(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103427
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/60 20170101AFI20220630BHJP
G06V 20/17 20220101ALI20220630BHJP
【FI】
G06T7/60 180A
G06V20/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022083437
(22)【出願日】2022-05-20
(62)【分割の表示】P 2019116134の分割
【原出願日】2019-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】515253083
【氏名又は名称】株式会社CLUE
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王 潜隆
(57)【要約】
【課題】画像に映る対象物の構成部位を容易に判別することができる情報処理システムを
提供する。
【解決手段】情報処理システムは、対象物を撮像した画像を表示する表示面を有する表示
部と、上記表示面に表示された上記画像上において上記対象物に対応する領域の少なくと
も一部を区画する線分および該線分の各々を接続するノードを取得する取得部と、上記線
分の両端のノードの属性に基づいて、上記線分に対応する上記対象物の構成部位を推定す
る推定部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を撮像した画像を表示する表示面を有する表示部と、
前記表示面に表示された前記画像上において前記対象物に対応する領域の少なくとも一
部を区画する線分および該線分の各々を接続するノードを取得する取得部と、
前記線分の両端のノードの属性に基づいて、前記線分に対応する前記対象物の構成部位
を推定する推定部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記推定部は、前記線分の両端のノードの属性の組み合わせに基づいて、前記線分に対
応する前記対象物の構成部位を推定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ノードの属性は、前記ノードと接続する線分の数に基づいて決定される、請求項1
または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ノードの属性は、前記ノードと接続する一の線分と前記一の線分とは異なる他の線
分とがなす角度に基づいて推定される、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理シ
ステム。
【請求項5】
前記推定部は、前記ノードが、前記領域の外周または前記領域の内側のいずれかに該当
するかに基づいて推定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示部は、前記推定部により推定された前記線分に対応する前記対象物の構成部位
に関する情報を前記表示面に提示する、請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理シ
ステム。
【請求項7】
前記表示部は、前記対象物の構成部位に関する情報を前記線分に対応づけて表示する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記画像は、前記対象物の上方から撮像されて得られる画像である、請求項1~7のいず
れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記対象物が建造物の屋根である、請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理シス
テム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物を高所から観察したり、上空から地上を空撮したり、あるいは立ち入りが困難な
領域を観察したりする場合には、近年、複数のプロペラの回転によって飛行するいわゆる
ドローンあるいはマルチコプタといった飛行体が用いられることがある。
【0003】
例えば特許文献1には、飛行体に搭載したカメラで対象物を撮像した画像から三次元の
画像を生成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献に開示された技術においては、その画像情報から対象物の
構成部位など該対象物に関連した情報を直接取得することは開示されていない。そのため
、画像から対象物の構成部位の情報を利用したい場合、ユーザ自身が画像を観察して対象
物の構成部位を判別する必要があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像に映る対象物の構成部位を容易
に判別することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するための、本発明に係る情報処理システムは、対象物を撮像した画像
