(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103416
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報提供装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/048 20220101AFI20220630BHJP
【FI】
G06F3/048
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083054
(22)【出願日】2022-05-20
(62)【分割の表示】P 2020181415の分割
【原出願日】2014-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】野元 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】中田 一朗
(57)【要約】
【課題】ユーザが何らかの情報を端末から得ようと閲覧・操作を開始するときに、ユーザにとって有益であると判断される情報(時刻により変動する情報、予め端末にダウンロードしている情報)をタイムリーに当該端末に表示する携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末であって、携帯端末に関する物理量を測定する物理量センサと、物理量センサにより計測された物理量に基づいて携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態を判定する判定部と、判定部によって携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときに、携帯端末の表示画面において特定の情報の表示を実行する実行部とを備えた携帯端末。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を、
前記携帯端末に関する物理量を測定する判定部と、
前記判定部により計測された物理量に基づいて、特定の情報の表示を実行する実行部と、を備え、
前記判定部は、前記物理量に基づき、前記端末に接触又は所定領域に近接する物が存在するか否かを判別する近接判定部、又は所定の電荷量分布に適合しているか否かを判別するタッチ判定部を含む、装置として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記判定部は、前記携帯端末に加わる加速度を測定とする加速度判定部をさらに含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記実行部は、前記近接判定部、前記タッチ判定部、又は前記加速度判定部のいずれか2以上の判定結果の組合せに基づき、前記特定情報の表示を実行する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
携帯端末において測定された前記携帯端末に加わる物理量に基づき、当該携帯端末の使用者による端末の使用の開始が判定されたときに、当該携帯端末から発信される処理要求電文を受信する受信部と、
前記処理要求電文の内容に基づき、前記携帯端末に表示する特定の情報を送信する送信部と、を備える情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を提供する携帯端末および情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加速度センサから得られる信号より、携帯端末の傾斜角度や、振る、傾けるなどのジェスチャーを検出し、検出されたジェスチャーに応じて、情報コンテンツを表すアイコン群の動きを制御する技術が知られている。具体的には、携帯端末が水平に保たれたとき、携帯端末のディスプレイ中央付近に表示されているアイコンが示すコンテンツをディスプレイに表示させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1に開示されている技術では、ユーザは所望の情報を検索、閲覧するためには、所望のアイコンを画面中心付近に表示するために、所望のアイコンが画面中央に現れるまで携帯端末を前後左右方向に傾斜させなければならないという課題がある。そこで、本発明の目的の1つは、より簡便な操作により、ユーザが情報を閲覧できる技術を提供することである。
【0005】
本発明は、ユーザが何らかの情報を当該端末から得ようとしているタイミングである、能動的に携帯端末を取り出して閲覧・操作を開始するときに、ユーザにとって有益であると判断される情報(時刻により変動する情報、予め端末にダウンロードしている情報)をタイムリーに当該端末に表示することができる携帯端末および情報提供装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によると、携帯端末に関する物理量を測定する物理量センサと、物理量センサにより計測された物理量に基づいて携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態を判定する判定部と、判定部によって携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときに、携帯端末の表示画面において特定の情報の表示を実行する実行部とを備えたことを特徴とする携帯端末が提供される。
