体1Aの流体収容体本体部10から導出されたチューブ2と、チューブ2と接続され、圧力センサ30等が組み込まれた検出部としての検出器3と、を備えている。
【0053】
流体収容体1Aは、ベッドや布団等の寝床に敷いて、その上側に、直接又は、シーツ等を介して間接に、人や動物等の被計測体が乗り、呼吸や心臓の心拍によって身体が伸縮する被計測体から圧力を受ける。なお、被計測体が人の場合、流体収容体1Aは、通常、流体収容体本体部10をその長さ方向をベッド等の寝床の幅方向に向け、裏側のシート状部材10bを下側にし、表側のシート状部材10aを上側にして敷き、被計測体の人は、胸から臍くらいの位置の背中等の身体の位置を乗せて使用される。また、この使用方法で、ほとんど撓まない固い寝床に流体収容体本体部10を敷いて、体重60kgの被計測体の人が乗ると、流体収容体本体部10における流体層11,・・・は、接触部で平均約1mm沈み込む程度の被計測体の体重で押し潰されない厚さ方向の可撓性を有している。
【0054】
流体収容体1Aの流体収容体本体部10から導出されたチューブ2は、検出器3と接続されている。
【0055】
検出器3内の圧力センサ30は、メイン制御基板31に取り付けられ、不図示の内部の入力室が、チューブ2を介して、流体収容体本体部10内の流体層11,・・・と接続され、流体としての空気が、行き来し、被計測体から受ける圧力を検出する。
【0056】
検出器3内のメイン制御基板31は、圧力センサ30から出力される電気信号を信号処理し、被計測体の心拍数や呼吸数等の生体情報を計測する回路やプログラム等を構成する不図示の信号処理部等の構成要素も備えている。なお、この回路やプログラム等を構成する不図示の信号処理部等の構成要素の詳細な説明は省略する。
【0057】
そして、検出器3によって、人等の被計測体における呼吸数や心拍数等に異常があることが検出されると、スピーカー32もしくはクラウド経由の遠隔の端末から警告音を発生させ、周囲の人に知らせるようになっている。
【0058】
さらに、検出器3には、不図示の情報出力端子が設けられており、
図4に示すように、この情報出力端子が有線又は無線でゲートウェイ等の中継器Gと接続可能とされ、インターネット等の通信網Nを介して、人や動物等の被計測体の特定情報と紐付けられた測定した計測値のデータを送信可能とされている。そして、このデータは、通信網Nに接続されたサーバS1のデータベース等の記憶部に記憶させることができるようになっている。そのうえで、このサーバS1は、通信網Nを介して、不図示のパーソナルコンピュータやスマートフォン等の端末によってアクセス可能とされている。
【0059】
なお、検出器4の電源は、回路やプログラム等を構成する信号処理部等の構成要素と同様、不図示としたが、内蔵型でもよいし、外付型でもよい。
【0060】
以上説明した第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aによれば、マット状の流体収容体本体部10内において、スポンジ材112及び流体としての空気が収容され、被計測体の体重で押し潰されない厚さ方向の可撓性を有する長物の流体層11,・・・が、間隔をあけて設けられ、流体層11,・・・の間隔位置には、これら流体層11,・・・よりも高い厚さ方向の可撓性を有するクッション層12,・・・が設けられている。このため、この第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aによれば、被計測体の体重で流体収容体1Aのかなり広い部分が大きく押し潰されたりする弊害が無くなるので、被計測体の背中等に違和感を極力与えないため、上記したように、例えば10mmと厚さを小さくして薄型としても、被計測体の正確な生体情報を計測することができ、十分な性能が発揮できる生体情報計測装置用の流体収容体1Aを提供することができる。
【0061】
そのうえ、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、クッション層12,・・・は、流体層11,・・・よりも高い可撓性を有するとともに、その厚さも、流体層11,・・・よりも小さく設定されている。このため、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、クッション層12,・・・が、流体層11,・・・による被計測体の圧力検知を阻害することがなく、被計測体の正確な生体情報を計測することができる。
【0062】
また、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、流体収容体本体部10内において、流体層11,・・・にそれぞれ連通したチューブ2(第1のチューブ21,・・・及び第2のチューブ22,22)は、分岐ジョイント20a,20bを介して、1本のチューブ2(第3のチューブ23)に集約されている。このため、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、1台の生体情報計測装置100を構成するのに、1個の圧力センサ30を使用するだけで済み、スマートな構造で、且つ、低コストで実施することができる。
【0063】
また、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、流体収容体本体部10内におけるチューブ2(第1のチューブ21,・・・、第2のチューブ22,22、及び第3のチューブ23)の配管が、長さ方向に左右対称とされている。このため、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、流体層11,・・・による受圧精度が略同一となり、安定した高精度の生体情報計測装置100を構成することができる。
【0064】
また、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、流体層11,・・・は、長物の小袋体111の内部にスポンジ材112及び流体としての空気が収容され、小袋体111の短部側にチューブ2(第1のチューブ21)が接続されてなる流体パッド110が、流体収容体本体部10内に収納固定され、それぞれ形成されている。このため、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、高精度の流体層11,・・・の形成が容易であるため、流体層11,・・・の部分を容易且つ高精度に製造することができる。
