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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103513
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】旅行支援システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20220701BHJP
   G06Q 50/14 20120101ALI20220701BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220701BHJP
【FI】
G16H20/00
G06Q50/14
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218201
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】501376958
【氏名又は名称】松宝産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】平野 勝己
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC26
5L099AA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】要介護者の旅行に関する情報を取り扱う旅行支援システム及び方法を提供する。
【解決手段】旅行支援サーバと、ネットワーク経由で通信する利用者のスマートフォンやPC等の複数の情報端末とを備える旅行支援システムにおいて、旅行支援サーバ10は、各種の機能を実装可能な制御部11と、要介護者の旅行情報及び個人情報が含まれた共有情報が記憶された記憶部12とを備える。制御部11には、利用者の情報端末からのアクセスを受け付ける受付手段11aと、該利用者における旅行情報アクセス権限の有無及び個人情報アクセス権限の有無を識別する権限識別手段11bと、記憶部12に記憶された共有情報のうちで、権限識別手段11bによって識別されたアクセス権限に応じた範囲の情報を利用者の情報端末に提供する情報提供手11cと、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要介護者の旅行に関する情報を取り扱う旅行支援システムであって、
要介護者の旅行情報及び個人情報が含まれた共有情報が記憶された記憶部と、
要介護者又はその他の者である利用者の情報端末からのネットワークを介したアクセスを受け付ける受付手段と、
前記受付手段によってアクセスを受け付けた前記情報端末の利用者が有している権限であるアクセス権限を識別する権限識別手段と、
前記受付手段によってアクセスを受け付けた前記情報端末に対して、前記記憶部に記憶された前記共有情報のうちで、前記権限識別手段によって識別されたアクセス権限に応じた範囲の情報を、ネットワーク経由で提供する情報提供手段とを備えた
ことを特徴とする旅行支援システム。
【請求項2】
前記権限識別手段は、前記利用者が、前記旅行情報の少なくとも一部にアクセスできる権限である旅行情報アクセス権限と、前記個人情報の少なくとも一部にアクセスできる権限である個人情報アクセス権限との少なくとも2種類の権限の有無を識別するように構成された
請求項1に記載の旅行支援システム。
【請求項3】
特定の要介護者の前記共有情報にアクセスするための情報であるアクセス情報が埋め込まれた二次元バーコード画像を生成する生成手段を備え、
前記情報端末には、二次元バーコード画像を取得する画像取得手段と、前記二次元バーコード画像に埋め込まれた情報を抽出する情報抽出手段とが設けられた
請求項1又は2の何れかに記載の旅行支援システム。
【請求項4】
特定の要介護者の前記共有情報にアクセスするための情報であるアクセス情報を、該要介護者の人体に埋め込まれたICチップに非接触で書き込む書込手段を備え、
前記情報端末には、前記アクセス情報を、前記ICチップから非接触で読み取る読取手段が設けられた
請求項1又は2の何れかに記載の旅行支援システム。
【請求項5】
前記権限識別手段は、前記情報端末の利用者の認証を行い、該認証の有無によって前記利用者のアクセス権限の識別を行うように構成された
請求項3又は4の何れかに記載の旅行支援システム。
【請求項6】