【0007】
本発明の一実施形態によると、物理量センサが携帯端末に加わる加速度を測定する加速度センサであって、鉛直方向に対する所定の加速度を記憶する加速度保持部と、加速度センサにより計測された加速度が所定の加速度か否かを判別する加速度判定部と、加速度センサにより計測された加速度が所定の加速度であるときに携帯端末の表示画面において特定の情報の表示を実行する実行部とを備えることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0008】
本発明の一実施形態によると、加速度は、重力加速度もしくは運動加速度または角加速度の変位であることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0009】
本発明の一実施形態によると、所定の加速度か否かの判別は、加速度センサにより計測された加速度に基づいて携帯端末の表示画面上に存在する複数の点により形成される仰角が一定範囲内にあるか否かによって判別することを特徴とする携帯端末が提供される。
【0010】
本発明の一実施形態によると、判定部によって携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときに、サーバに対して携帯端末の表示画面に表示する特定の情報の送信を要求する電文を送信する送信部と、送信部から送信された電文に基づいてサーバが携帯端末に対して送信する携帯端末の表示画面に表示する特定の情報を受信する受信部をとさらに備え、受信部から受信した特定の情報を携帯端末の表示画面に表示することを特徴とする携帯端末が提供される。
【0011】
本発明の一実施形態によると、電文は携帯端末の位置情報または時刻情報を含み、携帯端末の表示画面において表示される特定の情報は位置情報または時刻情報に関連して生成されることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0012】
本発明の一実施形態によると、特定の情報は、可変情報であることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0013】
本発明の一実施形態によると、特定の情報は、判定部によって携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときよりも前に、サーバから携帯端末にダウンロードされた情報であることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0014】
本発明の一実施形態によると、物理量センサが携帯端末から携帯端末に近接する物体までの距離を検知する近接センサであって、近接センサにより、携帯端末から所定の領域に存在する物体があるか否かを判別する近接判定部と、携帯端末から所定の領域に存在する物体はないと判別されたときに携帯端末の表示画面において特定の情報の表示を実行する実行部とを備えることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0015】
本発明の一実施形態によると、物理量センサが携帯端末に人の手が触れているか否かを検知するタッチセンサであって、タッチセンサにより携帯端末に人の手が触れているかどうかを判定するタッチ判定部と、タッチ判定部が携帯端末に人の手が触れていると判別したときに携帯端末の表示画面において特定の情報の表示を実行する実行部とを備えることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0016】
本発明の一実施形態によると、物理量センサが携帯端末に人の顔が向けられているか否かを検知するイメージセンサであって、イメージセンサにより携帯端末に人の顔が向けられているかどうかを判定するタッチ判定部と、イメージ判定部が携帯端末に人の顔が向けられていると判別したときに携帯端末の表示画面において特定の情報の表示を実行する実行部とを備えることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0017】
本発明の一実施形態によると、携帯端末において測定された携帯端末に加わる特定の物理量に基づき携帯端末から発信される処理要求電文を受信する受信部と、処理要求電文の内容に基づき、携帯端末に表示する特定の情報を送信する送信部とを備えることを特徴とする情報提供装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザが何らかの情報を端末から得ようと閲覧・操作を開始するときに、ユーザにとって有益であると判断される情報(時刻により変動する情報、予め端末にダウンロードしている情報)をタイムリーに当該端末に表示することができ、サービス等に対する顧客吸引力を向上させることができる。
【0019】
また、本発明によれば、端末の鉛直方向に対する傾斜角が一定の範囲内に入った際に所定の新たな情報が表示されるので、より簡易にユーザが所望の情報を閲覧でき、当該情報を閲覧するユーザにより容易に印象付けることができる。