【0065】
また、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、クッション層12,・・・は、クッション材としてのスポンジ材120が、流体収容体本体部10内に収納固定され、形成されている。このため、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、高精度のクッション層12,・・・の形成が容易であるため、クッション層12,・・・の部分を容易且つ高精度に製造することができる。
【0066】
また、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、流体収容体本体部10内における流体層11,・・・及びクッション層12,・・・が、長さ方向に左右対称に形成されている。このため、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、使用時における被計測体の背中等が中心部から左右いずれかにずれても対応可能とする生体情報計測装置100側の生体情報を計測するための回路やプログラム等を簡易且つ正確に作成でき、更により安定した高精度の生体情報計測装置100を構成することができる。
【0067】
さらに、この生体情報計測装置用の流体収容体1Aでは、流体収容体本体部10が、長さ方向の中間部の折目13で折畳み可能とされているので、使用時には、展開し、運搬時には折り畳めばよいため、特に運搬時は折り畳まれたコンパクトサイズとなり、持ち運びが便利で使い勝手がよい。
【0068】
上記
図3及び
図4に例示した生体情報計測装置100によれば、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aが用いられている。このため、上記した第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aの作用効果を奏する生体情報計測装置100を提供することができる。
【0069】
さらに、この生体情報計測装置100では、中継器Gに接続可能とされ、通信網Nを介して、測定した計測値のデータを送信可能であるので、生体情報計測装置100で計測した計測値のデータを、例えば、インターネット等の通信網Nを介してサーバS1のデータベース等の記憶部に記憶させることができる。そして、通信網Nを介してアクセス可能なパーソナルコンピュータやスマートフォン等の端末によって、医者等の専門家が人や動物等の被計測体の呼吸器系や循環器等の疾病の検査を行ったり、家族や飼主等が人や動物等の被計測体の健康状態を把握したりすること等ができる。
【0070】
なお、生体情報計測装置100に、以下で説明する実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1B~1Gや、その他に例示した生体情報計測装置用の流体収容体1H,1I等を用いれば、これらの実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1~1Gや、その他に例示した生体情報計測装置用の流体収容体1H,1I等の作用効果を奏する生体情報計測装置100を提供することができる。
【0071】
[第2実施形態]
次に、
図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bについて説明する。
図5は、第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bの構成を一部破断して示す平面図である。上述の第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aと相違する点は、主に、流体層11,・・・の配置と、クッション層12,・・・の形状と、を変えただけなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0072】
この生体情報計測装置用の流体収容体1Bでは、流体層11,・・・を、非平行とし、平面視で略W字形状に配置して設けるとともに、クッション層12,・・・を形成するクッション材としてのスポンジ材120を平面視で三角形状としたことが、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aと主に異なる。
【0073】
この第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bでは、流体層11,・・・は、非平行に設けられているので、隣り合う流体層11,11が相対的に傾斜している分、使用時における被計測体の背中等が流体層11,・・・を押す総面積の大きさをより高めることができ、より安定した高精度の生体情報計測装置100を構成することができる。
【0074】
また、この第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bでは、クッション層12を形成するクッション材としてのスポンジ材120を平面視で三角形状としている。このため、この第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bでは、製造販売時の板状のものを無駄なく切り出してスポンジ材120を形成することができ、低コストで実施することもできる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、
図6を用いて、本発明の第3実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Cについて説明する。
図6は、第3実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Cの構成を一部破断して示す平面図である。上述の第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bと相違する点は、主に、流体収容体本体部10内に薄板14,14を設けたことだけなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0076】