を表示する表示面を有する表示部と、上記表示面に表示された上記画像上において上記対
象物に対応する領域の少なくとも一部を区画する線分および該線分の各々を接続するノー
ドを取得する取得部と、上記線分の両端のノードの属性に基づいて、上記線分に対応する
上記対象物の構成部位を推定する推定部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
この情報処理システムによれば、画像に映る対象物に対応する領域を区画する線分の特
徴から該対象物の構成部位を自動的に紐付けることができる。そのため、ユーザが該構成
部位について自ら判別する必要がなくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像に映る対象物の構成部位を容易に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略を示す図である。
【
図2】同実施形態に係る情報処理端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係るプロセッサおよびストレージの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】同実施形態に係る画像情報の生成態様の一例を示す。
【
図5】同実施形態に係る画像情報の表示例を示す図である。
【
図6】同実施形態に係るノード情報および線分情報の生成の一例を示す図である。
【
図7】同実施形態に係る推定部による推定結果に基づく表示例を示す図である。
【
図8】同実施形態の変形例に係る推定部による推定結果に基づく表示例を示す図である。
【
図9】同実施形態に係る情報処理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】他の実施形態に係る情報処理システムの概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については
、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略を示す図である。図示のよ
うに、情報処理システム1は、情報処理端末10を備える。
【0013】
本実施形態に係る情報処理システム1は、対象物である建造物100の屋根101を撮
像した画像から、屋根101の構成部位を判別するものである。
【0014】
本実施形態に係る情報処理端末10は、いわゆるタブレット状の小型のコンピュータに
よって実装される。他の実施形態においては、情報処理端末10は、スマートフォンまた
はゲーム機等の携帯型の情報処理端末により実現されてもよいし、パーソナルコンピュー
タ等の据え置き型の情報処理端末により実現されてもよい。また、情報処理端末10は、
複数のハードウェアにより実現され、それらに機能が分散された構成を有してもよい。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理端末10の構成を示すブロック図である。
図示のように、情報処理端末10は、制御部11及び表示部であるタッチパネル部12を
備える。
【0016】
制御部11は、プロセッサ11a、メモリ11b、ストレージ11c、送受信部11d
、及び入出力部11eを主要構成として備え、これらが互いにバス11fを介して電気的
に接続される。
【0017】
プロセッサ11aは、制御部11の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の
制御や、プログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0018】
このプロセッサ11aは、本実施の形態では例えばCPU(Central Proc
essing Unit)であり、後述するストレージ11cに格納されてメモリ11b
に展開されたプログラムを実行して各処理を行う。
【0019】
メモリ11bは、DRAM(Dynamic Random Access Memo
ry)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(H
ard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備え
る。
【0020】
このメモリ11bは、プロセッサ11aの作業領域として使用される一方、制御部11
の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System
)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0021】
ストレージ11cは、プログラムや各種の処理に用いられる情報等が格納されている。
例えば、屋根101の画像情報を撮像するための飛行体を、情報処理端末10を介してユ
ーザが操作する場合、ストレージ11cには、かかる飛行体の飛行を制御するプログラム
が格納されていてもよい。
【0022】
送受信部11dは、制御部11をインターネット網等のネットワークに接続するもので