【0020】
さらに、本発明によれば、端末位置情報や日時をユーザに提供する情報選択の判断材料に含むので、より各ユーザに適した情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第3実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第4実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第5実施形態に係る情報提供装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る携帯端末について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末100の構成を示すブロック図である。本実施形態における携帯端末100の具体例としては、スマートフォンがある。しかし、本実施形態においては、携帯端末100は、スマートフォンに限定されることはない。言い換えると、携帯端末100は、ネットワークNWに接続して他の装置と通信可能な端末であればよく、例えば、携帯電話、携帯型ゲーム機などであってもよい。
【0024】
携帯端末100は、物理量センサ110、判定部120、実行部130を有する。
【0025】
物理量センサ110は、携帯端末に関する物理量を測定するセンサである。物理量センサ110の測定する物理量は、携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態を判定するための何らかの物理量であればよい。
図2に示したとおり、物理量センサ110の具体例としては、加速度センサ、近接センサ、タッチセンサ、イメージセンサを挙げることができる。物理量センサ110は、これらのうち一つのセンサのみにより構成されていてもよい。あるいは、物理用センサ110は、複数のセンサから構成され、複数種類の物理量を測定できるようになっていてもよい。
【0026】
加速度センサは、携帯端末に加わる加速度を測定するものであり、加速度センサが検知する加速度は、重力加速度、運動加速度、角加速度のいずれであってもよく、これらのうち複数の組合せであってもよい。
【0027】
すなわち、加速度センサは、携帯端末の鉛直方向に対する角度を測定するセンサであってもよく、また、急に加速度が大きくなった後、急に加速度がゼロまたはそれに近い状態になることを測定してもよい。加速度センサにより測定される物理量により、携帯端末を使用していなかったユーザが、携帯端末の使用を開始しようとして、当該携帯端末の表示画面がユーザに閲覧可能な状態に置かれたことを感知することができる。
【0028】
タッチセンサは、携帯端末により加えられる力を検知するものである。具体的には、加えられた力を電荷量変化により検知するものがある。このようなタッチセンサは、電荷量が一定の間小さく維持されていたのが、急に大きく変化することを検知してもよい。タッチセンサにより測定される物理量により、携帯端末を使用していなかったユーザが、携帯端末の使用を開始しようとして、当該携帯端末を取り出そうとして握ったことを感知することができる。
【0029】
近接センサは、携帯端末の周囲に存在する物体の近接の程度を検出するセンサである。より具体的には、携帯端末が何らかの物に接触しているか、または当該携帯端末から所定の領域にあり近接している状態にあるかどうか、何にも触れていない状態になったかどうかを感知できるセンサである。近接センサは、赤外線を使用してその反射の程度で携帯端末とその周囲の物との距離を測るものでもよい。近接センサにより測定される物理量により、ユーザがポケット等に格納されていた携帯端末を取り出して、当該携帯端末の表示画面がユーザに閲覧可能な状態に置かれたことを感知することができる。
【0030】
イメージセンサは、撮像素子と称されることがあり、受光面の結像による明暗の度合いを物理量として検出するセンサである。イメージセンサとしては、CMOS、CCDなどによるものが知られている。イメージセンサにより測定される物理量により、ユーザが当該携帯端末の方に顔を向けているかどうか、視線を向けているかどうかを検知することができ、当該携帯端末の表示画面がユーザに閲覧可能な状態に置かれたことを検知することができる。
【0031】
判定部120は、物理量センサ110により計測された物理量に基づいて携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態を判定する。
【0032】
図2に示したとおり、判定部120は、物理量センサ110の加速度センサ、近接センサ、タッチセンサ、イメージセンサに対応して、加速度判定部、近接判定部、タッチ判定部、イメージ判定部を有してもよい。
【0033】
例えば、加速度判定部は、物理量センサ100により測定される加速度の方向を検出し、携帯端末100の表示画面の向いている方向が、ユーザが携帯端末100を手に持って表示画面を見る角度になって静止していることを検出することにより、携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態を判定する。