前記権限識別手段は、前記情報端末の利用者の認証を、該情報端末からの手動的な操作によって行うように構成された
請求項5に記載の旅行支援システム。
【請求項7】
前記利用者が有する権限に関する情報が、前記二次元バーコード画像に埋め込まれるか、或いは前記ICチップに記憶された
請求項5に記載の旅行支援システム。
【請求項8】
要介護者の旅行に関する情報を取り扱う旅行支援方法であって、
要介護者の旅行情報及び個人情報が含まれた共有情報が記憶された記憶部を有するコンピュータが、
要介護者又はその他の者である利用者の情報端末からのネットワークを介したアクセスを受け付ける受付処理と、
前記受付処理によって受け付けられた前記情報端末の利用者が有している権限であるアクセス権限を識別する権限識別処理と、
前記受付処理によってアクセスを受け付けた前記情報端末に対して、前記記憶部に記憶された前記共有情報のうちで、前記権限識別処理によって識別されたアクセス権限に応じた範囲の情報を、ネットワーク経由で提供する情報提供処理とを実行する
ことを特徴とする旅行支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、要介護者の旅行に関する情報を取り扱う旅行支援システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
要介護者が旅行するためには、現地の宿泊施設や医療機関に個別に問い合わせを行い、受け入れ可能であることを確認しながら、旅行の計画を作成する必要があり、多大な労力を要する。このような問題に鑑み、障害等に対応して要介護者に必要な各種の条件を入力することによって、その条件を満たした旅行プランと、該旅行プランに対応した旅先での介護プランとを含む旅行情報を、記憶部に記録された情報に基づいて生成し、この旅行情報をネットワーク経由で、利用者の情報端末に提供する旅行支援システム及び方法が公知になっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
上記文献の旅行支援システム及び方法によれば、要介護者の個々の状態に応じて生成された旅行情報を、簡易且つ迅速に得ることが可能になる。また、この旅行情報は、要介護者の介護情報、医療情報及び健康情報等が含まれた個人情報と共に、それを必要としている他の利用者の情報端末に送信されるか、或いはこれらの情報が記憶された情報記憶媒体であるトラベルチップを、要介護者やその家族等の同伴者に携帯させることによって、要介護者の旅先でのサポートに活用される。
【0004】
ところで、旅行情報及び個人情報を含む情報である共有情報には、要介護者のプライベートな情報が多く含まれているため、要介護者のサポートを行う者全員に、無制限に共有させることは好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5409590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、要介護者の旅行に関する情報を取り扱う旅行支援システム及び方法であって、その旅先で要介護者が必要なサポートを受けるため、該要介護者の個人情報及び旅行情報を含む情報を、そのプライバシーを考慮しつつ適切に共有することができる旅行支援システム及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の旅行支援システムは、要介護者の旅行に関する情報を取り扱う旅行支援システムであって、要介護者の旅行情報及び個人情報が含まれた共有情報が記憶された記憶部と、要介護者又はその他の者である利用者の情報端末からのネットワークを介したアクセスを受け付ける受付手段と、前記受付手段によってアクセスを受け付けた前記情報端末の利用者が有している権限であるアクセス権限を識別する権限識別手段と、前記受付手段によってアクセスを受け付けた前記情報端末に対して、前記記憶部に記憶された前記共有情報のうちで、前記権限識別手段によって識別されたアクセス権限に応じた範囲の情報を、ネットワーク経由で提供する情報提供手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
前記権限識別手段は、前記利用者が、前記旅行情報の少なくとも一部にアクセスできる権限である旅行情報アクセス権限と、前記個人情報の少なくとも一部にアクセスできる権限である個人情報アクセス権限との少なくとも2種類の権限の有無を識別するように構成されたものとしてもよい。