あって、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low En
ergy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0023】
本実施形態では、例えば、飛行体10の飛行を制御する制御信号が、この送受信部11
dを介して飛行体10に送信されてもよい。
【0024】
入出力部11eは、入出力機器が接続されるインターフェースであって、本実施形態で
は、タッチパネル部12が接続される。
【0025】
バス11fは、接続したプロセッサ11a、メモリ11b、ストレージ11c、送受信
部11d及び入出力部11eの間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の
制御信号を伝達する。
【0026】
タッチパネル部12は、表示部の一例であり、取得した映像や画像が表示される表示面
12aを備える。この表示面12aは、本実施形態では、表示面12aへの接触によって
情報の入力を受け付けるものであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術に
よって実装される。
【0027】
例えば、ユーザは、表示面12aに表示された画像に対して、タッチパネル部12を介
して、線分情報やノード情報を入力し得る。また、表示面12aには、制御部11により
出力される表示情報が表示される。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態に係るプロセッサ11aおよびストレージ11cの機能構
成を示すブロック図である。図示のように、プロセッサ11aは、取得部111、推定部
113および表示制御部115を備える。また、ストレージ11cは、入力情報データベ
ース117および対象物情報データベース119を備える。
【0029】
取得部111は、入力情報データベース117から各種情報を取得する機能を有する。
例えば、取得部111は、入力情報データベース117に含まれる画像情報121、ノー
ド情報123および線分情報125を取得する。
【0030】
画像情報121は、例えば、屋根101を撮像して得られる画像の情報である。
図4は
、本発明の一実施形態に係る画像情報121の生成態様の一例を示す。図示のように、か
かる画像情報121は、屋根101の上空に飛行する飛行体30に付随するカメラ31が
、屋根101を対象物として撮像することにより生成される画像情報であってもよい。飛
行体30により得られる画像情報は、情報処理端末10のストレージ11cの入力情報デ
ータベース117に格納される。
【0031】
取得した画像情報121は、表示部12aに表示され得る。
【0032】
図5は、本発明の一実施形態に係る画像情報121の表示例を示す図である。図示のよ
うに、表示面12aには、取得された画像情報121をもとに、建造物100の屋根10
1を含む画像が表示される。本実施形態では、携帯情報端末10を操作するユーザは、表
示面12aに表示される画像から、屋根101の構造を視認する。
【0033】
ノード情報123および線分情報125は、例えば、屋根101に対応する領域を区画
するためのノードおよび線分に関する情報である。線分は、対象物を区画する領域の外側
および内側の境界の一部であり、対象物の構成部位に対応する。例えば、対象物が屋根1
01である場合、線分に対応する構成部位とは、軒や棟等である。ノードは、かかる複数
の線分を接続する頂点を意味する。なお、対象物が屋根101である場合、ノードに対応
する構成部位とは、軒や棟等の端部(頂部)である。
【0034】
ノード情報123および線分情報125は、例えば、携帯情報端末10を操作するユー
ザが表示面12aに対する操作により生成されてもよい。具体的には、表示面12aに屋
根101が映る画像が表示されている場合、ユーザは、タッチパネル部12に対して、屋
根101の構成部位に対応する線分およびノードを設定する操作を行ってもよい。
【0035】
図6は、本発明の一実施形態に係るノード情報および線分情報の生成の一例を示す図で
ある。図示のように、例えばユーザのタッチパネル部12に対する操作により、ノード1
02a~102lおよび線分103a~103oが設定される。このとき、表示されてい
る屋根101の画像に対して、ノードおよび線分が重畳されるようにユーザが入力するこ
とで、ノード102a~102lおよび線分103a~103oが設定されてもよい。こ
のとき、対象物を区画する領域とは、各線分103a~103oにより囲まれる領域を指
す。また、領域の外周とは、
図6で示すように、区画する領域の最外側に対応する線分に
より構成される部分を指す。また、領域の内側とは、かかる領域の外周に囲まれる内側の
部分を意味する。
【0036】
設定されたノード102a~102lおよび線分103a~103oはそれぞれノード
情報および線分情報として生成され、ストレージ11cの入力情報データベース117に
格納される。
【0037】
なお、
図6に示した例では、ユーザのタッチパネル部12に対する操作によりノード情