【0034】
また、加速度判定部は、携帯端末100に対する加速度が小さい状態から急速に大きくなり、所定時間内に再び加速度が小さい状態に戻ったことを検出してもよい。ここに所定時間とは、携帯端末100がユーザのポケットなどに入っている状態から取り出され、ユーザが携帯端末100を手に持って表示画面を見る角度になって静止するまでに要する時間である。また、加速度判定部は、携帯端末100がユーザのポケットなどに入っている状態から取り出され、ユーザが携帯端末100を手に持って表示画面を見る角度になって静止するまでの加速度変化を検出すると、利用者によって使用可能になった状態を判定するように構成されていてもよい。
【0035】
例えば、近接判定部は、物理量センサ100が携帯端末の周囲に物体が近接して存在する状態から近接して存在しない状態になったと判定したとき等、物理量センサ100により測定される携帯端末の周囲に存在する物体の近接の程度の変化が、携帯端末100がユーザのポケットなどに入っている状態から取り出され、ユーザが携帯端末100を手に持って表示画面を見る状態になるものである場合に、利用者によって使用可能になった状態を判定するように構成される。
【0036】
例えば、タッチ判定部は、物理量センサ100により測定される、携帯端末に加えられる力の大きさが、ユーザが携帯端末100を手に持った時の大きさとなると、利用者によって使用可能になった状態を判定するように構成される。また、タッチ判定部は、携帯端末のどこに力が加えられるかの変化によって、ユーザが携帯端末100を手に持ったと判定される場合に、利用者によって使用可能になった状態を判定するように構成されていてもよい。
【0037】
例えば、イメージ判定部は、物理量センサ100により検出される、受光面の結像に、人の顔が含まれると判定される場合に、利用者によって使用可能になった状態を判定するように構成される。
【0038】
実行部130は、判定部120によって携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときに、携帯端末の表示画面において特定の情報の表示を実行する。
【0039】
ここで、携帯端末100の表示画面に表示される特定の情報は、リアルタイムな情報すなわち、時間とともに変化する可変情報であってもよく、また、判定部によって携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときよりも前に、サーバから携帯端末にダウンロードされた情報であってもよい。
【0040】
図3は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末100の動作を示すフローチャートである。ステップS101の処理として、物理センサ110により物理量を測定する。ここでいう物理量とは、携帯端末100に関する物理量である。ステップS102の処理として、判定部120により、物理量センサ110により測定された物理量に基づいて、携帯端末100がその利用者に使用可能となった状態かどうかを判定する。ステップS103の処理として、ステップS102の処理により、携帯端末100がその利用者により使用可能となった状態になったと判定されると、実行部130が携帯端末100の表示画面に特定の情報の表示を実行する。
【0041】
図3に示すように、本発明の実施形態に係る携帯端末100においては、物理量センサ110が携帯端末に関する物理量を測定すると、判定部が物理量センサにより計測された物理量に基づいて携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったか否かを判定し、判定部によって携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときに、実行部が携帯端末の表示画面において特定の情報の表示を実行する。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る携帯端末について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図4は、本発明の第2実施形態に係る携帯端末200の機能構成を示すブロック図である。
【0044】
携帯端末200は、加速度センサ210、判定部220、実行部230、保持部240を有する。すなわち、第2実施形態に係る携帯端末は、第1実施形態に係る携帯端末の物理量センサが加速度センサとなっている場合に相当するということもできる。
【0045】
加速度センサ210は、携帯端末に加わる加速度を測定するものである。加速度センサ210が検知する加速度は、重力加速度、運動加速度、角加速度のいずれであってもよく、これらのうち複数であってもよい。
【0046】
すなわち、加速度センサ210は、携帯端末の鉛直方向に対する角度を測定するセンサであってもよく、また、急に加速度が大きくなった後、急に加速度がゼロまたはそれに近い状態になることを測定してもよい。加速度センサ210は、携帯端末を使用していなかったユーザが、携帯端末の使用を開始しようとして、当該携帯端末の表示画面がユーザに閲覧可能な状態に置かれたことを感知してもよい。
【0047】