【0009】
特定の要介護者の前記共有情報にアクセスするための情報であるアクセス情報が埋め込まれた二次元バーコード画像を生成する生成手段を備え、前記情報端末には、二次元バーコード画像を取得する画像取得手段と、前記二次元バーコード画像に埋め込まれた情報を抽出する情報抽出手段とが設けられたものとしてもよい。
【0010】
特定の要介護者の前記共有情報にアクセスするための情報であるアクセス情報を、該要介護者の人体に埋め込まれたICチップに非接触で書き込む書込手段を備え、前記情報端末には、前記アクセス情報を、前記ICチップから非接触で読み取る読取手段が設けられたものとしてもよい。
【0011】
前記権限識別手段は、前記情報端末の利用者の認証を行い、該認証の有無によって前記利用者のアクセス権限の識別を行うように構成されたものとしてもよい。
【0012】
前記権限識別手段は、前記情報端末の利用者の認証を、該情報端末からの手動的な操作によって行うように構成されたものとしてもよい。
【0013】
前記利用者が有する権限に関する情報が、前記二次元バーコード画像に埋め込まれるか、或いは前記ICチップに記憶されたものとしてもよい。
【0014】
また、本発明の旅行支援方法は、要介護者の旅行に関する情報を取り扱う旅行支援方法であって、要介護者の旅行情報及び個人情報が含まれた共有情報が記憶された記憶部を有するコンピュータが、要介護者又はその他の者である利用者の情報端末からのネットワークを介したアクセスを受け付ける受付処理と、前記受付処理によって受け付けられた前記情報端末の利用者が有している権限であるアクセス権限を識別する権限識別処理と、前記受付処理によってアクセスを受け付けた前記情報端末に対して、前記記憶部に記憶された前記共有情報のうちで、前記権限識別処理によって識別されたアクセス権限に応じた範囲の情報を、ネットワーク経由で提供する情報提供処理とを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
要介護者の個人情報及び旅行情報を含む共有情報を、ネットワークを介して、情報端末に提供するにあたり、該情報端末の利用者のアクセス権限に応じて、その提供範囲が決定されるため、旅先で要介護者が必要なサポートを受けるための情報を、そのプライバシーを考慮しつつ適切に共有することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を適用した旅行支援システムの概念図である。
図2図1に示す旅行支援システムによって共有情報を共有する状態を概念的に説明した説明図である。
図3】個人情報の共有画面の構成を説明する説明図である。
図4】共有情報にアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれた二次元バーコード画像が印刷された印刷媒体の構成を説明する図面であり、(A),(B)は印刷媒体を貼付したカード及びそれを収容するカードケースの側面図及び正面図であり、(C)はカードケースからカードを取り出した状態を示す正面図である。
図5】旅行支援サーバの構成を示すブロック図である。
図6】利用情報の構成を概念的に説明する説明図である。
図7】個々の共有情報の構成を概念的に説明する説明図である。
図8】情報端末の構成を示すブロック図である。
図9】旅行プラン及びそれに対応した介護プランを生成する処理内容を示すフロー図である。
図10】アクセス情報を出力する一連の処理内容を示すフロー図である。
図11】情報端末にネットワーク経由で共有情報の少なくとも一部を提供して共有する処理の内容を示すフロー図である。
図12】本発明の別実施形態につき、アクセス情報を共有する手段を概念的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明を適用した旅行支援システムの概念図である。本旅行支援システムは、要介護者の旅行に関する情報を取り扱うことによって、該要介護者の旅行を支援するものである。具体的には、予め計画された旅行に参加する要介護者の個人情報と、該旅行の計画に関する情報である旅行プラン及びそれに対応した旅先での介護プランが含まれた旅行情報とを含む情報(共有情報)が、この旅行支援システムによって、複数の者(利用者)の間で適宜共有される。
【0018】