この生体情報計測装置用の流体収容体1Cでは、流体収容体本体部10内において、左右対称に、流体層11,11及びクッション層12,12の裏面側と、裏側のシート状部材10bとの間に矩形状のプラスチック等からなる厚さ0.3mm~1.5mm程度の薄板14をそれぞれ設け、シート状部材10a,10b間において、薄板14の周囲を縫合等によりそれぞれ固定していることが、第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bと主に異なる。
【0077】
この第3実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Cでは、固い布団等の寝床ではなく、柔らかい絨毯やマット等の寝床の上に流体収容体本体部10を敷き、使用した際、被計測体の体重で流体収容体本体部10の一部分だけが局所的に大きく押されすぎたりして感度が悪くなり、正確な生体情報を計測することができず、十分な性能が発揮できないおそれがあったが、これを回避することができる。すなわち、この第3実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Cでは、流体収容体本体部10内において、流体層11,・・・及びクッション層12,・・・の裏面側に、薄板14,14が設けられているので、被計測体の体重による圧力を広い面積の薄板14.14で分散でき、流体収容体本体部10の一部分だけが局所的に大きく押されすぎたりして感度劣化を引き起こすおそれを回避することができる。
【0078】
[第4実施形態]
次に、
図7を用いて、本発明の第4実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Dについて説明する。
図7は、第4実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Dの構成を一部破断して示す平面図である。上述の第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bと相違する点は、主に、流体収容体本体部10内に薄板141,・・・を設けたことだけなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0079】
この生体情報計測装置用の流体収容体1Dでは、流体収容体本体部10内において、流体層11,・・・を形成する流体パッド110の裏面側に、流体パッド110の裏面と略同形の長方形状で略同サイズのプラスチック等からなる厚さ0.3mm~1.5mm程度の薄板141がそれぞれ設けられている。そして、シート状部材10a,10b間において、流体パッド110及び薄板141の周囲を縫合等によりそれぞれ固定していることが、第2実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Bと主に異なる。
【0080】
この第4実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Dでは、固い布団等の寝床ではなく、柔らかい絨毯やマット等の寝床の上に流体収容体本体部10を敷き、使用した際、被計測体の体重で流体収容体本体部10の一部分だけが局所的に大きく押されすぎたりして感度が悪くなり、正確な生体情報を計測することができず、十分な性能が発揮できないおそれがあったが、これを回避することができる。すなわち、この第4実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Dでは、流体収容体本体部10内において、流体層11,・・・を形成する流体パッド110の裏面側に、流体パッド110の裏面と略同形で略同サイズの薄板141がそれぞれ設けられているので、被計測体の体重による圧力を薄板で分散でき、流体収容体本体部10の一部分だけが局所的に大きく押されすぎたりして感度劣化を引き起こすおそれを回避することができる。
【0081】
また、この第4実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Dでは、第3実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Cよりも、薄板141におけるプラスチック等の材料の使用量が少なくて済むため、より低コストで実施することができる。
【0082】
[第5実施形態]
次に、
図8を用いて、本発明の第5実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Eについて説明する。
図8は、第5実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Eの構成を一部破断して示す平面図である。上述の第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aと相違する点は、主に、流体層11,・・・及びクッション層12,12の配置方向と、クッション層12を形成するクッション材と、を変えただけなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0083】
この生体情報計測装置用の流体収容体1Eでは、流体層11,・・・及びクッション層12,12が、流体収容体本体部10の長さ方向に長く配置されるとともに、クッション層12を形成するクッション材が綿材121であることが、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aと主に異なる。
【0084】
この第5実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Eでは、このように構成が多少異なるだけで、第1実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Aと略同様な作用効果を奏する。
【0085】
[第6実施形態]
次に、
図9を用いて、本発明の第6実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Fを備えた生体情報計測装置100Aについて説明する。