保持部240は、所定の角度を記憶する。所定の角度は、携帯端末の使用者が携帯端末の表示画面を当該使用者の閲覧可能な状態に置かれた状態と把握できる端末の鉛直方向に対する角度である。
【0048】
判定部220は、加速度センサ210により計測された加速度が保持部240に記憶された所定の加速度か否かを判別することで、携帯端末がその利用者によって使用可能になったかどうかを判定する。このとき、所定の加速度は、加速度センサ220により計測された加速度に基づき、携帯端末の表示画面上に存在する複数の点により形成される所定の仰角の範囲によって定めてもよい。
【0049】
実行部230は、判定部220が、携帯端末の鉛直方向に対する角度が保持部240で記憶されている所定の角度であると判別したときに、表示画面における特定の情報の表示を実行する。
【0050】
本発明の他の実施形態に係る携帯端末200は、物理量センサ210が携帯端末の鉛直方向に対する角度を測定すると、保持部240で記憶されている所定の角度か否かを判定部220が判別し、所定の角度であると判別したときには、実行部230が表示画面における特定の情報の表示を実行する。
【0051】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る携帯端末300の機能構成を示すブロック図である。
【0052】
本発明の第3実施形態に係る携帯端末300は、物理量センサ310、判定部320、実行部330、送信部331、受信部332を有する。携帯端末300は、所定の物理量を記憶した保持部340を有してもよい。物理量センサ310、判定部320については上述した携帯端末100における物理量センサ110、判定部120と同様である。
【0053】
実行部330は、送信部331及び受信部332を有する。
【0054】
送信部331は、判定部320によって携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときに、サーバに対して携帯端末の表示画面に表示する特定の情報の送信を要求する電文を送信する。すなわち、実行部330は、判定部320によって、物理量センサ310が読み取った物理量が所定の物理量であると判別されたときに、サーバ350に対して、携帯端末300の表示画面に表示する特定の情報の送信を要求する電文を送信する。
【0055】
受信部332は、送信部331から送信された電文に基づいてサーバ350が携帯端末に対して送信する携帯端末の表示画面に表示する特定の情報を受信する。このようにして受信部332がサーバ350から受信した特定の情報が携帯端末300の表示画面に表示される。
【0056】
送信部331は、携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されたときに、時刻により変動する情報等の送信を要求する電文を送信し、該電文に基づいて受信部332が該情報を受信することで、ユーザが何らかの情報を当該端末から得ようとしているタイミングである、能動的に携帯端末を取り出して閲覧・操作を開始するときに、ユーザにとって有益であると判断される情報をタイムリーに当該端末に表示することができる。送信部331は、携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されるときよりも前にサーバから携帯端末にダウンロードされた情報の送信を要求する電文を送信し、該電文に基づいて受信部332が該情報を受信することで、ユーザにとって有益であると判断される情報を当該端末に表示してもよい。送信部331は、携帯端末がその利用者によって使用可能になった状態になったと判定されるよりも前の時点で該電文を送信してもよい。例えば、送信部331は、加速度判定部が携帯端末に対する加速度が小さい状態から急速に大きくなった状態を検出したときや、近接判定部が携帯端末の周囲に物体が近接して存在する状態から近接して存在しない状態になったと判定したとき等、携帯端末がユーザのポケット等から取り出されたと判定される時点で該電文を送信してもよい。
【0057】
サーバ350に対して携帯端末300の表示画面に表示する特定の情報の送信を要求する電文は携帯端末300の位置情報や時刻情報を含んでもよく、携帯端末300が表示する情報が位置情報や時刻情報に関連して生成されるようにしてもよい。位置情報は、例えば、通信相手のMACアドレスやIPアドレス等であってもよい。これによって、各使用者が置かれた状況に合わせてより適切な情報を提供することができる。
【0058】
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係る携帯端末400の機能構成を示すブロック図である。
【0059】
本発明の他の実施形態に係る携帯端末400は、センサ410、判定部420、実行部430、送信部431、受信部432を有する。携帯端末400は、所定の物理量を記憶した保持部440を有してもよい。
図6に示したとおり、センサ410は、加速度センサ411、近接センサ412、タッチセンサ413、イメージセンサ414を有してもよい。センサ410は、これらのうち一つのセンサのみを有してもよく、複数のセンサを有してもよい。センサ410では、携帯端末に加えられる加速度や電荷量、携帯端末から近接する物体までの距離を測定し、携帯端末の表示画面が使用者に閲覧可能な状態に置かれたかどうかを測定する。
