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特開2022-103491情報処理装置、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103491
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20220701BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220701BHJP
   G06K 7/015 20060101ALI20220701BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20220701BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20220701BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220701BHJP
【FI】
H04N5/232 220
H04N5/232 939
H04N5/232 300
G06K7/10 372
G06K7/015
G06K7/14 017
G03B17/18 Z
G03B15/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218161
(22)【出願日】2020-12-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】佐野 彰彦
【テーマコード(参考)】
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H102AA71
2H102BB08
5C122EA48
5C122FA01
5C122FA16
5C122FH11
5C122FH18
5C122FK12
5C122FK24
5C122FK41
5C122GA20
5C122GA34
5C122GC07
5C122GC14
5C122GC52
5C122HA01
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】 携帯端末でも精度の高い解析、予測が可能な定点撮影の補助・表示を行う仕組みを提供することが可能となる技術を提供する。
【解決手段】定点撮影を行う為の情報処理装置において、撮影対象物と対応づけて設置された2次元コードを読み取り、撮影した2次元コードに対応する定点撮影を行う為の情報を取得して、定点撮影を行う為の情報を表示する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元コードを含む撮影対象物を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した2次元コードに対応する定点撮影を行う為の情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した前記定点撮影を行う為の情報を、前記撮影手段による撮影対象物を表示する画面上に表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記定点撮影を行う為の情報とは、前記撮影手段による撮影範囲を一意に特定可能にする情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記定点撮影を行う為の情報とは、前記撮影手段により撮影された撮影画像をイメージ化した画像であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記イメージ化した画像とは、前回定点撮影時の定点撮影画像を透過処理した画像であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、撮影手段により撮影される撮影対象物を表示した画像に前記イメージ化した画像を重畳表示することを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
撮影手段で撮影した定点撮影画像を基に、次回の定点撮影時に備えて前記イメージ化した画像を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
前記2次元コードと対応する前記イメージ化した画像を管理する管理手段と、
を備えることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
定点撮影を行う為の情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置は、
撮影対象物と対応づけて設置された2次元コードを読み取る撮影ステップと、
前記撮影ステップで撮影した2次元コードから定点撮影位置を特定する情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した情報と対応する定点撮影を行う為の情報を表示する表示ステップとを、
実行することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
定点撮影を行う為の情報処理装置を、
撮影対象物と対応づけて設置された2次元コードを読み取る撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した2次元コードから定点撮影位置を特定する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報と対応する定点撮影を行う為の情報を表示する表示手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体追跡システム、個体追跡方法とプログラムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農作物の生育状況の解析や収量予測について、AI技術を使い、行うことが増えてきている。農作物の生育状況の解析や収量予測は、解析や予測を行いたい農作物を定点で映すカメラを設置して、カメラから得られた画像を継続的にAIに学ばせることで実現している。このカメラは、AIにデータを送る必要がある為、監視カメラなどのネットワークカメラが用いられることが多い。