報123および線分情報125が生成されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない
。例えば、ノード情報および線分情報は、屋根101が映る画像に対する画像認識処理に
より、ノードおよび線分に相当する部分を抽出することで生成されてもよい。かかる画像
認識処理は、例えば、ディープラーニング等の公知の機械学習による手法が用いられても
よい。この場合、例えば、屋根101が映る画像と屋根101の構成部位とに関する学習
モデルを用いることで、画像認識処理が実現され得る。画像認識処理は、携帯情報端末1
0のプロセッサ11aにおいて行われてもよい。
【0038】
推定部113は、取得部111が取得した各種入力情報と、対象物情報に基づいて、設
定した線分に対応する対象物の構成部位を推定する機能を有する。例えば、推定部113
は、対象物情報データベース119に格納される対象物部位情報127およびノード属性
情報129を取得する。次に、推定部113は、ノード情報123に含まれる各種ノード
について、ノード属性情報129において定義されるノード属性を特定する。そして、推
定部113は、線分情報125に含まれる各種線分について、該線分の両端のノードのノ
ード属性の組み合わせと対象物部位情報127に含まれる対象物の構成部位との対応関係
に基づいて、対象物の構成部位を推定する。以下、具体例について説明する。
【0039】
図7は、本発明の一実施形態に係る推定部113による推定結果に基づく表示例を示す
図である。図示する例は、推定部113による推定結果を表示制御部115が表示情報と
して出力し、表示面12aに表示したものである。
【0040】
推定部113は、ノード情報123に含まれる各種ノードについて、ノード属性情報1
29において定義されるノード属性を推定する。ノード属性とは、接続する線分との関係
から特定されるノードの属性を意味する。
【0041】
図7に示すように、本実施形態に係るノードは5つの属性を有する(そのうち2番目の
属性については後述する)。本実施形態に係るノード属性の例を表1に示す。なお、
図7
に示すノード102a~102lのそれぞれに示す数字は本実施形態の説明のために付し
たものであり、表示面12aに実際に表示されなくてもよい。
【0042】
【0043】
表1に示すように、例えば、属性「Corner」は、ノードに接続する線分の数が2
であり、領域におけるノードの位置が領域の外周上である場合に与えられる属性である。
【0044】
属性「Outer Vertex」は、ノードに接続する線分の数が3であり、領域に
おけるノードの位置が領域の外周上であり、3つの線分のうち、領域の外周を構成する2
つの線分が成す領域内側の角度が180度以下である場合に与えられる属性である。
【0045】
属性「Inner Vertex」は、ノードに接続する線分の数が3であり、領域に
おけるノードの位置が領域の外周上であり、3つの線分のうち、領域の外周を構成する2
つの線分が成す領域内側の角度が180度以下である場合に与えられる属性である。
【0046】
属性「Top Vertex」は、領域におけるノードの位置が領域の内側である場合
に与えられる属性である。
【0047】
属性「Rake Top Vertex」は、ノードに接続する線分の数が3であり、
領域におけるノードの位置が領域の外周上であり、3つの線分のうち2つの線分が属性「
Corner」と接続する場合に与えられる属性である。
【0048】
このように、ノードの属性は、ノードに接続する線分の数に基づいて決定されてもよい
。線分の数の情報を用いることにより、ノードの場合分けが容易になる。
【0049】
また、ノードの属性は、ノードと接続する一の線分と他の線分とのなす角度に基づいて
決定されてもよい。例えば、上記のように、外周を成す線分間の角度に応じて、後述する
ように該線分間に存在する線分に対応する対象物の構成部位が異なるためである。表1に
示した例では、角度によるしきい値を180度と設定されたが、本発明はかかる例に限定
されず、対象物の形状等に応じて適宜変更可能である。例えば、推定部113は、ノード
に接続する2つの線分がなす角度に基づいて、ノードの属性を推定してもよい。
【0050】
また、ノードの属性は、ノードが領域のどの部分に位置づけられるかに基づいて決定さ
れてもよい。例えば、上記のように、ノードが領域の外周上にあるか、領域の内部にある
かでノードの属性が決定されてもよい。対象物の構成部位は対象物の外郭か内側かによっ
て区別されるからである。
【0051】
次に推定部113は、各線分の両端のノードのノード属性の組み合わせを取得する。そ
して推定部113は、その組み合わせに対応する対象物の構成部位を突き合わせ、該線分
に対応する屋根101の構成部位を推定する。例えば、屋根101の場合、対象物の構成
部位とは「軒」「棟」「隅棟」「ケラバ」「谷」等、屋根の各稜線に相当する構成部位に
対応する。
【0052】
本実施形態に係るノード属性の組み合わせの例を表2に示す。
【0053】
【0054】
表2に示すように、例えば、ある線分の両端のうち一方のノードの属性(以下、属性1