この旅行支援システムは、旅行支援サーバ(コンピュータ)10と、該旅行支援サーバ10とネットワーク20経由で通信する利用者のスマートフォンやPC等の複数の情報端末30とを備えている。各利用者は、情報端末30によって旅行支援サーバ10にアクセスし、旅行支援サーバ10の記憶部12(図5参照)に記憶され且つ自身がアクセス権限を有する共有情報を、自身の有するアクセス権限の範囲内で取得する。
【0019】
図2は、図1に示す旅行支援システムによって共有情報を共有する状態を概念的に説明した説明図である。利用者としては、上述した要介護者本人と、要介護者に同伴して旅行する家族や知人等の同伴者と、要介護者に旅先まで付き添って旅先で介護を行う添乗員である介護者と、要介護者の旅先の地元であってそこで該要介護者のサポートを行う添乗員である地元ボランティアと、要介護者が旅先で宿泊するホテル等の宿泊施設の職員である宿泊施設職員と、要介護者が日常的に介護サービスを受ける介護施設の職員である介護施設職員等とが想定される。
【0020】
一又は複数の要介護者が旅行プラン及び介護プランが定まった旅行をする場合、前記記憶部12に記憶される前記共有情報には、該旅行プラン及び該介護プランを含む旅行情報と、各要介護者の個人情報とが含まれる。なお、共有情報を構成する個人情報としては、要介護者の個人情報は勿論、要介護者が十分なサポートを受けられる状況下で旅行できるか否かを判断する必要性もあることから、同伴者の個人情報を含めてもよい。
【0021】
一の旅行情報は、1回の旅行に対応し、各旅行情報には、その旅行に参加する要介護者及びその同伴者の個人情報が関連付けされ、全体として一の共有情報を構成している。すなわち、実行される旅行の数だけ共有情報が用意される。そして、共有情報毎にアクセス権限が定められている。
【0022】
図2に示す例では、複数の利用者の間で一の共有情報を共有するにあたり、利用者が、旅行に行く要介護者か、或いは、該旅行に同伴する家族又は介護者である場合には、該利用者のアクセス範囲は、該旅行に係る共有情報の旅行情報及び個人情報の全範囲とする一方で、利用者が該旅行の旅先の地元ボランティア又は宿泊施設職員と、該要介護が普段利用している介護施設の介護施設職員との何れかである場合には、該利用者のアクセス範囲は、該旅行に係る共有情報の個人情報の全範囲としている。
【0023】
介護施設の介護施設職員は、情報端末30によって、該介護施設で介護サービスを提供している要介護者の個人情報を入力する。このようにして入力された情報は、ネットワーク20を介して旅行施設サーバ10に送られ、その記憶部12に記憶される。
【0024】
旅行情報に含まれる情報は、特許第5409590号公報の記載の通りであり、その詳細は割愛するが、その内容を簡単に説明すると、旅行情報中には、旅行日程と、誰が何時どのような介護サービスを提供するのかに関する情報である介護サービス内容と、その介護サービスを提供した場合における介護サービス費用と、宿泊施設の名称や設備や写真等が含まれた宿泊施設情報と、宿泊施設やその他に立ち寄る施設にアクセスするための情報(例えば、使用する空港や空港から宿泊施設等までの移動方法)と、医療機器保有病院名やその病院の形態等からなる医療機器情報等とが含まれる。
【0025】
図3は、個人情報の共有画面の構成を説明する説明図である。要介護者の個人情報には、要介護者の写真(具体的には顔写真)と、氏名と、年齢と、性別と、障害度と、普段使用している介助器具と、認知度と、普段の食事の仕様やその他の注意事項と、朝、昼及び夜の夫々の血圧や血糖値や酸素濃度等の健康情報と、その他の添付画像等とが含まれている。
【0026】
このようにして旅行施設サーバ10の記憶部12に記憶された共有情報にネットワーク20経由でアクセスする必要がある利用者に対しては、該共有情報へのアクセス情報が予め知らされる。具体的には、このアクセス情報が含まれた二次元バーコード画像が印刷された印刷媒体を、これらの利用者に配布するか、或いは、アクセス情報自体であるURL等の情報を事前告知情報として利用者に予め知らせておく。
【0027】
図4は、共有情報にアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれた二次元バーコード画像が印刷された印刷媒体の構成を説明する図面であり、(A),(B)は印刷媒体であるシールを貼付したカード及びそれを収容するカードケースの側面図及び正面図であり、(C)はカードケースからカードを取り出した状態を示す正面図である。同図に示す通り、二次元バーコード画像が印刷される印刷媒体はシール70であり、このシール70は健康保健証等のカード71に貼付され、このカード71は透明なカードケース72に収容された状態で、要介護者や、その家族等の同伴者や、付き添う介護者等が携帯する。