図9は、第6実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Fを備えた生体情報計測装置100Aの概略構成を示す平面図である。上述の第1実施形態に例示した生体情報計測装置100と相違する点は、主に、圧力センサ30を複数備えることなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0086】
この生体情報計測装置100Aでは、分岐ジョイント20a,20bを用いずに、圧力センサ30は、検出器3に内蔵されたメイン制御基板31上に複数個設けられ、流体収容体1F内の複数の流体層11と複数個の圧力センサ30とは、チューブ21を介してそれぞれ個別に接続されており、不図示の演算処理部が、複数個の圧力センサ30の検出値から計測値を算出することが、第1実施形態に例示した生体情報計測装置100と主に異なる。
【0087】
この第6実施形態に係る生体情報計測装置100Aでは、例えば、複数個の圧力センサ30,・・・の検出値の平均を計測値として算出したり、複数個の圧力センサ30,・・・のうち、最大の検出値から計測値を算出したりすることができるため、より正確な計測値とすることができる。
【0088】
なお、より一層正確な計測値とするには、チューブ21の材質、長さ、外径、及び内径を全て同一とするとともに、複数個の圧力センサ30,・・・も同一のものを用いて実施するとよい。
【0089】
[第7実施形態]
次に、
図10を用いて、本発明の第6実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Gを備えた生体情報計測装置100Bについて説明する。
図10は、第7実施形態に係る生体情報計測装置用の流体収容体1Gを備えた生体情報計測装置100Bの概略構成を示す平面図である。上述の第1実施形態に例示した生体情報計測装置100と相違する点は、主に、圧力センサ30を複数個備えることなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0090】
この生体情報計測装置100Bでは、圧力センサ30は、検出器3に内蔵されたメイン制御基板31上に複数個設けられ、流体収容体本体10内の流体層11から導出された第1のチューブ21は、左右の分岐ジョイント20aにそれぞれ接続され、これら分岐ジョイント20aから導出された第2のチューブ22は、分岐ジョイント20bに接続され、この分岐ジョイント20bから導出された1本の第3のチューブ23は、分岐ジョイント20cに接続されている。そして、この生体情報計測装置100Bでは、分岐ジョイント20cから再度分岐された第4のチューブ24は、複数個の圧力センサ30にそれぞれ個別に接続されており、不図示の演算処理部が、複数個の圧力センサ30の検出値から計測値を算出することが、第1実施形態に例示した生体情報計測装置100と主に異なる。
【0091】
この第7実施形態に係る生体情報計測装置100Bでは、分岐ジョイント20cから再度分岐させたチューブ24を介して各圧力センサ30内に略均一の圧力の空気等の流体が流入し、例えば、複数個の圧力センサ30,・・・の検出値の平均を計測値として算出したり、複数個の圧力センサ30,・・・のうち、最大の検出値から計測値を算出したりすることができるため、より正確な計測値とすることができる。
【0092】
なお、より一層正確な計測値とするには、チューブ21,22,24の材質、長さ、外径、及び内径をそれぞれ同一とするとともに、複数個の圧力センサ30,・・・も同一のものを用いて実施するとよい。
【0093】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0094】
上記した実施形態では、生体情報計測装置用の流体収容体1A,1B,1C,1D,1Eを、上記したような形状、サイズとしたが、これに限定されず、その他の形状、サイズで実施してもよい。
【0095】
例えば、被計測体が、小さい赤ん坊であったり、小型のペット等であったりする場合は、より小さなサイズで実施することが好ましい。
【0096】
また、上記した実施形態の生体情報計測装置用の流体収容体1A~1Gでは、流体層11の数を4つとしたが、これに限定されない。例えば、
図11に示した生体情報計測装置用の流体収容体1Hでは、流体層11を3つとしているように、その他の数で実施してもよい。
【0097】
また、上記した実施形態の生体情報計測装置用の流体収容体1A~1Gでは、流体層11,・・・及びクッション層12,・・・を左右対称とし、流体収容体本体部10を、長さ方向の中間部で折畳み可能としたが、これに限定されない。例えば、
図12に示した生体情報計測装置用の流体収容体1Iでは、流体層11,・・・及びクッション層12,・・・を全て同方向に傾斜させ、流体収容体本体部10を、折畳み不可としているように、その他の形態で実施してもよい。
【0098】
また、上記した実施形態の生体情報計測装置用の流体収容体1A,1B,1C,1D,1Eや、その他に例示した生体情報計測装置用の流体収容体1F,1Gでは、流体層11を形成する流体パッド110を、平面視で略長方形状のものとしたが、これに限定されない。例えば、流体パッド110を、
図13(a)~
図13(g)に示すように、平面視で、X字形状、C字形状、十字形状、ドーナツ形状、V字形状、T字形状、及びH形状等にして実施してもよい。なお、
図13(a)~
図13(g)に示す流体パッド110では、内部に収容されるスポンジ材112の図示は省略した。
【0099】
さらに、上記した実施形態の生体情報計測装置用の流体収容体1A~1Gや、その他に例示した生体情報計測装置用の流体収容体1H,1Iでは、流体を空気としたが、これに限定されず、他の気体や水等の液体等で実施してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1A~1I 生体情報計測装置用の流体収容体
10 流体収容体本体部
11 流体層
110 流体パッド
111 小袋体
112 スポンジ材
12 クッション層
120 スポンジ材(クッション材)
121 綿材(クッション材)
14 薄板
141 薄板
2 チューブ
21 (第1の)チューブ
22 (第2の)チューブ
23 (第3の)チューブ
24 (第4の)チューブ
20a 分岐ジョイント
20b 分岐ジョイント
20c 分岐ジョイント
30 圧力センサ
31 メイン制御基板
100 生体情報計測装置
100A 生体情報計測装置
100B 生体情報計測装置
G 中継器
N 通信網