という)が「Corner」「Outer Vertex」または「Inner Ver
tex」のいずれかであり、他方のノードの属性(以下、属性2という)が「Corne
r」「Outer Vertex」または「Inner Vertex」である場合、該
線分は「軒(AA)」であると推定される。軒は、屋根101において地面と平行して屋
根101の外周部を構成する。そのため、上述するノードの属性の組み合わせの場合、そ
の間の線分は地面と平行に構成されることから、軒であると推定される。
【0055】
また、属性1が「Outer Vertex」であり、属性2が「Top Verte
x」である場合、該線分は「隅棟(BB)」であると推定される。これは、該線分が幾何
学的に屋根101の上方に凸となる形状となっている稜線部分であると判断されるためで
ある。また、属性1が「Inner Vertex」であり、属性2が「Top Ver
tex」である場合、該線分は「谷(CC)」であると推定される。これは、該線分が幾
何学的に屋根101の下方に凸となる形状となっている稜線部分であると判断されるため
である。
【0056】
また、属性1が「Top Vertex」または「Rake Top Vertex」
であり、属性2が「Top Vertex」または「Rake Top Vertex」
である場合、該線分は「棟(DD)」であると推定される。これは、いずれのノードの属
性も屋根101の上方に突出する部分の頂部であり、該線分がその頂部同士を結ぶ稜線に
相当するためである。
【0057】
また、属性1が「Corner」であり、属性2が「Rake Top Vertex
」である場合、該線分は「ケラバ(EE)」であると推定される。ケラバは切妻側の先端
部分であり、各ノードの組み合わせが、領域の外周上において、屋根101の上方に突出
する形状を揺するためである。
【0058】
このノードの組み合わせと対象物の構成部位との対応づけは、予め設定していてもよい
。
【0059】
このように、推定部113は、線分の両端のノードの属性に基づいて、該線分に対応す
る対象物の構成部位を推定することができる。具体的には、推定部113は、該線分の両
端のノードの属性の組み合わせに基づいて、該線分に対応する対象物の構成部位を推定す
ることができる。
【0060】
表示制御部115は、推定部113により推定された線分に対応する対象物の構成部位
に関する情報(表示情報)を生成する機能を有する。かかる表示情報はタッチパネル部1
2に出力され、タッチパネル部12の表示面12aを介して提示される。
【0061】
例えば表示制御部115は、線分103a~103mについて、屋根101の属性ごと
に表示態様を変えて表示するようにしてもよい。
図7に示す例では、線分103a~10
3mの線の種類が屋根101の構成部位ごとに変更するように表示されている。線種に対
応する構成部位については凡例104に示されてもよい。これにより、設定された線分に
対応する屋根101の構成部位を視覚的に容易に把握することができる。
【0062】
図8は、本発明の一実施形態の変形例に係る推定部113による推定結果に基づく表示
例を示す図である。図示する例においても同様に、ノード202a~202lが設定され
、線分203a~203oの線の種類が建造物200の屋根201の構成部位ごとに変更
するように表示されている。線種に対応する構成部位については凡例204に示されても
よい。凡例204の表示位置は、画像における屋根201の形状や大きさに応じて適宜変
更されてもよい。
【0063】
また、
図7および
図8に示した例では、線分に対応する屋根の構成部位は該線分の線の
種類を変更することにより表示するようにしたが、本発明はかかる例に限定されない。例
えば、表示制御部115は、線分の近傍に該線分に対応する屋根の構成部位に関する情報
を表示するようにしてもよい。また、表示制御部115は、表示面12aに対するユーザ
の操作に基づいて、線分に対応する屋根の構成部位に関する情報を表示するようにしても
よい。
【0064】
次に、本実施形態に係る情報処理システム1における処理の流れについて説明する。図
9は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の処理の流れの一例を示すフローチ
ャートである。図示のように、まず情報処理端末10の取得部111は、ストレージ11
cに格納されている画像情報121を取得し、推定部113に出力する(ステップSQ1
01)。次に、取得部121は、ストレージ11cに格納されているノード情報123お
よび線分情報125を取得し、推定部113に出力する(ステップSQ103)。
【0065】
次に、推定部113は、ストレージ11cに格納されている対象物情報(対象物部位情
報127、ノード属性情報129)を取得する(ステップSQ105)。次に、推定部1
13は、線分情報125およびノード属性情報129に基づいて、ノード情報123に含
まれる各ノードの属性を推定する(ステップSQ107)。次に、推定部113は、得ら
れた各ノードの属性と対象物部位情報127とを用いて、各線分に対応する対象物の構成