【0060】
保持部440は、所定の角度、距離、電荷量、イメージを記憶してもよい。保持部440は、これらのうち一つのみを有してもよく、複数有してもよい。
【0061】
このとき、保持部440で記憶される所定の距離の範囲は、携帯端末から当該携帯端末の周囲に存在する物までの所定の距離の範囲であってもよく、携帯端末が周囲に存在する物と接触している状態若しくは携帯端末が周囲に存在する物と近接している状態を示す所定の距離の範囲であってもよい。
【0062】
また、保持部440で記憶される所定の加速度の範囲は、表示画面上に存在する複数の点により形成される仰角の範囲であってもよく、携帯端末が使用されずに静止している状態から、使用者が携帯端末の使用を開始するため携帯端末の表示画面が使用者に閲覧可能な状態に動いたことを示す加速度の変化の範囲を記憶してもよい。
【0063】
また、保持部440で記憶される所定の電荷量の範囲は、端末が使用者に握られていない状態から、使用者が端末の使用を開始するため端末を握ったことを示す電荷量の変化の範囲であってもよい。
【0064】
また、保持部440で記憶される所定のイメージは、ユーザが当該携帯端末の方に顔を向けていることや視線を向けていること等、当該携帯端末の表示画面がユーザに閲覧可能な状態に置かれたことを示すイメージであってもよい。
【0065】
判定部420は、加速度判定部421、近接判定部422、タッチ判定部423、イメージ判定部424を有してもよい。判定部420は、これらのうち一つのセンサのみを有してもよく、複数のセンサを有してもよい。
【0066】
加速度判定部421は、加速度センサ411により計測された加速度に基づき、携帯端末を使用していなかったユーザが、携帯端末の使用を開始しようとして、当該携帯端末の表示画面がユーザに閲覧可能な状態に置かれたことを判別する。
【0067】
近接判定部422は、近接センサ412により、携帯端末に接触または端末から所定の領域に近接する物体が存在するか否かを判別する。
【0068】
タッチ判定部423は、タッチセンサ413により計測された電荷量が所定の電荷量分布に適合しているか否かを判別する。
【0069】
イメージ判定部424は、イメージセンサ414により検知されたイメージが所定のイメージか否かを判別する。
【0070】
実行部450は、判定部420が所定の物理量を測定したときに表示画面における特定の情報の表示を実行する。例えば、加速度判定部が端末の表示画面上に存在する複数の点によって形成される仰角が一定範囲内にあると判別したとき、近接判定部が端末に接触または所定領域に近接する物が存在しないと判別したとき、タッチ判定部がタッチセンサにより計測された電荷量が所定の電荷量分布に適合していると判別したとき、イメージ判定部がイメージセンサにより検知されたイメージが所定のイメージであると判別したときに端末の表示画面への特定の情報の表示を実行してもよい。
【0071】
以上に述べた、角度による判定、近接距離による判定、タッチセンサによる判定、及びイメージによる判定は、それぞれ単独でなされてもよく、また、これらのうちの2以上の判定を組み合わせてなされてもよい。これらのうちの2以上の判定を組み合わせることにより、より的確に、使用者による端末の使用・閲覧行為の開始を判定することができる。
【0072】
例えば、本発明の他の実施形態に係る携帯端末は、端末に加わる加速度を測定する加速度センサと、端末における電荷量の変位を検知するタッチセンサとを有してもよく、加速度センサにより計測された加速度に基づいて端末の表示画面上に存在する複数の点により形成される仰角が一定範囲内にあるかどうかを判別し、かつ、タッチセンサにより検知された電荷量の変位が所定の分布情報に適合しているかどうかを判別してもよい。そして、端末の表示画面上に存在する複数の点により形成される仰角が一定範囲内にあり、かつ、タッチセンサにより検知された電荷量の変位が所定の分布情報に適合していると判別したときに端末の表示画面への特定の情報の表示を実行してもよい。
【0073】
(第5実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態に係る携帯端末500の機能構成を示すブロック図である。
【0074】
携帯端末500は、受信部510と送信部520とを有する。
【0075】
受信部510は携帯端末において測定された、携帯端末に加わる特定の物理量に基づいた携帯端末から発信される処理要求電文を受信し、送信部520は、処理要求電文の内容に基づき、携帯端末に表示する特定の情報を送信する。
【符号の説明】
【0076】
100、200、300、400、500…携帯端末、110、310、410…物理量センサ、120、220、320、420…判定部、130、230、330、430…実行部、240、340、440…保持部、331、431、520…送信部、332、432、510…受信部、210、411…加速度センサ、412…近接センサ、413…タッチセンサ、414…イメージセンサ、421…加速度判定部、422…近接判定部、423…タッチ判定部、424…イメージ判定部、350、450…サーバ