【0028】
旅先で要介護者のサポートをする利用者は、この二次元バーコード画像を、自己の情報端末30によって読み取り、その要介護者の個人情報や旅行情報にアクセスする。二次元バーコード画像として、旅行情報のみへのアクセス情報を含めたものや、個人情報のみへのアクセス情報を含めたものや、旅行情報及び個人情報の両方へのアクセス情報を含めたものを、その状況に応じて適宜用意する。
【0029】
利用者は、これらのアクセス情報を利用し、情報端末30により旅行施設サーバ10の記憶部12に記憶された旅行情報や個人情報にアクセスする。具体的には、図2図3に示す共有画面80,81が、情報端末30のモニタに表示される。
【0030】
図2に示す共有画面80は、共有情報中の旅行情報を共有するための旅行情報共有画面であり、パスワードやID等の認証情報の入力を必要とすることなく、情報端末30からダイレクトにアクセス可能になる。ちなみに、この旅行情報共有画面80にアクセスするためのURL等が二次元バーコード画像に埋め込まれている。
【0031】
図3に示す共有画面81は、共有情報中の個人情報を共有するための個人情報共有画面であり、この個人情報共有画面81にアクセスするには、図2に示す個人情報アクセス画面82上で、アクセスを希望する要介護者をクリック等で選択する。ちなみに、この個人情報アクセス画面82にアクセスするためのURL等が二次元バーコード画像に埋め込まれている。ちなみに、図示する例では、旅行情報共有画面80と個人情報アクセス画面82とがまとめて一体的に表示される。すなわち、個人情報へのアクセス情報は、本例では、旅行情報へのアクセス情報と同一になる。
【0032】
利用者が情報端末30によって個人情報アクセス画面82上でアクセスを希望する要介護者を選択した場合、それに対応した認証情報が求められ、その認証情報を正しく手動で入力すると、該情報端末30のモニタに個人情報共有画面81が表示される。認証情報は、パスワード情報のみでもよいし、或いはパスワード情報に加えてID情報を含めてもよい。
【0033】
なお、旅行支援サーバ10と情報端末30との間の認証情報のやり取りを省略するため、該認証情報を二次元バーコード画像自体に含めてもよい。
【0034】
以上、本例では、二次元バーコード画像に埋め込まれた情報によって、旅行情報の少なくとも一部(具体的には、その利用者が関わる特定の旅行に参加する要介護者の全て)にアクセス可能とするアクセス権限である旅行情報アクセス権限に関する情報が構成される。
【0035】
一方、二次元バーコード画像に埋め込まれた情報及び上述した認証情報によって、個人情報の少なくとも一部(具体的には、その利用者が関わる特定の旅行に参加する要介護者又はその利用者の働く介護施設で日常的に介護サービスを提供している要介護者の個人情報の全て)にアクセス可能とするアクセス権限である個人情報アクセス権限に関する情報が構成される。
【0036】
次に、図5乃至図10に基づいて、旅行支援サーバ10及び情報端末30の構成を説明する。
【0037】
図5は、旅行支援サーバの構成を示すブロック図である。旅行支援サーバ10は、CPUやRAM等から構成され且つプログラムの実行によって各種の機能を実装可能な制御部11と、各種の情報を記憶する前記記憶部12と、ネットワーク20を介した情報端末30との通信を可能とする通信インターフェース13と、情報を入力するキーボードやマウスやタッチパネル式モニタ等から構成された入力インターフェース14と、情報を出力するタッチパネル式モニタやプリンタ等から構成された出力インターフェース15とを備えている。
【0038】
制御部11には、利用者の情報端末30からのネットワーク20を介したアクセスを受け付ける受付手段11aと、該利用者における旅行情報アクセス権限の有無及び個人情報アクセス権限の有無を、上述した事前告知情報や二次元バーコード画像に埋め込まれた(含まれた)情報や上述の認証情報から識別する権限識別手段11bと、受付手段11aによってアクセスを受け付けた情報端末30に対して、記憶部12に記憶された共有情報のうちで、権限識別手段11bによって識別されたアクセス権限に応じた範囲の情報をネットワーク20経由で対応する情報端末30に提供する情報提供手11cと、が設けられている。
【0039】