【0003】
しかしながら、上記のような方法は企業が運営するような大規模な農場や畑、ビニールハウスでは可能ではあるが、一般的な農家で上記の方法を実施することは下記のような理由から難しかった。
【0004】
農家に導入する上でネットワークカメラの設置は、ネットワークの工事に始まり、ビニールハウスによっては取り付けが困難であり、ビニールハウスや畑の作業スペースの関係で機材を常設することが難しい為である。
【0005】
また、仮に機材を設置出来たとしても作業状況によっては移動する必要があり、定点撮影することが出来ないなどの問題もあった。
【0006】
そこで、一般的な農家でも導入、運用がしやすいスマートフォンやタブレット端末で定点撮影を実現して、生育状況の解析や収量予測を出来るようにすることが求められている。
【0007】
例えば、カメラ付き情報処理端末を用いて、対象物の定点撮影を行い、対象物の時間的に前後する写真を比較表示する技術として、特許文献1がある。(特許文献1参照)
【0008】
また、デジタルカメラ等での撮影時に、前回の撮影画像を表示することにより、今回の撮影画像の画角、倍率、色合いなどを前回の撮影画像と統一することにより、観察対象の比較を行いやすくさせる技術として、特許文献2がある。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015-195450号公報
【特許文献2】特開2005-026874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の技術は被写体が、住宅や店舗、オフィス等のリフォーム工事のような構造物を対象としており、出入口のように構造上変わらないものを含むような撮影を前提としており、農作物のように成長するものについては対応ができない。
【0011】
また、特許文献2の技術は、被写体として、成長する作物についても対応しているが、1つの観察対象物にしか対応できない。その為、1か所ではなくハウス内の複数の観察地点で撮影を行い、画像を解析する場合には対応することが出来ず、精度の高い解析結果が求められない。
【0012】
そこで本発明では、携帯端末でも精度の高い解析、予測が可能な定点撮影の補助・表示を行う仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明は、定点撮影を行う為の情報処理装置であって、撮影対象物と対応づけて設置された2次元コードを読み取る撮影手段と、2次元コードと対応する情報を管理する管理手段と、管理手段から前記撮影手段で撮影した2次元コードに対応する定点撮影を行う為の情報を取得する取得手段と、取得手段で取得した前記定点撮影を行う為の情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、携帯端末でも精度の高い解析、予測が可能な定点撮影の補助・表示を行うことが出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態におけるシステムの概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるハードウェア構成図の一例を示す図である。
図3】携帯端末側のアプリケーション上での全体フローを示す図である。
図4】ガイドイメージを活用した携帯端末側の定点撮影処理フローを示す図である。
図5】クラウド上に画像を登録する登録処理フローを示す図である。
図6】ガイドイメージを更新する処理フローを示す図である。
図7】撮影画面の一例を示す図である。
図8】携帯端末上にガイドイメージをオーバーレイする一例を示す図である。
図9】PC端末上の画面構成の一例を示す図である。
図10】ユーザ管理テーブルを示す図である。
図11】ガイドデータ管理テーブルを示す図である。
図12】映像データ管理テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の定点撮影観測解析システム(情報処理システム)のシステム構成の一例を示す図である。本発明の情報処理システムは、携帯端末101と、クラウドで全体を連携させる遠隔業務支援システムサーバ104および撮影画像データを解析する生育解析システムサーバ103と、解析結果を確認して現場の農場に指導を行う為のクライアントPC102とがネットワーク105で接続されている。
【0017】
観察対象を撮影する農場側では、観察モバイルアプリケーションをインストールした携帯端末101があり、インターネット105を介して、遠隔業務支援システムサーバ104と接続される構成になっている。
【0018】
研究センターには、観察PCアプリケーションをインストールしたクライアントPC102があり、インターネット105を介して遠隔業務支援システムサーバ104と接続される構成になっている。
【0019】
クラウド上には、ディープラーニングにより生成された学習済みモデル(AI)を用いて農作物の生育状況を解析する生育解析サーバ103、遠隔業務支援システムサーバ104があり、それぞれインターネット105を介して接続されている。以上で図1の説明を終了する。
【0020】
次に図2を参照して、本発明の実施形態における携帯端末101及びクライアントPC102に適用可能なハードウェア構成の一例について説明する。
【0021】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0022】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0023】
また、205は入力コントローラで、入力デバイス209からの入力を制御する。入力デバイス209としては、キーボード、タッチパネル、及びマウス等のポインティングデバイス等が挙げられる。
【0024】
なお、入力デバイス209がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0025】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0026】