部位を推定する(ステップSQ109)。かかる推定結果は表示制御部115に出力され
る。
【0066】
次に、表示制御部115は、推定結果に基づいて表示情報を生成する(ステップSQ1
11)。そして、タッチパネル部12は、表示面12aに該表示情報を表示する(ステッ
プSQ113)。
【0067】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、画像に映る対象物の構成部位を容易
に判別することが可能である。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本
発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有
する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更
例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技
術的範囲に属するものと了解される。
【0069】
上記の実施形態では、情報処理システム1は、情報処理端末10のみにより実現されて
いたが、本発明はかかる例に限定されない。
図10は、他の実施形態に係る情報処理シス
テム1’の概略を示す図である。他の実施形態では、情報処理システム1’は、情報処理
端末10およびサーバ20を備える。この場合、例えば、上記の実施形態に係る情報処理
端末10のプロセッサ11aおよびストレージ11cが有していた機能の一部または全部
が、サーバ20の備えるプロセッサやストレージにより実現されてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、対象物が建造物100の屋根101である場合を説明した
が、樹木や任意の地表面であってもよく、更には、一時的に停止している自動車や動物と
いった物体であってもよい。対象物の構成部位は、その対象物の種類や対象物が有する特
定の構造に応じて適宜設定される。
【0071】
また、上記実施形態における各ステップは、必ずしもフローチャート図として記載され
た順序に沿って時系列に処理される必要はない。例えば、上記実施形態の処理における各
ステップは、フローチャート図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的
に処理されてもよい。
【0072】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定
的ではない。つまり、本発明に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代
えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0073】
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
対象物を撮像した画像を表示する表示面を有する表示部と、
上記表示面に表示された上記画像上において上記対象物に対応する領域の少なくとも一
部を区画する線分および該線分の各々を接続するノードを取得する取得部と、
上記線分の両端のノードの属性に基づいて、上記線分に対応する上記対象物の構成部位
を推定する推定部と、
を備える情報処理システム。
(2)
上記推定部は、上記線分の両端のノードの属性の組み合わせに基づいて、上記線分に対
応する上記対象物の構成部位を推定する、(1)に記載の情報処理システム。
(3)
上記ノードの属性は、上記ノードと接続する線分の数に基づいて決定される、(1)ま
たは(2)に記載の情報処理システム。
(4)
上記ノードの属性は、上記ノードと接続する一の線分と上記一の線分とは異なる他の線
分とがなす角度に基づいて推定される、(1)~(3)のいずれか1項に記載の情報処理
システム。
(5)
上記推定部は、上記ノードが、上記領域の外周または上記領域の内側のいずれかに該当
するかに基づいて推定する、(1)~(4)のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(6)
上記表示部は、上記推定部により推定された上記線分に対応する上記対象物の構成部位
に関する情報を上記表示面に提示する、(1)~(5)のいずれか1項に記載の情報処理
システム。
(7)
上記表示部は、上記対象物の構成部位に関する情報を上記線分に対応づけて表示する、
(6)に記載の情報処理システム。
(8)
上記画像は、上記対象物の上方から撮像されて得られる画像である、(1)~(7)の
いずれか1項に記載の情報処理システム。
(9)
上記対象物が建造物の屋根である、(1)~(8)のいずれか1項に記載の情報処理シ
ステム
【符号の説明】
【0074】
1 情報処理システム
10 情報処理端末
11 制御部
12 タッチパネル部(表示部)
30 飛行体
100、200 建造物
101、201 屋根(対象物)
102、202 ノード
103、203 線分
111 取得部
113 推定部
115 表示制御部
121 画像情報
123 ノード情報
125 線分情報
127 対象物部位情報
129 ノード属性情報