権限識別手段11bは、上述した個人情報アクセス画面82上での認証処理も行う。なお、利用者が有するアクセス権限として、旅行情報アクセス権限及び個人情報アクセス権限の有無のみならず、記憶部12に記録された個人情報や旅行情報の全てに、データの読み書き可能な状態でアクセス可能な管理者権限等を設け、これを権限識別手段11bによって識別させてもよい。
【0040】
記憶部12には、個々の旅行毎に企画される旅行プラン及びそれに対応した介護プランに関する情報を生成する際に利用される利用情報が記憶される利用情報記憶領域12aと、このようにして企画された旅行毎に個別に用意される複数の共有情報が記憶される共有情報記憶領域12bとが設けられている。
【0041】
図6は、利用情報の構成を概念的に説明する説明図である。利用情報には、複数の旅行プランに関する情報が含まれ、この複数の旅行プラン毎に複数の介護プランが用意され、これらの介護プランに関する情報も利用情報の一部を構成している。
【0042】
図7は、個々の共有情報の構成を概念的に説明する説明図である。共有情報は、一の旅行に関する情報である旅行情報と、該旅行に参加する予定の一又は複数の要介護者、同伴者、介護者等の個人情報とが含まれている。
【0043】
図8は、情報端末の構成を示すブロック図である。情報端末30は、CPUやRAM等から構成され且つプログラムの実行によって各種の機能を実装可能な制御部31と、各種の情報を記憶する記憶部32と、ネットワーク20を介した旅行支援サーバ10との通信を可能とする通信インターフェース33と、二次元バーコード画像等を撮影して取得するカメラ(画像取得手段)34と、情報を入力するキーボードやマウスやタッチパネル式モニタ等から構成された入力インターフェース35と、情報を出力するタッチパネル式モニタやプリンタ等から構成された出力インターフェース36とを備えている。
【0044】
制御部31には、カメラ34で撮影した二次元バーコード画像から、そこに埋め込まれた(含まれた)アクセス情報や認証情報を抽出する情報抽出手段31aが実装されている。利用者は、このようにして抽出されたアクセス情報や認証情報を利用して、自身が関わる要介護者の旅行情報や個人情報にアクセスする。
【0045】
図9は、旅行プラン及びそれに対応した介護プランを生成する処理内容を示すフロー図である。制御部11は、まず、ネットワーク20経由で、該要介護者の旅行条件や介護条件の入力を、情報端末30から受け付ける条件入力処理(S101)を行う。すなわち、制御部11には、条件入力処理を実行する条件入力手段が実装されている。
【0046】
続いて、制御部11は、条件入力処理によって入力された旅行条件及び介護条件を満たす旅行プラン及びそれに対応した介護プランを、記憶部12に記憶された利用情報から抽出(生成)するプラン抽出処理(S102)を実行する。すなわち、制御部11には、プラン抽出処理を実行するプラン抽出手段が実装されている。
【0047】
最後に、制御部11は、プラン抽出処理によって抽出した一又は複数の旅行プラン及び介護プランの組合せを、情報端末30に出力するプラン出力処理(S103)を実行し、一連の処理を完了する。すなわち、制御部11には、プラン出力処理を実行するプラン出力手段が実装されている。
【0048】
図10は、アクセス情報を出力する一連の処理内容を示すフロー図である。提示された一又は複数の旅行プラン及びそれに対応した介護プランの組合せの中から一の組合せを選択し、必要に応じて修正を加え、その手配の業者に依頼する。制御部11は、まず、この手配の完了の通知を受信する手配完了通知受信処理(S201)を実行する。すなわち、制御部11には、手配完了通知受信処理を実行する手配完了通知受信手段が実装されている。
【0049】
続いて、制御部11は、手配された旅行プラン及び介護プランの情報と、介護施設職員の情報端末30から入力されてくる情報とに基づいて、共有情報を生成して記憶部12に記憶する共有情報生成処理(S202)を実行する。すなわち、制御部11には、共有情報生成処理を実行する共有情報生成手段が実装されている。
【0050】
続いて、制御部11は、共有情報生成処理によって生成された共有情報に対して、その共有情報に係る旅行に関わる利用者が情報端末30を介してアクセスすることを可能とする各種のアクセス情報を生成するアクセス情報生成処理(S203)を実行する。すなわち、制御部11には、アクセス情報生成処理を実行するアクセス情報生成手段が実装されている。
【0051】
ちなみに、アクセス情報には、上述した通り、権限情報を含めることもできる。この権限情報には、上述した通り、パスワードやID等の識別情報を含めてもよい。