206はビデオコントローラで、ディスプレイ210等の表示機への表示を制御する。なお、ディスプレイ210は、CRT、液晶ディスプレイ等の表示機のことを指す。または、その他の表示機であってもよい。
【0027】
尚、本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。
【0028】
また、図2のハードウェア構成を適用する装置が前述のタッチ操作を受け付け可能な装置である場合には、ディスプレイ210が入力デバイス209としての機能を提供する。
【0029】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HDD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0030】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0031】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォント展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0032】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、ROM202あるいは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0033】
さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報、テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0034】
カメラコントローラ212は、カメラ214等による映像取得を制御し、音声コントローラ213はマイク/スピーカ215等による音声取得制御やスピーカへの出力を制御する。カメラ214は、図2のハードウェア構成を適用する装置に内蔵されているカメラである。また、マイク/スピーカ215は、図2のハードウェア構成を適用する装置に内蔵されているマイク及びスピーカである。以上が図2の説明である。
【0035】
図3は本発明の実施形態における、全体動作を示す図である。全体動作としては、定点撮影処理、ガイドイメージを活用した撮影ガイド処理、撮影画像データをクラウドに保存して、次の撮影に使用する撮影ガイドの準備といった処理が行われている。
【0036】
ステップS301では、携帯端末101にインストールしたアプリケーションの起動指示を受け付ける。アプリケーションの起動は、ユーザが携帯端末101をタッチ操作することにより、アプリケーションの起動指示を受け付け、アプリケーションを起動させる。
【0037】
ステップS302では、ログイン指示を受け付け、一般的なマルチテナントのログイン処理を行う。
【0038】
ステップS303では、携帯端末101に搭載されているカメラを起動し、カメラから映像を取得し、携帯端末101の画面に表示するとともに撮影可能状態とする。撮影ポイントループを開始する。
【0039】
ステップS304では、撮影処理を開始する。S304で行われる処理については、図4を用いて説明する。
【0040】
ここから図4を用いて、ステップS304で行われる携帯端末101を用いた定点撮影処理について説明する。
【0041】
まず、本定点撮影処理における前提について説明する。本定点撮影処理では、生育解析を精度良く行う為に、複数の撮影ポイントで写真を撮影し、生育解析システムに連携する必要がある。その為、事前に撮影ポイントには2次元コード(例えばQRコード)などの撮影ポイントを一意に特定可能な情報を設置して定点撮影を行う。
【0042】
ステップS401では、ユーザからログイン指示を受け付けると、携帯端末101のモバイルアプリケーションを撮影可能状態にする。定点撮影を行いたい対象物がある撮影ポイントに設置してある2次元コード(QRコード)が、カメラに映るようにかざす。(カメラで2次元コードを撮影する。)
【0043】
具体的には、図7の撮影画面700に示すような形で行う。撮影する際は、予め撮影ポイントに設置されている2次元コード701を読み取る。
【0044】
ステップS402では、かざされた2次元コード(QRコード)を読み取り、撮影ポイントIDやグループIDなどの撮影ポイントを一意に特定出来る情報を取得する。撮影ポイントを一意に特定出来る情報は、GPSの座標情報などでもよい。
【0045】
ステップS403では、撮影ポイントIDをクラウド上の遠隔業務支援システムサーバ104に送信し、遠隔業務支援システムサーバのガイドデータ管理テーブル1100から撮影ポイントIDに該当するガイドデータを取得する。
【0046】
ガイドデータとは、携帯端末101の画面上に表示するガイドイメージと、撮影結果の登録前検証で類似判定に使うデータからなるデータである。
【0047】
類似判定に使うデータとは、ガイドイメージの元画像から抽出した特徴ベクトルと撮影結果の画像から抽出した特徴ベクトルのことである。
【0048】
ステップS403で送信された撮影ポイントID1101が、1(図11の1106)であった場合は、当該IDのレコードのガイドデータ1108を取得する。
【0049】
ステップS402で読み取った2次元コードの情報にグループID1102を含んでいるので、他の農場、ハウスの撮影ポイントIDと混同することなく、読み取った2次元コードに該当するガイドデータの取得が可能となる。
【0050】
ステップS404では、モバイルアプリケーションは、ステップS403で取得したガイドイメージを、図7の704に示すような形で、携帯端末101に表示しているカメラ映像の上にオーバーレイする。
【0051】
その際、ガイドイメージは、図8の803に示すように透過イメージデータとなっており、透けているのでユーザはカメラ映像を認識しつつガイドイメージを確認できる。
【0052】
上述のガイドデータは、同じ撮影ポイントにおいて撮影された直近の撮影画像を加工し、ガイドイメージ化したものであり、生育対象のエッジを抽出した線と、2次元コードを強調し透過したものである。
【0053】
ステップS405では、携帯端末101は、ユーザから撮影指示を受け付けると観察対象を撮影する。この際、ユーザは、携帯端末101上にオーバーレイ表示されたガイドイメージにカメラ映像を合わせることで、定点撮影が容易となる。また、2次元コードを基準に撮影することで観察対象が成長した場合であっても、定点撮影が容易となる。
【0054】
このガイドイメージを使った撮影を行うことで、モバイルアプリケーションは、観察対象を前回撮影と同じ定点で撮影したかのような撮影画像を取得することが出来る。
【0055】
ステップS406では、取得した撮影画像に対して撮影画像としてクラウド上に登録してよいか、写真としての検証(手振れ)やガイドデータとの類似判定を行う登録前検証を実施する。登録前検証では、農作物の生育解析システムに画像をインプットして、画像を解析する際に、同じ視点で撮影された画像で解析を行う必要がある為、ピンボケの画像、手振れの画像やガイドデータとズレた状態で撮影された画像について、問題がある画像として処理を行う。
【0056】
ステップS406の判定で問題があると判定された場合は、ステップS409に進み、問題の内容(手振れ、ピンボケ、ガイドデータとのズレ)を携帯端末101の画面上に表示し、ユーザに通知する。ユーザに問題の内容を通知したのち、再撮影の通知を行い、撮影画面を表示する。
【0057】
ステップS406の判定で問題がないと判定された場合は、ステップS407に進み、撮影画像をクラウド上の遠隔業務支援システムサーバの映像データ管理テーブル1200にアップロードする。アップロードの際に、撮影画像1206に加えて撮影ポイントID1202と撮影日時1205、撮影者1203、撮影デバイス1204などの情報も一緒にアップロードする。尚、上記の定点撮影処理は、複数の撮影ポイントで繰り返し実施可能である。
【0058】
ステップS408では、ステップS407でアップロードした撮影画像を遠隔業務支援サーバのクラウドサーバへ登録する処理である。ステップS408の処理主体は、携帯端末101ではなく、クラウド側での処理である。撮影した写真をクラウドサーバへ登録する処理については、図5を用いて説明する。
【0059】
ここからステップS408で行われる撮影した写真をクラウドサーバへ登録する処理について、図5を用いて説明する。
【0060】
ステップS501では、モバイルアプリケーションからアップロードされたデータ(画像)を受信する。このデータはステップS407でアップロードされた画像である。
【0061】
ステップS502では、遠隔業務支援システムサーバ104で、アップロードされたデータを受信すると、遠隔業務支援システムサーバ104は、ユニークなIDであるImageID1201を発行し、遠隔業務支援システムサーバ104の映像データ管理テーブル1200に、撮影ポイントID1202と撮影日時1205をキーにして、データを保管する。
【0062】
続いて、ステップS503でガイドデータの更新処理を行う。ガイドデータの更新処理は、ガイドデータ内のガイドイメージを撮影対象が成長することを考慮して、直近の撮影画像を基にして更新する処理である。
【0063】
ステップS503の詳細な処理について図6を用いて、説明を行う。図6はガイドイメージを更新する処理である。
【0064】
ステップS601で、撮影画像を2次元コードと観察対象に分ける。分ける方法としては、撮影画像から2次元コードを特定して読み取るオープンソースソフトウェアや既知の画像編集エンジンなどの技術を用いて、2次元コードの位置座標を特定して分ける。撮影画像を2次元コードと観察対象とに分けるのは、ガイドイメージに変換する際に2次元コードのみを強調処理したい為である。
【0065】
ステップS602では、ステップS601で分けたうちの観察対象についてガイドラインとするため、エッジ抽出処理を行う。エッジ抽出処理をすることで、撮影する際にガイドとして合わせやすくする為である。
【0066】
ステップS603では、ステップS601で分けたうちの2次元コードについて、強調表示して、エッジ抽出処理を行う。2次元コードを強調表示して、エッジ抽出処理を行うのはイメージガイドを撮影した映像上にオーバーレイ表示するときに、2次元コードを基準と出来るようにするためである。
【0067】
ステップS604では、ステップS602とステップS603で抽出したデータを透過してイメージ化する。イメージ化することで、撮影した映像にオーバーレイ表示することが可能となる。
【0068】
ステップS605で、作成したガイドイメージにガイドデータを更新する。ステップS605での更新は、類似判定で使用するデータとしても更新を行う。類似判定の手法としては、特開2020-107272に記載の方法などを用いて行う。図6の更新処理が全て終了したら、ステップS504へと処理を戻す。以上が図6のガイドイメージ更新処理に関する説明である。
【0069】
ステップS504では、農作物生育解析システムとの連携を行う。生育解析システムサーバ103に、撮影画像、撮影ポイントID、撮影日時をアップロードする。生育解析システムは、アップロードデータを基に解析を実施し、解析結果をレスポンスとして遠隔業務支援システムに返す。
【0070】
上記の処理を行い、遠隔業務支援システムは解析結果を映像データ管理テーブル1200に保管することで、観察モバイルアプリケーションと観察PCからの解析結果表示要求に応えられるようになる。以上で図5の処理は終了であり、図4の処理も図5の処理が完了すれば、終了する。
【0071】
ここまでのステップS304内の処理について説明してきたが、上記のループ処理が終了すると、ステップS305でログアウト指示を受け付ける。
【0072】
ステップS306では、アプリで終了指示を受け付ける。以上で図3の説明を終了する。
【0073】
図8は、前回撮影した画像からガイドイメージを作成して、撮影時にカメラ映像の上にガイドイメージをオーバーレイ表示する画面のイメージ図である。
【0074】
前回の撮影画像800を、2次元コード801と観察対象802でそれぞれ分けてエッジ抽出処理を行う。エッジ抽出処理を行う際は、2次元コードについては強調表示する処理を行う。
【0075】
ガイドイメージ803は、抽出したデータを透過してイメージ化したものである。前回の撮影画像800の2次元コード801と、観察対象物802がそれぞれエッジ抽出処理された結果、804、805のように表示されるようになる。
【0076】