【0052】
このようにして生成されたアクセス情報が埋め込まれた前記二次元バーコード画像が、制御部11の画像生成手段11dによって生成される。この二次元バーコード画像は、情報提供手段11cによって、ネットワーク20経由で情報端末30に送信されるか、或いは出力インターフェース15を介して印刷等される。
【0053】
情報端末30は、受け取った二次元バーコード画像のデータを、自身の記憶部32に記憶する他、出力インターフェース36によって自身のモニタに該二次元バーコード画像を表示させる処理を行う。
【0054】
また、情報端末30は、上述したシール70等の印刷媒体に前記二次元バーコード画像を印刷し、上述した必要な者に渡してもよい。さらに、情報端末30が、前記アクセス情報を旅行支援サーバ10から受け取り、この情報に基づいて前記二次元バーコード画像のデータを生成してもよい。
【0055】
このような処理を実現するため、図8に仮想線で示すように、情報端末30の制御部31には、二元バーコード画像を生成する画像生成処理を実行する画像生成手段31bや、データ等を出力する出力手段31cを設けてもよい。出力手段31cは、出力インターフェース36を介してプリンタに印刷するか、或いは通信インターフェース33を介してネットワーク20経由で他の情報端末30に送信する等の出力処理を行う。
【0056】
図11は、情報端末にネットワーク経由で共有情報の少なくとも一部を提供して共有する処理の内容を示すフロー図である。制御部11の受付手段11aは、利用者の情報端末30からのアクセスを受け付ける受付処理(S301)を実行する。
【0057】
続いて、制御部11の権限識別手段11bは、受付処理によってアクセスを受け付けた利用者のアクセス権限を識別する権限識別処理(S302)を実行する。
【0058】
続いて、制御部11の情報提供手段11cは、受付処理によってアクセスを受け付けた利用者の情報端末30に対して、権限識別処理で識別されたアクセス権限の範囲で、記憶部12に記憶された共有情報を提供する情報提供処理(S303)を実行する。
【0059】
以上のように構成される本発明によれば、要介護者の一の旅行に係る共有情報を、該要介護者のプライベートを加味しつつ、該要介護者の介護に必要の範囲で、適切に共有することが容易になる。
【0060】
次に、図5図8及び図12に基づき、本発明の別実施形態について、上述した形態と異なる部分を説明する。
【0061】
図12は、本発明の別実施形態につき、アクセス情報を共有する手段を概念的に説明する説明図である。同図に示す例では、要介護者の人体にICチップ90を埋め込む。このICチップ90には、アクセス情報が記憶される他、必要に応じて認証情報も記憶される。このICチップ90に情報を非接触で書き込む書込手段16,38が、旅行支援サーバ10又は情報端末30に設けられている。一方、情報端末30には、ICチップに記憶された情報を非接触で読み込む読込手段37を設けている。
【0062】
ちなみに、このICチップ90と、書込手段16,38及び読込手段37とは、非接触の近接通信を行うことによって、データのやり取りを行う。また、単一の図示しない読書手段は、読込手段37と書込手段16,38との両方の機能を備えており、これを旅行支援サーバ10や情報端末30に設けてもよい。
【0063】
これによって、要介護者へのアクセス情報を要介護者の身体から取得可能になり、その結果、この要介護者の旅行情報や個人情報へのアクセスも容易になる。この一方で、要介護者の身体に埋め込まれたICチップ90を利用するため、該要介護者に係る個人情報や旅行情報にアクセス可能な者は、該要介護者の近くにいるものに限定される。これによって高いセキュリティーと、利便性を両立することが可能になる。
【0064】
なお、このICチップ90は、それを埋め込む要介護者の個人情報や旅行情報を直接記憶しておくことも可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 旅行支援サーバ(コンピュータ)
11a 受付手段
11b 権限識別手段
11c 情報提供手段
12 記憶部
20 ネットワーク(インターネット)
30 情報端末
31a 情報抽出手段
34 カメラ(画像取得手段)
S301 受付処理
S302 権限識別処理
S303 情報提供処理
図1
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