オーバーレイ表示画像806は、撮影時にカメラ映像の上にガイドイメージ803をオーバーレイ表示したものである。それぞれの2次元コード801と804が合わさり、ガイドイメージに合わせて写真を撮ることが出来るようになる。以上で図8の説明を終了する。
【0077】
図9は、本実施形態における、観察PCアプリケーションおよび観察モバイルアプリケーションの画面構成の一例である。
【0078】
ユーザは観察PCアプリケーションおよび観察モバイルアプリケーションを用いて、観察対象の生育状態を確認することができる。
どの撮影ポイントで撮影されたかを示すIDとして場所ID901が表示される。
【0079】
画面上には、オリジナル画像902、解析結果904、グラフ結果907が表示される。
オリジナル画像902には、2次元コード903も表示される。
【0080】
解析結果904には、オリジナル画像902を解析した結果を表示する。観察対象における所定の色や対象物の数を905の領域に表示する。904の例であると、flowerが4、greenが29、whiteが10、redが0、harvが8というように画像中に占める所定の色や対象物の数を示す。グラフ結果907は、解析結果904で解析した結果をグラフとして反映させて表示している。以上で図9の説明を終了する。
【0081】
図10は、ユーザ管理テーブルは、一般的なマルチテナントアプリケーションにおけるユーザごとの管理テーブルであり、テナントID1001と、ユーザID1002と、グループID1003から構成される。ユーザは,ユーザIDを持ち、所属するテナントを表すテナントID1001と所属するグループを表すグループID1003との紐づけを持つ。ユーザ管理テーブルは、ログインを行う際に使用される。以上で図10の説明を終了する。
【0082】
図11は、ガイドデータ管理テーブルは、アップロード時のガイドデータ更新処理において作られたガイドデータを保管するテーブルである。撮影ポイントID1101、グループID1102、ガイドデータ1103、更新日時1104、撮影日時1105から構成される。
【0083】
観察モバイルアプリケーションから撮影ポイントIDをもとにガイドデータの要求があった際は、ガイドデータ管理テーブルから撮影ポイントIDに応じた最新のガイドデータを返す。グループIDは、同じ農場・ハウスを管理する単位である。以上で図11の説明を終了する。
【0084】
図12は、映像データ管理テーブルである。観察モバイルアプリケーションからアップロードされたデータは、映像データ管理テーブルに保管する。
【0085】
イメージID1201、撮影ポイントID1202、ユーザID1203、撮影デバイス1204、撮影日時1205、撮影画像1206、検出結果1207、解析結果1208で構成される。映像データ保管テーブルの検出結果1207と解析結果1208は、生育解析システムと連携した際に生育解析システムの解析結果を含め更新する項目である。ユーザID1203には、撮影者をマッピングする。イメージIDはユニークNoである。以上で図11の説明を終了する。
【0086】
このように、任意の撮影ポイントで2次元コードを読み取り、撮影ポイントIDを取得して、撮影ポイントに対応するガイドイメージをクラウド上のガイドデータ管理テーブル1100から取得することで、前回撮影時に作成したガイドイメージが撮影時にオーバーレイ表示されるので、常時定点に固定されるカメラでない携帯端末であっても、固定式のカメラと同様に生育解析や収量予測が可能になる。
【0087】
また、携帯端末という誰しもが扱いやすい端末で、定点撮影が行えることが出来るので、AIを用いた生育解析や収量予測が身近なものとなる。
【0088】
また、ネットワークカメラなどを設置する際は、複数の撮影箇所に対して1つ1つデバイスを設置する必要がある為、デバイスコスト、設置コスト、ネットワークコストがかかる。
【0089】
しかしながら、本願発明によれば、ユーザが携帯端末を持って、複数の撮影ポイントへ向かい、2次元コードを撮影すれば定点撮影が可能なので、大幅なコストダウンが可能となる。
【0090】
また、農場では広大な面積で様々な栽培を行っているので複数の地点の撮影画像を使った解析を行う必要があり、精度向上の為には本願発明は極めて有効である。
【0091】
本発明の実施形態においては、携帯端末を用いて、2次元コードを読み取ったが、2次元コードが読み取れ、撮影機能がある端末やデバイスであれば、いかなる構成でもよい。
そのため、本実施例においては農作物を撮影するものとして説明したが、撮影対象は農作物に限らず、建築物や風景などいかなるものであっても良い。
【0092】
このように、本願発明によれば、携帯端末でも精度の高い解析、予測が可能な定点撮影をすることが可能となる。
【0093】
以上、本願の実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0094】
また、本発明におけるプログラムは、図4に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図1の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0095】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0096】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0097】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0098】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0099】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0100】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0101】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
携帯端末101
PC102
生育解析システムサーバ103
遠隔業務支援システムサーバ104
インターネット105
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